本発明に係るドライブレコーダシステムの一実施の形態について、図1〜図21を参照して説明する。
はじめに、図1を参照して、ドライブレコーダシステム1を含む全体の構成について説明する。図1に示されるように、本実施の形態のドライブレコーダシステム1は、車両A11〜A22に搭載されたドライブレコーダ装置100(図1では図示略)と、道路に設置された路側機200と、交通事故が発生したことを通知する事故通知信号をドライブレコーダ装置100から受信したり、ドライブレコーダ装置100から走行履歴データを収集したりする車両管理センター300とを備えて構成されている。また、車両管理センター300は、通信事業者Coが提供する通信網Nを介して、信号機Siに有線接続された警察署Po、病院Ho、保険会社In、及び道路事業者Ro等に接続されている。
このような構成により、車両管理センター300は、ドライブレコーダ装置100から事故通知信号を受信すると、この事故通知信号に含まれている交通事故発生時刻情報及び交通事故発生場所情報を、警察署Po、病院Ho、及び道路事業者Roに通報することにより、警察署Poによる事故処理、病院Hoによる救命・救急処理、道路事業者Roによる交通事故現場の復旧処理等を円滑化しようとしている。また、車両管理センター300は、ドライブレコーダ装置100から収集した走行履歴データに基づいて交通事故の発生状況を映像にて再現し、その再現映像情報を保険会社Inに提供することにより、交通事故の過失割合を明確化しようとしている。
次に、図2を参照して、ドライブレコーダ装置100を搭載する車両Cの構成について説明する。図2に示されるように、車両Cには、エアバッグECU131、ABSECU132、ドアコントロールECU133、エンジンECU134、メーターECU135、カメラECU136、ナビゲーションECU137、及びエアコンECU138等々、複数の車載制御装置が搭載されている。
このうち、エアバッグECU131は、例えば加速度センサ等によって構成された図示しない衝撃センサによって衝撃が検知されたことに基づいてエアバッグの作動を制御する。なお、本実施の形態では、衝撃センサは、車体の前進側左方角部、車体の前進側右方角部、車体の後退側左方角部、及び車体の後退側右方角部等の4箇所に設置されており、車体が衝撃を受けたことに基づいて、車体が衝撃を受けたことを示す衝撃信号をエアバッグECU131に出力する。そして、エアバッグECU131は、4箇所に設置された衝撃センサのうちいずれの衝撃センサから衝撃信号が入力されたかに基づいて、車体が衝撃を受けた箇所の検出を行う。なお、4箇所に設置された衝撃センサが衝撃の強さを定量的に検出することが可能な場合には、これら衝撃センサが検出した衝撃の強さを比較することにより、衝撃を受けた箇所をより正確に特定することができるようになる。
ABSECU132は、図示しない車速センサによって検出された車速や図示しないブレーキストロークセンサによって検出されたブレーキの踏込量等に基づいて車両Cの制動を制御(すなわち、ABSの作動を制御)し、ドアコントロールECU133は、車両ドアの施解錠等を制御する。また、エンジンECU134は、車載エンジンの運転を制御し、メータECU135は、図示しない車載時計によって計時された内部時刻等のメーター表示を制御する。また、カメラECU136は、車両Cの前方を撮像する車載撮像装置を制御し、ナビゲーションECU137は、GPS衛星から発せられるGPS信号に基づき車両Cの位置を検出し目的地まで案内する車載ナビゲーション装置を制御する。ちなみに、将来的に準天頂衛星が打ち上げられた場合、ナビゲーションECU137は、より精度の高い位置情報を取得することが可能となるため、走行履歴データを用いるだけで交通事故の発生状況をより正確に再現することができるようになる。また、エアコンECU138は、車両Cの外気温や内気温に基づき車室内を空調するエアコンを制御する。なお、ABSECU132が特許請求の範囲に記載の「走行制御を行う車両制御装置」に相当し、このABSECU132から取得される「作動」あるいは「−(作動なし)」との情報が走行制御情報に相当する。
また、車両Cには、車両側無線通信機として、例えば広域無線通信モジュール等、車両管理センター300との間で無線通信を行う広域無線通信機141、他の車両Cとの間で無線通信を行う車車間通信機142、及び路側機200との間で無線通信を行う路車間通信機143等が搭載されている。
また、車両Cには、ドライブレコーダ装置100と上記車載制御装置との間、及び、ドライブレコーダ装置100と上記車両側無線通信機との間を接続する例えばCAN等の車載ネットワーク150が搭載されている。
そして、ドライブレコーダ装置100は、車載ネットワーク150を介して車載制御装置から走行履歴データ(以下、CANデータとも記載)を取得する。なお、CANデータは、車載ネットワーク150を介して複数のECU間で取り扱われるデータであり、このCANデータには、車両Cの車速情報、車両Cの制動情報(ブレーキの踏込量情報やABS作動情報等)、車両Cの位置情報、上記車載時計によって計時された内部時刻情報、車体が衝撃を受けた衝撃箇所情報、及び車載撮像装置にて撮像された画像情報が含まれている。
こうしたドライブレコーダ装置100の構成及び機能について図3を併せ参照して説明する。図3に示されるように、ドライブレコーダ装置100は、レコーダ制御部110とデータ記録部120とを備えて構成されており、車載ネットワーク150を介して上記車載制御装置や車両側無線通信機(図3では図示略)に接続されている。レコーダ制御部110は、公知のCPU及び内蔵メモリを有して構成されるコンピュータであり、そのCPUが、内蔵メモリに予め記憶されているプログラムを実行することによって記録・判断処理(図6参照)、事故通知信号送信処理(図7参照)、事故通知信号伝達処理(図8参照)、通知済み信号伝達処理(図9参照)、探索・送信処理(図10参照)等々の各種機能を実現している。以下の説明では、便宜上、レコーダ制御部110は、事故発生判断部111、記録制御部113、及び通知処理部115等を有するものとして説明する。なお、内蔵メモリには、当該ドライブレコーダ装置100が搭載された車両(以下、単に当該車両とも記載)を識別するための車種IDも記憶されており、この車種IDが特許請求の範囲に記載の車格特定データに相当する。また、データ記録部120は、例えばハードディスクドライブ装置やフラッシュメモリ等によって構成されており、レコーダ制御部110に接続されている。なお、データ記録部120が特許請求の範囲に記載のデータ記録部に相当する。
事故発生判断部111は、車載ネットワーク150を介してエアバッグECU131から走行履歴データとして上記衝撃箇所情報を受信するか否かに基づいて、当該車両が絡んだ交通事故が発生したか否かを判断する。ここで、事故発生判断部111は、上記衝撃箇所情報を受信していない間においては、当該車両が絡んだ交通事故が発生していないと判断する一方、上記衝撃箇所情報を受信すると、当該車両が絡んだ交通事故が発生した、すなわち、当該車両が事故車両であると判断する。
また、事故発生判断部111は、車車間通信機143によって他の車両から事故通知信号を受信するか否かに基づいて、当該車両は交通事故発生時刻に交通事故発生場所の周辺に位置していた周辺車両であるか否かを判断する。ここで、事故発生判断部111は、事故通知信号を受信していない間においては、当該車両は周辺車両ではないと判断する一方、事故通知信号を受信すると、当該車両が周辺車両であると判断する。なお、交通事故発生時刻に交通事故発生場所の周辺に位置するとは、交通事故発生場所に位置する車両との間で車車間通信可能な範囲内に位置することを意味し、この事故発生判断部111は特許請求の範囲に記載の事故発生判断処理手段に相当する。
記録制御部113は、事故発生判断部111によって、当該車両が事故車両であるとも周辺車両であるとも判断されていない間においては、車載ネットワーク150を介して車載制御装置から逐次取得した走行履歴データを上記内蔵メモリに一時的に記憶保持する。なお、この間、記録制御部113は、路車間通信機143によって路側機200から後述の基準時刻情報を受信した場合には、その受信した基準時刻情報も走行履歴データとして上記内蔵メモリに一時的に記憶保持する。また、この間、記録制御部113は、路車間通信機143によって路側機200から後述の点灯情報を受信した場合には、その受信した点灯情報も走行履歴データとして上記内蔵メモリに一時的に記憶保持する。
そして、記録制御部113は、事故発生判断部111によって、当該車両が事故車両であると判断されると、走行履歴データの上記内蔵メモリへの一時的な記憶保持を継続して実行しながら、それら判断時点を基準として一定時間(例えば「5[秒]」)経過時に、上記内蔵メモリに一時的に記憶保持された走行履歴データのうち、その判断時点よりも一定時間(例えば「10[秒]」)前から上記一定時間(すなわち「5[秒]」)後までの走行履歴データを読み出し、データ記録部120に記録する。また、記録制御部113は、事故発生判断部111によって、当該車両が周辺車両であると判断されると、走行履歴データの上記内蔵メモリへの一時的な記憶保持を継続して実行しながら、上記内蔵メモリに一時的に記憶保持された走行履歴データのうち、事故通知信号に含まれる交通事故発生時刻よりも一定時間(例えば「20[秒]」)前から上記一定時間(すなわち「10[秒]」)後までの走行履歴データを読み出し、データ記録部120に記録する。
なお、記録制御部113は、当該車両が周辺車両であると判断された場合には、走行履歴データの上記内蔵メモリへの一時的な記憶保持を継続して実行する際、事故車両から発せられ既に受信していた事故通知信号に含まれている車種IDも走行履歴データとして一時的に記憶保持する。また、上記内蔵メモリに一時的に記憶保持された走行履歴データは揮発性のデータであり、当該ドライブレコーダ装置100の電源がオフされると消えてしまう一方、データ記録部120に記録された走行履歴データは不揮発性のデータであり、当該ドライブレコーダ装置100の電源がオフされても消えてしまうことはない。なお、記録制御部113が特許請求の範囲に記載の記録処理手段に相当する。
また、当該車両が周辺車両であると判断された場合にデータ記録部120に記録する走行履歴データの時間幅の方が、当該車両が事故車両であると判断された場合にデータ記録部120に記録する走行履歴データの時間幅よりも長い理由は、車両によって内部時刻がずれていることが多いことから、交通事故発生時刻の前後一定時間の走行履歴データを確実に記録するためである。
通知処理部115は、事故発生判断部111によって当該車両が事故車両であると判断された場合、走行履歴データに含まれている上記内部時刻情報(すなわち、交通事故発生時刻情報)、走行履歴データに含まれている上記位置情報(すなわち、交通事故発生場所情報)、路側機200から発せられて受信した上記基準時刻情報、内蔵メモリに予め記憶されていた当該車両(すなわち事故車両)の車種IDを含み、交通事故が発生したことを通知する事故通知信号を車車間通信機142によって一定時間(例えば「10[秒]」)毎に繰り返し送信するいわゆるブロードキャスト放送を開始する。そして、通知処理部115は、上記ブロードキャスト放送を開始した後、周辺車両との車車間通信により後述の通知済み信号を受信するか否かを判断する。ここで、ドライブレコーダ装置100は、周辺車両との車車間通信により通知済み信号を受信しない間においては、上記ブロードキャスト放送を継続する一方、周辺車両との車車間通信により通知済み信号を受信すると、上記ブロードキャスト放送を停止する。なお、本実施の形態では、周辺車両との車車間通信により通知済み信号を受信すると、通知信号のブロードキャスト放送を停止していたが、これに限らない。他に例えば、車両管理センター300に未通知であるかあるいは通知済みであるかを示すステータス情報を通知信号に含ませておき、通知済み信号を受信すると、車両管理センター300には通知済みである旨を示すステータス情報を含む通知信号のブロードキャスト放送を継続する構成としてもよい。こうした構成の場合、後述のステップS109の判断処理では、ドライブレコーダ装置100は、未通知である旨を示すステータス情報を含む通知信号を受信した場合に、当該車両が周辺車両であると判断するとよい。
また、通知処理部115は、事故発生判断部111によって当該車両が周辺車両であると判断された場合、当該周辺車両が路車間通信の通信エリア内に位置するか否かを判断する。通知処理部115は、当該周辺車両が路車間通信の通信エリア内に位置すると判断した場合、事故車両から発せられ既に受信していた事故通知信号を路車間通信によって路側機200に対して送信し、路側機200から車両管理センター300に対してその事故通知信号を送信させる。すなわち、通知処理部115は、車両管理センター300に対して路側機200を介して事故通知信号を送信する。また、通知処理部115は、当該周辺車両が路車間通信の通信エリア内に位置していないものの、広域無線通信の通信エリア内に位置していると判断した場合、事故車両から発せられ既に受信していた事故通知信号を広域無線通信によって車両管理センター300に対して送信する。なお、通知処理部115が特許請求の範囲に記載の通知処理手段に相当する。
また、ドライブレコーダ装置100は、当該車両が周辺車両であると判断された場合、路車間通信機143によって路側機200から、あるいは、広域無線通信機141によって車両管理センター300から、後述の通知済み信号を受信したか否かを判断する。ドライブレコーダ装置100は、通知済み信号を受信したと判断した場合、当該周辺車両が事故車両との間の車車間通信の通信エリア内に位置するか否かを判断する。当該周辺車両が事故車両との間の車車間通信の通信エリア内に位置したと判断した場合、ドライブレコーダ装置100は、その受信した通知済み信号を車車間通信機142によって事故車両に対して送信する。
また、ドライブレコーダ装置100は、車両管理センター300から発せられた後述の送信要求信号を広域無線通信機141あるいは路車間通信機143にて受信したか否かを判断する。
ドライブレコーダ装置100は、送信要求信号を受信したと判断すると、この送信要求信号に含まれている、交通事故発生時刻情報、交通事故発生場所情報、及び(事故車両の)車種IDに基づいて、該当する走行履歴データがデータ記録部120に記録されているか否かを判断する(探索する)。
具体的には、まず、ドライブレコーダ装置100は、事故車両の車種IDと一致する車種IDを含む走行履歴データが記録されているか否かを探索する。次に、ドライブレコーダ装置100は、事故車両の車種IDと一致する車種IDを含む走行履歴データが探索された場合には、その探索された走行履歴データに含まれる内部時刻情報及び位置情報が、送信要求信号に含まれていた交通事故発生時刻及び交通事故発生場所にそれぞれ近接しているか否かを判断する。そして、ドライブレコーダ装置100は、それぞれ近接していると判断した場合、該当する走行履歴データがデータ記録部120に記録されていると判断する。なお、それぞれ近接しているとは、内部時刻と交通事故発生時刻とのずれが所定閾値(例えば「1[分]」)以内、且つ、交通事故発生場所から所定閾値(例えば事故通知信号を受信可能な距離に余裕を加えた距離)内に位置していることを意味する。
ドライブレコーダ装置100は、該当する走行履歴データがデータ記録部120に記録されていると判断した(探索した)場合、その該当する走行履歴データを読み出す。該当する走行履歴データを読み出すと、ドライブレコーダ装置100は、路車間通信の通信エリア内に位置している場合には、その読み出した走行履歴データを路車間通信によって路側機200に対して送信し、路側機200から車両管理センター300に対してその事故通知信号を送信させるとともに、路車間通信の通信エリア内に位置していないものの、広域無線通信の通信エリア内に位置している場合には、その読み出した走行履歴データを広域無線通信機141によって車両管理センター300に対して送信する。
次に、路側機200について説明する。路側機200は、道路の路側や信号機付きの交差点等に設置されており、先の図1に示されるように、車両管理センター300に通信網Nを介して接続されている。路側機200は、図4に示されるように、路側機側制御部210及び路側機側通信部220を備えて構成されている。
路側機側制御部210は、公知のCPU及び内蔵メモリを有して構成されるコンピュータであり、そのCPUが内蔵メモリに記憶されているプログラムを実行することによって各種機能を実現している。
路側機側通信部220は、適宜のアンテナを有して構成されており、図示しないGPS衛星から発せられるGPS信号を受信することが可能であるとともに、通信エリア内に位置する車両との間で路車間通信が可能である。また、路側機側通信部220は、車両管理センター300との間で通信網Nを介した通信も可能である。さらに、路側機200が信号機Si付き交差点に設置されている場合、路側機側通信部220は、信号機Siの点灯制御を行う警察署Poとの間で通信網Nを介した通信も可能である。
路側機側制御部210は、路側機側通信部220によって図示しないGPS衛星から発せられたGPS信号を受信すると、この受信したGPS信号を用いて基準時刻を計時する。路側機側制御部210は、基準時刻を計時すると、路側機側通信部220によって路車間通信の通信エリア内に位置する車両に対して一定時間(例えば「0.01[秒]」)毎に基準時刻情報を送信する。なお、既述したように、車両に搭載されたドライブレコーダ装置も車載ネットワーク150を介して内部時刻情報を取得しているが、この内部時刻情報は、車載時計によって計時される時刻であることから、上記基準時刻情報よりも精度の点で劣っており、車両によって若干ずれていることが多い。なお、路側機側制御部210が特許請求の範囲に記載の計時処理手段に相当する。
また、路側機側制御部210は、通信網Nを介して接続された警察署Poから信号機Siの点灯情報を取得する。路側機側制御部210は、信号機Siの点灯情報を取得すると、路側機側通信部220によって路車間通信のエリア内に位置する車両に対して点灯情報を逐次送信する。
また、路側機側制御部210は、路側機側通信部220によって路車間通信の通信エリア内に位置する車両から上記事故通知信号を受信すると、路側機側通信部220によって車両管理センター300に対して通信網Nを介してその受信した事故通知信号を送信する。
また、路側機側制御部210は、路側機側通信部220によって車両管理センター300から通信網Nを介して通知済み信号を受信すると、路側機側通信部220によって路車間通信の通信エリア内に位置する車両に対して上記通知済み信号を送信する。
また、路側機側制御部210は、路側機側通信部220によって車両管理センター300から通信網Nを介して送信要求信号を受信すると、路側機側通信部220によって路車間通信の通信エリア内に位置する車両に対して上記送信要求信号を送信する。
また、路側機側制御部210は、路側機側通信部220によって路車間通信の通信エリア内に位置する車両から上記走行履歴データを受信すると、路側機側通信部220によって車両管理センター300に対して通信網Nを介してその受信した走行履歴データを送信する。
次に、車両管理センター300の構成及び機能について図5を併せ参照して説明する。図5に示されるように、車両管理センター300は、センター制御部310とセンター側通信部320とを備えて構成されている。
センター制御部310は、公知のCPU及び内蔵メモリを有して構成されるコンピュータであり、そのCPUが、内蔵メモリに予め記憶されているプログラムを実行することによって各種機能を実現している。以下の説明では、便宜上、センター制御部310は、通報処理部311、データ収集処理部313、及び映像再現処理部315等を有するものとして説明する。なお、内蔵メモリには、車両の体格(より詳しくは、車両の三次元形状)の情報である車格情報が車種と対応付けられて記録されており、事故車両から発せられた事故通知信号に含まれる車種IDや周辺車両から送信される車種IDに基づいて車格を特定することが可能である。また、通報処理部311が特許請求の範囲に記載の通報処理手段に相当する。
センター側通信部320は、適宜のアンテナを有して構成されており、通信エリア内に位置する車両との間で広域無線通信が可能である。また、センター側通信部320は、信号機Siに接続された警察署Po、病院Ho、保険会社In、道路事業者Ro、及び路側機200等に通信網Nを介して接続されており、これら接続先との間で通信網Nを介した通信が可能である。なお、センター側通信部320が特許請求の範囲に記載のセンター側通信機に相当する。
通報処理部311は、事故車両から発せられた事故通知信号をセンター側通信部320によって周辺車両を介して受信すると、この受信した事故通知信号に含まれる交通事故発生時刻情報及び交通事故発生場所情報を、上記接続先のうち、警察署Po、病院Ho、及び道路事業者Roにそれぞれ通報する。これにより、警察署Poによる事故処理、病院Hoによる救命・救急処理、道路事業者Roによる交通事故現場の道路の復旧処理・車線規制の迅速な案内処理・復旧時刻の的確な予測処理等を円滑に行うことができるようになる。また、通報処理部311は、後述の映像再現処理部315によって交通事故の発生状況が映像にて再現されると、その再現された映像の情報である映像情報を保険会社Inに提供する。映像情報の提供を受けた保険会社Inは、この映像情報や、交通事故発生直前のアクセル、ブレーキ、ウインカー、ハンドルの操作状況を併せて確認することにより、交通事故の過失割合を明確にすることができるようになる。
また、車両管理センター300は、事故車両から発せられた事故通知信号をセンター側通信部320によって周辺車両を介して受信すると、事故車両の車種IDを含み、事故通知信号を受信した旨を示す信号である通知済み信号をセンター側通信部320によって周辺車両を介して事故車両に対して送信する。具体的には、車両管理センター300は、広域無線通信により通知済み信号を周辺車両に送信し、車車間通信によりその通知済み信号を周辺車両から事故車両に送信させる。あるいは、車両管理センター300は、通信網Nを介して通知済み信号を路側機200に送信し、路車間通信によりその通知済み信号を路側機200から周辺車両に送信させ、さらに、車車間通信によりその通知済み信号を周辺車両から事故車両に送信させる。
データ収集処理部313は、センター側通信部320により通知済み信号が送信されると、次に、交通事故発生時刻情報、交通事故発生場所情報、及び事故車両の車種IDを含み、交通事故発生時刻の前後一定時間における走行履歴データの送信を要求する送信要求信号を、センター側通信部320によって周辺車両及び事故車両に対して送信する。具体的には、データ収集処理部313は、広域無線通信により送信要求信号を周辺車両及び事故車両に送信する。また、データ収集処理部313は、通信網Nを介して送信要求信号を路側機200に送信し、路車間通信によりその送信要求信号を路側機200から周辺車両及び事故車両に送信させる。
なお、この送信要求信号を受信した周辺車両及び事故車両に搭載されたドライブレコーダ装置100は、該当する走行履歴データを探索する。ドライブレコーダ装置100は、該当する走行履歴データを探索すると、当該車両が路車間通信の通信エリア内に位置するか否かを判断し、当該車両が路車間通信の通信エリア内に位置すると判断した場合には、該当する走行履歴データを路車間通信にて送信し、路側機200から車両管理センター300に送信させる。また、ドライブレコーダ装置100は、当該車両が路車間通信の通信エリア内に位置しないと判断したものの、当該車両が広域無線通信の通信エリア内に位置すると判断した場合には、該当する走行履歴データを広域無線通信にて車両管理センター300に送信する。
このようにして、データ収集処理部313は、事故車両及び周辺車両に搭載されたドライブレコーダ装置に記録された走行履歴データを収集する。したがって、データ収集処理部313は特許請求の範囲に記載のデータ収集処理手段に相当する。
映像再現処理部315は、データ収集処理部313によって収集された走行履歴データ、及び、事故通知信号に含まれていた車種IDによって特定された車格情報に基づいて、交通事故の発生状況を映像にて再現する。具体的には、映像再現処理部315は、まず、事故車両から収集した走行履歴データに含まれる内部時刻情報及び基準時刻情報に基づいて、事故車両の内部時刻の基準時刻に対するずれを算出する。同様に、映像再現処理部315は、周辺車両から収集した走行履歴データに含まれる内部時刻情報及び基準時刻情報に基づいて、周辺車両の内部時刻の基準時刻に対するずれを算出する。そして、映像再現処理部315は、こうした基準時刻に対するずれを補正した上で、事故車両の走行履歴データ及び周辺車両の走行履歴データと車格情報とに基づいて、交通事故発生状況を3Dアニメーション映像にて再現する。なお、映像再現処理部315が特許請求の範囲に記載の再現処理手段に相当する。
以上のように構成されたドライブレコーダシステム1の動作について説明する。ドライブレコーダ装置100は、当該車両のイグニッションスイッチがオン操作されると、図6に示す記録・判断処理S100、図7に示す事故通知信号送信処理S120、図8に示す事故通知信号伝達処理S130、図9に示す通知済み信号伝達処理S140、図10に示す探索・送信処理S150を実行開始する。
記録・判断処理S100を実行開始すると、ドライブレコーダ装置100は、ステップS101の処理として、車載制御装置から取得した走行履歴データの内蔵メモリへの一時的な記憶保持を実行開始する。
ドライブレコーダ装置100は、車載制御装置から取得した走行履歴データの内蔵メモリへの一時的な記憶保持を実行開始すると、続くステップS102の判断処理として、路車間通信機143によって路側機200から基準時刻情報を受信したか否かを判断する。ここで、基準時刻情報を受信した場合(ステップS102の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS103の処理として、走行履歴データとして基準時刻情報も内蔵メモリに一時的に記憶保持し、続くステップS104の判断処理に移行する。一方、基準時刻情報を受信しなかった場合(ステップS102の判断処理で「No」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS104の判断処理に移行する。
ステップS104の判断処理に移行すると、ドライブレコーダ装置100は、路車間通信機143によって路側機200から点灯情報を受信したか否かを判断する。ここで、点灯情報を受信した場合(ステップS104の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS105の処理として、走行履歴データとして点灯情報も内蔵メモリに一時的に記憶保持し、続くステップS106の判断処理に移行する。一方、点灯情報を受信しなかった場合(ステップS104の判断処理で「No」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS106の判断処理に移行する。
ステップS106の判断処理に移行すると、ドライブレコーダ装置100は、走行履歴データとして衝撃箇所情報を取得したか否かを判断する。ここで、衝撃箇所情報を取得したと判断した場合(ステップS106の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS107及びステップS108の処理として、当該車両が事故車両であると判断し、その判断時点を基準として一定時間経過時に、内蔵メモリに一時的に記憶保持された走行履歴データのうち、その判断時点を含む前後一定時間の走行履歴データを読み出し、データ記録部120に記録する。一方、衝撃箇所情報を取得したと判断しなかった場合(ステップS106の判断処理で「No」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS109の判断処理に移行する。
ステップS109の判断処理に移行すると、ドライブレコーダ装置100は、車車間通信機142によって他の車両から事故通知信号を受信したか否かを判断する。ここで、事故通知信号を受信したと判断した場合(ステップS109の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS110及びステップS111の処理として、当該車両が周辺車両であると判断し、内蔵メモリに一時的に記憶保持された走行履歴データのうち、事故通知信号に含まれる交通事故発生時刻を含む前後一定時間の走行履歴データを読み出し、データ記録部120に記録する。一方、車車間通信機142によって他の車両から事故通知信号を受信したと判断しなかった場合(ステップS106の判断処理で「No」)、ドライブレコーダ装置100は、先のステップS102の判断処理を再度実行する。
また、事故通知信号送信処理S120を実行開始すると、ドライブレコーダ装置100は、ステップS121の判断処理として、当該車両が事故車両であるか否か、すなわち、先の記録・判断処理S110において当該車両が事故車両であったと判断されたか否かを判断する。ここで、当該車両が事故車両であると判断しなかった場合(ステップS121の判断処理で「No」)、ドライブレコーダ装置100は、ステップS121の判断処理を再度実行する。換言すれば、ドライブレコーダ装置100は、ステップS121の判断処理を通じて、当該車両が事故車両であると判断されるまで待機する。
当該車両が事故車両であると判断された場合(ステップS121の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS122の処理として、事故通知信号のブロードキャスト放送を開始する。詳しくは、ドライブレコーダ装置100は、走行履歴データに含まれている交通事故発生時刻情報、交通事故発生場所情報、基準時刻情報、事故車両の車種IDを含み、交通事故が発生したことを通知する事故通知信号を車車間通信機142によって一定時間毎に繰り返し送信する。
ステップS122の処理に移行すると、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS123の判断処理として、通知済み信号を受信したか否かを判断する。ここで、通知済み信号を受信したと判断しなかった場合(ステップS123の判断処理で「No」)、ドライブレコーダ装置100は、先のステップS122の処理を再度実行し、事故通知信号のブロードキャスト放送を継続する。一方、通知済み信号を受信したと判断した場合(ステップS123の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS124の処理として、事故通知信号のブロードキャスト放送を停止し、先のステップS121の判断処理を再度実行する。
また、事故通知信号伝達処理S130を実行開始すると、ドライブレコーダ装置100は、ステップS131の判断処理として、当該車両が周辺車両であるか否か、すなわち、先の記録・判断処理S110において当該車両が周辺車両であったと判断されたか否かを判断する。ここで、当該車両が周辺車両であると判断しなかった場合(ステップS131の判断処理で「No」)、ドライブレコーダ装置100は、ステップS131の判断処理を再度実行する。すなわち、ドライブレコーダ装置100は、ステップS131の判断処理を通じて、当該車両が周辺車両であると判断されるまで待機する。
当該車両が周辺車両であると判断されると(ステップS131の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS132の判断処理として、当該周辺車両が路車間通信の通信エリア内であるか否かを判断する。ここで、当該周辺車両が路車間通信の通信エリア内に位置すると判断した場合(ステップS132の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS133の処理として、事故車両から発せられ既に受信していた事故通知信号を、路車間通信機143にて車両管理センター300に対し路側機200を介して送信する。
上記ステップS132の判断処理において当該周辺車両が路車間通信の通信エリア内に位置すると判断した場合(ステップS132の判断処理で「No」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS134の判断処理として、当該周辺車両が広域無線通信の通信エリア内であるか否かを判断する。ここで、当該周辺車両が広域無線通信の通信エリア内に位置すると判断した場合(ステップS134の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS135の処理として、事故車両から発せられ既に受信していた事故通知信号を車両管理センター300に対して広域無線通信機141にて送信する。
そして、上記ステップS134の判断処理において当該周辺車両が広域無線通信の通信エリア内に位置すると判断しなかった場合(ステップS134の判断処理で「No」)、上記ステップS133の処理を終了した場合、あるいは、上記ステップS135の処理を終了した場合、ドライブレコーダ装置100は、先のステップS131の判断処理を再度実行する。
また、通知済み信号伝達処理S140を実行開始すると、ドライブレコーダ装置100は、ステップS141の判断処理として、当該車両が周辺車両であるか否か、すなわち、先の記録・判断処理S110において当該車両が周辺車両であったと判断されたか否かを判断する。ここで、当該車両が周辺車両であると判断しなかった場合(ステップS141の判断処理で「No」)、ドライブレコーダ装置100は、ステップS141の判断処理を再度実行する。すなわち、ドライブレコーダ装置100は、ステップS141の判断処理を通じて、当該車両が周辺車両であると判断されるまで待機する。
また、ドライブレコーダ装置100は、当該車両が周辺車両であると判断された場合、路車間通信機143によって路側機200から、あるいは、広域無線通信機141によって車両管理センター300から、後述の通知済み信号を受信したか否かを判断する。ドライブレコーダ装置100は、通知済み信号を受信したと判断した場合、当該周辺車両が事故車両との間の車車間通信の通信エリア内に位置するか否かを判断する。当該周辺車両が事故車両との間の車車間通信の通信エリア内に位置したと判断した場合、ドライブレコーダ装置100は、その受信した通知済み信号を車車間通信機142によって事故車両に対して送信する。
そして、上記ステップS134の判断処理において当該周辺車両が広域無線通信の通信エリア内に位置すると判断しなかった場合(ステップS134の判断処理で「No」)、上記ステップS133の処理を終了した場合、あるいは、上記ステップS135の処理を終了した場合、ドライブレコーダ装置100は、先のステップS131の判断処理を再度実行する。
また、通知済み信号伝達処理S140を実行開始すると、ドライブレコーダ装置100は、ステップS141の判断処理として、当該車両が周辺車両であるか否か、すなわち、先の記録・判断処理S110において当該車両が周辺車両であったと判断されたか否かを判断する。ここで、当該車両が周辺車両であると判断しなかった場合(ステップS141の判断処理で「No」)、ドライブレコーダ装置100は、ステップS141の判断処理を再度実行する。すなわち、ドライブレコーダ装置100は、ステップS141の判断処理を通じて、当該車両が周辺車両であると判断されるまで待機する。
当該車両が周辺車両であると判断した場合(ステップS141の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS142の判断処理として、路車間通信機143によって路側機200から、あるいは、広域無線通信機141によって車両管理センター300から、通知済み信号を受信したか否かを判断する。ここで、通知済み信号を受信したと判断した場合(ステップS142の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS143の判断処理に移行する。
続くステップS143の判断処理に移行すると、ドライブレコーダ装置100は、当該周辺車両が事故車両との間の車車間通信の通信エリア内に位置するか否かを判断する。当該周辺車両が事故車両との間の車車間通信の通信エリア内に位置したと判断した場合(ステップS143の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS144の処理として、車車間通信にて通知済み信号を事故車両に送信する。
上記ステップS142の判断処理において通知済み信号を受信したと判断しなかった場合(ステップS142の判断処理で「No」)、上記ステップS143の判断処理において当該周辺車両が事故車両との間の車車間通信の通信エリア内に位置していると判断しなかった場合(ステップS143の判断処理で「No」)、あるいは、上記ステップS144の処理を実行すると、ドライブレコーダ装置100は、先のステップS141の判断処理を再度実行する。
また、探索・送信処理S150を実行開始すると、ドライブレコーダ装置100は、ステップS151の判断処理として、車両管理センター300から発せられた送信要求信号を広域無線通信機141あるいは路車間通信機143にて受信したか否かを判断する。ここで、送信要求信号を受信したと判断しなかった場合(ステップS151の判断処理で「No」)、ドライブレコーダ装置100は、このステップS151の判断処理を再度実行する。すなわち、ドライブレコーダ装置100は、ステップS151の判断処理を通じて、送信要求信号を受信したと判断するまで待機する。
送信要求信号を受信したと判断した場合(ステップS151の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS152の処理として、この送信要求信号に含まれている、交通事故発生時刻情報、交通事故発生場所情報、及び車種IDに基づいて、データ記録部120から該当する走行履歴データを探索し、続くステップS153の判断処理に移行する。
ステップS153の判断処理に移行すると、ドライブレコーダ装置100は、該当する走行履歴データがデータ記録部120に記録されているか否かを判断する。ここで、該当する走行履歴データがデータ記録部120に記録されていると判断した場合(ステップS153の判断処理で「Yes」)、ドライブレコーダ装置100は、続くステップS154の処理として、該当する走行履歴データを読み出し、路車間通信の通信エリア内に位置している場合には、その読み出した走行履歴データを路車間通信によって路側機200に対して送信し、路側機200から車両管理センター300に対してその事故通知信号を送信させるとともに、路車間通信の通信エリア内に位置していないものの、広域無線通信の通信エリア内に位置している場合には、その読み出した走行履歴データを広域無線通信機141によって車両管理センター300に対して送信する。また、周辺車両である場合には、走行履歴データに加えて車種IDも送信する。なお、ステップS154の処理がデータ送信処理手段に相当する。
一方、上記ステップS153の判断処理において、該当する走行履歴データがデータ記録部120に記録されていると判断しなかった場合(ステップS153の判断処理で「No」)、あるいは、上記ステップS154の処理を実行すると、ドライブレコーダ装置100は、先のステップS151の判断処理を再度実行する。
路側機200は、図11に示す路側機側処理S200を逐次実行する。詳しくは、路側機側処理S200を実行開始すると、路側機200は、ステップS201の処理として、路車間通信機143によって基準時刻情報を送信するとともに、ステップS202の処理として、路車間通信機143によって点灯情報を送信し、続くステップS203の判断処理に移行する。
続くステップS203の判断処理移行すると、路側機200は、路側機側通信部220によって事故通知信号を受信したか否かを判断する。ここで、路側機側通信部220によって事故通知信号を受信したと判断した場合(ステップS203の判断処理で「Yes」)、路側機200は、続くステップS204の処理として、路側機側通信部220によって事故通知信号を車両管理センター300へ送信し、続くステップS205の判断処理に移行する。一方、路側機側通信部220によって事故通知信号を受信したと判断しなかった場合(ステップS203の判断処理で「No」)、路側機200は、続くステップS205の判断処理に移行する。
ステップS205の判断処理に移行すると、路側機200は、路側機側通信部220によって車両管理センター300から通信網Nを介して通知済み信号を受信したか否かを判断する。ここで、路側機側通信部220によって車両管理センター300から通知済み信号を受信したと判断した場合(ステップS205の判断処理で「Yes」)、路側機200は、続くステップS206の処理として、路側機側通信部220によって路車間通信の通信エリア内に位置する車両に対して上記通知済み信号を送信し、続くステップS207の判断処理に移行する。一方、路側機側通信部220によって車両管理センター300から通知済み信号を受信したと判断しなかった場合(ステップS205の判断処理で「No」)、路側機200は、続くステップS207の判断処理に移行する。
ステップS207の判断処理に移行すると、路側機200は、路側機側通信部220によって車両管理センター300から通信網Nを介して送信要求信号を受信したか否かを判断する。ここで、路側機側通信部220によって車両管理センター300から送信要求信号を受信したと判断した場合(ステップS207の判断処理で「Yes」)、路側機200は、続くステップS208の処理として、路側機側通信部220によって路車間通信の通信エリア内に位置する車両に対して上記送信要求信号を送信し、続くステップS209の判断処理に移行する。一方、路側機側通信部220によって車両管理センター300から送信要求信号を受信したと判断しなかった場合(ステップS207の判断処理で「No」)、路側機200は、続くステップS209の判断処理に移行する。
続くステップS209の判断処理として、路側機200は、路側機側通信部220によって走行履歴データを受信したか否かを判断する。ここで、路側機側通信部220によって走行履歴データを受信したと判断した場合(ステップS209の判断処理で「Yes」)、路側機200は、続くステップS210の処理として、路側機側通信部220によって走行履歴データを車両管理センター300へ送信し、ステップS200の路側機側処理を終了する。一方、路側機側通信部220によって走行履歴データを受信したと判断しなかった場合(ステップS209の判断処理で「No」)、路側機200は、路側機側処理をそのまま終了する。
車両管理センター300は、図12に示すセンター側処理S300を逐次実行する。詳しくは、センター側処理S300を実行開始すると、車両管理センター300は、ステップS301の判断処理として、事故車両から発せられた事故通知信号をセンター側通信部320によって周辺車両を介して受信したか否かを判断する。ここで、車両管理センター300が事故通知信号を受信したと判断しなかった場合(ステップS301の判断処理で「No」)、車両管理センター300は、ステップS301の判断処理を再度実行する。換言すれば、車両管理センター300は、ステップS301の判断処理を通じて、事故通知信号を受信したと判断するまで待機する。
事故通知信号を受信したと判断した場合、車両管理センター300は、続くステップS302の処理に移行する。ステップS302の処理に移行すると、車両管理センター300は、この受信した事故通知信号に含まれる交通事故発生時刻情報及び交通事故発生場所情報を、警察署Po、病院Ho、及び道路事業者Roにそれぞれ通報し、続くステップS303の処理に移行する。
ステップS303の処理に移行すると、車両管理センター300は、通知済み信号をセンター側通信部320によって周辺車両を介して事故車両に対して送信する。詳しくは、車両管理センター300は、広域無線通信により通知済み信号を周辺車両に送信し、車車間通信によりその通知済み信号を周辺車両から事故車両に送信させる。あるいは、車両管理センター300は、通信網Nを介して通知済み信号を路側機200に送信し、路車間通信によりその通知済み信号を路側機200から周辺車両に送信させ、さらに、車車間通信によりその通知済み信号を周辺車両から事故車両に送信させる。そして、車両管理センター300は、続くステップS304の処理に移行する。
ステップS304の処理に移行すると、車両管理センター300は、センター側通信部320によって周辺車両及び事故車両に対して送信要求信号を送信する。具体的には、車両管理センター300は、広域無線通信により送信要求信号を周辺車両及び事故車両に送信する。また、車両管理センター300は、通信網Nを介して送信要求信号を路側機200に送信し、路車間通信によりその送信要求信号を路側機200から周辺車両及び事故車両に送信させる。そして、車両管理センター300は、続くステップS305の判断処理に移行する。
ステップS305の判断処理に移行すると、車両管理センター300は、センター側通信部320によって事故車両から走行履歴データを受信し、且つ、その事故車両と衝突した周辺車両から走行履歴データと車種IDを受信したか否かを判断する。なお、複数台の周辺車両からデータを受信することも考えられるが、その周辺車両が事故車両と衝突した周辺車両であるか否かは、事故車両の位置と周辺車両の位置とから判断する。ここで、それらのデータを受信したと判断しなかった場合(ステップS305の判断処理で「No」)、車両管理センター300は、このステップS305の判断処理を再度実行する。一方、受信したと判断した場合(ステップS305の判断処理で「Yes」)、車両管理センター300は、続くステップS306の映像再現処理に移行し、この映像再現処理を実行すると、センター側処理S300を終了する。
映像再現処理S306を実行開始すると、まず、車両管理センター300は、ステップS3061の処理として、事故車両から収集した走行履歴データに含まれる内部時刻情報及び基準時刻情報に基づいて、事故車両の内部時刻の基準時刻に対するずれを算出する。次に、車両管理センター300は、周辺車両から収集した走行履歴データに含まれる内部時刻情報及び基準時刻情報に基づいて、周辺車両の内部時刻の基準時刻に対するずれを算出する。そして、車両管理センター300は、こうした基準時刻に対するずれを補正した上で、事故車両の走行履歴データ及び周辺車両の走行履歴データと車格情報とに基づいて、交通事故発生状況を3Dアニメーション映像にて再現する。3Dアニメーション映像で再現するための具体的処理は、例えば次のように行う。まず、事故発生場所を含む所定範囲の道路形状やその範囲の建物等の情報を所定のデータベースから取得して、事故発生場所の道路および建物等の映像を作成する。そして、事故車両の三次元形状およびその事故車両と衝突した周辺車両の三次元形状をそれぞれ車種IDに基づいて特定する。そして、走行履歴データに含まれている位置情報および内部時刻情報に基づいて、事故車両およびその事故車両と衝突した周辺車両の三次元形状を連続的に移動させることにより、3Dアニメーション映像とする。また、事故車両と衝突した周辺車両以外の周辺車両からも走行履歴データ、車種IDを受信できている場合には、その周辺車両の三次元形状も3Dアニメーション映像に加えてもよい。
図14〜図17を併せ参照して、事故車両A11から車両管理センター300への周辺車両A12を介した広域無線通信による事故通知信号の伝達態様、及び、車両管理センター300から事故車両A11への周辺車両A12を介した広域無線通信による通知済み信号の伝達態様について、さらに説明する。
なお、図14においては、周辺車両A12は、事故車両A11との間の車車間通信の通信エリア内に位置しており、図14では図示しない路側機200との間の路車間通信の通信エリア内には位置していないものの、車両管理センター300との間の広域無線通信の通信エリア内に位置しているものとする。また、図15においては、周辺車両A12〜A14は、事故車両A11との間の車車間通信の破線にて示す通信エリア内に位置するものとする。また、図16においては、周辺車両A12は、当初、事故車両A11との間の車車間通信の通信エリア内に位置し、路側機200との間の路車間通信の通信エリア内及び車両管理センター300との間の広域無線通信の通信エリア内に位置していなかったものの、図16中に二点鎖線にて示すように移動した後においては、路側機200との間の路車間通信の通信エリア内に位置することとなったものとする。また、図17においては、当初、周辺車両A12は、路側機200との間の路車間通信の通信エリア内に位置し、事故車両A11との間の車車間通信の通信エリア内及び車両管理センター300との間の広域無線通信の通信エリア内に位置していなかったものの、図17中に二点鎖線にて示すように移動した後においては、事故車両A11との間の車車間通信の通信エリア内に位置することとなったものとする。
車両A11に搭載されたドライブレコーダ装置100は、当該車両A11が事故車両であると判断すると、図14に示すように、路車間通信機143によって周辺車両A12に対し事故通知信号を送信する。実際には、車両A11に搭載されていたドライブレコーダ装置100は、当該車両A11が絡んだ交通事故が発生すると、図15に示すように、車車間通信の通信エリア内に車種ID(ID_A)を含む事故通知信号をブロードキャスト放送し、車車間通信の通信エリア内に位置する車両A12〜A14がその事故通知信号を受信することになる。
そして、車車間通信により事故通知信号を受信した周辺車両A12は、図16に示すように、当初、路側機200との間の路車間通信の通信エリア内にも車両管理センター300との間の広域無線通信の通信エリアにも位置しておらず、移動後に、路側機200との間の路車間通信の通信エリア内に到達した場合には、路側機200に対して路舎監通信にて事故通知信号を送信し、路側機200は、車両管理センター300に対してその受信した事故通知信号を送信する。あるいは、車車間通信により事故通知信号を受信した周辺車両A12は、当初、路側機200との間の路車間通信の通信エリア内にも車両管理センター300との間の広域無線通信の通信エリアにも位置しておらず、移動後に、図14に示すように、車両管理センター300との間の広域無線通信の通信エリアに達した場合には、車両管理センター300に対して広域無線通信にて事故通知信号を送信する。
このようにして、事故通知信号は、事故車両A11から車両管理センター300へ周辺車両A12を介して伝達される。
また、車両管理センター300は、事故通知信号を受信したと判断すると、事故車両A11に対し周辺車両A12を介して通知済み信号を送信する。詳しくは、車両管理センター300は、図17に示すように、周辺車両A12が路側機200との間の路車間通信の通信エリア内に位置する場合に、路側機200に対して通知済み信号を送信する。通知済み信号を受信した路側機200は、その受信した通知済み信号を周辺車両12に対し路車間通信にて送信する。そして、通知済み信号を受信した周辺車両A12は、移動後、事故車両A11との間の車車間通信の通信エリアに達した場合に、その受信した通知済み信号を事故車両A11に対し車車間通信にて送信する。また、車両管理センター300は、図14に示すように、周辺車両A12が路側機200との間の路車間通信の通信エリア内に位置していないものの、広域無線通信の通信エリア内に位置している場合に、周辺車両A12に対して通知済み信号を送信する。そして、通知済み信号を受信した周辺車両A12は、移動後、事故車両A11との間の車車間通信の通信エリアに達した場合に、その受信した通知済み信号を事故車両A11に対し車車間通信にて送信する。
このようにして、通知済み信号は、車両管理センター300から事故車両A11へ周辺車両A12を介して伝達される。
また、図18〜図21を併せ参照して、交通事故発生状況の映像による再現について、さらに説明する。
図18(a)は、車両同士の衝突発生前の様子を示しており、図18(b)は、車両同士の衝突発生時の様子を示しており、図18(c)は、図18(b)に示した車両同士の衝突に起因した建造物との2度目の衝突時の様子を示している。まず、これら図18(a)〜(c)を参照して、交通事故の発生状況の一例について説明する。
詳しくは、図18(a)〜(c)に示されるように、図中左右方向に伸びる道路R1及び図中下方から上方に伸びる道路R2により、T字交差点が構成されている。図18(a)に示すように、車両A11は、図中右方から左右に向かって道路R1を走行しており、車両A21は、図中下方から上方に向かって道路R2を走行している。そして、図18(b)に示すように、車両A11及び車両A21は、T字交差点に差し掛かったときに、すなわち出会い頭で、車両A11の前進側左角部と車両A21の前進側右角部との衝突が発生した。なお、この衝突の際、車両A21の運転者は、車両A21を一旦停止することなくT字交差点に進入させており、車両A11の運転者、車両A21のT字交差点への進入を発見して、アクセルペダルからブレーキペダルに踏み替え、ABSが作動している状態であった。さらに、図18(c)に示すように、この出会い頭の衝突に起因して、車両A11及びA21はそれぞれ回転し、車両A11の後退側左角部と道路R1に面した建造物(図示略)との2度目の衝突、及び、車両A21の前進側左角部とT字交差点に面した建造物(図示略)との2度目の衝突が発生したものとする。また、事故車両A11は事故車両A21の周辺車両に相当し、事故車両A21は事故車両A11の周辺車両に相当する。
また、図19は、路側機200から車両への路車間通信による基準時刻情報の伝達態様を示している。次に、この図19を参照して、基準時刻情報の伝達態様について説明する。
詳しくは、図19に示されるように、路側機200は、道路R1と道路R2とのT字交差点に設置されており、当該路側機200との間の路車間通信の(破線にて示す)通信エリアが、このT字交差点を含むように設定されている。路側機200は、当該路側機200との間の路車間通信の破線にて示す通信エリア内に位置する車両に対して一定時間毎に基準時刻情報を送信している。
なお、図18(a)〜(c)には、図示の便宜上、路側機200の通信エリアの図示を省略しているが、車両A11及びA21は、路側機200の路車間通信の通信エリア内に位置している。また、基準時刻T101〜T103において図18(a)〜(c)に示した状況になったものとし、車両A11及びA21は基準時刻情報を受信しているものとする。
こうした仮定の下、車両管理センター300によって事故車両A11及びA21から収集された走行履歴データの一例を図20に示す。なお、図20に示した走行履歴データは、車両管理センター300が事故車両A11及びA21から収集した走行履歴データのうち、基準時刻T101における走行履歴データ、基準時刻T102における走行履歴データ、及び基準時刻T103における走行履歴データを示している。また、事故通知信号に含まれていた車種IDに基づいて特定された事故車両A11及びA21の車格データ(例えば全長、全幅、全高等)の一例を図21に示す。
車両管理センター300は、事故車両及び周辺車両から収集した走行履歴データに含まれる内部時刻情報及び基準時刻情報に基づいて、交通事故の発生状況を3Dアニメーション映像にて再現する。
詳しくは、車両管理センター300は、まず、事故車両A11の走行履歴データに含まれる内部時刻情報及び基準時刻情報から、基準時刻に対する内部時刻のずれを算出する。図18及び図20に示した一例では、基準時刻T101、すなわち「2010/10/27/14:35:22:05」に取得された事故車両A11の走行履歴データに含まれる内部時刻は「2010/10/27/14:35:22:05」であり、一致する。したがって、事故車両A11の走行履歴データには、基準時刻に対して内部時刻のずれが『ない』こととなる。
また、車両管理センター300は、事故車両A21の走行履歴データに含まれる内部時刻情報及び基準時刻情報から、基準時刻に対する内部時刻のずれを算出する。図18及び図20に示した一例では、基準時刻T101、すなわち「2010/10/27/14:35:22:05」に取得された事故車両A21の走行履歴データに含まれる内部時刻は「2010/10/27/14:35:22:13」であり、ずれている。したがって、事故車両A21の走行履歴データには、基準時刻に対して内部時刻のずれが『「0.08[秒]」の遅れ』だけ存在することとなる。
なお、事故車両A11は事故車両A21の周辺車両に相当し、事故車両A21は事故車両A11の周辺車両に相当することから、車両管理センター300は、周辺車両から収集した走行履歴データに含まれる内部時刻情報及び基準時刻情報に基づく周辺車両の内部時刻の基準時刻に対するずれの算出を行わない。
そして、車両管理センター300は、事故車両A21の走行履歴データの内部時刻の基準を『「0.08[秒]」だけ進める』ことにより、事故車両A11の走行履歴データの内部時刻の基準と事故車両A21の走行履歴データの内部時刻の基準とを一致させ、内部時刻の基準が一致した走行履歴データを用いて、交通事故の発生状況を3Dアニメーションにて再現する。なお、図18(a)〜(c)は、走行履歴データに基づいて再現された3Dアニメーション映像の一例である。
以上説明した実施の形態では、ドライブレコーダシステム1は、事故車両及び周辺車両の走行履歴データを収集し、その収集した走行履歴データに基づいて交通事故の発生状況を映像にて再現することとした。そのため、再現された映像は、カメラ画像を用いる従来技術により再現された映像とは異なり、交通事故発生時刻における天候の影響やカメラレンズの汚れ等の影響を受けない。再現された映像がこうした影響を受けないことから、事故発生状況をより正確に把握することができるようになる。
上記実施の形態では、ドライブレコーダシステム1は、交通事故の発生状況を3Dアニメーション映像にて再現することとした。これにより、図18に示した一例のような「上方からの視点」だけでなく、「事故車両の前進方向からの視点」や「事故車両の側面方向からの視点」等にて、3Dアニメーション映像を見ることができるようになる。
上記実施の形態では、車両管理センター300は、ドライブレコーダ装置100から事故通知信号を受信すると、この事故通知信号に含まれている交通事故発生時刻情報及び交通事故発生場所情報を、警察署Po、病院Ho、及び道路事業者Roに通報することした。これにより、警察署Poによる事故処理、病院Hoによる救命・救急処理、道路事業者Roによる交通事故現場の復旧処理等を円滑化することができるようになる。
上記実施の形態では、車両管理センター300は、ドライブレコーダ装置100から収集した走行履歴データに基づいて交通事故の発生状況を映像にて再現すると、その再現映像情報を保険会社Inに提供することとした。これにより、交通事故の過失割合を明確化することができるようになる。
上記実施の形態では、路側機200は、信号機付きの交差点等に設置されて、信号機Siの点灯情報を取得し、ドライブレコーダ装置100は、路側機200との間で無線通信を行う路車間通信機143を備える車両に搭載されており、レコーダ制御部110は、路車間通信機143によって点灯情報を受信したことに基づいて、走行履歴データとして点灯情報もデータ記録部120に記録することとした。交通事故の発生状況を再現した映像には信号機Siの点灯情報も含まれることになるため、交通事故に絡んだ車両の運転者の過失割合を明確にすることができるようになる。
上記実施の形態では、路側機200は、図示しないGPS衛星から発せられたGPS信号を用いて基準時刻を計時するものであり、ドライブレコーダ装置100は、路車間通信機143によって基準時刻情報を受信すると、走行履歴データとして基準時刻情報もデータ記録部120に記録し、事故車両及び周辺車両から収集した走行履歴データに含まれる基準時刻情報に基づいて、交通事故の発生状況を映像にて再現することとした。これにより、交通事故の発生状況をより確実に再現することができるようになる。
(他の実施の形態)
本発明に係るドライブレコーダシステム1及びドライブレコーダ装置10は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
上記実施の形態では、車両管理センター300は、事故車両及び周辺車両から収集された走行履歴データに含まれる内部時刻情報だけでなく基準時刻情報にも基づいて、交通事故の発生状況を映像にて再現することとしたが、基準時刻情報に基づかなくても、交通事故の発生状況を映像にて再現することは可能である。
詳しくは、車両管理センター300は、事故車両及び周辺車両から収集した走行履歴データに基づいて、複数台の事故車両が絡んだ交通事故が発生したと判断した場合には、複数台の事故車両の車体が衝撃を受けた時点を一致させた上で、交通事故の発生状況を映像にて再現するとよい。先の図20を用いて具体的に説明する。1度目の衝撃が生じた時点における事故車両A11の内部時刻は「2010/10/27/14:35:24:38」であり、1度目の衝撃が生じた時点における事故車両S21の内部時刻は「2010/10/27/14:35:24:46」である。そのため、事故車両A11の走行履歴データの内部時刻の基準は、事故車両A21の走行履歴データの内部時刻の基準よりも『「0.08[秒]」だけ進んでいる』ことが分かる。したがって、車両管理センター300は、事故車両A11の走行履歴データの内部時刻の基準を『「0.08[秒]」だけ遅らせる』ことにより、あるいは、事故車両A21の走行履歴データの内部時刻の基準を『「0.08[秒]」だけ進ませる』ことにより、事故車両A11の走行履歴データの内部時刻の基準と事故車両A21の走行履歴データの内部時刻の基準とを一致させ、内部時刻の基準が一致した走行履歴データを用いて、交通事故の発生状況を3Dアニメーションにて再現すればよい。
また、車両管理センター300は、事故車両A11及びA21から収集した走行履歴データに基づいて、これら複数台の事故車両A11及びA21がそれぞれに衝撃を複数回受けた交通事故が発生したと判断した場合には、複数台の事故車両A11及びA21の車体がそれぞれに受けた衝撃間の経過時間が一致するように、衝撃を受けた時点を一致させた上で、交通事故の発生状況を映像にて再現することとしてもよい。
詳しくは、先の図20を用いて具体的に説明する。1度目の衝撃が生じた時点における事故車両A11の内部時刻は「2010/10/27/14:35:24:38」であり、1度目の衝撃が生じた時点における事故車両S21の内部時刻は「2010/10/27/14:35:24:46」である。また、2度目の衝撃が生じた時点における事故車両A11の内部時刻は「2010/10/27/14:35:27:29」であり、1度目の衝撃が生じた時点における事故車両S21の内部時刻は「2010/10/27/14:35:27:37」である。そのため、事故車両A11に生じた1度目及び2度目の衝撃間の経過時間は「2:51」であり、事故車両A21に生じた1度目及び2度目の衝撃間の経過時間も「2:51」であり、一致する。したがって、事故車両A11に生じた1度目の衝撃と事故車両A21に生じた1度目の衝撃とは同一の衝撃であることが分かり、同一の衝撃が生じた時点における事故車両A11の走行履歴データに含まれる内部時刻情報と同一の衝撃が生じた時点における事故車両A21の走行履歴データに含まれる内部時刻情報と比較することにより、事故車両A11の走行履歴データの内部時刻の基準は、事故車両A21の走行履歴データの内部時刻の基準よりも『「0.08[秒]」だけ進んでいる』ことが分かる。したがって、車両管理センター300は、事故車両A11の走行履歴データの内部時刻の基準を『「0.08[秒]」だけ遅らせる』ことにより、あるいは、事故車両A21の走行履歴データの内部時刻の基準を『「0.08[秒]」だけ進ませる』ことにより、事故車両A11の走行履歴データの内部時刻の基準と事故車両A21の走行履歴データの内部時刻の基準とを一致させ、内部時刻の基準が一致した走行履歴データを用いて、交通事故の発生状況を3Dアニメーションにて再現してもよい。
また、上記実施の形態では、車両管理センター300は、先のステップS305の判断処理において走行履歴データを受信したと判断すると、続くステップS306の映像再現処理を即座に実行しており、換言すれば、交通事故発生状況を映像にて即座に再現していたが、交通事故発生状況を映像にて即座に再現する必要はない。
また、上記実施の形態では、車両管理センター300は、交通事故発生状況を3Dアニメーション映像にて再現していたが、2Dアニメーション映像にて再現してもよい。
また、上記実施の形態では、事故車両に搭載されたドライブレコーダ装置100は、事故通知信号及び走行履歴データを車両管理センター300に対し異なる時期に送信していたが、これに限らない。ドライブレコーダ装置100は、例えば、事故通知信号の送信時に走行履歴データも車両管理センター300に対し送信したり、事故通知信号に走行履歴データを含ませて車両管理センター300に対し送信したりする等、事故通知信号及び走行履歴データを車両管理センター300に対し同時期に送信してもよい。
また、上記実施の形態では、車両管理センター300は、道路や建物を含めた映像にて交通事故発生状況を再現していたが、これに限らない。車両管理センター300は、道路や建物を含んでおらず、事故車両とその事故車両と衝突した周辺車両のみの映像にて交通事故発生状況を再現してもよい。