JP5551449B2 - 皮革様シートおよび衣料 - Google Patents

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Description

本発明は、ソフトな風合いを有し、かつストレッチ性に優れた皮革様シートおよび衣料に関する。
従来、皮革様シートは、天然皮革にはない軽量性などの特長を有しているため、シューズ、バッグなど多岐にわたる用途に使用されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
しかしながら、従来の皮革様シートは風合いやストレッチ性の点で十分とはいえず、衣料用途などに用いることができないという問題があった。
特開2000−256971号公報 特開2005−76151号公報 特開2008−69481号公報 特開2009−197368号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、ソフトな風合いを有し、かつストレッチ性に優れた皮革様シートおよび衣料を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、単繊維径が極めて小さい超極細繊維を用いて編物を得たのち、該編物に高分子弾性体を含浸させると、ソフトな風合いを有し、かつストレッチ性に優れた皮革様シートが得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「単繊維径が10〜1000nmであり、かつフィラメント数が1000本以上の長繊維からなるフィラメント糸Aを含む編物と、高分子弾性体とで構成され、厚さが0.50〜0.82mmの範囲内であることを特徴とする皮革様シート。
」が提供される。 その際、前記フィラメント糸Aがポリエステルからなることが好ましい。また、前記フィラメント糸Aが、海成分と島成分とからなる海島型複合繊維の海成分を溶解除去して得られた糸条であることが好ましい。また、前記編物に他糸条として弾性糸が含まれることが好ましい。また、前記高分子弾性体がポリウレタンであることが好ましい。
本発明の皮革様シートにおいて、シートの目付が50〜400g/mの範囲内であることが好ましい。また、シートのタテ方向またはヨコ方向の破断伸度が60%以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の皮革様シートを用いてなる衣料が提供される。

本発明によれば、ソフトな風合いを有し、かつストレッチ性に優れた皮革様シートおよび衣料が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、フィラメント糸A(以下、「ナノファイバー」と称することもある。)において、その単繊維径(単繊維の直径)が10〜1000nm(好ましくは100〜900nm、特に好ましくは550〜900nm)の範囲内であることが肝要である。かかる単繊維径を単繊維繊度に換算すると、0.000001〜0.01dtexに相当する。該単繊維径が10nmよりも小さい場合は繊維強度が低下するため実用上好ましくない。逆に、該単繊維径が1000nmよりも大きい場合は、ソフトな風合いが得られないおそれがあり好ましくない。ここで、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。また、単繊維繊度のばらつきが−20%〜+20%の範囲内であることが好ましい。
前記フィラメント糸Aにおいて、フィラメント数は特に限定されないが、ソフトな風合いを得る上で1000本以上(より好ましくは3000〜10000本)であることが好ましい。また、フィラメント糸Aの総繊度(単繊維繊度とフィラメント数との積)としては、5〜150dtexの範囲内であることが好ましい。
前記フィラメント糸Aの繊維形態は特に限定されないが、長繊維(マルチフィラメント糸)であることが好ましい。単繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状でよい。また、通常の空気加工、仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。
前記フィラメント糸Aを形成するポリマーの種類としては特に限定されないが、ポリエステル系ポリマーが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、特開2009−01694号公報に記載された、バイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレートであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
本発明において、編物は、前記フィラメント糸Aのみで構成されてよいが、前記フィラメント糸Aと他糸条とで構成されてもよい。その際、かかる他糸条としては、単繊維径が1000nmより大の、前記のようなポリエステルからなるポリエスエテル糸条や弾性糸が好ましい。特に、他の糸条として弾性糸が含まれていると、編物にさらに優れたストレッチ性が付加され好ましい。
ここで、前記弾性糸としては、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなる吸水性ポリエーテルエステル弾性糸、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリテトラメチレンオキシドグリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなる非吸水性ポリエーテルエステル弾性糸、ポリウレタン弾性糸、ポリトリメチレンテレフタレート糸、合成ゴム系弾性糸、天然ゴム系弾性糸などが好適に例示される。
前記弾性糸の総繊度としては、5〜100dtex(より好ましくは10〜40dtex)の範囲内であることが好ましい。前記弾性繊維糸の破断伸度は200%以上のものが好ましく、染色加工時の熱処理によって性能が損なわれないものが好ましい。
前記の編物は例えば以下の製造方法により製造することができる。まず、海成分と、その径が10〜1000nmである島成分とで形成される海島型複合繊維(フィラメント糸A用繊維)を用意する。かかる海島型複合繊維としては、特開2007−2364号公報に開示された海島型複合繊維(島数100〜1500)が好ましく用いられる。
ここで、海成分ポリマーとしては、繊維形成性の良好なポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンなどが好ましい。例えば、アルカリ水溶液易溶解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングルコール系化合物共重合ポリエステル、ポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホン酸イソフタル酸の共重合ポリエステルが好適である。なかでも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜12000のポリエチレングルコールを3〜10重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。
一方、島成分ポリマーは、最終的にフィラメント糸Aを形成するポリマーであるので、前述のようなポリマーが好適に用いられる。
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーからなる海島型複合繊維は、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。また、島成分の径は、10〜1000nmの範囲とする必要がある。その際、該径が真円でない場合は外接円の直径を求める。前記の海島型複合繊維において、その海島複合重量比率(海:島)は、40:60〜5:95の範囲が好ましく、特に30:70〜10:90の範囲が好ましい。
かかる海島型複合繊維は、例えば以下の方法により容易に製造することができる。すなわち、前記の海成分ポリマーと島成分ポリマーとを用い溶融紡糸する。溶融紡糸に用いられる紡糸口金としては、島成分を形成するための中空ピン群や微細孔群を有するものなど任意のものを用いることができる。吐出された海島型断面複合繊維マルチフィラメントは、冷却風によって固化され、好ましくは400〜6000m/分で溶融紡糸された後に巻き取られる。得られた未延伸糸は、別途延伸工程をとおして所望の強度・伸度・熱収縮特性を有する複合繊維とするか、あるいは、一旦巻き取ることなく一定速度でローラーに引き取り、引き続いて延伸工程をとおした後に巻き取る方法のいずれでも構わない。さらに、仮撚捲縮加工を施してもよい。かかる海島型複合繊維マルチフィラメントにおいて、単糸繊維繊度、フィラメント数、総繊度としてはそれぞれ単糸繊維繊度0.5〜10.0dtex、フィラメント数5〜75本、総繊度30〜170dtex(好ましくは30〜100dtex)の範囲内であることが好ましい。
次いで、かかる海島型複合繊維マルチフィラメントを単独で用いるか、必要に応じて単繊維径が1000nmより大の弾性繊維糸などの他糸条とともに用いて、編物を製編する。
その際、編物の種類は、よこ編物であってもよいしたて編物であってもよい。よこ編組織としては、天竺、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が好ましく例示される。天竺の編組織で2種の糸条で複合ループを形成したプレーテイング天竺、その際、一方の糸条を弾性繊維糸条としたベア天竺などが好適に例示される。たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフ編、裏毛編、ジャガード編等が好ましく例示される。なお、製編は、丸編機、横編機、トリコット編機、ラッシェル編機等など通常の編機を用いて通常の方法により製編することができる。層数も特に限定されず単層でもよいし2層以上の多層構造を有する編物でもよい。
次いで、該布帛にアルカリ水溶液処理を施し、前記海島型複合繊維の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去することにより、海島型複合繊維マルチフィラメントを、単繊維径が10〜1000nmのフィラメント糸Aとする。その際、アルカリ水溶液処理の条件としては、濃度0.5〜4%のNaOH水溶液を使用し55〜90℃の温度で処理するとよい。
さらに、該布帛にスパンレース用のウオーターニードル装置で高圧水を噴射すると、凝集密着しているフィラメント糸Aをばらけさせることができ好ましい。
また、常法の染色加工、起毛加工、撥水加工、吸水加工、バッフィング加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を前記編物に付加適用してもよい。
本発明の皮革様シートは前記編物に高分子弾性体を含浸させたものである。ここで、前記高分子弾性体の種類および含浸方法は公知にものでよい。
例えば、高分子弾性体としては、例えばSBR、NBR、ポリウレタン、ポリエステルエラストマー、ポリアクリル酸エステル系エラストマー等があげられる。なかでも、ポリウレタン系のエラストマーであることが好ましい。特に風合い面からはこの高分子弾性体は多孔質であることが好ましく、例えばジメチルホルムアミド溶解性の湿式凝固用ポリウレタンなどが好ましい。
編物中の繊維と高分子弾性体の比率は、高分子弾性体/繊維(以下R/Fとする)が15〜60%、さらには30〜50%であることが好ましい。
含浸方法としては、ポリウレタン樹脂などの高分子弾性体をジメチルホルムアミド(「DMF」ということもある。)、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、などの有機溶剤溶液又は水性エマルジョンなどとして編物に含浸し、ポリウレタン樹脂を凝固処理することによって皮革様シートを得ることができる。
ここで、ポリウレタン樹脂を凝固する方法は、ポリウレタン樹脂の非溶剤で溶剤に混和性の液体で処理する湿式法、溶媒を加熱して蒸発させる乾式法など任意に選択できるが風合い、挫屈性など得られるシートの性能から湿式凝固法を採用することがもっとも好ましい。
かくして得られた皮革様シートにおいて、基体が編物であるので、優れたストレッチ性を有する。その際、ストレッチ性として、皮革様シートのタテ方向またはヨコ方向(好ましくはタテ方向およびヨコ方向)の破断伸度が60%以上(より好ましくは100〜500%)であることが好ましい。
また、基体となる編物には、単繊維径が10〜1000nmのフィラメント糸Aが含まれるので、皮革様シートはソフトな風合いを有する。
また、かかる皮革様シートに軽量性を付加する上で、皮革様シート全体の厚さが0.2〜0.8mmの範囲内であることが好ましい。また、皮革様シート全体の目付としては50〜400g/mの範囲内であることが好ましい。
次に、本発明の衣料は前記の皮革様シートを用いてなる衣料である。かかる衣料には前記の皮革様シートが含まれるので、ソフトな風合いを有し、かつストレッチ性に優れる。かかる衣料には、紳士衣料、婦人衣料、スポーツ衣料、下着などが含まれる。
なお、前記の皮革様シートは衣料用途だけでなく、グローブ、シューズ、バッグ、雑貨類など他の用途にも用いることができることはいうまでもない。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<溶融粘度>乾燥処理後のポリマーを紡糸時のルーダー溶融温度に設定したオリフィスにセットして5分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけて押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘度をプロットする。そのプロットをなだらかにつないで、せん断速度−溶融粘度曲線を作成し、せん断速度が1000秒−1の時の溶融粘度を見る。
<溶解速度>海・島成分の各々0.3φ−0.6L×24Hの口金にて1000〜2000m/分の紡糸速度で糸を巻き取り、さらに残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、84dtex/24filのマルチフィラメントを作製する。これを各溶剤にて溶解しようとする温度で浴比100にて溶解時間と溶解量から、減量速度を算出した。
<単繊維径>透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定した。n数5で測定しその平均値を求めた。
<編物の厚さ>JIS L 1096 8.5に従って測定した。
<編物の目付>JIS L 1096 8.4.2に従って測定した。
<編物の破断伸度>JIS L 1096 8.12に従って測定した。
<皮革様シートの厚さ>JIS K 6328 5.3.3に従って測定した。
<皮革様シートの目付>JIS K 6328 5.3.4に従って測定した。
<皮革様シートの破断伸度>JIS K 6328 5.3.5に従って測定した。
<風合い>皮革様シートの風合いを試験者3人が手触りで官能評価し、以下の3段階に評価した。
3級:柔らかくヌメリ感のある風合いを呈し、握りこんだ際の張り・反発感が少なく、ソフト感に優れる。
2級:ややソフト感に欠ける。
1級:張り・反発感が強く、ソフトではない。
[実施例1]
島成分としてポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1200ポイズ)、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸6モル%と数平均分子量4000のポリエチレングリコール6重量%を共重合したポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1750ポイズ)を用い(溶解速度比(海/島)=230)、海:島=30:70、島数=836の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で溶融紡糸して一旦巻き取った。
得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延伸倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットして巻き取った。得られた海島型複合繊維マルチフィラメント(フィラメント糸A用糸条、延伸糸)は55dtex/10filであり、透過型電子顕微鏡TEMによる繊維横断面を観察したところ、島の形状は丸形状でかつ島の径は700nmであった。
次いで、該海島型複合繊維マルチフィラメントと、2.2倍にドラフトした市販のポリウレタン弾性糸22dtex/1fil(旭化成せんい(株)製、ロイカ)とを引きそろえて、ハーフ組織(バック:10/12、ミドル:23/10、フロント:10/23による編方)によりハーフ組織の経編生機を得た。次いで、該編物を50℃にて湿熱処理した後、海島型複合延伸糸の海成分を除去するために、2.5%NaOH水溶液で、55℃にて30%減量(アルカリ減量)した。その後、常法の染色仕上げ加工、湿熱加工、乾熱加工を行った。
得られた編物を走査型電子顕微鏡SEMで編物表面および断面を観察したところ、海成分は完全に溶解除去されており、編物に均一性に優れた超極細繊維(単繊維径が700nmのフィラメント糸A)が含まれていることを確認した。得られた編物において、厚さは0.44mm、目付は148g/m、破断伸度は経方向250%、緯方向285%であった。
次いで、得られた編物を6重量%のポリウレタン(大日本インキ化学工業(株)製;クリスボンTF50P)−DMF溶液に浸漬させた後、繊維集合体表面の余分な溶液をかきとり、基体の厚さの90%で絞った後、基体の圧縮が回復する前に、編物のバック組織面側に20重量%のポリウレタン(大日本インキ化学工業(株)製;クリスボンTF50P)−DMF溶液を450g/mの目付でコーティングし、次いで水中に浸漬してポリウレタンを凝固させ、DMFを十分に洗浄除去した後、120℃で乾燥してポリウレタン多孔質層の形成された皮革様シートを得た。
かくして得られた皮革様シートにおいて、厚さは0.50mm、目付は240g/m、破断伸度は経方向175%、緯方向214%であり、風合いはソフト(3級)であり、ソフトな風合いを有し、かつストレッチ性および軽量性に優れるものであった。また、フィラメント糸Aの単繊維径は700nm、ポリウレタン弾性糸の単繊維径は45μmであった。
次いで、該皮革様シートを用いて衣料を得て着用したところ、ソフトな風合い(3級)を有し、かつストレッチ性に優れるものであった。
[実施例2]
実施例1と同様にフィラメント糸A用糸条として海島型複合繊維マルチフィラメント56dtex/10filを得た。
次いで、28ゲージの通常の経編機を使用して、前述の海島型複合繊維マルチフィラメントをフロント筬とミドル筬に用い、ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント(33dtex/12fil、単繊維径16.1μm)をバック筬に用い、サテン組織(バック:10/21、ミドル:10/34、フロント:10/34による編方)によりサテン組織の経編生機を得た。
その後、該編物を実施例1と同様の方法で、湿熱処理、アルカリ減量加工、湿熱加工、乾熱加工を行った。この際のアルカリ減量率は25%であった。
得られた編物を走査型電子顕微鏡SEMで編物表面および経断面を観察したところ、海成分は完全に溶解除去されており、編物に均一性に優れた超極細繊維(単繊維径が700nmのフィラメント糸A)が含まれていることを確認した。得られた編物において、厚さは0.53mm、目付は233g/m、破断伸度は経方向81%、緯方向97%であった。
次いで、得られた編物を6重量%のポリウレタン(大日本インキ化学工業(株)製;クリスボンTF50P)−DMF溶液に浸漬させた後、繊維集合体表面の余分な溶液をかきとり、基体の厚さの90%で絞った後、基体の圧縮が回復する前に、編物のバック組織面側に20重量%のポリウレタン(大日本インキ化学工業(株)製;クリスボンTF50P)−DMF溶液を450g/mの目付でコーティングし、次いで水中に浸漬してポリウレタンを凝固させ、DMFを十分に洗浄除去した後、120℃で乾燥してポリウレタン多孔質層の形成された皮革様シートを得た。
かくして得られた皮革様シートにおいて、厚さは0.58mm、目付は328g/m、破断伸度は経方向65%、緯方向73%であり、風合いはソフト(3級)であり、ソフトな風合い(3級)を有し、かつストレッチ性および軽量性に優れるものであった。また、フィラメント糸Aの単繊維径は700nm、ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントの単繊維径は16.1μmであった。
[比較例1]
実施例1において、海島型複合繊維マルチフィラメントにかえて、ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントに通常の仮撚捲縮加工を施した仮撚捲縮加工糸90dtex/288fil(帝人ファイバー(株)製、単繊維径5.4μm)を用いて、2.2倍にドラフトした市販のポリウレタン弾性糸22dtex/1fil(旭化成せんい(株)製、ロイカ)とを引きそろえて、ハーフ組織(バック:10/12、ミドル:23/10、フロント:10/23による編方)によりハーフ組織の経編生機を得た。次いで、該織物生機に定法の湿熱加工、乾熱加工を行った。
得られた編物において、厚さは0.48mm、目付は165g/m、破断伸度は経方向264%、緯方向298%であった。
次いで、得られた編物を6重量%のポリウレタン(大日本インキ化学工業(株)製;クリスボンTF50P)−DMF溶液に浸漬させた後、繊維集合体表面の余分な溶液をかきとり、基体の厚さの90%で絞った後、基体の圧縮が回復する前に、編物のバック組織面側に20重量%のポリウレタン(大日本インキ化学工業(株)製;クリスボンTF50P)−DMF溶液を450g/mの目付でコーティングし、次いで水中に浸漬してポリウレタンを凝固させ、DMFを十分に洗浄除去した後、120℃で乾燥してポリウレタン多孔質層の形成された皮革様シートを得た。
かくして得られた皮革様シートにおいて、厚さは0.55mm、目付は260g/m、破断伸度は経方向185%、緯方向228%であったが、ソフト感は低く硬い風合い(1級)であった。また、ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸の単繊維径は5.4μmであり、ポリウレタン弾性糸の単繊維径は45μmであった。
[実施例3]
実施例1と同様にフィラメント糸A用糸条として海島型複合繊維マルチフィラメント56dtex/10filを得た。
次いで、該海島型複合繊維マルチフィラメントを3本引き揃え70回/m(S方向)にて撚糸し、28ゲージの通常の経編機を使用して、前述の海島型複合延伸糸の合撚糸をフロント筬に用い、ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント(56dtex/12fil、単繊維径20.9μm)をバック筬に用い、サテン組織(バック:10/21、フロント:10/45による編方)によりサテン組織の経編生機を得た。
その後、該編物を実施例1と同様の方法で、湿熱処理、アルカリ減量加工、湿熱加工、乾熱加工を行った。この際のアルカリ減量率は26%であった。
得られた編物を走査型電子顕微鏡SEMで編物表面および経断面を観察したところ、海成分は完全に溶解除去されており、編物に均一性に優れた超極細繊維(単繊維径が700nmのフィラメント糸A)が含まれていることを確認した。得られた編物において、厚さは0.70mm、目付は320g/m、破断伸度は経方向61%、緯方向77%であった。
次いで、得られた編物を6重量%のポリウレタン(大日本インキ化学工業(株)製;クリスボンTF50P)−DMF溶液に浸漬させた後、繊維集合体表面の余分な溶液をかきとり、基体の厚さの90%で絞った後、基体の圧縮が回復する前に、編物のバック組織面側に20重量%のポリウレタン(大日本インキ化学工業(株)製;クリスボンTF50P)−DMF溶液を450g/mの目付でコーティングし、次いで水中に浸漬してポリウレタンを凝固させ、DMFを十分に洗浄除去した後、120℃で乾燥してポリウレタン多孔質層の形成された皮革様シートを得た。
かくして得られた皮革様シートにおいて、厚さは0.82mm、目付は423g/m、破断伸度は経方向43%、緯方向56%であり、風合いは超極細繊維特有の柔らかくヌメリ感のある風合いはあったが、やや張り、反発感が強く、ややソフト感に欠ける(2級)ものであった。また、フィラメント糸Aの単繊維径は700nmであり、ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントの単繊維径は20.9μmであった。
本発明によれば、ソフトな風合いを有し、かつストレッチ性に優れた皮革様シートおよび衣料が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (8)

  1. 単繊維径が10〜1000nmであり、かつフィラメント数が1000本以上の長繊維からなるフィラメント糸Aを含む編物と、高分子弾性体とで構成され、厚さが0.50〜0.82mmの範囲内であることを特徴とする皮革様シート。
  2. 前記フィラメント糸Aがポリエステルからなる、請求項1に記載の皮革様シート。
  3. 前記フィラメント糸Aが、海成分と島成分とからなる海島型複合繊維の海成分を溶解除去して得られた糸条である、請求項1または請求項2に記載の皮革様シート。
  4. 前記編物に他糸条として弾性糸が含まれる、請求項1〜3のいずれかに記載の皮革様シート。
  5. 前記高分子弾性体がポリウレタンである、請求項1〜4のいずれかに記載の皮革様シート。
  6. シートの目付が50〜400g/m の範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載の皮革様シート。
  7. シートのタテ方向またはヨコ方向の破断伸度が60%以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の皮革様シート。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の皮革様シートを用いてなる衣料。
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