JP6476926B2 - ポリカーボネート樹脂組成物及びポリカーボネート樹脂成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、硬度、耐熱性、透明性に優れたポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。
ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、機械的物性、電気的特性に優れた樹脂であり、例えば自動車材料、電気電子機器材料、住宅材料、その他の工業分野における部品製造用材料等に幅広く利用されている。特に、難燃化されたポリカーボネート樹脂組成物は、コンピューター、ノートブック型パソコン、携帯電話、プリンター、複写機等のOA・情報機器等の部材として好適に使用されているが、従来用いられるビスフェノールA型のポリカーボネート樹脂は、傷付きやすいために、意匠性が求められる分野においては、硬度の改良が求められている。
かかる状況下、特許文献1では、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン型のポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂組成物が提案されているが、このようなポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂組成物では、耐熱性の低下を招くために、高い耐熱性が要求されるような部材には適用することができなかった。
これに対し、特許文献2では、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン型のポリカーボネート樹脂と、特定の脂環式構造を有するビスフェノールからなるポリカーボネート樹脂とからなるポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。しかしながら、上述のポリカーボネート樹脂組成物では実際には、透明性が犠牲になるため、透明性が要求される部材への適用ができないという課題を有していた。
また、特許文献3では、スピロビインダン骨格を有する特定のポリカーボネート樹脂と、ビスフェノールA型のポリカーボネート樹脂とからなる耐熱性に優れるポリカーボネート樹脂組成物が開示されているが、このような樹脂組成物は、硬度も低く、また透明性も得られないという欠点を有している。
特公昭64−69625号公報 特開2011−148988号公報 特開平8−73729号公報
しかしながら、上述のポリカーボネート樹脂組成物では実際には、透明性が犠牲になるため、透明性が要求される部材への適用ができないという課題を有していた。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、高い硬度と、耐熱性と透明性とのバランスに優れるポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体を提供することを目的とする。
本発明の発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の構造を含有するポリカーボネート樹脂と特定の構造を有するポリカーボネート樹脂共重合体とを組み合わせることにより、硬度と耐熱性、透明性を共に向上させることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、下記[1]〜[5]に存する。
[1] 少なくとも下記式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A)及びポリカーボネート樹脂(B)を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、
該ポリカーボネート樹脂(B)が、下記式(2)で表される構造単位(B−1)と下記式(3)で表される構造単位(B−2)を含むポリカーボネート共重合体であり、且つ該ポリカーボネート樹脂(B)の含有量が該ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、5〜200質量部であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
Figure 0006476926
(上記式(2)中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アリール基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、またはハロゲン原子を表し、nは、0〜2の整数を表す。また、R、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)
Figure 0006476926
[2] 厚さ3mmの成形体としたときの、ヘイズが、3以下であることを特徴とする[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[3] 前記ポリカーボネート樹脂(B)中の式(2)で表される構造単位(B−1)の割合が5〜70モル%であり、且つ、式(3)で表される構造単位(B−2)30〜95モル%である[1]又は[2]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[4] 構造単位(B−1)が、下記式(4)で表されることを特徴とする[1]乃至[3]の何れか1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
Figure 0006476926
[5] [1]乃至[4]の何れか1に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなるポリカーボネート樹脂成形体。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物によれば、従来より高い硬度と、耐熱性、透明性を実現できる。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
[1.概要]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、少なくとも、特定の構造を有するポリカーボネート樹脂と、特定の構造を有するポリカーボネート樹脂共重合体とを含有する。また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、必要に応じて、その他の成分を含有していてもよい。
[2.ポリカーボネート樹脂(A)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂(A)は、少なくとも下記式(1)で表される構造単位を有する重合体(ポリマー)である。
Figure 0006476926
このようなポリカーボネート樹脂(A)は、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを必須成分とするジヒドロキシ化合物と、カーボネート形成性化合物とを重合することによって得られるが、ポリカーボネート樹脂を形成するジヒドロキシ化合物としては、前記2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン以外のジヒドロキシ化合物も含んでいてもよい。
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン以外のジヒドロキシ化合物としては、例えば、下記式(5)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。
Figure 0006476926
上記式(5)中、R、R10はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又はアリール基を示す。このアルキル基及びアリール基はそれぞれ置換基を有していてもよい。連結基Xは、単結合、カルボニル基、アルキリデン基、硫黄原子、又は酸素原子を表し、nは、0〜4の整数を表す。なお、このアルキリデン基、硫黄原子又は酸素原子はそれぞれ置換基を有していてもよい。
上記式(5)中において、R、R10が炭素原子数1〜20のアルキル基である場合、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(5)において、連結基Xが、アルキリデン基の場合は、好適なものとしては、下記式(6)または下記式(7)で表されるものが挙げられる。また、連結基Xが、硫黄原子としては、好適なものとしては、例えば、−S−、−SO2−が挙げられる。
Figure 0006476926
ここで、上記式(6)中のR11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、又はアリール基を示す。なお、このアルキル基又はアリール基はそれぞれ置換基を有していてもよい。Zは、炭素原子数4〜20のアルキレン基を示す。nは、1〜10の整数を示す。なお、このアルキレン基は置換基を有していてもよい。
11及びR12が、炭素原子数1以上20以下のアルキル基の場合、好適なものとして、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。また、アリール基の場合は、好適なものとしては、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらの中でも、R11及びR12は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、又は4−メチルフェニル基が好ましく、メチル基がより好ましく、特に、R11及びR12共にメチル基であり、nが1、すなわち、上記式(5)の連結基Xがイソプロピリデン基であることが好ましい。上記式(7)中のZは、上記式(5)において、2個のフェニル基を結合する炭素と結合して、置換若しくは無
置換の二価の炭素環を形成する。二価の炭素環としては、例えば、シクロペンチリデン基、シキロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基、シクロドデシリデン基、アダマンチリデン基等のシクロアルキリデン基(好ましくは、炭素数5〜8)が挙げられる。置換されたものとしては、これらのメチル置換基、エチル置換基を有するもの等が挙げられる。これらの中でも、シクロヘキシリデン基、シキロヘキシリデン基、シクロドデシリデン基のメチル置換体が好ましい。
式(5)で表されるその他のジヒドロキシ化合物の例を挙げると、2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類; 2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3
’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールA又は“BPA”と略記することがある)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,
α'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類; 4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類; 4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド
、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;等が挙げられる。
その他のジヒドロキシ化合物としては、これらのなかでもビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましく、なかでもビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性、耐熱性の点からは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)が好ましい。なお、ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂(A)を構成する構造単位の由来成分がジヒドロキシ化合物のものの中で、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンは、全ジヒドロキシ化合物中、通常30〜100モル%であることが好ましく、40〜100モル%であることがより好ましく、50〜100モル%であることがさらに好ましく、100モル%であることが特に好ましい。2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを上述の範囲含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の硬度を効果的に向上させることができる。
[3.ポリカーボネート樹脂(B)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂(B)は、下記式(2)で表される構造単位(B−1)と、下記式(3)で表される構造単位(B−2)を含むポリカーボネート共重合体である。
Figure 0006476926
上記式(2)中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アリール基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、またはハロゲン原子を表し、nは、0〜2の整数を表す。また、R、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
上記式(2)中のR、R、R、R、R、R、R及びRの炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
上記式(2)中のR、Rのアリール基としては、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ジ−t−ブチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記式(2)中のR、Rの炭素原子数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基などが挙げられる。
上記式(2)中のR、Rのハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などが挙げられる。
上記式(2)において、R、Rは、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
また、上記式(2)において、R、R、R及びRは、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
また、上記式(2)において、R、Rは、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
上記式(2)で表される構造単位の好ましい具体例としては、下記式(4)、(8)、(9)、(10)が挙げられるが、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の耐熱性、難燃性を効果的に高め、また異物が少ない傾向にあるため下記式(4)であることが好ましい。
Figure 0006476926
上記式(4)で表される構造単位の好ましい具体例としては、具体的には、下記式(11)、(12)、(13)が挙げられるが、なかでも下記式(11)のジヒドロキシ化合物が好ましい。
Figure 0006476926
なお、上記式(2)、(3)、(4)、(8)〜(13)で表される構成成分の由来成分としてのジヒドロキシ化合物は、公知の方法(例えば、特開2014-114281号公報に記載
の合成法)で製造し得ることができる。これらの方法で得られたジヒドロキシ化合物は必要に応じて精製等を行い、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂(B)に構造単位として含まれるジヒドロキシ化合物に適用される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂(B)は、上述の構造単位(B−1)と構造単位(B−2)を含むポリカーボネート共重合体であるが、その構造単位の割合としては、構造単位(B−1)が5〜70モル%であり、構造単位(B−2)30〜95モル%であることが好ましい。このような範囲で構造単位(B−1)と構造単位(B−2)を含有させることで、ポリカーボネート樹脂(A)との相溶性が高まり、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の透明性を高めることができ、さらには耐熱性が高まるほか、耐衝撃性などの機械物性も向上する。
このような観点より、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂(B)は、上述の構造単位(B−1)と構造単位(B−2)を含むポリカーボネート共重合体であるが、その構造単位の割合としては、構造単位(B−1)10〜65モル%と、構造単位(B−2)45〜90モル%とから成ることがより好ましく、構造単位(B−1)20〜60モル%と、構造単位(B−2)40〜80モル%とから成ることが更により好ましく、構造単位(B−1)25〜58モル%と、構造単位(B−2)42〜75モル%とから成ることが特に好ましい。
また、本発明の本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂(B)は、本発明の目的を損なわない範囲で上記構造単位(B−1)及び構造単位(B−2
)以外の構造単位を1種または2種以上含んでいても良いが、これらの構造単位は、構造単位(B−1)と構造単位(B−2)を含む全構造単位中、通常30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。
なお、構造単位(B−1)及び構造単位(B−2)以外の構造単位としては、前記式(3)で表されるその他のジヒドロキシ化合物として例示されたモノマーから誘導された構造が挙げられる。
[4.カーボネート形成化合物]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂(A)及びポリカーボネート樹脂(B)の原料となるモノマーのうち、カーボネート形成性化合物の例を挙げると、カルボニルハライド、カーボネートエステル等が使用される。なお、カーボネート形成性化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、下記式(15)で表されるアリールカーボネート類、ジアルキルカーボネート類やジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
Figure 0006476926
式(14)中、R13及びR14は、それぞれ独立に炭素数1〜30のアルキル基またはアリール基、アリールアルキル基を表す。以下、R13及びR14が、アルキル基、アリールアルキル基のときジアルキルカーボネートと称し、アリール基のときジアリールカーボネートと称すことがある。
なかでもジヒドロキシ化合物との反応性の観点よりR13及びR14は、共にアリール基であることが好ましく、下記式(15)で表されるジアリールカーボネートでることがより好ましい。
Figure 0006476926
式(15)中、R15及びR16は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり、p及びqはそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。
このようなカーボネートエステルとしては、具体的にはジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と称する場合がある。)、ビス(4−メチルフェニル)カーボネート、ビス(4−クロロフェニル)カーボネート、ビス(4−フルオロフェニル)カーボネート、ビス(2−クロロフェニル)カーボネート、ビス(2,4−ジフルオロフェニル)カーボネート、ビス(4−ニトロフェニル)カーボネート、ビス(2−ニトロフェニル)カーボネート、ビス(メチルサリチルフェニル)カーボネート、ジトリルカーボネート等の(置換)ジアリールカーボネートが挙げられるが、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。なお、これらのカーボネートエステルは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、前記のカーボネートエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
これらカーボネートエステル(前記の置換したジカルボン酸又はジカルボン酸エステルを含む。以下同じ。)は、通常ジヒドロキシ化合物に対して過剰に用いられる。すなわち、カーボネートエステルは、ジヒドロキシ化合物に対して、1.01〜1.30倍量(モル比)、好ましくは1.02〜1.20倍量(モル比)で用いられる。モル比が小さすぎると、得られるポリカーボネート樹脂の末端OH基が多くなり、樹脂の熱安定性が悪化する傾向となる。また、モル比が大きすぎると、エステル交換の反応速度が低下し、所望の分子量を有するポリカーボネート樹脂の生産が困難となったり、樹脂中の炭酸ジエステルの残存量が多くなり、成形加工時や成形品としたときの臭気の原因となる場合がある。
[5.ポリカーボネート樹脂の製造方法]
本発明に用いるポリカーボネート樹脂(A)及びポリカーボネート樹脂(B)の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適なものについて具体的に説明する。
なお、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)を単に「ポリカーボネート樹脂」と称することがある。
<界面重合法>
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体は、前述のとおりである。なお、カーボネート前駆体のなかでもホスゲンを用いることが好ましく、ホスゲンを用いた場合の方法は特にホスゲン法と呼ばれる。
反応に不活性な有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素等;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;などが挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
アルカリ水溶液に含有されるアルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が挙げられるが、なかでも水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。なお、アルカリ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度に制限は無いが、通常、反応のアルカリ水溶液中のpHを10〜12にコントロールするために、5〜10質量%で使用される。また、例えばホスゲンを吹き込むに際しては、水相のpHが10〜12、好ましくは10〜11になる様にコントロールするために、ビスフェノール化合物とアルカリ化合物とのモル比を、通常1:1.9以上、なかでも1:2.0以上、また、通常1:3.2以下、なかでも1:2.5以下とすることが好ましい。
重合触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン等の脂肪族三級アミン;N,N’−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’−ジエチルシクロヘキシルアミン等の脂環式三級アミン;N,N’−ジメチルアニリン、N,N’−ジエチルアニリン等の芳香族三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等;ピリジン;グアニン;グアニジンの塩;等が挙げられる。なお、重合触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
分子量調節剤としては、例えば、一価のフェノール性水酸基を有する芳香族フェノール;メタノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール;メルカプタン;フタル酸イミド等が挙げられるが、なかでも芳香族フェノールが好ましい。このような芳香族フェノールとしては、具体的に、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等のアルキル基置換フェノール;イソプロパニルフェノール等のビニル基含有フェノール;エポキシ基含有フェノール;o−オキシン安息香酸、2−メチル−6−ヒドロキシフェニル酢酸等のカルボキシル基含有フェノール;等が挙げられる。なお、分子量調整剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
分子量調節剤の使用量は、ジヒドロキシ化合物100モルに対して、通常0.5モル以上、好ましくは1モル以上であり、また、通常50モル以下、好ましくは30モル以下である。分子量調整剤の使用量をこの範囲とすることで、ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性及び耐加水分解性を向上させることができる。
反応の際に、反応基質、反応溶媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。例えば、カーボネート前駆体としてホスゲンを用いた場合には、分子量調節剤はジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン化)の時から重合反応開始時までの間であれば任意の時期に混合できる。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
<溶融エステル交換法>
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
ジヒドロキシ化合物、カーボネートエステルは、前述の通りであるが、用いるカーボネートエステルとしては、なかでもジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、カーボネートエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
ジヒドロキシ化合物とカーボネートエステルとの比率は所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であるが、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、カーボネートエステルを等モル量以上用いることが好ましく、なかでも1.01モル以上用いることがより好ましい。なお、上限は通常1.30モル以下である。このような範囲にすることで、末端水酸基量を好適な範囲に調整できる。
ポリカーボネート樹脂では、その末端水酸基量が熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす傾向がある。このため、公知の任意の方法によって末端水酸基量を必要に応じて調整してもよい。エステル交換反応においては、通常、カーボネートエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率;エステル交換反応時の減圧度などを調整することにより、末端水酸基量を調整したポリカーボネート樹脂を得ることができる。なお、この操作により、通常は得られるポリカーボネート樹脂の分子量を調整することもできる。
カーボネートエステルとジヒドロキシ化合物との混合比率を調整して末端水酸基量を調整する場合、その混合比率は前記の通りである。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、カーボネートエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
溶融エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は任意のものを使用できる。なかでも、例えばアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いることが好ましい。また補助的に、例えば塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。なお、エステル交換触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
溶融エステル交換法において、反応温度は通常100〜320℃である。また、反応時の圧力は通常2mmHg以下の減圧条件である。具体的操作としては、前記の条件で、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら、溶融重縮合反応を行えばよい。
溶融重縮合反応は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応溶媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。ただしなかでも、ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の安定性等を考慮すると、溶融重縮合反応は連続式で行うことが好ましい。
溶融エステル交換法においては、必要に応じて、触媒失活剤を用いても良い。触媒失活剤としてはエステル交換触媒を中和する化合物を任意に用いることができる。その例を挙げると、イオウ含有酸性化合物及びその誘導体などが挙げられる。なお、触媒失活剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
触媒失活剤の使用量は、前記のエステル交換触媒が含有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属に対して、通常0.5当量以上、好ましくは1当量以上であり、また、通常10当量以下、好ましくは5当量以下である。更には、ポリカーボネート樹脂に対して、通常1ppm以上であり、また、通常100ppm以下、好ましくは50ppm以下である。
<ポリカーボネート樹脂に関するその他の事項>
ポリカーボネート樹脂の分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]は、通常8000以上、好ましくは10000以上、より好ましくは15000以上であり、また、通常40000以下、好ましくは30000以下である。粘度平均分子量を前記範囲の下限値以上とすることにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができ、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を前記範囲の上限値以下とすることにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて成形加工を容易に行えるようになる。なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
なお、粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−4Mv0.83、から算出される値を意味する。また極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 0006476926
ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、通常2000ppm以下、好ましくは1500ppm以下、より好ましくは1000ppm以下である。これにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の滞留熱安定性及び色調をより向上させることができる。また、その下限は、特に溶融エステル交換法で製造されたポリカーボネート樹脂では、通常10ppm以上、好ましくは30ppm以上、より好ましくは40ppm以上である。これにより、分子量の低下を抑制し、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的特性をより向上させることができる。
なお、末端水酸基濃度の単位は、ポリカーボネート樹脂の重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものである。その測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)である。
本発明におけるポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(B)の含有量が、前記ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、前記ポリカーボネート樹脂(B)を、5〜200質量部であることを特徴とする。ポリカーボネート樹脂(B)の含有量が前記範囲の下限以下の場合は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の耐熱性が不十分になる恐れがある。また、ポリカーボネート樹脂(B)の含有量が前記範囲の上限を超える場合は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の硬度の低下を招くだけでなく、透明性や成形性が損なわれる恐れがある。このような観点より、ポリカーボネート樹脂(B)は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10〜180質量部含有することがより好ましく、20〜150質量部含有することがさらに好ましく、30〜120質量部含有することが特に好ましく、50〜110質量部含有することが最も好ましい。
[6.その他の成分]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上述したもの以外にその他の成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で
含有されていても良い。
<その他の樹脂>
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT樹脂)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)等の熱可塑性ポリエステル樹脂;
ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂(PE樹脂)、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、環状シクロオレフィン樹脂(COP樹脂)、環状シクロオレフィン共重合体(COP)樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂(PA樹脂);ポリイミド樹脂(PI樹脂);ポリエーテルイミド樹脂(PEI樹脂);ポリウレタン樹脂(PU樹脂);ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE樹脂);ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂);ポリスルホン樹脂(PSU樹脂);ポリメタクリレート樹脂(PMMA樹脂);等が挙げられる。
なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
<樹脂添加剤>
樹脂添加剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、染顔料、難燃剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
[7.ポリカーボネート樹脂組成物の透明性]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、厚さ3mmの成形体としたときの、ヘイズが、3以下であるものが好ましい。このような樹脂組成物は、特に透明性に優れることを示し、このような樹脂組成物は硬度と、耐熱性、透明性のバランスに特に優れるために、各種電気電子・OA機器筐体、ディスプレイ、パネル、カバー、照明部材、窓部材、看板、表示機器等に好適に使用することができる。このような樹脂組成物は、上述のようにポリカーボネート樹脂共重合体(B)を構成する構造単位(B−1)と、構造単位(B−2)の組成比、及びポリカーボネート樹脂(A)とポリカーボネート樹脂共重合体(B)との配合比を制御することによって得ることができる。
上記ヘイズは、使用される部材や目的に応じて適宜選択して用いれば良いが、2.5以下であることがより好ましく、2.2以下であることがさらに好ましく、2以下であることが特に好ましい。
[8.ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、本発明に係るポリカーボネート樹脂(A)及びポリカーボネート樹脂共重合体(B)並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、各成分を予め混合せずに、または、一部の成分のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練して、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を
製造することもできる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
[9.ポリカーボネート樹脂成形体]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、通常、任意の形状に成形してポリカーボネート樹脂成形体として用いる。この成形体の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形体の用途に応じて任意に設定すればよい。
成形体の例を挙げると、電気電子機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類、照明機器等の部品が挙げられる。これらのなかでも、特に電気電子機器、OA機器、情報端末機器、家電製品等の部品へ用いて好適であり、電気電子機器の部品に用いて特に好適である。
前記の電気電子機器としては、例えば、パソコン、ゲーム機、テレビなどのディスプレイ装置、プリンター、コピー機、スキャナー、ファックス、電子手帳やPDA、電子式卓上計算機、電子辞書、カメラ、ビデオカメラ、携帯電話、電池パック、記録媒体のドライブや読み取り装置、マウス、テンキー、CDプレーヤー、MDプレーヤー、携帯ラジオ・オーディオプレーヤー等が挙げられる。
成形体の製造方法は、特に限定されず、ポリカーボネート樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。
得られた本発明の成形体は、上述したようにポリカーボネート樹脂の優れた性質を損なうことなく、耐擦傷性の高い実用的な成形体として用いることが可能である。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、以下の説明において[部]とは、特に断らない限り質量基準に基づく「質量部」を表す。
(製造例1)ポリカーボネート樹脂(A)の製造
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下、「BPC」と略記する場合がある。)(本州化学株式会社製)6.7kg(26.14mol)とジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と略記する場合がある。)5.77kg(26.92mol)に、炭酸セシウムの水溶液を、炭酸セシウムがジヒドロキシ化合物1mol当たり1.5μmolとなるように添加して混合物を調製した。次に、該混合物を、攪拌機、熱媒ジャケット、真空ポンプ、還流冷却器を具備した内容量200Lの第1反応器に投入した。
次に、第1反応器内を1.33kPa(10Torr)に減圧し、続いて、窒素で大気圧に復圧する操作を5回繰り返し、第1反応器の内部を窒素置換した。窒素置換後、熱媒
ジャケットに温度230℃の熱媒を通じて第1反応器の内温を徐々に昇温させ、混合物を溶解させた。その後、55rpmで撹拌機を回転させ、熱媒ジャケット内の温度をコントロールして、第1反応器の内温を220℃に保った。そして、第1反応器の内部で行われるBPCとDPCのオリゴマー化反応により副生するフェノールを留去しながら、40分間かけて第1反応器内の圧力を絶対圧で101.3kPa(760Torr)から13.3kPa(100Torr)まで減圧した。
続いて、第1反応器内の圧力を13.3kPaに保持し、フェノールをさらに留去させながら、80分間、エステル交換反応を行った。
その後、系内を窒素で絶対圧で101.3kPaに復圧の上、ゲージ圧で0.2MPaまで昇圧し、予め200℃以上に加熱した移送配管を経由して、第1反応器内のオリゴマーを、第2反応器に圧送した。尚、第2反応器は内容量200Lであり、攪拌機、熱媒ジャケット、真空ポンプ並びに還流冷却管を具備しており、内圧は大気圧、内温は240℃に制御していた。
次に、第2反応器内に圧送したオリゴマーを16rpmで攪拌し、熱媒ジャケットにて内温を昇温し、第2反応器内を40分かけて絶対圧で101.3kPaから13.3kPaまで減圧した。その後、昇温を継続し、さらに40分かけて、内圧を絶対圧で13.3kPaから399Pa(3Torr)まで減圧し、留出するフェノールを系外に除去した。さらに、昇温を続け、第2反応器内の絶対圧が70Pa(約0.5Torr)に到達後、70Paを保持し、重縮合反応を行った。第2反応器内の最終的な内部温度は295℃であった。第2反応器の攪拌機が予め定めた所定の攪拌動力となったときに、重縮合反応を終了した。
次いで、第2反応器内を、窒素により絶対圧で101.3kPaに復圧の上、ゲージ圧で0.2MPaまで昇圧し、第2反応器の槽底からポリカーボネート樹脂をストランド状で抜き出し、水槽で冷却しながら、回転式カッターを使用してペレット化した。
得られたペレットと、炭酸セシウムに対して4倍モル量のp−トルエンスルホン酸ブチルとをブレンドし、二軸押出機に供給し、押出機のダイを通してストランド上に押出し、カッターで切断することで重合触媒を失活したポリカーボネート樹脂(A)のペレットを得た。
(製造例2)ポリカーボネート樹脂(B)の製造
ジヒドロキシ化合物として、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン(以下、「SBI」と略記する場合がある)を3.85kg(約12.5mol)と、上記式(4)で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「BPA」と略記する場合がある)2.85kg(約12.5mol)、及びジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と略記する場合がある)5.54kg(約25.85mol)に、炭酸セシウムの水溶液を、炭酸セシウムがジヒドロキシ化合物1mol当たり0.5μmolとなるように添加して混合物を調整した。次に該混合物を、攪拌機、熱媒ジャケット、真空ポンプ、還流冷却器を具備した内容量200Lの第1反応器に投入した。
その後、製造例1と同様に重合し(第2反応器での重合反応時間は260分であった)、触媒を失活することでポリカーボネート樹脂共重合体(B)のペレットを得た。
(製造例3)ポリカーボネート樹脂(C)の製造
ジヒドロキシ化合物として、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン(以下、「SBI」と略記する場合がある)を3.66kg(約11.87mol)と、上記式(4)で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下、「BPC」と略記する場合がある)3.04
kg(約11.87mol)、及びジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と略記する場合がある)5.21kg(約24.33mol)に、炭酸セシウムの水溶液を、炭酸セシウムがジヒドロキシ化合物1mol当たり1.5μmolとなるように添加して混合物を調整した。次に該混合物を、攪拌機、熱媒ジャケット、真空ポンプ、還流冷却器を具備した内容量200Lの第1反応器に投入した。
その後、製造例1と同様に重合し(第2反応器での重合反応時間は365分であった)、触媒を失活することでポリカーボネート樹脂共重合体(C)のペレットを得た。
なお、上記製造例1〜3におけるポリカーボネート樹脂の製造原料であるSDIは、特開2014-114281号公報に記載の方法に従って製造し得られたものを用いた。また、BPA、
DPCは三菱化学株式会社製のものを使用した。
実施例及び比較例に用いた成分は以下のものである。
・ポリカーボネート樹脂(A)(上記製造例1で得られたBPCのホモポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量26,100、末端水酸基濃度は540ppm、「PC(A)」と略す)、
・ポリカーボネート樹脂(B)(上記製造例2で得られたSBI/BPA=56/44(質量比)の共重合ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量16,400、末端水酸基濃度は400ppm、「PC(B)」と略す)、
・ポリカーボネート樹脂(C)(上記製造例3で得られたSBI/BPC=54/46(質量比)の共重合ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量17,900、末端水酸基濃度は520ppm、「PC(C)」と略す)、
・ポリカーボネート樹脂(D)(溶融エステル法によって得られたビスフェノールA型のポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量27、000 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製 NOVAREX(登録商標)7027BF)
なお、上記のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)と構造粘性指数(N値)は下記の方法で測定した。
<粘度平均分子量(Mv)>
ポリカーボネート樹脂を塩化メチレンに溶解し(濃度6.0g/L)、溶液とした。該溶液を用い、ウベローデ粘度管により20℃における比粘度(ηsp)を測定し、下記の式により粘度平均分子量(Mv)を算出した。
ηsp/C=[η](1+0.28ηsp
[η]=1.23×10−4Mv0.83
末端水酸基濃度は、上記記載の方法(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法 )に従って、算出した。
[樹脂ペレット製造]
上述に示した、成分を表2に記した割合(質量比)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製(TEX30α)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量15kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
[試験片の作製]
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(株式会社日本製鋼所製J55AD)により、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で射出成形し長さ60mm、幅60mm、厚さ3mmの平板状試験片を成形した。
[硬度評価]
平板上試験片をISO15184に準拠し、鉛筆硬度試験機(東洋精機株式会社製)を
用いて750g荷重にて測定したプレート鉛筆硬度を求めた。
[耐熱性評価]
示差操作熱量計(SII製DSC6220)を用いて、ポリカーボネート樹脂試料約10mgを20℃/minの昇温速度で加熱して熱量を測定し、JIS−K7121に準拠して、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度である、補外ガラス転移開始温度を求め、この該補外ガラス転移温度をガラス転移温度(Tg)とした。
[透明性評価]
JIS K−7105に準じ、上述の平板状試験片(3mm厚)を試験片とし、日本電色工業(株)製のNDH−2000型ヘイズメーターでヘイズ値(単位「%」)を測定した。ヘイズ(Haze)は、樹脂の濁度の尺度として用いられる値であり、数値が小さい程、透明性が高いことを示し、好ましい。
Figure 0006476926
表2から分かるように、実施例1〜2のポリカーボネート樹脂組成物は、硬度、耐熱性、透明性のバランスに優れることがわかる。一方、比較例1、2では、耐熱性が不十分であり、比較例3は透明性が不十分であり、比較例4は、硬度、透明性が共に不十分であることがわかる。
したがって、上記の実施例及び比較例から、硬度、耐熱性、難燃性を高められるという効果は、本発明の構成によりはじめて得られるものであることが確認された。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物によれば、耐熱性、難燃性が高いポリカーボネート樹脂となるため、ポリカーボネート樹脂の利用分野の拡大が可能となる。

Claims (4)

  1. 少なくとも下記式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂(A)及び
    ポリカーボネート樹脂(B)を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、
    該ポリカーボネート樹脂(A)を形成するジヒドロキシ化合物として、2,2−ビス(
    3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンが50〜100モル%、2,2−ビス(
    4−ヒドロキシフェニル)プロパンが50〜0モル%であり、
    該ポリカーボネート樹脂(B)が、下記式(2)で表される構造単位(B−1)と下記
    式(3)で表される構造単位(B−2)を含むポリカーボネート共重合体であり
    ポリカーボネート樹脂(B)の含有量が該ポリカーボネート樹脂(A)100質量部
    に対して、5〜200質量部であり、
    且つ、厚さ3mmの成形体としたときのヘイズが、3以下であることを特徴とするポリ
    カーボネート樹脂組成物。
    Figure 0006476926
    (上記式(2)中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル
    基、アリール基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、またはハロゲン原子を表し、nは、
    0〜2の整数を表す。また、R、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜
    6のアルキル基を表し、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアル
    キル基を表す。)
    Figure 0006476926
  2. 前記ポリカーボネート樹脂(B)中の式(2)で表される構造単位(B−1)の割合が
    5〜70モル%であり、且つ、式(3)で表される構造単位(B−2)30〜95モル%
    である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 構造単位(B−1)が、下記式(4)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記
    載のポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 0006476926
  4. 請求項1乃至の何れか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなるポリ
    カーボネート樹脂成形体。
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