JP5556406B2 - ゲルおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、ゲル材料は一般的に強度が低く、微小な応力で構造が破壊されてしまうため、強度が必要とされる用途には不向きであった。近年、上述のような従来のゲル材料から強度を大幅に向上させた、様々な新規ゲル材料が提唱されている。
これらのゲルは、従来のゲルに比べて伸びおよび強度の点で共に優れており、様々な応用、産業的利用が期待されている。特にダブルネットワークゲルに関しては、伸びおよび強度のバランスを設計することが自在で、透明性が高い等の点が優れている。また、架橋剤の添加量を増やすことで、より高弾性、高強度のゲルが得られることが知られている。
しかし、これらのゲルを長期間使用すると、ゲルの加水分解による劣化および黄変が生じる。また、これらのゲルは金属に対して腐食性を有している。産業上の利用を考えると、ゲルは強度を高めるだけでなく、長期的に劣化を抑制し、金属に対する腐食性を低減することが望まれる。
[1]第一のモノマー(a1)を重合し架橋することにより形成された第一の網目構造(A)と、該第一の網目構造(A)中に第二のモノマー(b1)を導入し、該第二のモノマー(b1)を重合し架橋することにより前記第一の網目構造(A)中に形成された第二の網目構造(B)とからなる相互侵入網目構造を有するゲルにおいて、
第一のモノマー(a1)が、下記の電気的に中性な単官能不飽和モノマーであり、
前記第一の網目構造(A)が、第一のモノマー(a1)と、ポリアルキレングリコール構造を有する多官能不飽和モノマー(a2)を含む架橋剤とにより形成され、
第一のモノマー(a1)に由来する単位と第二のモノマー(b1)に由来する単位とのモル比((a1)/(b1))が1/2〜1/100であることを特徴とするゲル。
電気的に中性な単官能不飽和モノマー:下式(1)で表されるモノマー、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレートエステル化物、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートエステル化物、アクリロニトリル、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートエステル化物、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種。
[2]第一のモノマー(a1)を重合し架橋することにより形成された第一の網目構造(A)と、該第一の網目構造(A)中に第二のモノマー(b1)を導入し、該第二のモノマー(b1)を重合することにより前記第一の網目構造(A)中に形成されたポリマー(B’)とからなるセミ相互侵入網目構造を有するゲルにおいて、
第一のモノマー(a1)が、前記の電気的に中性な単官能不飽和モノマーであり、
前記第一の網目構造(A)が、第一のモノマー(a1)と、ポリアルキレングリコール構造を有する多官能不飽和モノマー(a2)を含む架橋剤とにより形成され、
第一のモノマー(a1)に由来する単位と第二のモノマー(b1)に由来する単位とのモル比((a1)/(b1))が1/2〜1/100であることを特徴とするゲル。
[3]前記第一のモノマー(a1)の分子量が200以上2000以下である、前記[1]または[2]に記載のゲル。
[4]前記第一のモノマー(a1)が、分子量が200以上2000以下で、かつ前記式(1)で表されるモノマーである、前記[1]または[2]に記載のゲル。
[5](x)第一のモノマー(a1)を重合し架橋することにより第一の網目構造(A)を形成する工程と、
(y)該第一の網目構造(A)中に第二のモノマー(b1)を導入し、該第二のモノマー(b1)を重合し架橋することにより前記第一の網目構造(A)中に第二の網目構造(B)を形成する工程と、
を含む相互侵入網目構造を有するゲルの製造方法において、
第一のモノマー(a1)が、前記の電気的に中性な単官能不飽和モノマーであり、
前記工程(x)における前記第一の網目構造(A)の架橋を形成する架橋剤として、ポリアルキレングリコール構造を有する多官能不飽和モノマー(a2)を用い、
第一のモノマー(a1)に由来する単位と第二のモノマー(b1)に由来する単位とのモル比((a1)/(b1))を1/2〜1/100とすることを特徴とするゲルの製造方法。
[6](x)第一のモノマー(a1)を重合し架橋することにより第一の網目構造(A)を形成する工程と、
(y’)該第一の網目構造(A)中に第二のモノマー(b1)を導入し、該第二のモノマー(b1)を重合することにより前記第一の網目構造(A)中にポリマー(B’)を形成する工程と、
を含むセミ相互侵入網目構造を有するゲルの製造方法において、
第一のモノマー(a1)が、前記の電気的に中性な単官能不飽和モノマーであり、
前記工程(x)における前記第一の網目構造(A)の架橋を形成する架橋剤として、ポリアルキレングリコール構造を有する多官能不飽和モノマー(a2)を用い、
第一のモノマー(a1)に由来する単位と第二のモノマー(b1)に由来する単位とのモル比((a1)/(b1))を1/2〜1/100とすることを特徴とするゲルの製造方法。
また、本発明のゲルの製造方法によれば、高強度で、劣化し難く、金属に対する腐食性が低いゲルが得られる。
ゲルとは、ポリマーで構成された網目構造中に水もしくは有機溶媒を溶媒として取り込んでいるゲルを意味する。
本発明のゲルに含まれる溶媒の量や種類、混合の有無、混合比率等は、特に限定されず、用いるモノマーや使用環境に合わせて適宜選択することができる。溶媒は、1種の単独溶媒であってもよく、2種以上の混合溶媒であってもよく、水と有機溶媒を同時に用いてもよい。
有機溶媒は、常温で液体状態の有機物であればよく、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のジオール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミン類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、その他、ジメチルスルホキシドやテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、無水酢酸等が挙げられる。これらの中でも、大気圧において沸点と融点の温度差が大きい溶媒が好ましく、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールが好ましい。これらの溶媒を用いれば、常温で液体として使用でき、ゲルを調製する際に溶媒が揮発してモノマー濃度が上がり、モノマーが析出してしまうようなことも起こりにくい。
(i)第一の網目構造(A)と、該第一の網目構造(A)中に形成された第二の網目構造(B)とからなる相互侵入網目構造を有するゲル。
(ii)第一の網目構造(A)と、該第一の網目構造(A)中に形成されたポリマー(B’)とからなるセミ相互侵入網目構造を有するゲル。
不飽和モノマーとは、芳香環上の炭素−炭素不飽和二重結合を除き、1分子中に1個以上の炭素−炭素不飽和二重結合を有するモノマーを意味する。
第一の網目構造(A)は、第一のモノマー(a1)を重合し架橋することにより形成された網目構造である。第一のモノマー(a1)は、電気的に中性な単官能不飽和モノマーである。
電気的に中性な単官能不飽和モノマーとは、水中において正負いずれにも帯電しない、また帯電しても極めて微弱である、単官能不飽和モノマーである。単官能不飽和モノマーとは、1分子中に1個の炭素−炭素不飽和二重結合を有するモノマーを意味する。
(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
pは、3以上の整数が好ましく、6以上の整数がより好ましい。また、pは、50以下の整数が好ましく、30以下の整数がより好ましい。pが3以上の整数であれば、第一の網目構造(A)の伸張の余裕があり、第二のモノマー(b1)を第一の網目構造(A)内に導入しやすくなる。また、pが50以下の整数であれば、第一の網目構造(A)を形成しやすくなる。
また、分子量が200以上2000以下の前記式(1)で表されるモノマーとしては、例えば、商品名「AM−30G」(p=3)、「AM−90G」(p=9)、「AM−230G」(p=23)(以上、新中村化学工業社製)、商品名「ブレンマーAE400」(p=10)(日本油脂社製)等が挙げられる。分子量が300以上の前記式(1)で表されるモノマーとしては、商品名「AM−90G」、「AM−230G」、「ブレンマーAE400」等が挙げられる。
第一のモノマー(a1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能不飽和モノマーとは、重合性官能基を2個以上有する不飽和モノマーを意味する。重合性官能基とは、ポリマーに架橋点を形成する官能基であり、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。ポリアルキレングリコール構造とは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラメチレンオキシド等のアルキレンオキシドに由来する構成単位(以下、「アルキレンオキシド単位」という。)が繰り返し存在する構造を意味する。
3官能不飽和モノマー(m=3)としては、例えば、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
4官能不飽和モノマー(m=4)としては、例えば、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、mが5以上(5官能以上)の多官能不飽和モノマーを用いることもできる。多官能不飽和モノマー(a2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明では、ポリアルキレングリコール構造を有する多官能不飽和モノマー(a2)を用いるため、1つの重合性官能基が重合した後も、残りの重合性官能基の運動が束縛されずに重合反応に寄与しやすくなる。これにより、網目構造の形成に寄与しないポリマー鎖が減り、最終的に得られる(セミ)相互侵入網目構造を有するゲルが高強度なものとなる。
ポリアルキレングリコール構造を持たない多官能不飽和モノマーとして、例えば、N,N−メチレンビスアクリルアミド、モノエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、モノプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の相互侵入網目構造を有するゲル(i)は、第二の網目構造(B)を有する。
第二の網目構造(B)は、第一の網目構造(A)中に第二のモノマー(b1)を導入し、該第二のモノマー(b1)を重合し架橋することにより前記第一の網目構造(A)中に形成された網目構造である。
第二のモノマー(b1)は、公知のモノマーが使用でき、電気的に中性な不飽和モノマー(b1−1)(以下、単に「不飽和モノマー(b1−1)」という。)、アニオン性不飽和モノマー(b1−2)、カチオン性不飽和モノマー(b1−3)を単独で、もしくは組み合わせて用いることができる。
不飽和モノマー(b1−1)の含有量は、第二のモノマー(b1)100質量%のうち、50質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。不飽和モノマー(b1−1)の含有量が多いほど、調製されるゲルの電荷が弱くなり、ゲルの劣化を抑制しやすく、金属に対する腐食性も小さくなる。また、第二のモノマー(b1)を全て不飽和モノマー(b1−1)とすれば、中性で、長期間劣化がなく、金属に対する腐食性、環境および生体に対する負荷の少ない高強度ゲルの作製がさらに容易になる。
多官能不飽和モノマーとは、重合性官能基を2個以上有する不飽和モノマーを意味する。重合性官能基とは、ポリマーに架橋点を形成する官能基であり、(メタ)アクリロイル基やビニル基等が挙げられる。(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を意味する。
2官能不飽和モノマーとして、例えば、N,N−メチレンビスアクリルアミド、モノエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、モノプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能不飽和モノマーとして、例えば、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
4官能不飽和モノマーとして、例えば、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これら多官能不飽和モノマー(b2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のセミ相互侵入網目構造を有するゲル(ii)は、ポリマー(B’)を有する。
ポリマー(B’)は、第一の網目構造(A)中に第二のモノマー(b1)を導入し、該第二のモノマー(b1)を重合することにより前記第一の網目構造(A)中に形成された架橋点を有さない直鎖状のポリマーである。
第二のモノマー(b1)は、公知のモノマーが使用でき、前述した不飽和モノマー(b1−1)、アニオン性不飽和モノマー(b1−2)、カチオン性不飽和モノマー(b1−3)を単独で、もしくは組み合わせて用いることができる。
不飽和モノマー(b1−1)、アニオン性不飽和モノマー(b1−2)、カチオン性不飽和モノマー(b1−3)の種類、含有量については、第二の網目構造(B)と同様である。
本発明の(セミ)相互侵入網目構造を有するゲルにおいては、第一のモノマー(a1)に由来する単位と第二のモノマー(b1)に由来する単位とのモル比((a1)/(b1))は、引張時に良好な伸びと強度を発現する点から、1/2〜1/100が好ましく、1/5〜1/80がより好ましく、1/10〜1/40が特に好ましい。第二のモノマー(b1)に由来する単位が前記モル比の下限値以上であれば、引張時に充分な伸びを発現させやすい。第二のモノマー(b1)に由来する単位が前記モル比の上限値以下であれば、引張時に充分な強度を発現させやすい。
第一の網目構造(A)における架橋度とは、第一のモノマー(a1)100質量%に対する多官能不飽和モノマー(a2)の添加量を意味する。また、第二の網目構造(B)における架橋度とは、架橋を後述の方法(α)で行う場合は、第二のモノマー(b1)100質量%に対する多官能不飽和モノマー(b2)の添加量を意味する。第二の網目構造(B)の架橋をその他の方法で行う場合は、第二のモノマー(b1)に由来するモノマー単位のうち、架橋に寄与しているモノマー単位の割合を、架橋点が結び付けているポリマー鎖の数で割った値で表せる。架橋点が結び付けているポリマー鎖の数とは、例えば2種のモノマーを反応させて架橋点とする場合には2である。3価に帯電したホウ酸でイオン結合させる場合には3である。
本発明のゲルの製造方法としては、下記の2種類の製造方法(I)、(II)が挙げられる。
(I)(x)第一のモノマー(a1)を重合し架橋することにより第一の網目構造(A)を形成する工程と、(y)該第一の網目構造(A)中に第二のモノマー(b1)を導入し、該第二のモノマー(b1)を重合し架橋することにより前記第一の網目構造(A)中に第二の網目構造(B)を形成する工程とを有する、相互侵入網目構造を有するゲルの製造方法。
(II)(x)第一のモノマー(a1)を重合し架橋することにより第一の網目構造(A)を形成する工程と、(y’)該第一の網目構造(A)中に第二のモノマー(b1)を導入し、該第二のモノマー(b1)を重合することにより前記第一の網目構造(A)中にポリマー(B’)を形成する工程とを有する、セミ相互侵入網目構造を有するゲルの製造方法。
本発明のゲルの製造方法は、工程(x)において、第一の網目構造(A)が、電気的に中性である第一のモノマー(a1)と、多官能不飽和モノマー(a2)により形成されることを特徴とする。
まず、第一のモノマー(a1)、多官能不飽和モノマー(a2)、重合開始剤等を、溶媒に溶かして第一のモノマー溶液を調製する。ついで、第一のモノマー溶液を容器や枠へ流し込み、該溶液に熱または光を当てることにより、第一のモノマー(a1)が重合、架橋されて三次元架橋ポリマーである第一の網目構造(A)が形成される。
熱重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物、アゾ系開始剤等が挙げられる。
光重合開始剤としては、アルキルフェノン系開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤等の一般的な光重合開始剤が挙げられる。
工程(y)では、第一の網目構造(A)中に、第二のモノマー(b1)、重合開始剤等を導入することによって、第一の網目構造(A)中に含まれる溶媒に第二のモノマー(b1)、重合開始剤等を均一に拡散させる。
ついで、第二のモノマー(b1)が導入された第一の網目構造(A)に熱または光を当てることにより、第二のモノマー(b1)を重合させ、ポリマーとする。
該ポリマーの架橋は、第二のモノマー(b1)の重合と同時に行ってもよく、ポリマーを得た後に行ってもよい。
以上のようにして、第一の網目構造(A)中に第二の網目構造(B)を形成することにより、相互侵入網目構造を有する、任意の形状のゲルが得られる。
なお、第一の網目構造(A)が不透明で充分に光を透過しない場合には、熱重合開始剤によるラジカル重合法が好ましい。また、温度によって挙動の変わる不飽和モノマーを用いる場合には、光重合開始剤による光重合法が好ましい場合もある。
第一のモノマー(a1)の重合方法と、第二のモノマー(b1)の重合方法は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
(α)1分子中に2個以上の炭素−炭素不飽和二重結合を有する多官能不飽和モノマー(b2)を第二のモノマー(b1)とともに用いて、重合と同時に架橋する方法。
(β)放射線照射によって、第二のモノマー(b1)により形成されたポリマー中にラジカルを発生させて架橋する方法。
(γ)ポリマーを構成する第二のモノマー(b1)に由来する単位の側鎖の官能基同士を直接反応させる方法。
(δ)ポリマーを構成する第二のモノマー(b1)に由来する単位の側鎖の官能基同士を橋架け剤で架橋する方法。
(ε)多価金属イオン(銅イオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン等)を用いて、イオン結合または配位結合によって架橋する方法。
本発明のセミ相互侵入網目構造を有するゲル(ii)の製造方法(II)は、工程(y’)を有する。
第一の網目構造(A)中に、第二のモノマー(b1)、重合開始剤等を導入することによって、第一の網目構造(A)中に含まれる溶媒に第二のモノマー(b1)、重合開始剤等を均一に拡散させる。
ついで、第二のモノマー(b1)が導入された第一の網目構造(A)に熱または光を当てることにより、第二のモノマー(b1)を重合させ、ポリマー(B’)とする。
以上のようにして、第一の網目構造(A)中にポリマー(B’)を形成することにより、セミ相互侵入網目構造を有する、任意の形状のゲルが得られる。
第二のモノマー(b1)の導入方法および重合方法は、工程(y)における導入方法および重合方法と同様である。
一方、本発明のゲルの製造方法にあっては、第一の網目構造(A)が、電気的に中性である第一のモノマー(a1)と、多官能不飽和モノマー(a2)により形成されることで、中性な高強度ゲルが得られる。そのため、本発明のゲルは、高強度で、かつ劣化し難く、金属に対する腐食性が低い。
また、本発明のゲルは、第二のモノマー(b1)からなるポリマーを架橋する必要がないこともある。つまり、本発明ではゲルに求められる物性に応じて、相互侵入網目構造と、セミ相互侵入網目構造とを自由に選択できる。
(実施例1)
工程(x):
第一のモノマー(a1)であるメトキシ化ポリエチレングリコール#1000アクリレート(AM−230G、新中村化学工業社製)50%、および多官能不飽和モノマー(a2)であるポリエチレングリコール#600ジアクリレート(A−600、新中村化学工業社製、n=14、m=2)50%からなるモノマー成分と、前記モノマー成分100%に対して1%の光重合開始剤(チバガイギー社製、DAROCURE1173、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)とを、前記モノマー成分100%に対して400%の蒸留水に溶かし、第一のモノマー溶液を調製した。
ついで、得られた第一のモノマー溶液を、シリコーンゴムで周囲をシールしたガラス板間に流し込み、該第一のモノマー溶液に、ケミカルランプ(東芝社製、捕虫器用蛍光灯FL20S・BL−A)を用いて、1分間の照射エネルギー80mJ/cm2にて90分間紫外線を照射し、重合を完結させ、第一の網目構造(A)を有するゲル前駆体を得た。
アクリルアミド100%からなる第二のモノマー(b1)と、第二のモノマー(b1)の100%に対して、0.1%の多官能不飽和モノマー(b2)であるN,N−メチレンビスアクリルアミドと、第二のモノマー(b1)の100%に対して0.01%の光重合開始剤(同上)とを、第二のモノマー(b1)の100%に対して200%の蒸留水に溶かし、第二のモノマー溶液を調製した。
第二のモノマー溶液に、第一の網目構造(A)を有するゲル前駆体を浸漬し、この状態で12時間以上放置することで、第二のモノマー溶液を第一の網目構造(A)に充分に吸収させた。
第二のモノマー溶液で充分に膨潤した第一の網目構造(A)を有するゲル前駆体をガラス板にて挟みこみ、該ゲル前駆体に、ケミカルランプ(同上)を用いて、1分間の照射エネルギー80mJ/cm2にて90分間紫外線を照射し、重合を完結させ、第一の網目構造(A)中に第二の網目構造(B)が形成された相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
第一のモノマー(a1)と多官能不飽和モノマー(a2)の割合を、60:40(実施例2)、または70:30(実施例3)とした以外は、実施例1と同様の方法により相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
第一のモノマー(a1)を90%、多官能不飽和モノマー(a2)を10%とし、第一のモノマー(a1)として、メトキシ化ポリエチレングリコール#400アクリレート(AM−90G、新中村化学工業社製)(実施例4)、ポリエチレングリコールアクリレート(ブレンマーAE400、日本油脂製)(実施例5)、メトキシ化ポリエチレングリコール#アクリレート(AM−30G、新中村化学工業社製)(実施例6)、またはN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)(実施例7)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
第一のモノマー(a1)であるDMAを99%、多官能不飽和モノマー(a2)であるポリエチレングリコール#400ジアクリレート(A−400、新中村化学工業社製、n=9、m=2)を1%とした以外は、実施例1と同様の方法により相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
多官能不飽和モノマー(a2)としてA−400を使用し、第一のモノマー(a1)と多官能不飽和モノマー(a2)の割合を20:80(実施例9)、または50:50(実施例10)とした以外は、実施例1と同様の方法により相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
多官能不飽和モノマー(a2)をポリエチレングリコール#1000ジアクリレート(A−1000、新中村化学工業社製、n=23、m=2)に変更した以外は、実施例5と同様の方法により相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
多官能不飽和モノマー(a2)をA−1000に変更した以外は、実施例3と同様の方法により相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
多官能不飽和モノマー(a2)をエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(A−BPE−30、新中村化学工業社製、n=30、m=2)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
多官能不飽和モノマー(a2)をエトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(NKエステル ATM−35E、新中村化学工業社製、n=35、m=4)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
工程(x):
第一のモノマー(a1)であるAM−230Gの90%と、多官能不飽和モノマー(a2)であるポリプロピレングリコール#700ジアクリレート(APG−700、新中村化学社製、n=12、m=2)の10%からなるモノマー成分と、前記モノマー成分100%に対して1%のDAROCURE1173とを、前記モノマー成分100部に対して400部のジメチルスルホキシドに溶かし、第一のモノマー溶液を調製した。
得られた第一のモノマー溶液を、シリコーンゴムで周囲をシールしたガラス板間に流し込み、実施例1と同様の方法により重合を完結させ、第一の網目構造(A)を有するゲル前駆体を得た。
アクリルアミドの100%からなる第二のモノマー(b1)と、第二のモノマー(b1)の100%に対して0.1%の多官能不飽和モノマー(b2)であるN,N−メチレンビスアクリルアミドと、第二のモノマー(b1)の100%に対して0.01%のDAROCURE1173とを、第二のモノマー(b1)の100部に対して300部のジメチルスルホキシドに溶かし、第二のモノマー溶液を調製した。
この第二のモノマー溶液に、第一の網目構造(A)を有するゲル前駆体を浸漬し、その状態で一晩放置することで、第二のモノマー水溶液を第一の網目構造(A)に充分に吸収させた。
第二のモノマー溶液で充分に膨潤した第一の網目構造(A)を有するゲル前駆体をガラス板にて挟みこみ、周囲をシールした上で、実施例1と同様の方法により重合を完結させ、相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
工程(x):
第一のモノマー(a1)をAM−230G、多官能不飽和モノマー(a2)をA−600とし、その割合を70:30とした以外は、実施例1と同様の方法により、第一の網目構造(A)を有するゲル前駆体を得た。
工程(y):
DMAの100%からなる第二のモノマー(b1)と、第二のモノマー(b1)の100%に対して多官能不飽和モノマー(b2)である0.1%のN,N−メチレンビスアクリルアミドと、第二のモノマー(b1)の100%に対して0.01%のDAROCURE1173とを、第二のモノマー(b1)の100部に対して200部の蒸留水に溶かし、第二のモノマー溶液を調製した。
この第二のモノマー溶液に、第一の網目構造(A)を有するゲル前駆体を浸漬し、その状態で一晩放置することで、第二のモノマー水溶液を第一の網目構造(A)に充分に吸収させた。
第二のモノマー溶液で充分に膨潤した第一の網目構造(A)を有するゲル前駆体をガラス板にて挟みこみ、周囲をシールした上で、実施例1と同様の方法により重合を完結させ、相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
第二のモノマー(b1)を、アクリル酸100%(実施例17)、アクリル酸50%とアクリルアミド50%(実施例18)、またはアクリルアミド50%と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸50%(実施例19)に変更した以外は、実施例16と同様の方法により相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
第二のモノマー溶液の調製に、多官能不飽和モノマー(b2)であるN,N−メチレンビスアクリルアミドを用いなかった以外は、実施例3と同様の方法によりセミ相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
第一の網目構造(A)を形成せずに、実施例1における第二の網目構造(B)を形成し、相互侵入網目構造を有さないゲルを得た。
第1のモノマー(a1)の代わりのモノマー(a’)として、アニオン性の単官能不飽和モノマーである2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を100%用い、該モノマー(a’)100%に対して2%の多官能不飽和モノマー(a2)であるA−400を用いた以外は、実施例1と同様の方法により相互侵入網目構造を有するゲルを得た。
実施例1〜20、比較例1、2で製造したゲルについて、下記の(1)〜(4)の評価を行った。
(1)膨潤度:
得られたゲルの乾燥前後での質量比から膨潤度を算出した。計算式は、下記の通りである。
(膨潤度)=(乾燥前質量)/(乾燥後質量)×100(%)。
得られたゲルを3号ダンベル試験片に打抜き、引張試験に供した。引張試験はJIS−K6251に準拠して、試験片の引張破断強度を測定した。チャック間距離は50mm、引張速度は50mm/分とした。
得られたゲルを乾燥させ、元素分析によって第一のモノマー(a1)に由来する単位と第二のモノマー(b1)に由来する単位とのモル比((a1)/(b1))を算出した。
得られたゲルを蒸留水に膨潤させ、ステンレス板の上に乗せ、室温で密封して放置した。経時後、金属の変色や劣化の確認を目視で行った。金属に対する腐食性は、金属に変化がなかった場合を○(良好)、金属に変色等の変化が目視確認できた場合を×(不良)とした。
AM−230G:ポリエチレングリコール#1000アクリレート
AM−90G:メトキシ化ポリエチレングリコール#400アクリレート
AE−400:ポリエチレングリコール#400アクリレート
AM−30G:メトキシ化ポリエチレングリコール#アクリレート
DMA:N,N−ジメチルアクリルアミド
AMPS:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
A−400:ポリエチレングリコール#400ジアクリレート
A−600:ポリエチレングリコール#600ジアクリレート
A−1000:ポリエチレングリコール#1000ジアクリレート
A−BPE−30:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート
ATM−35E:エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート
APG−400:ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート
DAR1173:DAROCURE1173
EG:エチレングリコール
DMSO:ジメチルスルホキシド
AAm:アクリルアミド
AAc:アクリル酸
MBA:N,N−メチレンビスアクリルアミド
また、実施例15から、溶媒に有機溶剤を用いてもよいことが示された。実施例17〜19からは、第二のモノマー(b1)としてアニオン性モノマーを使用してもよいことが示された。
また、実施例20のセミ相互侵入網目構造のゲルも、高い強度を有していた。
また、特に、実施例1〜3、10、12、14、17、18では、第一のモノマー(a1)として、分子量300以上で、かつ前記式(1)で表されるモノマーを、第一の網目構造(A)を形成する全モノマーに対して、特に好ましい範囲である50〜75%の割合で使用しているため、特に高強度を有するゲルが作製できた。
また、比較例2で得られたゲルは、第一の網目構造にアニオン性不飽和モノマーを用いたため、一日後にゲルと接触している部分の金属に変色が見られ、金属に対する腐食性が確認された。
Claims (6)
- 第一のモノマー(a1)を重合し架橋することにより形成された第一の網目構造(A)と、該第一の網目構造(A)中に第二のモノマー(b1)を導入し、該第二のモノマー(b1)を重合し架橋することにより前記第一の網目構造(A)中に形成された第二の網目構造(B)とからなる相互侵入網目構造を有するゲルにおいて、
第一のモノマー(a1)が、下記の電気的に中性な単官能不飽和モノマーであり、
前記第一の網目構造(A)が、第一のモノマー(a1)と、ポリアルキレングリコール構造を有する多官能不飽和モノマー(a2)を含む架橋剤とにより形成され、
第一のモノマー(a1)に由来する単位と第二のモノマー(b1)に由来する単位とのモル比((a1)/(b1))が1/2〜1/100であることを特徴とするゲル。
電気的に中性な単官能不飽和モノマー:下式(1)で表されるモノマー、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレートエステル化物、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートエステル化物、アクリロニトリル、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートエステル化物、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種。
- 第一のモノマー(a1)を重合し架橋することにより形成された第一の網目構造(A)と、該第一の網目構造(A)中に第二のモノマー(b1)を導入し、該第二のモノマー(b1)を重合することにより前記第一の網目構造(A)中に形成されたポリマー(B’)とからなるセミ相互侵入網目構造を有するゲルにおいて、
第一のモノマー(a1)が、下記の電気的に中性な単官能不飽和モノマーであり、
前記第一の網目構造(A)が、第一のモノマー(a1)と、ポリアルキレングリコール構造を有する多官能不飽和モノマー(a2)を含む架橋剤とにより形成され、
第一のモノマー(a1)に由来する単位と第二のモノマー(b1)に由来する単位とのモル比((a1)/(b1))が1/2〜1/100であることを特徴とするゲル。
電気的に中性な単官能不飽和モノマー:下式(1)で表されるモノマー、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレートエステル化物、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートエステル化物、アクリロニトリル、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートエステル化物、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種。
- 前記第一のモノマー(a1)の分子量が200以上2000以下である、請求項1または2に記載のゲル。
- 前記第一のモノマー(a1)が、分子量が200以上2000以下で、かつ前記式(1)で表されるモノマーである、請求項1または2に記載のゲル。
- (x)第一のモノマー(a1)を重合し架橋することにより第一の網目構造(A)を形成する工程と、
(y)該第一の網目構造(A)中に第二のモノマー(b1)を導入し、該第二のモノマー(b1)を重合し架橋することにより前記第一の網目構造(A)中に第二の網目構造(B)を形成する工程と、
を含む相互侵入網目構造を有するゲルの製造方法において、
第一のモノマー(a1)が、下記の電気的に中性な単官能不飽和モノマーであり、
前記工程(x)における前記第一の網目構造(A)の架橋を形成する架橋剤として、ポリアルキレングリコール構造を有する多官能不飽和モノマー(a2)を用い、
第一のモノマー(a1)に由来する単位と第二のモノマー(b1)に由来する単位とのモル比((a1)/(b1))を1/2〜1/100とすることを特徴とするゲルの製造方法。
電気的に中性な単官能不飽和モノマー:下式(1)で表されるモノマー、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレートエステル化物、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートエステル化物、アクリロニトリル、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートエステル化物、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種。
- (x)第一のモノマー(a1)を重合し架橋することにより第一の網目構造(A)を形成する工程と、
(y’)該第一の網目構造(A)中に第二のモノマー(b1)を導入し、該第二のモノマー(b1)を重合することにより前記第一の網目構造(A)中にポリマー(B’)を形成する工程と、
を含むセミ相互侵入網目構造を有するゲルの製造方法において、
第一のモノマー(a1)が、下記の電気的に中性な単官能不飽和モノマーであり、
前記工程(x)における前記第一の網目構造(A)の架橋を形成する架橋剤として、ポリアルキレングリコール構造を有する多官能不飽和モノマー(a2)を用い、
第一のモノマー(a1)に由来する単位と第二のモノマー(b1)に由来する単位とのモル比((a1)/(b1))を1/2〜1/100とすることを特徴とするゲルの製造方法。
電気的に中性な単官能不飽和モノマー:下式(1)で表されるモノマー、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレートエステル化物、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートエステル化物、アクリロニトリル、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートエステル化物、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種。
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