JP5544933B2 - 樹脂組成物および成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物および成形体に関する。
従来、電気製品や電子・電気機器の部品には、ポリスチレン、ポリスチレン−ABS樹脂共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール等の高分子材料が、耐熱性、機械強度、特に、電子・電気機器の部品の場合には、環境変動に対する機械強度の維持性に優れることから用いられてきた。
例えば、特許文献1には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂と、熱可塑性ポリエステルエラストマー、重合性不飽和基を有するポリオルガノシロキサンと共重合性ビニル系単量体との共重合体、ホスファゼン化合物、及び、エポキシ化合物を含む耐熱性樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、エチレン・酢酸ビニル共重合体と、ポリ塩化ビニルとから成る塩化ビニル系共重合体に、亜鉛化合物、及び酢酸補足剤を添加した、塩化ビニル系共重合体組成物が記載されている。
近年では、環境問題の観点から、上述の高分子材料に代えて、植物由来の材料であり、CO2排出量が少なく、枯渇資源である石油の使用量が少なく、環境負荷が少ないポリ乳酸系樹脂材料を用いる検討がなされている。
例えば、特許文献3には、乳酸系樹脂と、乳酸系樹脂に対して可塑化効果を有する難燃剤としてホスファゼン系化合物と、ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート/グルコール共重合体、ポリエチレンアジペート/テレフタレート)とを配合して成る樹脂組成物が記載されている。
また、ポリ乳酸に難燃性を付与するには、従来、リン系や無機水酸化物系などの難燃剤を付与する技術が知られている。
特開2005−281465号公報 特開2006−152112号公報 特開2007−308660号公報
本発明の課題は、本構成を有しない場合に比べ、成形体にしたとき、耐湿熱性を維持しつつ耐衝撃性が向上する樹脂組成物を提供することにある。
本発明の樹脂組成物および成形体は、以下の特徴を有する。
(1)少なくとも(A)ポリ乳酸と(B)ポリ乳酸100部に対して5部以上100部以下であるホスファゼン化合物と、(C)ポリ乳酸100部に対して0.1部以上20部以下であるゴム及び/又は熱可塑性エラストマーと、を含み、前記(C)ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーは、コアシェル型のゴムである樹脂組成物である。
(2)更に、ポリ乳酸100部に対して0.1部以上10部以下である多官能性化合物を含む上記(1)に記載の樹脂組成物である。
(3)少なくとも(A)ポリ乳酸と(B)ポリ乳酸100部に対して5部以上100部以下であるホスファゼン化合物と、(C)ポリ乳酸100部に対して0.1部以上20部以下であるゴム及び/又は熱可塑性エラストマーと、を含み、前記(C)ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーは、コアシェル型のゴムである樹脂成形体である。
(4)更に、ポリ乳酸100部に対して0.1部以上10部以下である多官能性化合物を含む上記(3)に記載の樹脂成形体である。
請求項1に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、成形体にしたとき、耐湿熱性を維持しつつ、耐衝撃性が向上する。
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、より耐湿熱性が向上する。
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、耐湿熱性を維持しつつ、耐衝撃性に優れる成形体が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、より耐湿熱性が優れる成形体が提供される。
以下、本発明における樹脂組成物および成形体の実施の形態を説明する。なお、本実施形態は本発明を実施するための一例であり、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
[樹脂組成物]
本実施の形態における樹脂組成物は、少なくとも(A)ポリ乳酸と(B)ホスファゼン化合物と、(C)ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーと、を含む。
一般的に、乳酸系樹脂と、ホスファゼン系化合物と、熱可塑性樹脂とを配合して成る樹脂組成物の場合には、加水分解の影響により耐湿熱性が悪化する傾向がある。また、ポリ乳酸にリン系や無機水酸化物系の難燃剤を付与した場合には、耐湿熱性と耐衝撃性が悪化する傾向がある。
本実施の形態の樹脂組成物は、ポリ乳酸の加水分解性の改善を検討した結果達成されたものであり、ポリ乳酸を主原料とする樹脂材料において、従来技術では難しかった、耐湿熱性を維持しつつ、高い耐衝撃性を実現した。この理由は定かではないが、ホスファゼン化合物が、ポリ乳酸とゴム及び/又は熱可塑性エラストマーとのバインダーとなり、ポリ乳酸とゴム及び/又は熱可塑性エラストマーとの界面での剥離が少なくなったからであると考えられる。
<ポリ乳酸>
ポリ乳酸は、植物由来であり、環境負荷の低減、具体的にはCO2の排出量削減、石油使用量の削減効果がある。ポリ乳酸としては、乳酸の縮合体であれば、特に限定されるものではなく、ポリ−L−乳酸(以下「PLLA」ともいう)であっても、ポリ−D−乳酸(以下「PDLA」ともいう)であっても、それらが共重合やブレンドにより交じり合ったものでもよく、さらに、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とを混合したものであり、これらのらせん構造がうまく噛み合った耐熱性の高い、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸(以下「SC−PLA」ともいう)であってもよい。また、ポリ乳酸は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、ユニチカ(株)製の「テラマックTE4000」、「テラマックTE2000」、「テラマックTE7000」、三井化学(株)製の「レイシアH100」等が挙げられる。また、ポリ乳酸は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。なお、本実施形態において、ポリ乳酸は樹脂組成物の主成分として含まれる。ここで「主成分」とは、樹脂組成物全量に対して50質量%を超えることを意味する。
ポリ乳酸の分子量は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、ポリ乳酸の重量平均分子量は、8,000以上、200,000以下であり、15,000以上、120,000以下が好ましい。ポリ乳酸の重量平均分子量が8,000未満の場合、樹脂組成物の燃焼速度が速くなり、低温での機械的強度が低下する傾向があり、一方、ポリ乳酸の重量平均分子量が200,000を越える場合には、柔軟性が低下し、樹脂組成物のドリップ自消性が低下し、いずれの場合も難燃性が低下する傾向にある。なお、「ドリップ自消性」とは、樹脂組成物が熱によりたれて消失することを意味する。
樹脂組成物中におけるポリ乳酸の重量平均分子量は、樹脂組成物を液体窒素雰囲気下で冷却してその表面から測定用試料を削り取り、測定用試料を重水素化クロロホルムに0.1質量%の濃度で溶解させ、ゲルパーミッションクロマトグラフにて、分離されたポリ乳酸について測定した重量平均分子量を意味する。また、測定には、ゲルパーミッションクロマトグラフとして、東ソー社製「HLC−8220GPC」が用いられる。
<ホスファゼン化合物>
本実施の形態に用いられるホスファゼン化合物は、分子中に「−P=N−結合」を有する有機化合物で、好ましくは、環状フェノキシホスファゼン、鎖状フェノキシホスファゼン、フェノキシホスファゼンが用いられる。中でも耐湿熱の観点から、環状フェノキシホスファゼンが好ましい。環状フェノキシホスファゼンとしては、商業的に入手可能なものとして、例えば、「FP−100」、「FP−110」、「FP−200」(伏見製薬工業所製、商品名)、「SP−100」、「SP−100H」(大塚化学社製、商品名)等が挙げられる。
本実施の形態の樹脂組成物におけるホスファゼン化合物の含有量は、ポリ乳酸100部に対して5部以上、100部以下であり、好ましくは10部以上、50部以下である。ポリ乳酸100部に対するホスファゼン化合物の含有量が5部未満では、耐衝撃性が劣り、ポリ乳酸100部に対するホスファゼン化合物の含有量が100部を超えると、染み出し(ブリードアウト)により成型性が悪くなる。
<ゴム、熱可塑性エラストマー>
本実施の形態に用いられるゴム及び/又は熱可塑性エラストマーとしては、シリコーン・アクリル複合ゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、天然ゴム等が挙げられる。中でもコアシェル型のゴムは、コアとシェルから構成される二重構造を有しており、コア部分は軟質なゴム状態であって、その表面のシェル部分は硬質な樹脂状態であり、ゴム自体としては粉末(粒子)状態である弾性体である。このコアシェル型のゴムは、例えばポリ乳酸樹脂と溶融混練した後も、その粒子状態は大部分が元の形態を保っている。配合されたゴムの大部分が元の形態を保っているので、ポリ乳酸樹脂組成物中への分散性がよく、表層での剥離などが起こりにくい。
コアシェル型のゴムとしては、商業的に入手可能なものとして、たとえば、「メタブレンSX−005」、「メタブレンSRK200」、「メタブレンW600A」、「メタブレンC−223A」(三菱レイヨン社製、商品名)、「MR−01」、「MR−02」(カネカ社製、商品名)、「パラロイドEXL−2603」(呉羽化学工業社製、商品名)、「ハイブレンB621」(日本ゼオン社製、商品名)、「パラロイドKM330」(ローム&ハース社製、商品名)等が挙げられる。
例えば、三菱レイヨン(株)製の「メタブレンSX−005」、「メタブレンSRK200」、「メタブレンS−2001」、「メタブレンC−223A」は、粒子状のゴムの外部にグラフト層を持ったコアシェル構造であって、「メタブレンSRK200」、「メタブレンS−2001」は、コアがブラジエン系ゴムで、グラフト層がポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ABS樹脂(ABS)、アクリル樹脂(MMA)からなり、「メタブレンSX−005」は、上記同様のコアで、更にグラフト層にポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)を含む。また、「メタブレンC−223A」はコアがシリコーン・アクリル複合ゴムで、グラフト層がPC,PBT,PA,PS,PVCである。
本実施の形態の樹脂組成物におけるゴム及び/又は熱可塑性エラストマーの含有量は、ポリ乳酸100部に対して0.1部以上、20部以下であり、好ましくは1部以上、10部以下である。ポリ乳酸100部に対するゴム及び/又は熱可塑性エラストマーの含有量が0.1部未満では、耐衝撃性が劣り、ポリ乳酸100部に対するゴム及び/又は熱可塑性エラストマーの含有量が20部を越えると、耐熱性、難燃性が劣化する。
<多官能性化合物>
本実施の形態に用いられる多官能化合物は、ポリ乳酸の末端基(例えば、カルボキシル基、水酸基等)と反応する官能基を2つ以上持つ化合物である。
ポリ乳酸の末端基と反応する官能基を持つ多官能化合物としては、例えば、カルボジイミド化合物、ジカルボン酸化合物、ジオール化合物、ヒドロキシカルボン酸化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。カルボジイミド化合物としては、例えば、脂肪族モノカルボジイミド、脂肪族ジカルボジイミド、芳香族モノカルボジイミド、芳香族ジカルボジイミド等が挙げられる。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸化合物としては、例えば、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、6−ヒドロキシヘキサン酸等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ、ノボラック型エポキシ等が挙げられる。
これらの中でも、多官能化合物としては、2官能化合物(2つの官能基を持つ多官能化合物)、特に、2官能のカルボジイミド化合物が好ましい。
多官能化合物は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上述したカルボジイミド化合物は、ポリ乳酸の末端基(例えばカルボキシル基、水酸基等)と反応する官能基を2つ以上持つ化合物であり、分子中に「−N=C=N−」で表されるカルボジイミド基を有する化合物である。カルボジイミド化合物としては、例えば、脂肪族モノカルボジイミド、脂肪族ジカルボジイミド、芳香族モノカルボジイミド、芳香族ジカルボジイミド等が挙げられる。これらの中でも、2官能化合物(2つの官能基を持つ多官能化合物)、特に、2官能のカルボジイミド化合物が好ましい。カルボジイミド化合物は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。例えば、日清紡ケミカル(株)社製「カルボジライト」(商品名)などが挙げられる。
本実施の形態の樹脂組成物における多官能性化合物の含有量(2種以上併用する場合には総含有量)は、ポリ乳酸100部に対して0.1部以上、10部以下であり、好ましくは1部以上、5部以下である。ポリ乳酸100部に対する多官能性化合物の含有量が0.1部未満では、耐湿熱性が劣り、ポリ乳酸100部に対する多官能性化合物の含有量が10部を越えると、混練性が劣る。
<その他成分>
本実施の形態における樹脂組成物は、その他、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤や充填剤を含有してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、アミン系、リン系、イオウ系、ヒドロキノン系、キノリン系酸化防止剤等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、ポリアミド、ポリ−β−アラニン共重合体、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、メラミン、シアノグアニジン、メラミン−ホルムアルデヒド縮合体等の塩基性窒素含有化合物等の窒素含有化合物;有機カルボン酸金属塩(ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム等)、金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム等)、金属水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等)、金属炭酸塩等のアルカリまたはアルカリ土類金属含有化合物;ゼオライト;ハイドロタルサイト等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、サリチレート系、シュウ酸アニリド系等が挙げられる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、耐衝撃性が損なわれない範囲で、その他難燃剤を含有してもよい。その他難燃剤としては、シリコーン系難燃剤、窒素系難燃剤、無機水酸化物系難燃剤等が挙げられる。その他難燃剤は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
その他難燃剤としては、合成したものを用いてもよいし市販品を用いてもよい。リン系難燃剤の市販品としては、大八化学製の「PX−200」、「X−202」、ブーテンハイム製の「TERRAJU C80」、クラリアント製の「EXOLIT AP422」、「EXOLIT OP930」等が挙げられる。シリコーン系難燃剤の市販品としては、東レダウシリコーン製の「DC4−7081」等が挙げられる。窒素系難燃剤の市販品としては、三和ケミカル製の「アピノン901」、下関三井化学製の「ピロリンサンメラミン」、ADEKA製の「FP2100」等が挙げられる。無機水酸化物系難燃剤の市販品としては、堺化学工業製「MGZ300」、日本軽金属製「B103ST」等が挙げられる。
また、充填剤としては、例えば、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土などのクレイ、タルク、マイカ、モンモリナイト等が挙げられる。また、その他充填剤としては、メラミン含有粒子、フォスフェート粒子、酸化チタン等も挙げられる。その他充填剤は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。また、ポリ乳酸に予めクレイが添加された、例えば、ユニチカ(株)社製の「テラマックTE7000」を適用してもよい。
また、本実施の形態における樹脂組成物は、離型剤、耐候剤、耐光剤、着色剤等を含有してもよい。
<樹脂組成物の製法>
本実施の形態における樹脂組成物は、(A)ポリ乳酸と(B)ホスファゼン化合物と、(C)ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーと、必要に応じて(D)多官能性化合物と、更に必要に応じてその他成分とを、混練して作製される。
前記混練は、例えば、2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)、簡易ニーダー(東洋精機製、ラボプラストミル)等の公知の混練装置を用いて行う。ここで、混練の温度条件(シリンダ温度条件)としては、ポリ乳酸の分解温度未満であることが好ましく、150℃以上、220℃以下が好ましく、160℃以上、200℃以下がより好ましい。
[成形体]
本実施の形態における成形体は、上述した本実施の形態における樹脂組成物を成形することにより得ることができる。例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形などの成形方法により成形して、本実施形態に係る成形体が得られる。本実施形態においては、成形体における成分の分散性の理由から、本実施形態の樹脂組成物を射出成形して得られたものであることが好ましい。
前記射出成形は、例えば、日精樹脂工業製「NEX150」、日精樹脂工業製「NEX70000」、東芝機械製「SE50D」等の市販の装置を用いて行う。この際、シリンダ温度としては、ポリ乳酸の分解抑制などの観点から、160℃以上、240℃以下とすることが好ましく、170℃以上、210℃以下とすることがより好ましい。また、金型温度としては、生産性の観点から、30℃以上、120℃以下とすることが好ましく、30℃以上、60℃以下とすることがより好ましい。
<電子・電気機器の部品>
前述の本実施の形態における成形体は、機械的強度(耐衝撃性)、耐湿熱性及び難燃性に優れたものになり得るため、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いることができる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。電子・電気機器の部品は、複雑な形状を有しているものが多く、また重量物であるので高い耐衝撃強度及び面衝撃強度が要求されるが、本実施形態の樹脂成形体によれば、このような要求特性を十分満足させることができる。
以下実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1から実施例13:
表1に示す実施例1から実施例13に示す組成を、2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)にて、シリンダ温度190℃で混練し、樹脂組成物ペレットを得た。得られたペレットを射出成形機(日精樹脂工業製、NEX150)にて、シリンダ温度190℃、金型温度100℃で、ISO多目的ダンベル試験片(ISO527引張試験、ISO178曲げ試験に対応)(試験部厚さ4mm、幅10mm)を成形した。
また、表1に示す各成分の略称について、表2に商品名、メーカー名を示す。なお、表2のB6は、以下の方法で合成される。
合成例(鎖状ホスファゼン化合物(B6)の合成)
還流冷却器、温度計及び撹拌機を備えた3リットルのフラスコにp−メトキシフェノール441g(3.55モル)を量り取り、THF(1.5リットル)を加えて均一になるまで撹拌した。そこへ金属ナトリウム74g(3.2グラム原子)を50℃以下で投入し、投入終了後1時間かけて60℃まで昇温し、その後60℃〜68℃で4時間撹拌して、p−メトキシフェノールナトリウム塩のTHF溶液を得た。
また、上記と同様の3リットルのフラスコに、フェノール401g(4.26モル)を量り取り、THF(1.5リットル)を加えて溶解した。そこへ金属ナトリウム89g(3.9グラム原子)を50℃以下で投入し、投入終了後1時間かけて60℃まで昇温し、その後60℃〜68℃で4時間撹拌して、ナトリウムフェノラートのTHF溶液を得た。
別途、10リットルのフラスコに、合成例1のジクロロホスファゼンポリマー75g(0.65モル)をTHF(750ml)に溶解した溶液及び鎖状成分が豊富なジクロロホスファゼンオリゴマーのクロロベンゼン溶液475g(濃度63%、3量体:36%、4量体:3%、5量体及び6量体:24%、7量体:7%及び8量体以上:30%)(2.58モル)を量り取り、更に30℃以下に保ちながら上記のp−メトキシフェノールナトリウム塩のTHF溶液をゆっくりと滴下し、滴下後30℃以下で1時間、更に昇温して溶媒還流下(70℃)で3時間撹拌した。この反応液を一旦冷却し、30℃以下に保ちながら上記のナトリウムフェノラートのTHF溶液をゆっくりと滴下し、滴下後30℃以下で1時間、更に昇温して溶媒還流下(70℃)で10時間撹拌した。
反応終了後、濾過、濃縮を行い、クロロベンゼン5リットルに再溶解し、5%水酸化ナトリウム水溶液で3回、5%塩酸で1回洗浄し、7%重曹水を用いて中和後、水洗を2回行った。その後、クロロベンゼンを減圧下留去し、褐色油状物782gを得た。
1H−NMR及び31P−NMRの測定、CHN元素分析並びにリン含有率測定の結果から、該褐色油状物が式 :[N=P(OPh)0.98(OC64−p−OCH31.02] n(3量体:29%、4量体:2%、5量体及び6量体:19%、7量体:6%及び8量体以上:44%の混合物。8量体以上のうち46%は重量平均分子量約10,000の鎖状ジクロロホスファゼンポリマー)で表されるメトキシ基を有するホスファゼン化合物であることを確認した。収率92.5%。
<測定・評価>
得られた試験片を用いて、下記各測定・評価を行った。表1に結果を示す。
(耐衝撃性の試験方法)
ISO多目的ダンベル試験片をノッチ加工したものを用い、JIS K7111に準拠して、デジタル衝撃試験機(東洋精機製、DG−5)により、持ち上げ角度150度、使用ハンマー2.0J、測定数n=10の条件で、MD方向にシャルピー耐衝撃強度を測定した。シャルピー耐衝撃強度は、数値が大きい程、耐衝撃性に優れていることを示す。なお、表中、シャルピー耐衝撃試験の欄の「N.B.」は試験片が割れなかったこと(Not Break)を意味する。
(耐湿熱性の試験方法)
ISO多目的ダンベル試験片をノッチ加工したものを、60℃85%湿度条件下に放置し、各時間毎に、シャルピー耐衝撃強度を測定した。
◎:500時間後のシャルピー耐衝撃強度が10kJ/m2以上
○:500時間後のシャルピー耐衝撃強度が5kJ/m2以上、10kJ/m2未満
△:500時間後のシャルピー耐衝撃強度が1kJ/m2以上、5kJ/m2未満
×:500時間後のシャルピー耐衝撃強度が1kJ/m2未満
(難燃性の試験方法)
UL−94におけるVテスト用UL試験片(厚さ1.6mm)を用い、UL−94の方法で、UL−Vテストを実施した。
UL−Vテストの結果は、V−0が最も難燃性が高く、V−1がV−0についで、難燃性が高く、V−2がV−1に次いで難燃性が高いことを示す。notVは、V−2よりも難燃性に劣ることを示す。
比較例1,2,3:
表1に示す比較例1,2,3に示す組成を、実施例と同様に樹脂組成物ペレットを得て、射出成形、特性評価を実施した。結果を表2に示す。
Figure 0005544933
Figure 0005544933
本発明の活用例として、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの樹脂成形体への適用がある。

Claims (4)

  1. 少なくとも(A)ポリ乳酸と(B)ポリ乳酸100部に対して5部以上100部以下であるホスファゼン化合物と、(C)ポリ乳酸100部に対して0.1部以上20部以下であるゴム及び/又は熱可塑性エラストマーと、を含み、
    前記(C)ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーは、コアシェル型のゴムであることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 更に、ポリ乳酸100部に対して0.1部以上10部以下である多官能性化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 少なくとも(A)ポリ乳酸と(B)ポリ乳酸100部に対して5部以上100部以下であるホスファゼン化合物と、(C)ポリ乳酸100部に対して0.1部以上20部以下であるゴム及び/又は熱可塑性エラストマーと、を含み、
    前記(C)ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーは、コアシェル型のゴムであることを特徴とする樹脂成形体。
  4. 更に、ポリ乳酸100部に対して0.1部以上10部以下である多官能性化合物を含むことを特徴とする請求項3に記載の樹脂成形体。
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