JP5563336B2 - 潤滑油回収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍機の冷媒中に溶解した潤滑油を回収する潤滑油回収装置に関するものである。
圧縮式冷凍機、特に遠心圧縮式冷凍機においては、一般に冷凍機内に冷媒と潤滑油とが別経路で循環している。しかし、この両者は至る所でふれあうために、相互に混入し合うことになる。潤滑油系統に混入した冷媒は、潤滑油を加熱して気化させることで冷媒系統へと戻すことが容易であるが、冷媒系統に潤滑油が混入すると、一般には蒸発器に蓄積されてゆく。少量であればあまり問題とはならないが、長期の運転により蓄積量が増大してゆくと、冷凍機の性能を低下させることとなる。また、混入した分、潤滑油量が減少することになるので、潤滑油不足による潤滑不良の原因ともなる。したがって、このような冷凍機では何らかの潤滑油回収手段を設けることが多い。
回収手段の中でもっとも簡単なのは、潤滑油が混入した蒸発器内の冷媒を何らかの手段で潤滑油タンクへ送り、潤滑油タンクの熱により冷媒分だけを気化させることである。しかし、少量の潤滑油しか混入していない冷媒液を直接潤滑油系統に引き込むならば、通常運転中に必要な回収量を確保するためには、大量の冷媒を潤滑系に導く必要があるため、冷媒が気化した分だけ潤滑油温度が低下し、潤滑油中の冷媒濃度が上昇して潤滑に支障を来すこととなるので、潤滑油濃度が特に高い場合やメンテナンス等の特殊な条件を除いてあまり使用されない。この方法により潤滑油を回収しようとする場合、何らかの予備加熱により予濃縮を行い、しかる後に潤滑油系統へ濃縮液を導いてやることが好ましい。
予濃縮の方法は種々考えられるが、大きく分けて連続式とバッチ式がある。連続式は、冷媒を何らかの手段で加熱しながら連続的に潤滑系へ導くものであるが、濃縮液は濃縮が進むにつれて急速に体積が減少すると共に、気化した冷媒の気相部分が急速に拡大するため、高度に濃縮しようとすると熱交換器の設計が困難であり、また、濃縮液の加熱量もしくは冷媒の導入量、あるいはその両方を常時適切に管理しないと油温の低下を招くため、制御が難しい。バッチ式は、冷媒を一定量濃縮容器に導き、加熱濃縮して濃度を十分に高くした後に潤滑系統へと戻すもので、冷媒の混入量を小さく押さえられる反面、制御弁が多く必要で高コストになりがちである。また、連続式でもバッチ式でも、電気ヒーター等を加熱源とすると、ヒーターの露出による加熱・断線等の危険があり、濃縮率を高くするのが難しい。
特開2009−236429号公報 特開2009−257684号公報
本発明は、これらの諸問題に鑑みて、低コストで連続的に規定の濃度まで濃縮した濃縮液を潤滑系に戻すことのできる潤滑油回収装置、特にその濃縮装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では、冷凍機の冷媒中に溶解した潤滑油を濃縮回収する蒸発器と濃縮容器とを有する潤滑油回収装置において、前記濃縮容器は、前記蒸発器から流入される潤滑油を含有する冷媒を加熱濃縮する加熱手段と、前記加熱手段の加熱による気泡ポンプ作用のみにより濃縮液が到達しない高さで、潤滑油濃度の上昇により形成されるフォーム層の到達する高さを指標として、目標とする濃縮液の濃度によって形成されるフォーム層の到達する高さの位置を決め、フォーム層がその位置に達した段階で濃縮液を外部に回収するための回収口を備えたことを特徴とする潤滑油回収装置としたものである。
また、前記回収口は、目標とする濃縮液の濃度によって形成されるフォーム層の到達する高さの位置に設けるのがよい。
また、前記潤滑油回収装置において、回収口には、濃縮液を回収するためのエゼクタを配設することができ、また、回収した濃縮液から気液を分離するための付室を配設することができ、さらに、潤滑油タンクと配管で接続することもできる。
また、前記潤滑油回収装置において、加熱手段は、前記冷凍機の圧縮機からの冷媒との熱交換によってもよく、蒸発器には、オーバーフロー堰を設け、該オーバーフロー堰からあふれた冷媒液を前記濃縮容器に導入することができ、濃縮容器は、前記蒸発器と一体として構成してもよい。
また、冷凍機の冷媒中に溶解した潤滑油を蒸発器と濃縮容器とを用いて濃縮回収する潤滑油回収方法において、前記蒸発器から流入する潤滑油を含有する冷媒を前記濃縮容器で加熱濃縮し、前記加熱による気泡ポンプ作用のみにより濃縮液が到達しない高さで、潤滑油濃度の上昇により形成されるフォーム層の高さを指標として目標とする濃縮液の濃度によって形成されるフォーム層の到達する高さの位置を決め、フォーム層がその位置に達した段階で濃縮容器から濃縮液を回収することを特徴とする潤滑油回収方法としたものである。
前記潤滑油回収方法において、濃縮液の回収は、目標とする濃縮液の濃度によって形成されるフォーム層の到達する高さの位置から行うのがよい。
本発明によれば、前記のように構成したことにより、特段の制御装置を設けなくても回収された濃縮液の濃度を一定以上に維持しながら連続的に潤滑油の回収ができ、また、濃縮容器中の濃縮液の量はフォーム層の厚さ等によってもほとんど変化しないため、電気ヒーターを加熱源としても露出による加熱、断線の危険が小さく、低コストで安全に連続的に規定の濃度まで濃縮した濃縮液を潤滑系に戻すことができる。
本発明では、冷媒中に溶解した潤滑油を濃縮回収する際に、蒸発器に加熱手段を備えた濃縮容器を併設して濃縮液を得ており、特に、濃縮液を加熱する場合、濃縮液の濃度により、その表面に気泡の層(フォーム層)が形成され、さらにはその厚さが潤滑油濃度により変化することに着目した。すなわち、濃縮液中の潤滑油濃度が低い場合は、冷媒の粘性が小さく、加熱により発生する気泡も大きくかつ割れやすいため、濃縮液の液面は、発生する気泡による気泡ポンプ作用により上昇するものの、その程度は小さい(図1参照)。一方、濃縮液中の潤滑油濃度が上昇してくると、液は粘性が高くなり気泡が割れにくくなり、濃縮液表面にしばらくの間滞留し、これがフォーム層を形成することになる(図2参照)。フォーム層は、濃縮液の表面に、おおむねビールの泡のように形成され(ただし、フォーム層と沸騰する濃縮液との界面は、ビールの泡ほどには明瞭ではない。)、その厚みは潤滑油濃度の上昇と共に厚くなる。実務的には前述した、気泡ポンプ作用による液面上昇以上に液面が上昇している部分は、フォーム層であるものと考えてよい。一般に、この現象は「フォーミング」と呼ばれる。
ここでいう「気泡ポンプ」とは、混合液中の気泡による、平均密度の低下により液面が上昇することを意味する。説明のための簡単なモデルを、図13に示す。このモデルは、容器A(発明の蒸発器に相当)と、容器B(濃縮容器に相当)とを配管で結んだものである。ここで、容器Bでは単純化のため、底面から気泡が発生しており、その発生量はQa[m/sec]、濃縮液中の気泡の平均上昇速度はv[m/sec]とする。さらに、簡単のため、両方の容器の内容液の密度は同じで、ρ[kg/m]とする。その他の物理量を含めて、
気泡の発生量(体積流量):Fa[m/sec]
気泡の平均上昇速度:a[m/sec]
濃縮容器断面積:A[m
内容液の密度:ρ[kg/m
容器Aの液面:ha[m]
容器Bの液面:hb[m]
重力:g[m/sec
とすると、容器A中の気相の体積(Va)は
Va=ha・Fa/a
各容器の底面における圧力の釣り合いの式は、
ρ・g・(ha・S−ha・Fa/a)/A=ρ・g・hb
となり、整理すると、
hb /ha =(1−Fa/(A・a))
となる。実際には、様々な条件がこのモデルとは異なるが、ここで示したhaとhbとの差、dが、濃縮の進んでいない条件における、「気泡ポンプ作用による液面の上昇」と見なすことができ、この高さ(ha)に相当する位置よりも十分に高い位置に濃縮液の回収口を置くことにより、濃縮液の濃度が低い場合には濃縮液の回収が行われないこととなる。なお、実務的には、haは、低濃度の濃縮液を用いて、実験的に確定することが容易である。
ここで、濃縮液のフォーム層が形成される高さで、後述する条件において、適切と考えられる位置、すなわち高さ(h)に回収口を設ける。このようにすると、濃縮が進んでおらず冷媒中の潤滑油濃度が低い場合は、フォーム層が形成されず、あるいは薄いために回収口に液が届かず、濃縮液は回収されない。一方、濃縮が進み潤滑油濃度が目標以上になると、フォーム層が厚くなり、液(気泡)が回収口に届いて回収される。あるいは、フォーム層の厚さを光電管などで検出することにより、目標以上の濃度まで濃縮されたことを知ることができる。
このフォーム層の厚さは、前述したようにした濃縮液中の潤滑油濃度の他、加熱量と濃縮容器の断面積に関連するが、容易に数百ミリメートルに達し、条件によっては1000ミリメートルを超えることもある。フォーム層の厚さは、冷媒と潤滑油、あるいは濃縮圧力等の条件が絡むので、定式化は難しいが、次の3つの条件によるほど、厚くなる傾向がある。
(a) 「潤滑油濃度(ξ)」が高い。
(b) 「加熱量(Q)」が大きい。
(c) 「濃縮容器の断面積(A)」が小さい。
ここで、濃縮容器の設計方法について触れる。濃縮容器は前記したように、圧縮式冷凍機の冷媒中に漏洩した潤滑油を回収するためのものである。したがって、濃縮容器に対する技術的な要求事項は、
(1) 潤滑油の漏洩量以上の「潤滑油回収量(m)」を有すること
(2) 回収した潤滑油を含む冷媒を潤滑油タンクに戻して差し支えない濃度(=ξ)にまで濃縮できること、
の2点である。すなわち、ξは設計要件そのものにより決定されるので、あとは加熱量(Q)もしくは断面積(A)を決定できれば、残ったほうは回収口の位置(h)に合わせて実験的に決定できる。
本方式の濃縮回収装置であれば、「冷媒の単位質量あたりの気化熱(Δh)」と「濃縮前の冷媒の潤滑油濃度(ξo)」とを用いて、潤滑油の回収量は近似的に
m=Q÷Δh×ξo
となる。Δhは冷媒等による定数であり、ξoは他の技術的用件より定まるので、まずQ「加熱量」が
Q=m×Δh÷ξo
により決定される。
前述したように、あとはAとhを実験的に決定すればよい。
このようにすることで、特段の制御装置を設けなくても回収された濃縮液の濃度を一定以上に維持しながら、連続的に潤滑油の回収が可能となる。また、濃縮容器中の濃縮液の量は、フォーム層の厚さ等によってもほとんど変化しないため、電気ヒーターを加熱源としても露出による加熱・断線の危険が小さい。
以下、図面を用いて具体的に本発明を説明する。
図1及び図2は、本発明の第一の実施例である。
濃縮容器2は、底部が蒸発器1の液相と、上部が蒸発器1の気相と連絡しており、濃縮容器2内には、加熱源として電気ヒーター3が設けられている。電気ヒーター3により加熱された濃縮液中の冷媒は、気化して均圧管6から蒸発器1へと戻り、冷媒が減少した分、液相の連絡管5から冷媒が補われる。このとき、潤滑油は濃縮容器2内に残り、新たに潤滑油を含んだ冷媒液が追加されるため、濃縮容器2内の潤滑油濃度は徐々に上昇する。
濃縮容器2の一定の高さには、回収口4が設けられており、この回収口4はエゼクタ7と接続されている。エゼクタ7は、駆動流体11で駆動されて回収口4から流体を吸引し、液がない場合は少量の冷媒ガスを、濃縮液があれば濃縮液を吸引する。なお、エゼクタの駆動流体11は、潤滑油か冷媒蒸気が望ましく、排出流体10はそのまま潤滑油タンク15へ送るのがよい。
濃縮液9中の潤滑油濃度が低いうちは、図1のように、液面は低い位置にあり、回収口4に届かない。このため、濃縮液9は回収されない。一方、濃縮液9中の潤滑油濃度が上昇して、フォーミングが発生するようになると、濃縮液9が回収口4に届いて、濃縮液9がエゼクタ7により回収される。
なお、フォーミングした濃縮液9が達する高さは、濃縮液9中の潤滑油濃度のほか、主として濃縮容器2の断面積と加熱量(気化冷媒量)とに支配される。同じ濃縮液濃度であれば、加熱量が大きいほど、また断面積が小さいほど、達する高さは高くなる。本発明では、目標とする回収濃度を定めた場合、回収口4の高さと加熱量、濃縮容器2の断面積とを調整して、目的とする回収濃度となるように設計するのがよい。
なお、回収口4の高さと濃縮容器2の断面積とは、運用中に変化しないが、加熱量は変化する場合がある。この場合、最大の加熱量において設計すれば、運用中は常に目標とする濃度よりも、回収濃度が高くなることになるので、好ましい。なお、電気ヒーター3を加熱源とすると、加熱量はおおむね一定となるので回収濃度も一定となる。
図3は、本発明の別の実施例である。
本例では、回収口4を潤滑油タンク15と連絡管19により直接接続した。これにより、回収口4からあふれた濃縮液9は潤滑油タンク15へと送られる。一方、潤滑油タンク15で気化した冷媒は、同じく連絡管19を通り濃縮容器2へと戻ってくる。この冷媒は、均圧管6を通り蒸発器1へと戻る。ここで、濃縮容器2の上部には気液分離のためのセパレーター16を配置してもよい。また、連絡管19は、気相と液相で別々に設けてもよい。
図4は、本発明の別の実施例である。本例では、濃縮容器2に付室20を設け、付室20と濃縮容器2との間に均圧管6を設けた。このようにすると、回収口4に達した濃縮液9は付室20へ移動し、ここで気液分離され、付室20に濃縮液9が貯留される。貯留された濃縮液9は、回収ポンプ21により潤滑油タンク15へと移送する。回収ポンプ21としては、ギアポンプなどを使用してもよいが、電磁ポンプなどの簡便なものの方が、気相を巻き込んだ場合に異常を起こしにくいために好ましい。また、付室20の液面を監視して、回収ポンプ21の発停を行うこととしてもよい。
図5は、本発明の別の実施例である。本例では、濃縮容器2に付室20を設けると共に、その間を、仕切弁22を有する連絡管19で接続した。付室20には、別途加圧弁24と移送弁23とが設けられており、それぞれ冷媒蒸気により付室20を加圧し、濃縮液9を潤滑油タンク15へ移送させることができる。
本例では、通常は加圧弁24と移送弁23とを閉じ、仕切弁22を開とする。仕切弁22は、あふれた濃縮液9を付室20に移送すると共に、付室20内のガスを濃縮容器2に還流できる十分な口径を有するものとすることがよい。このようにして、付室20内に濃縮液9を貯留し、レベルスイッチや時間管理等で付室20内に濃縮液9が十分貯留されたと判断した場合に、仕切弁22を閉じ、加圧弁24と移送弁23とを開として、濃縮液9を潤滑油タンク15へと移送する。なお、仕切弁22や移送弁23には逆止弁を用いることができる。
図6は、本発明の別の実施例である。本例では、濃縮容器2の上部に、濃縮容器2を覆うように付室20を設けた。このようにすると、濃縮液9は濃縮容器2の上部の端面からあふれる形で付室20へ流入する。この場合、濃縮容器2の上部の端面が回収口4となる。本例では、この付室20から潤滑油タンク15へ、エゼクタ7を用いて濃縮液9を移送する。
図7は、本発明の別の実施例である。本例では、濃縮容器2の加熱源として、二重管14による冷媒蒸気との熱交換を用いることとした。本例は、適用する冷凍機が二段圧縮エコノマイザサイクルの圧縮式冷凍機である場合を示す。本例では、濃縮容器2の一部を二重管14とし、外側になる部分の上部を、オリフィス36を介して冷凍サイクルの圧縮機34の吐出側と、下部をエコノマイザ31の入口と接続した。このようにすると、二重管14の外側の圧力はエコノマイザ31圧力となるため、この部分の飽和温度はエコノマイザ31と同じとなる。一般にエコノマイザ31の飽和温度は、蒸発器1よりも高く、濃縮容器2の内側は蒸発器1と連通されているために、飽和温度は蒸発器1とほぼ等しい。したがって、この温度差により熱交換が行われる。なお、単段の圧縮機を用いる冷凍サイクルであれば、冷媒の出口をエコノマイザに接続することに代えて減圧手段(オリフィス等)を介して蒸発器32に接続すればよい。また、凝縮器30の冷媒蒸気に代えて、凝縮液を加熱源としてもよい。
ところで、本発明では加熱量が一定であることを前提として、回収口4の位置を決めていることは前述の通りである。冷媒蒸気を加熱源とする場合、エコノマイザ31の飽和温度は、運転状態により変化するため、加熱量を略一定に保つ工夫をするのが望ましい。本例の場合、その一つとして、オリフィス36を設けている。加熱冷媒を、オリフィス36を介して導くと、オリフィス36はいわゆるチョークを生じて冷媒蒸気の量がほぼ一定となる。一次側の圧力により、加熱側の冷媒の流量は変化するが、変化の範囲を想定できるので回収口4の位置を適切に定めれば、濃縮液9の濃度を適切に維持することができる。
なお、加熱量が運転条件により変化する場合は、想定される最大の加熱量において、回収口4に濃縮液9が届くように設計するのがよい。このようにすると、加熱量が小さい場合には、液面があまり上昇しないのでさらに濃縮が進み、想定濃度よりも濃縮された状態で、濃縮液9が回収口4に達することになる。当然、これは濃縮液9の回収装置として好ましい特性である。
図8は、本発明の別の実施例である。本例では、蒸発器1から冷媒を回収するところにオーバーフロー堰26を設け、ここから冷媒を取り込んで濃縮することとした。蒸発器1内で沸騰する冷媒は、オーバーフロー堰26を超えて回収ヘッダー13に入る。ヘッダー13内で冷媒は気液分離されて、蒸気は堰26から戻り、液はヘッダー13内にたまる。このとき、たまりすぎた冷媒を蒸発器1内へ戻す戻し穴27を設けてもよい。なお、戻し穴27は、オーバーフロー量が少ない場合に逆に回収ヘッダー13への冷媒の供給を続ける働きもある。濃縮容器2へは、このヘッダー内にたまった冷媒を送る。このようにすると、蒸発器1の上部の比較的潤滑油濃度の高い冷媒を取り込むことができ、かつ、冷媒ガスを巻き込みにくいので効率的に潤滑油の回収を行うことができる。また、停止時等に濃縮液9が逆流しても、オーバーフロー堰26内に濃縮液9がとどまるので回収の後退を最小限とすることができる。なおこの場合、図示した回収ヘッダー13下部の戻し穴27は、ごく小さくするか、設けない方がよい。
なお、回収ヘッダー13内には、図示するような斜めの仕切板28を設けると、容易に気液を分離できる。
図9は、本発明の別の実施例である。本例では、濃縮容器2を蒸発器1と一体12として構成している。このようにすると、連絡管等が不要となりコストをさらに低減できる。
図10は、本発明の別の実施例である。本例では、濃縮容器2と潤滑油タンク15とを連絡管19で連絡すると共に、この連絡管19を回収口4として兼用する。
本例では、濃縮容器2で発生した冷媒蒸気は一旦、潤滑油タンク15に導かれたのち、潤滑油タンク15の均圧管6を経由して蒸発器1へと戻る。潤滑油タンク15にはもともと混入した冷媒を気化させて冷媒系へ戻すことを目的として、このような均圧管6が設けられていることが多い。
これまでの実施例と同じく、濃縮液9中の潤滑油濃度が低い場合は、冷媒蒸気のみが連絡管19から排出されるが、フォーミングの発生によりフォーム層が連絡管19に到達すると、冷媒蒸気と共にフォーム層の濃縮液が潤滑油タンク15へと導かれる。導かれた濃縮液9は、気液分離器16により潤滑油タンク15内に残され、冷媒蒸気のみが蒸発器1へと戻る。このようにしても、本発明を実現することができる。
ところで、たとえば図10の例では、濃縮容器の他には配管と加熱源だけでよいこととなり、そのコスト低減の効果は顕著である。たとえば、前記特許文献2(特開2009−257684号公報)の、図1に示す濃縮装置では、濃縮容器と加熱源の他に、種々の配管、レベル等を検出するセンサ、電動弁、ポンプ等が必要となる。さらに、図示されていない制御装置等も必要であるので、本方式は従来方式に比べて大いに優位である。
また、図11に別の実施例を示す。本例では、フォーム層の高さに回収口を設けることに代えて、フォーム層25の高さに液面を検出する液面計29をおいた。液面計29は、光電式や機械式など様々な形式が考えられるが、フォーム層25がこの高さに到達したことを検出できればどのようなものでもかまわない。
ここで本例では、液面計29がフォーム層25を検出すると、エゼクタ7を駆動する駆動流体の制御弁を規定時間開く。これにより、濃縮容器内の濃縮液は、別途の実施例と同様に回収される。この場合、回収口の位置は特には制限されない。ただし、加熱手段が動作していない場合に液が到達しない位置、具体的には、蒸発器の静液面の位置よりも高い位置とするとよい。このようにしておくと、何らかの原因で加熱手段が動作していない場合にエゼクタが作動したとしても、冷媒を吸い込んで潤滑油温度が低下する等の不具合を生じることを防ぐことができる(図12)。これらの方法は、フォーム層の形成を濃縮濃度の判定にのみ使用することとなるが、これによっても本発明の目的は達成できる。
以上のように、本発明によれば従来に比べて安価に、適切な潤滑油の回収を連続的に行うことができる。
本発明の潤滑油回収装置の一例を示す要部構成図。 本発明の潤滑油回収装置の他の例を示す要部構成図。 本発明の潤滑油回収装置の他の例を示す要部構成図。 本発明の潤滑油回収装置の他の例を示す要部構成図。 本発明の潤滑油回収装置の他の例を示す要部構成図。 本発明の潤滑油回収装置の他の例を示す要部構成図。 本発明の潤滑油回収装置の他の例を示す要部構成図。 本発明の潤滑油回収装置の他の例を示す要部構成図。 本発明の潤滑油回収装置の他の例を示す要部構成図。 本発明の潤滑油回収装置の他の例を示す要部構成図。 本発明の潤滑油回収装置の他の例を示す要部構成図。 本発明の潤滑油回収装置の他の例を示す要部構成図。 気泡ポンプを説明するための液面モデル図。
1:蒸発器、2:濃縮容器、3:電気ヒーター、4:回収口、5:冷媒連絡管、6:均圧管、7:エゼクタ、8:冷媒液、9:濃縮液、10:排出流体、11:駆動流体、12:一体型濃縮容器、13:回収ヘッダー、14:二重管、15:潤滑油タンク、16:気液分離器、17:潤滑油ポンプ、18:圧縮機(軸受)、19:連結管、20:付室、21:回収ポンプ、22:仕切弁、23:移送弁、24:加圧弁、25:フォーム層、26:オーバーフロー堰、27:戻し弁、28:仕切弁、29:液面計、30:濃縮器、31:エコノマイザ、32:蒸発器、33:低圧圧縮機、34:高圧圧縮機、35:膨張弁、36:オリフィス

Claims (10)

  1. 冷凍機の冷媒中に溶解した潤滑油を濃縮回収する蒸発器と濃縮容器とを有する潤滑油回収装置において、前記濃縮容器は、前記蒸発器から流入される潤滑油を含有する冷媒を加熱濃縮する加熱手段と、前記加熱手段の加熱による気泡ポンプ作用のみにより濃縮液が到達しない高さで、潤滑油濃度の上昇により形成されるフォーム層の到達する高さを指標として、目標とする濃縮液の濃度によって形成されるフォーム層の到達する高さの位置を決め、フォーム層がその位置に達した段階で濃縮液を外部に回収するための回収口を備えたことを特徴とする潤滑油回収装置。
  2. 前記回収口は、目標とする濃縮液の濃度によって形成されるフォーム層の到達する高さの位置に設けたことを特徴とする請求項1記載の潤滑油回収装置。
  3. 前記回収口には、濃縮液を回収するためのエゼクタを配設することを特徴とする請求項1又は2記載の潤滑油回収装置。
  4. 前記回収口は、潤滑油タンクと配管で接続することを特徴とする請求項1、2又は3記載の潤滑油回収装置。
  5. 前記回収口には、回収した濃縮液から気液を分離するための付室を配設することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の潤滑油回収装置。
  6. 前記加熱手段は、前記冷凍機の圧縮機からの冷媒との熱交換によることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の潤滑油回収装置。
  7. 前記蒸発器には、オーバーフロー堰を設け、該オーバーフロー堰からあふれた冷媒液を前記濃縮容器に導入することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の潤滑油回収装置。
  8. 前記濃縮容器は、前記蒸発器と一体として構成したことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の潤滑油回収装置。
  9. 冷凍機の冷媒中に溶解した潤滑油を蒸発器と濃縮容器とを用いて濃縮回収する潤滑油回収方法において、前記蒸発器から流入する潤滑油を含有する冷媒を前記濃縮容器で加熱濃縮し、前記加熱による気泡ポンプ作用のみにより濃縮液が到達しない高さで、潤滑油濃度の上昇により形成されるフォーム層の高さを指標として目標とする濃縮液の濃度によって形成されるフォーム層の到達する高さの位置を決め、フォーム層がその位置に達した段階で濃縮容器から濃縮液を回収することを特徴とする潤滑油回収方法。
  10. 前記濃縮液の回収は、目標とする濃縮液の濃度によって形成されるフォーム層の到達する高さの位置から行うことを特徴とする請求項記載の潤滑油回収方法。
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