以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像読取装置の一実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本実施の形態にかかる複合機の概略的なハードウェア構成について図1を用いて説明する。本実施の形態にかかる複合機MF1は、自動原稿送り装置(ADF)230と、操作ボード90と、カラースキャナ210と、カラープリンタ100と、ファクシミリコントロールユニット(FCU:不図示)の各ユニットを備える。なお、操作ボード90と、ADF230が装着されたカラースキャナ210は、カラープリンタ100から分離可能なユニットである。カラースキャナ210は、原稿画像の読み取りを行う。カラープリンタ100には、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続されたPC(パーソナルコンピュータ)が後述のコントローラボードを介して接続され、画像の印刷を行う。印刷が行われた用紙は、図示しない排紙スタックに排出される。FCUは、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されている。
次に、カラースキャナ210及びそれに装着されたADF230の原稿画像を読み取る機構について図2を用いて説明する。カラースキャナ210は、読取ユニット211と、コンタクトガラス231とを有する。読取ユニット211は、照明ランプ232と、第1ミラー233と、第2ミラーミラー234と、第3ミラー235と、レンズ236と、走行体モーター238と、基準白板239と、基点センサ249とを有する。カラースキャナ210のコンタクトガラス231上に置かれた原稿は、照明ランプ232により照明され、原稿の反射光(画像光)が第1ミラー233で副走査方向yと平行に反射される。照明ランプ232および第1ミラー233は、副走査方向yに定速駆動される第1キャリッジ(不図示)に搭載されている。第1キャリッジと同方向にその1/2の速度で駆動される、第2キャリッジ(不図示)には、第2ミラー234および第3ミラー235が搭載されており、第1ミラー233が反射した画像光は第2ミラー234で下方向(z)に反射され、そして第3ミラー235で副走査方向yに反射されて、レンズ236により集束され、CCD207に照射され、電圧信号に変換される。
第1キャリッジおよび第2キャリッジは、走行体モーター238を駆動源として、y方向に往(原稿走査),復(リタ−ン)駆動される。このようにカラースキャナ210は、コンタクトガラス231上の原稿を照明ランプ232および第1ミラー233で走査して原稿画像をCCD207に投影するフラットベッド方式の原稿スキャナであるが、シートスルー読み取りも可能なように、第1キャリッジがホームポジション(待機位置)HPで停止しているときの第1ミラー233の読み取り視野位置に、シートスルー読み取り窓であるガラス240があり、このガラス240の上方に自動原稿供給装置(ADF)230が装着されており、ADF230の搬送ドラム(プラテン)244がガラス240に対向している。
ADF230の原稿トレイ241に載置された原稿は、ピックアップローラ242およびレジストローラ対243で搬送ドラム244と押さえローラ245の間に送り込まれて、搬送ドラム244に密着して読み取りガラス240の上に搬送され、そして排紙ローラ246,247で、原稿トレイ241の下方にある圧板兼用の基体248上を排紙トレイとして排出される。
原稿の表面に表れる画像は、原稿読取窓である読み取りガラス240を通過する際に、その直下に移動している照明ランプ232により照射され、原稿の表面の反射光は、第1ミラー233以下の光学系を介してCCD207に照射され光電変換される。すなわちRGBの各色の読取信号として電圧信号に変換される。搬送ドラム244の表面は、読み取りガラス240に対向する白色背板であり、白基準面となるように白色である。
読み取りガラス240と原稿始端の位置決め用のスケール251との間には、基準白板239、ならびに、第1キャリッジを検出する基点センサ249がある。基準白板239は、照明ランプ232の個々の発光強度のばらつき,また主走査方向のばらつきや、CCD207の画素毎の感度ムラ等が原因で、一様な濃度の原稿画像を読み取ったにもかかわらず、読み取った画像における濃度がばらつく現象を補正(シェーディング補正)するために用意されている。
ADF230の基体248は、奥側(図2紙面の裏側)でカラースキャナ210の基体にヒンジ結合(蝶番連結)しており、基体248の手前側(図2紙面の表側)の取っ手250mを持ってADF230の基体248を引き上げることにより、ADF230を起こす(開く)ことができる。ADF230の基体248の奥側には、ADF230の開閉を検出するスイッチがある。ADF230の、コンタクトガラス231に対向する圧板250pがADF230の底面部に装着されており、ADF230が閉じると、圧板250pの下面が、図2に示すように、コンタクトガラス231の上面に密着する。
次に、複合機MF1を制御するためのシステム構成について図3を用いて説明する。複合機MF1のシステム構成は、エンジン260と、コントローラボード270と、操作ボード90とに大別される。エンジン260は、原稿画像の読み取り及び画像の印刷を行うものであり、上述したカラースキャナ210、ADF230及びカラープリンタ100と、CPU(Central Processing Unit)261と、画像入出力処理部262とを含む。
CPU261は、操作ボード90を介したユーザの操作入力に応じて、カラースキャナ210、ADF230及びカラープリンタ100を制御して、コントローラボード270の制御の下、原稿画像の読み取りのプロセス及び画像の印刷のプロセスを制御する。例えば、原稿画像の読み取りを指示する操作入力においては、原稿の読み取りモードとして、ACS読み取りモード、カラー読み取りモード及びモノクロ読み取りモードのいずれかが指定され得る。ACS読み取りモードとは、原稿画像がカラーかモノクロかを複合機MF1が判定するモードであり、カラー読み取りモードとは、原稿画像をカラーの画像として読み取るモードであり、モノクロ読み取りモードとは、原稿画像をモノクロの画像として読み取るモードである。そして、原稿の読み取りモードの指定に応じて、CPU261は、後述するCCD207を含むカラースキャナ210及びADF230に対する動作モードを選択して設定し、スキャナ画像処理部263に対するモードを選択して設定する。具体的には、原稿の読み取りモードとしてACS読み取りモードが指定された場合、CPU261は、原稿画像の読み取りモードをACS読み取りモードに設定し、後述するCCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー/モノクロ同時動作モードに設定し、後述するスキャナ画像処理部263をACSモードに設定する。また、原稿の読み取りモードとしてカラー読み取りモードが指定された場合、CPU261は、原稿画像の読み取りモードをカラー読み取りモードに設定し、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー動作モードに設定し、スキャナ画像処理部263をカラーモードに設定する。また、原稿の読み取りモードとしてモノクロ読み取りモードが指定された場合又は原稿読み取りモードが指定されない場合、CPU261は、原稿画像の読み取りモードをモノクロ読み取りモードに設定し、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー/モノクロ同時動作モードに設定し、スキャナ画像処理部263をモノクロモードに設定する。
画像入出力処理部262は、例えば、ASIC(Application Specific IC)で構成され、カラースキャナ210で読み取られた原稿画像の入力を制御したり、出力対象の画像をカラープリンタ100への出力を制御したりする。
カラースキャナ210は、動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、センサボードユニット(SBU)と、原稿検知センサ,HPセンサ,圧板開閉センサ,基点センサなどの各種センサと,冷却ファンやパルスモータなどの動力機器と、スキャナモータドライバと、上述の読取ユニット211と、CCD207と、AFE(Analogue Front End)212とを有する。SBUは、CPU(図4で説明するCPU213に相当),ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有し、コントローラボード270の有する後述のCPU261と通信線を介して接続されている。ROMは、スキャナモータドライバなどの各種プログラムや各種データを記憶している。CPU213は、ROMに格納された各種プログラムをRAMに書き込んで実行することで、カラースキャナ210の全体を制御するものであり、原稿検知センサ,HPセンサ,圧板開閉センサ,基点センサ,冷却ファン等の検知及びON/OFFの制御をする。また、CPU213は、CPU261からコマンド受信したり、データの送受信を行ったりして、CPU261の制御の下、処理を行う。また、スキャナモータドライバは、CPU213からのPWM出力によりドライブされ励磁パルスシーケンスを発生させ原稿の走査駆動用のパルスモータを駆動する。
原稿画像は、ランプレギュレータによって通電される照明ランプ232の光量出力により照明されて、原稿の反射光すなわち光信号は、複数ミラー及びレンズを通りR,GおよびB読み取り用の3個のラインセンサを含むCCD207に結像される。CCD207は、ユニットSBU上のCPUによって、各駆動クロックを与えられて各RGBの各画素のアナログの読取信号である電圧信号をAFE212に出力する。AFE212は、A/D変換を行う機器であり、CCD207から出力されたアナログの電圧信号をデジタルの画像信号に変換する。尚、CCD207から出力されたアナログの読取信号である電圧信号をデジタルの画像信号と区別する必要がない場合には、画像信号と記載する場合がある。
コントローラボード270は、CPU272と、画像蓄積制御部273と、ハードディスク装置(HDD)271と、ローカルメモリ(MEM−C)276と、システムメモリ(MEM−P)279と、ノースブリッジ(NB)278と、サウスブリッジ(SB)285と、NIC (Network Interface Card) 280と、USBデバイス281と、IEEE1394デバイス282と、セントロニクスデバイス283と、MLB284と、ROM286とを含む。操作ボード90は、コントローラボード270の画像蓄積制御部273に接続されている。画像蓄積制御部273には、ローカルメモリ276やHDD271が接続される。FCU287も、画像蓄積制御部273にPCIバスで接続されている。また、画像蓄積制御部273とCPU272とがCPUチップセットのNB278を介して接続されている。画像蓄積制御部273とNB278とは、AGP(Accelerated Graphics Port)を介して接続されている。NB278は、CPU272、システムメモリ279、SB285および画像蓄積制御部273を接続するためのブリッジである。
CPU272は、複合機MF1の全体制御を行うものであり、NIC280を介してネットワークに接続されたPCと書画情報の送受信を行う。また、CPU272は、USB281,IEEE1394デバイス282,セントロニクス283を介して図示しないパソコン,プリンタ,デジタルカメラ等と通信することができる。システムメモリ279は、複合機MF1の描画用メモリなどとして用いるメモリである。SB285は、NB278とPCIバス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジであり、周辺デバイスとして例えばROM286が接続される。ROM286は各種プログラムや各種データを記憶するメモリである。ローカルメモリ276はコピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるメモリである。HDD271は、画像データの蓄積,文書データの蓄積,プログラムの蓄積,フォントデータの蓄積,フォームの蓄積,LUT(Look Up Table)の蓄積などを行うためのメモリである。また、操作ボード90は、ユーザの操作が入力されるキーボードやマウス等の操作入力部と、情報の表示を行う表示部とを備える。
画像蓄積制御部273は、ASICで構成され、読み書き制御部と、回転器と、編集器とを有し、スキャナ画像処理部263から出力された画像データをローカルメモリ276やHDD271に記憶させる。SB285と、NIC280と、USBデバイス281と、IEEE1394デバイス282と、セントロニクスデバイス283と、MLB284は、NB278にPCIバスで接続されている。MLB284は、エンジン260にPCIバスを介して接続する基板である。そして、MLB284は、外部から入力された書画データをイメージデータ(画像データ)に変換し、変換された画像データをエンジン260に出力する。
カラープリンタ100は、印刷に用いる記録色であるC,M,Y,Kの各書込みユニットを有する。画像入出力処理部262は、スキャナ画像処理部263と、プリンタ画像処理部264と、画像処理I/F(Interface circuit)265とを有する。スキャナ画像処理部263には、カラースキャナ210が原稿画像を読み取って発生するR,G,Bの各画像信号が入力され、スキャナ画像処理部263は、各画像信号のそれぞれに対してシェーディング補正,読取りγ補正,MTF補正等の各種画像処理を行って、画像データを生成し、必要に応じて補正後のR,G,Bの各画像データをC,M,Y,Kの各画像データに変換する。プリンタ画像処理部264は、R,G,Bの各画像データ又はC,M,Y,Kの各画像データをカラープリンタ100の有するC,M,Y,Kの各書込みユニットの画像表現特性に合った印刷データに変換する。画像処理I/F265は、カラースキャナ210が原稿から読み取った画像を表すR,G,Bの各画像データ又は当該R,G,Bの各画像データから変換されたC,M,Y,Kの各画像データを画像蓄積制御部273に出力したり、画像蓄積制御部273から出力されたR,G,Bの各画像データ又はC,M,Y,Kの各画像データをプリンタ画像処理部264に出力したりする。
このような構成において、原稿1枚につき1枚の印刷を行う一枚コピーのときには、スキャナ画像処理部263からC,M,Y,Kの各画像データが画像処理I/F265に出力され、これらの画像データが画像処理I/F265からプリンタ画像処理部264に出力され、プリンタ画像処理部264で必要に応じて変倍,画像加工が行われ、プリンタγ変換及び階調処理が行われて、C,M,Y,Kの各書込みユニットに出力される。
原稿1枚につき複数枚の印刷を行う連続コピーのときには、スキャナ画像処理部263からC,M,Y,Kの各画像データが画像処理I/F265に出力され、これらの画像データが画像処理I/F265から画像蓄積制御部273に出力されて、画像蓄積制御部273によってローカルメモリ276又はHDD271に一時的に記憶される。そして1枚のコピーの度に1枚に相当する画像データが画像蓄積制御部273によりローカルメモリ276又はHDD271から読み出されて画像処理I/F265を介してプリンタ画像処理部264に出力され、プリンタ画像処理部264によって、必要に応じて変倍や画像加工が行われ、そしてプリンタγ変換及び階調処理が行われて、各C,M,Y,Kの各書込みユニットに出力される。
カラースキャナ210によって読み取られた原稿画像の蓄積又は原稿画像の外部装置であるPCへの送信のときには、スキャナ画像処理部263からR,G,Bの各画像データが出力され、画像処理I/F265及び画像蓄積制御部273を介してHDD271に記憶される又はスキャナ画像処理部263からR,G,Bの各画像データが出力され、画像処理I/F265及び画像蓄積制御部273を介してローカルメモリ276又はHDD271に一時的に記憶されてからPCに送信される。
蓄積されたR,G,Bの各画像データを用いた印刷又はPCから受信したR,G,Bの各画像データを用いた印刷のときには、画像蓄積制御部273及び画像処理I/F265を介してR,G,Bの各画像データがプリンタ画像処理部264に出力され、プリンタ画像処理部264によりR,G,Bの各画像データがC,M,Y,Kの各画像データに変換されてから、必要に応じて変倍,画像加工が行われ、そしてプリンタγ変換及び階調処理が行われて、C,M,Y,Kの各書込みユニットに出力される。
以上のような基本的な構成において、原稿画像の読み取り及び画像処理に関連する構成について図4を用いて詳細に説明する。CPU213は、カラースキャナ210のSBUの有するCPUであり、CCD207及びAFE212の各駆動クロックを生成する。詳細は後述するが、例えば、CPU213は、各カラーラインセンサに対して蓄積時間を設定して当該蓄積時間を規定する信号を供給したり、後述の各スイッチを設定するための信号を供給したりする。カラースキャナ210の有するCCD207は、カラーでの読み取り及びモノクロでの読み取りが可能であり、Rの読取信号を出力するR(赤)ラインセンサ301と、Gの読取信号を出力するG(緑)ラインセンサ302と、Bの読取信号を出力するB(青)ラインセンサ303との3本のカラーラインセンサと、読取信号を出力するBW(白黒)ラインセンサ304である1本のモノクロセンサとを備える。またCCD207は、カラーラインセンサから出力された読取信号及びモノクロラインセンサから出力された読取信号に基づいて画像信号をスキャナ画像処理部263に転送するための信号パスとして3つの出力端子341〜343を備える。出力端子の数は、カラーラインセンサの数と同数である。出力端子341〜343からは、CCD207に設定された動作モードに応じて、モノクロラインセンサからの読取信号が変換された画像信号及びカラーラインセンサからの読取信号が変換された画像信号が選択されて出力端子341〜343から出力される。CCD207の詳細な構成については後述する。CCD207から出力された画像信号は、上述したように、AFE212によりA/D変換されて、デジタルの画像信号となる。
スキャナ画像処理部263は、カラー/モノクロ分離部361と、モノクロ画像処理部362と、カラー画像処理部363と、ACS判定部364とを備える。カラー/モノクロ分離部361は、3本の入力端子と4本の出力端子とを備え、CCD207から出力されAFE212でA/D変換された画像信号が3本の入力端子を介して入力されると、当該画像をカラーの画像信号とモノクロの画像信号とに分離する。そして、カラー/モノクロ分離部361は、カラーの画像信号を3本の出力端子から出力し、モノクロの画像信号を1つの出力端子から出力する。尚、カラー/モノクロ分離部361は、画像信号を蓄積するためのメモリ(不図示)を有し、入力端子を介して入力された画像信号をメモリに適宜蓄積し、所定のタイミングの後、出力端子を介して当該画像信号を出力するタイミング制御を適宜行う。
モノクロ画像処理部362は、カラー/モノクロ分離部361から出力されたモノクロの画像信号に対して、シェーディング補正,読取りγ補正,MTF補正、変倍処理等の各種画像処理を行い、画像データを生成してこれを出力する。カラー画像処理部363は、上述したCPU261によってカラーモードに設定された場合、カラー/モノクロ分離部361から出力されたカラーの画像信号に対して、シェーディング補正,読取りγ補正,MTF補正、色補正、変倍処理等の各種画像処理を行い、画像データを生成してこれを出力する。一方、上述したCPU261によってモノクロモードに設定された場合、カラー画像処理部363は、カラー/モノクロ分離部361から出力されたカラーの画像信号に対して、画像処理を行わない。ACS判定部364は、上述したCPU261によってACSモードに設定された場合、カラー/モノクロ分離部361から出力されたカラーの画像データを用いて、原稿画像がカラーであるかモノクロであるかを判定する。スキャナ画像処理部263から出力された画像データは、上述した画像蓄積制御部273によりローカルメモリ276に記憶される。
尚、当該画像データは画像蓄積制御部273によりローカルメモリ276から読み出され、画像処理I/F265を介してプリンタ画像処理部264に出力される。当該画像データについて、原稿画像がカラーであるとACS判定部364が判定した場合には、プリンタ画像処理部264は、C,M,Y,Kの各書込みユニットに対する印刷データに変換して出力する。そして、C,M,Y,Kの各書込みユニットでそれぞれ書込みが行なわれて、カラーの画像が印刷される。一方、当該画像データについて、原稿画像がモノクロであるとACS判定部364が判定した場合には、プリンタ画像処理部264は、Kの書込みユニットに対する印刷データに変換して出力する。そして、Kの書込みユニットで書込みが行なわれて、モノクロの画像が印刷される。
次に、動作モードに応じたCCD207の内部構成の概要について図5〜6を用いて詳細に説明する。動作モードには、上述したように、カラー動作モードと、カラー/モノクロ同時動作モードとがあり、CPU261によって設定される。具体的には、上述したように、原稿画像の読み取りモードがACS読み取りモードに設定された場合及び原稿画像の読み取りモードがモノクロ読み取りモードに設定された場合、CCD207は、カラー/モノクロ同時動作モードに設定され、原稿画像の読み取りモードがカラー読み取りモードに設定された場合、CCD207はカラー動作モードに設定される。CCD207は、動作モードに応じて、内部の電気的な接続が切り替えられて動作する。図5は、カラー動作モードにおける構成を例示するものであり、図6は、カラー/モノクロ同時動作モードにおける構成を例示するものである。いずれの動作モードにおいても、CCD207は、上述した4本のラインセンサ301〜304及び出力端子341〜343に加え、各ラインセンサに対応して各々シフトレジスタ306〜313を有し、更に、スイッチ316〜318と、出力アンプ321,323,325,327,328と、スイッチ331〜336とを有する。
シフトレジスタ306は、Rラインセンサ301の出力した読取信号である電荷信号(画像信号)のうち、奇数番目の画素(奇数画素)の電荷信号を転送し、シフトレジスタ307は、Rラインセンサ301の出力した読取信号である電荷信号のうち、偶数番目の画素(偶数画素)の電荷信号を転送する。シフトレジスタ308は、Gラインセンサ302の出力した読取信号である電荷信号のうち、奇数画素の電荷信号を転送し、シフトレジスタ309は、Gラインセンサ302の出力した電荷信号のうち、偶数画素の電荷信号を転送する。シフトレジスタ310は、Bラインセンサ303の出力した読取信号である電荷信号のうち、奇数画素の電荷信号を転送し、シフトレジスタ311は、Bラインセンサ303の出力した読取信号である電荷信号のうち、偶数画素の電荷信号を転送する。シフトレジスタ312は、BWラインセンサ304の出力した読取信号である電荷信号のうち、奇数画素の電荷信号を転送し、シフトレジスタ313は、BWラインセンサ304の出力した読取信号である電荷信号のうち、偶数画素の電荷信号を転送する。
スイッチ316は、シフトレジスタ307から転送された電荷信号を、動作モードに応じて、後段に転送するか否かを選択するためのスイッチである。スイッチ317は、シフトレジスタ309から転送された電荷信号を、動作モードに応じて、後段に転送するか否かを選択するためのスイッチである。スイッチ318は、シフトレジスタ311から転送された電荷信号を、動作モードに応じて、後段に転送するか否かを選択するためのスイッチである。
出力アンプ321は、シフトレジスタ306,307から転送された電荷信号を電圧信号に変換する。出力アンプ323は、シフトレジスタ308,309から転送された電荷信号を電圧信号に変換する。出力アンプ325は、シフトレジスタ310,311から転送された電荷信号を電圧信号に変換する。出力アンプ327は、シフトレジスタ312から転送された電荷信号を電圧信号に変換する。出力アンプ328は、シフトレジスタ313から転送された電荷信号を電圧信号に変換する。スイッチ331〜336は、動作モードに応じて、CCD207から出力する電圧信号を選択する。選択された電圧信号は、出力端子341〜343から出力される。この出力端子341〜343により、合計で最大3本のラインセンサからの電圧信号(画像信号)が同時に出力され得る。
ここで、動作モードに応じた各スイッチ316〜318,331〜336の設定について説明する。図5に例示されるように、動作モードがカラー動作モードである場合、スイッチ316は、シフトレジスタ307から転送された電荷信号(Rラインセンサ301からの偶数画素の電荷信号)を後段に転送するよう設定され、スイッチ317は、シフトレジスタ309から転送された電荷信号(Gラインセンサ302からの偶数画素の電荷信号)を後段に転送するよう設定され、スイッチ318は、シフトレジスタ311(Bラインセンサ303からの偶数画素の電荷信号)から転送された電荷信号を後段に転送するよう設定される。スイッチ334は、Rラインセンサ301からの電圧信号を出力端子341から出力するよう設定される。スイッチ331,335は、Gラインセンサ302からの電圧信号を出力端子342から出力するよう設定される。スイッチ332,336は、Bラインセンサ303からの電圧信号を出力端子343から出力するよう設定される。これにより出力端子341〜343からはそれぞれ、Rラインセンサ301、Gラインセンサ302及びBラインセンサ303の各画素に対応した電圧信号がライン毎に出力される。各カラーラインセンサでは奇数画素の電圧信号と偶数画素の電圧信号とは、1画素ずつ交互に出力される。即ち、動作モードがカラー動作モードである場合、CCD207からは、各カラーラインセンサの第1の主走査解像度の画像信号が、カラーラインセンサと同数の出力端子からそれぞれ出力される。
一方、図6に例示されるように、動作モードがカラー/モノクロ同時動作モードである場合、スイッチ316は、シフトレジスタ307から転送された電荷信号を後段に転送しないよう設定され、スイッチ317は、シフトレジスタ309から転送された電荷信号を後段に転送しないよう設定され、スイッチ318は、シフトレジスタ311から転送された電荷信号を後段に転送しないよう設定される。スイッチ335は、シフトレジスタ312からの電圧信号(BWラインセンサ304からの奇数画素の電荷信号が変換された電圧信号)を出力端子342から出力するよう設定される。スイッチ336は、シフトレジスタ313からの電圧信号(BWラインセンサ304からの偶数画素の電荷信号が変換された電圧信号)を出力端子343から出力するよう設定される。スイッチ331は、シフトレジスタ308からの電圧信号(Gラインセンサ302からの奇数画素の電荷信号が変換された電圧信号)をスイッチ333に転送するよう設定される。スイッチ332は、シフトレジスタ310からの電圧信号(Bラインセンサ303からの奇数画素の電荷信号が変換された電圧信号)をスイッチ333に転送するよう設定される。スイッチ333,334は、シフトレジスタ306からの電圧信号(Rラインセンサ301からの奇数画素の電荷信号が変換された電圧信号)、シフトレジスタ308からの電圧信号及びシフトレジスタ310からの電圧信号が出力端子341から交互に出力されるようライン順次で設定が切り替えられる。その詳細については後述する。これにより出力端子342〜343からはそれぞれ、BWラインセンサ304の奇数画素の電圧信号及び偶数画素の電圧信号が出力される。また出力端子341からは、シフトレジスタ306,308,310のいずれか1つからの電圧信号が1ライン毎に順次出力される、即ち、Rラインセンサ301からの奇数画素の電圧信号、Gラインセンサ302からの奇数画素の電圧信号及びBラインセンサ303からの奇数画素の電圧信号のいずれか1つが1ライン毎に順次出力される。即ち、動作モードがカラー/モノクロ同時動作モードである場合、CCD207からは、複数の出力端子のうち2つの出力端子が使用されてモノクロラインセンサの第1の主走査解像度の画像信号が出力されると共に、モノクロラインセンサの画像信号の出力に使用されない出力端子が使用されて、各カラーラインセンサの第2の主走査解像度の画像信号がそれぞれ出力される。
次に、カラー/モノクロ同時動作モードにおいてCCD207へ入力される信号及びCCD207から出力する信号について図7を用いて説明する。CCD207へは、各ラインセンサの蓄積時間を規定するLSYNC_BW、LSYNC_Cと、SW333、SW334との各信号がCPU213から入力される。LSYNC_BWは、BWラインセンサ304に対する信号であり、LSYNC_Cは、Rラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303に対する信号である。これらの信号の設定及び信号の供給は、上述した図4に例示されるCPU213が行う。カラー/モノクロ同時動作モードにおいては、LSYNC_Cの周期はLSYNC_BWの3倍に設定される。SW333は、動作モードに応じて、スイッチ333を設定する信号であり、SW334は、動作モードに応じて、スイッチ334を設定する信号である。SW334は”H”である場合、Rラインセンサ301からの電圧信号が出力端子341から出力されるようスイッチ334が設定される。SW333が”H”であり且つSW334が”L”である場合は、Gラインセンサ302からの電圧信号が出力端子341から出力されるようスイッチ333,334が設定される。SW333が”L”であり且つSW334が”L” である場合は、Bラインセンサ303からの電圧信号が出力端子341から出力されるようスイッチ333,334が設定される。このように、図6を用いて説明したように設定される。そこで説明したように、その他のスイッチに対しても設定が行われるため、その他のスイッチに対する信号については、その説明を省略する。また図示しないが、その他にも画素クロック、リセット信号、クランプ信号などの各種信号がCCD207に入力される。一方、CCD207からは、出力端子341〜343に対応するOS1〜OS3の各信号が出力される。カラー/モノクロ同時動作モードにおいては、OS1は、Rラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303のいずれか1つからの奇数画素の電圧信号がライン順次で出力端子341から出力される信号である。また、OS2は、BWラインセンサ304からの奇数画素の電圧信号が出力端子342から出力される信号である。また、OS3は、BWラインセンサ304からの偶数画素の電圧信号が出力端子343からライン毎に出力される信号である。
次に、カラー動作モードにおいてCCD207へ入力される信号及びCCD207から出力する信号について図8を用いて説明する。カラー動作モードにおいては、LSYNC_Cの周期はLSYNC_BWの2倍に設定される。但し、カラー動作モードでは、BWラインセンサ304からの電圧信号はCCD207から出力されない。カラー動作モードでは、SW334は”H”であり、図5の説明の通り、Rラインセンサ301からの電圧信号が出力端子341から出力されるようスイッチ333が設定される。そこで説明したように、その他のスイッチに対しても設定が行われるため、その他のスイッチに対する信号については、その説明を省略する。また、カラー動作モードにおいては、OS1は、Rラインセンサ301からの電圧信号が出力端子341からライン毎に出力される信号である。また、OS2は、Gラインセンサ302からの電圧信号が出力端子342からライン毎に出力される信号である。また、OS3は、Bラインセンサ303からの電圧信号が出力端子343からライン毎に出力される信号である。
尚、図7と図8とを比較して分かる通り、カラー/モノクロ同時動作モードでは原稿画像1ラインあたりの読取時間がカラー動作モードでの読取時間の1/2になる。つまり、カラー動作モードに対して、カラー/モノクロ同時動作モードでは1/2の時間で原稿画像を読み取ることができる。
次に、本実施の形態にかかる複合機MF1の行う処理の手順について説明する。まず、複合機MF1が原稿画像を読み取る処理の概略について図9を用いて説明する。複合機MF1のCPU261は、原稿がADF230の原稿トレイ241又はコンタクトガラス231上に載置されて、操作ボード90を介して、原稿画像の読み取りを指示する操作入力を受け付けると、当該操作入力によって原稿画像の読み取りモードがACS読み取りモードに指定されたか否かを判定する(ステップS1)。当該判定結果が肯定的である場合、CPU261は、原稿画像の読み取りモードをACS読み取りモードに設定し(ステップS5)、当該判定結果が否定的である場合(ステップS1:NO)、原稿画像の読み取りモードがカラー読み取りモードに指定されたか否かを判定する(ステップS2)。当該判定結果が肯定的である場合(ステップS2:YES)、CPU261は、原稿画像の読み取りモードをカラー読み取りモードに設定し(ステップS3)、当該判定結果が否定的である場合(ステップS2:NO)、原稿画像の読み取りモードをモノクロ読み取りモードに設定する(ステップS4)。原稿画像を読み取る対象の原稿が複数頁ある場合には(ステップS6:NO)、原稿が最終頁になるまで(ステップS6:YES)、CPU261は、頁毎にステップS1〜S5の処理を繰り返す。
次に、ステップS1で原稿画像の読み取りモードをACS読み取りモードに設定した場合に原稿画像を読み取る処理の手順について図10を用いて説明する。CPU261は、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー/モノクロ同時動作モードに設定する(ステップS10)。また、CPU261は、スキャナ画像処理部263をACSモードに設定する(ステップS11)。そして、CPU261は、ADF230を適宜制御し、カラースキャナ210を制御して、原稿画像の読み取りを開始させる(ステップS12)。原稿画像が読み取られると、CCD207の出力端子342からは、BWラインセンサ304の奇数画素の読取信号である電圧信号がライン毎に出力され、出力端子343からは、BWラインセンサ304の偶数画素の読取信号である電圧信号がライン毎に出力される。また出力端子341からは、Rラインセンサ301,Gラインセンサ302及びBラインセンサ303のいずれか1つの奇数画素の読取信号である電圧信号が1ライン毎に順次出力される。それぞれの電圧信号は、AFE212でデジタルの画像信号に変換された後、スキャナ画像処理部263で各種画像処理が行われる。具体的には、カラー/モノクロ分離部361が、CCD207から出力されAFE212でA/D変換された画像信号を、カラーの画像信号(Rラインセンサ301,Gラインセンサ302及びBラインセンサ303のそれぞれの奇数画素の電圧信号から変換された画像信号)とモノクロの画像信号(BWラインセンサ304の奇数画素の電圧信号から変換された画像信号及び偶数画素の電圧信号から変換された画像信号)とに分離して出力する。出力されたモノクロの画像信号に対してモノクロ画像処理部362が各種画像処理を行って、モノクロの画像データを生成してこれを出力し、カラーの画像信号に対してカラー画像処理部363が各種画像処理を行って、カラーの画像データを生成してこれを出力する。そして、画像蓄積制御部273は、スキャナ画像処理部263が出力したモノクロの画像データ及びカラー画像データをローカルメモリ276に記憶させる(ステップS13)。
次いで、ACS判定部364が、カラーの画像信号を用いて、原稿画像がカラーかモノクロかを判定する(ステップS14)。そしてCPU261は、この判定結果により、原稿画像がカラーかモノクロかを確認する。原稿画像がカラーであると判定された場合(ステップS14:YES)、画像蓄積制御部273は、ローカルメモリ276に記憶された当該原稿画像のカラーの画像データ及びモノクロの画像データのうち、モノクロの画像データをローカルメモリ276から削除する(ステップS15)。即ち、原稿画像がカラーであると判定された場合には、カラーの画像データのみがローカルメモリ276に記憶されることになる。これにより必要な画像データのみが保存されることになる。一方、原稿画像がモノクロであると判定された場合(ステップS14:NO)、画像蓄積制御部273は、ローカルメモリ276に記憶された当該原稿のカラーの画像データ及びモノクロ画像データのうち、カラー画像データをローカルメモリ276から削除する(ステップS16)。即ち、原稿画像がモノクロであると判定された場合、モノクロ画像データのみがローカルメモリ276に記憶されることになる。このように、原稿画像がカラーかモノクロかの判定に応じて、カラーの画像データ又はモノクロの画像データのみが記憶されることで、必要な画像データのみを保存させることができる。
ここで、ACS読み取りモードにおける各ラインセンサによる原稿画像の読み取り解像度について図11を用いて説明する。同図における(a)では、CCD207の出力端子342からライン毎に出力されるBWラインセンサ304の奇数画素の電圧信号及び出力端子343からライン毎に出力されるBWラインセンサ304の偶数画素の電圧信号が模式的に示されている。同図における(b)では、CCD207の出力端子341から1ライン毎に順次出力されるRラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303のうち、Rラインセンサ301の奇数画素の電圧信号が模式的に示されている。同図における(c)では、CCD207の出力端子341から1ライン毎に順次出力されるRラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303のうち、Gラインセンサ302の奇数画素の電圧信号が模式的に示されている。同図における(d)では、CCD207の出力端子341から1ライン毎に順次出力されるRラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303のうち、Bラインセンサ303の奇数画素の電圧信号が模式的に示されている。また、CCD207の1ラインの周期を規定するLSYNC_BW、LSYNC_Cについて、カラーラインセンサであるRラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303に対する信号であるLSYNC_Cの周期は、モノクロラインセンサであるBWラインセンサ304に対する信号であるLSYNC_BWの周期の3倍である。このため、モノクロラインセンサと、カラーラインセンサとでは原稿画像の読み取り解像度が異なる。
モノクロラインセンサによる読み取り解像度を基準にすると、カラーラインセンサによる読み取り解像度は以下のようになる。主走査については、CCD207からは奇数画素の電圧信号のみ出力されるため、カラーラインセンサの読み取り解像度は、モノクロラインセンサの読み取り解像度の1/2になる。また副走査については、カラーラインセンサに対するLSYNC_Cの周期はモノクロラインセンサに対するLSYNC_BWの周期の3倍であるため、カラーラインセンサの読み取り解像度は、モノクロラインセンサの読み取り解像度の1/3になる。例えばACS読み取りモードにおけるモノクロラインセンサの読み取り解像度が主走査600dpi、副走査600dpiの場合、カラーラインセンサの読み取り解像度は主走査300dpi、副走査200dpiとなる。尚、例えば、操作ボート90を介したユーザから操作入力により変倍率が指定されるなどして、原稿画像の読み取り解像度が、出力対象の画像として必要な解像度と異なる場合は、カラーの画像信号に対してはカラー画像処理部363が変倍処理を行って解像度を変換し、モノクロの画像信号に対してはモノクロ画像処理部362が変倍処理を行って解像度を変換する。
次に、ステップS2で原稿画像の読み取りモードをカラー読み取りモードに設定した場合に原稿画像を読み取る処理の手順について図12を用いて説明する。CPU261は、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー動作モードに設定する(ステップS20)。また、CPU261は、スキャナ画像処理部263をカラーモードに設定する(ステップS21)。そして、CPU261は、ADF230を適宜制御し、カラースキャナ210を制御して、原稿画像の読み取りを開始させる(ステップS22)。原稿画像が読み取られると、CCD207の出力端子341〜343からはそれぞれ、Rラインセンサ301、Gラインセンサ302及びBラインセンサ303の各画素に対応した電圧信号がライン毎に出力される。それぞれの電圧信号は、AFE212でデジタルの画像信号に変換された後、スキャナ画像処理部263で各種画像処理が行われる。具体的には、カラー画像処理部363が、CCD207から出力されAFE212でA/D変換された画像信号に対して各種画像処理を行って、カラーの画像データを生成してこれを出力する。そして、画像蓄積制御部273は、スキャナ画像処理部263が出力したカラー画像データをローカルメモリ276に記憶させる(ステップS23)。
次に、ステップS2で原稿画像の読み取りモードをモノクロ読み取りモードに設定した場合に原稿画像を読み取る処理の手順について図13を用いて説明する。CPU261は、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー/モノクロ同時動作モードに設定する(ステップS30)。また、CPU261は、スキャナ画像処理部263をモノクロモードに設定する(ステップS31)。そして、CPU261は、ADF230を適宜制御し、カラースキャナ210を制御して、原稿画像の読み取りを開始させる(ステップS32)。原稿画像が読み取られると、CCD207の出力端子342からは、BWラインセンサ304の奇数画素の読取信号である電圧信号がライン毎に出力され、出力端子343からは、BWラインセンサ304の偶数画素の読取信号である電圧信号がライン毎に出力される。また出力端子341からは、Rラインセンサ301,Gラインセンサ302及びBラインセンサ303のいずれか1つの奇数画素の読取信号である電圧信号が1ライン毎に順次出力される。それぞれの電圧信号は、AFE212でデジタルの画像信号に変換された後、スキャナ画像処理部263で各種画像処理が行われる。具体的には、カラー/モノクロ分離部361が、CCD207から出力されAFE212でA/D変換されたデジタルの画像信号を、カラーの画像信号(Rラインセンサ301,Gラインセンサ302及びBラインセンサ303のそれぞれの奇数画素の電圧信号から変換された画像信号)とモノクロの画像信号(BWラインセンサ304の奇数画素の電圧信号から変換された画像信号及び偶数画素の電圧信号から変換された画像信号)とに分離して出力する。出力されたモノクロの画像信号に対してモノクロ画像処理部362が各種画像処理を行って、モノクロの画像データを生成してこれを出力する。そして、ここでは、カラーの画像信号に対してカラー画像処理部363は各種画像処理を行わない。そして、画像蓄積制御部273は、スキャナ画像処理部263が出力したモノクロの画像データをローカルメモリ276に記憶させる(ステップS33)。
以上のように、モノクロラインセンサで読み取った画像の電圧信号とカラーラインセンサで読み取った画像の電圧信号とを選択して出力するイメージセンサであるCCD207において、出力端子数はカラーラインセンサの数と同数であり、かつカラーラインセンサは読取解像度の切り替えが可能であり、かつモノクロラインセンサは読取信号を複数の出力端子から同時に出力可能に構成する。そして、原稿画像をカラーで読み取る場合は、CCD207において、それぞれの出力端子から各カラーラインセンサの高解像度の電圧信号を出力し、原稿画像をカラー/モノクロ同時に読み取る場合は、2つの出力端子からモノクロラインセンサの電圧信号を出力すると共に、残りの出力端子から各カラーラインセンサの低解像度の電圧信号を順次出力するよう構成する。このような構成によれば、イメージセンサの出力端子を増やすことなく、カラーの画像信号とモノクロの画像信号とを同時に高速で取得し、画像データを生成することができる。
[第2の実施の形態]
次に、画像読取装置の第2の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
第1の実施の形態においては、原稿画像の読取モードとして、ACS読み取りモードを取り扱ったが、本実施の形態においては、ACS読み取りモードとして、ACS読み取りモード1とACS読み取りモード2との2つのモードを取り扱う。例えば、原稿画像の読み取りを指示する操作入力において、原稿の読み取りモードとしてACS読み取りモード1が指定された場合、CPU261は、原稿画像の読み取りモードをACS読み取りモード1に設定し、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー/モノクロ同時動作モード1に設定し、スキャナ画像処理部263をACSモード1に設定する。ACS読み取りモード1は、第1の実施の形態のACS読取モードと同様であり、カラー/モノクロ同時動作モード1は、第1の実施の形態のカラー/モノクロ同時動作モードと同様であり、ACSモード1は、第1の実施の形態のACSモードと同様ある。また、原稿の読み取りモードとしてACS読み取りモード2が指定された場合、CPU261は、原稿画像の読み取りモードをACS読み取りモード2に設定し、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー/モノクロ同時動作モード2に設定し、スキャナ画像処理部263をACSモード2に設定する。
次に、カラー/モノクロ同時動作モード2に設定されたCCD207の構成について図14を用いて説明する。同図に示されるように、スイッチ316は、シフトレジスタ307から転送された電荷信号を後段に転送しないよう設定され、スイッチ317は、シフトレジスタ309から転送された電荷信号を後段に転送しないよう設定され、スイッチ318は、シフトレジスタ311から転送された電荷信号を後段に転送しないよう設定される。スイッチ336は、シフトレジスタ313からの電圧信号(BWラインセンサ304からの偶数画素の電荷信号が変換された電圧信号)を出力端子343から出力するよう設定される。スイッチ331,335は、シフトレジスタ308からの電圧信号(Gラインセンサ302からの奇数画素の電荷信号が変換された電圧信号)を出力端子342から出力するよう設定される。スイッチ332,333は、シフトレジスタ310からの電圧信号(Bラインセンサ303からの奇数画素の電荷信号が変換された電圧信号)をスイッチ334に転送するよう設定される。スイッチ334は、シフトレジスタ306からの電圧信号(Rラインセンサ301からの奇数画素の電荷信号が変換された電圧信号)及びシフトレジスタ310からの電圧信号が出力端子341から交互に出力されるようライン順次で設定が切り替えられる。その詳細については後述する。これにより出力端子343からは、BWラインセンサ304の偶数画素の電圧信号が出力される。また出力端子342からは、Gラインセンサ302からの奇数画素の電圧信号が1ラインおきに出力される。また出力端子341からは、Rラインセンサ301からの奇数画素の電圧信号又はBラインセンサ303からの奇数画素の電圧信号がライン毎に順次出力される。即ち、動作モードがカラー/モノクロ同時動作モード2である場合、CCD207からは、複数の出力端子のうち1つの出力端子が使用されてモノクロラインセンサの第2の主走査解像度の画像信号が出力されると共に、モノクロラインセンサの画像信号の出力に使用されない出力端子が使用されて、Gラインセンサ302からの第2の主走査解像度の画像信号が出力され、モノクロラインセンサの画像信号の出力及びGラインセンサ302からの画像信号の出力に使用されない出力端子が使用されて、Rラインセンサ301,Bラインセンサ303からの第2の主走査解像度の画像信号が順次出力される。
次に、カラー/モノクロ同時動作モード2においてCCD207へ入力される信号及びCCD207から出力する信号について図15を用いて説明する。各信号LSYNC_BW、LSYNC_C、SW334の定義は上述の第1の実施の形態と同様である。カラー/モノクロ同時動作モード2においては、LSYNC_Cの周期はLSYNC_BWの2倍に設定される。SW334は、上述の第1の実施の形態と同様に、動作モードに応じて、スイッチ334を設定する信号である。そして、SW334が”H”である場合、Rラインセンサ301からの電圧信号が出力端子341から出力されるようスイッチ334が設定され、SW334が”L”である場合、Bラインセンサ303からの電圧信号が出力端子341から出力されるようスイッチ334が設定される。その他のスイッチに対する信号についても、図14の構成に基づいているため、その説明を省略する。また、カラー/モノクロ同時動作モード2においては、OS1は、Rラインセンサ301からの電圧信号又はBラインセンサ302からの電圧信号が出力端子341から1ライン毎に順次出力される信号である。また、OS2は、Gラインセンサ302からの奇数画素の電圧信号が出力端子342から1ラインおきに出力される信号である。また、OS3は、BWラインセンサ304からの偶数画素の電圧信号が出力端子343からライン毎に出力される信号である。
次に、本実施の形態にかかる複合機MF1の行う処理の手順について説明する。まず、複合機MF1が原稿画像を読み取る処理の概略について図16を用いて説明する。複合機MF1のCPU261は、操作ボード90を介して、原稿画像の読み取りを指示する操作入力を受け付けると、当該操作入力によって原稿画像の読み取りモードがACS読み取りモードに指定されたか否かを判定する(ステップS1)。当該判定結果が肯定的である場合(ステップS1:YES)、CPU261は、指定されたACS読み取りモードがACS読み取りモード1であるか否かを判定する(ステップS40)。当該判定結果が肯定的である場合(ステップS40:YES)、CPU261は、原稿画像の読み取りモードをACS読み取りモード1に設定して(ステップS41)、ステップS6に進み、当該判定結果が否定的である場合(ステップS40:NO)、原稿画像の読み取りモードをACS読み取りモード2に設定して(ステップS42)、ステップS6に進む。一方、ステップS1の判定結果が否定的である場合(ステップS1:NO)、ステップS2に進む。ステップS2〜S4,S6は上述の第1の実施の形態と同様である。
次に、ステップS40で原稿画像の読み取りモードをACS読み取りモード2に設定した場合に原稿画像を読み取る処理の手順について図17を用いて説明する。CPU261は、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー/モノクロ同時動作モード2に設定する(ステップS50)。また、CPU261は、スキャナ画像処理部263をACSモード2に設定する(ステップS51)。そして、CPU261は、ADF230を適宜制御し、カラースキャナ210を制御して、原稿画像の読み取りを開始させる(ステップS52)。原稿画像が読み取られると、CCD207の出力端子343からは、BWラインセンサ304の偶数画素の読取信号である電圧信号が出力され、出力端子342からは、Gラインセンサ302の奇数画素の読取信号である電圧信号が1ラインおきに出力される。また出力端子341からは、Rラインセンサ301の奇数画素の読取信号である電圧信号又はBラインセンサ303の奇数画素の読取信号である電圧信号がライン毎に順次出力される。それぞれの電圧信号は、AFE212でデジタルの画像信号に変換された後、スキャナ画像処理部263で各種画像処理が行われる。具体的には、カラー/モノクロ分離部361が、CCD207から出力されAFE212でA/D変換されたデジタルの画像信号を、カラーの画像信号(Rラインセンサ301,Gラインセンサ302及びBラインセンサ303のそれぞれの奇数画素の電圧信号から変換された画像信号)とモノクロの画像信号(BWラインセンサ304の偶数画素の電圧信号から変換された画像信号)とに分離して出力する。出力されたモノクロの画像信号に対してモノクロ画像処理部362が各種画像処理を行って、モノクロの画像データを生成してこれを出力し、カラーの画像信号に対してカラー画像処理部363が各種画像処理を行って、カラーの画像データを生成してこれを出力する。そして、ステップS13では、第1の実施の形態と同様にして、画像蓄積制御部273は、スキャナ画像処理部263が出力したモノクロの画像データ及びカラー画像データをローカルメモリ276に記憶させる。ステップS14〜S16も第1の実施の形態と同様である。
ここで、ACS読み取りモード2における各ラインセンサによる原稿画像の読み取り解像度について図18を用いて説明する。同図における(a)では、CCD207の出力端子343から出力されるBWラインセンサ304の偶数画素の電圧信号が模式的に示されている。同図における(b)では、CCD207の出力端子341から1ライン毎に順次出力されるRラインセンサ301,Bラインセンサ303のうち、Rラインセンサ301の奇数画素の電圧信号が模式的に示されている。同図における(c)では、CCD207の出力端子342から1ラインおきに出力されるGラインセンサ302の奇数画素の電圧信号が模式的に示されている。同図における(d)では、CCD207の出力端子341から1ライン毎に順次出力されるRラインセンサ301,Bラインセンサ303のうち、Bラインセンサ303の奇数画素の電圧信号が模式的に示されている。また、CCD207の1ラインの周期を規定するLSYNC_BW、LSYNC_Cについて、カラーラインセンサであるRラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303に対する信号であるLSYNC_Cの周期は、モノクロラインセンサであるBWラインセンサ304に対する信号であるLSYNC_BWの周期の2倍である。このため、モノクロラインセンサと、カラーラインセンサとでは原稿画像の読み取り解像度が異なる。
モノクロラインセンサによる読み取り解像度を基準にすると、カラーラインセンサによる読み取り解像度は以下のようになる。主走査については、CCD207からは奇数画素の電圧信号のみ出力される。しかし、モノクロラインセンサについても偶数画素の電圧信号のみ出力される。このため、主走査については、カラーラインセンサの読み取り解像度は、モノクロラインセンサの読み取り解像度と同じである。また副走査については、カラーラインセンサに対するLSYNC_Cの周期はモノクロラインセンサに対するLSYNC_BWの周期の2倍であるため、カラーラインセンサの読み取り解像度は、モノクロラインセンサの読み取り解像度の1/2になる。例えばACS読み取りモード2におけるモノクロラインセンサの読み取り解像度が主走査300dpi、副走査600dpiの場合、カラーラインセンサの読み取り解像度は主走査300dpi、副走査300dpiとなる。尚、例えば、操作ボート90を介したユーザから操作入力により変倍率が指定されるなどして、原稿画像の読み取り解像度が、出力対象の画像として必要な解像度と異なる場合は、カラーの画像信号に対してはカラー画像処理部363が変倍処理を行って解像度を変換し、モノクロの画像信号に対してはモノクロ画像処理部362が変倍処理を行って解像度を変換する。
以上のような構成によっても、イメージセンサの出力端子を増やすことなく、カラーの画像信号とモノクロの画像信号とを同時に高速で取得し、画像データを生成することができる。
以上、第2の実施の形態について説明したが、当該実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。
上述した第2の実施の形態においては、カラー/モノクロ同時動作モード2では、3本のカラーラインセンサの蓄積時間は全て同じにしたが、これをカラーラインセンサに応じて異ならせるようにしても良い。例えば、図19に例示されるように、LSYNC_Gは、Gラインセンサ302に対して蓄積時間を規定する信号であり、LSYNC_Cは、Rラインセンサ301,Bラインセンサ303に対して蓄積時間を規定する信号であるとする。LSYNC_BWは、上述の第1の実施の形態又は第2の実施の形態と同様にBWラインセンサ304に対して蓄積時間を規定する信号である。そして、カラー/モノクロ同時動作モード2では、例えば、LSYNC_Gの周期をLSYNC_BWと同じに設定し、LSYNC_Cの周期をLSYNC_BWの2倍に設定する。なお他の動作モードでは、LSYNC_Gの周期はLSYNC_Cと同じに設定する。SW334は、上述の第1の実施の形態又は第2の実施の形態と同様に、動作モードに応じて、スイッチ334を設定する信号である。SW334が”H”である場合はRラインセンサ301の電圧信号が出力端子341から出力されるようにスイッチ334が設定され、SW334が”L”である場合はBラインセンサ303の電圧信号が出力端子341から出力されるようにスイッチ334が設定される。その他のスイッチに対する信号についても、図14の構成に基づいているため、その説明を省略する。また、カラー/モノクロ同時動作モード2においてCCD207から出力される信号OS1〜OS3は、上述の第2の実施の形態と同様である。
このような構成において、ACS読み取りモード2における各ラインセンサによる原稿画像の読み取り解像度について図20を用いて説明する。同図における(a)では、CCD207の出力端子343から出力されるBWラインセンサ304の偶数画素の電圧信号が模式的に示されている。同図における(b)では、CCD207の出力端子341から1ライン毎に順次出力されるRラインセンサ301,Bラインセンサ303のうち、Rラインセンサ301の奇数画素の電圧信号が模式的に示されている。同図における(c)では、CCD207の出力端子342からライン毎に出力されるGラインセンサ302の奇数画素の電圧信号が模式的に示されている。同図における(d)では、CCD207の出力端子341から1ライン毎に順次出力されるRラインセンサ301,Bラインセンサ303のうち、Bラインセンサ303の奇数画素の電圧信号が模式的に示されている。また、CCD207の1ラインの周期を規定するLSYNC_BW、LSYNC_G、LSYNC_Cについて、Gラインセンサ302に対する信号であるLSYNC_Gの周期は、モノクロラインセンサであるBWラインセンサ304に対する信号であるLSYNC_BWの周期と同じであり、Rラインセンサ301,Bラインセンサ303に対する信号であるLSYNC_Cの周期は、モノクロラインセンサであるBWラインセンサ304に対する信号であるLSYNC_BWの周期の2倍である。このため、モノクロラインセンサと、カラーラインセンサのうちGラインセンサ302と、Rラインセンサ301,Bラインセンサ303とでは原稿画像の読み取り解像度が異なる。
モノクロラインセンサによる読み取り解像度を基準にすると、Rラインセンサ301,Bラインセンサ303による読み取り解像度は以下のようになる。主走査については、CCD207からは奇数画素の電圧信号のみ出力される。しかし、モノクロラインセンサについても偶数画素の電圧信号のみ出力される。このため、主走査については、ラインセンサ301,Bラインセンサ303の読み取り解像度は、モノクロラインセンサの主走査の読み取り解像度と同じである。また副走査については、Rラインセンサ301,Bラインセンサ303に対するLSYNC_Cの周期はモノクロラインセンサに対するLSYNC_BWの周期の2倍であるため、Rラインセンサ301,Bラインセンサ303の読み取り解像度は、モノクロラインセンサの読み取り解像度の1/2になる。例えばACS読み取りモード2におけるモノクロラインセンサの読み取り解像度が主走査300dpi、副走査600dpiの場合、Gラインセンサ302の読み取り解像度は主走査300dpi、副走査600dpiとなり、Rラインセンサ301,Bラインセンサ303の読み取り解像度は主走査300dpi、副走査300dpiとなる。尚、例えば、操作ボート90を介したユーザから操作入力により変倍率が指定されるなどして、原稿画像の読み取り解像度が、出力対象の画像として必要な解像度と異なる場合は、カラーの画像信号に対してはカラー画像処理部363が変倍処理を行って解像度を変換し、モノクロの画像信号に対してはモノクロ画像処理部362が変倍処理を行って解像度を変換する。
以上のような構成によっても、イメージセンサの出力端子を増やすことなく、カラーの画像信号とモノクロの画像信号とを同時に高速で取得し、画像データを生成することができる。
更に、R,G,Bの各色のうち特定の色であるGについては、読み取り解像度を高めることができる。
[第3の実施の形態]
次に、画像読取装置の第3の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態又は第2の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
上述の第1の実施の形態又は第2の実施の形態においては、複合機MF1は、ACS読み取りモード(ACS読み取りモード1,2を含む)が指定された場合、イメージセンサであるCCD207はカラー/モノクロ同時動作モード(カラー/モノクロ同時動作モード1,2を含む)に設定され、CCD207の3つの出力端子のうち2つの出力端子を用いてBWラインセンサ304の奇数画素の電圧信号及び偶数画素の電圧信号を各々出力し、残りの1つの出力端子を用いてRラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303の奇数画素の電圧信号を順次出力し、ACS判定部364の判定結果に応じて、カラーの画像データを出力するか、モノクロの画像データを生成するかを切り換える構成であった。この構成においては、ACS読み取りモードにおける読取速度を通常のモノクロセンサでの読取速度と同じにすることができるため生産性は高いが、カラーの画像信号の読み取り解像度は、モノクロの画像信号の読み取り解像度と比べて、主走査方向で1/2となり、副走査方向で1/3となる。このため、カラーの画像信号の画質は低下する恐れがある。これは、生産性を重視するユーザにとっては問題ないが、画質を重視するユーザにとっては問題になる恐れがある。
そこで、本実施の形態においては、複合機MF1は、ユーザが画質を重視するか生産性を重視しているかを推定し、推定した結果に応じて、画質を優先するか、生産性を優先するかを切り換える。ユーザが画質を重視するか生産性を重視しているかは、例えば、原稿画像の読み取りが指示された原稿に対する読み取りの手順に応じて推定することができる。具体的には、ユーザが、読取対象の原稿をADF230の原稿トレイ241に載置して、原稿画像の読み取りを指示する操作入力を行った場合、生産性を重視していると推定され、読取対象の原稿をコンタクトガラス231上に載置して、原稿画像の読み取りを指示する操作入力を行った場合、画質を重視していると推定される。従って、複合機MF1は、操作ボード90を介して、原稿画像の読み取りを指示する操作入力を受け付けた場合に、ADF230の原稿トレイ241に原稿が載置されたか否かを判定し、当該判定結果が肯定的である場合に、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー/モノクロ同時動作モードに設定すると共に、スキャナ画像処理部263を高生産性ACSモードに設定し、当該判定結果が否定的である場合に、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー動作モードに設定すると共に、スキャナ画像処理部263を高画質ACSモードに設定する。
スキャナ画像処理部263のカラー/モノクロ分離部361は、高生産性ACSモードに設定された場合と、高画質ACSモードに設定された場合とで、入力される信号及び出力する信号が各々異なる。図21は、カラー/モノクロ分離部361が高画質ACSモードに設定された場合に入力される信号及び出力する信号を例示する図である。この場合、CCD207は上述したようにカラー動作モードに設定される。同図に示されるLSYNC_Inは、CCD207から出力されAFE212でA/D変換されてカラー/モノクロ分離部361に入力される画像信号について、ライン単位の区切りを示す信号である。LSYNC_Outは、CCD207から出力されAFE212でA/D変換された画像信号からカラー/モノクロ分離部361が分離して各々出力するカラーの画像信号及びモノクロの画像信号について、ライン単位の区切りを示す信号である。In1〜In3は、カラー/モノクロ分離部361の備える3つの入力端子を介して各々入力される信号である。In1は、CCD207から出力されAFE212でA/D変換されてカラー/モノクロ分離部361に入力される画像信号のうち、Rラインセンサ301の電圧信号から変換された画像信号である。In2は、CCD207から出力されAFE212でA/D変換されてカラー/モノクロ分離部361に入力される画像信号のうち、Gラインセンサ302の電圧信号から変換された画像信号である。In3は、CCD207から出力されAFE212でA/D変換されてカラー/モノクロ分離部361に入力される画像信号のうち、Bラインセンサ303の電圧信号から変換された画像信号である。Out1〜Out4は、カラー/モノクロ分離部361の備える4つの出力端子から各々出力される信号である。Out1は、モノクロ画像処理部362に接続される出力端子に出力される信号であり、Out2〜Out4はそれぞれ、カラー画像処理部363とACS判定部364とに接続される出力端子に出力される信号である。高画質ACSモードにおいては、カラー/モノクロ分離部361は、In1(Rラインセンサ301の画像信号)をOut2として出力し、In3(Bラインセンサ303の画像信号)をOut4として出力し、In2(Gラインセンサ302の画像信号)をOut1とOut3として出力する。この場合、ACS判定部364には、Out2〜Out4としてRラインセンサ301の画像信号、Bラインセンサ303の画像信号及びGラインセンサ302の画像信号が各々入力され、ACS判定部364により、これらの画像信号が用いられて、原稿画像がカラーかモノクロかが判定されることになる。
図22は、カラー/モノクロ分離部361が高生産性ACSモードに設定された場合に入力される信号及び出力する信号を例示する図である。この場合、CCD207は上述したようにカラー/モノクロ同時動作モードに設定される。このため、In1は、CCD207から出力されAFE212でA/D変換されてカラー/モノクロ分離部361にライン毎に順次入力されるRラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303の奇数画素の画像信号である。In2は、CCD207から出力されAFE212でA/D変換されてカラー/モノクロ分離部361に入力される画像信号のうち、BWラインセンサ304の奇数画素の電圧信号から変換された画像信号である。In3は、CCD207から出力されAFE212でA/D変換されてカラー/モノクロ分離部361に入力される画像信号のうち、BWラインセンサ304の偶数画素の電圧信号から変換された画像信号である。高生産性ACSモードにおいては、カラー/モノクロ分離部361は、In1として入力されるRラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303の奇数画素の画像信号のうち、Rラインセンサ301の奇数画素の画像信号をメモリに蓄積して、2ライン分遅らせてOut2として出力し、Gラインセンサ302の奇数画素の画像信号をメモリに蓄積して、1ライン分遅らせてOut3として出力し、Bラインセンサ303の奇数画素の画像信号をOut4として出力する。この結果、Rラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303のそれぞれの画像信号は同時に出力されることになる。従って、この場合も、ACS判定部364には、Out2〜Out4としてRラインセンサ301の画像信号、Bラインセンサ303の画像信号及びGラインセンサ302の画像信号が各々同時に入力され、ACS判定部364により、これらの画像信号が用いられて、原稿画像がカラーかモノクロかが判定されることになる。また、カラー/モノクロ分離部361は、In2(BWラインセンサ304の奇数画素の画像信号)とIn3(BWラインセンサ304の偶数画素の画像信号)とを各々画素単位に分割して、画素が連続するように画像信号を並び換えて、Out1として出力する。
次に、本実施の形態にかかる複合機MF1の行う処理の手順について説明する。複合機MF1が原稿画像を読み取る処理の概略は図9の通りであり、図9のステップS2で原稿画像の読み取りモードをカラー読み取りモードに設定した場合に原稿画像を読み取る処理の手順及びステップS2で原稿画像の読み取りモードをモノクロ読み取りモードに設定した場合に原稿画像を読み取る処理の手順については上述の第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。ここでは、ステップS1で原稿画像の読み取りモードをACS読み取りモードに設定した場合に原稿画像を読み取る処理の手順について図23を用いて説明する。複合機MF1のCPU261は、原稿画像をADF230により読み取るかADF230を介さずに読み取るかを判定する(ステップS60)。これは、ADF230の原稿トレイ241に原稿が載置されて、原稿画像の読み取りが指示されたか又はコンタクトガラス231上に原稿が載置されて、原稿画像の読み取りが指示されたかにより判定する。当該判断結果が肯定的である場合(ステップS60:YES)、CPU261は、上述の第1の実施の形態のステップS10と同様にして、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー/モノクロ同時動作モードに設定する。また、CPU261は、スキャナ画像処理部263を高生産性ACSモードに設定する(ステップS61)。そして、CPU261は、ADF230を制御し、カラースキャナ210を制御して、原稿画像の読み取りを開始させる(ステップS62)。原稿画像が読み取られると、CCD207の出力端子342からは、BWラインセンサ304の奇数画素の読取信号である電圧信号がライン毎に出力され、出力端子343からは、BWラインセンサ304の偶数画素の読取信号である電圧信号がライン毎に出力される。また出力端子341からは、Rラインセンサ301,Gラインセンサ302及びBラインセンサ303のいずれか1つの奇数画素の読取信号である電圧信号が1ライン毎に順次出力される。それぞれの電圧信号は、AFE212でデジタルの画像信号に変換された後、スキャナ画像処理部263で各種画像処理が行われる。具体的な処理の内容は上述の第1の実施の形態のステップS12で説明した内容と同様である。その後ステップS13〜S16は上述の第1の実施の形態と同様である。
一方、ステップS60の判定結果が否定的である場合(ステップS60:NO)、CPU261は、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー動作モードに設定する(ステップS63)。また、CPU261は、スキャナ画像処理部263を高画質ACSモードに設定する(ステップS64)。そして、CPU261は、カラースキャナ210を制御して、原稿画像の読み取りを開始させる(ステップS65)。原稿画像が読み取られると、CCD207の出力端子341からは、Rラインセンサ301の読取信号である電圧信号がライン毎に出力され、出力端子342からは、Gラインセンサ302の読取信号である電圧信号がライン毎に出力され、また出力端子343からは、Bラインセンサ303の読取信号である電圧信号がライン毎に出力される。それぞれの電圧信号は、AFE212でデジタルの画像信号に変換された後、スキャナ画像処理部263で各種画像処理が行われる。具体的な処理の内容は上述の第1の実施の形態のステップS12で説明した内容と同様である。その後ステップS66〜S69は上述の第1の実施の形態のステップS13〜S16と同様である。
高生産性ACSモードにおける各ラインセンサによる原稿画像の読み取り解像度については、上述の第1の実施の形態のACS読み取りモードにおける各ラインセンサによる原稿画像の読み取り解像度と同様であり、図11を用いて説明した通りである。ここでは、高画質ACSモードにおける各ラインセンサによる原稿画像の読み取り解像度について図24を用いて説明する。同図における(a)では、CCD207の出力端子341〜343からBWラインセンサ304の電圧信号が出力されないことが模式的に示されている。同図における(b)では、CCD207の出力端子341からライン毎に出力されるRラインセンサ301の電圧信号が模式的に示されている。同図における(c)では、CCD207の出力端子342からライン毎に出力されるGラインセンサ302の電圧信号が模式的に示されている。同図における(d)では、CCD207の出力端子343からライン毎に出力されるBラインセンサ303の電圧信号が模式的に示されている。また、CCD207の1ラインの周期を規定するLSYNC_BW、LSYNC_Cについて、カラーラインセンサであるRラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303に対する信号であるLSYNC_Cの周期は、図11で説明したモノクロラインセンサであるBWラインセンサ304に対する信号であるLSYNC_BWの周期の2倍である。
図11で説明したモノクロラインセンサによる読み取り解像度を基準にすると、高画質ACSモードにおけるカラーラインセンサによる読み取り解像度は以下のようになる。主走査については、CCD207からはRラインセンサ301,Gラインセンサ302,Bラインセンサ303のそれぞれの奇数画素の電圧信号及び偶数画素の電圧信号が出力されるため、カラーラインセンサの読み取り解像度は、モノクロラインセンサの読み取り解像度と同じになる。また副走査については、カラーラインセンサに対するLSYNC_Cの周期は、図11で説明したモノクロラインセンサに対するLSYNC_BWの周期の2倍であるが、キャリッジまたは原稿の移動速度を1/2とすることで、カラーラインセンサによる読み取り解像度を図11で説明したモノクロラインセンサによる読み取り解像度と等しくすることができる。例えば図11で説明したモノクロラインセンサの読み取り解像度が主走査600dpi、副走査600dpiの場合、本実施の形態にかかる図12に示されるカラーラインセンサの読み取り解像度は主走査600dpi、副走査600dpiとなる。尚、例えば、操作ボート90を介したユーザから操作入力により変倍率が指定されるなどして、原稿画像の読み取り解像度が、出力対象の画像として必要な解像度と異なる場合は、カラーの画像信号に対してはカラー画像処理部363が変倍処理を行って解像度を変換し、モノクロの画像信号に対してはモノクロ画像処理部362が変倍処理を行って解像度を変換する。
以上のようにして、原稿画像をACS読み取りモードで読み取る場合に、原稿画像の読み取りが指示される原稿に対する読み取りの手順に応じて、画質を重視しているのか生産性を重視しているのかを推定し、画質を重視していると推定される場合には、CCD207の出力端子から各カラーラインセンサの高解像度の電圧信号を出力し、生産性を重視していると推定される場合には、CCD207の出力端子からモノクロラインセンサの高解像度の電圧信号を出力し且つ残りの出力端子からカラーラインセンサの低解像度の電圧信号を順次出力する。これにより、ACS読み取りモードにおいて、ユーザの意図に応じて、画質を優先するか生産性を優先するかを適切に切り換えることができる。
例えば、従来より、ACSモードにおける誤判定を少なくする目的で、ACSモードにおいて、原稿画像の読取り速度を優先させるか、判定精度を優先させるかを選択して、原稿画像がカラーかモノクロかを判定する画像読取装置(例えば特開2004−274366号公報参照)があるが、いずれかを選択するかはユーザが指定しなければならなかった。しかし、本実施の形態においては、この選択自体をユーザが行うのではなく、原稿画像の読み取りが指示された原稿に対する読み取りの手順に応じて、画質を優先するか、生産性を優先するかを適切に切り換えることができる。このため、ユーザの手間を省くことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
以上、第3の実施の形態について説明したが、当該実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。
上述した第3の実施の形態においては、ユーザが画質を重視するか生産性を重視しているかを、原稿画像の読み取りが指示された原稿に対する読み取りの手順に応じて推定したが、これに限らず、原稿画像の読み取りの指示の際に指定される画質モードに応じて推定するようにしても良い。画質モードとは、出力対象の画像の画質の取り扱いを示すものである。画質モードとしては、例えば、出力対象の画像を文字画像として取り扱う文字モードや、出力対象の画像を写真画像として取り扱う写真モードなどがある。例えば、画質モードとして文字モードが指定された場合は、スキャナ画像処理部263は、画像処理として鮮鋭化処理の程度を高め、写真モードが指定された場合は、画像処理として平滑化処理の程度を高める。写真モードでは、文字モードに比べて高画質となる。例えば、原稿が写真である場合これを印刷する際には、ユーザは、ACS読み取りモードを指定して、原稿画像を読み取らせる場合であっても、高画質なカラーの画像の出力を求めていると推定できる。このため、原稿画像の読み取りを指示する操作入力において、画質モードとして写真モードが指定された場合、画質が重視されていると推定される。この場合、CPU261は、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー動作モードに設定すると共に、スキャナ画像処理部263を高画質ACSモードに設定する。また、原稿画像の読み取りを指示する操作入力において、画質モードとして文字モードが指定された場合、生産性が重視されていると推定される。この場合、CPU261は、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー/モノクロ同時動作モードに設定すると共に、スキャナ画像処理部263を高生産性ACSモードに設定する。尚、操作入力によって画質モード自体が指定されていない場合には、例えば、画質モードとしていずれか一方を選択するようにしても良い。
図25は、図9のステップS1で原稿画像の読み取りモードをACS読み取りモードに設定した場合に原稿画像を読み取る処理の手順を示すフローチャートである。複合機MF1のCPU261は、原稿画像の読み取りを指示する操作入力において、画質モードとして文字モードが指定されたか否かを判定する(ステップS80)。当該判断結果が肯定的である場合(ステップS80:YES)、ステップS10に進み、当該判断結果が否定的である場合(ステップS80:NO)、ステップS63に進む。ステップS10,S13〜S16は上述の第1の実施の形態と同様であり、ステップS61〜S69は上述の第2の実施の形態と同様である。
以上のように、ACS読み取りモードにおいて、原稿画像の読み取りの指示の際に指定される画質モードから推定されるユーザの意図に応じて、画質を優先するか生産性を優先するかを適切に切り換えることができる。
また、ユーザが画質を重視するか生産性を重視しているかを、原稿画像の読み取りの指示の際に指定される画像の出力条件に応じて推定するようにしても良い。例えば、操作ボード90は、原稿画像をカラーの画像で出力するためのカラー用のスタートボタンと、原稿画像をモノクロの画像で出力するためのモノクロ用のスタートボタンとを備える。ユーザがADF230の原稿トレイ241又はコンタクトガラス231上に原稿を載置して、カラー用のスタートボタンを押下した場合、原稿画像を読み取りが指示されると共に、原稿画像をカラーの画像で出力するという出力条件が指定され、モノクロ用のスタートボタンを押下した場合、原稿画像を読み取りが指示されると共に、原稿画像をモノクロの画像で出力するという出力条件が指定されることになる。前者の場合、ユーザは、生産性を重視していると推定され、後者の場合は、画質を優先していると推定される。このため、CPU261は、カラー用のスタートボタンが押下された場合、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー動作モードに設定すると共に、スキャナ画像処理部263を高画質ACSモードに設定する。また、モノクロ用のスタートボタンを押下された場合、CPU261は、CCD207を含むカラースキャナ210及びADF230をカラー/モノクロ同時動作モードに設定すると共に、スキャナ画像処理部263を高生産性ACSモードに設定する。尚、カラー用のスタートボタンが押下された場合、原稿画像がカラーであるとACS判定部364が判定した場合と同様に、複合機MF1は、カラーでの印刷を行い、モノクロ用のスタートボタンを押下された場合、原稿画像がモノクロであるとACS判定部364が判定した場合と同様に、複合機MF1は、モノクロでの印刷を行う。
図26は、図9のステップS1で原稿画像の読み取りモードをACS読み取りモードに設定した場合に原稿画像を読み取る処理の手順を示すフローチャートである。複合機MF1のCPU261は、原稿画像の読み取りを指示する操作入力において、モノクロ用のスタートボタンが押下されたかカラー用のスタートボタンが押下されたかを判定する(ステップS90)。当該判断結果が肯定的である場合(ステップS90:YES)、ステップS10に進み、当該判断結果が否定的である場合(ステップS90:NO)、ステップS63に進む。ステップS10,S13〜S16は上述の第1の実施の形態と同様であり、ステップS61〜S69は上述の第2の実施の形態と同様である。
以上のように、ACS読み取りモードにおいて、原稿画像の読み取りの指示の際に指定される画像の出力条件から推定されるユーザの意図に応じて、画質を優先するか生産性を優先するかを適切に切り換えることができる。
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
上述した各実施の形態において、複合機MF1で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成しても良い。
上述した各実施の形態において、画像読取装置を、コピー機能、プリンタ機能及びスキャナ機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明したが、これに限らない。
上述した各実施の形態において、CCD207が備える出力端子の数は、カラーラインセンサの数と同数であるとしたが、同数より大きい数であっても良い。このような構成において、動作モードがカラー動作モードである場合、CCD207からは、各カラーラインセンサの第1の主走査解像度の画像信号が、カラーラインセンサの数より大きい数の出力端子からそれぞれ出力されるようにしても良い。また、動作モードがカラー/モノクロ同時動作モードである場合、CCD207からは、複数の出力端子のうち2つより大きい数の出力端子が使用されてモノクロラインセンサの第1の主走査解像度の画像信号が出力されるようにしても良い。