JP5557333B2 - シリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボ - Google Patents

シリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボ Download PDF

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Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法と言う。)によりシリコン単結晶を引上げる際に用いられる、原料シリコン融液を収容するためのシリカガラスルツボに関する。
シリコン単結晶の製造においては、CZ法が広く用いられている。この方法は、ルツボ内に収容された原料シリコン融液の表面に種結晶を接触させ、ルツボを回転させるとともに、前記種結晶を反対方向に回転させながら上方へ引上げることにより、種結晶の下端に単結晶インゴットを育成していくものである。
上記方法において、シリコン融液を収容するためのルツボには、一般に、内層が透明シリカガラス、外層が多数の気泡を含む不透明シリカガラスからなるシリカガラスルツボが用いられている。
前記シリカガラスルツボは、その中にポリシリコンを収容し、シリコンの融点(約1400℃)以上の温度に加熱されると、通常、該ルツボ内表面に、シリカガラスの結晶化により、褐色のリング状のクリストバライト、いわゆるブラウンモールド(ブラウンリング又はブラウンマークとも言う。)が生成する。
このブラウンモールドは、生成したクリストバライトの結晶核が加熱により徐々に成長して拡大したものであり、ルツボ内表面の荒れや剥離を引き起こす。その結果、シリコン融液中に剥離した結晶片等が混入してシリコン単結晶に転位が発生し、シリコン単結晶の歩留の低下を招くこととなる。
前記ブラウンモールドの発生は、一般的には、シリカガラスルツボの内表面における不純物が原因であると考えられており、ルツボの内層を高純度の合成シリカガラスで構成したり、クリストバライトの核形成要因となるNaやK等の不純物を洗浄等により除去したりする方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
一方で、シリカガラスルツボに起因するシリコン単結晶引上げの歩留低下の原因として、エアポケット(ピンホールとも言う。)がある。これは、主に、ルツボ中に含まれるArが、加熱によりルツボ内表面に付着又は浮き出て、ルツボ内のシリコン融液中に気泡として発生し、引上げるシリコン単結晶との固液界面からシリコン単結晶に取り込まれることにより生じるものである。
このようなエアポケットは、前記シリコン単結晶をスライスして作製されるシリコンウェーハのデバイス特性を低下させることとなる。特に、近年の半導体ウェーハの薄肉化や高集積化に伴って問題視されるようになり、ウェーハの歩留低下の原因の一つになっている。
これに対しては、例えば、特許文献2に、シリコン内表面のシリコン融液に対する濡れ性を高めて、ルツボ内表面にArを付着させ難くすることを目的として、ルツボ底部の内表面から深さ1mmまでの領域に含まれるOH基濃度を30ppm以上500ppm以下としたシリカガラスルツボが開示されている。
また、特許文献3には、ブラウンマークの個数を減少させることを目的として、ルツボ表面より150μm以内にシリコン融液との反応性が高い層を形成し、前記反応性が高い層を合成石英ガラス層、あるいは、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の1種以上を100ppm以下含む天然石英ガラス層とした石英ルツボが開示されている。すなわち、不純物金属含有量の上限値を規定して、シリコン融液との反応性が高い層とすることが開示されている。
特開平11−43392号公報 特開2010−168240号公報 特開2005−306708号公報
上記のように、ルツボ内表面におけるブラウンモールドの発生の抑制、あるいはまた、Ar気泡によるエアポケットの低減の個々の課題解決のための提案はあるものの、従来のルツボでは、これらの両方の課題を同時に解決することは困難であった。
また、上記特許文献3に記載されているように、単に不純物金属含有量の上限値を規定しただけでシリコン融液との反応性を高くすることには限界があり、石英ルツボ表面に発生したクリストバライト結晶核は、成長速度よりも溶解速度が大きくならず、シリコン融液との反応性が高い層がすべて溶解した後においても、ブラウンマークが残る場合があった。
したがって、ルツボに起因するシリコン単結晶の歩留低下の要因であるブラウンモールド及びエアポケットの発生を、ともに抑制することができる構成を備えたシリカガラスルツボが求められている。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、ブラウンモールドの発生が抑制され、かつ、シリコン単結晶におけるエアポケットの発生も抑制し、シリコン単結晶引上げの歩留向上を図ることができるシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボを提供することを目的とするものである。
本発明に係るシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボは、直胴部及び底部を有するシリカガラスルツボであって、厚さ0.05〜0.5mmのホウケイ酸ガラスからなる最内層と、OH基濃度が30ppm未満、厚さ3〜5mmの前記最内層に接する領域を有する透明シリカガラスからなる内層と、不透明シリカガラスからなる外層とを備えていることを特徴とする。
このような最内層及び内層を備えたシリカガラスルツボによれば、ブラウンモールドの発生が抑制されるとともに、シリコン単結晶におけるエアポケットの発生も抑制することができる。
前記ホウケイ酸ガラスは、酸化ホウ素含有率が0.1〜4重量%であることが好ましい。
ホウ素含有率が上記範囲内であれば、適度な粘性を有し、上記効果を得るのに適した溶解速度で、最内層をシリコン融液に溶解させることができる。
また、前記最内層は、前記ルツボ内表面にシリコン融液が接触した状態において、2時間以内で溶解可能であることが好ましい。
前記最内層は、ルツボ内のポリシリコンがすべて融解するまでの間、ルツボ内表面を被覆していればよく、このように最内層の溶解速度が大きいことにより、ブラウンモールドの発生を効果的に抑制することができ、内層によるエアポケットの抑制効果も好適に発揮し得る。
本発明に係るシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボによれば、シリコン融液に対する溶解速度が大きい最内層により、内表面におけるブラウンモールドの発生を抑制することができる。また、最内層の直下に高粘性の内層を設けることにより、エアポケットの発生原因となる大きなキャビティの発生が抑止され、引上げられるシリコン単結晶におけるエアポケットの発生を抑制することができる。
したがって、本発明に係るシリカガラスルツボは、シリコン単結晶引上げの歩留向上に寄与し得るものである。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明に係るシリカガラスルツボは、直胴部及び底部を有するCZ法によるシリコン単結晶引上げにおいて用いられるシリカガラスルツボであり、最内層がホウケイ酸ガラス、内層が透明シリカガラス、外層が不透明シリカガラスである複層構造からなるものである。そして、前記最内層は厚さ0.05〜0.5mmであり、前記内層は、OH基濃度が30ppm未満、厚さ3〜5mmの前記最内層に接する領域を有している。
ブラウンモールドは、上述したように、ルツボ内表面においてシリカガラスがクリストバライトに結晶化することによって生じる。ルツボ内表面におけるクリストバライトの結晶核は、ルツボ内に収容された固体のポリシリコンが融解し、このシリコン融液と接触する前に形成される。その後、この結晶核の数はほとんど増加せず、単結晶引上げの経過につれて、すなわち、シリコン融液との接触時間の経過に伴って、当初形成された結晶核が成長していく。
その一方で、前記結晶核は、接触しているシリコン融液との反応によりエッチングされていくが、通常、そのエッチレートは、シリカガラスのエッチレートよりも小さい。このため、クリストバライトの結晶核のエッチングされなかったものが、ブラウンモールドとして生じ、その後、結晶片が剥離してシリコン融液中に混入し、シリコン単結晶中に取り込まれることとなる。
このような知見から、ルツボ内面に予め、犠牲層となる最内層をコーティングすることによって、ポリシリコンがすべて融解する前に最内層表面にクリストバライトの結晶核が形成されたとしても、その近傍で結晶化が進行する速度よりも速く、最内層がシリコン融液に溶解すれば、最内層の溶解後に露出する内層表面でのクリストバライトの結晶核の生成が抑制され、シリコン単結晶引上げの歩留低下の原因となるブラウンモールドの発生及び成長を抑制することができると考えられる。
すなわち、本発明は、シリコン単結晶引上げ時にシリコン融液に露出しているルツボ内表面にクリストバライトの結晶核が形成される前に、クリストバライトの結晶核が形成してしまったルツボ最内表面を溶損させれば、ブラウンモールドの発生起点がなくなるという見解に基づいてなされたものである。
したがって、本発明に係るシリカガラスルツボは、シリコン単結晶引き上げ前にシリコン融液に接触しているルツボ内表面の溶解速度を大きくする観点から、最内層を厚さ0.05〜0.5mmのホウケイ酸ガラスとしたものである。
シリカガラス中に酸化ホウ素が添加されているホウケイ酸ガラスは、シリカガラスよりも粘性が低く、前記溶解速度を大きくすることができる。
なお、前記最内層は、シリコン融液との接触により溶解すると、シリコン融液中にホウケイ酸ガラス中のホウ素が混入することとなる。ホウ素は、p型シリコン単結晶のドーパントとして用いられるものである。このため、本発明に係るシリカガラスルツボは、p型シリコン単結晶引上げに適用可能なルツボである。
前記ホウケイ酸ガラスは、酸化ホウ素含有率が0.1〜4重量%であることが好ましい。
酸化ホウ素含有率が0.1重量%未満では、前記溶解速度の増大効果が不十分であり、ルツボ内表面におけるクリストバライトの結晶核形成を十分に阻害することが困難である。
一方、酸化ホウ素含有率が4重量%を超える場合は、ポリシリコンが融解する前に最内層が溶解するおそれがあり、また、シリコン融液中に溶出するホウ素量が多くなり、シリコン単結晶へのホウ素のドープ濃度が高くなる。
酸化ホウ素含有率は2〜4重量%であることがより好ましい。
上記のようなホウケイ酸ガラスは、バイコール(登録商標)やゾル−ゲル法等の一般的な製造方法で製造されたものを用いることができる。
なお、市販の一般的なホウケイ酸ガラスは、成分として酸化ナトリウムや酸化カリウム等も含む場合があり、これらがシリコン融液中に溶出すると、悪影響を及ぼすおそれがある。このため、引上げるシリコン単結晶の品種に応じて、Na,Kの濃度選定をすることが好ましい。
前記ホウケイ酸ガラスからなる最内層の厚さは0.05〜0.5mmとする。
前記厚さが0.05mm未満の場合、薄すぎて、ルツボ内に収容したポリシリコンが完全に融解する前に最内層が溶解し、最内層によるクリストバライトの結晶核形成の阻害効果が得られないこととなる。
一方、前記厚さが0.5mmを超える場合、ポリシリコンがすべて融解した後も、最内層が残存するため、その融解が継続することにより、シリコン単結晶の酸素濃度に影響を及ぼすおそれがある。また、最内層は粘性が低いため、ルツボ内表面にポリシリコンが当たって形成されたキャビティ(圧痕)内にArが入り込み、シリコン融液との接触初期に溶けきれずに残った最内層に残存し、このキャビティを起点としてルツボ内表面から気泡が生じ、シリコン単結晶におけるエアポケットの発生を招くおそれがある。
エアポケットの発生原因としては、上述したAr気泡以外に、シリカガラスルツボとシリコン融液との反応により発生したSiOガスの気泡もある。これらの気泡は、ルツボ製造時、ルツボ内へのポリシリコンの収容時又はポリシリコン融解の際等に生じたルツボ内表面の傷やキャビティを起点として発生しやすい。
このため、前記最内層の厚さは、エアポケットの発生を抑制する観点から、シリコン融液との接触初期において溶けきれる程度であることが好ましく、0.5mm以下とする。
前記最内層の厚さは、0.05〜0.2mmであることがより好ましい。
また、前記最内層は、ポリシリコンがすべて融解するまで前記ルツボ内層の表面を被覆していればよく、前記ルツボ内表面にシリコン融液が接触した状態において、2時間以内で溶解可能であることが好ましい。すなわち、上記のシリコン融液との接触初期とは、2時間以内であることが好ましく、より好ましくは0.5時間以内である。
このように、最内層の溶解速度が大きいことにより、シリコン単結晶引上げ時にシリコン融液に露出しているルツボ内表面へのクリストバライトの結晶核形成を阻害することによるブラウンモールドの発生の抑制効果とともに、エアポケット発生の抑制効果も奏することが可能となる。
一方、本発明に係るシリカガラスルツボの内層は、OH基濃度が30ppm未満、厚さ3〜5mmの前記最内層に接する領域を有している構成とする。
前記最内層はシリコン融液との接触初期に溶損するため、内層のうち、最内層に接している領域、すなわち、最内層直下の領域は、シリコン単結晶引上げ中、シリコン融液と接触する。
上述したように、最内層は、シリコン融液への溶解速度が大きいため、シリコン融解温度付近での粘性が低く、ポリシリコンがすべて溶解する前に、ポリシリコンの荷重によって、ルツボ内表面、特にルツボ底部に、キャビティが形成されやすい。
このため、最内層の直下に高粘性の内層を設けることにより、ポリシリコンがすべて融解する前においても、粘性変形が抑制され、エアポケットの発生原因となる大きなキャビティの発生を抑止することができる。
このため、OH基濃度を30ppm未満とする。
前記OH基濃度が30ppmを超える場合、ポリシリコンによって形成されるルツボ内表面からのキャビティの容積が大きくなり、エアポケットを引き起こす気泡の発生を十分に抑制することが困難となる。
前記OH基濃度は、1ppm以下であることがより好ましい。
なお、前記最内層は、OH基濃度が高いほどシリコン融液との接触により溶解しやくなるため、内層のOH基濃度よりも高くしておくことが好ましい。
また、OH基濃度が30ppm未満である領域の厚さは3〜5mmとする。
前記厚さが3mm未満である場合、ポリシリコンによって形成されるルツボ内表面からのキャビティの容積が大きくなり、エアポケットを引き起こす気泡の発生を十分に抑制することが困難となる。
一方、前記厚さが5mmを超えても、厚さに見合ったエアポケット抑制効果の向上は図られないため、前記領域の厚さは5mm以下で十分である。
前記内層のうち、OH基濃度が30ppm未満である領域の外側は、ルツボ内のシリコン融液と接触しない部分であるため、シリコン単結晶引上げ用ルツボとしての形状及び強度を保持することができる透明シリカガラスであれば、特に、OH濃度は限定されない。もちろん、内層全体が、OH基濃度が30ppm未満である領域であってもよい。
前記内層及び外層を含むルツボ全体の厚さは、上述したOH基濃度が30ppm未満である領域の厚さ及びルツボの強度や重量等を考慮して、7〜25mm程度であることが好ましい。通常は15mm程度とする。
上記のような本発明に係るシリカガラスルツボは、回転モールド法により製造することができるが、製造方法は特に限定されるものではない。
一般に、外層の不透明シリカガラスは、純度は低いものの、耐熱性に優れた、水晶等の天然シリカ原料により形成され、また、最内層及び内層の透明シリカガラスは、シリコンアルコキシドの加水分解等により得られる高純度の合成シリカ原料により形成される。
また、ホウケイ酸ガラス原料は、シリカ原料に酸化ホウ素を混合して溶融することにより得ることができる。
以下に、製造方法の一例を示す。
まず、回転するルツボ成形用型内に、外層を構成するための天然シリカ原料粉、その内側に内層を構成するための合成シリカ原料粉末、次に、OH基濃度が30ppm未満の合成シリカ原料粉を、それぞれ所定厚さで装填し、成形する。
そして、この中にアーク電極を挿入し、減圧アーク溶融にてガラス化することにより、外層を形成する。
次に、前記内層の内表面に、ホウケイ酸ガラスの釉薬を所定厚さで塗布し、800℃程度の比較的低温で熱処理して最内層を形成し、本発明に係るシリカガラスルツボを得ることができる。
前記釉薬としては、高純度石英微粉に無水ホウ酸を混ぜ、これをアルミナルツボ内で溶融することにより調製したものを用いることができる。
また、前記釉薬の塗布方法としては、例えば、浸漬、スピンコート、刷毛塗り等が挙げられるが、特に限定されるものではない。ただし、内層の内表面にのみ塗布する。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
回転モールド法により外層及び内層を形成した後、釉薬塗布により最内層を形成することにより、外径610mm、高さ380mmであり、酸化ホウ素含有率が0.5重量%、厚さ0.1mmのホウケイ酸ガラスからなる最内層と、前記最内層に接する領域がOH基濃度20ppm、厚さ3mmである透明シリカガラスからなる内層と、前記内層に接する不透明シリカガラスからなる外層とを備えた、全体の厚さが15mmであるシリカガラスルツボを作製した。
[比較例1]
実施例1において、最内層を形成せず、それ以外については実施例1と同様にして、シリカガラスルツボを作製した。
[比較例2]
実施例1において、最内層を形成せず、かつ、内表面から3mmの領域のOH基濃度を70ppmとし、それ以外については実施例1と同様にして、シリカガラスルツボを作製した。
[実施例2〜6、比較例3〜6]
実施例1において、最内層の酸化ホウ素濃度及び厚さ、前記最内層に接する領域のOH基濃度及び厚さを表1に示す数値となるように設定し、それ以外については実施例1と同様にして、シリカガラスルツボを作製した。
上記実施例及び比較例において作製したシリカガラスルツボ各20個を、カーボンルツボに嵌め込んでセットし、ルツボ外周からヒータ加熱して、ルツボ内で約150kgの原料シリコンを融解させ、CZ法により、直径8インチのシリコン単結晶の引上げを行った。
そして、シリコン単結晶引上げ後のルツボ内表面を観察し、最内層の残存の有無を確認し、実体顕微鏡によりブラウンモールドの発生個数を測定した。
また、シリコン単結晶引上げにおける無転位化率(DF率)を求めた。無転位化率は、引上げた本数に対して転位が発生しなかったシリコン単結晶の本数の割合である。
また、引上げたシリコン単結晶をスライスしたウェーハについて、エアポケット発生率を測定した。エアポケット発生率は、引上げたシリコン単結晶の直胴部から得られたウェーハに生じたエアポケットの総数を前記ウェーハ枚数で割った値とした。なお、エアポケットの個数は、ウェーハポリッシュ後のウェーハ表面のエアポケット数をパーティクル測定器により測定した。
これらの評価及び測定結果を表1にまとめて示す。
Figure 0005557333
表1に示した結果から分かるように、本発明に係るシリカガラスルツボ(実施例1〜6)によれば、ブラウンモールドの発生が抑制され、無転位のシリコン単結晶を確実に引き上げることができ、かつ、シリコン単結晶におけるエアポケットの発生を抑制することができることが認められた。
なお、比較例3においては、最内層の酸化ホウ素濃度が高すぎたため、ルツボ内表面に割れが発生した。

Claims (3)

  1. 直胴部及び底部を有するシリカガラスルツボであって、
    厚さ0.05〜0.5mmのホウケイ酸ガラスからなる最内層と、
    OH基濃度が30ppm未満、厚さ3〜5mmの前記最内層に接する領域を有する透明シリカガラスからなる内層と、
    不透明シリカガラスからなる外層と
    を備えていることを特徴とするシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボ。
  2. 前記ホウケイ酸ガラスは、酸化ホウ素含有率が0.1〜4重量%であることを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボ
  3. 前記最内層は、前記ルツボ内表面にシリコン融液が接触した状態において、2時間以内で溶解可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボ。
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