JP5572035B2 - パンタグラフの接触力変動低減方法及びパンタグラフ - Google Patents

パンタグラフの接触力変動低減方法及びパンタグラフ Download PDF

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Description

本発明は、電気鉄道におけるトロリ線(架線)とパンタグラフとの間に作用する接触力の変動を低減する方法、及び、接触力変動の低減が可能なパンタグラフに関する。
現状の電気鉄道においては、トロリ線(架線)から車体屋根に搭載されたパンタグラフを介して車両に電力を送る方式が一般的である。このようなパンタグラフは、トロリ線に押し当てられる舟体(摺り板を含む)や、舟体を昇降可能に支持するとともに、トロリ線に押し当てる押上力を与える支持機構、支持機構と舟体との間に介装された支持ばね(復元ばね)・ダッシュポット等を備えている。
トロリ線とパンタグラフの舟体との接触力は、トロリ線の高さ変動や車両・パンタグラフの振動によって変動する。この接触力の変動が大きすぎると、パンタグラフの舟体がトロリ線から離れる離線現象が生じるおそれがある。離線が頻発すると、舟体とトロリ線との間にスパークが生じて、すり板の摩耗が進み、問題となる。また、離線に至らない場合でも、パンタグラフの接触力は極力変動の小さい方がよい。
トロリ線とパンタグラフの舟体との間に作用する接触力の変動を低減する技術として、舟体をトロリ線に押し当てるアクチュエータを動的に制御するアクティブ方式のものが提案されている(特許文献1参照)。アクチュエータの制御技術としては、例えば、PID制御技術を適用することができる。PID制御は、比例動作に積分動作と微分動作を加えた制御を行い、残留残差をなくすようにアクチュエータの出力を制御する。この場合、制御したい物理量である接触力、あるいは、接触力を推定するために必要な物理量(例えば、歪ゲージで計測した舟体や支持機構にかかっている荷重など)をフィードバック信号として制御器に入力する。この信号は高い周波数成分を含んでいるため、そのまま制御器にフィードバックすると制御系が発散することがある。このため、ゲインを非常に小さい値に設定して使用するか、フィードバック信号の位相遅れを覚悟してローパスフィルタを使用するというのが現状である。このような条件では、制御可能な周波数帯がごく低い周波数帯に限られてしまう。
なお、前述の特許文献1の提案は、測定値の内の低周波数成分(例えば、2〜3Hz以下)をゼロに近づけるようにアクチュエータを制御するものである。
特開2005−287209号公報
本発明は前記の課題に鑑みてなされたものであって、高周波成分を比較的含まない信号を使用してアクティブ制御を行うパンタグラフの接触力低減方法を提供することを目的とする。
本発明のパンタグラフの接触力低減方法は、 電気鉄道の車両に電力供給する架線に押し当てられる摺り板を有する舟体、 前記車両の屋根上に前記舟体を昇降可能に支持する枠組み、 該枠組みに、前記舟体を略一定の力で押し上げる押上力を与える手段、及び、 前記架線と前記摺り板との間の上下方向接触力を動的に制御するアクチュエータ、を備えるパンタグラフにおける、 前記接触力の変動を低減する方法であって、 前記パンタグラフの機械的なインピーダンスを変えるように前記アクチュエータを制御することを特徴とする。
具体的には、 前記パンタグラフを、前記舟体の質量m、前記舟体と前記枠組み間のばね要素k及び減衰要素c、前記枠組みの質量m、並びに、前記枠組みと前記車両の屋根との間の減衰要素c及び静押上力Pを含む力学系としてモデル化し、 前記アクチュエータにより、前記力学系に仮想的なばね及び減衰要素を付加して前記パンタグラフの動特性を制御する。
また、 前記パンタグラフを、前記舟体の質量m、前記舟体と前記枠組み間のばね要素k及び減衰要素c、前記枠組みの質量m、並びに、前記枠組みと前記車両の屋根との間の減衰要素c及び静押上力Pを含む力学系としてモデル化し、 前記アクチュエータにより、前記m、前記k及びc、前記m、並びに、前記cを仮想的に変更して前記パンタグラフの動特性を制御することもできる。
さらに具体的な手法としては、 前記パンタグラフのいずれかの箇所の変位を測定し、該変位を制御状態量として前記アクチュエータを制御する。
本発明によれば、アクチュエータの制御方式としてインピーダンス制御を利用する。インピーダンス制御は、アクチュエータによって仮想的なばね要素と減衰要素を付加してパンタグラフの接触力変動を低減させるように制御するものである。この制御に最低限必要な信号は、パンタグラフの支持機構の変位のみである。PID制御などにおいては、接触力や接触力を推定するために必要な物理量として、歪ゲージ等で測定された舟体内部の歪や加速度が使用される。これらの物理量と比較すると、変位の信号は高周波数成分があまり含まれていない。
したがって、高周波数域においても、安定にゲインを調整可能であり、PID制御よりも高い周波数域の接触力変動を低減できる。また、高周波成分の問題が無視できる場合には、変位以外の速度や接触力などの情報をフィードバックすることもできる。これにより、より自由にパンタグラフの動特性を制御できる。
これらの結果、1〜2Hz程度の周波数域での接触力変動を低減できる。
本発明においては、 前記アクチュエータを、前記車両の屋根と前記枠組みとの間に配置し、 該枠組みの変位を制御状態量とすることもできる。
または、 前記アクチュエータを、前記舟体と前記枠組みとの間に配置し、 前記舟体の変位を制御状態量とすることもできる。
さらに、 前記アクチュエータを、前記車両の屋根と前記枠組みとの間、及び、前記舟体と前記枠組みとの間に配置し、 前記枠組みの変位及び前記舟体の変位を制御状態量とすることもできる。
以上のように、アクチュエータの配置箇所を選択できるので、パンタグラフの構造や寸法などに応じて自在に配置できる。
本発明のパンタグラフは、 電気鉄道の車両に電力供給する架線に押し当てられる摺り板を有する舟体と、 前記車両の屋根上に前記舟体を昇降可能に支持する枠組みと、 該枠組みに、前記舟体を略一定の力で押し上げる押上力を与える手段と、 前記架線と前記摺り板との間の上下方向接触力を動的に制御するアクチュエータと、 前記舟体及び/又は前記枠組みの変位を計測する手段と、 前記計測手段で計測した変位を用いて前記パンタグラフの機械的なインピーダンスを変えるように前記アクチュエータを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、パンタグラフのアクティブ制御方式としてインピーダンス制御を適用する。この場合、最低限必要な信号はパンタグラフの枠組みの変位のみであって、従来のPID制御のような、高周波成分を含む舟体内部の歪や舟体の加速度などを必要としない。したがって、PID制御よりも高い周波数域(例えば1〜2Hz)での接触力変動量を低減できる。
本発明の第1の実施の形態に係るパンタグラフの構造を説明する図であり、図1(A)はパンタグラフ全体の機構図、図1(B)は図1(A)をモデル化した図である。 図1(A)のパンタグラフにおいて、機械要素を仮想的に付加した状態をモデル化した図である。 本発明の第2の実施の形態に係るパンタグラフの構造を説明する図であり、図3(A)はパンタグラフ全体の機構図、図3(B)は図3(A)をモデル化した図である。 図3(A)のパンタグラフにおいて、機械要素を仮想的に付加し、元々のパラメータを仮想的に変更した状態をモデル化した図である。 一般的なパンタグラフの構造を説明する図であり、図5(A)はパンタグラフ全体の機構図、図5(B)は図5(A)をモデル化した図である。
以下、図面を参照しつつ説明する。
まず、図5を参照して、一般的なパンタグラフの機構について説明する。
図5(A)に示すように、パンタグラフ1は、電気鉄道の車両に電力供給する架線(トロリ線)Tに押し当てられる摺り板10を有する舟体11と、車両の屋根上に舟体11を昇降可能に支持する枠組み20と、枠組み20に舟体11を略一定の力で押し上げる押上力を与える主バネ40とを、主に備える。これらは、車両の屋根3に碍子4を介して固定されたベース5上に取り付けられている。
舟体11は、車体の幅方向(左右方向)に沿って延びる箱状体である。この舟体11は、一例でアルミニウム合金等からなる。舟体11の上面には、摺り板10が取り付けられている。摺り板10は、一例で鉄系や銅系の焼結合金製、あるいは、カーボン系材料等からなる。この摺り板10がトロリ線Tに直接接触する。
舟体11は、枠組み20によって車両の屋根2上に昇降可能に支持されている。枠組み20は、回動可能に連結された上枠21と下枠22とを有する。上枠21の下端側は、くの字状に屈曲しており、この屈曲部に下枠22の上端が回動可能に連結している。上枠21の上端には、枠状の舟支え24が取り付けられている。舟支え24には、舟体11の下面に取り付けられた復元ばね25が収容されている。摺り板10は、枠組み20が上昇した後復元ばね25の弾性力でトロリ線Tに押し付けられる。舟支え24の下部と下枠22の上端寄りの部分とは、舟支えリンク27で接続されている。これにより、舟支え24及びその上の舟体11が正規の姿勢に保たれている。上枠21の下端には、釣り合い棒28の上端が連結されている。この釣り合い棒28の下端はベース5に連結されている。
下枠22の下端は、主軸31に連結されている。主軸31は、ベース5上の取付フランジ32に回動可能に取り付けられているとともに、ベース5上に配置された主バネ40に連結されている。主バネ40は、枠組み20に上昇力を与えるバネである。
さらに、舟体11と枠組み20との間には、図示しない減衰要素(例えばダッシュポットなど)が介されている。また、枠組み20とベース5との間にも、図示しない減衰要素が介されている。
図5(A)に示したパンタグラフの運動モデルを図5(B)に示す。図5(A)に示した各要素が、以下に示すように図5(B)においてモデル化されている。
:摺り板10及び舟体11の質量
:枠組み20(舟支え24、復元ばね25、上枠21、下枠22、舟支えリンク22及び釣り合い棒28)の質量
:復元ばね25のばね定数、
:舟体11と枠組み20間の減衰要素の減衰定数、
:枠組み20とベース2間の減衰要素の減衰定数、
x1:摺り板10及び舟体11の変位、
x2:枠組み20の変位、
:主ばね40によって加えられる静押上力。
この場合、質点やばね定数によって決まる共振周波数においてパンタグラフの追随性能は高くなり、接触力変動は小さい。
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るパンタグラフを説明する。この例のパンタグラフ1Aは、枠組み20に力を与えることによりパンタグラフをアクティブ制御するアクチュエータ50を備えている。
図1(A)に示すように、アクチュエータ50は、ベース5の上方に配置されている。アクチュエータ50の出力軸51の先端は主軸31に連結されている。出力軸51を進退させると枠組み20がリンク運動し、舟体11及び摺り板10を昇降させる。アクチュエータ50はコントローラに接続されており、このコントローラによって、摺り板10をトロリ線Tに押し当てる押上力を制御することができる。アクチュエータ50としては例えばエアシリンダを使用できる。
コントローラはインピーダンス制御器を備えている。インピーダンス制御とは、典型的にはロボットの手先に外から力を加えた場合に生じる機械的なインピーダンス(慣性、減衰係数、剛性)を、目的の値に設定するために、位置と力を制御する手法である。外力Fは、減衰項B、剛性項Kを用いて数1として表わされる。
Figure 0005572035
図1(A)に示したパンタグラフの運動モデルを図1(B)に示す。図5(B)に示した各要素と同じ要素は、図5(B)と同じ符号を付す。
この場合、パンタグラフの運動方程式は、数2で示される。uは、アクチュエータ50の制御力を示す。
Figure 0005572035
ただし、fcは舟体・トロリ線間の接触力である。
次に、アクチュエータ50によって各質点の運動を制御し、元々存在しない機械要素を仮想的に付加することを考慮する。この例では、ベース5と枠組み20との間に、ばね要素と減衰要素を直列に配置するものと仮想する。この場合の運動モデルを図2に示す。kは仮想したばね要素のばね定数、cは仮想した減衰要素の減衰定数を示す。
この場合、パンタグラフの運動方程式は、数3で示される。
Figure 0005572035
数2と数3により、アクチュエータの制御力uは数4のように決定される。
Figure 0005572035
つまり、アクチュエータの制御力をuとなるように制御することによって、図3の運動モデルが実現される。
ここで、xは実際には存在しない点の変位であり、xと数3の第3式とを用いて制御器内で計算されるものである。つまり、制御力uを算出するために必要な情報はx(枠組み20の変位)のみであり、xを制御器にフィードバックすればよい。x(枠組み20の変位)は、例えば、図1(A)に示すようにベース5上にレーザー変位計55を取り付けて、同変位計55によって舟支え24の高さを計測することによって得ることができる。このように、フィードバック信号は、高周波数成分が含まれない枠組み20の変位のみである。これにより、高周波数域においても安定にゲインを調整可能であり、PID制御よりも高い周波数帯の接触力変動量を低減できる。また、ローパスフィルタが必要でなくなり、位相遅れの問題も起こらない。さらには、高周波成分の振動による制御系の発散の可能性も低減できる。
図3を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るパンタグラフを説明する。この例のパンタグラフ1Bは、前述の枠組み20に力を与えるアクチュエータ50(枠組み用アクチュエータ)に加えて、摺り板10及び舟体11に力を与えるアクチュエータ60(舟体用アクチュエータ)を備えている。
舟体用アクチュエータ60は、舟支え25内に取り付けられている。アクチュエータ60の出力軸61の先端は舟体11の下面に連結されている。出力軸61を進退させると舟体11及び摺り板10が昇降する。アクチュエータ60はコントローラに接続されており、このコントローラによって、摺り板10をトロリ線Tに押し当てる押上力を制御することができる。アクチュエータ60としては例えばエアシリンダを使用できる。このアクチュエータ60も、インピーダンス制御器を備えたコントローラで制御される。
図3(A)に示したパンタグラフの運動モデルを図3(B)に示す。図5(B)に示した各要素と同じ要素は、図5(B)と同じ符号を付す。
この場合、パンタグラフの運動方程式は、数5で示される。uは舟体用アクチュエータ60の制御力を示し、uは枠組み用アクチュエータ50の制御力を示す。
Figure 0005572035
各アクチュエータ50、60によって各質点の運動を制御し、パンタグラフの各パラメータを変えることを考える。例えば、以下のように変更する。
→m1d
→m2d
→k1d
→c1d
→c2d
変更後のパンタグラフの運動方程式を数6に示す。
Figure 0005572035
数5の制御力u1、u2によって、数6で表わされる運動を実現することになる。数6と数5から、制御力u1、u2は数7、数8で表わされる。
Figure 0005572035
Figure 0005572035
これにより、舟体10及び摺り板11の質量、枠組み20の質量、復元ばね25のばね定数、舟体11と枠組み20間の減衰要素の減衰定数、枠組み20とベース5間の減衰要素の減衰定数を仮想的に変更することができ、任意の動特性を得ることができる。ただし、この場合、トロリ線Tとの接触力、舟体11の速度、舟体11の変位、枠組み20の速度、枠組み20の変位がフィードバック量として必要となる。舟体11の変位と枠組み20の変位は、前述のように、ベース5上に舟体の高さを計測するレーザー変位計と舟支えの高さを計測するレーザー変位計を取り付けて、これらの変位計で舟体10の高さや舟支え24の高さを計測することによって得ることができる。また、舟体11の速度と枠組み20の速度は、各々に速度計を取り付けて計測できる。接触力は、例えば、舟体11などに歪ゲージを取り付けて計測した荷重などから推定することができる。ただし、接触力信号や速度信号は高周波数成分を含むので、これらの信号を使用しないなど、信号の内いくつかのみを選択してフィードバックすることができる。この場合、制御できるパラメータは制限されるが、高周波成分を含む信号が含まれないので、制御系を安定に実現することができる。ただし、高周波成分の問題が無視できる場合などには、速度信号や接触力信号をフィードバックすることもでき、より自由にパンタグラフの動特性を制御できる。
なお、アクチュエータがどちらか一方のみの場合は、利用されないアクチュエータに対応する制御力を利用することができず、利用できない制御力に応じて制御できるパラメータが制限される。例えば、枠組み用アクチュエータ50のみの場合、制御力uは利用できない。このため、数7のパラメータ、m1d、c1d、k1dは実現不可能である。これにより、制御力uは数9で表わされる。
Figure 0005572035
つまり、実現可能なパラメータはm2dとc2dである。
図3を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るパンタグラフを説明する。前述のように、このパンタグラフ1Bは、前述の枠組み20に力を与えるアクチュエータ50(枠組み用アクチュエータ)に加えて、摺り板10及び舟体11に力を与えるアクチュエータ60(舟体用アクチュエータ)を備えている。
このパンタグラフの機構及び運動モデルにおいて、各アクチュエータによって各質点の運動を制御してパンタグラフの各パラメータを変更し、さらに、元々存在しない機構要素を仮想的に付加することを考える。この場合のモデル図を図4に示す。
パンタグラフの各パラメータは、前述と同様に以下のように変更する。
→m1d
→m2d
→k1d
→c1d
→c2d
さらに、枠組みとベースとの間に、アクチュエータによってばね要素と減衰要素とを直列に配置するものと仮想する。kは、ばね要素のばね定数、cは、減衰要素の減衰定数を示す。この運動モデルの運動方程式は数10で表わされる。
Figure 0005572035
数5の制御力u1、u2によって、数10で表わされる運動を実現することになる。数10と数5から、制御力u1、u2は数11、数12で表わされる。
Figure 0005572035
Figure 0005572035
ここで、xは、実際には存在しない点の変位であり、制御器内で計算されるものである。
なお、アクチュエータがどちらか一方のみの場合は、利用されないアクチュエータに対応する制御力を利用することができず、利用できない制御力に応じて制御できるパラメータが制限される。例えば、枠組み用アクチュエータのみ50の場合、制御力uは利用できない。このため、数11のパラメータ、m1d、c1d、k1dは実現不可能である。これにより、制御力u2は数13で表わされる。
Figure 0005572035
つまり、実現可能なパラメータはm2d、2d、k及びcである。
1 パンタグラフ 3 屋根
4 碍子 5 ベース
10 摺り板 11 舟体
20 枠組み 21 上枠
22 下枠 24 舟支え
25 復元ばね 27 舟支えリンク
28 釣り合い棒 31 主軸
32 フランジ 40 主ばね
50 アクチュエータ 51 出力軸
55 変位計 60 アクチュエータ
61 出力軸

Claims (8)

  1. 電気鉄道の車両に電力供給する架線に押し当てられる摺り板を有する舟体、
    前記車両の屋根上に前記舟体を昇降可能に支持する枠組み、
    該枠組みに、前記舟体を略一定の力で押し上げる押上力を与える手段、及び、
    前記架線と前記摺り板との間の上下方向接触力を動的に制御するアクチュエータ、
    を備えるパンタグラフにおける、
    前記接触力の変動を低減する方法であって、
    前記パンタグラフをモデル化した力学系に仮想的なばねと減衰要素を付加することにより前記パンタグラフの機械的なインピーダンスを変えて共振周波数を調整し前記接触力の変動を低減するように前記アクチュエータを制御することを特徴とするパンタグラフ接触力変動低減方法。
  2. 前記パンタグラフを、前記舟体の質量m1、前記舟体と前記枠組み間のばね要素k1及び減衰要素c1、前記枠組みの質量m2、並びに、前記枠組みと前記車両の屋根との間の減衰要素c2及び静押上力P0を含む力学系としてモデル化し、
    前記アクチュエータにより、前記力学系に仮想的なばね及び減衰要素を付加することにより、前記パンタグラフの動特性を制御し共振周波数を調整することを特徴とする請求項1記載のパンタグラフ接触力変動低減方法。
  3. 前記パンタグラフを、前記舟体の質量m1、前記舟体と前記枠組み間のばね要素k1及び減衰要素c1、前記枠組みの質量m2、並びに、前記枠組みと前記車両の屋根との間の減衰要素c2及び静押上力P0を含む力学系としてモデル化し、
    前記アクチュエータにより、前記m1、前記k1及びc1、前記m2、並びに、前記c2を仮想的に変更することにより、前記パンタグラフの動特性を制御し共振周波数を調整することを特徴とする請求項1記載のパンタグラフ接触力変動低減方法。
  4. 前記パンタグラフの舟体及びまたは枠組みの変位を測定し、該変位を制御状態量として前記アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のパンタグラフ接触力変動低減方法。
  5. 前記アクチュエータを、前記車両の屋根と前記枠組みとの間に配置し、
    該枠組みの変位を制御状態量とすることを特徴とする請求項4記載のパンタグラフ接触力変動低減方法。
  6. 前記アクチュエータを、前記舟体と前記枠組みとの間に配置し、
    前記舟体の変位を制御状態量とすることを特徴とする請求項4に記載のパンタグラフ接触力低減方法。
  7. 前記アクチュエータを、前記車両の屋根と前記枠組みとの間、及び、前記舟体と前記枠組みとの間に配置し、
    前記枠組みの変位及び前記舟体の変位を制御状態量とすることを特徴とする請求項4記載のパンタグラフ接触力変動低減方法。
  8. パンタグラフを介して電気鉄道の車両に電力供給する架線に押し当てられる摺り板を有する舟体と、
    前記車両の屋根上に前記舟体を昇降可能に支持する枠組みと、
    該枠組みに、前記舟体を略一定の力で押し上げる押上力を与える手段と、
    前記架線と前記摺り板との間の上下方向接触力を動的に制御するアクチュエータと、
    前記舟体及び/又は前記枠組みの変位を計測する手段と、
    前記計測手段で計測した変位を用い、前記パンタグラフをモデル化した力学系に仮想的なばねと減衰要素を付加することにより、前記パンタグラフの機械的なインピーダンスを変えて共振周波数を調整し前記接触力の変動を低減するように前記アクチュエータを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするパンタグラフ。
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