JP5540497B2 - 環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機極性溶媒中で少なくともスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させて得られた反応混合物から、純度の高い環式ポリアリーレンスルフィドを簡便な方法で回収する方法に関するものである。
芳香族環式化合物はその環状であることから生じる特性に基づく高機能材料や機能材料への応用展開可能性、たとえば包接能を有する化合物としての特性や、開環重合による高分子量直鎖状化合物の合成のための有効なモノマーとしての活用など、その構造に由来する特異性で近年注目を集めている。環式ポリアリーレンスルフィド(以下、ポリアリーレンスルフィドをPASと略する場合もある)も芳香族環式化合物の範疇に属し、上記同様に注目に値する化合物である。
環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法としては、たとえばジハロゲン化芳香族化合物としてp−ジクロロベンゼンと、アルカリ金属硫化物として硫化ナトリウムを有機極性溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン中で反応させ、ついで加熱減圧下で溶媒を除去後、水で洗浄することで得られたポリフェニレンスルフィドを、塩化メチレンで抽出して得られた抽出液の飽和溶液部分から回収する方法が開示されている(たとえば特許文献1参照。)。しかしながら、該方法では、ポリフェニレンスルフィドを重合する工程、ポリフェニレンスルフィドを回収する工程、ポリフェニレンスルフィドを精製する工程、さらに、得られたポリフェニレンスルフィドから環式ポリフェニレンスルフィドを抽出する工程が必須の非常に煩雑な方法を必要とする。さらに、この方法では抽出液の飽和溶液部分から環式ポリフェニレンスルフィドオリゴマーを回収しているため、得られる環式ポリフェニレンスルフィドは繰り返し単位数7〜15に限定されたものであり、繰り返し単位数7未満の成分は回収することができず、また、環式ポリフェニレンスルフィドが極微量しか得られないという問題があった。
環式ポリアリーレンスルフィドとして繰り返し単位数7未満のものを得る方法としては、架橋タイプのポリフェニレンスルフィド樹脂をクロロホルムで抽出して得られた抽出液を冷却することで、高純度のシクロヘキサ(p−フェニレンスルフィド)を得る方法が開示されている(たとえば特許文献2参照。)。この方法も上記特許同様に、高純度のシクロヘキサ(p−フェニレンスルフィド)を得るためには、ポリフェニレンスルフィドを重合する工程、ポリフェニレンスルフィドを回収する工程、ポリフェニレンスルフィドを精製する工程、さらに得られたポリフェニレンスルフィドから環式ポリフェニレンスルフィドを抽出する工程が必須となる。また、この方法では、抽出液を冷却することで繰り返し単位数6の環式ポリアリーレンスルフィドが単結晶として得られると推測され、繰り返し単位数が6以外の成分は回収することができないため、得られる環式ポリアリーレンスルフィドは極微量であるという問題があった。
有機極性溶媒中でスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を反応させて得られた反応混合物から、固液分離によりポリフェニレンスルフィドオリゴマーを得る方法としては、p−ジクロロベンゼンに代表されるポリハロゲン化芳香族化合物、硫化ナトリウムに代表されるアルカリ金属硫化物を、N−メチル−2−ピロリドンに代表される有機極性溶媒中で反応させ、ポリフェニレンスルフィド樹脂を重合後、反応液を220℃以下に冷却して得られた、少なくとも顆粒状のポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンスルフィオリゴマーを含む反応液から顆粒状のポリフェニレンスルフィド樹脂を取り除き、ポリフェニレンスルフィドオリゴマーを含む回収スラリーを得て、ついで加熱減圧下で溶媒を除去後、水で洗浄することにより回収する方法が開示されている(たとえば特許文献3参照。)。該方法における固液分離では、顆粒状のポリフェニレンスルフィドを取り除くことを目的としており、用いている濾材の孔径は10メッシュ(目開き1.651mm)〜200メッシュ(目開き0.074mm)の範囲内と非常に大きく、固液分離操作により分離された液体成分も完全な溶液状態ではなく、スラリー状態で回収していると記載されている。該特許文献には、環式ポリアリーレンスルフィドについては何ら言及されていないが、前述の理由より、固液分離により回収されたこのスラリーには、多くの線状ポリフェニレンスルフィドが含まれており、スラリーから回収したポリフェニレンスルフィド混合物中の環式ポリフェニレンスルフィドの量は非常に少ないことが予想できる。
また、前述の特許文献と類似の固液分離による方法で回収したポリアリーレンスルフィド混合物から、純度の高い環式ポリアリーレンスルフィドを得る方法としては、少なくとも線状のポリアリーレンスルフィドと環式ポリアリーレンスルフィドを含むポリアリーレンスルフィド混合物を、環式ポリアリーレンスルフィドを溶解可能な溶剤と接触させて環式ポリアリーレンスルフィドを含む溶液を調製し、次いで該溶液から環式ポリアリーレンスルフィドを得る方法が開示されている(たとえば特許文献4参照。)。該方法では、確かに純度の高い環式ポリアリーレンスルフィドを得られるものの、純度の高い環式ポリアリーレンスルフィドを得るためには、ポリアリーレンスルフィドを重合する工程、ポリアリーレンスルフィド混合物を回収する工程、ポリアリーレンスルフィド混合物を精製する工程、さらにポリアリーレンスルフィド混合物から環式ポリアリーレンスルフィドを抽出する工程が必須となり、非常に煩雑であると言える。
環式ポリアリーレンスルフィドの別の製造方法としては、たとえばジアリールジスルフィド化合物を超希釈条件下で酸化重合する方法が提案されている(たとえば特許文献5参照。)。この方法では環式ポリアリーレンスルフィドが高選択で生成し、線状ポリアリーレンスルフィドはごく少量しか生成しないと推測され、確かに環式ポリアリーレンスルフィドが高収率で得られると考えられる。しかしながら、この方法では超希釈条件で反応を行うことが必須とされており、反応容器単位容積あたりに得られる環式ポリアリーレンスルフィドはごくわずかであり、効率的に環式ポリアリーレンスルフィドを得るとの観点では課題の多い方法であった。また、該方法では、重合が終了した反応液から環状ポリアリーレンスルフィド混合物を回収する方法として、塩酸酸性メタノール溶液に滴下し、析出した固体成分を回収、得られた固体成分を水酸化カリウム水溶液で洗浄後、さらにメタノールで数回洗浄を行うという方法を行なっている。この方法をプロセス的に充分に経済的なものにするためには、重合溶媒であるジクロロメタンとメタノールの両方を回収する必要がある。しかしながら、沸点が40℃のジクロロメタンを沸点が65℃のメタノールから、安価な方法で、定量的に、しかも純粋な形態で回収するのは困難であることは容易に想像できる。
特開平05−163349号公報 特開平10−077408号公報 特開2007−002172号公報 特開2007−231255号公報 特開平11−012359号公報
本発明は、上記従来技術の課題を解決し、純度の高い環式ポリアリーレンスルフィドを簡便な方法で回収する方法を提供することを課題とする。
本発明はかかる課題を解決するために、次の手段を採用するものである。
すなわち、本発明は、
(1)有機極性溶媒中で少なくともスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させて得られる少なくとも線状ポリアリーレンスルフィドと環式ポリアリーレンスルフィドを含む反応混合物から環式ポリアリーレンスルフィドを回収する方法であって、細孔直径が1μm〜10μmである濾材を用いて、反応混合物を有機極性溶媒の常圧における沸点以下の温度領域で固液分離することにより得られた濾液から有機極性溶媒を除去することを特徴とする環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法。
(2)純度70重量%以上の環式ポリアリーレンスルフィドを回収することを特徴とする(1)記載の環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法。
(3)固液分離を150℃未満の温度領域で行なうことを特徴とする(1)から(2)のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法。
(4)有機極性溶媒中で少なくともスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させる際に、スルフィド化剤のイオウ原子1モル対して有機極性溶媒を10リットル以下用いることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法。
(5)有機極性溶媒が有機アミド溶媒であることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法。
(6)固液分離を不活性ガス雰囲気下で行なうことを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法である。
本発明によれば、純度の高い環式ポリアリーレンスルフィドの簡便な回収方法を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)環式ポリアリーレンスルフィド
本発明における環式ポリアリーレンスルフィドとは、式、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする環式化合物であり、好ましくは当該繰り返し単位を80モル%以上含有する下記一般式(A)のごとき化合物である。
Figure 0005540497
ここでArとしては下記式(B)〜式(M)などで表される単位を例示できるが、このなかでも式(B)〜式(K)が好ましく、式(B)及び式(C)がより好ましく、式(B)が特に好ましい。
Figure 0005540497
Figure 0005540497
Figure 0005540497
なお、環式ポリアリーレンスルフィドにおいては前記式(B)〜式(M)などの繰り返し単位をランダムに含んでも良いし、ブロックで含んでも良く、それらの混合物のいずれかであってもよい。これらの代表的なものとして、環式ポリフェニレンスルフィド、環式ポリフェニレンスルフィドスルホン、環式ポリフェニレンスルフィドケトン、これらが含まれる環式ランダム共重合体、環式ブロック共重合体及びそれらの混合物などが挙げられる。特に好ましい環式ポリアリーレンスルフィドとしては、主要構成単位としてp−フェニレンスルフィド単位
Figure 0005540497
を80モル%以上、特に90モル%以上含有する環式ポリフェニレンスルフィド(以下、環式PPSと略すこともある)が挙げられる。
環式ポリアリーレンスルフィドの前記(A)式中の繰り返し数mに特に制限はないが、2〜50が好ましく、2〜25がより好ましく、3〜20が更に好ましい範囲として例示できる。
また、環式ポリアリーレンスルフィドは、単一の繰り返し数を有する単独化合物、異なる繰り返し数を有する環式ポリアリーレンスルフィドの混合物のいずれでも良い。
(2)スルフィド化剤
本発明で用いるスルフィド化剤とは、ジハロゲン化芳香族化合物にスルフィド結合を導入できるものであれば良く、例えばアルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、および硫化水素が挙げられる。
アルカリ金属硫化物の具体例としては、例えば硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウムおよびこれら2種類以上の混合物を挙げることができ、なかでも硫化リチウムおよび/または硫化ナトリウムが好ましく、硫化ナトリウムがより好ましく用いられる。これらのアルカリ金属硫化物は、水和物または水性混合物として、あるいは無水物の形で用いることができる。なお、水性混合物とは水溶液、もしくは水溶液と固体成分の混合物、もしくは水と固体成分の混合物のことをさす。一般的に入手できる安価なアルカリ金属硫化物は水和物または水性混合物であるので、この様な形態のアルカリ金属硫化物を用いることが好ましい。
アルカリ金属水硫化物の具体例としては、例えば水硫化リチウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化ルビジウム、水硫化セシウムおよびこれら2種類以上の混合物を挙げることができ、なかでも水硫化リチウムおよび/または水硫化ナトリウムが好ましく、水硫化ナトリウムがより好ましく用いられる。
また、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物から、反応系中で調製されるアルカリ金属硫化物も用いることができる。また、あらかじめアルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物を接触させて調製したアルカリ金属硫化物も用いることができる。これらのアルカリ金属水硫化物およびアルカリ金属水酸化物は水和物または水性混合物として、あるいは無水物の形で用いることができ、水和物または水性混合物が入手のしやすさ、コストの観点から好ましい。
さらに、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物と硫化水素から反応系内で調製されるアルカリ金属硫化物も用いることができる。また、あらかじめ水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物と硫化水素を接触させて調製したアルカリ金属硫化物を用いることもできる。硫化水素は気体状態、液体状態、水溶液状態のいずれの形態で用いても差し障り無い。
本発明において、スルフィド化剤の量は、脱水操作などによりジハロゲン化芳香族化合物との反応開始前にスルフィド化剤の一部損失が生じる場合には、実際の仕込み量から当該損失分を差し引いた残存量を意味するものとする。
なお、スルフィド化剤と共に、アルカリ金属水酸化物および/またはアルカリ土類金属水酸化物を併用することも可能である。アルカリ金属水酸化物の具体例としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムおよびこれら2種類以上の混合物を好ましいものとして挙げることができ、アルカリ土類金属水酸化物の具体例としては、例えば水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどが挙げられ、なかでも水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。
スルフィド化剤として、アルカリ金属水硫化物を用いる場合には、アルカリ金属水酸化物を同時に使用することが特に好ましいが、この使用量はアルカリ金属水硫化物1モルに対し0.95モルから1.50モル、好ましくは1.00モルから1.25モル、更に好ましくは1.005から1.200モルの範囲が例示できる。スルフィド化剤として硫化水素を用いる場合にはアルカリ金属水酸化物を同時に使用することが特に好ましく、この場合のアルカリ金属水酸化物の使用量は硫化水素1モルに対し2.0〜3.0モル、好ましくは2.01モル〜2.50モル、更に好ましくは2.04〜2.40モルの範囲が例示できる。
(3)ジハロゲン化芳香族化合物
本発明で用いるジハロゲン化芳香族化合物としては、p−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、1−ブロモ−4−クロロベンゼン、1−ブロモ−3−クロロベンゼンなどのジハロゲン化ベンゼン、及び1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼン、1−メチル−2,5−ジクロロベンゼン、1,4−ジメチル−2,5−ジクロロベンゼン、1,3−ジメチル−2,5−ジクロロベンゼン、3,5−ジクロロ安息香酸などのハロゲン以外の置換基を含むジハロゲン化芳香族化合物などを挙げることができる。なかでも、p−ジクロロベンゼンに代表されるp−ジハロゲン化ベンゼンを主成分にするジハロゲン化芳香族化合物が好ましい。特に好ましくは、p−ジクロロベンゼンを80〜100モル%含むものであり、さらに好ましくは90〜100モル%含むものである。また、環式ポリアリーレンスルフィド共重合体を製造するために異なる2種以上のジハロゲン化芳香族化合物を組み合わせて用いることも可能である。
ジハロゲン化芳香族化合物の使用量は、スルフィド化剤のイオウ成分1モル当たり0.9〜2.0モルの範囲であることが好ましく、0.95〜1.5モルの範囲がより好ましく、1.005〜1.2モルの範囲が更に好ましい。
(4)有機極性溶媒
本発明で用いる有機極性溶媒は有機アミド溶媒が好ましい。具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン類、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどに代表されるアプロチック有機溶媒、及びこれらの混合物などが、反応の安定性が高いために好ましく使用される。これらのなかでもN−メチル−2−ピロリドンおよび/または1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましく、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましく用いられる。
本発明においてスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させる際に用いる有機極性溶媒の使用量は、特に制限はないが、より効率よく、また本発明の特徴である反応混合物を固液分離する方法でより高純度の環式ポリアリーレンスルフィドを製造するとの観点から、スルフィド化剤のイオウ原子1モルに対して0.1〜10リットルの範囲とすることが好ましく、0.13〜8リットルの範囲がより好ましく、0.15〜5リットルの範囲が更に好ましい。なお、ここでの溶媒使用量は常温常圧下における溶媒の体積を基準とする。有機極性溶媒の使用量を多くすると、反応に要する時間が長時間化する傾向にある。また、線状ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量も低くなる傾向にあるため、有機極性溶媒への溶解性などの化合物としての特性が環式ポリアリーレンスルフィドに近くなる傾向にあり、固液分離により純度の高い環式ポリアリーレンスルフィドを得にくくなる傾向にある。また、有機極性溶媒の使用量を上記範囲よりも少なくすると、有機極性溶媒中でスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を反応させて得られた反応混合物の粘度が高くなり、固液分離の効率が悪くなる傾向にある。環式ポリアリーレンスルフィドの純度、生産性を両立するとの観点で前記した有機極性溶媒の使用量範囲とすることが好ましい。ここで、反応混合物における有機極性溶媒の使用量とは、反応系内に導入した有機極性溶媒から、反応系外に除去された有機極性溶媒を差し引いた量である。
(5)環式ポリアリーレンスルフィドの製造方法
本発明において、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させる際の反応温度は、有機極性溶媒の種類、量によって多様化するため一意的に決めることはできないが、通常120〜350℃、好ましくは180〜320℃、より好ましくは220〜310℃、さらに好ましくは225〜300℃の範囲を例示できる。この好ましい温度範囲ではより高い反応速度が得られ、反応が均一で進行しやすい傾向にある。また、反応は一定温度で行なう1段反応、段階的に温度を上げていく多段反応、あるいは連続的に温度を変化させていく形式の反応のいずれでもかまわない。
また、反応時間は、使用した原料の種類や量あるいは反応温度に依存するので一概に規定できないが、0.1時間以上が好ましく、0.5時間以上がより好ましい。この好ましい時間以上とすることで、未反応の原料成分を十分に減少できるため、生成した環式ポリアリーレンスルフィドの回収がしやすくなる傾向にある。一方、反応時間に特に上限は無いが、40時間以内でも十分に反応が進行し、好ましくは10時間以内、より好ましくは6時間以内も採用できる。
本発明において、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させる際の圧力に特に制限はなく、また反応混合物を構成する原料およびその組成、反応温度等により変化するため一意的に規定することはできないが、好ましい圧力の下限としてゲージ圧で0.05MPa以上、より好ましくは0.3MPa以上が例示できる。なお、本発明の好ましい反応温度においては反応混合物の自圧による圧力上昇が発生するため、この様な反応温度における好ましい圧力の下限としてゲージ圧で0.25MPa以上、より好ましくは0.3MPa以上を例示できる。また好ましい圧力の上限としては10MPa以下、より好ましくは5MPa以下が例示できる。この様な好ましい圧力範囲では、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させるのに要する時間が短くできる傾向にある。また、スルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させる際に用いる有機極性溶媒の使用量を多くする場合、すなわち反応混合物における原料であるスルフィド化剤およびジハロゲン化芳香族化合物の濃度が低い条件において、前記好ましい圧力範囲で反応を行うことの効果が特に大きい傾向にあり、原料消費率をより向上できる傾向にある。この理由については現時点定かでないが、このような加熱条件下で揮発性を有するジハロゲン化芳香族化合物など原料はその一部が反応系内で気相に存在し、液相部の反応基質との反応が進行しにくくなる可能性があり、前記好ましい圧力範囲とすることでこのような原料の反応系内での揮発を抑制できるため、より効率よく反応が進行するようになると推測している。また、反応混合物を加熱する際の圧力を前記好ましい圧力範囲とするために、反応を開始する前や反応中など随意の段階で、好ましくは反応を開始する前に、後述する不活性ガスにより反応系内を加圧することも好ましい方法である。なお、ここでゲージ圧とは大気圧を基準とした相対圧力のことであり、絶対圧から大気圧を差し引いた圧力差と同意である。
本発明のスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させる方法においては、反応容器に有機極性溶媒、ジハロゲン化芳香族化合物、スルフィド化剤を必須成分とし反応混合物として反応を行う。反応混合物には前記必須成分以外に反応を著しく阻害しない第三成分や、反応を加速する効果を有する第三成分を加えることも可能である。反応を行う方法に特に制限は無いが、撹拌条件下行なうことが好ましい。
なお、本発明のスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させる方法には、バッチ式および連続方法など公知の各種重合方式、反応方式を採用することができる。また、製造における雰囲気は非酸化性雰囲気下が望ましく、窒素、ヘリウム、およびアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましく、経済性および取り扱いの容易さの面からは窒素雰囲気下が好ましい。
(6)線状ポリアリーレンスルフィド
本発明の有機極性溶媒中で、少なくともスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させる方法では、環式ポリアリーレンスルフィドと線状ポリアリーレンスルフィドが生成する。線状ポリアリーレンスルフィドとは前述した環式ポリアリーレンスルフィド以外の末端基を有するポリアリーレンスルフィドを指し、その分子量は重量平均分子量で4000以上が好ましく例示できる。重量平均分子量4000未満の線状ポリアリーレンスルフィドは、有機極性溶媒への溶解性などの化合物としての特性が前記環式ポリアリーレンスルフィドに近くなる傾向があり、後述する固液分離の過程において環式ポリアリーレンスルフィドと線状ポリアリーレンスルフィドの分離がしにくくなる傾向にある。
(7)固液分離の方法
本発明の環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法においては、少なくとも線状ポリアリーレンスルフィドと環式ポリアリーレンスルフィドを含む反応混合物を有機極性溶媒の沸点以下の温度領域で固液分離し、得られた濾液から有機極性溶媒を除去することで、環式ポリアリーレンスルフィドを回収する。固液分離を行なう反応混合物は、反応が終了した反応混合物が好ましい。ここでの反応が終了した反応混合物とは、有機極性溶媒中でスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を反応させる際に用いたジハロゲン化芳香族化合物の転化率が80%以上に達した反応混合物を指す。なお、ジハロゲン化芳香族化合物の転化率は、以下の式で算出した値である。ジハロゲン化芳香族化合物の残存量は、通常ガスクロマトグラフ法により求めることができる。
(a)ジハロゲン化芳香族化合物をアルカリ金属硫化物に対してモル比で過剰に添加した場合
転化率(%)=[ジハロゲン化芳香族化合物の仕込み量(モル)−ジハロゲン化芳香族化合物の残存量(モル)]/[ジハロゲン化芳香族化合物の仕込み量(モル)−ジハロゲン化芳香族化合物の過剰量(モル)]×100
(b)上記(a)以外の場合
転化率(%)=[ジハロゲン化芳香族化合物の仕込み量(モル)−ジハロゲン化芳香族化合物の残存量(モル)]/[ジハロゲン化芳香族化合物の仕込み量(モル)]×100
本発明においては、少なくとも線状ポリアリーレンスルフィドと環式ポリアリーレンスルフィドを含む反応混合物を有機極性溶媒の沸点以下の温度領域で固液分離を行なう。固液分離を行なう温度は、有機極性溶媒の沸点以下であれば特に制限はないが、10℃〜200℃の範囲が好ましく、15℃〜180℃の範囲がより好ましく、20℃〜150℃の範囲が更に好ましい。上記範囲では、環式ポリアリーレンスルフィドは有機極性溶媒に可溶であるが、線状ポリアリーレンスルフィドは有機極性溶媒に溶けにくくなる傾向にある。そのため、上記温度範囲で固液分離を行なうことにより、少なくとも線状ポリアリーレンスルフィドと環式ポリアリーレンスルフィドを含む反応混合物から、固体成分として大部分の線状ポリアリーレンスルフィドを分離することが可能となる。また、固液分離を行なう温度が有機極性溶媒の沸点を超える場合、固液分離操作を密閉条件下で行なう必要があり、特殊な装置が必要となる。そのため、操作の簡易性、経済性の観点で好ましくない。
また、固液分離を行なう際に用いる濾材は、線状ポリアリーレンスルフィドを分離でき、少なくとも環式ポリアリーレンスルフィド、有機極性溶媒を含む溶液は通過できるものを選ぶ必要がある。通常は、200メッシュ(目開き0.074mm)よりも小さい孔径を有するふるい、または細孔直径が70μm〜0.01μmの範囲、好ましくは40μm〜0.05μmの範囲、さらに好ましくは20μm〜0.1μmの範囲、より好ましくは5μm〜0.1μmの範囲、よりいっそう好ましくは1μm〜0.1μmの範囲の濾材が例示できる。上記範囲の細孔直径を有する濾材を用いることで、濾材を透過する線状ポリアリーレンスルフィドが減少する傾向にあり、濾液から有機極性溶媒を除去し、環式ポリアリーレンスルフィドを回収した際の、環式ポリアリーレンスルフィドの純度が高くなる傾向にある。また上記範囲以下になると、濾過効率が悪くなる傾向にある。濾過器としては、ふるい等の濾過器を用いる方法、遠心分離機を用いる方法、遠心濾過器を用いる方法、振動スクリーンを用いる方法、加圧濾過機を用いる方法、吸引濾過器を用いる方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
この際、固液に分離された固形分に付着する母液は、固液分離を行なった温度にまで加温された有機極性溶媒により洗浄され、実質的に、母液の付着がないようにするのが好ましい。
また、固液分離を行なう際の雰囲気に特に制限はないが、接触させる際の時間や温度などの条件によって環式ポリアリーレンスルフィドや有機極性溶剤が酸化劣化するような場合は、非酸化性雰囲気下で行なうことが好ましい。なお、非酸化性雰囲気とは気相の酸素濃度が5体積%以下、好ましくは2体積%以下、更に好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、即ち窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気であることを指し、この中でも特に経済性及び取り扱いの容易さの面からは窒素雰囲気下で行なうことが好ましい。
(8)有機極性溶媒を除去し、環式ポリアリーレンスルフィドを回収する方法
本発明の環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法では、反応液の固液分離を行ない、得られた濾液から有機極性溶媒を除去することにより環式ポリアリーレンスルフィドを得る。
濾液から有機極性溶媒を除去し、環式ポリアリーレンスルフィドを回収する方法に特に制限はなく、濾液をポリアリーレンスルフィド成分に対する溶解性が低く且つ有機極性溶媒と混和する溶剤と接触させて、環式ポリアリーレンスルフィドを回収する方法、濾液の有機極性溶媒の一部もしくは大部分を蒸留等の操作により除去した後に、ポリアリーレンスルフィド成分に対する溶解性が低く且つ有機極性溶媒と混和する溶剤と接触させて、環式ポリアリーレンスルフィドを回収する方法、濾液を冷却して環式ポリアリーレンスルフィドを析出させ、析出した環式ポリアリーレンスルフィドを回収する方法、濾液を常圧以下で加熱して有機極性溶媒を除去し、環式ポリアリーレンスルフィドを回収する方法が挙げられる。なかでも、有機極性溶媒の一部もしくは大部分を蒸留などの操作により除去した後に、ポリアリーレンスルフィド成分に対する溶解性が低く且つ有機極性溶媒と混和する溶剤と接触させて、環式ポリアリーレンスルフィドを回収する方法が好ましい。また、この様な特性を有する溶剤は一般に比較的極性の高い溶剤があり、用いた有機極性溶媒の種類により好ましい溶剤は異なるので限定はできないが、例えば水やメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノールに代表されるアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンに代表されるケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルに代表される酢酸エステル類が例示でき、入手性、経済性の観点から水、メタノール及びアセトンが好ましく、水が特に好ましい。このような溶剤による処理を行なうことで、環式ポリアリーレンスルフィドに含有される有機極性溶媒や副生塩の量を低減することが可能である。この処理により環式ポリアリーレンスルフィドは固形成分として析出するので、公知の固液分離法を用いて環式ポリアリーレンスルフィドを回収することができる。固液分離法としては、例えば濾過による分離、遠心分離、デカンテーション等を例示できる。なお、これら一連の処理は必要に応じて数回繰り返すことも可能であり、これにより環式ポリアリーレンスルフィドに含有される有機極性溶媒や副生塩の量がさらに低減される傾向にある。ポリアリーレンスルフィド成分に対する溶解性が低く且つ有機極性と混和する溶剤と接触させて、環式ポリアリーレンスルフィドを回収する方法では、有機極性溶媒の除去は少なくとも70重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上の有機極性溶媒を除去することが望ましい。
また、濾液から有機極性溶媒を除去する好ましい別の方法としては、常圧以下で加熱して有機極性溶媒を除去する方法が例示できる。なお、上記の様にして得られた環式ポリアリーレンスルフィドを含む濾液は温度によっては固形物を含む場合もあるが、この場合の固形物も有機極性溶媒の除去時に有機極性溶媒に可溶の成分とともに回収することが望ましい。常圧以下で加熱して有機極性溶媒を除去する方法では、有機極性溶媒の除去は、少なくとも50重量%以上、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、よりいっそう好ましくは95重量%以上の有機極性溶媒を除去することが望ましい。加熱による有機極性溶媒の除去を行なう際の温度は用いる有機極性溶媒の特性に依存するため一意的には限定できないが、通常、20〜150℃、好ましくは40〜120℃の範囲が選択できる。また、有機極性溶媒の除去を行なう圧力は常圧以下が好ましく、これにより有機極性溶媒の除去をより低温で行なうことが可能になる。
(9)その他後処理
上に例示した回収方法で得られた環式ポリアリーレンスルフィドは高い純度を持ち、各種用途に用いることができるが、さらに以下に述べる後処理を付加的に施すことによって、環式ポリアリーレンスルフィド中に含まれる不純物の1つである線状ポリアリーレンスルフィドを減らすことができ、よりいっそう純度の高い環式ポリアリーレンスルフィドを得ることが可能である。
その方法としては、例えば、環式ポリアリーレンスルフィドと線状ポリアリーレンスルフィドの溶解性の差を利用した分離方法、より具体的には環式ポリアリーレンスルフィドに対する溶解性が高く、一方で環式ポリアリーレンスルフィドの溶解を行なう条件下では線状ポリアリーレンスルフィドに対する溶解性に乏しい溶剤を必要に応じて加熱下で接触させて、溶剤可溶部分として環式ポリアリーレンスルフィドを得る方法が例示できる。ここで用いる溶剤としては環式ポリアリーレンスルフィドを溶解可能な溶剤であれば特に制限はないが、溶解を行なう環境において環式ポリアリーレンスルフィドは溶解するが線状ポリアリーレンスルフィドは溶解しにくい溶剤が好ましく、線状ポリアリーレンスルフィドは溶解しない溶剤がより好ましい。(8)までの操作で得られた環式ポリアリーレンスルフィド(以下、環式ポリアリーレンスルフィド混合物と称する)を前記溶剤と接触させる際の反応系圧力は常圧もしくは微加圧が好ましく、特に常圧が好ましく、このような圧力の反応系はそれを構築する反応器の部材が安価であるという利点がある。この観点から反応系圧力は、高価な耐圧容器を必要とする加圧条件は避けることが望ましい。用いる溶剤としてはポリアリーレンスルフィド成分の分解や架橋など好ましくない副反応を実質的に引き起こさないものが好ましく、環式ポリアリーレンスルフィド混合物を溶剤と接触させる操作を、例えば常圧還流条件下で行なう場合に好ましい溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、クロロホルム、ブロモホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロベンゼン、2,6−ジクロロトルエンなどのハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル系溶媒、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トリメチルリン酸、N、N−ジメチルイミダゾリジノンなどの極性溶媒を例示できるが、中でもベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ブロモホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロベンゼン、2,6−ジクロロトルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トリメチルリン酸、N、N−ジメチルイミダゾリジノンが好ましく、トルエン、キシレン、クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフランがより好ましく例示できる。ここでの環式ポリアリーレンスルフィド混合物とは、少なくとも線状ポリアリーレンスルフィドと環式ポリアリーレンスルフィドを含む反応混合物を有機極性溶媒の沸点以下の温度領域で固液分離することにより得られた濾液から有機極性溶媒を除去することにより得られた環式ポリアリーレンスルフィドを指し、環式ポリアリーレンスルフィド混合物中に環式ポリアリーレンスルフィドは少なくとも40重量%以上含まれる。
環式ポリアリーレンスルフィド混合物を溶剤と接触させる際の雰囲気に特に制限はないが、接触させる際の温度や時間などの条件によってポリアリーレンスルフィド成分や溶剤が酸化劣化するような場合には、非酸化性雰囲気下で行なうことが望ましい。なお、非酸化性雰囲気とは気相の酸素濃度が5体積%以下、好ましくは2体積%以下、更に好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、即ち窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気であることを指し、この中でも特に経済性及び取り扱いの容易さの面からは窒素雰囲気が好ましい。
環式ポリアリーレンスルフィド混合物を溶剤と接触させる温度に特に制限はないが、一般に温度が高いほど環式ポリアリーレンスルフィドの溶剤への溶解は促進される傾向にある。前記したように、環式ポリアリーレンスルフィド混合物の溶剤との接触は大気圧下で行なうことが好適であるので、上限温度は使用する溶剤の大気圧下での還流条件温度にすることが望ましく、前述した好ましい溶剤を用いる場合は例えば20〜150℃を具体的な温度範囲として例示できる。
環式ポリアリーレンスルフィド混合物を溶剤と接触させる時間は、用いる溶剤種や温度などによって異なるため一意的には限定できないが、たとえば1分〜50時間が例示でき、この様な範囲では環式ポリアリーレンスルフィドの溶剤への溶解が十分になる傾向にある。
環式ポリアリーレンスルフィド混合物を溶剤と接触させる方法は、公知の一般的な手法を用いれば良く、特に限定はないが、例えば環式ポリアリーレンスルフィド混合物と溶剤を混合し、必要に応じて撹拌した後に溶液部分を回収する方法、各種フィルター上の環式ポリアリーレンスルフィド混合物に溶剤をシャワーすると同時に環式ポリアリーレンスルフィドを溶剤に溶解させる方法、ソックスレー抽出法原理による方法などいかなる方法も用いることができる。環式ポリアリーレンスルフィド混合物と溶剤を接触させる際の溶剤の使用量に特に制限はないが、例えば環式ポリアリーレンスルフィド混合物重量に対する浴比で0.5〜100の範囲が例示できる。浴比がこの様な範囲の場合、環式ポリアリーレンスルフィド混合物と溶剤を均一に混合し易く、また、環式ポリアリーレンスルフィドが溶剤へ十分に溶解し易くなる傾向にある。一般に浴比が大きい方が環式ポリアリーレンスルフィドの溶剤への溶解には有利であるが、大きすぎてもそれ以上の効果は望めず、逆に溶剤使用量増大による経済的不益が生じることがある。なお、環式ポリアリーレンスルフィド混合物と溶剤の接触を繰り返し行なう場合は、小さい浴比でも十分な効果を得られる場合が多い。また、ソックスレー抽出法は、その原理上、環式ポリアリーレンスルフィド混合物と溶剤の接触を繰り返し行なう場合と類似の効果が得られるので、この場合も小さい浴比で十分な効果が得られる場合が多い。
環式ポリアリーレンスルフィド混合物を溶剤と接触させた後に、環式ポリアリーレンスルフィドを溶解した溶液が固形状の線状ポリアリーレンスルフィドを含む固液スラリー状態で得られた場合、公知の固液分離法を用いて溶液部を回収することが好ましい。固液分離方法としては、たとえば濾過による分離、遠心分離、デカンテーション等を例示できる。このようにして分離した溶液から溶剤の除去を行なうことで環式ポリアリーレンスルフィドの回収が可能となる。一方、固体成分については、環式ポリアリーレンスルフィドがまだ残存している場合、再度溶剤との接触及び溶液の回収を繰り返し行なうことでより収率よく環式ポリアリーレンスルフィドを得ることも可能である。また、環式ポリアリーレンスルフィドがほとんど残存していない場合には、残存溶剤を除去することで高純度な線状ポリアリーレンスルフィドとして好適にリサイクル可能である。
前述のようにして得られた環式ポリアリーレンスルフィドを含む溶液から溶剤の除去を行い、環式ポリアリーレンスルフィドを固形成分として得ることも可能である。ここで溶剤の除去は、例えば加熱し、常圧以下で処理する方法や、膜を利用した溶剤を除去を例示できるが、より収率よく、また効率よく環式ポリアリーレンスルフィドを得るとの観点では常圧以下で加熱して溶剤を除去する方法が好ましい。なお、前述のようにして得られた環式ポリアリーレンスルフィドを含む溶液は温度によっては固形物を含む場合もあるが、この場合の固形物も環式ポリアリーレンスルフィド混合物に属するものであるので、溶剤の除去時に溶剤に可溶の成分とともに回収することが望ましく、これにより収率よく環式ポリアリーレンスルフィドを得られるようになる。ここで溶剤の除去は、少なくとも50重量%以上、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、よりいっそう好ましくは95重量%以上の溶剤を除去することが望ましい。加熱による溶剤の除去を行なう際に温度は用いる溶剤の特性に依存するため一意的には限定できないが、通常、20〜150℃、好ましくは40〜120℃の範囲が選択できる。また、溶剤の除去を行なう圧力は常圧以下が好ましく、これにより溶剤の除去をより低温で行なうことが可能になる。
(10)環式ポリアリーレンスルフィドの特性
かくして得られた環式ポリアリーレンスルフィドは、通常、環式ポリアリーレンスルフィドを40重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上含む純度の高いものであり、一般的に得られる線状のポリアリーレンスルフィドとは異なる特性を有する工業的にも利用価値の高いものである。また、本発明の製造方法により得られる環式ポリアリーレンスルフィドは前記式(A)におけるmが単一ではなく、m=4〜50の異なるmを有する前記式(A)が得られやすいという特徴を有する。ここで好ましいmの範囲は4〜25、より好ましくは4〜20である。
なお、mが単一の環式ポリアリーレンスルフィドは単結晶として得られるため、極めて高い融解温度を有するが、本発明では環式ポリアリーレンスルフィドは異なるmを有する混合物が得られやすく、これにより環式ポリアリーレンスルフィドの融解温度が低いという特徴があり、このことは例えば環式ポリアリーレンスルフィドを溶融して用いる際の加熱温度を低くできるという優れた特徴を発現することになる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。これらは例示的なものであって限定的なものではない。
〈ジハロゲン化芳香族化合物の転化率測定〉
ジハロゲン芳香族化合物の転化率はガスクロマトグラフィー(GC)分析により定量分析を行なった。GCの測定条件を以下に示す。
装置:島津株式会社製 GC17−A
カラム:TC−17 0.32mmφ×60m 0.5μm thickness(GLサイエンス社製)
キャリアガス流量:1.44mL/min
カラム入り口圧:40kPa
カラムオーブン:280℃
スプリット比: 10:1
検出器:水素炎イオン化検出法(FID法)
注入量:5μL(反応溶液をクロロホルムにより約10倍に希釈したものを注入)
〈環式ポリアリーレンスルフィド収率測定〉
環式ポリアリーレンスルフィド化合物の収率は、HPLCを用いて定性定量分析を行なった。なお、ここでの環式ポリアリーレンスルフィド化合物の収率とは、環式ポリアリーレンスルフィドを製造する際に用いた、ジハロゲン化芳香族化合物の仕込みモル量に対する環式ポリアリーレンスルフィドの生成モル割合を示す。
HPLCの測定条件を以下に示す。
装置:島津株式会社製 LC−10Avpシリーズ
カラム:Mightysil RP−18 GP 150−4.6(5μm)
検出器:フォトダイオードアレイ検出器(UV=270nm)
[参考例1]
撹拌機を具備した1リットルオートクレーブに水硫化ナトリウムの48重量%水溶液を5.84g(水硫化ナトリウム2.80g(0.05モル))、水酸化ナトリウムの48重量%水溶液を4.38g(水酸化ナトリウム2.10g(0.053モル))、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)500mL、p−ジクロロベンゼン(p−DCB)7.35g(0.05モル)を仕込んだ。
反応容器を室温・常圧下にて窒素ガス下に密封した後、400rpmで撹拌しながら、室温から200℃まで25分かけて昇温した。次いで、270℃まで35分かけて昇温した。270℃で1時間保持した後、室温近傍まで冷却した。
得られた内容物をガスクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィーにより分析を行なった結果、モノマーのp−DCBの転化率は92%、環式ポリフェニレンスルフィドの収率は28%であることが分かった。
[参考例2]
撹拌機を具備した1リットルオートクレーブに水硫化ナトリウムの48重量%水溶液を23.36g(水硫化ナトリウム11.21g(0.200モル))、水酸化ナトリウムの48重量%水溶液を17.50g(水酸化ナトリウム8.40g(0.210モル))、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)500mL、p−ジクロロベンゼン(p−DCB)29.40g(0.200モル)を仕込んだ。
反応容器を室温・常圧下にて窒素ガス下に密封した後、400rpmで撹拌しながら、室温から200℃まで25分かけて昇温した。次いで、270℃まで35分かけて昇温した。270℃で1時間保持した後、室温近傍まで急冷した。
得られた内容物をガスクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィーにより分析を行なった結果、モノマーのp−DCBの転化率は95%、環式ポリフェニレンスルフィドの収率は17%であることが分かった。
[参考例3]
撹拌機を具備した1リットルオートクレーブに水硫化ナトリウムの48重量%水溶液を
58.4g(水硫化ナトリウム28.0g(0.50モル))、水酸化ナトリウムの48重量%水溶液を43.75g(水酸化ナトリウム21.0g(0.525モル))、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)500mL、p−ジクロロベンゼン(p−DCB)73.5g(0.50モル)を仕込んだ。
反応容器を室温・常圧下にて窒素ガス下に密封した後、400rpmで撹拌しながら、室温から200℃まで25分かけて昇温した。次いで、270℃まで35分かけて昇温した。270℃で1時間保持した後、室温近傍まで冷却した。
得られた内容物をガスクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィーにより分析を行なった結果、モノマーのp−DCBの転化率は96%、環式ポリフェニレンスルフィドの収率は3%であることが分かった。
[実施例1]
参考例2記載の方法で得られた反応液200.9gを反応液の温度が100℃になるように加熱撹拌を行なった。100℃で20分間保持した後、細孔直径10μmのガラスフィルターを用いて高温固液分離を行なった。得られた濾液を約8倍重量のメタノールに滴下し、析出したメタノール不溶成分を回収した。得られた固体成分を減圧下、80℃で8時間乾燥を行い、環式ポリフェニレンスルフィドを得た。得られた環式ポリフェニレンスルフィドの純度を高速液体クロマトグラフにより分析を行なったところ、90%であった。
[比較例1]
参考例2記載の方法で得られた反応液200.3gを、約8倍重量のメタノールに加えて、析出した不溶成分を回収した。得られた固体成分を減圧下、80℃で8時間乾燥を行い、環式ポリフェニレンスルフィド混合物を得た。得られた環式ポリフェニレンスルフィドの純度を高速液体クロマトグラフにより分析を行なったところ、31%であった。この結果より、反応液の固液分離を行なうことが、純度の高い環式ポリフェニレンスルフィドを回収するために重要であることがわかる。
[比較例2]
参考例2記載の方法で得られた反応液201.3gを反応液の温度が210℃になるように、密閉容器中で加熱撹拌を行なった。210℃で20分間保持した後、固液分離を行なった。得られた濾液を約8倍重量のメタノールに滴下し、析出したメタノール不溶成分を回収した。得られた固体成分を減圧下、80℃で8時間乾燥を行ない、環式ポリフェニレンスルフィドを得た。得られた環式ポリフェニレンスルフィドの純度を高速液体クロマトグラフにより分析を行なったところ、36%であった。この結果より、有機極性溶媒の沸点以下の温度領域で固液分離を行なうことが、純度の高い環式ポリフェニレンスルフィドを回収するために重要であることがわかる。
[実施例2]
参考例2記載の方法で得られた反応液200.6gを反応液の温度が120℃になるように加熱撹拌を行なった。120℃で20分間保持した後、細孔直径10μmのガラスフィルターを用いて高温固液分離を行なった。得られた濾液を約8倍重量のメタノールに滴下し、析出したメタノール不溶成分を回収した。得られた固体成分を減圧下、80℃で8時間乾燥を行い、環式ポリフェニレンスルフィドを得た。得られた環式ポリフェニレンスルフィドの純度を高速液体クロマトグラフにより分析を行なったところ、88%であった。
[実施例3]
参考例2記載の方法で得られた反応液200.1gを反応液の温度が100℃になるように加熱撹拌を行なった。100℃で20分間保持した後、細孔直径1μmのメンブレンフィルター(PTFE製)を用いて高温固液分離を行った。得られた濾液を約8倍重量のメタノールに滴下し、析出したメタノール不溶成分を回収した。得られた固体成分を減圧下、80℃で8時間乾燥を行い、環式ポリフェニレンスルフィドを得た。得られた環式ポリフェニレンスルフィドの純度を高速液体クロマトグラフにより分析を行ったところ、92%であった。
この結果より、より細孔直径の小さい濾剤を用いて固液分離を行うことにより、高純度の環式ポリフェニレンスルフィドが回収できることが分かる。
[実施例4]
参考例2記載の方法で得られた反応液202.4gを反応液の温度が100℃になるように加熱撹拌を行なった。100℃で20分間保持した後、細孔直径10μmのガラスフィルターを用いて高温固液分離を行なった。得られた濾液を約8倍重量の脱イオン水に滴下し、析出した脱イオン水不溶成分を回収した。得られた固体成分を減圧下、80℃で8時間乾燥を行い、環式ポリフェニレンスルフィドを得た。得られた環式ポリフェニレンスルフィドの純度を高速液体クロマトグラフにより分析を行なったところ、83%であった。
[参考例4]
実施例1で得られた純度90%の環式ポリフェニレンスルフィド0.9gを分取し、溶剤としてクロロホルム200gを用いて、浴温約80℃でソックスレー抽出法により約3時間環式ポリフェニレンスルフィドと溶剤を接触させ、抽出液を得た。この抽出液からエバポレーターを用いてクロロホルムを留去した後、減圧下、70℃で3時間乾燥を行い、環式ポリフェニレンスルフィドを得た。得られた環式ポリフェニレンスルフィドの純度を高速液体クロマトグラフにより分析を行なったところ、95%であった。この結果より、固液分離により得られた環式ポリフェニレンスルフィドの溶剤抽出を行なうことで、より高純度の環式ポリフェニレンスルフィドが得られることが分かった。
[実施例5]
参考例1記載の方法で得られた反応液200.5gを反応液の温度が100℃になるように加熱撹拌を行なった。100℃で20分間保持した後、細孔直径10μmのガラスフィルターを用いて高温固液分離を行なった。得られた濾液を約8倍重量のメタノールに滴下し、析出したメタノール不溶成分を回収した。得られた固体成分を減圧下、80℃で8時間乾燥を行い、環式ポリフェニレンスルフィドを得た。得られた環式ポリフェニレンスルフィドの純度を高速液体クロマトグラフにより分析を行なったところ、74%であった。
[実施例6]
参考例3記載の方法で得られた反応液201.2gを反応液の温度が100℃になるように加熱撹拌を行なった。100℃で20分間保持した後、細孔直径10μmのガラスフィルターを用いて高温固液分離を行なった。得られた濾液を約8倍重量のメタノールに滴下し、析出したメタノール不溶成分を回収した。得られた固体成分を減圧下、80℃で8時間乾燥を行い、環式ポリフェニレンスルフィドを得た。得られた環式ポリフェニレンスルフィドの純度を高速液体クロマトグラフにより分析を行なったところ、81%であった。
以上説明したとおり、本発明では有機極性溶媒中で少なくともスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させて得られる少なくとも線状ポリアリーレンスルフィドと環式ポリアリーレンスルフィドを含む反応混合物の高温固液分離という簡便な方法で、純度の高い環式ポリアリーレンスルフィドを回収する方法を提供できる。

Claims (6)

  1. 有機極性溶媒中で少なくともスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させて得られる少なくとも線状ポリアリーレンスルフィドと環式ポリアリーレンスルフィドを含む反応混合物から環式ポリアリーレンスルフィドを回収する方法であって、細孔直径が1μm〜10μmである濾材を用いて、反応混合物を有機極性溶媒の常圧における沸点以下の温度領域で固液分離することにより得られた濾液から有機極性溶媒を除去することを特徴とする環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法。
  2. 純度70重量%以上の環式ポリアリーレンスルフィドを回収することを特徴とする請求項1記載の環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法。
  3. 固液分離を150℃未満の温度領域で行なうことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法。
  4. 有機極性溶媒中で少なくともスルフィド化剤とジハロゲン化芳香族化合物を接触させて反応させる際に、スルフィド化剤のイオウ原子1モル対して有機極性溶媒を10リットル以下用いることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法。
  5. 有機極性溶媒が有機アミド溶媒であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法。
  6. 固液分離を不活性ガス雰囲気下で行なうことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の環式ポリアリーレンスルフィドの回収方法。
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