JP5529627B2 - 射出発泡成形材料及び射出発泡成形品 - Google Patents

射出発泡成形材料及び射出発泡成形品 Download PDF

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Description

本発明は、高い発泡倍率で射出発泡させて、射出発泡成形品を得るための射出発泡成形材料、並びに該射出発泡成形材料を用いた射出発泡成形品に関する。
家電もしくはパソコン等の情報機器、OA機器等の筐体、又は自動車の内装品に、熱可塑性樹脂成形品が用いられている。
上記熱可塑樹脂成形品では、多くの場合軽量化が求められており、成形品の厚みを薄くすることにより、又は成形品を発泡成形法で製造することにより、熱可塑性樹脂成形品を軽くすることが検討されている。上記発泡成形法として、多くの場合、射出発泡成形法が広く用いられている。
射出発泡成形法に用いられる熱可塑性樹脂組成物の一例として、下記の特許文献1には、ポリプロピレンと発泡剤とを含む組成物が開示されている。この組成物では、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、オレフィン系エラストマー及び無機フィラーを用いることができる。特許文献1の実施例1〜5では、組成物を2.3〜2.9倍の発泡倍率で発泡させて、成形品を得ている。
下記の特許文献2には、ポリプロピレン50〜80質量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体10〜50質量%と、タルク0〜25質量%と、発泡剤とを含む組成物が開示されている。
特許第3189619号公報 特開2004−307665号公報
特許文献1,2に記載の組成物を用いた場合には、高い発泡倍率で組成物を発泡させることが困難なことがある。さらに、高い発泡倍率で組成物を発泡させた場合には、成形品の外観が悪かったり、成形品の剛性及び靭性が低かったりすることがある。
本発明の目的は、外観が良好であり、かつ剛性及び靭性に優れた射出発泡成形品を得ることができる射出発泡成形材料、並びに該射出発泡成形材料を用いた射出発泡成形品を提供することである。
本発明の限定的な目的は、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性を向上させることにより、厚みの薄い射出発泡成形品を得ることを可能にする射出発泡成形材料、並びに該射出発泡成形材料を用いた射出発泡成形品を提供することである。
本発明の広い局面によれば、1.5〜5.0倍の発泡倍率で射出発泡させて、射出発泡成形品を得るための射出発泡成形材料であって、ポリプロピレン系樹脂50〜90重量%と、ポリエチレン系樹脂4〜25重量%と、無機充填剤4〜25重量%と、分散剤0〜10重量%とを含む射出発泡成形材料が提供される。
本発明に係る射出発泡成形材料のある特定の局面では、射出発泡成形材料は、上記流動性向上剤を2〜6重量%含む。
本発明に係る射出発泡成形材料の他の特定の局面では、上記流動性向上剤は極性ワックスである。
本発明に係る射出発泡成形材料のさらに他の特定の局面では、発泡剤がさらに含まれる。
本発明に係る射出発泡成形材料の別の特定の局面では、上記無機充填剤はタルクである。
本発明に係る射出発泡成形材料のさらに別の特定の局面では、上記ポリエチレン系樹脂は、長鎖分岐低密度ポリエチレンである。
本発明に係る射出発泡成形品は、本発明に従って構成された射出発泡成形材料を1.5〜5.0倍の発泡倍率で射出発泡させることにより得られたものである。
本発明に係る射出発泡成形材料は、ポリプロピレン系樹脂50〜90重量%と、ポリエチレン系樹脂4〜25重量%と、無機充填剤4〜25重量%とを含むので、更に分散剤を含まないか、又は分散剤を10重量%以下含むので、発泡剤等を用いて1.5〜5.0倍の発泡倍率で射出発泡させて、射出発泡成形品を得ることができる。さらに、1.5〜5.0倍の発泡倍率で射出発泡させても、外観が良好であり、かつ剛性及び靭性に優れた射出発泡成形品を得ることができる。また、得られる射出発泡成形品の軽量化を進めることもできる。
図1は、本発明の一実施形態に係る射出発泡成形品を得るために用いられる射出成形装置の概略構成図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(射出発泡成形材料)
本発明に係る射出発泡成形材料は、ポリプロピレン系樹脂50〜90重量%と、ポリエチレン系樹脂4〜25重量%と、無機充填剤4〜25重量%と、分散剤0〜10重量%とを含む。本発明に係る射出発泡成形材料は、分散剤を含まないか、又は分散剤を10重量%以下含む。本発明に係る射出発泡成形材料では、分散剤は任意成分である。特定の上記成分を特定の上記含有量で用いることにより、1.5〜5.0倍の発泡倍率で射出発泡させても、外観が良好であり、かつ剛性及び靭性に優れた射出発泡成形品を得ることができる。
本発明に係る射出発泡成形材料は、好ましくは、ポリプロピレン系樹脂50〜90重量%と、ポリエチレン系樹脂4〜25重量%と、無機充填剤4〜25重量%と、分散剤0〜10重量%と、流動性向上剤0〜6重量部とを含む。この場合には、本発明に係る射出発泡成形材料は、流動性向上剤を含まないか、又は流動性向上剤を6重量%以下含む。本発明に係る射出発泡成形材料では、流動性向上剤は任意成分である。
本発明に係る射出発泡成形材料が流動性向上剤を含む場合には、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性が向上し、厚みの薄い射出発泡成形品を得ることが可能になる。特に、射出発泡成形材料が流動性向上剤を2〜6重量%含んでいたり、又は流動性向上剤が極性ワックスであったりする場合には、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性がより一層向上する。このため、厚みの薄い射出発泡成形品をより一層容易に得ることが可能になり、更により一層厚みの薄い射出発泡成形品を得ることが可能になる。射出発泡成形品の厚みが薄くすることができるので、射出発泡成形品を軽量化できる。
上記ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン又はプロピレンと他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。プロピレンと他のモノマーとの共重合体の場合には、プロピレンが主成分として用いられ、例えばプロピレン−α−オレフィン共重合体を得るためのモノマーの合計100重量%中にプロピレンが50重量%以上用いられる。なかでも、ランダムポリプロピレンが好適に用いられる。ポリプロピレン系樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記プロピレンと他のモノマーとの共重合体としては、例えば、プロピレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。プロピレンと他のモノマーとの共重合体の共重合の形態は特に限定されない。プロピレンと他のモノマーとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はランダムブロック共重合体等のいずれであってもよい。
上記プロピレン−α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン及び1−オクテン等が挙げられる。上記プロピレン−α−オレフィン共重合体を得るためのモノマーの合計100重量%中、α−オレフィンの含有量の好ましい下限は1重量%、より好ましい下限は2重量%、好ましい上限は8重量%、より好ましい上限は5重量%である。α−オレフィンの含有量が上記好ましい上限を満たすと、射出発泡成形品の外観をより一層良好にできる。α−オレフィンの含有量が上記好ましい下限を満たすと、射出発泡成形品の剛性及び靭性をより一層高めることができる。
上記ポリプロピレン系樹脂のメルトインデックス(MI)の好ましい下限は30g/10分、より好ましい下限は50g/10分、好ましい上限は200g/10分、より好ましい上限は100g/10分である。ポリプロピレン系樹脂のMIが上記好ましい下限を満たすと、射出発泡成形品の成形時に、溶融樹脂の流動性が高くなることにより少ない樹脂量での大面積の成形品の成形が可能になる。さらに、流動性が高くなることにより成形時に用いる成形金型に溶融樹脂流入口を多く設ける必要がなくなり、金型の簡素化、単純化が可能となる。これによって、金型コストを低減することが可能となり、溶融樹脂が複雑な流動軌跡を取ることなどから発生する流動跡(ウェルドライン)の発生を未然に防ぐことができる。それらによって、償却、効率などの面から射出発泡成形品へのコスト転嫁を最小限に抑制することが可能になる。
上記ポリプロピレン系樹脂のMIが高いほど、重合度(分子量)が下がり、十分な剛性、靭性の発現が困難になるおそれがあると思われる。ポリプロピレン系樹脂のMIは、現実的な範囲を挙げると30〜200g/10分であり、より好ましくは50〜100g/10分である。ポリプロピレン系樹脂のMIは、JIS K7210:1999に基づいて、温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定される。
上記射出発泡成形材料100重量%中、上記ポリプロピレン系樹脂の含有量は50〜90重量%の範囲内である。射出発泡成形材料100重量%中、ポリプロピレン系樹脂の含有量の好ましい下限は60重量%、好ましい上限は89.9重量%、より好ましい上限は80重量%である。ポリプロピレン系樹脂の含有量は、射出発泡成形材料に配合されるその他の性能付与剤の配合量とのバランスを保つために考慮され、ポリプロピレン系樹脂そのものの持つ強度(靭性、剛性など)及び成形温度を発現するために適当な配合として規定される。また、安価なポリプロピレン系樹脂のコストメリットを最大限に生かすために、ポリプロピレン系樹脂の含有量は50重量%以上であり、好ましくは60重量%以上である。
さらに、無機充填剤を分散させるために、上記ポリプロピレン系樹脂とともに、分散剤が用いられてもよい。分散剤は、無機充填剤の分散状態を安定化させる。分散剤は、例えば、ポリプロピレン系樹脂中に分散される。分散剤は、無機充填剤とマトリックスとなるポリプロピレン系樹脂との相溶性を向上させる性能を有する。無機充填剤とマトリックスとなるポリプロピレン系樹脂との双方と親和性が高いので、分散剤として変性オレフィン系組成物が好適に用いられる。
マトリックスとなるポリプロピレン系樹脂との相溶性が高いので、分散剤は、オレフィン系成分であることが好ましい。オレフィン系成分としては、特に限定されないが、重合性二重結合を有するオレフィン系単量体の重合体が挙げられる。オレフィン系単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン及び4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン、並びにブタジエン及びイソプレン等の共役ジエン等が挙げられる。オレフィン系成分を得るために、これらのオレフィン系単量体は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、オレフィン系成分には、ポリオレフィン成分も含まれ、更にポリオレフィン系樹脂も含まれる。
上記ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、プロピレンの単独重合体、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体又はブロック共重合体、ブテンの単独重合体、並びにブタジエン及びイソプレン等の共役ジエンの単独重合体又は共重合体等が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリルとメタクリルとを意味する。上記ポリオレフィン系樹脂のなかでも、エチレンの単独重合体、プロピレンの単独重合体、エチレンと該エチレンと共重合可能なα−オレフィンとの共重合体、又はプロピレンと該プロピレンと共重合可能なα−オレフィンとの共重合体が好適に用いられる。
上記オレフィン系成分の分子量及び分子量分布は特に限定されない。オレフィン系成分の数平均分子量は、2000〜100万であることが好ましい。オレフィン系成分の数平均分子量のより好ましい下限は3000、より好ましい上限は20万である。また、オレフィン系成分のメルトインデックス(MI)は、5.0g/10分以上であることが好ましく、より好ましくは8.0g/10分以上である。オレフィン系成分のMIが上記下限を満たすと、マトリックスであるポリプロピレン系樹脂との相溶性が十分に得られ、射出発泡成形材料全体の流動性を高めることができる。オレフィン系成分のMIは、JIS K7210:1999に基づいて、温度190℃及び荷重21.18Nの条件で測定される。
無機充填剤と親和性の高い分散剤としては、無機充填剤の種類によって異なるが、マトリックスであるポリプロピレン系樹脂よりも極性の高い成分が好適に用いられる。このような成分として、極性官能基を有する分散剤が好適に用いられる。極性官能基を有する分散剤として、例えばカルボン酸、無水マレイン酸及び(メタ)アクリルなどが用いられる。最も好適に用いられる分散剤は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーである。ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーの含有量は、0〜20重量部であることが好ましく、0〜15重量部であることがより好ましい。なお、本発明に係る射出発泡成形材料は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーを含んでいなくてもよい。ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーの含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は10重量部である。無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーの含有量が上記下限を満たすと、無機充填剤と分散剤とが効果的に相互作用し、充分な分散安定化効果が得られる。このため、射出発泡成形品の耐衝撃が高くなり、変形時にボイド(欠損)が生じ難くなり、破断も生じ難くなる。無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーの含有量が上記上限を満たすと、分散剤自身の力学的強度が、射出発泡成形材料全体又は射出発泡成形品の力学的強度に大きく影響し難くなる。ポリプロピレン系樹脂の分子量に比べて、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーの分子量が低い場合には、射出発泡成形材料全体が低物性化する傾向があるが、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーを上記上限以下で用いることにより、このような低物性化を抑制できる。
無機充填剤の分散状態を安定化させるために、上記分散剤の酸価は、0当量/gよりも大きいことが好ましく、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマーの酸価は0当量/gよりも大きいことが好ましい。
上記射出発泡成形材料100重量%中、上記分散剤の含有量は0〜10重量%の範囲内である。本発明に係る射出発泡成形材料では、分散剤は任意成分である。すなわち、本発明に係る射出発泡成形材料は、分散剤を含んでいなくてもよく、含んでいてもよい。分散剤が含まれる場合には、射出発泡成形材料100重量%中、分散剤の含有量は10重量%以下である。分散剤の含有量が0〜10重量%であると、外観が良好であり、かつ剛性及び靭性に優れた射出発泡成形品を得ることができる。外観がより一層良好であり、かつ剛性及び靭性により一層優れた射出発泡成形品を得る観点からは、本発明に係る射出発泡成形材料は、分散剤を含むことが好ましい。この場合には、射出発泡成形材料100重量%中、分散剤の含有量の好ましい下限は0.1重量%であり、より好ましい下限は1重量%である。
上記ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレンが好適に用いられる。上記ポリエチレン系樹脂は、長鎖分岐状低密度ポリエチレンであることが好ましい。上記ポリエチレン系樹脂は、1000〜4000気圧及び200〜300℃の環境下で、ラジカル重合により得られる長鎖分岐状低密度ポリエチレンであることが好ましい。長鎖分岐状低密度ポリエチレンの密度は0.918〜0.923g/cm程度である。射出発泡成形材料全体の重量(密度)を低くするために低密度であり、かつ発泡時に十分な歪み硬化性を発現しうる溶融伸張粘度を有するようにするために長鎖分岐状であるポリエチレン系樹脂が最も好ましい。中圧下又は低圧下で金属系の触媒を用いて重合される直鎖状高密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンを用いた場合と比べて、長鎖分岐状低密度ポリエチレンを用いた場合には、マトリックスのポリプロピレンとの相溶性がより一層高くなり、界面において破壊の起点が生じ難い。ポリエチレン系樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリエチレン系樹脂のメルトインデックス(MI)の好ましい下限は1.0g/10分、より好ましい下限は3.0g/10分、好ましい上限は75g/10分、より好ましい上限は50g/10分である。ポリエチレン系樹脂のMIが上記好ましい下限を満たすと、射出発泡成形材料の溶融流動性を維持することができる。ポリエチレン系樹脂のMIが上記好ましい上限を満たすと、射出発泡成形時の溶融伸張粘度の向上が期待でき、かつ発泡成形性(歪み硬化性)が期待できる。ポリエチレン系樹脂のMIは、JIS K7210:1999に基づいて、温度190℃及び荷重21.18Nの条件で測定される。
上記射出発泡成形材料100重量%中、上記ポリエチレン系樹脂の含有量は4〜25重量%の範囲内である。上記ポリエチレンの含有量が4重量%以上であることで、射出発泡成形品の発泡成形性を高めることができ、発泡構造を維持できる。上記ポリエチレン系樹脂の含有量が25重量%以下であると、射出発泡成形品の力学物性(剛性、靭性)を高くすることができる。射出発泡成形材料100重量%中、ポリエチレン系樹脂の含有量の好ましい下限は7.5重量%、好ましい上限は20重量%である。ポリエチレン系樹脂の含有量が上記好ましい下限を満たすと、射出発泡成形品の発泡構造をより一層容易に維持できる。ポリエチレン系樹脂の含有量が上記好ましい上限を満たすと、射出発泡成形品の力学物性(剛性、靭性)をより一層高くすることができる。
上記無機充填剤としては、酸化チタン、炭酸カルシウム及び合成マイカなどの汎用フィラーが挙げられる。更に、上記無機充填剤としては、ウォラストナイト及びゾノトライト等の珪酸カルシウム類、タルク、活性白土、カオリンクレー、セピオライト及びイモゴライト等の粘土鉱物類、並びにシリカ系バルーン類等が挙げられる。コストを低くし、かつ無機充填剤とマトリックス樹脂との相性及び取扱い性を高める観点からは、タルクが好適に用いられる。これら、無機充填剤は表面処理されていてもよい。射出発泡成形品の剛性をより一層高める観点からも、タルクが好ましい。無機充填剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機充填剤を高密度で充填しても高い分散性が得られるので、無機充填剤の平均粒子径は2.5〜14μmの範囲内であることが好ましい。無機充填剤の平均粒子径のより好ましい下限は5.0μm、より好ましい上限は12μmである。無機充填剤の平均粒子径が上記好ましい下限及び上限を満たすと、無機充填剤の分散性をより一層高めることができる。このため、外観がより一層良好であり、かつ剛性及び靭性の均一性に優れた射出発泡成形品を得ることができる。上記平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
上記射出発泡成形材料100重量%中、上記無機充填剤の含有量は4〜25重量%の範囲内である。射出発泡成形材料100重量%中、無機充填剤の含有量の好ましい下限は10重量%、好ましい上限は20重量%、より好ましい上限は15重量%である。無機充填剤の含有量が上記好ましい下限を満たすと、射出発泡成形品の剛性をより効果的に高めることができる。無機充填剤の含有量が上記好ましい上限を満たすと、射出発泡成形材料の成形時の流動性への影響が少なくなり、容易に成形が可能となる。
上記発泡剤は、射出発泡成形により、射出発泡成形材料を発泡させるために用いられる。発泡剤は、射出発泡成形材料に予め添加されていてもよい。成形溶融混練時に発泡剤を混合して、溶解させる物理発泡剤法を用いてもよい。発泡剤は、射出発泡成形の際に、ポリプロピレン系樹脂系とポリエチレン系樹脂と無機充填剤とを含む射出発泡成形材料に添加されてもよい。射出発泡成形をより一層容易に行う観点からは、射出発泡成形材料は、発泡剤を含むことが好ましい。
上記発泡剤は特に限定されない。上記発泡剤として、射出発泡成形に通常使用できる適宜の発泡剤を用いることができる。上記発泡剤の具体例としては、化学発泡剤及び物理発泡剤等が挙げられる。発泡効率をより一層高める観点からは、化学発泡剤が好ましい。発泡剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化学発泡剤としては、無機系化学発泡剤及び有機系化学発泡剤を使用できる。上記無機系化学発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム及び炭酸アンモニウム等が挙げられる。上記有機系化学発泡剤としては、ニトロソ化合物、アゾ化合物、スルホニルヒドラジド化合物等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。発泡効率をさらに一層高める観点から、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
上記物理発泡剤はガス状又は超臨界流体として、成形機のシリンダー又はスクリューより、溶融樹脂に注入され、分散され、溶解される。その後、射出発泡成形材料を金型内に射出した後、圧力を解放することにより、射出発泡成形材料を発泡させることができる。上記物理発泡剤の具体例としては、脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類及び無機ガス等が挙げられる。上記脂肪族炭化水素類としては、ブタン等が挙げられる。上記脂環式炭化水素類としては、シクロブタン等が挙げられる。上記無機ガスとしては、窒素、炭酸ガス及び空気等が挙げられる。
上記射出成形材料における上記発泡剤の含有量は特に限定されない。射出発泡成形材料を射出発泡成形するために、発泡剤は適宜の含有量で用いられる。ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂と無機充填剤との合計100重量部に対して、発泡剤の含有量は3〜10重量部の範囲内であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂と無機充填剤との合計100重量部に対して、発泡剤の含有量のより好ましい下限は4重量部、より好ましい上限は8重量部である。発泡剤の含有量が上記好ましい下限を満たすと、射出発泡成形材料をより一層効果的に発泡させることが可能になり、高度な軽量化が実現できる。発泡剤の含有量が上記好ましい上限を満たすと、射出発泡成形品をより一層軽量化することができる。
射出発泡成形品を着色させるために、射出発泡成形材料は着色剤を含むことが好ましい。本発明に係る射出発泡成形材料は、流動性向上剤、酸化防止剤、発泡助剤、発泡核剤、発泡成形安定剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤及び架橋剤の各種の添加剤を含んでいてもよい。
射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性を向上させ、厚みの薄い射出発泡成形品を得ることを可能にする観点からは、本発明に係る射出発泡成形材料は流動性向上剤を含むことが好ましい。流動性向上剤は、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性を向上させる。また、流動性向上剤は、無機充填剤の分散性を向上させる。
上記流動性向上剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、極性ワックス及び金属せっけん等が挙げられる。上記流動性向上剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
流動性向上剤とマトリックス樹脂との分散性及び相溶性を高めることにより樹脂分子間の摩擦を低下させ、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性をより一層向上させる観点からは、マトリックス樹脂であるポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂に比べて極性の強い流動性向上剤が好適に用いられる。
射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性をより一層向上させる観点からは、上記流動性向上剤は、極性ワックスであることが好ましい。射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性をより一層向上させ、しかも流動性向上剤の使用による射出発泡成形品の靭性の低下を抑制する観点からは、上記流動性向上剤は、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体であることが好ましい。該α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体は、極性ワックスである。
従来、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体は、流動性向上剤として用いられておらず、流動性向上剤として知られているものではなかった。本発明者らは、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体の使用により、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性を向上させることができ、しかも流動性向上剤の使用による射出発泡成形品の靭性の低下を抑制できることを見出した。
上記流動性向上剤の分子量及び分子量分布は特に限定されない。射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性をより一層向上させる観点からは、上記流動性向上剤の数平均分子量は、2000〜30000であることが好ましい。上記流動性向上剤の数平均分子量はより好ましくは5000以上、より好ましくは15000以下である。
マトリックス樹脂であるポリプロピレン系樹脂の分子量に比べて、流動性向上剤の分子量は比較的低い。射出発泡成形材料が流動性向上剤を6重量%以下の含有量で含むことにより、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性を向上させることができるのみならず、射出発泡成形品の各物性の低下、特に靭性の低下を抑制できる。射出発泡成形材料100重量%中、上記流動性向上剤の含有量は2〜6重量%であることがより好ましい。上記流動性向上剤の含有量が2〜6重量%である場合には、射出発泡成形時に溶融樹脂の流動性がより一層向上する。この結果、厚みの薄い射出発泡成形品をより一層容易に得ることが可能になり、更により一層厚みの薄い射出発泡成形品を得たりすることが可能になる。また、射出発泡成形品の厚みが薄くすることができるので、射出発泡成形品を軽量化できる。
(射出発泡成形品)
本発明に係る射出発泡成形品は、上記射出発泡成形材料を1.5〜5.0倍の発泡倍率で射出発泡させることにより得られる。射出発泡成形材料は特定の上記成分を特定の上記含有量で含むので、射出発泡成形材料を比較的高い発泡倍率で発泡させても、外観が良好であり、かつ剛性及び靭性に優れた射出発泡成形品を得ることができる。上記発泡倍率が1.5倍未満であると、充分に軽量化された射出発泡成形品を得ることができず、高い剛性効果が得られない。上記発泡倍率が5倍を超えると、表層部分の面強度が不十分になることに加え、内層発泡樹脂成分量が極端に低下することから、表面外観に影響を及ぼしたり、射出発泡成形品の剛性及び靭性が充分に高くならなかったりすることがある。外観、剛性及び靭性により一層優れた射出発泡成形品を得る観点からは、上記発泡倍率の好ましい下限は2.0倍、より好ましい下限は2.5倍、好ましい上限は4.5倍、より好ましい上限は4.0倍である。
本発明の一実施形態に係る射出発泡成形品を得るために用いられる射出成形装置の概略構成図の一例を示す。
図1に示す射出成形装置1は、射出成形用金型2を備える。
射出成形用金型2は、固定型としての第1の金型3と、可動型としての第2の金型4とを備える。第1の金型3と第2の金型4とが組み合わされたときに、射出成形用金型2の内部に内部空間であるキャビティAが形成される。第1,第2の金型3,4の形状は矩形板状である。第1,第2の金型の形状は特に限定されない。
第2の金型4は、第1の金型3に対して近接及び離間するように、移動可能に構成されている。第2の金型4だけでなく、第1の金型3も第2の金型4に対して近接及び離間するように、移動可能に構成されていてもよい。第1の金型3が可動型であってもよい。第1,第2の金型が互いに近接及び離間するように、第1の金型及び第2の金型の内の少なくとも一方が、移動可能に構成されていてもよい。
第1の金型3に、キャビティAに溶融樹脂を注入するための樹脂注入用貫通孔3aが設けられている。第2の金型4のパーティングライン側の表面に、キャビティAを形成するための凹部5が形成されている。上記パーティングラインは、第1,第2の金型3,4が組み合わされたときに、第1,第2の金型3,4が互いに接する部分である。凹部5に、キャビティAにガスを注入するためのガス注入孔6が設けられている。第2の金型4の外表面から凹部5内に至るように、ガス注入孔6に連ねられたガス注入用流路7が設けられている。ガス注入用流路7は、外部空間に至っている。
第2の金型4のパーティングライン側の表面には、複数の溝8,9が設けられている。溝8,9の一端は、キャビティAに接続されている。溝8,9の他端は、外部空間に至っている。溝8,9により、ガス流路が形成されている。このような溝が形成されていることにより、溶融樹脂の充填時のキャビティAの圧力を制御でき、かつ溶融樹脂の充填とともに、不活性ガスを効率的に排出させることができる。図1に示す断面部分以外にも、溝が設けられていてもよい。溝は、第1の金型3に設けられていてもよい。
射出成形装置1を用いて、例えば、以下のようにして射出発泡成形品を得ることができる。
先ず、射出成形用金型2を、第1,第2の金型3,4が閉じた状態にする。射出成形用金型2のキャビティAに、所定のガス圧力になるようにガス注入孔6からガスを充填する。次に、樹脂注入用貫通孔3aから射出発泡成形材料をキャビティAに射出し、充填する。射出発泡成形材料は溶融状態で射出される。射出発泡成形材料の射出が完了する前に、ガスは溝8,9等から次第に排出される。射出発泡成形材料の射出が完了し、コアバック待ち時間が経過した後、例えば第1,第2の金型3,4が離間するように、第2の金型4を所定の距離だけコアバックさせる。第2の金型4をコアバックさせることにより、射出発泡成形材料を発泡させる。次に、発泡した射出発泡成形材料を冷却し、固化させる。その後、射出成形用金型2を開いて、射出発泡成形品を射出成形用金型2から取り出す。
コアバック前すなわち発泡前の射出発泡成形材料の厚みをt1とし、発泡後の射出発泡成形品の厚みをt2としたときに、発泡倍率(倍)は、t2/t1で表される。発泡前の射出発泡成形材料の厚みt1は0.5〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。厚み(t1)0.5〜1.0mmの発泡前の射出発泡成形材料を、上記比(t2/t1)が1.5〜5すなわち発泡倍率が1.5〜5倍であるように発泡させることが好ましい。
上記のようにして得られた射出発泡成形品は、例えば、パソコン等の情報機器、家電もしくはOA機器等の筐体、及び自動車の内装品等に用いられる。なかでも、射出発泡成形品を軽量かつ薄型にすることができるので、射出発泡成形品は自動車の内装品に好適に用いられる。射出発泡成形品は自動車の内装品として用いることにより、自動車内の内部空間を広くすることができ、かつ自動車の燃費を向上できる。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)射出発泡成形材料の調製
ポリプロピレン系樹脂としてノバテックPP BC08F(ランダムポリプロピレン、MI=75、日本ポリプロ社製)75重量%と、ポリエチレン系樹脂としてノバテックPE LJ902(低密度ポリエチレン、密度0.915g/cm、MI=45、日本ポリエチレン社製)10重量%と、無機充填剤としてミクロエース L−1(タルク、日本タルク社製、平均粒子径5.0μm)15重量%とを含む材料Aを、溶融押出混練にて造粒し、射出発泡成形材料を得た。溶融押出混練には、東芝機械社製TEX50(二軸同方向押出溶融混練機)を用いて、製造条件は、バレル温度190〜220℃、〜300rpm及び30kg/kgとした。
得られた射出発泡成形材料100重量部と、化学発泡剤EE515(化学発泡剤(主成分は炭酸水素ナトリウム)MB、永和化学社製マトリックス樹脂はLDPE)5重量部とを、射出発泡成形機上でドライブレンドすることにより、発泡前成形材料を調製した。
(2)射出発泡成形
図1に示す射出成形装置を用いて、以下の成形条件により、射出成形用金型のキャビティのガス圧力を3.0MPaとし、かつ金型温度を40℃とした状態で射出成形用材料を射出し、コアバックにより圧力解放し発泡させ冷却した。このようにして、厚み0.8mmの発泡前成形材料を厚み2.4mmに発泡させて、射出発泡成形品を得た。
[成形条件]
バレル設定温度:200〜250℃
スクリュー回転数:120rpm
射出時のキャビティの厚み(発泡前の射出発泡成形材料の厚み(t1)):0.8mm
コアバック時の型開き幅:1.6mm(コアバック後のキャビティの厚み:2.4mm(射出発泡成形品の厚みに相当する))
コアバック待ち時間:0.2秒
充填時間:0.65秒
冷却時間:30秒
冷媒温度(金型保温温度):40℃
(実施例2〜7及び比較例1〜5)
射出発泡成形材料の組成を下記の表1に示すように変更したこと以外実施例1と同様にして、射出発泡成形品を得た。なお、分散剤としてアドマーQE800(無水マレイン酸変性低分子量ポリプロピレン(無水マレイン酸変性ポリプロピレン系オリゴマー、三井化学社製、酸価10〜100×10−6当量/g))を用いた場合には、溶融押出混練する前に、材料A中に分散剤を添加した。
(実施例8,9及び比較例6,7)
射出発泡成形の際の発泡倍率を、下記の表1に示したように変更したこと以外は実施例1と同様にして、射出発泡成形品を得た。
(実施例10〜13及び比較例8〜10)
射出発泡成形材料の組成を下記の表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、射出発泡成形品を得た。ここでは、流動性向上剤として、ダイヤカルナ30M(無水マレイン酸変性ワックス、三菱化学社製、数平均分子量約8000、極性ワックスであるα−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体)を用いた。また、流動性向上剤としてダイヤカルナ30Mを用いた場合には、溶融押出混練する前に、材料A中に流動性向上剤を添加した。また、分散剤としてアドマーQE800を用いた場合には、溶融押出混練する前に、材料A中に分散剤を添加した。
(評価)
(1)発泡性
得られた射出発泡成形品の外観及び断面を目視により観察し、射出発泡成形品の発泡性を下記の判定基準で判定した。
[発泡性の判定基準]
◎:外観で均質なスキン層が形成されており、かつ断面観察で均等な大きさのセルが形成されている
○:外観でスキン層に破泡がなく、断面観察でセルの形成が認められる
×:外観に破泡がみられる
(2)外観
得られた射出発泡成形品を目視により観察し、射出発泡成形品の外観を下記の判定基準で判定した。
[外観の評価基準]
◎:シルバーストライク及びウェルドラインの双方が目立たず、タッチアップ不要レベル
○:ウェルドラインは目立たないが、シルバーストライクが発生している
×:シルバーストライク及びウェルドラインの双方が目立つ
(3)流動性
所定のらせん状金型(キャビティー断面積:1mm(厚みt)×20mm×長さL)の中央部から射出成型用サンプルを射出し、サンプル樹脂の到達長さを流動距離(L:単位mm)として、流動距離(L:単位mm)/空隙の厚み(t:1mm)を、流動性(L/t)として評価した。
(4)剛性(曲げ弾性率)
得られた射出発泡成形品の剛性(曲げ剛性)を曲げ弾性勾配により評価した。射出発泡成形品を幅50mm及び長さ150mmの大きさに切り出して、サンプルを得た。支点部及び荷重部の直径が10mmRの曲げ試験装置(ミネベア製、Model TCM−5000C)を用いて、支点間100mm及び荷重速度50mm/分の条件で、上記サンプルの3点曲げ試験を行い、曲げ最大荷重及び曲げ弾性勾配を求めた。なお、曲げ弾性勾配は、3点曲げ試験から応力−撓み曲線に弾性変形域で接線を引き、この接線(直線)上で撓み1cmのときの荷重(N/cm)を求め、算出した。
[剛性の判定基準]
◎:曲げ弾性勾配が50N/cm以上
○:曲げ弾性勾配が35N/cm以上、50N/cm未満
×:曲げ弾性勾配が35N/cm未満
△:平均値として○であるが、一部サンプルについて曲げ弾性勾配が35N/cmを下回る
(5)靭性(衝撃吸収強度)
低温(−30℃)における落球試験にて、得られた射出発泡成形品の衝撃吸収強度を評価した。射出発泡成形品を縦300mm×横150mmの大きさに切り出して、サンプルを得た。得られたサンプルを−30℃に温度調節した後、サンプルの中心に所定の高さより0.5kgの剛球を自然落下させ、割れ又は亀裂が発生するか否かを確認した。10枚について試験を行い、5枚以上の試験片において、割れ及び亀裂のいずれもが発生しておらず、サンプルに変化がない最大の落球高さを評価した。
[靭性の判定基準]
◎:衝撃吸収強度(落球高さ)が45cm以上
○:衝撃吸収強度(落球高さ)が30cm以上、45cm未満
×:衝撃吸収強度(落球高さ)が30cm未満
△:平均値として○であるが、一部サンプルについて曲げ弾性勾配が35N/cmを下回る
結果を下記の表1〜2に示す。
Figure 0005529627
Figure 0005529627
1…射出成形装置
2…射出成形用金型
3…第1の金型
3a…樹脂注入用貫通孔
4…第2の金型
5…凹部
6…ガス注入孔
7…ガス注入用流路
8,9…溝

Claims (5)

  1. 1.5〜5.0倍の発泡倍率で射出発泡させて、射出発泡成形品を得るための射出発泡成形材料であって、
    ポリプロピレン系樹脂50〜90重量%と、ポリエチレン系樹脂4〜25重量%と、無機充填剤4〜25重量%と、分散剤0〜10重量%と、極性ワックスである流動性向上剤2〜6重量%とを含む、射出発泡成形材料。
  2. 発泡剤をさらに含む、請求項1に記載の射出発泡成形材料。
  3. 前記無機充填剤がタルクである、請求項1又は2に記載の射出発泡成形材料。
  4. 前記ポリエチレン系樹脂が、長鎖分岐低密度ポリエチレンである、請求項1〜のいずれか1項に記載の射出発泡成形材料。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の射出発泡成形材料を1.5〜5.0倍の発泡倍率で射出発泡させることにより得られた射出発泡成形品。
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