JP5091625B2 - 透明導電基板およびそれを用いたタッチパネル - Google Patents

透明導電基板およびそれを用いたタッチパネル Download PDF

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本発明は、主に透明導電膜を利用した抵抗膜方式のタッチパネルにおいて、上部電極と下部電極の接触による導通がスムーズに行われることを特徴とする透明導電膜、及びこの透明導電膜を利用したタッチパネルに関するものである。
タッチパネルやディスプレイ材料、太陽電池などに使用される透明導電膜は、その透明導電層として酸化インジウム錫(ITO)や酸化錫、酸化亜鉛などが広く使用されている。このような透明導電層はマグネトロンスパッタリング法やモレキュラービームエピタキシー法などの物理気相堆積法(PVD法)や熱CVDやプラズマCVDなどの化学気相堆積法(CVD法)などにより形成されるほか、無電解法により形成される方法が知られている。中でもITOは透明導電材料として非常に優れた材料であり、現在広く透明導電層に使用されている。しかしながら、原料のインジウムが枯渇する可能性があり、資源的にもコスト的にもITOに替わる材料の探索が急務となっている。
ITOに替わる材料としては酸化亜鉛(ZnO)が代表として挙げられる。ZnOはITOと比較して透明性に優れる反面、水分や熱に対する安定性に劣ることが非特許文献1に記載されている。一方、タッチパネルに用いられる透明導電膜は、用途の性質上から耐衝撃性が必要である場合が多く、特許文献1〜3に透明導電膜上に被覆層を形成することで、耐衝撃性が向上すると述べられているが、記載されている窒化物や酸化物などは、水分や熱に対する安定性に優れる可能性があるが、導電性に課題が残る。一方カーボン材料は、一部導電性に優れるものもあるが、記載されているカーボン膜では上記の水分や熱に対する安定性には効果がない。タッチパネルに用いられる透明導電膜の、重要な要素としては、「透明性」「耐衝撃性」「特に水分や熱に対する特性の安定性」「導電性」が考えられるが、現在主流となっているITO以上にすぐれた材料は実用化に至っていない。
透明導電膜、6ページより(シーエムシー出版) 特開2001−283643号公報 特開2003−34860号公報 特開2003−109434号公報
上記課題を解決する為に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、酸化亜鉛透明導電層上にカーボン膜を形成し、さらにその上に極薄膜厚の酸化亜鉛透明導電層を形成することで、上記の課題を解決することが可能な透明導電膜を製造することが可能であることを見出した。
すなわち本願発明は、少なくとも片面に透明導電が形成された透明導電基板、および一対の透明導電基板のそれぞれの透明導電膜同士が向かい合うように配置されており、表面側の透明導電基板を押すことにより一対の透明導電基板を接触させて位置検出を行うタッチパネルに関する。(1)一実施形態において、前記一対の透明導電基板のうち少なくとも一方は、透明基板上に、酸化亜鉛を主成分とする300〜600Åの膜厚である透明導電層を有しており、前記透明導電層上に20〜250Åの膜厚であるカーボン膜、さらにその上に200Å以下の膜厚である酸化亜鉛を主成分とする透明導電層を有している。(2)一実施形態において、前記一対の透明導電基板のうち少なくとも一方は、透明基板上に、20Å〜250Åの膜厚であるカーボン膜、その上に形成された酸化亜鉛を主成分とする300〜600Åの膜厚である透明導電層を有しており、前記透明導電層上に20〜250Åの膜厚であるカーボン膜、さらにその上に200Å以下の膜厚である酸化亜鉛を主成分とする透明導電層を有している。(3)一実施形態において、上記カーボン膜が、水素を含むカーボン膜である。
本願発明により、主にタッチパネル用途に用いられる透明導電膜における「透明性」「耐衝撃性」「特に水分や熱に対する特性の安定性」「導電性」において良好な特性を示す透明導電膜を形成することが可能となる。
本発明は「透明基板上に、300Å〜600Åの膜厚である酸化亜鉛を主成分とする透明導電層、その上に20Å〜250Åの膜厚であるカーボン膜、さらにその上に200Å以下の膜厚である酸化亜鉛を主成分とする透明導電層から形成されてなることを特徴とする透明導電膜を有する透明導電基板およびそれを使用したタッチパネルに関するものである。
ダイヤモンドライクカーボンを代表とするカーボン膜は、表面の摩擦低下を目的としてコーティングされている。また、近年は太陽電池や化合物半導体高速電子デバイスに用いる低誘電率膜などへの応用が期待されている(非特許文献2)。
DLC膜ハンドブック、495ページより(NTS社出版) また上記特許文献1〜3にもカーボン膜を被覆層とする透明導電膜の記載がある。これらの炭素膜はアルゴンガスを用いたカーボン材料をスパッタリングにより製膜を行ったものであり、生成するカーボン膜は水素を含まないアモルファスカーボン膜である。このようなカーボン膜は、硬い膜を製膜することが可能であるが、水分や熱に対して電気特性を安定に維持することについては効果がない。本発明では、構造中に水素を含有するカーボン膜として使用することで、酸化亜鉛透明導電膜の水分や熱に対して前記特性を安定に維持可能であることを見出した。
以下、本発明に係る透明導電基板を用いたタッチパネルの代表的な態様を説明する。
図1は、本発明に係る透明導電基板の断面説明図である。この透明導電基板は厚さ0.05〜1.5mmの基板1上に、酸化亜鉛を主成分とする透明導電層2が設けられる。カーボン膜3は透明導電層2の表面(および基板と透明導電層との間(図2))に被覆される。さらに透明導電膜の最表面には極薄膜の酸化亜鉛透明導電層4が形成される。この最表面の酸化亜鉛透明導電層4は、タッチパネルにおける対電極と接触したときに電気を効率よく流すためのコンタクト性向上の効果がある。
上記基板1については、少なくとも可視光領域において透明な基板であれば、硬質または軟質材料は特に限定されない。硬質材料であれば、アルカリガラスやホウ珪酸ガラス、無アルカリガラスなどのガラス基板がその代表例であるが、サファイヤ基板なども使用できる。ガラス基板の厚みは使用目的により任意に選択することができるが、取り扱いと重量のバランスを加味して、0.5mm〜4.5mmまで使用できる。薄すぎるガラス基板は強度が不足するために、衝撃により割れやすい。また厚すぎるガラス基板は重量が重くなることと、機器の厚みに影響を及ぼすことから、ポータブル機器への利用は困難となる。また厚い基板は透明性とコストの面からも好ましくない。一方、軟質な材料としては、アクリル樹脂やポリエステル、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂や、ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂からなるフィルムが代表例であるが、特に優れた光学等方性と水蒸気遮断性に優れているポリシクロオレフィンを主成分とするフィルムが有効に使用できる。ポリシクロオレフィンフィルムとしては、ノルボルネンの重合体やノルボルネンとオレフィンとの共重合体、シクロペンタジエンなどの不飽和脂環式炭化水素の重合体などが挙げられる。水蒸気遮断性の観点から、フィルム構成分子の主鎖および側鎖には大きな極性を示す官能基、例えばカルボニル基やヒドロキシル基、を含まないことが好ましい。これらの基板の厚みは使用目的により任意に選択することができるが、0.03mm〜3.0mm程度が取り扱いが容易である。薄いフィルムはハンドリングが困難であることと、強度が不足する点が課題となる。また厚いフィルムは透明性とコストに課題があり、機器の厚みも増すことから、ポータブル機器には使用が困難である。
上記基板1としてフィルム基板を用いる場合は、基板フィルムを延伸して位相差を付与することができる。位相差を付与することで、偏光板との組み合わせにより低反射パネルを作製することが可能であり、画像の視認性が大幅に向上することが期待される。
上記基板1への位相差付与の方法について説明する。位相差付与には既知の手法を用いることで可能となる。例えば一軸延伸や二軸延伸などの延伸や配向処理により可能である。この際フィルムにガラス転移温度近くの温度をかけることで、ポリマー骨格の配向を促進することが可能となる。レタデーション値の好ましい範囲は、目的とする機能によりことなるが、反射防止機能を付与する場合には50〜300nmの範囲で選択する事が好ましく、人間が最も強く認識する波長である約550nmに対して1/4となる137nm付近がより好ましい。
本発明における透明導電層2には透明導電酸化物の中でも、透明性の高さとカーボン膜の製膜時に発生する水素プラズマに対して還元反応が起こらないという点から酸化亜鉛が用いられる。上記透明導電酸化物には抵抗制御や安定性を目的としてドーピング剤を添加することができる。ドーピング剤としては例えば、アルミニウムやホウ素を含む化合物やリン、窒素を含む化合物などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
透明導電層の形成方法としては、均一な薄膜が形成される手段であれば特に限定されない。例えば、スパッタリングや蒸着などのPVD法や、各種CVD法などの気相堆積法などの他に、透明導電層の原料を含む溶液をスピンコート法やロールコート法、スプレー塗布やディッピング塗布などにより塗布した後に加熱処理などで透明導電層を形成する方法が挙げられるが、ナノメートルレベルの薄膜を形成しやすいという観点から気相堆積法が好ましい。透明導電層の膜厚は300〜600Åが好ましい。酸化亜鉛の導電率との関係から、この程度の膜厚でタッチパネルに良好な表面抵抗を得ることができる。さらに、膜厚が薄くなると膜の強度が不足しクラックなどの発生が起こりやすくなる。逆に膜厚が厚くなると透明性が劣る原因となり、コストの面からも好ましくない。
気相堆積法で透明導電層を形成する場合、基板の温度は、基板の軟化温度により変化するが、室温〜基板のガラス転移温度以下が好ましく、さらに好ましくは室温〜基板のガラス転移温度より30℃程度低温が好ましい。基板の温度が低すぎると、結晶性が悪くなり、透明性や導電性が目的を達成できない可能性がある。基板の温度が高すぎると基板に付与した位相差が損失する可能性がある。透明導電層の形成には必要に応じてプラズマ放電を利用することができる。プラズマのパワーには特に制限はないが、生産性や結晶性の観点から10W〜600Wが好ましい。低すぎる場合には製膜されない可能性がある。高すぎる場合には基板へのダメージや装置へのダメージが懸念される。透明導電層の形成に使用するキャリアガスは一般的な気相堆積法に使用されるガスを使用することができる。例えばアルゴンや水素、酸素や窒素ガスを使用することができる。
上記カーボン膜3は、酸化亜鉛透明導電の空気や水分に対する保護や透明導電層表面の物理的衝撃に対する耐久性向上を目的として使用される。カーボン膜3には構造中に水素を含むハイドロカーボンが好ましく、物理的強度や透明性の観点から、アモルファスハイドロカーボンやテトラヘドラルアモルファスハイドロカーボンがより好ましく使用される。これらのカーボン膜は、一般的に知られている手法により生産することができ、例えばプラズマCVD法や蒸着法、スパッタリング法などがあり、どの手法を用いても良いが、効率よく水素を導入できる点ではプラズマCVDやスパッタリングが優れている。プラズマCVD法でカーボン膜を形成する場合、原料は通常使用されるものを使用でき、炭素源としてメタンやベンゼンなどがあり、例えばメタンと水素を用いる方法により良好なカーボン膜を得ることができる。また、透明導電膜表面の疎水性を上げる為にフッ素原子を導入してもよく、その際の炭素源としてテトラフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、フルオロメタンやフッ素置換ベンゼンなどが使用できる。プラズマのパワーは特に制限はないが5W〜600Wが好ましい。低い場合は製膜されず、逆に高い場合はプラズマにより透明導電層2がエッチングされる可能性がある。スパッタリング法を用いてカーボン膜を形成する場合、カーボンをターゲットとして用い、キャリアガスとして水素を使用することで、水素を含有するカーボン膜を形成することができる。また、透明導電層2製膜時にあらかじめ水素を含有させることにより、良好なダイヤモンドライクカーボン膜を得ることができる。
酸化亜鉛透明導電層4は対電極とのコンタクト性を向上させる目的で形成する。コンタクト性とは、本願の透明導電膜とタッチパネルの対電極が接触した時の電気の流れやすさであり、抵抗膜方式のタッチパネルでは重要な性質である。カーボン膜3は酸化亜鉛透明導電層に比べて導電性が低い物質であるため、直接対電極と接触しても電気を流さない可能性がある。これに対して、酸化亜鉛透明導電層4を形成することで、対電極と接触したときに効率よく電気を流すことが可能となる。
酸化亜鉛透明導電層4は、透明性を優先してドーピングしなくても使用可能であるが、ドーピングを施すことでコンタクト性向上への寄与を大きくすることが可能である。ドーピング剤としては例えば、アルミニウムやホウ素を含む化合物やリン、窒素を含む化合物などが挙げられる。
酸化亜鉛透明導電層4の膜厚は薄いほど好ましく、200Å以下で使用されるが、さらに好ましくは100Å以下である。該透明導電層4はコンタクト性が重要な要素であり、透明導電膜の表面抵抗は下層の透明導電層2及びカーボン膜3に従う必要がある。このため、透明導電層4は表面抵抗に影響を与えない膜厚である200Å以下であることが必要である。また、上述している酸化亜鉛透明導電層本来の水分や熱に対する不安定さも、酸化亜鉛透明導電層4の膜厚が200Å以下であれば、電場やトンネル電流などの影響により、その影響を無視することができる。
タッチパネルに用いられる下部電極5は、ガラスやプラスチックなどの透明基板上にITOのような透明導電層、さらにドットスペーサーを設けることで作製することができる。また、本発明に係る透明電極を下部電極材料として用いてもなんら問題はない。その場合は、透明基板上にカーボン膜・酸化亜鉛を主成分とする透明導電層、さらにその上にカーボン膜を積層したもの、もしくは透明基板上に酸化亜鉛を主成分とする透明導電層を積層し、その反対面の透明基板上にカーボン膜を製膜したものの、透明導電層表面にドットスペーサーを設けたものを使用する。ドットスペーサーは透明導電層の上面・下面のどちらに形成してもかまわない。ドットスペーサーの材料としては一般的な絶縁化合物を使用することができるが、ウレタンアクリレート樹脂を使用すると、耐摩擦性などにも優れたものができる。
透明導電膜の表面抵抗は、JISK7194に記載されている四探針圧接測定で測定した。表面抵抗の値は、タッチパネルに必要とされる特性により異なるが、200〜2000Ω/□が好ましい。これ以上大きい表面抵抗では、透明導電層の膜厚が薄過ぎ、透明導電膜の表面抵抗が安定にならず、特に高温高湿環境下に放置すると表面抵抗が容易に上昇する。逆にこれ以上小さい表面抵抗では、透明導電層の膜厚が大きくなり、その応力により透明導電層が割れやすくなることや、また透過率の低下やコスト面での課題が発生する。
550nmの波長での光線透過率は、JISK7105に記載されている積分球式光線透過率測定装置を用いて測定した。
以下に、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
無アルカリガラス(商品名OA−10、膜厚0.7mm、日本電気硝子社製)に、酸化亜鉛をスパッタ製膜した。製膜条件は、基板温度を200℃、キャリアガスとしてアルゴンガスを20sccm使用し、8Paの圧力で200WのDCパワーをかけ、5分間製膜することで、500Åの酸化亜鉛透明導電層を作製した。さらにその上にカーボン膜をプラズマCVD法で製膜した。製膜条件は、基板温度を200℃とし、メタンガス、水素ガスをそれぞれ10sccm、200sccm流しながら、70Paの圧力に調圧した後、200WのRFパワーをかけ、40分間製膜することで、50Åのカーボン膜を作製した。さらにその上に酸化亜鉛をスパッタ製膜した。製膜条件は、基板温度を200℃、キャリアガスとしてアルゴンガスを20sccm使用し、8Paの圧力で200WのDCパワーをかけ、1分間製膜することで、100Åの酸化亜鉛透明導電層を形成し、上部電極板を作製した。このようにして作製した透明導電膜の表面抵抗は290Ω/□であり、550nmの波長での光線透過率は88%であった。他方、無アルカリガラス(商品名OA−10、膜厚0.7mm、日本電気硝子社製)に、インジウム−錫複合酸化物膜(ITO)を250Å製膜し、さらにその全面に粒径5μmのウレタンアクリレート樹脂からなるドットスペーサーを5mmの間隔で印刷塗布し、下部電極板を作製した。上記上部電極板と下部電極板とを透明導電層が対面するように対向配置し、四辺をシールすることでタッチパネル構造体を作製した。この両電極に金属線を取り付け、デジタル電気テスターCDM−17Dの各端子と金属線をそれぞれ接続した。電極を押さえない場合は、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなり絶縁状態であった。電極の中心に80g重の力を加えたところ、テスターの抵抗値は1000Ωとなり、電気が通った。このタッチパネル構造体を60℃・95%RHの環境下で10日間放置した後、再度テスターで測定したところ、電極を押さえない場合は、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなり絶縁状態であった。電極の中心に80g重の力を加えたところ、テスターの抵抗値は1000Ωとなり、電気が通った。
(実施例2)
ポリシクロオレフィンフィルム(商品名ゼオノアフィルムZF−14、膜厚100μm、日本ゼオン社製)に、カーボン膜をプラズマCVD法で製膜した。製膜条件は、基板温度を200℃とし、メタンガス、水素ガスをそれぞれ10sccm、200sccm流しながら、70Paの圧力に調圧した後、200WのRFパワーをかけ、40分間製膜することで、50Åのカーボン膜を作製した。その上に実施例1と同様に酸化亜鉛透明導電層、カーボン膜、酸化亜鉛透明導電層を形成した。このようにして作製した透明導電膜の表面抵抗は280Ω/□であり、550nmの波長での光線透過率は85%であった。この透明導電膜を用いて、実施例1と同様にタッチパネル構造体を作製した。この両電極に金属線を取り付け、デジタル電気テスターCDM−17Dの各端子と金属線をそれぞれ接続した。電極を押さえない場合は、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなり絶縁状態であった。電極の中心に80g重の力を加えたところ、テスターの抵抗値は1000Ωとなり、電気が通ることがわかった。このタッチパネル構造体を60℃・95%RHの環境下で10日間放置した後、再度テスターで測定したところ、電極を押さえない場合は、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなり絶縁状態であった。電極の中心に80g重の力を加えたところ、テスターの抵抗値は1000Ωとなり、電気が通った。
(実施例3)
実施例1で作製した上部電極と同じものにウレタンアクリレート樹脂からなるドットスペーサーを5mmの間隔で印刷塗布し、下部電極板を作製した。実施例1で作製した上部電極との組み合わせでタッチパネル構造体を作製した。この両電極に金属線を取り付け、デジタル電気テスターCDM−17Dの各端子と金属線をそれぞれ接続した。電極を押さえない場合は、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなり絶縁状態であった。電極の中心に80g重の力を加えたところ、テスターの抵抗値は1000Ωとなり、電気が通ることがわかった。このタッチパネル構造体を60℃・95%RHの環境下で10日間放置した後、再度テスターで測定したところ、電極を押さえない場合は、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなり絶縁状態であった。電極の中心に80g重の力を加えたところ、テスターの抵抗値は1000Ωとなり、電気が通った。
(実施例4)
実施例2で作製した上部電極と同じものにウレタンアクリレート樹脂からなるドットスペーサーを5mmの間隔で印刷塗布し、下部電極板を作製した。実施例1で作製した上部電極との組み合わせでタッチパネル構造体を作製した。この両電極に金属線を取り付け、デジタル電気テスターCDM−17Dの各端子と金属線をそれぞれ接続した。電極を押さえない場合は、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなり絶縁状態であった。電極の中心に80g重の力を加えたところ、テスターの抵抗値は1000Ωとなり、電気が通ることがわかった。このタッチパネル構造体を60℃・95%RHの環境下で10日間放置した後、再度テスターで測定したところ、電極を押さえない場合は、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなり絶縁状態であった。電極の中心に80g重の力を加えたところ、テスターの抵抗値は1000Ωとなり、電気が通った。
(比較例1)
無アルカリガラス(商品名OA−10、膜厚0.7mm、日本電気硝子社製)に、酸化亜鉛をスパッタ製膜した。製膜条件は、基板温度を200℃、キャリアガスとしてアルゴンガスを20sccm使用し、8Paの圧力で200WのDCパワーをかけ、5分間製膜することで、500Åの酸化亜鉛透明導電層を作製した。さらにその上にカーボン膜をプラズマCVD法で製膜した。製膜条件は、基板温度を200℃とし、メタンガス、水素ガスをそれぞれ10sccm、200sccm流しながら、70Paの圧力に調圧した後、200WのRFパワーをかけ、40分間製膜することで、50Åのカーボン膜を作製した。このようにして作製した透明導電膜の表面抵抗は290Ω/□であり、550nmの波長での光線透過率は87%であった。この透明導電膜を用いて、実施例1と同様にタッチパネル構造体を作製した。この両電極に金属線を取り付け、デジタル電気テスターCDM−17Dの各端子と金属線をそれぞれ接続した。電極を押さえない場合は、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなり絶縁状態であった。電極の中心に80g重の力を加えたところ、テスターの抵抗値は1500Ωとなり、電気が通った。このタッチパネル構造体を60℃・95%RHの環境下で10日間放置した後、再度テスターで測定したところ、電極を押さえない場合は、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなり絶縁状態であった。電極の中心に80g重の力を加えたところ、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなった。
(比較例2)
最表面の酸化亜鉛透明導電層の膜厚を300Åにする以外は実施例1と同様に透明導電膜を作製した。透明導電膜の表面抵抗は350Ω/□であり、550nmの波長での光線透過率は85%であった。この透明導電膜を用いて、実施例1と同様にタッチパネル構造体を作製した。この両電極に金属線を取り付け、デジタル電気テスターCDM−17Dの各端子と金属線をそれぞれ接続した。電極を押さえない場合は、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなり絶縁状態であった。電極の中心に80g重の力を加えたところ、テスターの抵抗値は1500Ωとなり、電気が通った。このタッチパネル構造体を60℃・95%RHの環境下で10日間放置した後、再度テスターで測定したところ、電極を押さえない場合は、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなり絶縁状態であった。電極の中心に80g重の力を加えたところ、テスターの抵抗値はオーバーレンジとなった。
今回の結果から、酸化亜鉛透明導電にカーボン膜、さらにその表面に極薄の酸化亜鉛透明導電層を形成することで、透明性・水分や熱に対する特性の安定性・導電性に優れるタッチパネル用透明導電膜を作製することができた。
タッチパネル構造体の断面説明図1 タッチパネル構造体の断面説明図2
符号の説明
1 基板
2 透明導電層
3 カーボン膜
4 透明導電層
5 下部電極(ガラス/ITO/ドットスペーサー)

Claims (4)

  1. 透明基板の少なくとも片面に透明導電が形成された透明導電基板であって、
    前記透明基板上に、酸化亜鉛を主成分とする300〜600Åの膜厚である透明導電層、前記透明導電層上に形成された20〜250Åの膜厚であるカーボン膜、およびさらにその上に形成された最表面の層であり200Å以下の膜厚である酸化亜鉛を主成分とする透明導電層を有する、透明導電基板。
  2. 透明基板の少なくとも片面に透明導電が形成された透明導電基板であって、
    前記透明基板上に、20Å〜250Åの膜厚であるカーボン膜、その上に形成された酸化亜鉛を主成分とする300〜600Åの膜厚である透明導電層、前記透明導電層上に形成された20〜250Åの膜厚であるカーボン膜、およびさらにその上に形成された最表面の層であり200Å以下の膜厚である酸化亜鉛を主成分とする透明導電層を有する、透明導電基板。
  3. 上記カーボン膜が、水素を含むカーボン膜であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透明導電基板
  4. 対の透明導電基板のそれぞれの透明導電膜同士が向かい合うように配置されており、表面側の透明導電基板を押すことにより一対の透明導電基板を接触させて位置検出を行うタッチパネルにおいて、
    前記一対の透明導電基板のうち少なくとも一方が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明導電基板であることを特徴とするタッチパネル。
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