JP5534896B2 - 帯電防止性半導体加工用粘着テープ - Google Patents

帯電防止性半導体加工用粘着テープ Download PDF

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Description

本発明は、帯電防止性能を有する半導体固定用粘着テープに関し、特に電気、電子、半導体部品を生産する際に使用される帯電防止性能を有するダイシング用やバックグラインド(裏面研削)用の粘着テープに関する。
従来から、電気、電子部品、半導体部品を生産する際に、ダイシング工程やその他の工程において部品の固定や保護を目的とする粘着テープが知られている。このような粘着テープとしては、基材フィルムに再剥離性のアクリル系粘着剤層が設けられたものや、貼付時には外力に対し強い抵抗性があるが剥離時には小さい力で剥離可能な光硬化型再剥離性粘着剤層が設けられたものがある。
該粘着テープを用いた工程では、セパレーターの剥離時・バックグラインド時・ダイシング時・電気絶縁性の高い超純水による切削粉の洗浄時・ピックアップ時などの、剥離・摩擦・接触などによって静電気が発生する。回路を形成する部品の基板がセラミックスやガラスなどの絶縁材料である場合には、静電気が速やかに漏洩されず、短絡による回路の放電破壊や埃などの異物の付着などの発生が懸念される。さらに近年、ウエハの薄膜化に伴い回路は高集積化し、静電気による回路破壊の危険性は高まり、帯電防止粘着テープに対する需要はより高まっている。静電気障害を改善するため、イオナイザーなどの静電気除去装置が導入されているが、十分な帯電防止効果を得られていないのが実情であり、該粘着テープ自体を帯電防止化することが望まれている。帯電防止処理した粘着テープとしては、基材フィルムへ帯電防止剤を添加混合した粘着テープ、粘着剤層へ帯電防止剤を添加混合した粘着テープ、基材フィルムと粘着剤層との間に帯電防止中間層を導入した粘着テープが使用されている。
粘着テープに帯電防止性を付与する手法としては、基材フィルム側ではなく被着体と接する粘着剤層側に施すのが効果的であると考えられている。ところが、粘着剤に界面活性剤や導電性フィラーのような帯電防止剤を添加すると、粘着物性やその経時変化の調整ないしは抑制が困難であるばかりでなく、剥離する際に粘着剤や添加した材料自体が被着体に移行して汚染される恐れがある。この場合、被着体の表面には目視可能な糊残りや顕微鏡レベルのパーティクル状物の付着、あるいは光学的に観測不能な液状物の付着が起こり、以降の工程において部品の接着不良などの悪影響を及ぼす。
また、基材フィルムの片面又は両面に窒素原子−ホウ素原子錯体構造の電荷移動型ボロンポリマーを含有する帯電防止層を設けることで粘着剤による被着体への汚染や粘着物性の経時変化などによる信頼性低下を生ずることなく、帯電防止機能を付与できる半導体固定用粘着テープが開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。このテープは所定の効果を得ることができるものの、湿度によって帯電防止性能が大きく変化し、また基材フィルムと帯電防止層の密着性が悪く、改良が望まれていた。
また、基材フィルムの片面又は両面にポリチオフェンやポリピロールなどの導電性高分子を含有する帯電防止層を設けることで粘着剤による被着体への汚染や粘着物性の経時変化などによる信頼性低下を生ずることなく、帯電防止機能を付与できる半導体固定用粘着テープが開示されている(例えば、特許文献2と特許文献3を参照。)。このテープは、湿度による帯電防止性能の変化はなく、基材フィルムと帯電防止層の密着性にも問題はなかった。
近年、実装方法の多様化によりバンプ付きウエハにおける凹凸差は大きくなってきており、また半導体ウエハの裏面に電極を形成させたTSVウエハも台頭してきている。そのため、半導体加工用粘着テープには、凹凸に追従させるため、粘着剤層が厚いことが求められてきている。しかし、基材フィルムの片面又は両面に導電性ポリマーを含有する帯電防止層を設ける方法では、粘着剤層が厚くなると、帯電防止層が被着体から離れるため、粘着剤側に十分な帯電防止性能を発現させることは困難であった。
特開2004−189769号公報 特開2008−255345号公報 特開2008−280520号公報
本発明は、被着体の汚染や粘着物性の経時変化が少なくかつ半導体部品のダイシングやバックグラインド処理においても被着体面への影響が少なく、粘着剤層が厚くても紫外線硬化後の帯電防止性能を発現できる帯電防止性半導体加工用粘着テープを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を行った結果、基材フィルムと粘着剤層から少なくとも構成される粘着テープにおいて、基材フィルムの少なくとも片面に導電性高分子を含有する帯電防止層を形成させ、ベースポリマーが分子内に光硬化性不飽和炭素結合を含有するポリマーである光硬化型粘着剤層を当該帯電防止層上に形成させ、紫外線硬化後の90度引き剥がし粘着力(JIS Z 0237に準拠; 剥離速度は50mm/min)を0.15〜0.25N/25mmの範囲にすることにより、粘着剤層が厚くても紫外線硬化後でも帯電防止性能を発現できることを見出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
すなわち本発明は以下の発明を提供するものである。
(1)基材フィルムと光硬化型の粘着剤層から構成される粘着テープであって、前記基材フィルムの少なくとも片面に導電性高分子を含有する帯電防止層、前記帯電防止層上にベースポリマーの分子内に光硬化性不飽和炭素結合を含有する粘着剤層を有し、紫外線硬化前後の前記粘着剤層側の表面抵抗率が1×10〜5×1012Ω/□であり、前記粘着剤層の厚みが30〜250μmであり、前記帯電防止層の厚みが0.01〜0.7μmであり、前記粘着テープをシリコンミラーウエハに貼合した場合の前記粘着剤層の紫外線硬化後の90度引き剥がし粘着力(JIS
Z 0237に準拠; 剥離速度は50mm/min)が、0.15〜0.25N/25mmであることを特徴とする帯電防止性半導体加工用粘着テープ。
(2)前記粘着テープをシリコンミラーウエハに貼合した場合の前記粘着剤層の紫外線硬化後の90度引き剥がし粘着力(JIS
Z 0237に準拠; 剥離速度は50mm/min)が、紫外線硬化前の90度引き剥がし粘着力の4〜15%の粘着力であることを特徴とする(1)に記載の帯電防止性半導体加工用粘着テープ。
(3)前記粘着テープをシリコンミラーウエハに貼合した場合の前記粘着剤層の紫外線硬化前の90度引き剥がし粘着力(JIS
Z 0237に準拠; 剥離速度は50mm/min)が1.4N/25mmを超えることを特徴とする(1)または(2)に記載の帯電防止性半導体加工用粘着テープ。
本発明の帯電防止性半導体加工用粘着テープは、粘着剤層が厚くても紫外線硬化後も帯電防止性能を発現することができるので、加工するためには粘着剤層が厚い必要があるTSVウエハ(貫通電極ウエハ)やバンプ付きウエハのような凹凸を有する半導体を加工するのに利用できる。
本発明に係る帯電防止性半導体加工用粘着テープの実施形態を示す部分断面図。
以下添付図面を参照しながら本発明の粘着フィルム(半導体固定用粘着テープ)について詳細に説明する。図1は、帯電防止性半導体加工用粘着テープの一実施態様を示す断面図である。本実施態様の帯電防止性半導体加工用粘着テープ1は、図1に示すように、光硬化型の粘着剤層3、導電性高分子を含む帯電防止層5および基材フィルム7からなり、通常、粘着剤層3の表面は使用されるまで任意の剥離ライナー9が貼付され保護されている。また、帯電防止層5が両面に設けられた場合には、その一方の面に粘着剤層3が形成される。
本発明の帯電防止性半導体加工用粘着テープ1における、紫外線硬化前後の粘着剤層側の表面抵抗率は1×10〜5×1012Ω/□の範囲であることが好ましい。表面抵抗率が1×10Ω/□よりも小さいと過電流により半導体が破壊され、また5×1012Ω/□よりも大きいと帯電した静電気によって半導体は放電破壊される。
また、ここでいう紫外線硬化は高圧水銀灯によって硬化され、200mJ/cm照射量で硬化されるのが好ましいが、それに限定されるものではない。また、紫外線硬化前の粘着剤層側の表面抵抗率は3.0×10〜3.2×1010Ω/□の範囲にあることが好ましく、紫外線硬化後の粘着剤層側の表面抵抗率は9.1×10〜1.7×1012Ω/□にあることが好ましい。さらに、紫外線硬化による粘着剤層の表面抵抗率の変化は、100倍以下であることが好ましく、10〜91倍の範囲にあることがより好ましい。
本発明の帯電防止性半導体加工用粘着テープ1において、導電性高分子を含む帯電防止層2では正孔または電子がπ共役系の主鎖上を導電し、粘着剤層3では分子鎖のセグメント運動によってプロトンが伝導される。紫外線硬化によって粘着剤層3の分子鎖の柔軟性は著しく低下するため、紫外線硬化後の帯電防止性能は悪化し、粘着剤層3が厚いと紫外線硬化後の帯電防止性能を発現させることは困難であった。ところが、発明者らは、紫外線硬化後でも粘着剤層3の分子鎖の柔軟性を適度に保てば、粘着剤層3での伝導性を維持でき、粘着剤層3が厚くても帯電防止性能を発現させられることを見出した。光硬化後の粘着剤層3における分子鎖の柔軟性を適度に保つためには、粘着剤のベースポリマーが分子内に光硬化性不飽和炭素結合を含有するポリマーであることが必要である。
分子内に光硬化性不飽和炭素結合を含有するポリマーとしては、水酸基及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有するアクリル系共重合体(以下「アクリル系共重合体(A)」と称する)を主成分とするものが挙げられる。不飽和炭素結合を含有するポリマーは、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物等からなる共重合体(A1)の炭素鎖を主鎖とし、共重合体(A1)が有する官能基に対して付加反応することが可能な官能基及び光硬化性不飽和炭素結合を有する化合物(A2)を付加反応して得られる。そのため、分子内に光硬化性不飽和炭素結合を含有するポリマーは、立体障害などの影響により分子上に多くの不飽和炭素結合を導入することは困難である。従って、粘着剤ベースポリマーとして光硬化性不飽和炭素結合を含有するポリマーを用いれば、光硬化性は高くなく、紫外線硬化後も粘着剤の柔軟性を適度に保つことが可能であり、紫外線硬化後も帯電防止性を得られる。
また、光硬化性不飽和炭素結合を含有するポリマー中の不飽和炭素結合量は少ないほど、光硬化後における粘着剤層の分子鎖の柔軟性は高くなり、光硬化後の帯電防止性能は良好になる。そのため、粘着剤層に使用する粘着剤のベースポリマーの不飽和炭素結合量は0.5meq/g以下であることが好ましい。
アクリル系共重合体(A)の成分である(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数6〜12のヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、または炭素数5以下の単量体である、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートなどを列挙することができる。この場合、単量体として、炭素数の大きな単量体を使用するほどガラス転移温度は低くなるので、所望のガラス転移温度のものを作製することができる。また、ガラス転移温度の他、相溶性と各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの不飽和炭素結合をもつ低分子化合物を配合することも5質量%以下の範囲内でできる。
ヒドロキシル基含有不飽和化合物の例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基含有不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
前記の付加反応することが可能な官能基と光硬化性不飽和炭素結合を有する化合物(A2)の官能基としては、共重合体(A1)の官能基が、カルボキシル基または環状酸無水基である場合には、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、水酸基である場合には、環状酸無水基、イソシアネート基などを挙げることができ、アミノ基である場合には、イソシアネート基などを挙げることができる。化合物(A2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、けい皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシル基および光硬化性不飽和炭素結合を有する単量体でウレタン化したものなどを列挙することができる。
上記のアクリル系共重合体(A)の合成において、共重合を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼンメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましく、重合開始剤としては、α,α´−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾベルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節し、その後官能基における付加反応を行うことにより、所望の分子量のアクリル系共重合体(A)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、この共重合は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
さらに上記のアクリル系共重合体(A)は、接着性や凝集力を制御する目的でアクリロニトリル、酢酸ビニルなどのモノマーを共重合させてもよい。これらのモノマーを重合して得られるアクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は、5×10〜2×10であり、好ましくは、1×10〜1×10である。
上記の粘着剤層3は、さらに硬化剤を使用することにより接着力と凝集力とを任意の値に設定することができる。このような硬化剤としては、多価イソシアナート化合物、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化合物、キレート化合物等がある。多価イソシアナート化合物としては、具体的にはトルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートおよびこれらのアダクトタイプのもの等が用いられる。多価エポキシ化合物としては、具体的にはエチレングリコールジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルアクリレート等が用いられる。多価アジリジン化合物としては、具体的にはトリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリホスファトリアジン等が用いられる。またキレート化合物としては、具体的にはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が用いられる。また、硬化剤は、光重合性化合物(粘着剤のベースポリマー)100質量部に対して、1〜2質量部含まれることが好ましい。
さらに上記の粘着剤層3中に、光開始剤を混入することにより、紫外線照射による重合硬化時間ならびに紫外線照射量を少なくすることができる。このような光開始剤としては、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。光開始剤は、通常光重合性化合物100質量部に対し0.1〜10質量部の量が用いられる。このようにして形成される光硬化型粘着剤層に対し、光、好ましくは紫外線を照射することにより、初期の接着力が大きく低下し、容易に被着体から該粘着テープを剥離することができる。また、光開始剤は、光重合性化合物(粘着剤のベースポリマー)100質量部に対して、1.5〜2.5質量部含まれることが好ましい。
本発明の帯電防止性半導体加工用粘着テープ1をシリコンミラーウエハに貼合し、前記粘着剤層3を紫外線硬化させる前の90度引き剥がし粘着力(JIS Z 0237に準拠;剥離速度は50mm/min)は1.4N/25mmを超えることが好ましく、1.5N/25mm以上であることがより好ましく、1.8N/25mm以上であることが更に好ましい。紫外線硬化前の粘着力が低い場合、裏面研削時に半導体加工用粘着テープと被着体との間に水が浸入する恐れがあるからである。
本発明の帯電防止性半導体加工用粘着テープ1をシリコンミラーウエハに貼合し、前記粘着剤層3を紫外線硬化させた後の90度引き剥がし粘着力(JIS Z 0237に準拠;剥離速度は50mm/min)は0.15〜0.25N/25mmの範囲が好ましい。前記の通り紫外線硬化後でも粘着剤層3の分子鎖の柔軟性を適度に保てば、帯電防止性能を発現させられる。そのため、粘着力が0.15N/25mm未満であると、粘着剤層3の分子鎖の柔軟性は低く、十分な帯電防止性能を発現できない。しかし、0.25N/25mmよりも大きいと裏面研削後の粘着テープの剥離工程などの被着体からの剥離が困難になる。また、紫外線硬化後の粘着力は、0.15〜0.23N/25mmの範囲にあることがより好ましい。
ここでいう紫外線硬化は高圧水銀灯によって硬化され、200mJ/cm照射量で硬化されるのが好ましいが、それに限定されるものではない。
本発明の帯電防止性半導体加工用粘着テープ1をシリコンミラーウエハに貼合し、前記粘着剤層3を紫外線硬化させた後の90度引き剥がし粘着力(JIS Z 0237に準拠; 剥離速度は50mm/min)は、紫外線硬化前の90度引き剥がし粘着力の4〜15%の範囲である。「紫外線硬化後の粘着力/紫外線硬化前の粘着力」は大きい程、紫外線硬化による粘着剤層3における分子鎖の柔軟性の変化が小さいと言える。4%以上であると、紫外線硬化後も粘着剤層3における分子鎖の柔軟性を維持でき、紫外線硬化後でも十分な帯電防止性能を得られる。しかし、15%よりも大きいと、紫外線硬化前の保持力不足や、紫外線硬化後の剥離工程が困難になる。4%より小さくなると紫外線硬化後に十分な帯電防止性能を得られなくなる。また、紫外線硬化前後の粘着力の比は、6%〜13%の範囲にあることがより好ましい。
本発明の帯電防止性半導体加工用粘着テープ1の粘着剤層3の厚みは20〜250μmの範囲が好ましく、30〜230μmの範囲がより好ましい。粘着剤層3が250μmよりも厚いと帯電防止性能を発現させることが困難になる。また、厚みが20μm未満であると、パターン面に貼合する際に追従性が不十分となり、加工時に水が浸入してしまう。
前記帯電防止層5に含まれる導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレンビニレン)が挙げられる。光学特性、外観、帯電防止効果および帯電防止効果の加熱時、加湿時での安定性が良好であるという点でポリチオフェン系ポリマーが最も好ましい。ポリチオフェン系ポリマーは、水溶性導電性高分子または水分散性導電性高分子として使用することができる。ポリチオフェン系ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリチオフェン、ポリエチレンビニレンが挙げられる。
水溶性導電性高分子や水分散性導電性高分子を用いることにより、帯電防止層5を形成する際の塗布液(高分子組成物)を水溶液または水分散液として調製でき、塗布液に有機溶剤を用いる必要がない。そのため、有機溶剤による基材フィルム基材の変質や劣化を抑制することができる。水溶液または水分散液は、溶媒を水のみとするのが密着性の点から好ましいが、親水性溶媒を含有していてもよい。親水性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、及びシクロヘキサノール等のアルコール類があげられる。
水溶性または水分散性のポリチオフェンのポリスチレン換算による重量平均分子量は400000以下であることが好ましく、さらに好ましくは300000以下である。水溶性導電性ポリマーの水溶性とは、水100gに対する溶解度が5g以上の場合をいう。重量平均分子量は、高分子をテトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウォーターズ社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の重量平均分子量として算出したものである。
前記水溶性導電性高分子の水100gに対する溶解度は20〜30gであることが好ましい。水分散性導電性高分子とは、ポリチオフェン系樹脂が微粒子状で水中に分散しているものであり、水分散液は液粘度が小さく薄膜塗工が容易であるばかりか、塗布層の均一性に優れている。ここで高分子の微粒子のサイズとしては1μm以下のものが帯電防止層5の均一性という点から好ましい。
また、前記水溶性または水分散性導電性ポリマーであるポリチオフェン系樹脂は、分子中に親水性官能基を有することが好ましい。親水性官能基としては、たとえばスルホン基、アミノ基、アミド基、イミノ基、四級アンモニウム塩基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ヒドラジノ基、カルボキシル基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、またはそれらの塩などがあげられる。分子内に親水性官能基を有することにより水に溶けやすくなったり、水に微粒子状で分散しやすくなったりし、前記水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーを容易に調製することができる。
水溶性ポリチオフェン系ポリマーの市販品の例としては、コニソル(インスコンテック株式会社製)などがあげられる。
前記帯電防止層5には、皮膜形成性、基材フィルム7への密着性の向上などを目的としてバインダー成分が含まれることが好ましい。帯電防止剤として水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーを用いる場合には、水溶性または水分散性のバインダー成分を用いることが好ましい。
バインダー成分としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトールなどがあげられる。特にポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。また、バインダー成分として、アクリル系オリゴマー(又はポリマー)やアクリルウレタン系オリゴマー(又はポリマー)などの不飽和二重結合を有する樹脂を用いてもよい。
これらバインダー成分は1種または2種以上を適宜その用途に合わせて用いることができる。バインダー成分の使用量は、導電性ポリマーの種類にもよるが、導電性ポリマー100重量質量部に対して10〜500質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜400質量部、特に好ましくは100〜300質量部である。
前記導電性高分子を含む帯電防止層5の表面抵抗率は、1×1012Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは1×1011Ω/□以下、特に好ましくは1×10Ω/□以下である。
イオン伝導性ポリマーやイオン性界面活性剤などのイオン系帯電防止剤は金属イオンが含まれているが、前記導電性高分子を含む帯電防止層5には、金属イオンは含有されておらず、金属イオンによって被着体が汚染されることはない。また、前記帯電防止層5は、基材フィルム7上に形成され、その上に粘着剤層3が形成されているので、被着体に帯電防止層5が触れることはなく、帯電防止層5によって被着体が汚染されることはない。そのため、帯電防止性半導体加工用粘着テープの剥離後には、被着体に顕微鏡レベルのパーティクル状物の付着や光学的に観測不能な液状物の付着はない。
前記帯電防止層5の層厚は、帯電防止性能の点から0.01μm〜0.7μmであることが好ましい。0.01μm未満の厚みになってしまうと帯電防止性能が有効に発揮されず、0.7μm以上の厚みになると、導電性が良くなり過ぎて、過電流によって半導体が破壊されてしまう。また、帯電防止層5の層厚は、0.1μm〜0.6μmであることがより好ましい。
本発明の帯電防止性半導体加工用粘着テープに用いられる基材フィルム7としては、半導体を加工するときの衝撃からの保護を主目的とするものであって、特に水洗浄等に対する耐水性等を有することが重要である。したがって、基材フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブテンのようなポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のようなエチレン共重合体、軟質ポリ塩化ビニル、半硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、天然ゴムならびに合成ゴムなどの高分子材料が好ましい。そして、これらは単層フィルムで、またはそれぞれの複層フィルムとして用いられる。
なお、基材フィルム7は、可視光透過性であるものが好ましく、特に後述の粘着剤層として紫外線硬化型の材料を使用する場合には、紫外線透過性であるものが好ましい。
基材フィルム7の厚さは、特に制限するものではないが、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは40〜500μm、特に好ましくは70〜250μmである。
本発明の帯電防止性半導体加工用粘着テープは、電気、電子、半導体部品を製造する際に、例えばシリコンウエハやガラス、セラミックス、ポリマー等の基板の保護用あるいはダイシング用の粘着テープとして有用である。特に、本発明の帯電防止性半導体加工用粘着テープは、粘着剤層が厚くても紫外線硬化後に優れた帯電防止性能を発現することが可能であり、バックグラインド処理時の水侵入防止性と、紫外線硬化後の被着体の良好な剥離性を有し、凹凸に追従させるための粘着剤層が厚い半導体の回路パターンが形成された面に貼合するのに適している。特に、凹凸の高低差が高いバンプ付きウエハを加工するのに適している。
以下本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明し、比較例と共に性能試験例を示し、本発明の優れた効果を明示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(分子内に光硬化性不飽和炭素結合を有するアクリル系共重合体の合成)
ブチルアクリレート65質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部、アクリル酸10質量部を原料として溶液ラジカル重合により共重合体を得た。次にこの共重合体に2−イソシアネートエチルメタクリレートを滴下反応させることで分子内に光硬化性不飽和炭素結合を有するアクリル系共重合体を作製した。光硬化性不飽和炭素結合量は2−イソシアネートエチルメタクリレート滴下量と溶液ラジカル重合の反応時間を適宜調整した。
〔実施例1〕
厚さ100μmのポリオレフィンフィルムを基材フィルムとして用い、この基材フィルムの一方の主面上にポリエチレンジオキシチオフェンの水溶液(商品名:コニソルF−205、インスコンテック(株)製)をグラビア塗工して0.1μm厚の帯電防止層を形成させた。その後、ベースポリマーが分子内に光硬化性不飽和炭素結合を0.5meq/gの割合で含有するアクリル系共重合体と硬化剤であるポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL)と光開始剤であるα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを表1に示す配合割合で配合し、粘着剤塗布液を調製した。コンマコーターを用いてシリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)に調製した粘着剤塗布液を線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して、粘着剤層を形成し、帯電防止処理基材フィルムと貼り合わせて、乾燥後の塗布厚が30μmである離型フィルム付きの帯電防止性半導体加工用粘着テープ(図1に示す層構成を有するもの)を作製した。
〔実施例2〕
実施例1の粘着剤層の厚みを100μmにした以外は実施例1と同様にして、帯電防止性半導体加工用粘着テープを作製した。
〔実施例3〕
実施例1の粘着剤層の厚みを230μmにした以外は実施例1と同様にして、帯電防止性半導体加工用粘着テープを作製した。
〔実施例4〕
実施例2の粘着剤層における硬化剤と光開始剤を表1に示す配合割合で配合したこと以外は実施例2と同様にして、帯電防止性半導体加工用粘着テープを作製した。
〔実施例5〕
実施例2の粘着剤層における硬化剤と光開始剤を表1に示す配合割合で配合したこと以外は実施例2と同様にして、帯電防止性半導体加工用粘着テープを作製した。
〔実施例6〕
実施例1の帯電防止層の厚みを0.4μmにしたこと以外は実施例1と同様にして、帯電防止性半導体加工用粘着テープを作製した。
〔実施例7〕
実施例1の帯電防止層の厚みを0.6μmにしたこと以外は実施例1と同様にして、帯電防止性半導体加工用粘着テープを作製した。
〔比較例1〕
実施例1の粘着剤層の厚みを10μmにした以外は実施例1と同様にして、帯電防止性半導体加工用粘着テープを作製した。
〔比較例2〕
実施例1の粘着剤層の厚みを300μmにした以外は実施例1と同様にして、帯電防止性半導体加工用粘着テープを作製した。
〔比較例3〕
実施例2の粘着剤層におけるベースポリマーとして光硬化性不飽和炭素結合を1.0meq/gの割合で含有するアクリル系共重合体を用い、硬化剤と光開始剤を表1に示す配合割合で配合したこと以外は実施例2と同様にして、帯電防止性半導体加工用粘着テープを作製した。
〔比較例4〕
実施例2の粘着剤層におけるベースポリマーとして光硬化性不飽和炭素結合を含有しないアクリル系樹脂を用い、硬化剤と光反応開始剤と紫外線硬化性不飽和炭素結合を含有する多官能のオリゴマーを表1に示す配合割合で配合したこと以外は実施例2と同様にして、帯電防止性半導体加工用粘着テープを作製した。
〔比較例5〕
実施例2の粘着剤層における硬化剤と光開始剤を表1に示す配合割合で配合したこと以外は実施例2と同様にして、帯電防止半導体加工用粘着テープを作製した。
〔比較例6〕
実施例2の粘着剤層における硬化剤と光開始剤を表1に示す配合割合で配合したこと以外は実施例2と同様にして、帯電防止半導体加工用粘着テープを作製した。
〔比較例7〕
実施例1の帯電防止層の厚みを0.75μmにして、粘着剤層におけるベースポリマーとして光硬化性不飽和炭素結合を含有しないアクリル系樹脂を用い、硬化剤と光反応開始剤と紫外線硬化性不飽和炭素結合を含有する多官能のオリゴマーを表1に示す配合割合で配合したこと以外は実施例1と同様にして、帯電防止性半導体加工用粘着テープを作製した。
Figure 0005534896
〔帯電防止性半導体加工用粘着テープの性能試験〕
上記実施例および比較例で得られた各粘着テープについて、以下に示す各試験により、その表面抵抗率、粘着力、裏面研削時の水侵入防止性・紫外線硬化後の剥離性・帯電防止性能を評価したところ、表2と表3の結果を得た。
(1)表面抵抗率測定
抵抗計を用いて500Vの電圧を印加し、印加後60秒後の電流値を読み取り、紫外線硬化前後の表面抵抗率を測定した。なお、紫外線硬化は高圧水銀灯で200mJ/cm照射して行った。
(2)粘着力測定
25mm幅の粘着テープ試験片を2kg荷重のローラーでシリコンミラーウエハに貼合し、1時間放置した後にJIS Z0237に準拠して90度引き剥がし紫外線照射前の粘着力(剥離速度は50mm/min)を測定した。また、その後紫外線硬化させ、1時間放置した後、紫外線硬化後の粘着力も同様に測定した。なお、紫外線硬化は高圧水銀灯で200mJ/cm照射して行った。
(3)裏面研削時の水侵入防止性、紫外線硬化後の剥離性、帯電防止性能評価
シリコンウエハ(径:6インチ、厚み:625μm)の表面に、実施例及び比較例で得られた粘着テープを23℃で貼合し、研削機を用いて23℃の水をかけて冷却しながら半導体シリコンウエハの裏面を該ウエハの厚みが100μmになるまで研削し、粘着テープとシリコンウエハの間に水の浸入があるかを確認した。その後、高圧水銀灯で200mJ/cm照射し、紫外線硬化させ、シリコンウエハが破損することなく粘着テープを剥離できるかどうかと、シリコンウエハに粘着剤が残るかどうかを評価した。シリコンウエハを破損せず、粘着剤が残らずに粘着テープを剥離できるものを○とした。また、静電気や過電流によって加工時に半導体が破壊されているかどうかを確認し、帯電防止性能を評価した。
Figure 0005534896
Figure 0005534896
実施例の評価結果を表2に、比較例の評価結果を表3にまとめて示す。紫外線硬化前の表面抵抗率は実施例と比較例で大差はないが、紫外線硬化後の表面抵抗率は大きく異なり、実施例は比較例よりも良好な性能を有していた。実施例は、紫外線硬化後も粘着剤層の分子鎖の柔軟性を適度に保っているため、紫外線硬化後も良好な帯電防止性能を発現する。
比較例1の粘着剤組成は実施例1〜3と同じで、半導体の破壊はなく、十分な帯電防止性能を示したが、粘着剤層が薄いため、裏面研削時に半導体加工用粘着テープとシリコンウエハ間に水が浸入してしまった。
比較例2の粘着剤組成は実施例1〜3と同じだが、粘着剤層が厚いため、紫外線硬化後は十分な帯電防止性能を示さず、半導体は放電破壊した。
比較例3は、紫外線硬化後は十分な帯電防止性能を示さず、半導体は放電破壊した。比較例3は実施例と同様に粘着剤のベースポリマーとして紫外線硬化性不飽和炭素結合を含有するアクリル樹脂を用いているが、不飽和炭素結合の割合が実施例のベースポリマーよりも多い。そのため、比較例2は実施例よりも紫外線硬化性が高く、粘着剤層の柔軟性は実施例よりも低い。結果、紫外線硬化による表面抵抗率の変化は大きく、紫外線硬化後に十分な帯電防止性能を得られなかった。比較例3における紫外線硬化後の粘着剤層の柔軟性が実施例よりも低いことは、比較例3が実施例よりも紫外線硬化後の粘着力が小さいことからわかる。また、比較例3の紫外線硬化性が実施例よりも高いことは、「紫外線硬化後の粘着力/紫外線硬化前の粘着力」が小さいことからわかる。
比較例4も、比較例3と同様に紫外線硬化後は十分な帯電防止性能を示さず、半導体は放電破壊した。比較例4のベースポリマーは紫外線硬化性不飽和炭素結合を有していないが、不飽和炭素結合を含有するオリゴマーを含んでいる。不飽和炭素結合を含有するオリゴマーは多官能であり、またその配合部数は多く、紫外線硬化性は実施例よりも高い。そのため、紫外線硬化後の表面抵抗率は実施例と比較例3よりも大きかった。
比較例5は、紫外線硬化後の帯電防止性能は良好であるが、紫外線硬化後の粘着力が高いため、裏面研削後に粘着テープを剥離する際にシリコンウエハが破損した。
比較例6は、紫外線硬化後の帯電防止性能は良好であり、比較例5と異なり剥離性も良好であったが、紫外線硬化前の粘着力が低いため、裏面研削時に半導体加工用粘着テープとシリコンウエハ間に水が浸入した。
比較例7は、帯電防止層が厚いため、紫外線硬化前の表面抵抗率が低く、導電性が良すぎて、過電流によって半導体は破壊した。
1………粘着テープ
3………粘着剤層
5………帯電防止層
7………基材フィルム
9………剥離ライナー

Claims (3)

  1. 基材フィルムと光硬化型の粘着剤層から構成される粘着テープであって、前記基材フィルムの少なくとも片面に導電性高分子を含有する帯電防止層、前記帯電防止層上にベースポリマーの分子内に光硬化性不飽和炭素結合を含有する粘着剤層を有し、紫外線硬化前後の前記粘着剤層側の表面抵抗率が1×10〜5×1012Ω/□であり、
    前記粘着剤層の厚みが30〜250μmであり、
    前記帯電防止層の厚みが0.01〜0.7μmであり、
    前記粘着テープをシリコンミラーウエハに貼合した場合の前記粘着剤層の紫外線硬化後の90度引き剥がし粘着力(JIS Z
    0237に準拠; 剥離速度は50mm/min)が、0.15〜0.25N/25mmであることを特徴とする帯電防止性半導体加工用粘着テープ。
  2. 前記粘着テープをシリコンミラーウエハに貼合した場合の前記粘着剤層の紫外線硬化後の90度引き剥がし粘着力(JIS Z
    0237に準拠; 剥離速度は50mm/min)が、紫外線硬化前の90度引き剥がし粘着力の4〜15%の粘着力であることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止性半導体加工用粘着テープ。
  3. 前記粘着テープをシリコンミラーウエハに貼合した場合の前記粘着剤層の紫外線硬化前の90度引き剥がし粘着力(JIS Z
    0237に準拠; 剥離速度は50mm/min)が1.4N/25mmを超えることを特徴とする請求項1または2に記載の帯電防止性半導体加工用粘着テープ。
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