JP5556198B2 - 車両用ヒンジ装置及び車両 - Google Patents

車両用ヒンジ装置及び車両 Download PDF

Info

Publication number
JP5556198B2
JP5556198B2 JP2010018952A JP2010018952A JP5556198B2 JP 5556198 B2 JP5556198 B2 JP 5556198B2 JP 2010018952 A JP2010018952 A JP 2010018952A JP 2010018952 A JP2010018952 A JP 2010018952A JP 5556198 B2 JP5556198 B2 JP 5556198B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
door
side bracket
shaft member
vehicle
vehicle body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010018952A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011157705A (ja
Inventor
晃 小ヶ口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takata Corp filed Critical Takata Corp
Priority to JP2010018952A priority Critical patent/JP5556198B2/ja
Priority to PCT/JP2010/069806 priority patent/WO2011092921A1/ja
Publication of JP2011157705A publication Critical patent/JP2011157705A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5556198B2 publication Critical patent/JP5556198B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05DHINGES OR SUSPENSION DEVICES FOR DOORS, WINDOWS OR WINGS
    • E05D5/00Construction of single parts, e.g. the parts for attachment
    • E05D5/02Parts for attachment, e.g. flaps
    • E05D5/06Bent flaps
    • E05D5/062Bent flaps specially adapted for vehicles
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05DHINGES OR SUSPENSION DEVICES FOR DOORS, WINDOWS OR WINGS
    • E05D7/00Hinges or pivots of special construction
    • E05D7/10Hinges or pivots of special construction to allow easy separation or connection of the parts at the hinge axis
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05DHINGES OR SUSPENSION DEVICES FOR DOORS, WINDOWS OR WINGS
    • E05D11/00Additional features or accessories of hinges
    • E05D11/04Additional features or accessories of hinges relating to the use of free balls as bearing-surfaces
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05FDEVICES FOR MOVING WINGS INTO OPEN OR CLOSED POSITION; CHECKS FOR WINGS; WING FITTINGS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, CONCERNED WITH THE FUNCTIONING OF THE WING
    • E05F1/00Closers or openers for wings, not otherwise provided for in this subclass
    • E05F1/002Closers or openers for wings, not otherwise provided for in this subclass controlled by automatically acting means
    • E05F1/006Closers or openers for wings, not otherwise provided for in this subclass controlled by automatically acting means by emergency conditions, e.g. fire
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05YINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES E05D AND E05F, RELATING TO CONSTRUCTION ELEMENTS, ELECTRIC CONTROL, POWER SUPPLY, POWER SIGNAL OR TRANSMISSION, USER INTERFACES, MOUNTING OR COUPLING, DETAILS, ACCESSORIES, AUXILIARY OPERATIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, APPLICATION THEREOF
    • E05Y2201/00Constructional elements; Accessories therefor
    • E05Y2201/40Motors; Magnets; Springs; Weights; Accessories therefor
    • E05Y2201/404Function thereof
    • E05Y2201/422Function thereof for opening
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05YINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES E05D AND E05F, RELATING TO CONSTRUCTION ELEMENTS, ELECTRIC CONTROL, POWER SUPPLY, POWER SIGNAL OR TRANSMISSION, USER INTERFACES, MOUNTING OR COUPLING, DETAILS, ACCESSORIES, AUXILIARY OPERATIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, APPLICATION THEREOF
    • E05Y2201/00Constructional elements; Accessories therefor
    • E05Y2201/40Motors; Magnets; Springs; Weights; Accessories therefor
    • E05Y2201/43Motors
    • E05Y2201/448Fluid motors; Details thereof
    • E05Y2201/458Valves
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05YINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES E05D AND E05F, RELATING TO CONSTRUCTION ELEMENTS, ELECTRIC CONTROL, POWER SUPPLY, POWER SIGNAL OR TRANSMISSION, USER INTERFACES, MOUNTING OR COUPLING, DETAILS, ACCESSORIES, AUXILIARY OPERATIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, APPLICATION THEREOF
    • E05Y2800/00Details, accessories and auxiliary operations not otherwise provided for
    • E05Y2800/67Materials; Strength alteration thereof
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05YINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES E05D AND E05F, RELATING TO CONSTRUCTION ELEMENTS, ELECTRIC CONTROL, POWER SUPPLY, POWER SIGNAL OR TRANSMISSION, USER INTERFACES, MOUNTING OR COUPLING, DETAILS, ACCESSORIES, AUXILIARY OPERATIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, APPLICATION THEREOF
    • E05Y2800/00Details, accessories and auxiliary operations not otherwise provided for
    • E05Y2800/74Specific positions
    • E05Y2800/742Specific positions abnormal
    • E05Y2800/746Specific positions abnormal emergency or extended
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05YINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES E05D AND E05F, RELATING TO CONSTRUCTION ELEMENTS, ELECTRIC CONTROL, POWER SUPPLY, POWER SIGNAL OR TRANSMISSION, USER INTERFACES, MOUNTING OR COUPLING, DETAILS, ACCESSORIES, AUXILIARY OPERATIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, APPLICATION THEREOF
    • E05Y2900/00Application of doors, windows, wings or fittings thereof
    • E05Y2900/50Application of doors, windows, wings or fittings thereof for vehicles
    • E05Y2900/53Type of wing
    • E05Y2900/531Doors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Hinges (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車体にドアを開閉可能に連結するための車両用ドアヒンジ装置に係り、特に、車両前方衝突、後方衝突、側面衝突又は横転等(オフセット衝突を含む。以下、同様。)により車体が変形した場合でもドアを開放させうるように構成された車両用ドアヒンジ装置に関する。また、本発明は、この車両用ドアヒンジ装置を介して車体にドアが開閉可能に取り付けられた車両に関する。
車両のドアを、ヒンジ装置を介して回動可能に車体に取り付けることが広く行われている。
車両が前方衝突、後方衝突、側面衝突又は横転した場合、車体やドアが変形することにより、ヒンジ装置を回動中心としてドアを開放動作させることができなくなるおそれがある。
特開2009−286390には、車両衝突時に、車体のドア枠とドアとの間に膨張可能部材を膨張させるように構成された自動車の安全装置が記載されている。このように車両衝突時にドア枠とドアとの間に膨張可能部材を膨張させることにより、車体やドアが衝突によって変形しても、このドア枠とドアとの間に所定の隙間が維持されるため、衝突後に比較的容易にドアを開放させることができる。
特表2001−505154には、車両の前方衝突時に、ドアからドアヒンジ装置に加えられる車両前方への荷重により、該ドアヒンジ装置が変形又は破断するように構成された自動車が記載されている。このようにドアからの荷重によりドアヒンジ装置が変形することにより、ドア枠やドアの過度の変形が防止される。
特開2009−286390 特表2001−505154
上記特開2009−286390では、車体のドア枠やドアに、膨張可能部と、これを膨張させるためのガス発生器等を組み込む必要がある。しかしながら、ドア枠やドアにこのような安全装置を組み込むためのスペースを確保するのは容易ではなく、車体やドアの大幅な構造変更が必要となる。
上記特表2001−505154では、車両の前方衝突時に、ドアからの荷重によりドアヒンジ装置が変形するため、衝突後にドアを開放させようとしても、ドアを開放させるのが困難になるおそれがある。
本発明は、ドアや車体の大幅な構造変更が不要であり、且つ車両が前方衝突、後方衝突、側面衝突又は横転した場合等の緊急時に、より確実にドアを開放させることが可能なドアヒンジ装置と、このドアヒンジ装置によってドアが車体に開閉可能に連結された車両とを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の車両用ドアヒンジ装置は、車体にドアを開閉可能に連結するための車両用ドアヒンジ装置において、車両緊急時に作動して該車体とドアとの連結を解除する連結解除手段と、該車体に設けられる車体側ブラケットと、該ドアに設けられるドア側ブラケットと、該車体側ブラケットとドア側ブラケットとを回動可能に連結した軸部材と
を備えており、前記連結解除手段は、該軸部材を該車体側ブラケット及びドア側ブラケットの少なくとも一方から分離させることにより、該車体側ブラケットとドア側ブラケットとの連結を解除するように構成されている車両用ドアヒンジ装置であって、前記車体側ブラケット及びドア側ブラケットに、それぞれ、前記軸部材が挿通された軸部材挿通孔が設けられており、該軸部材は、一端側が該車体側ブラケット及びドア側ブラケットの一方(以下、軸部材圧入側ブラケットと称する。)の軸部材挿通孔に圧入され、他端側が該車体側ブラケット及びドア側ブラケットの他方(以下、軸部材回動側ブラケットと称する。)の軸部材挿通孔に回動可能に挿通されており、前記連結解除手段は、ガス発生器を備えており、該ガス発生器からの発生ガス圧により前記軸部材圧入側ブラケットの軸部材挿通孔から前記軸部材の前記一端側を抜け出させるように構成されていることを特徴とするものである。
請求項の車両用ドアヒンジ装置は、請求項において、前記軸部材圧入側ブラケットの軸部材挿通孔は、前記軸部材の前記一端側が圧入された小径部と、該小径部の該軸部材の延長方向に連なり、該小径部よりも直径が大きい大径部と、該小径部と大径部との間に形成された段差部とを有しており、該大径部内に、前記ガス発生器からの発生ガス圧により該軸部材を該軸部材挿通孔から押し出す押出体が配置されており、該押出体は、該軸部材を該軸部材挿通孔から押し出した後、該段差部に係合するように構成されていることを特徴とするものである。
請求項の車両用ドアヒンジ装置は、請求項において、前記小径部と大径部とは同軸状に配置されており、前記段差部は、前記軸部材挿通孔の内周面の全周にわたって形成されていることを特徴とするものである。
本発明(請求項)の車両は、請求項1ないしのいずれか1項に記載の車両用ドアヒンジ装置を介して車体にドアが開閉可能に取り付けられたものである。
請求項の車両は、請求項において、該車両は、車室内にエアバッグを膨張させて乗員を拘束するためのエアバッグ装置を備えており、前記車両用ドアヒンジ装置の連結解除手段は、該エアバッグ装置が作動した後、前記ドアが開放操作されたときに、前記車体とドアとの連結を解除するように構成されていることを特徴とするものである。
本発明(請求項1)のドアヒンジ装置にあっては、車両が前方衝突、後方衝突、側面衝突又は横転(以下、これらを総称して衝突等ということがある。)した場合等の緊急時には、連結解除手段により車体とドアとの連結が解除されるため、仮にドアヒンジ装置を回動中心とした通常の開放動作によってドアを開放させることができないほど車体やドアが衝突等により変形した場合でも、ドアを車体から外すようにしてドアを開放させることができる。これにより、車両衝突時等の緊急時に、より確実にドアを開放させることが可能である。
本発明(請求項)の車両にあっては、実質的に、従来品のドアヒンジ装置の代わりに本発明品を用いてドアを車体に取り付けたものであるため、ドアや車体の大幅な構造変更は不要である。これにより、比較的低コストにて、車両衝突時等の緊急時に、より確実にドアを開放させることが可能な車両を提供することが可能である。
請求項の態様では、ドアヒンジ装置は、車体に設けられる車体側ブラケットと、ドアに設けられるドア側ブラケットと、これらのブラケット同士を回動可能に連結した軸部材とを備えており、連結解除手段は、この軸部材を車体側ブラケット及びドア側ブラケットの少なくとも一方から分離させることにより、該ブラケット同士の連結を解除するように構成されている。そのため、例えば車体と車体側ブラケットとの結合やドアとドア側ブラケットとの結合を解除することにより車体とドアとの連結を解除するように構成した場合に比べて、ドアヒンジ装置自体の構成や、車体と車体側ブラケットとの結合構造あるいはドアとドア側ブラケットとの結合構造を簡易なものとすることができる。また、軸部材をこれらのブラケットから分離させることにより、確実に車体とドアとの連結を解除することができる。
請求項の態様にあっては、車体側ブラケット及びドア側ブラケットの一方(軸部材圧入側ブラケット)の軸部材挿通孔に軸部材の一端側が圧入され、該車体側ブラケット及びドア側ブラケットの他方(軸部材回動側ブラケット)の軸部材挿通孔に軸部材の他端側が回動可能に挿通されているので、該車体側ブラケットとドア側ブラケットとの連結構造が簡易であり、該軸部材圧入側ブラケットへの軸部材の取り付けもきわめて容易である。また、車体側ブラケットとドア側ブラケットとの連結を解除する場合には、この軸部材を軸部材圧入側ブラケットの軸部材挿通孔から押し出すだけでよいので、連結解除手段の構成も簡易なものとすることができる。
請求項の態様では、ドアヒンジ装置の連結解除手段は、ガス発生器を備え、このガス発生器からの発生ガス圧により軸部材を軸部材圧入側ブラケットの軸部材挿通孔から押し出すように構成されているので、構造が簡易であり、且つ制御も容易である。
請求項の態様では、軸部材圧入側ブラケットの軸部材挿通孔は、軸部材の一端側が圧入された小径部と、該小径部の該軸部材の延長方向に連なり、該小径部よりも直径が大きい大径部と、該小径部と大径部との間に形成された段差部とを有しており、該大径部内に、ガス発生器からの発生ガス圧により軸部材を軸部材挿通孔から押し出す押出体が配置されている。この押出体は、軸部材を軸部材挿通孔から押し出した後、該軸部材挿通孔内の大径部と小径部との間の段差部に当接する。これにより、該押出体によって軸部材挿通孔が閉鎖され、該軸部材挿通孔を通ってガス発生器からの発生ガスが漏れ出すことが防止される。
この場合、請求項の通り、小径部と大径部とを同軸状に配置し、これらの間に、軸部材挿通孔の内周面の全周にわたって段差部を形成することにより、押出体が軸部材挿通孔の内周面の全周にわたってこの段差部に当接するようになり、押出体が軸部材を軸部材挿通孔から押し出した後の該軸部材挿通孔の気密性が高い。
請求項の態様では、ドアヒンジ装置の連結解除手段は、車体の車室内に設置されたエアバッグ装置が作動した後、ドアが開放操作されたときに車体とドアとの連結を解除するように構成されている。これにより、車両が衝突等に遭遇していない平常時において不用意に車体とドアとの連結が解除されることが防止される。また、エアバッグ装置が作動するほどでない小規模な衝突時等には車体とドアとの連結が解除されないため、車両補修時にドアヒンジ装置を交換する必要がなく、補修費用を抑えることができる。
実施の形態に係る車両用ドアヒンジ装置を介して車体にドアが開閉可能に取り付けられた車両のフロントドア付近の側面図である。 図1のII−II線断面図である。 (a)図は図2のドアヒンジ装置の立面図であり、(b)図は(a)図のB−B線矢視図であり、(c)図は(a)図のC−C線矢視図である。 図2のドアヒンジ装置の車体側ブラケットとドア側ブラケットとヒンジピンとの分解斜視図である。 図4の車体側ブラケットの分解斜視図である。 図3(b)のVI−VI線断面図である。 車体側ブラケットとドア側ブラケットとの連結解除時を示す、図6と同様部分の断面図である。 図1の車両用ドアヒンジ装置の概略的な回路図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、車両の前部座席用ドアを車体に取り付けるためのドアヒンジ装置に本発明を適用した例を示しているが、本発明は、これ以外のドア(例えば後部座席用ドアや車体後面ドアなど)を車体に取り付けるためのドアヒンジ装置にも適用可能である。
第1図は、実施の形態に係る車両用ドアヒンジ装置を介して車体にドアが開閉可能に取り付けられた車両の前部座席用ドア付近の側面図である。第2図は第1図のII−II線断面図である。第3図(a)はこのドアヒンジ装置の立面図であり、第3図(b)は第3図(a)のB−B線矢視図であり、第3図(c)は第3図(a)のC−C線矢視図である。第4図はこのドアヒンジ装置の車体側ブラケットとドア側ブラケットとヒンジピンとの分解斜視図である。第5図は第4図の車体側ブラケットの分解斜視図である。第6図は第3図(b)のVI−VI線断面図である。第7図は第6図と同様部分の断面図であり、車体側ブラケットとドア側ブラケットとの連結解除時を示している。第8図は、この車両用ドアヒンジ装置の概略的な回路図である。
第1図の通り、車両1の車体2に前部座席用ドア(以下、ドアと略す。)3がドアヒンジ装置4を介して開閉可能に取り付けられている。ドアヒンジ装置4は、ドア3の前縁側を車体2に回動可能に連結している。第1図では、ドア3の前縁に、上下方向に間隔をあけて2個のドアヒンジ装置4が設けられているが、ドアヒンジ装置4の個数及び配置はこれに限定されない。ドア3には、ドア3が閉じたときに該ドア3の後縁側を車体に係止するためのラッチ機構(図示略)と、このラッチ機構を操作するためのノブ3a,3bと、このラッチ機構をロックするためのロック装置7(第8図)とが設けられている。ロック装置7が非ロック状態となっているときに車外側からノブ3aが操作されるか、又は車室内側からノブ3bが操作されると、ラッチ装置がドア3の係止を解除する。
この実施の形態では、車両1には、該車両1の前方衝突、後方衝突、側面衝突及び横転を検知するための衝突等検知センサ5(第8図)が設けられている。また、車両1の車室内には、この衝突等検知センサ5の検知結果に基づいて該車両1の前方衝突時、後方衝突時、側面衝突時及び横転時にそれぞれ該車室内にエアバッグを膨張させて乗員を拘束するエアバッグ装置(図示略)が設けられている。このエアバッグ装置は、エアバッグ用ガス発生器6(第8図)を備えており、衝突等検知センサ5により車両1の衝突等が検知されたときに、このガス発生器6をガス発生作動させ、このガス発生器6からのガスによりエアバッグを車室内に膨張させるように構成されている。
ドアヒンジ装置4の構成について以下に詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下方向、左右方向及び前後方向は、ドアヒンジ装置4が車体2に取り付けられた状態における該車体2の上下方向、左右方向及び前後方向に合致するものとする。
ドアヒンジ装置4は、車体2に取り付けられる車体側ブラケット10と、ドア3に取り付けられるドア側ブラケット20と、これらのブラケット10,20同士を回動可能に連結した軸部材としてのヒンジピン30と、このヒンジピン30を各ブラケット10,20から離脱させて該ブラケット10,20同士の連結を解除するための連結解除機構40と、この連結解除機構40の制御装置60とを備えている。
ヒンジピン30は、この実施の形態では、棒状の軸部31と、該軸部31の軸心線方向の一端側(後端側)の外周面から放射状に張り出したフランジ部32とを有している。この実施の形態では、上下1対のヒンジピン30により車体側ブラケット10とドア側ブラケット20とが回動可能に連結されている。この実施の形態では、ヒンジピン30は、鋼等の金属材料にて構成されている。なお、ヒンジピン30を構成する材料はこれに限定されない。
第3〜5図に示すように、この実施の形態では、該車体側ブラケット10は、車体2の外面に沿って配置される1対の足片部11と、各足片部11からそれぞれ車体2の外方へ向かって突出した起立片部12と、各起立片部12にそれぞれ設けられたヒンジピン圧入用のスリーブ13と、該起立片部12,12同士の間に配置された、内孔41aを有する管状体41等を有している。
第5図の通り、管状体41の内孔41aは、該管状体41を軸心線方向に貫通している。この管状体41は、軸心線方向を上下方向として配置されている。この管状体41の上端側及び下端側を塞ぐようにそれぞれ起立片部12が配置されている。管状体41の上端側の周縁部は、上側の起立片部12の下面に全周にわたって溶接等により気密に結合されており、管状体41の下端側の周縁部は、下側の起立片部12の上面に全周にわたって溶接等により気密に結合されている。なお、管状体41の両端側の各起立片部12への結合方法は溶接に限定されない。上側の起立片部12に連なる足片部11は、該起立片部12の基端から上方へ延出しており、下側の起立片部12に連なる足片部11は、該起立片部12の基端から下方へ延出している。各足片部11には、該足片部11を車体2に固着するためのボルト51が挿通されるボルト挿通孔14(第3図(c))が設けられている。
各起立片部12には、それぞれ、該起立片部12を上下方向に貫通したスリーブ取付口12a(第5図)が設けられている。これらのスリーブ取付口12aはそれぞれ管状体41の内孔41aに連通している。上側の起立片部12のスリーブ取付口12aと下側の起立片部12のスリーブ取付口12aとは、互いに同心状に配置されている。第6,7図の通り、上側の起立片部12のスリーブ取付口12aの周縁部は、該起立片部12の上面から下方へ凹陥した凹段部12bとなっており、下側の起立片部12のスリーブ取付口12aの周縁部は、該起立片部12の下面から上方へ凹陥した凹段部12bとなっている。この凹段部12bの深さは、後述のスリーブ13のフランジ部13bの厚さと同等か、それよりも若干(例えば0.1〜0.5mm程度)浅いものとなっている。
第5図の通り、スリーブ13は、略円筒状の筒部13aと、該筒部13aの筒軸心線方向の一端側の外周面から放射状に張り出したフランジ部13bとを有している。第6,7図の通り、この筒部13aの内孔(符号略)は、該筒部13aを筒軸心線方向に貫通している。この筒部13aの内孔の該一端側が、ヒンジピン30の軸部31よりも小径の小径部13cとなっており、他端側が該小径部13c及び軸部31よりも大径の大径部13dとなっている。この小径部13cと大径部13dとは同軸状に形成されている。この小径部13cに軸部31の先端側が圧入されている。即ち、この実施の形態では、車体側ブラケット10が軸部材圧入側ブラケットとなっている。
上側の起立片部12のスリーブ13は、フランジ部13bを上にして筒部13aがスリーブ取付口12aに挿入され、該フランジ部13bがこの起立片部12の上面の凹段部12b内に配置されて該凹段部12bの底面に溶接等により結合されている。また、下側の起立片部12のスリーブ13は、フランジ部13bを下にして筒部13aがスリーブ取付口12aに挿入され、該フランジ部13bがこの起立片部12の下面の凹段部12b内に配置されて該凹段部12bの底面に溶接等により結合されている。各フランジ部13bは各凹段部12bの底面に全周にわたって結合されており、これにより各スリーブ取付口12aと各スリーブ13との間が気密に閉鎖されている。なお、各凹段部12bの底面への各フランジ部13bの結合方法及び各スリーブ取付口12aの閉鎖方法はこれに限定されない。
この実施の形態では、各スリーブ13の大径部13d内には、それぞれ、押出体としてのボール42が配置されている。このボール42の直径は、各スリーブ13の大径部13dの内径よりも若干小さく、且つ小径部13cの内径よりも大きなものとなっている。これにより、ボール42は、各スリーブ13の大径部13d内において該スリーブ13の筒軸心線方向に移動可能であり、且つ小径部13cには入り込めないようになっている。この実施の形態では、各スリーブ13の筒部13aの筒軸心線方向の長さは、各軸部31の該スリーブ13への圧入長さと、各ボール42の直径との合計値と同等程度となっている。また、各スリーブ13の小径部13cの筒軸心線方向の長さは、この軸部31のスリーブ13への圧入長さの半分程度かそれよりも短いもの(例えば軸部31のスリーブ13への圧入長さの25〜50%、好ましくは40〜50%程度)となっている。ボール42は、例えば鋼等の硬質材料により構成されている。なお、ボール42を構成する材料は鋼に限定されない。
各スリーブ13の大径部13d内には、それぞれ、各ボール42のガタ付き防止用のダンパ43が設けられている。各ダンパ43は、管状体41の内孔41a側から各スリーブ13の大径部13dの内周面と各ボール42の外面との間の隙間を埋めるように該大径部13d内にそれぞれ挿入されている。各ダンパ43の各スリーブ13への挿入方向の後端側にはフランジ部43aが設けられており、このフランジ部43aが各スリーブ13の前記他端側の周縁部に重なっている。各スリーブ13の該他端側には、それぞれ、このフランジ部43aを各スリーブ13に押さえ付けるように環状のロックスリーブ44が被着されており、このロックスリーブ44により各ダンパ43が各スリーブ13内に保持されている。各ロックスリーブ44の各スリーブ13への固着方法は、螺着や溶接など、種々の方法を採用することができる。各ダンパ43により、各ボール42は、各スリーブ13の大径部13d内において各軸部31の先端面に押し付けられている。これにより、各ボール42が車両1の走行中の振動等により該大径部13d内でガタ付くことが防止される。
各ロックスリーブ44には、各スリーブ13の大径部13bと同心状に重なる開口44aが設けられている。この開口44a内に、各ダンパ43の後端面が露呈している。後述のガス発生器45が管状体41の内孔41a内でガス発生作動して該内孔41a内のガス圧が上昇した場合には、各ロックスリーブ44の開口44aを介して各ダンパ43の後端面にこのガス圧が作用する。各ダンパ43は、第7図の通り、このガス圧により各ボール42を押し動かしながら大径部13dの奥側(小径部13c側)へ入り込むように変形可能となっている。
このようなダンパ43を構成する材料としては、例えば比較的剛性の低いゴム系材料又は多孔質材料が好適である。具体的には、ダンパ43は、車外の温度変化に対しゴム弾性の変化が少なく、安定した防振性が得られるシリコーンゴムにより構成されていることが好ましい。ただし、ダンパ43を構成する材料はこれに限定されない。
この実施の形態では、該ダンパ43以外の車体側ブラケット10の各部は鋼等の金属材料により構成されている。なお、車体側ブラケット10の各部を構成する材料はこれに限定されない。
この実施の形態では、管状体41の軸心線方向(上下方向)の中間付近に、該管状体41の内孔41a内に高圧ガスを供給するためのガス発生器45が取り付けられている。この実施の形態では、第6,7図の通り、ガス発生器45は、略円柱形状のものであり、その軸心線方向の一端側(先端側)にガス噴出部45aが設けられ、他端側(後端側)に、通電用のハーネス46が接続されている。このハーネス46を介して前記制御装置60からガス発生器45にガス発生作動信号が入力される。なお、この制御装置60によるガス発生器45の作動タイミング等の制御方法については後で詳しく述べる。このガス発生器45としては、火薬式、高圧ガスを火薬によって加熱膨張させるハイブリット式、高圧ガスを貯蔵し、火薬によって弁を開放させてガスを放出するガス貯蔵式など、各種の形態のものを用いることができる。
この実施の形態では、管状体41の軸心線方向の中間付近に、該管状体41の外周面を部分的に該管状体41の内側へ凹ませるようにして凹所41bが形成されており、この凹所41bの底面の中央付近に、管状体41の内孔41a内に連通したガス発生器挿入口41cが設けられている。このガス発生器挿入口41cには、ガス発生器固定用スリーブ47が溶接等により固着されている。このスリーブ47とガス発生器挿入口41cとの間は気密に閉鎖されている。このスリーブ47を介してガス発生器挿入口41cからガス発生器45の先端側のガス噴出部45aが内孔41a内に挿入され、該スリーブ47によりガス発生器45が管状体41に固定されている。また、このスリーブ47により、ガス発生器挿入口41cとガス発生器45との間が気密に閉鎖されている。この実施の形態では、凹所41bは、ガス発生器45をドア側ブラケット20から離隔させ、ドア開閉時にガス発生器45にドア側ブラケット20が接触しないようにするために形成されている。
この実施の形態では、上記の管状体41、ボール42、ダンパ43及びガス発生器45により連結解除機構40(連結解除手段)が構成されている。なお、連結解除機構40の構成はこれに限定されない。
ドア側ブラケット20は、ドア3の前端面に沿って配置される基片部21と、この基片部21の上辺及び下辺からそれぞれ前方へ突設された1対のアーム部22とを有している。基片部21には、該基片部21をドア3に固着するためのボルト53が挿通されるボルト挿通孔22a(第3図(b))が設けられている。各アーム部22には、それぞれ、ヒンジピン30の軸部31を回動可能に挿通するための軸部挿通孔23(第4図)が設けられている。即ち、この実施の形態では、該ドア側ブラケット20が軸部材回動側ブラケットとなっている。上側のアーム部22の軸部挿通孔23と下側のアーム部22の軸部挿通孔23とは同心状に配設されている。この実施の形態では、各軸部挿通孔23内には、軸部31との摺動抵抗を低減させるためのベアリング24が設けられている。各軸部挿通孔23の内径(即ちベアリング24の内径。以下、同様。)は、ヒンジピン30のフランジ部32の外径よりも小さなものとなっている。この実施の形態では、このドア側ブラケット20の各部も鋼等の金属材料により構成されているが、ドア側ブラケット20の各部を構成する材料はこれに限定されない。
このドア側ブラケット20のアーム部22,22同士の間に車体側ブラケット10が配置され、上側のアーム部22が該車体側ブラケット10の上側の起立片部12に対峙し、下側のアーム部22が該車体側ブラケット10の下側の起立片部12に対峙している。上側のヒンジピン30は、軸部31がフランジ部32を上にして該ドア側ブラケット20の上側のアーム部22の軸部挿通孔23に回動可能に挿通され、その下端側が車体側ブラケット10の上側の起立片部12のスリーブ13に圧入されている。また、下側のヒンジピン30は、軸部31がフランジ部32を下にしてドア側ブラケット20の下側のアーム部22の軸部挿通孔23に回動可能に挿通され、その上端側が車体側ブラケット10の下側の起立片部12のスリーブ13に圧入されている。これにより、該ドア側ブラケット20が車体側ブラケット10に対し各ヒンジピン30によって回動可能に連結されている。この圧入による各ヒンジピン30とスリーブ13との結合力は、各ボール42から各ヒンジピン30に2〜20kN特に5〜10kN程度の押圧力が加えられたときに、各ヒンジピン30が各スリーブ13から抜け出すことを許容する程度であることが好ましい。
このドアヒンジ装置4によりドア3を車体2に取り付ける場合、第2図の通り、車体側ブラケット10の各足片部11を、車体2のドア枠を構成するフレーム2aの前縁側に重ね合わせ、各ボルト挿通孔14を介してボルト51及びナット52により該フレーム2aに固着すると共に、ドア側ブラケット20の基片部21をドア3の前端側のフレーム3aの外面に重ね合わせ、各ボルト挿通孔22aを介してボルト53及びナット54により該フレーム3aに固着する。第2図の符号2b,3bは、それぞれ、車体2及びドア3の外板を示している。なお、車体側ブラケット10及びドア側ブラケット20の車体2及びドア3への取付方法はこれに限定されるものではない。例えば、ボルト51,53及びナット52,54以外の固着具(例えばリベット等)を用いて車体側ブラケット10及びドア側ブラケット20をそれぞれ車体2及びドア3に固着してもよく、固着具以外の固着手段(例えば溶接等)を用いて車体側ブラケット10及びドア側ブラケット20をそれぞれ車体2及びドア3に固着してもよい。
この実施の形態では、制御装置60は、前記エアバッグ装置の制御装置を兼ねるものとなっている。第8図の通り、この制御装置60は、前記衝突等検知センサ5と、該エアバッグ装置のガス発生器6にガス発生作動信号を出力するエアバッグ装置用ガス発生器作動回路(図示略)と、ドアヒンジ装置4のガス発生器45にガス発生作動信号を出力するドアヒンジ装置用ガス発生器作動回路(図示略)と、ドア3の前記ノブ3a,3bが操作されたことを検知するドアノブ検知センサ61と、該ドアノブ検知センサ61の検知結果に基づいてドア3の前記ロック装置7を強制的にロック解除作動させるロック解除回路(図示略)とを備えている。
この制御装置60は、衝突等検知センサ5が車両1の衝突等を検知した場合には、エアバッグ装置用ガス発生器作動回路により該エアバッグ装置のガス発生器6にガス発生作動信号を出力すると共に、ロック解除回路とドアヒンジ装置用ガス発生器作動回路とをスタンバイ状態とし、次いで、ドアノブ検知センサ61によりノブ3a又は3bの操作が検知された場合には、ロック解除回路によりドア3のロック装置7にロック解除信号を出力すると共に、ドアヒンジ装置用ガス発生器作動回路から該ドアヒンジ装置4のガス発生器45にガス発生作動信号を出力するように構成されている。なお、ロック解除回路からのロック装置7へのロック解除信号は、ノブ3a又は3bの操作が検知された時点からドア3が開放されるまで出力され続けることが好ましい。
このように構成されたドアヒンジ装置4によりドア3が車体2に取り付けられた車両1の作動について次に説明する。
車両1が前方衝突、後方衝突、側面衝突又は横転した場合、これを衝突等検知センサ5が検知し、この検知結果に基づいて制御装置60がエアバッグ装置のガス発生器6をガス発生作動させ、このガス発生器6からのガスにより車室内にエアバッグが膨張して乗員を拘束する。このとき、該制御装置60は、ロック解除回路とドアヒンジ装置用ガス発生器作動回路とをスタンバイ状態とする。その後、乗員が車外に出ようとしてノブ3bが操作されるか、又は車外からノブ3aが操作された場合には、ロック解除回路がドア3のロック装置7にロック解除信号を出力すると共に、ドアヒンジ装置用ガス発生器作動回路が各ドアヒンジ装置4のガス発生器45にガス発生作動信号を出力する。
このドアヒンジ装置用ガス発生器作動回路からのガス発生作動信号により、各ドアヒンジ装置4のガス発生器45がガス発生作動する。この場合、第7図の通り、ガス発生器45の先端側のガス噴出部45aから管状体41の内孔41a内にガスが噴出し、該内孔41a内が高圧状態となる。このガスの圧力は、各ロックスリーブ44の開口44a及び各ダンパ43を介して各スリーブ13内のボール42を該スリーブ13の小径部13c側へ押圧する。その後、この押圧力が各ヒンジピン30と各スリーブ13との結合力を上回ることにより、各ヒンジピン30が各ボール42に押されて各スリーブ13から抜け出す。この際、各ボール42は、ヒンジピン30をスリーブ13から押し出した後、該スリーブ13内の大径部13dと小径部13cとの間の段差部に当接する。これにより、該ボール42のスリーブ13からの飛び出しが防止されると共に、該ボール42によってスリーブ13が閉鎖されるため、該スリーブ13の内孔を通って管状体41の外部にガスが漏れ出すことも防止される。このようにして双方のヒンジピン30が各スリーブ13から抜け出すことにより、車体側ブラケット10とドア側ブラケット20との連結が解除される。この結果、ドア3を車体2から取り外すようにしてドア3を開放させることができるようになる。
以上の通り、このドアヒンジ装置4にあっては、車両1が前方衝突、後方衝突、側面衝突又は横転した場合には、連結解除機構40によりヒンジピン30による車体側ブラケット10とドア側ブラケット20との連結が解除されるため、仮にドアヒンジ装置4を回動中心とした通常の開放動作によってドア3を開放させることができないほど車体2やドア3が衝突等により変形した場合でも、ドア3を車体2から外すようにしてドア3を開放させることができる。これにより、車両1の衝突等の後に、より確実にドア3を開放させることが可能である。
この車両1にあっては、実質的に、従来品のドアヒンジ装置の代わりに本発明品のドアヒンジ装置4を用いてドア3を車体2に取り付けたものであるため、ドア3や車体2の大幅な構造変更は不要である。これにより、比較的低コストにて、車両衝突等の後に、より確実にドア3を開放させることが可能な車両を提供することが可能である。
この実施の形態では、ドアヒンジ装置4は、車体2に取り付けられた車体側ブラケット10と、ドア3に取り付けられたドア側ブラケット20と、これらのブラケット10,20同士を回動可能に連結した軸部材としてのヒンジピン30とを備えており、このドアヒンジ装置4の連結解除機構40は、ヒンジピン30を車体側ブラケット10から分離させることにより、該ブラケット10,20同士の連結を解除するように構成されている。そのため、例えば車体2と車体側ブラケット10との結合やドア3とドア側ブラケット20との結合を解除することにより車体2とドア3との連結を解除するように構成した場合に比べて、ドアヒンジ装置4自体の構成や、車体2と車体側ブラケット10との結合構造あるいはドア3とドア側ブラケット20との結合構造を簡易なものとすることができる。また、ヒンジピン30を車体側ブラケット10から分離させることにより、確実に車体2とドア3との連結を解除することができる。
上記の通り、この実施の形態では、ドア側ブラケット20に軸部挿通孔23が設けられ、この軸部挿通孔23にヒンジピン30の軸部31の基端側が回動可能に挿通されていると共に、車体側ブラケット10にヒンジピン圧入用スリーブ13が設けられ、このスリーブ13にヒンジピン30の軸部31の先端側が圧入されている。そのため、ヒンジピン30による車体側ブラケット10とドア側ブラケット20との連結構造が簡易であり、ヒンジピン30の車体側ブラケット10への取り付けもきわめて容易である。また、車体側ブラケット10とドア側ブラケット20との連結を解除する場合には、このヒンジピン30をスリーブ13から押し出すだけでよいので、連結解除機構40の構成も簡易なものとすることができる。
この実施の形態では、ドアヒンジ装置4の連結解除機構40は、ガス発生器45を備え、このガス発生器45からの発生ガス圧によりヒンジピン30をスリーブ13から押し出すように構成されているので、構造が簡易であり、且つ制御も容易である。
この実施の形態では、該スリーブ13の内孔は、ヒンジピン30の軸部31が圧入された小径部13cと、この小径部13cの該軸部31の延長方向に連なる大径部13dとを有しており、この大径部13d内に、ガス発生器45からの発生ガス圧によりヒンジピン30をスリーブ13から押し出すためのボール42が配置されている。前述の通り、このボール42は、ヒンジピン30をスリーブ13から押し出した後、該スリーブ13内の大径部13dと小径部13cとの間の段差部に当接する。これにより、該ボール42によってスリーブ13が閉鎖されるため、該スリーブ13の内孔を通って管状体41の外部にガスが漏れ出すことが防止される。従って、仮に一方のヒンジピン30が他方のヒンジピン30よりも先にスリーブ13から抜け出しても、管状体41の内孔41a内の高圧状態が維持されるため、該他方のヒンジピン30も確実にスリーブ13から抜け出させることができる。この実施の形態では、小径部13cと大径部13dとは同軸状に配置されており、これらの間には、スリーブ13の内周面の全周にわたって段差部が形成されている。そのため、ボール42がスリーブ13の内周面の全周にわたってこの段差部に当接するので、ボール42がヒンジピン30をスリーブ13から押し出した後の該スリーブ13の気密性が高い。
この実施の形態では、各スリーブ13内に、ボール42を押え付けるダンパ43が設けられているので、ボール42が車両1の走行中の振動等によりスリーブ13内でガタ付くことが防止される。
この実施の形態では、ドアヒンジ装置4の制御装置は、車体2の車室内に設置されたエアバッグ装置が作動した後、ノブ3a,3bが操作されたときにガス発生器45をガス発生作動させるように構成されている。これにより、車両1が衝突等に遭遇していない平常時において不用意にドアヒンジ装置4の連結解除装置40が作動することが防止される。また、エアバッグ装置が作動するほどでない小規模な衝突時には連結解除装置40が作動しないため、衝突後の補修時にドアヒンジ装置4を交換する必要がなく、補修費用を抑えることができる。
なお、上記の実施の形態では、制御装置60は、車両1が前方衝突、後方衝突、側面衝突又は横転した場合に、各ドアヒンジ装置4の連結解除機構40を作動させるように構成されているが、このような衝突等以外の緊急時にも、各ドアヒンジ装置4の連結解除機構40を作動させるように構成してもよい。
[ドアヒンジ装置の他の制御方法の例]
上記の実施の形態では、ドアヒンジ装置4の制御装置は、車体2の車室内に設置されたエアバッグ装置が作動した後、ノブ3a,3bが操作されたときにガス発生器45をガス発生作動させるように構成されているが、ドアヒンジ装置4の制御方法はこれに限定されない。
例えば、ドア3及び車体2のドア枠に、これらの変形量を検出する変形量検出装置を設けておき、この変形量検出装置が所定値以上の変形量を検出した後、ノブ3a,3bが操作された場合に、ガス発生器45をガス発生作動させるように構成してもよい。
上記の実施の形態では、エアバッグ装置の作動後、又は変形量検出装置が所定値以上の変形量を検出した後、ノブ3a,3bが操作されたときにガス発生器45が作動するように構成されているが、ノブ3a,3bとは別に、ガス発生器45を作動させるための専用のスイッチがドア3や車体2に設けられてもよい。
[ドアヒンジ装置のその他の構成例]
上記の実施の形態では、ドアヒンジ装置4の連結解除機構40(連結解除手段)は、ガス発生器45からのガス圧により各ヒンジピン30を車体側ブラケット10及びドア側ブラケット20から離脱させるように構成されているが、連結解除機構40の構成はこれに限定されない。例えば、連結解除機構40は、レバー等により圧縮状態に保持されたスプリングを備え、緊急時に電気信号によって該レバー等による保持を解除させ、このスプリングの力により各ヒンジピン30を車体側ブラケット10及びドア側ブラケット20から離脱させるように構成されてもよい。
上記の実施の形態では、連結解除機構40が作動する前は、車体側ブラケット10とドア側ブラケット20とは上下2個のヒンジピン30(軸部材)により回動可能に連結されているが、車体側ブラケット10とドア側ブラケット20とを連結するための軸部材の構成はこれに限定されない。例えば、車体側ブラケット10とドア側ブラケット20とは、これらを上下方向に貫通する1本のヒンジピンによって回動可能に連結されてもよい。
上記の実施の形態では、車体側ブラケット10に、該軸部31の先端側が圧入されるヒンジピン圧入用スリーブ13が設けられ、車体側ブラケット10に、該軸部31の基端側が回動可能に挿通される軸部挿通孔23が設けられているが、これとは逆に、ドア側ブラケット20に、該軸部31の先端側が圧入されるヒンジピン圧入用スリーブが設けられ、車体側ブラケット10に、該軸部31の基端側が回動可能に挿通される軸部挿通孔が設けられてもよい。この場合、ドア側ブラケット20に連結解除機構40が設けられる。
上記の実施の形態では、ガス発生器45からの発生ガス圧によりヒンジピン30をスリーブ13から押し出すように構成されているが、ヒンジピン30をスリーブ13から押し出すための動力源はこれに限定されない。例えば、バネ等を用いてヒンジピン30をスリーブ13から押し出すように構成してもよい。
上記実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもとりうる。
1 車両
2 車体
3 ドア
4 ドアヒンジ装置
10 車体側ブラケット
11 足片部
12 起立片部
13 ヒンジピン圧入用スリーブ
20 ドア側ブラケット
21 基片部
22 アーム部
23 軸部挿通孔
24 ベアリング
30 ヒンジピン
31 軸部
32 フランジ部
40 連結解除機構
41 管状体
42 ボール
43 ダンパ
44 ロックスリーブ
45 ガス発生器
46 ハーネス

Claims (5)

  1. 車体にドアを開閉可能に連結するための車両用ドアヒンジ装置において、
    車両緊急時に作動して該車体とドアとの連結を解除する連結解除手段と、
    該車体に設けられる車体側ブラケットと、
    該ドアに設けられるドア側ブラケットと、
    該車体側ブラケットとドア側ブラケットとを回動可能に連結した軸部材と
    を備えており、
    前記連結解除手段は、該軸部材を該車体側ブラケット及びドア側ブラケットの少なくとも一方から分離させることにより、該車体側ブラケットとドア側ブラケットとの連結を解除するように構成されている車両用ドアヒンジ装置であって、
    前記車体側ブラケット及びドア側ブラケットに、それぞれ、前記軸部材が挿通された軸部材挿通孔が設けられており、
    該軸部材は、一端側が該車体側ブラケット及びドア側ブラケットの一方(以下、軸部材圧入側ブラケットと称する。)の軸部材挿通孔に圧入され、他端側が該車体側ブラケット及びドア側ブラケットの他方(以下、軸部材回動側ブラケットと称する。)の軸部材挿通孔に回動可能に挿通されており、
    前記連結解除手段は、ガス発生器を備えており、該ガス発生器からの発生ガス圧により前記軸部材圧入側ブラケットの軸部材挿通孔から前記軸部材の前記一端側を抜け出させるように構成されていることを特徴とする車両用ドアヒンジ装置。
  2. 請求項において、前記軸部材圧入側ブラケットの軸部材挿通孔は、
    前記軸部材の前記一端側が圧入された小径部と、
    該小径部の該軸部材の延長方向に連なり、該小径部よりも直径が大きい大径部と、
    該小径部と大径部との間に形成された段差部と
    を有しており、
    該大径部内に、前記ガス発生器からの発生ガス圧により該軸部材を該軸部材挿通孔から押し出す押出体が配置されており、
    該押出体は、該軸部材を該軸部材挿通孔から押し出した後、該段差部に係合するように構成されていることを特徴とする車両用ドアヒンジ装置。
  3. 請求項において、前記小径部と大径部とは同軸状に配置されており、前記段差部は、前記軸部材挿通孔の内周面の全周にわたって形成されていることを特徴とする車両用ドアヒンジ装置。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の車両用ドアヒンジ装置を介して車体にドアが開閉可能に取り付けられた車両。
  5. 請求項において、該車両は、車室内にエアバッグを膨張させて乗員を拘束するためのエアバッグ装置を備えており、
    前記車両用ドアヒンジ装置の連結解除手段は、該エアバッグ装置が作動した後、前記ドアが開放操作されたときに、前記車体とドアとの連結を解除するように構成されていることを特徴とする車両。
JP2010018952A 2010-01-29 2010-01-29 車両用ヒンジ装置及び車両 Expired - Fee Related JP5556198B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010018952A JP5556198B2 (ja) 2010-01-29 2010-01-29 車両用ヒンジ装置及び車両
PCT/JP2010/069806 WO2011092921A1 (ja) 2010-01-29 2010-11-08 車両用ヒンジ装置及び車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010018952A JP5556198B2 (ja) 2010-01-29 2010-01-29 車両用ヒンジ装置及び車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011157705A JP2011157705A (ja) 2011-08-18
JP5556198B2 true JP5556198B2 (ja) 2014-07-23

Family

ID=44318920

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010018952A Expired - Fee Related JP5556198B2 (ja) 2010-01-29 2010-01-29 車両用ヒンジ装置及び車両

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5556198B2 (ja)
WO (1) WO2011092921A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105133978A (zh) * 2015-09-23 2015-12-09 无锡市中捷减震器有限公司 连接车门与车身的铰链

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101263130B1 (ko) 2011-12-08 2013-05-15 한국항공우주산업 주식회사 항공기 도어 이탈 장치

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0234452A (ja) * 1988-07-26 1990-02-05 Mitsubishi Motors Corp 自動車の緊急脱出装置
KR0127541B1 (ko) * 1995-03-22 1997-12-26 배순훈 차량의 비상 도어분리장치
JP2001191878A (ja) * 1999-12-31 2001-07-17 Hideo Ogushi 自動車が不意に水没した時の乗員脱出口の自動開口装置
SE525772C2 (sv) * 2003-09-26 2005-04-26 Pentti Kanerva Explosivt infästningselement
JP4455451B2 (ja) * 2005-08-25 2010-04-21 本田技研工業株式会社 締結構造の締結解放装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105133978A (zh) * 2015-09-23 2015-12-09 无锡市中捷减震器有限公司 连接车门与车身的铰链

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011157705A (ja) 2011-08-18
WO2011092921A1 (ja) 2011-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5141386B2 (ja) 作動ピンを有したアクチュエータ
JP4231519B2 (ja) コラム付けニーエアバッグ装置
JP2008087518A (ja) エアバッグ装置
US8128121B2 (en) Steering column mounted knee airbag device
JP2010179810A (ja) エアバッグカバー及びエアバッグ装置
JP5556198B2 (ja) 車両用ヒンジ装置及び車両
JP2008049716A (ja) 助手席用エアバッグ装置
JP4872903B2 (ja) 乗員保護装置
US7350805B2 (en) Airbag device
JP2020032981A (ja) エアバッグ装置
JP2009090965A (ja) 作動ピンを有したアクチュエータ
US20200017009A1 (en) Pyrotechnic locking device
KR200387313Y1 (ko) 차량용 에어백 하우징의 마운팅플레이트 결합구조
JPH04135944A (ja) エアバッグ装置の取付構造
JP4534479B2 (ja) エアバッグ装置
JP2023163998A (ja) 車両用乗員保護装置
JP2008137588A (ja) 作動ピンを有したアクチュエータ
JP2010264788A (ja) 車両用ニーエアバッグ装置
JP4031336B2 (ja) エアバッグ装置
KR200387309Y1 (ko) 차량용 에어백 하우징 어셈블리
JP2011063112A (ja) エアバッグ装置
JP2008296654A (ja) 車両の操舵装置
JP4185881B2 (ja) アクティブニーボルスター
KR200387311Y1 (ko) 차량용 에어백 하우징의 마운팅플레이트 결합구조
KR100292864B1 (ko) 자동차용뒷좌석

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5556198

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S343 Written request for registration of root pledge or change of root pledge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316354

SZ02 Written request for trust registration

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316Z02

S343 Written request for registration of root pledge or change of root pledge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316354

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S343 Written request for registration of root pledge or change of root pledge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316354

SZ02 Written request for trust registration

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316Z02

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees