JP5531923B2 - 多気筒エンジンの吸排気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等に設けられる多気筒エンジンの吸排気装置に関する。
従来、自動車等のエンジンにおいて、エンジン出力を高めることを目的とした吸排気装置の開発が行なわれている。
例えば、特許文献1には、ターボ過給機を有する装置であって、各気筒の排気ポートに接続されて互いに独立する複数の独立通路と、ターボ過給機の上流に設けられてこれら独立通路が集合する集合部と、この集合部に設けられて各独立通路の流路面積を変更可能なバルブとを備えたものが開示されている。この装置では、前記バルブによって前記独立排気通路の流路面積を縮小することで、排気行程にある気筒の排気を所定の独立通路から前記集合部に比較的高速で流入させ、この高速の排気の周囲に生成された負圧を前記集合部において他の独立通路に作用させていわゆるエゼクタ効果によってこの他の独立通路内の排気を下流側に吸い出すことで、ターボ過給機に供給されるガス量を増大させてエンジン出力を向上させるよう構成されている。
特開2009−97335号公報
自動車等のエンジンにおいて、エンジン出力の向上要求は依然として高く、簡単な構成でより一層エンジン出力を高めることが求められている。
本発明は、このような事情に鑑み、簡単な構成でより吸気量をより増大させてエンジン出力を高めることのできる多気筒エンジンの吸排気装置の提供を目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、吸気ポートおよび排気ポートがそれぞれ形成されるとともに前記吸気ポートを開閉可能な吸気バルブと前記排気ポートを開閉可能な排気バルブとが設けられた複数の気筒を有する多気筒エンジンの吸排気装置であって、前記各気筒の吸気ポートにそれぞれ接続される吸気通路と、1つの気筒あるいは排気順序が互いに連続しない複数の気筒の排気ポートにそれぞれ接続される独立排気通路と、前記各独立排気通路の下流端に接続されて、当該各独立排気通路を通過した排気が集合する集合部と、前記各気筒の吸気バルブおよび排気バルブを駆動可能なバルブ駆動手段とを備え、前記各独立排気通路のうち排気順序が連続する気筒に接続された独立排気通路は互いに隣り合う位置で前記集合部に接続されており、前記各独立排気通路および集合部は、各気筒から各排気ポートおよび各独立排気通路を通って前記集合部に排気が排出されるのに伴いエゼクタ効果によって隣接する他の独立排気通路およびこの独立排気通路に接続された排気ポート内に負圧が生成される形状を有し、前記各独立排気通路は、その下流端部分の流路面積と同じ面積を有する真円の直径aと、前記集合部の最小流路面積と同じ面積を有する真円の直径Dとの関係がa/D≧0.5となる形状を有し、前記バルブ駆動手段は、少なくともエンジンの回転数が予め設定された基準回転数よりも低い低速領域において、前記各気筒の吸気バルブの開弁期間と排気バルブの開弁期間とが所定のオーバーラップ期間重複し、かつ、排気順序が連続する気筒間において一方の気筒の前記オーバーラップ期間が吸気上死点および他方の気筒の排気バルブが開弁している時期に重複するように、各気筒の吸気バルブおよび排気バルブを駆動するとともに、少なくとも前記低速領域において、前記他方の気筒から排出された排気により前記一方の気筒の排気ポートに生成された負圧が最大となる時期が当該一方の気筒のオーバーラップ期間と重複するように前記排気バルブの開弁開始時期をエンジン回転数の増大に伴って進角させることを特徴とする多気筒エンジンの吸排気装置を提供する。
本装置によれば、エゼクタ効果をより効果的に利用して、気筒の掃気を促進し、吸気効率ひいてはエンジン出力を高めることができる。
具体的には、本装置では、少なくとも前記低速領域において所定の気筒のオーバーラップ期間中に他の気筒の排気バルブを開弁させているので、排気バルブの開弁時に所定の独立排気通路から前記集合部に高速の排気が噴出するのに伴い前記エゼクタ効果によって前記オーバーラップ期間中の気筒の排気ポートに負圧を生成することができ、前記オーバーラップ期間中の気筒内のガスを排気ポート側に吸い出して掃気を促進することができる。しかも、前記オーバーラップ期間中に前記負圧が最大となるよう構成されているため、前記負圧を効果的に吸気行程中の気筒に付与して吸気効率を効果的に高めることができる。
特に、独立排気通路が、その下流端部分の流路面積と同じ面積を有する真円の直径aと、前記集合部の最小流路面積と同じ面積を有する真円の直径Dとの関係がa/D≧0.5となる形状を有しているため、前記エゼクタ効果を効果的に得ることができる。
ここで、排気バルブの開弁期間中において排気ポートに排出される排気の圧力、速度が最大となる時期は排気バルブの開弁開始後しばらく後であり、この最大速度の排気によって他の気筒の排気ポートに前記最大負圧が生成される。そして、排気バルブの開弁開始から前記高速の排気が排出されるまでの遅れ時間ひいては排気バルブの開弁開始から前記負圧が最大となるまでの時間は、クランク角度にして、エンジン回転数が高いほど長くなる。そのため、例えば、排気バルブの開弁開始時期が同一の場合は、エンジン回転数が高くなるほど前記負圧が最大となる時期が遅くなり、この負圧が最大となる時期がオーバーラップ期間とずれるおそれがある。
これに対して、本装置では、前記排気バルブの開弁開始時期をエンジン回転数の増大に伴って進角させており、前記負圧が最大となる時期が早くなるためこの負圧が最大となる時期とオーバーラップ期間とをより確実に重複させることができる。
前記構成において、前記バルブ駆動手段は、少なくとも前記低速領域において、前記他方の気筒から排出された排気により前記一方の気筒の排気ポートに生成された負圧が最大となる時期が、エンジン回転数によらず略同一クランク角度時期となるように、前記排気バルブの開弁開始時期をエンジン回転数の増大に伴って進角させるのが好ましい(請求項2)。
このようにすれば、エンジン回転数によらず、前記負圧が最大となる時期を例えばTDC付近といったオーバーラップ期間のうちこの負圧によってより効果的に気筒内の排気を吸い出すことのできる時期とすることができる。
前記構成において、前記バルブ駆動手段は、排気バルブの開閉時期およびリフト量を変更可能なリフト可変機構を有し、少なくとも前記低速領域において、当該リフト可変機構によりエンジン回転数の増大に伴って排気バルブのリフト量を増大しつつ前記排気バルブの開弁開始時期を進角させるのが好ましい(請求項3)。
このようにすれば、エンジン回転数の増大に伴って排気バルブの開弁開始時期を進角させて前記負圧が最大となる時期を適切な時期にすることができるとともに、エンジン回転数の増大に伴って増大する排気流量に対応して掃気性能を確保することができる。
また、前記構成において、前記バルブ駆動手段は、少なくとも前記低速領域において、前記リフト可変機構によりエンジン回転数の増大に伴って前記排気バルブのリフト量を増大し、かつ、前記排気バルブの開弁開始時期を進角させつつ、前記排気バルブの閉弁時期を遅角させるのが好ましい(請求項4)。
このように排気バルブの閉弁時期を遅角して、これによりオーバーラップ期間の終時期を遅角すれば、前記負圧が最大となる時期と前記オーバーラップ期間とを重複させるための前記排気バルブの開弁開始時期の進角量を小さく抑えることができるため、排気バルブの開弁開始時期の進角量が大きいことに伴う膨張仕事の低減を抑制することができ、エンジン出力をより確実に高めることができる。
また、本発明において、前記各独立排気通路の少なくとも下流側の部分は、上流側よりも下流側の方が流路面積が小さい形状を有し、前記各吸気通路のうち前記吸気バルブから当該吸気バルブの開弁に伴い生成された吸気脈動の圧力波が反転されるまでの部分の長さおよび横断面積は、前記吸気脈動の1次の山が前記吸気バルブ近傍で生じる時期と吸気バルブの閉弁時期とが略同一となり吸気の慣性過給効果が得られる1次の同調回転数が予め設定された同調基準回転数よりも高く、かつ、前記吸気脈動の1次の谷が前記吸気バルブ近傍において発生する時期と吸気バルブの閉弁時期とが略同一となる非同調回転数が前記同調基準回転数よりも低くなる寸法に設定されており、前記同調基準回転数は、前記多気筒エンジンからのエンジン出力が、前記各独立排気通路の流路面積を一定とした場合におけるエンジン出力よりも小さくなるエンジン回転数付近に設定されているのが好ましい(請求項)。
このようにすれば、エゼクタ効果と吸気の慣性過給効果を効果的に利用してより広いエンジン回転数領域でエンジン出力を高めることができる。
具体的には、各独立排気通路の流路面積が下流側において絞られていることで独立排気通路から前記集合部により高速で排気を噴出させることができ高いエゼクタ効果を得ることができる。ここで、独立排気通路の流路面積が絞られていることで排気抵抗は増大する。これに対して、この構成では、吸気の慣性過給効果が得られる1次の同調回転数が、エンジン出力が各独立排気通路の流路面積を一定とした場合におけるエンジン出力よりも小さくなる回転数付近に設定された同調基準回転数よりもエンジン回転数の高い高速領域内に設定されているため、排気流量が大きいことによりエゼクタ効果による掃気性能向上効果よりも排気抵抗増大の影響の方が大きくなる高速領域においても、前記吸気の慣性過給効果により気筒内の掃気性能を高めてポンプ損失の増大を抑制することができ、より広いエンジン回転数領域でエンジン出力を高めることができる。特に、慣性過給効果を得ることのできない吸気脈動の1次の谷が発生する時期と吸気バルブの閉弁時期とが略同一となる非同調回転数が前記同調基準回転数よりも低くなるように構成されているので、同調基準回転数よりもエンジン回転数の高い高速領域全体にわたって掃気性能をより確実に高めることができる。
以上説明したように、本発明によれば、エゼクタ効果をより効果的に利用して、気筒の掃気を促進し、吸気効率ひいてはエンジン出力を高めることができる。
本発明の実施形態に係る多気筒エンジンの吸排気装置を備えたエンジンシステムの概略構成図である。 図1の部分拡大図である。 図1に対応するエンジンシステムの概略縦断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングを説明するための図である。 排気ポート内の圧力変化をバルブリフトカーブと合わせて示した図である。 各エンジン回転数における排気ポート内の圧力変化をバルブリフトカーブと合わせて示した図である。 各エンジン回転数における排気ポート内の圧力変化をバルブリフトカーブと合わせて示した図である。 本発明の実施形態に係る吸気バルブおよび排気バルブの開弁時期および閉弁時期を説明するための図である。 吸気バルブ付近の吸気脈動の様子を模式的に示した図である。 同調基準回転数の設定手順を説明するためのグラフである。 本発明の他の実施形態に係る排気バルブ20の開弁時期および閉弁時期を説明するための図である。
本発明に係る多気筒エンジンの排気装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は前記多気筒エンジンの吸排気装置を備えたエンジンシステム100の概略構成図である。このエンジンシステム100は、シリンダヘッド9およびシリンダブロックを有するエンジン本体1と、エンジン制御用のECU2と、吸気通路を構成するエンジン本体1に接続される複数の吸気管3およびこれら吸気管3に接続されるサージタンク4と、エンジン本体1に接続される排気マニホールド5と、排気マニホールド5に接続される触媒装置6とを備えている。
前記シリンダヘッド9およびシリンダブロックの内部にはピストンがそれぞれ嵌挿された複数の気筒12が形成されている。本実施形態では、前記エンジン本体1は、直列4気筒のエンジンであって、前記シリンダヘッド9およびシリンダブロックの内部には4つの気筒12が直列に並んだ状態で形成されている。具体的には、図2の右から順に第1気筒12a,第2気筒12b,第3気筒12c,第4気筒12dが形成されている。前記シリンダヘッド9には、ピストンの上方に区画された燃焼室内に臨むようにそれぞれ点火プラグ15が設置されている。
前記エンジン本体1は4サイクルエンジンであって、図5に示すように、各気筒12a〜12dにおいて、180℃Aずつずれたタイミングで前記点火プラグ15による点火が行われて、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程がそれぞれ180℃Aずつずれるように構成されている。本実施形態では、第1気筒12a→第3気筒12c→第4気筒12d→第2気筒12bの順に点火が行われてこの順に排気行程等が実施される。
各気筒12の上部には、それぞれ燃焼室に向かって開口する2つの吸気ポート17および2つの排気ポート18が設けられている。吸気ポート17は、各気筒12内に吸気を導入するためのものである。排気ポート18は、各気筒12内から排気を排出するためのものである。各吸気ポート17には、これら吸気ポート17を開閉して吸気ポート17と気筒12内部とを連通あるいは遮断するための吸気バルブ19が設けられている。各排気ポート18には、これら排気ポート18を開閉してこれら排気ポート18と気筒12内部とを連通あるいは遮断するための排気バルブ20が設けられている。前記吸気バルブ19は吸気バルブ駆動機構(バルブ駆動手段)30により駆動されることで、所定のタイミングで吸気ポート17を開閉する。また、前記排気バルブ20は、排気バルブ駆動機構(バルブ駆動手段)40により駆動されて、所定のタイミングで排気ポート18を開閉する。
前記吸気バルブ駆動機構30は、吸気バルブ19に連結された吸気カムシャフト31と吸気VVT32とを有している。吸気カムシャフト31は、周知のチェーン/スプロケット機構等の動力伝達機構を介してクランクシャフトに連結されており、クランクシャフトの回転に伴い回転して、吸気バルブ19を開閉駆動する。
前記吸気VVT32は、吸気バルブ19のバルブタイミングを変更するためのものである。この吸気VVT32は、吸気カムシャフト31と同軸に配置されてクランクシャフトにより直接駆動される所定の被駆動軸と吸気カムシャフト31との間の位相差を変更して、これによりクランクシャフトと前記吸気カムシャフト31との間の位相差を変更することで、吸気バルブ19のバルブタイミングを変更する。吸気VVT32の具体的構成としては、例えば、前記被駆動軸と前記吸気カムシャフト31との間に周方向に並ぶ複数の液室を有し、これら液室間に圧力差を設けることで前記位相差を変更する液圧式機構や、前記被駆動軸と前記吸気カムシャフト31との間に設けられた電磁石を有し、前記電磁石に電力を付与することで前記位相差を変更する電磁式機構等が挙げられる。この吸気VVT32は、ECU2で算出された吸気バルブ19の目標バルブタイミングに基づいて前記位相差を変更する。
前記排気バルブ駆動機構40は、排気バルブ20に連結された排気カムシャフト41と排気CVVL42とを有している。排気カムシャフト41は、前記吸気カムシャフト31と同様にクランクシャフトに連結されており、クランクシャフトの回転に伴い回転して、排気バルブ20を開閉駆動する。
前記排気CVVL42は、排気バルブ20のバルブタイミングを変更するためのものである。前記排気CVVL42は、排気バルブ20のリフト量を連続的に(無段階で)変更可能ないわゆる連続可変バルブリフト機構(Continuous Variable Valve Lift Mechanism)と呼ばれるものである。
本実施形態では、前記排気CVVL42は、排気バルブ20の閉弁時期を所定のクランク角位置に固定しながら、排気バルブ20のリフト量を可変的に変更して排気バルブ20の開弁開始時期を変更する。
このような構成のCVVLは既に公知であり、その具体例は、例えば特開2007−85241号公報に開示されている(なお、同文献ではVVEと称されている)。
前記各気筒12の吸気ポート17は、その上流側においてそれぞれ前記吸気管3に接続されている。具体的には、前記吸気管3は気筒数に対応して4本設けられており、各気筒12に設けられた2つの吸気ポート17が、1つの吸気管3に接続されている。
前記各吸気管3は、その上流側において前記サージタンク4に接続されており、このサージタンクに貯留されている空気が各吸気管3に分配される。このサージタンク4は、吸気管3の並び方向に延びており吸気管3に分配するための空気を貯留可能な十分な容積を有している。従って、前記吸気バルブ19の開弁に伴い吸気バルブ19近傍で発生した負圧波は、吸気管3を伝播して前記サージタンク4に到達するとこのサージタンク4で反転、反射して正圧波となる。この正圧波は、吸気バルブ19側に戻り、気筒12の入口付近で反転、反射し負圧波となり、再びサージンタンク4側に伝播する。このようにして、吸気管3内には、図10に示すような、圧力脈動(吸気脈動)が生じる。この図10は、横軸を時間として、吸気バルブ19近傍における吸気脈動による圧力変化を模式的に示した図である。この図10に示すように、吸気バルブ19近傍では、吸気バルブ19の開弁開始(時刻t0)後、山(圧力の高い状態)と谷(圧力の低い状態)とが減衰しながら交互に現れる。
吸気の慣性過給効果とは、前記吸気バルブ19の閉弁直前に吸気バルブ19近傍が前記山の状態とされて吸気ポート17側の圧力が高められることで気筒12への吸気が促進されるというものである。特に、前記負圧波がサージタンク4で1回反転、反射することで生成された正圧波による1次の山は、その圧力が大きく、高い慣性過給効果を得ることができる。
本実施形態では、この1次の山による高い慣性過給効果が、後述する同調基準回転数N1よりもエンジン回転数の高い高速領域で得られるように、前記吸気管3の長さL_in(図1参照)および横断面積すなわち排気の流れ方向と直交する方向の面積あるいは流路面積が設定されている。また、この高速領域において、前記吸気バルブ19の閉弁直前に吸気バルブ19近傍が前記谷の状態となるのを回避して、高速領域全体において前記慣性過給効果が得られるように、前記吸気管3の長さL_inおよび横断面積が設定されている。
すなわち、吸気バルブ19近傍において吸気脈動の1次の山が発生する時刻t1a(図10参照)と吸気バルブ19の閉弁時期とが略同一となる1次の同調回転数Nin_1aが、前記同調基準回転数N1よりも高くなるように、また、吸気バルブ19近傍において吸気脈動の1次の谷が発生する時刻t1b(図10参照)と吸気バルブ19の閉弁時期とが略同一となる1次の非同調回転数Nin_1bが、前記同調基準回転数N1よりも低くなるように、吸気管3の長さL_inおよび横断面積が設定されている。
ここで、1次の山による高い慣性過給効果をより高速領域で得られるようにするには、吸気管3の長さL_inをより短くする、あるいは、吸気管3の横断面積をより大きくすればよいが、吸気管3の横断面積を大きくする変更はレイアウト上の制約が大きいため、本実施形態では、吸気管3の長さL_inをより短くすることで高速領域で高い慣性過給効果が得られるようにしている。
前記排気マニホールド5は、3つの独立排気通路52と、混合管(集合部)56aと、ストレート管56bと、ディフューザー56cとを備えている。
前記各独立排気通路52は、前記各気筒12の排気ポート18に接続されている。具体的には、前記気筒12のうち第1気筒12aの排気ポート18と第4気筒12dの排気ポート18とは、それぞれ個別に独立排気通路52a、52dに接続されている。一方、排気行程が隣り合わず排気順序が連続しない第2気筒12bと第3気筒12cの排気ポート18は、これら各気筒から同時に排気が排出されることがないため、構造を簡素化する観点から、1つの独立排気通路52bに接続されている。より詳細には、この第2気筒12bと第3気筒12cの排気ポート18に接続されている独立排気通路52bは、その上流側において2つの通路に分離しており、その一方に前記第2気筒12bの排気ポート18が接続され、他方に前記第3気筒12cの排気ポート18が接続されている。
これら独立排気通路52は、互いに独立しており、第2気筒12bあるいは第3気筒12cから排出された排気と、第1気筒12aから排出された排気と、第4気筒12dから排出された排気とは、互いに独立して各独立排気通路52内を通って下流側に排出される。
前記第2気筒12bおよび第3気筒12cの排気ポート18に対応する独立排気通路52は、これら気筒12b,12cの中央部分すなわちエンジン本体1の略中央部分と対向して直線的に延びており、他の気筒12a,12dの排気ポート18に対応する独立排気通路52は、対応する各排気ポート18と対向する位置から前記第2気筒12bおよび第3気筒12cに対応する独立排気通路52に向かって湾曲して延びている。
前記各独立排気通路52の下流側には前記混合管56aが接続されており、各独立排気通路52を通過した排気はこの混合管56aで集合する。この混合管56aにおいて、前記3つの独立排気通路52は、その下流端が互いに隣接する位置で混合管56aに接続されている。
前記各独立排気通路52および混合管56aは、各独立排気通路52から排気が高速で噴出されてこの排気が高速で混合管56aを通過するのに伴い、この高速の排気の周囲に発生した負圧作用すなわちエゼクタ効果によって隣接する他の独立排気通路52およびこの独立排気通路52と連通する排気ポート18内のガスが下流側に吸い出される形状を有している。
具体的には、前記各独立排気通路52は、下流に向かうほどその流路面積が小さくなる形状を有しており、排気が各独立排気通路52から高速で下流側へ噴出されるよう構成されている。より詳細には、図2および図4に示すように、各独立排気通路52は、略楕円形断面を有する上流側部分から下流に向かうに従ってその断面積が縮小されており、その下流端では上流側部分の楕円形断面積の略1/3となる扇形となっている。そして、これら独立排気通路52は、扇形をなす各下流端が全体として略円形断面を形成するように集合して前記混合管56aに接続されている。
そして、前記混合管56aは、その上流端の断面積が前記各独立排気通路52の下流端の合計面積よりも大きく、下流に向かうほど縮径してその流路面積が小さくなり、その下流端の流路面積と同じ面積を有する真円の直径をD(図3参照)とし、前記独立排気通路52の下流端の断面積と同じ面積を有する真円の直径をa(図3参照)とした場合に、a/D=0.65となる形状を有している。ここで、この混合管56aの具体的構造は前記に限らないが、この混合管56aが、その上流端と下流端の少なくとも一方の流路面積が最も小さい流路面積となる形状を有し、a/Dがa/D≧0.5の範囲に設定されていれば、この混合管56aを排気が十分な高い速度で通過して前記エゼクタ効果が十分に得られることが分かっているため、前記のような形状を有するものが好ましい。なお、前記混合管56aへの排気の流入速度をより高めるべく、前記独立排気通路52の下流端に流路面積が小さくされた部分すなわち絞り部が設けられている場合には、この絞り部の流路面積の直径をaとして、前記混合管56aがa/D≧0.5となるような形状とされるのが好ましい。
前記混合管56aに流入した排気は前記ストレート管56bおよび前記ディフューザー56cを通過して下流側に流出する。前記ストレート管56cは、前記混合管56aから連続して、この混合管56aの下流端と同一の断面形状すなわち同一の流路面積で下流側に延びる形状を有している。前記ディフューザー56cは、前記ストレート管56bから連続して下流側に延びており、下流に向かうに従って拡径してその流路面積が大きくなる形状を有している。
前記ディフューザー56cの下流側には前記触媒装置6の後述するケーシング62が接続されており、ディフューザー56cを通過した排気はケーシング62内に流入する。
前記触媒装置6は、エンジン本体1から排出された排気を浄化するための装置である。この触媒装置6は、三元触媒等の触媒本体64とこの触媒本体64を収容するケーシング62とを備えている。ケーシング62は排気の流れ方向と平行に延びる略円筒状を有している。前記触媒本体64は、前記ケーシング62の上下流方向の中央部分に収容されており、このケーシング62の上流端62aには所定の空間が形成されている。前記ディフューザー56cの下流端はこのケーシング62の上流端62aに接続されており、ディフューザー56cから排出された排気はこのケーシング62の上流端62aに流入した後、触媒本体64側へ進行する。
前記ECU2は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行するためのCPUと、RAMやROMからなりプログラム及びデータを格納するメモリと、各種信号の入出力を行なうI/Oバスとを備えている。このECU2は、前記I/Oバスを介して各種センサからの信号を受け、この信号に基づき種々の演算を行い、この演算結果に基づき各種アクチュエータに駆動信号を送信する。前記吸気VVT32および排気CVVL42は、このECU2からの信号を受けて前記吸気バルブ19および排気バルブ20を駆動する。
前記吸気VVT32および排気CVVL42は、前記ECU2からの駆動信号を受けて、前記吸気バルブ19および排気バルブ20を、全運転領域において、排気バルブ20の開弁期間と吸気バルブ19の開弁期間とが吸気上死点(TDC)を挟んでオーバーラップし、かつ、排気バルブ20が他の気筒12のオーバーラップ期間T_O/L中に開弁を開始するように駆動する。具体的には、図5に示すように、第1気筒12aの吸気バルブ19と排気バルブ20とがオーバーラップしている期間中に第3気筒12cの排気バルブ20が開弁し、第3気筒12cの吸気バルブ19と排気バルブ20とがオーバーラップしている期間中に第4気筒12dの排気バルブ20が開弁し、第4気筒12dの吸気バルブ19と排気バルブ20とがオーバーラップしている期間中に第2気筒12bの排気バルブ20が開弁し、第2気筒12bの吸気バルブ19と排気バルブ20とがオーバーラップしている期間中に第1気筒12aの排気バルブ20が開弁するように、各バルブ19,20を駆動する。
また、前記排気CVVL32は、エンジン回転数が増大するに伴い、前記排気バルブ20のリフト量を増大させつつ排気バルブ20の開弁開始時期を進角させる。より詳細には、前記排気CVVL32は、排気ポート18内の圧力が後述するブローダウンガスの排出に伴って生成された最大負圧となる時期がエンジン回転数によらずほぼ一定となるように、エンジン回転数の増大に伴い排気バルブ20の開弁開始時期を進角させる。本実施形態では、前記最大負圧となる時期がTDCとほぼ一致するように進角させる。
なお、本エンジンシステム100において、前記吸気バルブ19および排気バルブ20の開弁時期、閉弁時期とは、それぞれ、図9に示すように、各バルブのリフトカーブにおいてバルブのリフトが急峻に立ち上がるあるいは立ち下がる時期であり、例えば0.4mmリフトの時期をいう。
以上のように構成された本エンジンシステム100における吸気性能について次に説明する。
本装置では、前記独立排気通路52および混合管56aは、エゼクタ効果により所定の独立排気通路52から混合管56aに排気が高速で噴出されるのに伴い、他の独立排気通路52内に負圧が生成されてこの他の独立排気通路52ひいてはこの他の独立排気通路52に連通する排気ポート18内のガスが下流側へ吸い出されるよう構成されている。そして、所定の気筒12(以下、適宜、吸気行程気筒12という)のオーバーラップ期間中に、排気順序がこの吸気行程気筒12の1つ後に設定された他の気筒12(以下、適宜、排気行程気筒12という)の排気バルブ20が開弁するように設定されている。
従って、排気行程気筒12の排気バルブ20が開弁してこの排気行程気筒12内の排気が独立排気通路52を通って混合管56aに高速で噴出されるのに伴い、前記エゼクタ効果によりオーバーラップ期間中の吸気行程気筒12の排気ポート18内に負圧が生成され、これにより、このオーバーラップ期間中の吸気行程気筒12内の掃気が促進される。特に、各独立排気通路52の下流端は前記混合管56aにおいて隣接して配置されている。そのため、排気行程気筒12に接続された独立排気通路52による吸出し力は吸気行程気筒12に接続された独立排気通路52に効果的に作用する。
このエゼクタ効果により排気ポート18内が負圧となる効果について調べた結果を、図6に示す。この図6は、本エンジンシステム100を用いて排気ポート18内の圧力変化を調べた結果を、排気バルブ20および吸気バルブ19のリフトカーブと合わせて示したものであり、この図6において上下2つの圧力グラフP1,P2はそれぞれ排気順序が連続する2つの気筒の排気ポート18内の圧力変化を示している。この図6において、各排気ポート18内の圧力は、排気バルブ20の開弁開始直後(圧力P1においてクランク角=CA_1となる時期)に最大圧力(Pmax)となるとともに、排気順序が1つ前の気筒12の圧力がこの最大圧力となったしばらく後(圧力P2においてクランク角=CA_2となる時期)に最大負圧(Pmin)となっており、前記エゼクタ効果により生じる最大負圧が排気バルブ20の開弁開始直後に気筒12から排出された高圧、高速のガス(いわゆるブローダウンガス)が前記独立排気通路52を通って前記混合管56aに高速で噴出されるのに伴って生成されることがわかる。
ここで、前記排気バルブ20の開弁開始後、排気行程気筒12から前記ブローダウンガスが排出されるまでのクランク角期間ひいては排気バルブ20の開弁開始からこのブローダウンガスにより吸気行程気筒12に高い負圧が生成されるまでクランク角期間は、図7に示すように、エンジンの回転数の増大に伴って長くなる。図7は、本エンジンシステム100と同様の構造を有するエンジン本体1および排気マニホールドを備えた装置を用いて、異なる複数のエンジン回転数において、排気バルブ20の開弁開始時期および閉弁時期をエンジン回転数によらず一定として排気ポート18内の圧力変化を調べた結果を示した図である。この図7において、ラインL1、L2、L3、L4、L5、L6はそれぞれエンジン回転数が1000rpm,2000rpm,3000rpm,4000rpm,5000rpm,6000rpmでの結果である。この図7に示されるように、排気バルブ20の開弁開始時期および閉弁時期が同じ時期の場合、エンジン回転数が増大するに伴って、排気バルブ20の開弁開始後、前記ブローダウンガスが排出されるまでのクランク角度期間は長くなっている。そして、これに伴い、排気ポート18内の負圧が最大となる時期がクランク角度で遅くなっている。これは、排気バルブ20の開弁開始後ブローダウンガスが排気ポート18内に排出されるまでの絶対時間がエンジン回転数によらず一定であるためと考えられる。そのため、例えば、エンジン回転数によらず排気バルブ20の開弁開始時期および閉弁時期を一定とすると、前記オーバーラップ期間中に排気ポート18内の負圧を最大とすることができず、この負圧による掃気促進効果を効果的に発揮できない。
これに対して、本エンジンシステム100では、前述のように、エンジン回転数の増大に伴って排気バルブ20の開弁開始時期が進角されている。そのため、前記排気ポート18内の負圧がエンジン回転数によらず前記オーバーラップ期間中のTDC付近において最大となるため、前記掃気促進効果を効果的に得ることができる。特に、TDC付近において排気ポート18内の負圧が最大とされることで、気筒12内の残留ガスをより効果的に吸い出すことができ、高い吸気効率を得ることができる。
このエンジン回転数の増大に伴って排気バルブ20の開弁開始時期を進角させるという制御を行った本エンジンシステム100における図7に対応する排気ポート18内の圧力変化を図8に示す。この図8に示されるように、本エンジンシステム100では、エンジン回転数によらず高いTDC付近において排気ポート18内の圧力が高い負圧とされている。
さらに、本エンジンシステム100では、エンジン回転数の増大に伴って排気バルブ20のリフト量が増大されており、エンジン回転数の増大に伴い流量が増大する排気を効率よく排出できる。そのため、前記エゼクタ効果による吸気効率の向上効果を確保しつつ、排気抵抗を低減して吸気効率をより高めることができる。
また、前記独立排気通路52が前記エゼクタ効果が効果的に得られるように下流側においてその流路面積が小さく絞られていることにより、エンジン回転数が高くなり排気流量が大きくなると、排気抵抗が大きくなってポンプ損失が増大する結果エンジン出力がかえって悪化するという問題が生じるが、本エンジンシステム100では、高速領域において吸気の慣性過給効果が効果的に得られるように構成されているため、高速領域においても得人出力を高く維持することができる。
具体的には、本エンジンシステム100では、前記同調基準回転数N1は、前記のように独立排気通路52の流路面積が絞られることにより、そのエンジン出力が、排気通路の流路面積が絞られていない場合よりもエンジン出力が低下する回転数付近に設定されている。すなわち、前記同調基準回転数N1は、本エンジンシステム100のエンジン出力の方が、本エンジンシステム100において前記独立排気通路52に代えて流路面積が一定の排気通路を用いた場合(以下、流路面積一定仕様という場合がある)のエンジン出力よりも小さくなる回転数付近に設定されている。そして、本エンジンシステム100では、前述のように、各吸気管3の長さL_inおよび横断面積の調整により、1次の同調回転数Nin_1aが前記同調基準回転数N1よりも高く、1次の非同調回転数Nin_1bが前記同調基準回転数N1よりも低く設定されている。そのため、前記独立排気通路52が絞られることに伴いエンジン出力が低下する前記同調基準回転数N1よりもエンジン回転数の高い高速領域全体において、吸気の慣性過給効果により掃気性能を高めることができ、これによりポンプ損失の増大を抑制してエンジン出力の低下を小さく抑えることができる。
図11に、本エンジンシステム100のエンジン出力(エンジントルク)の例(実線)と、前記流路面積一定仕様のエンジン出力(エンジントルク)の例(破線)とを示す。この図11に示されるように、エンジン回転数がトルク低下回転数N0よりも低い領域では、本エンジンシステム100の方が流路面積一定仕様よりもエンジントルクが高い。一方、エンジン回転数がトルク低下回転数N0よりも高い領域では、本エンジンシステム100の方が流路面積一定仕様よりもエンジントルクが低い。
本実施形態では、前記エンジントルクの低下が確実に抑制されるように、前記1次の同調回転数Nin_1aがこのトルク低下回転数N0に設定され、前記基準回転数N1は、このトルク低下回転数N0よりもわずかに小さい回転数に設定されている。例えば、前記トルク低下回転数N0が5000rpmであるのに対して、前記同調基準回転数N1は4500rpmに設定されている。そして、前記吸気管3は、1次の同調回転数Nin_1a5000rpmとなるように、その径が45mm、その長さL_inが400mmに設定されている。なお、本実施形態の4気筒を有するエンジン本体1の排気量は2リットルである。この場合において、1次の非同調回転数Nin_1bは3500rpmとなる。前記図11には、エンジントルクに合わせて、吸気バルブ19の閉弁時期の吸気バルブ19近傍における吸気脈動による圧力変化の様子を概略的に示している。
なお、図11に示したエンジントルクの比較結果は、吸気管3の長さおよび横断面積が同一であり得られる吸気脈動効果が同等の場合の比較である。従って、前記独立排気通路52に代えて流路面積が一定の排気通路を用いるとともに従来のようにエンジン回転数の比較的低い領域において吸気の慣性過給効果が得られるように構成されたエンジンシステムのエンジン出力は、図11の鎖線に示すように、高速領域において、本エンジンシステム100よりも低く、本エンジンシステム100では、前記吸気の慣性過給効果により、従来のエンジンシステムに比べて高いエンジン出力を得ることができる。
以上のように、本エンジンシステム100によれば、エゼクタ効果をより効果的に利用して、気筒12の掃気を促進し、吸気効率を高めることができるとともに、高速領域において吸気慣性効果を効果的に利用してポンプ損失を小さく抑えることができ、全速度領域においてエンジン出力を高めることができる。
ここで、前記実施形態では、排気バルブの閉弁時期を一定とした場合について示したが、排気バルブ20の開弁開始時期を過度に進角させると、エンジン本体1における膨張仕事が減少するおそれがある。そのため、このような場合には、図12に示すように、エンジン回転数の増大に伴い排気バルブ20の開弁開始時期を進角させるとともに、エンジン回転数の増大に伴い排気バルブ20の閉弁時期を遅角させるのが好ましい。なお、この場合には、エンジン回転数の増大量に対する排気バルブ20の閉弁時期の遅角量は、エンジン回転数の増大量に対する排気バルブ20の開弁開始時期の進角量よりも小さく設定するのが好ましい。
また、前記実施形態では、全運転領域において、エゼクタ効果による高い掃気促進効果が得られるように、吸気バルブ19と排気バルブ20とをオーバーラップさせるとともに他の気筒12の排気バルブ20の開弁開始時期とこのオーバーラップ期間とを重複させる制御およびエンジン回転数の増大に伴って前記最大負圧となる時期と前記オーバーラップ期間とを重複させる制御を実施する場合について説明したが、エンジン回転数が所定の基準回転数よりも低い運転領域でのみ行なってもよい。すなわち、エンジン回転数が高い運転領域では、排気流量が増大するため、エゼクタ効果により得られる掃気促進効果よりもポンプ損失低減により得られる掃気促進効果の方が高い場合がある。従って、このような場合には、吸気バルブ19と排気バルブ20とを掃気促進効果をより高めることができるように制御するのが好ましい。
また、前述のように、エンジン回転数が高い運転領域におけるポンプ損失を低減するべく、前記各独立排気通路52のうち流路面積が小さくなる領域から前記ディフューザー56cの下流側の部分までをバイパスする通路を設け、この通路をその流路面積を一定等として排気抵抗が大きくならない形状にするとともに、この通路にこの通路を開閉するバルブを取り付けて、前記エンジン回転数が低い運転領域ではこのバルブを閉じて前記独立排気通路52のみを排気が通過するように構成するとともに、エンジン回転数が高い運転領域では前記バルブを開いて排気が前記バイパス通路側をも通過するように構成してもよい。
また、触媒装置6の位置は前記に限らない。ただし、本エンジンシステム100によれば、エゼクタ効果および背圧の低減により吸気効率を高めることができるため、ターボ過給機を有しないエンジンシステムにおいて有用である。そして、このようにターボ過給機を有しない場合には、触媒装置6を前記実施形態のように各独立排気通路52に直接接続してより上流側の位置に配置することができ、これにより触媒本体64に流入する排気の温度を高く維持して触媒本体64を早期に活性させることができる。
1 エンジン本体
5 排気マニホールド
17 吸気ポート
18 排気ポート
19 吸気バルブ
20 排気バルブ
30 吸気バルブ駆動機構(バルブ駆動手段)
40 排気バルブ駆動機構(バルブ駆動手段)
52 独立排気通路
56a 混合管(集合部)

Claims (5)

  1. 吸気ポートおよび排気ポートがそれぞれ形成されるとともに前記吸気ポートを開閉可能な吸気バルブと前記排気ポートを開閉可能な排気バルブとが設けられた複数の気筒を有する多気筒エンジンの吸排気装置であって、
    前記各気筒の吸気ポートにそれぞれ接続される吸気通路と、
    1つの気筒あるいは排気順序が互いに連続しない複数の気筒の排気ポートにそれぞれ接続される独立排気通路と、
    前記各独立排気通路の下流端に接続されて、当該各独立排気通路を通過した排気が集合する集合部と、
    前記各気筒の吸気バルブおよび排気バルブを駆動可能なバルブ駆動手段とを備え、
    前記各独立排気通路のうち排気順序が連続する気筒に接続された独立排気通路は互いに隣り合う位置で前記集合部に接続されており、
    前記各独立排気通路および集合部は、各気筒から各排気ポートおよび各独立排気通路を通って前記集合部に排気が排出されるのに伴いエゼクタ効果によって隣接する他の独立排気通路およびこの独立排気通路に接続された排気ポート内に負圧が生成される形状を有し、
    前記各独立排気通路は、その下流端部分の流路面積と同じ面積を有する真円の直径aと、前記集合部の最小流路面積と同じ面積を有する真円の直径Dとの関係がa/D≧0.5となる形状を有し、
    前記バルブ駆動手段は、少なくともエンジンの回転数が予め設定された基準回転数よりも低い低速領域において、前記各気筒の吸気バルブの開弁期間と排気バルブの開弁期間とが所定のオーバーラップ期間重複し、かつ、排気順序が連続する気筒間において一方の気筒の前記オーバーラップ期間が吸気上死点および他方の気筒の排気バルブが開弁している時期に重複するように、各気筒の吸気バルブおよび排気バルブを駆動するとともに、少なくとも前記低速領域において、前記他方の気筒から排出された排気により前記一方の気筒の排気ポートに生成された負圧が最大となる時期が当該一方の気筒のオーバーラップ期間と重複するように前記排気バルブの開弁開始時期をエンジン回転数の増大に伴って進角させることを特徴とする多気筒エンジンの吸排気装置。
  2. 請求項1に記載の多気筒エンジンの吸排気装置において、
    前記バルブ駆動手段は、少なくとも前記低速領域において、前記他方の気筒から排出された排気により前記一方の気筒の排気ポートに生成された負圧が最大となる時期が、エンジン回転数によらず略同一クランク角度時期となるように、前記排気バルブの開弁開始時期をエンジン回転数の増大に伴って進角させることを特徴とする多気筒エンジンの吸排気装置。
  3. 請求項1または2に記載の多気筒エンジンの吸排気装置であって、
    前記バルブ駆動手段は、排気バルブの開閉時期およびリフト量を変更可能なリフト可変機構を有し、少なくとも前記低速領域において、当該リフト可変機構によりエンジン回転数の増大に伴って排気バルブのリフト量を増大しつつ前記排気バルブの開弁開始時期を進角させることを特徴とする多気筒エンジンの吸排気装置。
  4. 請求項3に記載の多気筒エンジンの吸排気装置において、
    前記バルブ駆動手段は、少なくとも前記低速領域において、前記リフト可変機構によりエンジン回転数の増大に伴って前記排気バルブのリフト量を増大し、かつ、前記排気バルブの開弁開始時期を進角させつつ、前記排気バルブの閉弁時期を遅角させることを特徴とする多気筒エンジンの吸排気装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の多気筒エンジンの吸排気装置において、
    前記各独立排気通路の少なくとも下流側の部分は、上流側よりも下流側の方が流路面積が小さい形状を有し、
    前記各吸気通路のうち前記吸気バルブから当該吸気バルブの開弁に伴い生成された吸気脈動の圧力波が反転されるまでの部分の長さおよび横断面積は、前記吸気脈動の1次の山が前記吸気バルブ近傍で生じる時期と吸気バルブの閉弁時期とが略同一となり吸気の慣性過給効果が得られる1次の同調回転数が予め設定された同調基準回転数よりも高く、かつ、前記吸気脈動の1次の谷が前記吸気バルブ近傍において発生する時期と吸気バルブの閉弁時期とが略同一となる非同調回転数が前記同調基準回転数よりも低くなる寸法に設定されており、
    前記同調基準回転数は、前記多気筒エンジンからのエンジン出力が、前記各独立排気通路の流路面積を一定とした場合におけるエンジン出力よりも小さくなるエンジン回転数付近に設定されていることを特徴とする多気筒エンジンの吸排気装置。
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