JP4777812B2 - パンタグラフの集電方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、特に高速電気鉄道の高速走行時における離線及び著大トロリー線歪みを防止し得るようにしたパンタグラフの集電方法及び装置関するものである。
近年、電気鉄道の高速化が推進され、特に300km/h以上、例えば350km/h前後で走行する高速電気鉄道が実施された場合には、トロリー線からの変位外乱が大きくなることによって、パンタグラフのすり板とトロリー線の接触力の変動が大きくなることが予想される。そのため、従来のようなばね機構と押付け装置で構成した押付緩衝装置によるパッシブ制御のパンタグラフでは、追従振幅(離線しないための最大振幅)を十分に大きくとることができず、上記の高速化によって離線の頻度が高くなることが懸念される。また、離線を防止するために、前記パンタグラフのすり板がトロリー線に押付けられる押付け力を高く設定した場合には、トロリー線の変位外乱が大きい場合にトロリー線への負荷が増大してトロリー線の著大歪みを生じる懸念がある。
従って、高速電気鉄道のパンタグラフにおいては、トロリー線とすり板との接触力の変動を極力低減することが大きな課題となっている。
このような高速電気鉄道におけるトロリー線とすり板との間に作用する接触力を低減するようにした集電装置としては、特許文献1及び特許文献2に示すようなものがある。
特許文献1は、トロリー線高さの変化、不整に対する変動接触力制御、揚力変動に対する接触力制御等のすべての機能をアクティブ制御によって実現しようとしたものである。具体的には、すり板に作用するAC成分のトロリー線不整変位、DC成分の定常揚力と摩擦力等の外乱を周波数領域上で分離させて制御している。これを実現するために、H制御理論の混合感度問題を適用している。
また、特許文献2は、過渡特性の向上のため、フィードバック制御とフィードフォワード制御を組み合わせた2自由度制御系を適用している。
上記特許文献1及び2を具現化するアクチュエータとしては、油圧シリンダを用いており、接触力制御を行う力シリンダ式駆動機構と、トロリー線の高さの変化に対して大きなストロークを出す位置シリンダ式駆動機構の2種類を用意し、両者を直列に配置した構成としている。
特開平10−248111号公報 特開平09−252502号公報
しかしながら、前記特許文献1及び2は、パンタグラフのすべての機能をアクティブ制御で実現しようとした構成であるため、外乱を周波数領域上で分離させる制御アルゴリズムを採用しており、制御系が複雑になるという問題がある。
また、前記した如くパンタグラフのすべての機能をアクティブ制御で実現するために、力シリンダ駆動機構と変位シリンダ駆動機構を直列に配置した構成としており、このために信頼性の観点においてリスクが増加するという問題がある。即ち、パンタグラフに搭載するアクチュエータとしては、パンタグラフ本体が数万Vの高電位体であるために電動アクチュエータを採用することはできず、このために特許文献1及び2では油圧シリンダによる駆動方式を採用しているが、油圧シリンダを用いた場合には、パンタグラフから絶縁隔置させた油圧源からの油を配管を介して油圧シリンダに導く必要があるために構成が複雑になる問題があり、更に、油圧を用いた場合には常に油漏れの問題があり、また、油圧シリンダは効率(駆動速度)及びメンテナンスの面で電動アクチュエータに比して劣るという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなしたもので、電動式パンタグラフの実装を可能にし、すり板とトロリー線の接触力の変動を早い速度で精度よく抑制し、構成を簡略化してメンテナンスを軽減し、万一電動アクチュエータが故障した場合にもパンタグラフの機能を維持してパンタグラフの信頼性を高められるようにしたパンタグラフの集電方法及び装置提供することを目的としてなしたものである。
請求項に記載の発明は、すり板が先端ばねと中間部材と中間ばねにより支持部材に支持された弾性支持装置を電車屋根部に配置し、前記すり板をトロリー線に押付けて集電を行うパンタグラフの集電方法であって、前記弾性支持装置を、押付緩衝装置と電動アクチュエータとを用いて電車屋根部に支持し、前記先端ばねと前記中間部材の間に設置したロードセルの荷重検出信号に基づいてH∞制御を行うH∞制御器の制御信号により前記電動アクチュエータを駆動して、すり板とトロリー線との接触力の変動が抑制されるように前記すり板の押付け力を制御することを特徴とするパンタグラフの集電方法、に係るものである。
請求項に記載の発明は、すり板が先端ばねと中間部材と中間ばねにより支持部材に支持された弾性支持装置を電車屋根部に配置し、前記すり板をトロリー線に押付けて集電を行うパンタグラフの集電方法であって、前記弾性支持装置を、押付緩衝装置と電動アクチュエータとを用いて電車屋根部に支持し、前記すり板と中間部材と支持部材の夫々に設けた加速度計の各加速度信号に基づいて外乱包含型LQ制御を行う外乱包含型LQ制御器の制御信号により前記電動アクチュエータを駆動して、すり板とトロリー線との接触力の変動が抑制されるように前記すり板の押付け力を制御することを特徴とするパンタグラフの集電方法、に係るものである。
請求項に記載の発明は、前記トロリー線とパンタグラフとの相対高さの変化による長周期の接触力の変動は押付緩衝装置により抑制し、トロリー線のばね特性の変動によって生じる短周期の接触力の変動は電動アクチュエータの駆動により抑制することを特徴とする請求項1又は2に記載のパンタグラフの集電方法、に係るものである。
請求項に記載の発明は、前記電車屋根部側の移動速度が設定速度以下の時、或いは接触力にしきい値を設定しておき接触力がしきい値以下の時は押付緩衝装置により接触力の変動を抑制し、前記移動速度が設定速度を越えた時、或いは接触力が前記しきい値を越えた時は電動アクチュエータの駆動により接触力の変動を抑制するように電動アクチュエータの駆動と非駆動とを切替えることを特徴とする請求項1又は2に記載のパンタグラフの集電方法、に係るものである。
請求項に記載の発明は、すり板が先端ばねと中間部材と中間ばねにより支持部材に支持された弾性支持装置を電車屋根部に備えて前記すり板をトロリー線に押付けることにより集電を行うパンタグラフの集電装置であって、前記弾性支持装置を電車屋根部に支持するように並設した押付緩衝装置及び電動アクチュエータと、前記先端ばねと前記中間部材との間に設けたロードセルと、該ロードセルからの荷重検出信号を入力し、H∞制御方法を用いてすり板とトロリー線との接触力の変動を抑制する制御信号を演算して前記電動アクチュエータに出力するH∞制御器と、を備えたことを特徴とするパンタグラフの集電装置、に係るものである。
請求項に記載の発明は、すり板が先端ばねと中間部材と中間ばねにより支持部材に支持された弾性支持装置を電車屋根部に備えて前記すり板をトロリー線に押付けることにより集電を行うパンタグラフの集電装置であって、前記弾性支持装置を電車屋根部に支持するように並設した押付緩衝装置及び電動アクチュエータと、前記すり板と中間部材と支持部材の夫々に設けた加速度計と、各加速度計からの加速度信号を入力し、外乱包含型LQ制御方法を用いてすり板とトロリー線との接触力の変動を抑制する制御信号を演算して前記電動アクチュエータに出力する外乱包含型LQ制御器と、を備えたことを特徴とするパンタグラフの集電装置、に係るものである。
請求項に記載の発明は、前記電動アクチュエータが、リニアモータ、ベクトルインバータモータ、ACサーボモータのいずれか1つであることを特徴とする請求項5又は6に記載のパンタグラフの集電装置、に係るものである。
本発明のパンタグラフの集電方法及び装置によれば、パッシブ制御を行う押付緩衝装置を備えると共にアクティブ制御を行う電動アクチュエータとを備えたので、高速走行時におけるすり板の接触力の変動を電動アクチュエータによる早い速度で抑制制御することができ、且つ従来の油圧シリンダを用いた場合に比し構成が簡略化できてメンテナンスを軽減できる効果がある。
また、すり板に設置した加速度計の加速度信号と先端ばねに設置した歪み計の歪み信号に基づいてH制御を行うH制御器からの制御信号で電動アクチュエータの駆動を制御するようにしたので、センサ装置とH制御器が簡略化でき、且つ接触力の変動を確実に抑制できる効果がある。
また、先端ばねと中間部材の間に設置したロードセルの荷重検出信号に基づいてH制御を行うH制御器からの制御信号で電動アクチュエータの駆動を制御するようにしたので、センサ装置とH制御器が更に簡略化でき、且つ接触力の変動を確実に抑制できる効果がある。
また、すり板と中間部材と支持部材の夫々に設けた加速度計の各加速度信号に基づいて外乱包含型LQ制御を行う外乱包含型LQ制御器からの制御信号で電動アクチュエータの駆動を制御するようにしたので、センサ装置と制御器が簡略化でき、且つ接触力の変動を確実に抑制できる効果がある。
一方、万一電動アクチュエータが故障した場合にも、押付緩衝装置によるパッシブ制御によりパンタグラフの機能は維持することができ、よってパンタグラフの信頼性を大幅に向上できる効果がある。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図4は高速電気鉄道の架線設備の一例を示したものであり、この架線設備は、支柱1により40〜50mの径間L1で支持した吊架線2と、該吊架線2にドロッパ3により8〜10mのドロッパ間隔L2で支持された補助架線4と、該補助架線4にハンガ5により4.5〜5mのハンガ間隔L3で支持されたトロリー線6とを備えており、該トロリー線6の高電圧を、走行する電車の電車屋根部7に備えたパンタグラフ8によって電車に給電するようにしている。
図5は高速電気鉄道用として従来開発されたパッシブ制御のパンタグラフの一例を示す概略切断側面図であり、このパンタグラフは、弾性支持装置9とエアシリンダ10とを備えた構成を有している。即ち、前記弾性支持装置9は、すり板11を先端ばね12(微動ばね)で支持する舟体及びホーン等の中間部材13と、該中間部材13を中間ばね14で支持する支持部材15とを有しており、前記中間部材13は前記支持部材15に対してベアリング等の案内部材16により上下に移動可能に支持され、また、前記支持部材15は電車屋根部7に固定した固定部材17に対してベアリング等の案内部材18により上下に移動可能に支持されている。
一方、前記エアシリンダ10は、前記電車屋根部7に固定した固定部材17に鉛直に固定されており、且つシリンダロッド10aが前記弾性支持装置9の支持部材15に固定されており、エアシリンダ10は伸長によって弾性支持装置9を押し上げると共に、押し引きにより弾性支持装置9の昇降を行うようになっている。
図5に示したパッシブ制御のパンタグラフ8では、エアシリンダ10を伸長して弾性支持装置9を上昇させることによりすり板11をトロリー線6に押付け、このときのすり板11の接触力が略30〜170Nに維持されるようにエアシリンダ10の押上げ力を設定している。また、このとき、すり板11は先端ばね12によって中間部材13に弾性支持され、中間部材13は中間ばね14によって支持部材15に弾性支持され、支持部材15はエアシリンダ10の空気圧によって弾性支持されている。
図4において、電車が300km/h〜350km/hの高速走行を行うと、前記径間L1においては2Hz前後の振動数の径間振動が生じ、また、ドロッパ間隔L2においては10Hz前後の振動数のドロッパ間振動が生じ、また、ハンガ間隔L3においては17Hz前後の振動数のハンガ間振動が生じることが知られている。そしてこのとき、図5のパッシブ制御のパンタグラフでは、2Hz前後の径間振動は主にエアシリンダ10により吸収抑制し、10Hz前後のドロッパ間振動は主に中間ばねにより吸収抑制し、17Hz前後のハンガ間振動は主に先端ばね(微動ばね)により吸収抑制している。
しかし、前記したように電車が300km/h〜350km/hの高速走行を行うと、トロリー線6からの強制振動によってすり板11の接触力が図6に示す如く大きく変動し、このために接触力がマイナスになる、即ち離線を生じる問題がある。
図1は、上記問題を解決するための本発明の集電装置の一例を示す概略切断側面図である。図1の集電装置は、図5と同様の弾性支持装置9の支持部材15と電車屋根部7に固定した固定部材17との間に、図5と同様のエアシリンダ10を備えると同時に、電動アクチュエータ19を並設してハイブリッド型パンタグラフ20としたものである。即ち、このハイブリッド型パンタグラフ20は、電動アクチュエータ19を作動するとアクティブ制御が可能な電動式パンタグラフとすることができ、また電動アクチュエータ19の駆動を停止すると、エアシリンダ10によりパッシブ制御されるパンタグラフとすることができる。尚、前記エアシリンダ10は、一定の静的押し上げ力を与える機能とトロリー線6の高さの変化等で生じた長周期振動を抑制する緩衝(ダンパ)の機能とを備えた押付緩衝装置21であり、従って、前記エアシリンダ10以外の渦巻きばね等の機械的なものも押付緩衝装置21として用いることができる。
また、図1の電動アクチュエータ19は、リニアモータ22を採用した場合を示しており、リニアモータ22は固定部材17に固定した上下に長い固定子22aと、前記弾性支持装置9の支持部材15に固定した可動子22bとを備えており、該可動子22bが固定子22aに沿って上下に移動するようになっている。尚、上記ではリニアモータ22を備えた場合について説明したが、電動アクチュエータ19には、前記リニアモータ22以外にも支持部材15を上下動させることができれば、ベクトルインバータモータ、或いはACサーボモータ等の回転駆動方式のものも採用することができる。
図1に示したハイブリッド型パンタグラフ20によれば、電動アクチュエータ19により弾性支持装置9を昇降させるアクティブ制御ができるだけでなく、トロリー線6の高さの長周期変動に対しては、従来のままのパッシブ制御の機能を活用することができる。従って、この場合には、トロリー線6のばね特性の変動によって生じる接触力変動のみを電動アクチュエータ19によるアクティブ制御に負担させればよい。
アクティブ制御を実現するための制御理論としては、H制御理論、或いはLQ制御理論等のフィードバック制御理論や、これらとフィードフォワード制御を組み合わせることが考えられる。このような制御系を実現することによって、接触力の周波数応答(或いは、追従振幅の周波数特性)を改善することができ、トロリー線6に対するすり板11の接触力の変動を低減することができる。
まず、図1のハイブリッド型パンタグラフ20によりアクティブ制御を行うための振動系について説明する。
図2は、前記図1のハイブリッド型パンタグラフ20をばね−質量系にモデル化した作動説明図、図3は前記図5のパッシブ制御のパンタグラフ8をばね−質量系にモデル化した作動説明図である。図2、図3中、m1はすり板11の質量、m2は中間部材13(舟体)の質量、m3は支持部材15の質量である。
制御効果が達成されるメカニズムを説明するために、トロリー線6を特定の正弦波で強制加振させたときの状況をパッシブ制御とアクティブ制御とで比較した。図7(a),(b),(c)はパッシブ制御での各質点m1,m2,m3の絶対変位、図8(a),(b),(c)はアクティブ制御での各質点m1,m2,m3の絶対変位、図9(a),(b)はパッシブ制御での質点m1と質点m2との間、及び質点m2と質点m3との間の相対変位、図10(a),(b)はアクティブ制御での質点m1と質点m2との間、及び質点m2と質点m3との間の相対変位である。
図7、図8に示す如く、パッシブ制御とアクティブ制御における絶対変位の相違はわずかであるのに対し、図9、図10に示す如く、アクティブ制御による質点間相対変位は、パッシブ制御のそれと大きく異なっている。従って、電動アクチュエータ19の駆動により質点間相対変位が積極的に制御され、これにより接触力の変動を低減できることがわかる。
次に、前記トロリー線6に対するすり板11の接触力を求めるため、トロリー線6から入力される強制変位に対する場合を考える。尚、図2、図3のモデルで最上部の質点m1はすり板11であり、ばね定数kwと減衰係数cwの動特性を有するトロリー線6と接触している。図中、k1は先端ばね12のばね定数、k2は中間ばね14のばね定数、c1は先端ばね12の減衰係数、c2は中間ばね14の減衰係数、c3はエアシリンダ10の減衰係数、u3は電動アクチュエータ19の減衰係数である。このときの運動方程式は次式で与えられる。
Figure 0004777812
ここで、y1=yw+zである。図3のパッシブ制御の場合は、u3=0とすればよい。
図2、図3において、トロリー線6に対するすり板11の接触力は以下で定義される。トロリー線6の動特性は、ばね定数kw、減衰係数cwとし、トロリー線6の質量を無視すれば、接触力fは、
Figure 0004777812
で与えられる。ただし、ywはトロリー線6のたわみである。ここではトロリー線6を剛体とみなし、ばね定数kwと減衰係数cwには、パンタグラフの特性と十分離れた大きな値を与えることにする。
図11は、上記の運動方程式によって得られたパッシブ制御の追従振幅特性を実測値とともに示したもので、横軸に周波数、縦軸に追従振幅を示している。ここで、実測値と計算値は一致している。
次に、H制御理論を用いて接触力を制御する方法を、図12の制御ブロック図を参照して説明する。
図12において、wは外乱、uは制御信号、yは観測出力、zi(i=1,2)は制御量である。ここでは、wをトロリー線6の高さ方向の不ぞろいによる強制変位入力(図2、図3のz)、uを電動アクチュエータ19の制御力、yをすり板11の接触力にとることにする。また、wT,wSは、夫々制御信号と観測出力(接触力)にかかる重み関数であり、周波数特性を有する。H制御理論によれば、H制御器23による制御は次式の形式で得られる。
[数3]
u=H(s)y (5)
ここで、H(s)は動的な制御器であり、次式の状態空間形式で表示される。尚、式中ηは状態変数、A,B,C,DはH制御器を表わす状態空間マトリックスである。
Figure 0004777812
設計では、まず、
Figure 0004777812
と定義し、式(1)から式(4)を状態空間の形式で記述すると次式となる。
Figure 0004777812
ここで、
Figure 0004777812
重み関数wT及びwSを以下のような状態空間で設定する。
Figure 0004777812
ここで、添え字のT及びSは、夫々重み関数wT,wSに関する量を意味する。
制御系を設計するため、式(8)から式(11)を次式の一般化プラントで構成する。
Figure 0004777812
ここで、
Figure 0004777812
である。
制御理論によれば、制御器23は系を内部安定にし、且つ次式を満足することにより得られる。
Figure 0004777812
ここで、N(s)とM(s)は、夫々外乱から制御信号までの伝達関数及び外乱から出力までの伝達関数である。
計算例として、主成分2Hz付近に発生する変動力を積極的に低減し、17Hz付近の変動成分については、パッシブ制御と同程度になるように設計した場合の結果を以下に示す。図13は重み関数wT,wSの一例を示し、また、図14はアクティブ制御によって得られた接触力の周波数応答をパッシブ制御の場合と比較して示しており、また、図15はアクティブ制御によって得られた追従振幅特性をパッシブ制御の場合と比較して示している。
図14によれば、アクティブ制御によって接触力の周波数応答が安定している。また、図15によれば、アクティブ制御によって、追従振幅特性がパッシブ制御に比して大幅に上昇しており、これにより、特に2Hz付近での離線の問題を防止できることがわかる。
上記で得られた接触力制御系の効果を時刻歴応答計算によって確認した。図16中破線は、2Hzの正弦波を入力した場合におけるパッシブ制御での接触力の変動の大きさを表わしたものである。これに対して、図17における電動アクチュエータ19による制御力を付加したところ、図16に実線で示すように接触力の変動が著しく低減した。
また、図18は、2Hzと17Hzの複合波を入力した場合におけるパッシブ制御での接触力の変動の大きさを表わしたものである。これに対して、前記電動アクチュエータ19により高周波での制御の影響を小さくしつつ、2Hzの変動力成分を約1/3に低減することで、図19に示す如く複合力成分を1/2以下に低減することができた。尚、前記入力振幅は、2Hzが10mm、17Hzが0.9mmであり、通常のパンタグラフの追従振幅特性で要求される振幅値である。
次に、前記H制御理論を用いた実際の制御装置の一例を説明する。図20は、図2の力学モデルにH制御系を具現化する場合の制御装置の一例を示したものである。
前記すり板11の接触力は、直接には検出することができない。このため、図20に示す如く、すり板11に加速度計24を取り付け、また、先端ばね12に歪み計25を取り付ける。尚、上記加速度計24には積分機能が備えられた速度計を用いることもできる。そして、前記加速度計24の加速度信号と歪み計25の歪み信号をアンプ26を介して夫々接触力の演算を行う演算装置27に入力すると共に、前記歪み計25の歪み信号を微分器28を介して演算装置27に入力する。演算装置27で演算した結果に基づき、H制御器23は、すり板11とトロリー線6との接触力の変動を抑制する制御信号uを前記電動アクチュエータ19に出力する。30は制御装置(デジタル制御器)である。
上記によれば、直接検出することができない接触力が、すり板11に取り付けた加速度計24と、先端ばね12に取り付けた歪み計25の検出信号から、次式によって間接的に検出することができる。
Figure 0004777812
尚、すり板11の弾性変形が無視できない場合は、すり板11の歪みも考慮する。
上記したように、すり板11に取り付けた加速度計24と、先端ばね12に取り付けた歪み計25からの検出信号をフィードバック信号として、H制御器23によって制御信号uが演算され、この制御信号uにより電動アクチュエータ19の作動が制御されて、接触力の変動が有効に低減されるようになる。
図21はH制御系を具現化する制御装置の他の例を示すブロック図、図22は図21のハイブリッド型パンタグラフ20をばね−質量系にモデル化した作動説明図であり、図中、図1、図2及び図20と同一のものには同じ符号を付して説明を省略する。尚、図22では図1における支持部材15と中間部材13とを剛結合して質点を二つ(m1,m2)とした2元系の場合を対象として示しているが、質点が三つの3元系の場合も同様に扱うことができる。
図21、図22に示すように、前記中間部材13(舟体)の上面にロードセル60(圧電素子及び歪みゲージ型検出器)を設けてすり板11を支持する先端ばね12に掛る負荷を直接検出するようにしており、ロードセル60で検出した荷重検出信号f1は、アンプ26を介して直接H制御器23に入力されており、H制御器23はすり板11とトロリー線6との接触力の変動を抑制する制御信号uをデジタル演算し、該制御信号uにより前記電動アクチュエータ19を制御力fで制御するようにしている。
図22の質点m2である中間部材13の運動方程式は式(16)のように表わされる。
Figure 0004777812
ここで、すり板11とトロリー線6との接触力は次式(17)となる。
Figure 0004777812
この時ロードセル60の荷重検出信号は次式(18)で表わされる。
Figure 0004777812
制御手法にはH制御理論を用い、同理論によると、電動アクチュエータ19への制御信号uは前記式(5)で与えられる。
上記の系に対してH制御器23を設計し、追従振幅特性と走行時の時刻歴応答解析によって制御効果を確認した。設計したアクティブ制御系の追従振幅特性を図23に実線で示す。比較のため、パッシブ系の特性を破線で示した。図23から、接触力を直接フィードバックする前述の方法の結果と同等の特性が得られた。
また、走行時における接触力の時刻歴応答解析結果を、前後に設けたパンタグラフ20の前パンタグラフの場合を図24に示し、後パンタグラフの場合を図25に示した。外乱に相当するトロリー線6の強制変位入力には、実測された接触力をもとに解析的に求めたすり板11の変位を用いた。図24、図25から、変動接触力の主要成分である2Hzの成分が大きく低減され、パッシブ系よりも変動成分が更に小さくなっていることが確認できる。
次に、外乱包含型LQ制御理論を用いて接触力を制御する方法について説明する。
外乱包含型LQ制御理論を用いて接触力を制御するには、パッシブ機構を有効に活用するため、制御する周波数領域を限定する方法を用いる。
接触力の変動は、トロリー線6を支持する図4の支柱1の径間L1及びハンガ5によるハンガ間隔L3によって生じるから、一般には、パンタグラフ系の共振点からは外れ、強制振動として作用する。従って、減衰付与による共振ピークの低減だけでは高い効果は期待できない。そこで、制御の強さを周波数領域で変化させるようにし、強制振動に対して高い性能を確保できるようにする。例えば、アクティブ制御の稼働を速度300km/s以上のように限定すれば、抑制するべき接触力変動の周波数領域はほぼ決定できる。このような考えのもとに適用できる制御方法としては外乱包含型LQ制御がある。外乱包含型LQ制御は、フィードバック制御にフィードフォワード制御を組み合わせた方式である。
以下にその計算例を示す。
径間変動の振動数を2Hzとし、外乱の特性を以下の二次遅れ系で与える。
Figure 0004777812
ここで、ωd
Figure 0004777812
は夫々、二次遅れ系で定義された固有角振動数と減衰比であり、固有角振動数は、抑制したい振動数に設定する。設計では、
Figure 0004777812
と定義し、式(7)の代わりに状態方程式(21)を用いる。
Figure 0004777812
式(21)にLQ制御理論を適用すれば、制御信号は二次形式の評価関数
Figure 0004777812
を最小にする入力として決定できる(図27)。
Figure 0004777812
こうすることで、外乱には周波数領域で重みが与えられたことになり、特定の周波数で制御効果を高めるような制御系、即ち外乱包含型LQ制御が設計できる。図26に外乱包含型LQ制御による接触力の周波数応答をパッシブ制御の場合と比較して示した。外乱の振動数を2Hz(ωd=2×pi×2 )、減衰比を
Figure 0004777812
とした場合であり、2Hz近傍で接触力の周波数応答が安定した大きな効果を確認できる。
次に、前記外乱包含型LQ制御理論を用いた実際の制御装置の一例を説明する。図27は、図2の力学モデルに外乱包含型LQ制御理論を具現化する場合の制御装置の一例を示したものである。
すり板11の接触力は直接には検出できないため、図27では、前記すり板11と、中間部材13と、支持部材15の夫々に加速度計31,32,33を取り付け、各加速度計31,32,33からの加速度信号をアンプ34を介して積分器35に導くことにより速度を求め、一方、積分器35で積分した信号を更に積分器36に導くことにより変位を求めて出力すると共に、前記速度及び変位を観測器29に入力する。この時、強制変位入力zと
Figure 0004777812
はオブザーバ理論により推定する。前記算出された速度、変位、観測器29の出力の各信号にフィードバックゲインk1〜k8を乗じ、加算する加算器37を備えた外乱包含型LQ制御器38により制御信号uを得、この制御信号uを電動アクチュエータ19に入力するようにしている。又、前記制御信号uは観測器29に入力されている。
上記により、外乱に周波数領域で重みが与えられ、特定の周波数で制御効果が高められた制御系が設計でき、外乱包含型LQ制御器38からの制御信号uにより電動アクチュエータ19の作動が制御されて、図26に示すように2Hz近傍での周波数応答が安定し、接触力の変動が有効に抑制されるようになる。
図1に示したように、パッシブ制御を行う押付緩衝装置21と、H制御器23(図20、図21)又は外乱包含型LQ制御器38(図27)を備えた電動アクチュエータ19によりアクティブ制御を行うようにした電動アクチュエータ19とを有するハイブリッド型パンタグラフ20を構成したことにより、高速走行時におけるすり板11の接触力の変動を電動アクチュエータ19による早い速度で抑制制御することができ、且つ従来の油圧シリンダを用いた場合に比して構成を大幅に簡略化することができ、よってメンテナンスの軽減が図れる。
また、図20に示したすり板11に設置した加速度計24と歪み計25からの信号に基づいてH制御器23から出力される制御信号uにより電動アクチュエータ19の駆動を制御するようにしたので、センサ類及び制御器が簡略化でき、且つ接触力の変動を確実に抑制できるようになる。
また、図21に示した先端ばね12と中間部材13(舟体)の間に設置したロードセル60からの荷重検出信号f1に基づいてH制御器23から出力される制御信号uにより電動アクチュエータ19の駆動を制御するようにしたので、センサ類及び制御器が更に簡略化でき、且つ接触力の変動を確実に抑制できるようになる。
また、図27に示したすり板11と中間部材13と支持部材15の夫々に設けた加速度計31,32,33からの信号に基づいて外乱包含型LQ制御器38から出力される制御信号uにより電動アクチュエータ19の駆動を制御するようにしたので、センサ類及び制御器が簡略化でき、且つ接触力の変動を確実に抑制できるようになる。
図1に示したハイブリッド型パンタグラフ20によれば、パッシブ制御を行う押付緩衝装置21と、アクティブ制御を行う電動アクチュエータ19を同時に作用させて、前記トロリー線6とハイブリッド型パンタグラフ20との相対高さの変化による長周期の接触力の変動は押付緩衝装置21により抑制し、トロリー線6のばね特性の変動によって生じる短周期の接触力の変動は電動アクチュエータ19の駆動により抑制することができる。
また、電車の移動速度が設定速度以下の時、或いは接触力にしきい値を設定しておき接触力がしきい値以下の時は、パッシブ制御を行う押付緩衝装置21により接触力の変動を抑制し、前記移動速度が設定速度を越えた時、或いは接触力が前記しきい値を越えた時は、アクティブ制御を行う電動アクチュエータ19の駆動により接触力の変動を抑制するようにし、このようにして電動アクチュエータ19の駆動と非駆動とを切替えて使用することもできる。
また、ハイブリッド型パンタグラフ20は電動アクチュエータ19を備えて伸縮できるようにしているので、ハイブリッド型パンタグラフ20を格納する際には、電動アクチュエータ19を縮小させることで迅速に格納することができる。
また、万一電動アクチュエータ19が故障した場合にも、押付緩衝装置21によるパッシブ制御は機能を維持できるので、パンタグラフの信頼性を大幅に向上することができる。
次に、前記電動アクチュエータ19によって駆動される電動式パンタグラフ39を電車屋根部7上へ実装するための本発明の形態例を説明する。
図28に示す如く、トロリー線6に対するすり板11の接触力を調整するための前記電動式パンタグラフ39を駆動する電動アクチュエータ19と、電動アクチュエータ用AC/DC電源40と、ドライバ41と、インターフェースユニット42と、トロリー線6に対するすり板11の接触力を検出するための前記加速度計24及び歪み計25、又は加速度計31,32,33等のセンサ装置43とを取付台44に設置する。そして、該取付台44を電車屋根部7上に搭載すると共にトロリー線6の高電圧(例えば25kV)に接続して取付台44をトロリー線6と同電位とする。更に、前記電動アクチュエータ用AC/DC電源40の交流電源の片側40aを取付台44にアースし、直流電源のマイナス側40bを取付台44にアースする。
更に、前記電動アクチュエータ用AC/DC電源40と、ドライバ41と、インターフェースユニット42を放射ノイズから保護するための収納箱45に収容し、且つ該収納箱45を取付台44に対し接続部45aでアースする。
また、前記インターフェースユニット42には、取付台44の外部に設けた前記H制御器23或いは外乱包含型LQ制御器38等の制御器46が光ファイバ47によって接続されており、制御器46には外部制御信号48が入力されていると共に前記センサ装置43からの検出信号が入力されており、また制御器46からの制御信号がドライバ41に入力されて電動アクチュエータ19の駆動が制御されるようになっている。図中49はトロリー線6の高電圧に上乗せするように電気を供給する電動アクチュエータ用電源(AC)、50は高耐電圧ケーブル、51は避雷器、52は碍子を示す。
図28に示した電動式パンタグラフ39の実装装置によれば、トロリー線6に接続されて高電圧となるパンタグラフに電動式パンタグラフ39を実装することが可能となり、よって、電動アクチュエータ19により電動式パンタグラフ39を早い速度で精度よく制御できること、及び、従来の油圧シリンダを用いた場合に比して簡単な構成でメンテナンスが軽減できること、が有効に活用できるようになる。
更に、電動アクチュエータ用AC/DC電源40と、ドライバ41と、インターフェースユニット42を収納箱45に収容して放射ノイズから保護し、且つ取付台44にアースして高電圧の帯電を回避するようにしたので、放射ノイズの影響を防止して電動アクチュエータの作動を確実に行わせることできる。
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の集電装置の一例を示す概略切断側面図である。 図1のハイブリッド型パンタグラフをばね−質量系にモデル化した作動説明図である。 図5のパッシブ制御のパンタグラフをばね−質量系にモデル化した作動説明図である。 高速電気鉄道の架線設備の一例を示した側面図である。 高速電気鉄道用として従来開発されたパッシブ制御のパンタグラフの一例を示す概略切断側面図である。 パンタグラフがトロリー線によって強制振動した状態を示す線図である。 (a),(b),(c)はパッシブ制御での各質点の絶対変位を示す線図である。 (a),(b),(c)はアクティブ制御での各質点の絶対変位を示す線図である。 (a),(b)はパッシブ制御での質点間の相対変位を示す線図である。 (a),(b)はアクティブ制御での質点間の相対変位を示す線図である。 運動方程式によって得られたパッシブ制御の追従振幅特性を実測値とともに示した線図である。 制御理論を用いて接触力を制御する方法を説明するための制御ブロック図である。 重み関数wT,wSの一例を示す線図である。 アクティブ制御によって得られた接触力の周波数応答をパッシブ制御の場合と比較して示した線図である。 アクティブ制御によって得られた追従振幅特性をパッシブ制御の場合と比較して示した線図である。 パッシブ制御とアクティブ制御での接触力の変動の大きさを表わした線図である。 電動アクチュエータに制御力を付加してアクティブ制御する制御信号の一例を示す線図である。 2Hzと17Hzの複合波を入力した場合におけるパッシブ制御での接触力の変動の大きさを表わした線図である。 電動アクチュエータに制御力を付加してアクティブ制御することにより複合力成分が低減した状態を示す線図である。 図2の力学モデルにH制御系を具現化する場合の制御装置の一例を示すブロック図である。 制御系を具現化する場合の他の制御装置のブロック図である。 図21のハイブリッド型パンタグラフをばね−質量系にモデル化した作動説明図である。 図21で設計したアクティブ制御系の追従振幅特性を示す線図である。 走行時における前パンタグラフの場合の接触力の時刻歴応答解析結果を示す線図である。 走行時における後パンタグラフの場合の接触力の時刻歴応答解析結果を示す線図である。 外乱包含型LQ制御による接触力の周波数応答をパッシブ制御の場合と比較して示した線図である。 図2の力学モデルに外乱包含型LQ制御理論を具現化する場合の制御装置の一例を示すブロック図である。 電動アクチュエータによって駆動される電動式パンタグラフを電車屋根部7上へ実装するための形態例を示すブロック図である。
符号の説明
6 トロリー線
7 電車屋根部
9 弾性支持装置
11 すり板
12 先端ばね
13 中間部材
14 中間ばね
15 支持部材
19 電動アクチュエータ
20 ハイブリッド型パンタグラフ
21 押付緩衝装置
22 リニアモータ
23 H<SUB>∞</SUB>制御器
24 加速度計
25 歪み計
31,32,33 加速度計
38 外乱包含型LQ制御器
39 電動式パンタグラフ
40 電動アクチュエータ用AC/DC電源
40a 片側
40b マイナス側
41 ドライバ
42 インターフェースユニット
43 センサ装置
44 取付台
45 収納箱
45a 接続部(アース)
46 制御器
47 光ファイバ
49 電動アクチュエータ用AC電源
60 ロードセル
u 制御信号

Claims (7)

  1. すり板が先端ばねと中間部材と中間ばねにより支持部材に支持された弾性支持装置を電車屋根部に配置し、前記すり板をトロリー線に押付けて集電を行うパンタグラフの集電方法であって、前記弾性支持装置を、押付緩衝装置と電動アクチュエータとを用いて電車屋根部に支持し、前記先端ばねと前記中間部材の間に設置したロードセルの荷重検出信号に基づいてH∞制御を行うH∞制御器の制御信号により前記電動アクチュエータを駆動して、すり板とトロリー線との接触力の変動が抑制されるように前記すり板の押付け力を制御することを特徴とするパンタグラフの集電方法。
  2. すり板が先端ばねと中間部材と中間ばねにより支持部材に支持された弾性支持装置を電車屋根部に配置し、前記すり板をトロリー線に押付けて集電を行うパンタグラフの集電方法であって、前記弾性支持装置を、押付緩衝装置と電動アクチュエータとを用いて電車屋根部に支持し、前記すり板と中間部材と支持部材の夫々に設けた加速度計の各加速度信号に基づいて外乱包含型LQ制御を行う外乱包含型LQ制御器の制御信号により前記電動アクチュエータを駆動して、すり板とトロリー線との接触力の変動が抑制されるように前記すり板の押付け力を制御することを特徴とするパンタグラフの集電方法。
  3. 前記トロリー線とパンタグラフとの相対高さの変化による長周期の接触力の変動は押付緩衝装置により抑制し、トロリー線のばね特性の変動によって生じる短周期の接触力の変動は電動アクチュエータの駆動により抑制することを特徴とする請求項1又は2に記載のパンタグラフの集電方法。
  4. 前記電車屋根部側の移動速度が設定速度以下の時、或いは接触力にしきい値を設定しておき接触力がしきい値以下の時は押付緩衝装置により接触力の変動を抑制し、前記移動速度が設定速度を越えた時、或いは接触力が前記しきい値を越えた時は電動アクチュエータの駆動により接触力の変動を抑制するように電動アクチュエータの駆動と非駆動とを切替えることを特徴とする請求項1又は2に記載のパンタグラフの集電方法。
  5. すり板が先端ばねと中間部材と中間ばねにより支持部材に支持された弾性支持装置を電車屋根部に備えて前記すり板をトロリー線に押付けることにより集電を行うパンタグラフの集電装置であって、前記弾性支持装置を電車屋根部に支持するように並設した押付緩衝装置及び電動アクチュエータと、前記先端ばねと前記中間部材との間に設けたロードセルと、該ロードセルからの荷重検出信号を入力し、H∞制御方法を用いてすり板とトロリー線との接触力の変動を抑制する制御信号を演算して前記電動アクチュエータに出力するH∞制御器と、を備えたことを特徴とするパンタグラフの集電装置。
  6. すり板が先端ばねと中間部材と中間ばねにより支持部材に支持された弾性支持装置を電車屋根部に備えて前記すり板をトロリー線に押付けることにより集電を行うパンタグラフの集電装置であって、前記弾性支持装置を電車屋根部に支持するように並設した押付緩衝装置及び電動アクチュエータと、前記すり板と中間部材と支持部材の夫々に設けた加速度計と、各加速度計からの加速度信号を入力し、外乱包含型LQ制御方法を用いてすり板とトロリー線との接触力の変動を抑制する制御信号を演算して前記電動アクチュエータに出力する外乱包含型LQ制御器と、を備えたことを特徴とするパンタグラフの集電装置。
  7. 前記電動アクチュエータが、リニアモータ、ベクトルインバータモータ、ACサーボモータのいずれか1つであることを特徴とする請求項5又は6に記載のパンタグラフの集電装置。
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