JP5570180B2 - 積層成形部材 - Google Patents
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Description
これらの方法では、ビスフェノールA由来のポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート樹脂を主原料とする基体の表面に、ポリカーボネート樹脂と異なる材料からなる層を積層する必要があり、密着不良が生じ易く、また、吸水率の違い及び線膨張係数の違いにより反りの発生が生じ易いという問題があった。また、使用後のリサイクルの観点では、分別回収が困難であるという欠点もある。
また、フィルム状又はシート状の成形体を連続的に生産するためには、長尺状のフィルムを支持体上で搬送し、巻き取る等の工程が必要であり、搬送を安定的に行うためには、シート状及びフィルム状の成形体には、ある程度の滑り性があることが要求される。
より具体的には、表面硬度に優れるとともに、滑り性に優れ、しかも外観が良好な、ポリカーボネート樹脂組成物からなる積層成形部材を提供することを課題とする。
また、本発明は、表面硬度に優れるとともに、滑り性に優れ、しかも外観が良好な積層成形部材の作製に有用なシロキサン共重合ポリカーボネートを提供することを課題とする。
[1] 1種以上の一般式(A1)
[2] 前記1種類以上のシロキサン構造を有する化合物が、一般式(B)、一般式(C)、一般式(D)、及び一般式(E)の群から選ばれる化合物である[1]の積層形成部材。
[3] 前記1種類以上のシロキサン構造を有する化合物が、一般式(D)で表される化合物である[2]の積層形成部材。
[4] 前記1種類以上のシロキサン構造を有する化合物が、一般式(E)で表される化合物である[2]の積層形成部材。
[5] 前記1種類以上のシロキサン構造を有する化合物が、一般式(B)で表される化合物である[2]の積層形成部材。
[6] 前記1種類以上のシロキサン構造を有する化合物が、一般式(C)で表される化合物である[2]の積層形成部材。
[7] 一般式(B)、一般式(C)、一般式(D)、及び一般式(E)中のR11〜R15がそれぞれ、メチル基、n−ブチル基、又は及びフェニル基から選ばれる基である[2]〜[6]のいずれかの積層形成部材。
[8] 前記シロキサン共重合ポリカーボネートの極限粘度[η]が、0.2〜1.0〔dl/g〕である[1]〜[7]のいずれかの積層形成部材。
[9] 前記炭酸エステル形成化合物が、ホスゲンである[1]〜[8]のいずれかの積層形成部材。
[10] 第1及び第2の組成物を溶融共押出法によって成形してなる[1]〜[9]のいずれかの積層成形部材。
[11] シート状又はフィルム状である[1]〜[10]のいずれかの積層成形部材。
また、本発明によれば、表面硬度に優れるとともに、滑り性に優れ、しかも外観が良好な積層成形部材の作製に有用なシロキサン共重合ポリカーボネートを提供することができる。
本発明の積層形成部材は、所定のシロキサン共重合ポリカーボネートを主成分として含有する第1の組成物と、該第1の層と隣接する、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネートを主成分として含有する第2の組成物からなる層とを少なくとも有する積層形成部材に関する。
まず、第1及び第2の組成物について詳細に説明する。
1.第1の組成物
第1の組成物は、
1種類以上の一般式(A)
前記一般式(A)で表される化合物の具体例には、1,1’−ビフェニル−3,3’−ジメチル−4,4’−ジオール、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジメチル−4,4’−ジオール、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ケトン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロへキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)シクロへキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロドデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)シクロドデカン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン、3,3’−ジメチル−4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、2,2’−ジメチル−4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、2,2’−ジメチル−4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノールなどが例示される。これらは、2種類以上併用して用いてもよい。
式(B’)中、R10はC1〜10(より好ましくはC5〜10)のアルキレン基であるのが好ましく、及びR15はC1〜10(より好ましくはC1〜5)のアルキル基であるのが好ましく、xは20〜60の数であるのが好ましい。
式(C’)中、R10はC1〜10(より好ましくはC5〜10)のアルキレン基であるのが好ましく、及びR15はC1〜10(より好ましくはC1〜5)のアルキル基であるのが好ましく、xは20〜60の数であるのが好ましい。
式(D’)中、R10はC1〜10(より好ましくはC1〜5)のアルキレン基であるのが好ましく、R15はC1〜10(より好ましくはC1〜5)のアルキル基であるのが好ましく、xは20〜60であるのがより好ましい。
式(E’)中、R10はC1〜10(より好ましくはC1〜5)のアルキレン基であるのが好ましく、xは20〜60の数であるのが好ましい。
なお、シロキサン共重合ポリカーボネートは、シロキサン構造を有する化合物、及び一般式(A)で表される化合物、及び一般式(B)で表される化合物をそれぞれ2種以上利用して製造されるものであってもよいが、但し、前記シロキサン共重合ポリカーボネートは、これらのモノマー類以外のビスフェノール類から誘導される単位を含まない。好ましい例として、1種の一般式(A)で表される化合物及び1種の一般式(B)で表される化合物からそれぞれ誘導される単位を含むシロキサン共重合ポリカーボネート;並びに2種の一般式(A)で表される化合物及び1種の一般式(B)で表される化合物からそれぞれ誘導される単位を含むシロキサン共重合ポリカーボネート;が挙げられる。
前記シロキサン共重合ポリカーボネートの製造には、前記炭酸エステル形成化合物を1種のみ用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
なお、GPCによって測定される重量平均分子量(ポリスチレン換算)が、30,000〜70,000程度であると、粘度が上記範囲となる。
前記1種以上のシロキサン構造を有する化合物は、式(B)〜(E)で表される化合物群から選択されるのが好ましく、またそれらの化合物の中の好ましい例も、上記と同様である。また、式(A2)で表される化合物は、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1’−ビフェニル−3,3’−ジメチル−4,4’−ジオールから選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
本発明では、第1の組成物は、主成分として含む前記シロキサン共重合ポリカーボネート以外のポリカーボネート樹脂類を含まないのが好ましい。
本発明に用いる第2の組成物は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、即ち、ビスフェノールA、から誘導されるポリカーボネートを主成分として含有する。
第2の組成物が主成分として含有するポリカーボネートは、ビスフェノールAから誘導される繰り返し単位を有するポリカーボネート類である限りいずれであってもよい。但し、溶融共押出法により本発明の積層成形部材を形成する場合は、第1の組成物と第2の組成物のガラス転移温度の差が、10℃以下(より好ましくは5℃以下)であるのが好ましく、そのためには、第2の組成物が主成分として含有するポリカーボネートのガラス転移温度は、140〜155℃程度であるのが好ましい。前記範囲にガラス転移温度を有する、ビスフェノールAから誘導される単位を有するポリカーボネート類の中には、市販されているものもあり、例えば、「ユーピロンE−2000R」、「ユーピロンS−1000R」、「ユーピロンS−2000R」、「ユーピロンS−3000R」、「ユーピロンH−3000R」及び「ユーピロンH−4000」(全て、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)などがその例であり、これらの市販品を利用するのも好ましい。
また、本発明では、第2の組成物は、主成分として含むポリカーボネート以外のポリカーボネート樹脂類を含まないのが好ましい。
本発明の積層形成物は、第1の組成物からなる層と、該第1の層と隣接する、第2の組成物からなる層とを少なくとも有し、前記第1の組成物からなる層の表面が、鉛筆硬度H以上で、且つ静摩擦係数が0.4以下である積層形成部材である。前記第1の組成物が主成分として含有する前記シロキサン共重合ポリカーボネートは、シロキサン構造のユニットを含むので、滑材としても作用し、静摩擦係数の低下に寄与するが、一方で、シロキサン構造のユニットは、白色濁りを発生させ、外観を低下させる一因となる場合もある。本発明者が鋭意検討したところ、シロキサン化合物の共重合比が0.1〜10重量%(好ましくは0.5〜5重量%)であれば、シロキサン構造のユニットに起因した外観不良を引き起こすことなく、安定的に、表面硬度及び滑り性が良好である積層形成部材をより安定的に提供できることがわかった。
なお、本明細書では、「鉛筆硬度H以上」とは、試料表面に対して、鉛筆引っかき試験(JIS−K5600−5−4準拠;三菱鉛筆UNIのH使用)を実施し、5回の測定で傷発生が2回以下である場合をいう。また、静止摩擦係数は、高いほどよいが、これらの特性を満足することにより、高い表面硬度が要求される用途にも利用でき、また安定的な連続生産が可能となる。
本発明の積層成形部材の製造方法の一例は、以下の通りである。
まず、前記第1及び第2の組成物をそれぞれ調製する。例えば、前記シロキサン共重合ポリカーボネートの粉末と、所望により添加剤とを混合して、第1の組成物を調製する。第2の組成物についても同様に調製する。次に、主押出機に第2の組成物を、及び副押出機に第1の組成物をそれぞれ導入し、シリンダー温度を220〜320℃程度に設定しそれぞれ溶融した後、Tダイから溶融共押出する。シート状に押出された溶融物を、その後、表面温度110〜160℃程度に設定した水平2本ロール間を通過させて、シート状又はフィルム状の積層成形部材を得る。
上記方法は、一例であり、この条件等に限定されるものではない。温度条件等の製造条件は、適宜設定することができる。また、上記では、2層からなる積層成形部材の製造方法の例を示したが、共押出法におり、3層以上からなる積層成形部材を製造することも勿論可能である。
本発明の積層成形部材を構成する2つの層はいずれもポリカーボネート類を主成分として含有するので、密着性が良好であり、また吸水率の違いや線膨張係数の違いなどに起因する反りの発生なども生じ難い。また、他のポリマー類と混合した部材や、他のポリマー類からなるコート層を形成した部材と比較して、リサイクルの観点でも好ましい。
また、本発明のシロキサン共重合ポリカーボネートを主成分とする層のさらに表層(第2の組成物からなる基体の反対側)に、公知の熱硬化、紫外線硬化ハードコートをさらに積層させて表面硬度を向上させることもできる。
[合成例1]
7.0w/w%の水酸化ナトリウム水溶液700mlに、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(本州化学工業株式会社製、以下「BCFL」と略称)30.0g(0.079mol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(本州化学工業株式会社製、以下「BPC」と略称)60.1g(0.235mol)、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド0.08g、及びハイドロサルファイト0.2gを溶解した。
これにメチレンクロライド500mlを加えて撹拌しつつ、15℃に保ちながら、ついでホスゲン45gを30分で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、p−t−ブチルフェノール(以下「PTBP」と略称)2.36g、および下記構造のシロキサンモノマー(信越化学工業株式会社製、以下「Si−1」と略称)0.91gを加え激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後、1mlのトリエチルアミンを加え、20〜25℃にて約1時間撹拌し、重合させた。
この重合体の塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における極限粘度は0.38dl/gであった。得られた重合体を赤外線吸収スペクトルにより分析した結果、1770cm-1付近の位置にカルボニル基による吸収、1240cm-1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合を有する下記構造式で示されるシロキサン共重合ポリカーボネート(以下PC−1と略称)であることが確認された。
Si−1 0.91gを、下記構造のシロキサンモノマー(信越化学工業株式会社製、以下「Si−2」と略称)0.91gに変更した以外は実施例1と同様に合成を行った。
Si−1 0.91gを、下記構造のシロキサンモノマー(信越化学工業株式会社製、以下「Si−3」と略称)0.91gに変更した以外は実施例1と同様に合成を行った。
Si−1 0.91gを、下記構造のシロキサンモノマー(信越化学工業株式会社製、以下「Si−4」と略称)0.91gに変更した以外は実施例1と同様に合成を行った。
BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 60.1g(0.235mol)を、BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 60.6g(0.237mol)に変更し、Si−1 0.91gをSi−1 0.46gに変更した以外は、実施例1と同様に合成を行った。得られたポリカーボネート樹脂(以下PC−5と略称)の極限粘度は0.39dl/gであった。ポリカーボネートであることの確認は、合成例1と同様にして行った。
BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 60.1g(0.235mol)を、BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 50.5g(0.221mol)に変更し、Si−1 0.91gをSi−1 4.55gに変更した以外は、実施例1と同様に合成を行った。得られたポリカーボネート樹脂(以下PC−6と略称)の極限粘度は0.33dl/gであった。ポリカーボネートであることの確認は、合成例1と同様にして行った。
Si−1 0.91gを、Si−1 0.46g及びSi−4 0.45gに変更した以外は、実施例1と同様に合成を行った。得られたポリカーボネート樹脂(以下PC−7と略称)の極限粘度は0.37dl/gであった。ポリカーボネートであることの確認は、合成例1と同様にして行った。
BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 60.1g(0.235mol)を、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(本州化学工業株式会社製、以下「CBPZ」と略称)72.1g(0.244mol)及び1,1‘−ビフェニル−3,3’−ジメチル−4,4‘−ジオール(本州化学工業株式会社製、以下「CBP」と略称)18.0g(0.084mol)に変更した以外は、実施例1と同様に合成を行った。得られたポリカーボネート樹脂(以下PC−8と略称)の極限粘度は0.33dl/gであった。ポリカーボネートであることの確認は、合成例1と同様にして行った。
BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 60.1g(0.235mol)を、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタン(本州化学工業株式会社製、以下「CBPAP」と略称)90.1g(0.283mol)に変更した以外は、実施例1と同様に合成を行った。得られたポリカーボネート樹脂(以下PC−9と略称)の極限粘度は0.38dl/gであった。ポリカーボネートであることの確認は、合成例1と同様にして行った。
BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 60.1g(0.235mol)を、BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 61.0g(0.238mol)に変更し、Si−1 0.91gを添加しなかった以外は、実施例1と同様に合成を行った。得られたポリカーボネート樹脂(以下PC−10と略称)の極限粘度は0.40dl/gであった。
BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 60.1g(0.235mol)を、BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 61.0g(0.238mol)に変更し、Si−1 0.91gを、Si−1 0.046gに変更した以外は、実施例1と同様に合成を行った。得られたポリカーボネート樹脂(以下PC−11と略称)の極限粘度は0.39dl/gであった。
BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 60.1g(0.235mol)を、BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 47.4g(0.185mol)に変更し、Si−1 0.91gを、Si−1 13.65gに変更した以外は、実施例1と同様に合成を行った。得られたポリカーボネート樹脂(以下PC−12と略称)の極限粘度は0.30dl/gであった。
BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 60.1g(0.235mol)を、CBPZ 94.7g(0.320mol)に、PTBP 2.36gを1.92gに変更し、Si−1 0.91gを添加しなかった以外は、合成例1と同様に合成を行った。得られたポリカーボネート樹脂(以下PC−13と略称)の極限粘度は、0.37dl/gであった。
BCFL 30.0g(0.079mol)及びBPC 60.1g(0.235mol)を、CBPAP 45.1g(0.142mol)及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(三井化学株式会社製、以下「BPA」と略称)45.0g(0.197mol)に変更した以外は、実施例1と同様に合成を行った。得られたポリカーボネート樹脂(以下PC−14と略称)の極限粘度は0.39dl/gであった。
合成例1〜9と同じ原料仕込み比率でスケールアップ試作を行い、シート成形実施可能な重合体粉末を30kg以上製造した。得られたPC−1〜9それぞれの粉末に、トリス(2,4−ジターシャリーブチルフェニル)ホスファイト0.01重量%を混合後した粉末を副押出機(ベント付25mm単軸押出機、ムサシノキカイ株式会社製MK−25、シリンダー温度290℃)へ、またポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック株式会社、ユーピロンE−2000R;ガラス転移温度は150℃)を主押出機(ベント付30mm単軸押出機、ムサシノキカイ株式会社製MK−30、シリンダー温度290℃)にそれぞれ導入し、フィードブロック型のTダイを経て、水平2本ロール(ロール温度:150℃)により除冷し、積層押出シート(表面100μm厚にPC−1〜9、裏面200μm厚にポリカーボネート樹脂)を得た。得られた積層シートの表面に関して、鉛筆引っかき試験(JIS−K5600−5−4準拠)、静摩擦係数の測定、および目視によるシート外観評価を行った。
極限粘度は、温度20℃で、各ポリマーの0.5%ジクロロメタン溶液を調製し、ハギンズ定数0.45で測定した値である。
ガラス転移温度(Tg)は、島津製作所製:DCS−50にて、窒素気流下にて測定(接線法によりTg算出)した値である。
メルトボリュームレイト(MVR)は、東洋精機製:D−Aにて、300℃、1.2kg荷重にて測定した値である。
鉛筆引っかき試験は、JIS−K5600−5−4準拠して、三菱鉛筆製UNIを使用して測定し、積層成形部材の試料の表面(PC−1〜14)に5回測定を行い、傷発生が2回以下なら合格とした。
静摩擦係数は、新東科学株式会社製 トライボギア ポータブル摩擦計 TYPE:94i―IIを用い、6ballにて測定した値である。
Claims (11)
- 1種以上の一般式(A1)
- 前記1種類以上のシロキサン構造を有する化合物が、一般式(B)、一般式(C)、一般式(D)、及び一般式(E)の群から選ばれる化合物である請求項1に記載の積層形成部材。
- 前記1種類以上のシロキサン構造を有する化合物が、一般式(D)で表される化合物である請求項2に記載の積層形成部材。
- 前記1種類以上のシロキサン構造を有する化合物が、一般式(E)で表される化合物である請求項2に記載の積層形成部材。
- 前記1種類以上のシロキサン構造を有する化合物が、一般式(B)で表される化合物である請求項2に記載の積層形成部材。
- 前記1種類以上のシロキサン構造を有する化合物が、一般式(C)で表される化合物である請求項2に記載の積層形成部材。
- 一般式(B)、一般式(C)、一般式(D)、及び一般式(E)中のR11〜R15がそれぞれ、メチル基、n−ブチル基、又は及びフェニル基から選ばれる基である請求項2〜6のいずれか1項に記載の積層形成部材。
- 前記シロキサン共重合ポリカーボネートの極限粘度[η]が、0.2〜1.0〔dl/g〕である請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層形成部材。
- 前記炭酸エステル形成化合物が、ホスゲンである請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層形成部材。
- 第1及び第2の組成物を溶融共押出法によって成形してなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層成形部材。
- シート状又はフィルム状である請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層成形部材。
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