JP5513105B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキン、失禁パンツ等の吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品においては、各部材の材料や構造を改良し、その機能や着用感の向上が図られてきた。吸収体についても、かかる改良を企図して開発がなされ、特に最近では使用状況や物品の種類に応じた機能性のものが種々提案されている。
特許文献1は、肌当接面側の表面シートと、非肌当接面側の裏面シートと、両シートの間に介在された個々に独立した小吸収部からなる吸収体とを有する生理用品を開示している。これにより十分な液体の吸収保持量を実現しつつ、柔軟性に富み、肌面の起伏にも極めて良好にフィットし、また動作に対する追従性が高く、着用感を大幅に良化することができる。
特許文献2は、肌当接面側の表面シートと、非肌当接面側の裏面シートと、両シートの間に介在された吸収体とからなる使い捨ておむつを開示する。前記吸収体には、その厚み方向を貫通し、長手方向に延びる複数の線状孔が長手方向ないし幅方向に複数条配置されている。そして該線状孔に沿って前記表裏面シートが剥離不能に接合され、前記表面シートが断面において凹状にされた溝部が形成されている。これにより、吸収した液を前記溝によって幅方向及び長手方向に拡散させ、吸収体の広い領域を利用した液保持性における有効利用ができるとされる。
国際公開第09/081744号パンフレット 特開平9−51913号公報
本願出願人は先に開発した上記特許文献1に係る吸収性物品により、吸収体への十分な量の液体等の吸収と快適な着用感との両立を達成した。一方、さらにそのような分断された小吸収部を有する吸収性物品について研究をつづけた結果、その長時間の使用によってなされる繰り返しの液体等の吸収に際して、液拡散性能の改良による吸収保持量の向上が望ましいことが分かってきた。
上記の点に鑑み、本発明は、分断された小吸収部を複数有する吸収性物品に特有の課題の解決に鑑み、高い液拡散性能により吸収保持量を向上し、繰り返しの***等に対する吸収保持においてもより広く多くの小吸収部を効果的に使用でき、しかも、上記特有の構成を有する吸収体の利点である、複雑に起伏する肌面に合わせて変形し隙間なく面で当接する人体適合性と、着用者の身体の動きに合わせて変形しその肌面と面で当接した状態を維持する動作追随性とをそのまま維持して発揮する吸収性物品の提供を課題とする。
上記の課題は、肌当接面側の表面シートと、非肌当接面側の裏面シートと、両シートの間に介在された吸収体とを有し、前記吸収体は、平面視において分断された複数の小吸収部により構成された吸収性物品であって、
前記複数の小吸収部はその非肌当接面側に位置する基盤シート上に配設されており、前記基盤シートは該複数の小吸収部間をつなぐ液連絡部を有し、前記基盤シートおいて該液連絡部はそれ以外の部分より液吸収性が高い吸収性物品により解決された。なお、液吸収性とは、表面から液の取り込み速度が速い、または拡散性に優れる性能をいう。
本発明の吸収性物品は、分断された小吸収部を複数有する吸収性物品に特有の課題を解決に鑑み、高い液拡散性能により吸収保持量を向上し、繰り返しの***等に対する吸収においてもより広く多くの小吸収部を効果的に使用でき、しかも、上記特有の構成を有する吸収体の利点である、複雑に起伏する肌面に合わせて変形し隙間なく面で当接する人体適合性と、着用者の身体の動きに合わせて変形しその肌面と面で当接した状態を維持する動作追随性とをそのまま維持して発揮するという優れた作用効果を奏する。
本発明における吸収性物品の一実施形態としての使い捨ておむつを肌当接面方向から示した一部切欠展開平面図である。 図1に示すII−II線断面の断面図である。 本発明に係る小吸収部と液連絡部との関係をさらに模式的に示した拡大平面図である。 本発明における別の実施形態(実施形態2)としての小吸収部と液連絡部との関係をさらに模式的に示した拡大平面図である。 本発明における別の実施形態(実施形態3)としての小吸収部と液連絡部との関係をさらに模式的に示した拡大平面図である。 本発明における別の実施形態(実施形態4)としての小吸収部と液連絡部との関係をさらに模式的に示した拡大平面図である。
以下、本発明についてその好ましい実施形態を示し、図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明における吸収性物品の一実施形態としての使い捨ておむつを肌当接面方向から示した一部切欠展開平面図である。図2は図1に示すII−II線断面の断面図である。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。
図1には、本発明の第1実施形態としての使い捨ておむつが示されている。図2は、図1におけるI−I線断面図である。なお、図2では、図1において破断していた部分を破断していない状態で示している。
第1実施形態の使い捨ておむつ100は、液透過性の表面シート1と、吸水性ポリマーを含んで構成される縦長の吸収体10と、液不透過性又は撥水性で、かつ、透湿性の裏面シート7とを具備し、実質的に縦長に形成されている。吸収体10は、その長手方向をおむつ100の長手方向Lと一致させて、表面シート1と裏面シート7との間に配されている。なお、本実施形態の使い捨ておむつ100の詳細な形状等については後述する。
上記表面シート1、裏面シート7、サイドシート8、基盤シート2及び小吸収部3の材料や寸法等に関する詳細は後述するが、本実施形態において表面シート1は、***された体液を速やかに吸収し、吸収体に伝達する観点と、肌触りのよさの観点から親水性のエアスルー不織布を用いている。また、裏面シート7としては、通気性を有した透湿性フィルムを単層で用いている。小吸収部3としてはパルプ繊維と超吸収性ポリマーとから構成されたものを用いている。基盤シート2としては液体吸収性ポリマーをそのシート内に含有する不織布を用いている
本発明においては、特に断らない限り、人体に接触する側を肌面側ないし肌当接面側あるいは表面側といい、それと反対側を非肌面側ないし非肌当接面側あるいは裏面側という。また、装着時に人体の前側に位置する方向を前方といいその端部を前端部とし、後側に位置する方向を後方といいその端部を後端部として説明する。また、吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向といいその量を厚さという。さらに、吸収性物品の平面視において相対的に長さのある方向を長手方向といい、この長手方向と直交する方向を幅方向という。なお、前記長手方向は典型的には装着状態において人体の前後方向と一致する。
図2は図1のII―II線に沿った拡大断面図である。本実施形態の吸収体10は基盤シート2の肌当接面側に多数のそれぞれ独立した小吸収部3が自然状態において互いに対して所定の隙間s,r(図1参照)を有するように縦横方向に配設されている。本実施形態において小吸収部3は縦横に小吸収部3を投影したときに隣あう小吸収部3と一致する市松配列である。つまり、多数の小吸収部を長手方向及び幅方向に投影したときにいずれの方向にもその投影像が重なる配置にされている。その他、適宜用途や機能に応じて配列を選択することができ、特に限定されないが、例えば千鳥状配列(上記投影像が長手方向及び/又は幅方向にみて略半ピッチずれのある配置)であってもよい。
この小吸収部3は、平面視において長手方向に長い長方形状であり、断面において幅方向に長い長方形の、長方体形状のものとされているが、本発明においてこの形状は特に限定されず任意の形状のものを採用可能である。本実施形態において小吸収部3はパルプ繊維と超吸収性ポリマーとから構成されており、その輪郭は図示したもののように定形的なものではなくてもよく、全体として上述した立体形状のものとされていることが好ましい。また、小吸収部3の縦横の配列も上記に限らず用途に合わせ適宜決められるのが好ましい。
小吸収部3は、断面において幅方向に長い長方形にされ、その肌当接面側である表面3aの面積と非肌当接面側である裏面3bとの面積が同じとされている。そして該断面において側面3cは裏面3bと略直交している。各小吸収部3は裏面3bの全面で基盤シート2に固定されている。この固定部tは例えばホットメルト接着剤、アクリル系の接着剤等の各種粘着・接着剤の他、熱エンボス、超音波エンボス等によって形成してもよい。
本実施形態の吸収体10は、独立した多数の小さな吸収部3の集合で構成されたため肌面の起伏にフィットする「身体適合性」が通常の一体の大きな吸収体に比し大幅に高まる。また着用者の動きにも良好に追随し、肌に対して部分的な隙間が生じたりすることが防止される「動作追随性」が極めて良好である。本実施形態によればこのような良好な変形性と該変形に左右されない良好な液体等の吸収保持との両立を図ることができる。この分断された複数の小吸収部からなる吸収体10の作用について後で詳しく述べる。
分画された複数の小吸収部3を有する吸収体10により良好な身体適合性と追従性とが得られる。一方、分画された小吸収部3を有する吸収体10は、は初回の***から***を繰り返すことにより、その吸収量が徐々に低下していく。これは小吸収部3どうしが離間していることにより液の移行がしにくく、それにより通液性が低下し、特に***部(図1中q)からその他部位への液の移行が十分に行われない場合が考えられる。そうすると例えば図1にて一点鎖線で示した範囲qの領域の吸収部程度の利用範囲に留まることとなるが、本実施形態によれば下記に述べる基盤シート2に施された液連絡部wの作用により、吸収量の低下をおさえ、より広い例えば範囲qのより広い領域の小吸収部3の利用を実現することができる。なお***部xとは尿、軟便、経血もしくはおりもの等の***を直接受ける部分及びその近傍である。
ここで本実施形態の使い捨ておむつ100におけるさらなる特徴を図3に基づき詳しく説明する。図3は本発明に係る小吸収部と液連絡部との関係を縦3つ横3つ計9つの小吸収部3と基盤シートを液の動きを説明するためにモデル化して示した平面図である。表面シート1、裏面シート7、サイドシート8は図示しておらず、図中Y方向を長手方向と呼び、X方向を幅方向と呼ぶ。また、吸収部3にはそれぞれその位置のものを表すアルファベットが図中、左上より左揃えで下方向に付されている。なお、液連絡部wの経路については説明のために単純化して示しており、本発明の実施において必ずしも図示したものと同一の形状にならなくともよい。図中、小吸収部間をつなぐ矢印は液移行の経路を示す。前記矢印の方向に液の移行経路は限定されない。また、経路を示す矢印も図の煩雑化を避け本発明における液移行経路の一部を抽出して図示する。
図3における液連絡部wの経路は平面視において9つすべての小吸収部をつなぐように線で結ばれた8の字形状である。また、液連絡部は、前記基盤シートの外縁部よりも内側に存在していればよく、より好ましくは吸収体10の外縁部よりも内側に存在する。本実施形態では、小吸収部3で構成された吸収体10の外縁部よりも内側に配されている。 液連絡部は、基盤シートの周縁部よりも内側かつ吸収体周縁部の外側にわたって伸びている場合には、個々の小吸収部全体に液をいきわたらせる効果があり、より少ない材料あるいはまた、薄型や面積の狭い吸収体においても吸収体全体を有効利用することができる。一方、液連結部が吸収体の周縁部よりも内側にのみ存在する場合には、もれの抑制を図ることができる。本実施形態において液連絡部wは基盤シート2において液体吸収性ポリマーを含有して構成され、換言すると基盤シート内において液体吸収性ポリマーを含有しない又は液連絡部wより少なく含有している部分より吸収性が高められている。その詳細については後述する。このようにすることで、例えば、中央の小吸収部eとその周囲8つの小吸収部とが液連絡部によって連絡され、換言すれば小吸収部が液連絡部によって跨設され、次のような拡散吸収作用を示す。小吸収部eに***がなされると、その***が少量であれば液は小吸収部eによって吸収保持される。しかし、小吸収部eの吸収保持量もしくは吸収速度を越えた***の場合、液は小吸収部の裏面3bもしくは各吸収部の間である谷部mから基盤シート2へと溢れるように移行することとなる。このとき、液連絡性に特に差のない基盤シートでは液不透過性である裏面シート7に当接した液は次第に行き場を失いその周辺の小吸収部への液の拡散は行われにくく、液の逆戻りを起こすようであれば着用時のベタつきの原因になりうる。
ところが、本実施形態における基盤シート2には液連絡部wが、分断された吸収部3同士をつなぐような経路で配されている。そのため、上記のように小吸収部eに多量の液が***されたときに、小吸収部eで液を飽和させずに裏面3b側に引き込みしかも着用者の肌面から遠い基盤シート2内の液連絡部で液を移行して着用時のドライ感を損なわない。さらに、移行してきた液は液連絡部wにより導かれ、モデル化していえば隣接する小吸収部a、b、c、d、f、g、h及びiにそれぞれ経路e、e、e、e、e、e、経路a、c、g,iを通り移行し、各小吸収部の全域で広く液吸収及びその保持がなされる。このようにして1つの小吸収部だけでは吸収量を超える多量の***があったとしても、十分な液保持性を示し、液を逆戻りさせない。さらに使い捨ておむつ全体の挙動をしていえば、***ポイントq(図1参照)にとどまらず、例えば長手方向に広がる***周辺領域qまで吸収保持性において有効に活用することができ(図1参照)、特に使い捨ておむつにおいて面積のある長手方向の小吸収部3に液を分配し、その部分を効果的に利用することが可能となる。したがって、たとえ***部近傍で繰り返しの***があっても、上述した基盤シート2の液連絡部wの作用により、その周辺への液の効果的な拡散移行がなされ、吸収量の低下がおこりにくい。他方、液連絡部wは小吸収部と全面で接合していないためそこで液を滞留させず、他の未だ乾燥状態にある小吸収部に液を導く挙動を示す。その結果、上述した良好な身体適合性と追従性とに加え、長時間の着用においても、肌当接面側において液残りのない快適な着用感を奏する。なお、上述した小吸収部3の利用領域を示すq、qは本発明を説明するにあたり模式的に示した領域であり、必ずしもこれにより発明が限定して解釈されるものではない。
本実施形態において液連絡部wとは、基盤シート2においてその周辺より液吸収性が高められた部分であり、具体的には液体吸収性ポリマーをその周辺より多く含有する部分であり、吸収部3同士を連絡する経路として機能する。また本実施形態においては前記連絡経路としての機能を考慮して基盤シート2の液連絡部wの単位面積当たりの吸収量を小吸収部3の単位面積あたりの吸収量より低くされている。また、液連絡部wをなす液体吸収性ポリマーは基盤シート2の肌当接面側のみに偏在していてもよい。
本実施形態による小吸収部3の大きさは特に限定されないが、生理用ナプキンにおける利用を考慮すると、組み込む吸収性物品によっても多少異なるが、平面視における面積がナプキンにおいては10〜900mm、特に50〜450mm、オムツにおいては150〜4000mm、特に550〜1500mmがより好ましい。
本実施形態において採用された分断された小さな吸収部が多数特定の配列で基盤シート上に配置されたことによる作用効果についてさらに詳しく述べる。まず、極めて複雑に屈曲する肌面にも好適に適合することが挙げられる。たとえば***ポイントからおしりに亘って使い捨ておむつを沿わしたときに、臀部の丸みにそって長手方向に湾曲するが、内包される従来の吸収体は一般的に剛性が他の部材より大幅に高く座屈してしまうことがある。この座屈変形との関係で、内部の吸収体は臀裂には入り込みににくく、ここに大きな隙間が開くことがある。すなわち、長手方向の座屈と幅方向の屈曲とが両立しにくく十分なフィット性を得がたい。すると、臀裂にできた空間を介して尿等が移行しやすくなり、就寝時の背中方向への漏れの原因となったりする。
これに対し本実施形態の吸収体を適用した使い捨ておむつ100であれば、おしりの丸みに緩やかに湾曲して適合しながら臀裂にも適度に入り込んで沿う、いわゆる鞍面形状ないし双曲放物線面状に変形して、殿裂にもほぼ隙間を与えずにフィットする。これにより、***ポイント近傍からおしりにまでかけてほぼ隙間なく当接する極めて良好な適合性が実現される。そして、着用者が寝返りをうったり歩行したりしたときにも肌面の動きに合わせて追従するため、隙間が開かず良好なフィット性が持続される。本実施形態の使い捨ておむつは形態の柔軟性に優れるため、例えば着用者の動きや装着状態による不規則な折り目が発生しにくく、着用初期から上記の良好な身体適合性が得られる。また、例えばおむつのパック包装時に2つ折り等にして、あるいはまた、ナプキンの個別包装時に3つ折等にして畳まれていてもそれによる折りジワが残りにくく、着用時の装着違和感が少ない。さらに、***液が不規則に流れる、あるいは折りジワ部に集中するといったことがなく、安定した吸収性能を発現することができる。なお、本発明において液吸収性の序列は表面から液の取り込み速度、又は液拡散性で評価することができる。
[液吸収量の評価法]
(1):小吸収を5g、基盤シート2の液連絡部wを5gきりとる
(2):ナイロン製の織布(メッシュ開き255、三力製作所販売、品名:ナイロン網、規格:250×メッシュ巾×30m)を幅10cm、長さ40cmの長方形に切断して長手方向中央で二つ折りにし、両端をヒートシールして幅10cm(内寸9cm)、長さ20cmのナイロン袋を2つ作成し、質量を測る。
(3):測定試料である(1)をそれぞれ、(2)で作成した質量既知のナイロン袋に入れる。
(4):試料の入ったナイロン袋を、25℃に調温した生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水)に浸漬させる。
(5):浸漬開始から30分後にナイロン袋を生理食塩水から取り出し、1時間垂直状態に吊るして水切りする。
(6):水切り後の質量をそれぞれ測定し、ナイロン袋の質量を引くことで膨潤後の小吸収部と液連絡部wの質量を計算する
(7)
:(6)の値が大きい方を液吸収量が高いとする
[液拡散性の評価法]
(1):基盤シートを吸収性物品からとりだし、液連絡部wとそれ以外の部位に切り分ける。
(2):液連絡部wを1cm×10cmの大きさにきりとる(wが少なく1枚のシートから1cm×10cmにならないようなら、複数のシートから切り出し、それらを接続することでその大きさにする)。液連絡部w以外も同様に切り取る。
(3):(2)の長方形の4つの角のうちの一つに液を5g注入し、液注入終了5分後に注入点からどこまで液が広がったか、注入点から最も遠方の液が広がったところから注入点までの距離を測定する。
(4):(3)の距離がWとそれ以外でWのほうが長ければWの方が拡散性が高いとする。
[液引き込み性の評価法]
(1):基盤シートを吸収性物品からとりだし、液連絡部wとそれ以外の部位に切り分ける。
(2):液連絡部wを1cm×10cmの大きさにきりとる(wが少なく1枚のシートから1cm×10cmにならないようなら、複数のシートから切り出し、それらを接続することでその大きさにする)。液連絡部w以外も同様に切り取る。
(3):(2)のWの上に、円筒状の注入部の付いたアクリル板をのせ、更にそのアクリル板上に錘をのせ、吸収体の中心部に対して、5g/mの荷重を加える。アクリル板に設けられた注入部は、内径7mmの円筒状をなし、アクリル板には、長手方向及び幅方向の中心軸に、該円筒状注入部の中心軸線が一致し、該円筒状注入部の内部とアクリル板の表面シート対向面との間を連通する内径7mmの貫通孔が形成されている。次いで、円筒状注入部の中心軸が吸収体の平面視における中心部と一致するようにアクリル板を配置し、3gの液を、円筒状注入部から注入し、吸収させる。液がwの表面に到達した時点から3gの全量が吸収されるまでの時間(秒)を計測する。
(4):(2)の液連絡部w以外の部位でも(3)の測定を行い、吸収時間がwのほうが早ければ液引き込み性が高いとする
基盤シート2の厚さ及び液体吸収性ポリマーの濃度分布は特に限定されないが、ベビーオムツにおける利用を考慮すると、基盤シート2の液連絡部以外の厚さは0.5〜1.5mmであること、液連絡部wの厚さは1.5〜3mmであることが好ましい。また、基盤シート2において、液連絡部をなす高濃度領域では吸収性ポリマーの存在量は50g/m〜150g/mであることが好ましく、液連絡部以外の非高濃度領域では0g/m〜50g/mであることが好ましい。また、小吸収部3より基盤シート2の方が単位面積当たりの吸収量が低いことが好ましい。
また、生理用ナプキンにおける利用を考慮すると、基盤シート2の液連絡部以外の厚さは0.5〜1mmであること、液連絡部wの厚さは1〜5mmであることが好ましい。また、基盤シート2において、液連絡部をなす高濃度領域では吸収性ポリマーの存在量は5g/m〜20g/mであることが好ましく、液連絡部以外の非高濃度領域では0g/m〜5g/mであることが好ましい。また、小吸収部3より基盤シート2の方が単位面積当たりの吸収量が低いことが好ましい。なお、基盤シートの厚さ及び濃度分布の測定方法は下記にとおりである。
[厚さの測定]
基盤シート2のみをとりだし、5cm×5cmの大きさのアクリル板に重りを載せ、2.5g/cm2の荷重が加わった状態下に行われる。装置は、キーエンス社LK080クラス2レーザー変位計を用いる。尚、測定は23±2℃、湿度50±5%で行い、測定点数は5点の平均とし、20%以上測定値が振れた場合はそのデータを削除し、別の測定値を追加した。
[吸水性ポリマーの濃度分布の測定]
1:基盤シートをポリマーの高濃度領域(液連絡部)とそれ以外の領域(非高濃度領域)をはさみで切断する。
2:前記切断後の基盤シートについて、高濃度領域(液連絡部)とそれ以外の領域(非高濃度領域)それぞれを、質量既知のメッシュ袋(質量をW、W´)に入れ、質量を測り、メッシュ袋入りの高濃度領域(液連絡部)とメッシュ袋入りのそれ以外の領域(非高濃度領域)の初期質量Wii、Wii´を測定する。
3:前記2をメッシュ袋ごと、過剰量の生理食塩水に1時間浸した後、30分間つるし、メッシュ袋入りの高濃度領域(液連絡部)とメッシュ袋入りのそれ以外の領域(非高濃度領域)それぞれの質量Wiii、Wiii´を測定する。
4:高濃度領域及び非高濃度領域の吸収量を(Wiii-Wii−2W)/(Wii−W)、(Wiii´-Wii´−2W´)/(Wii´−W´)をそれぞれ計算し、各領域の吸収量とする。
なお、測定はあらかじめ吸収体を20℃、65%RHの環境下に24時間以上保管した上でサンプリングに供した。また、測定は5点行い、測定値の上下2つを除いた、3点の平均値を代表値とした。
図4は本発明における別の実施形態(実施形態2)としての小吸収部と液連絡部wとの関係を縦3つ横3つ計9つの吸収部3と基盤シートをさらに模式的にモデル化して示した拡大平面図であり、液連絡部wの経路以外は図3にて示した形態と同じである。本実施形態において液連絡部wは長手方向の谷部mに沿った経路である。前記谷部mに沿った液連絡部wは小吸収部3に接する部分において小吸収部3の側縁部で重なるようにされ、基盤シート2の液連絡部の幅(h)は小吸収部3の配置幅(h)より幅方向に狭くされている。換言すると、液連絡部と小吸収部には重なる部分があり、各小吸収部は液連絡部によって跨設されている。さらに本実施形態においては液連絡部が偏在し、基盤シート2における液連絡部wの総面積(At)について、小吸収部3と重なる部分の総面積(Ar)が、その間で重ならない部分の総面積(As)より小さくされ、かつ、基盤シート2の液連絡部wと小吸収部3が重なる部分において、小吸収部3のうち中央小吸収部で重なる部分の面積(Ac)がその端縁側の側部小吸収部で重なる部分部の面積(Al)より小さい。本実施形態において、小吸収部eに多量の***がなされても、その吸収量を超えた液は本実施形態における液連絡部wにより、周囲の小吸収部a,b,c,d,f,g,h及びiに連絡される。また、本実施形態において液連絡部wは、長手方向に延びた経路であり、実施形態1に比べより長手方向に液を導きやすくされている。以上のことから、本実施形態の吸収体は、液連結部の高い通液性の効果で、長手方向に優先的に液拡散が行われ、液を素早く長手方向の小吸収部a,c,g、iに運ぶことができ、互いの小吸収部に液が効率的に伝達される。また、液連結部が液を吸収することによって膨潤し、幅方向に流れる液の障壁の役割を担う。これらの効果によって、***部から製品の幅方向への液の拡散性を抑え横モレを防止することができる。したがって、本実施形態の吸収体は、股間部の幅が狭く、股間部以外は幅方向に広い吸収性物品、具体的にはオムツ等に使用されることが好ましい。なお、小吸収部の中央とは、小吸収部の幅方向及び長手方向を3分割した中央部分と定ギする。
図5は本発明における別の実施形態(実施形態3)としての小吸収部と液連絡部wとの関係を縦3つ横3つ計9つの吸収部3と基盤シートをさらに模式的にモデル化して示した拡大平面図である。本実施形態においては小吸収部3が横方向に広い形状であり、かつ、液連絡部wの経路が図3にて示した形態と異なるが、その他の構成は図3にて示した形態と同じである。本実施形態において液連絡部wは長手方向の谷部m及び幅方向の谷部mに沿った経路である。前記谷部m、mに沿った液連絡部wは小吸収部3に接する部分において小吸収部3の側縁部で重なっている。本実施形態において、小吸収部eに多量の***がなされても、その吸収量を超えた液は本実施形態における液連絡部wにより、周囲の小吸収部a,b,c,d,f,g,h及びiに連絡される。また、本実施形態において液連絡部wは、長手方向及び幅方向に延びた経路であり、実施形態1に比べ周辺の小吸収部全部に早く液を導きやすくされている。以上のことから本実施形態の吸収体は、液を長手方向及び幅方向に導くことができ、吸収体の縦横すべてに液を伝えることができるため、吸収体の利用効率が高い。したがって、主に一度にドット出た経血等を瞬時に吸収することができ、生理用ナプキンとして使用すると、***多い日における夜用や、オムツとして使用すると長時間用等に使用されることが好ましい。
図6は本発明における別の実施形態(実施形態4)としての小吸収部と液連絡部wとの関係を縦3つ横3つ計9つの吸収部3と基盤シートをさらに模式的にモデル化して示した平面図である。本実施形態においては小吸収部a,b,c,g,h及びiは横方向に広い形状であり、小吸収部d,e及びfは横方向に狭い形状である。また、液連絡部wの経路は図3にて示した形態と異なるが、その他の構成は図3にて示した形態と同じである。本実施形態において液連絡部wは、小吸収部aと小吸収部iとを直線でつないだ第1液連絡部wと小吸収部cと小吸収部gとを直線でつないだ第2液連絡部wとが小吸収部eで交差した経路である。また、第1液連絡部w及び第2液連絡部wの幅方向における幅は小吸収部3の配置幅より狭くされている。このようにすると、例えば、小吸収部eに多量の***がなされても、その吸収量を超えた液は本実施形態における液連絡部w、wにより、小吸収部a,c,g及びiに連絡され、小吸収部b,d,f及びhには連絡しにくいとされる。以上のことから、本実施形態における吸収体は、例えば小吸収部d、fの部分に左右の足を配するような物品に適用した場合、股間部の幅を狭くすることができ、股間幅の狭い洋服等を着用することができ、ファッションの制約が少なく、かつ、足の動きを制約しにくい。したがって、股間部以外に液を多量に導きつつ動作を阻害することがなく、生理用ナプキンとして使用すると、***の多い日における昼用や、オムツとして使用すると、動きが活発である高月齢時のパンツタイプ等に使用されることが好ましい。
また、吸収体全体に素早く液を拡散させることができるので、吸収性物品表面からの液の取り込み性が早くなり、表面シートに液が残りにくくなる。そのため、例えば、軽失禁用ライナーや夜尿症用のおむつなど、***速度が速く、すばやくドライ感が求められる商品にも好適である。なお、本吸収体を用いる場合は、製品幅方向へのもれが懸念されるため、いわゆるおむつの立体ギャザーの形状や本数を工夫することによって、あるいはまた、例えば製品幅方向端部側に存在する小吸収部(a,d,gあるいはc、f,i)の側縁部に弾性部材を配し、各小吸収部を裏面シートから肌面側に立ち上がるような工夫を施すなどして、横漏れに対する対応を組み合わせることが望ましい。
小吸収部3に含まれる高吸収性ポリマーとしては、自重の5倍以上の体液を吸収・保持でき、かつゲル化し得るものが好ましい。形状は特に問わず、球状、塊状、ブドウ状、粉末状又は繊維状であり得る。好ましくは大きさが1〜1000μm、より好ましくは10〜500μmの粒子状のものである。そのような高吸収性ポリマーの例としては、デンプンや架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体を挙げることができる。ポリアクリル酸塩としては、ナトリウム塩を好ましく用いることができる。また、アクリル酸にマレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はスチレンスルホン酸等のコモノマーを高吸収性ポリマーの性能を低下させない範囲で共重合させた共重合体も好ましく使用し得る。
小吸収部3の構成材料としては、特に制限はないが繊維材料、多孔質体、それらの組み合わせなどを用いることができる。繊維材料としては例えば、木材パルプ、コットン、麻などの天然繊維、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の合成樹脂からなる単繊維、これらの樹脂を2種以上含む複合繊維、アセテートやレーヨンなどの半合成繊維を用いることができる。合成樹脂からなる繊維を用いる場合、該繊維は熱によって形状が変化する熱収縮繊維であってもよい。例えば、熱によって繊度は大きくなるが繊維長は短くなるものや、熱によっては繊度はほとんど変化しないが、形状がコイル状に変化することで見かけの繊維の占有する長さが短くなるものであってもよい。多孔質体としては、スポンジ、不織布、高吸水性ポリマーの凝集物(高吸水性ポリマーと繊維とが凝集したもの)などを用いることができる。
小吸収部3に高吸収性ポリマーが含まれている場合、小吸収部3の重量に占める高吸収性ポリマーの割合は、5〜95重量%が好ましい。吸収体10を、生理用ナプキンや、軽失禁などの低***量の液の吸収に用いられる物品の吸収体として用いる場合には、小吸収部3の重量に占める高吸収性ポリマーの割合は10〜30重量%が好ましい。吸収体10を、使い捨ておむつなどの高***量の液の吸収に用いられる物品の吸収体として用いる場合には、小吸収部3の重量に占める高吸収性ポリマーの割合は50〜80重量%であることが好ましい。
小吸収部3が高吸収性ポリマーを含むか含まないかを問わず、吸収体10は、0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液の保持量が、0.1g/g以上、特に1g/g以上であることが、基盤シート2が伸縮しても、安定した吸収性能が発現する点から好ましい。このような保持量を実現するためには、小吸収部3の構成材料として、親水性が高く毛管力の高い繊維(例えばパルプやレーヨン等)と、湿潤時でもへたらない(可塑化しない又は湿潤強度が低下しない)合成繊維と、高吸収性ポリマーとの組み合わせを用いることが有利である。また、小吸収部3の製造方法は特に限定されないが、パルプ及び吸水性ポリマーの混合体を小吸収部と同じ形状の穴が開いた型から基盤シート2に向けて噴霧させることで穴と同じ形状の小吸収部を基盤シート上に作製することができる。かかる小吸収部の形成加工及び基盤シートへの設置方法については、国際公開第091081744号パンフレットを参照することができる。
小吸収部3が固定される基盤シート2としては***された液の引き込み及び拡散機能を有するものが用いられる。そのような機能を有するシートとしては、例えば親水性を有する繊維を含むか、若しくは親水性油剤等で処理した繊維を含む不織布やフィルム、又は多孔質体等が挙げられる。これらのシートは単層の状態でもよく、あるいは複数層が積層されて1枚のシートとなっている多層構造のものでもよい。なかでも、伸縮性を有するシートが好ましく、その材料としては特に制限なく用いることができる。そのようなシートとしては、例えば弾性樹脂を含む繊維を構成繊維として含む不織布(弾性不織布)や、弾性樹脂を含むフィルム(弾性フィルム)や、発泡などの手段によって構造中に3次元ネットワークを形成させた弾性樹脂からなる弾性多孔質体などを挙げることができる。弾性不織布や弾性フィルムや弾性多孔質体としては、当該技術分野において公知のものを用いることができる。基盤シート2の坪量は5〜50g/m、特に10〜30g/mであることが好ましい。なお、基盤シートの形状は、液連絡部のみで構成されていてもよい。
基盤シートの製造方法は特に限定されないが小吸収部3と同様に、パルプ及び吸水性ポリマーの混合体を、吸水性ポリマー濃度の高い部位の形状と同じ形の穴が開いた型から、非肌当接面側のシートに向けて噴霧することで作製することができる。
基盤シート2として伸縮性のものを用いるとき、その程度は、以下の方法で測定される伸縮率が60%以上、特に80%以上であることが、着用者の体型への適合性及び動作追従性が特に良好になる点から好ましい。伸縮率は、以下の方法で測定される。引張圧縮試験機RTC−1210A(株式会社東洋オリエンテック)を用いて、引張モードで測定する。先ず、基盤シート2を幅25mm×長さ150mmで裁断し測定片を採取する。測定片を引張圧縮試験機に装着されたエアーチャック間に初期試料長(チャック間距離)100mmセットし、引張圧縮試験機のロードセル(定格出力5kg)に取り付けられたチャックを300mm/分の速度で上昇させて、測定片を伸長させる。測定片が初期試料長の50%、つまり50mm伸びた時点で、チャックの移動方向を逆転させ、チャックを300mm/分の速度で下降させ、初期試料長の位置まで戻す。この間の操作で、ロードセルで検出される荷重と、測定片の伸びとの関係をチャートに記録し、このチャートに基づき下記式(1)から伸縮率を求める。
伸縮率=回復伸び/最大伸び長さ(=50mm)・・・式(1)
ここで、回復伸びは、最大伸び長さ(=50mm)からチャックを下降させて、初めて荷重ゼロを記録したときの、最大伸び長さからのチャック移動距離で定義される。なお、測定片が前述の大きさに満たない場合、下記方法で測定する。
<試験片> シートのチャック間方向の長さをLmm、把持部分の長さをSmm、幅をCmmとすると、長さの比;L:C=3:5になるように、試験片(L+2S)mm×Cmmの大きさに裁断し測定片を採取する。
<試験> 引張圧縮試験機に、チャック間距離Lで試験片をセットし、100×(L/30)mm/分、測定片が初期試料長の50%伸張するまで上昇。その後チャックの移動方向を逆転させ、チャックを100×(L/30)mm/分の速度で下降させ、初期試料長の位置まで戻す。下記式(2)で計算する。
伸縮率=回復伸び/最大伸び長さ(=L/2mm) (2)
具体的には、例えば図1に示した使い捨ておむつ100を長手方向に伸長したときに小吸収部3,3,3・・・は長手方向に離間し、つまり間隔rが開いていく。一方、使い捨ておむつ100の幅方向は収縮するように接近していき間隔sが狭くなっていく。このようにして小吸収部3,3,3・・・は吸収体10が全体において変形しながらも互いの液体等の伝達に係る連携を維持し、良好な液体等の吸収保持性を示す。なお、本発明において液体連通化とは吸収体に伸長力を加えたときに小吸収部どうしが接近もしくは接触し小吸収部間を液体等が伝達しうる状態になることをいう。このような伸長力の加わった状態における小吸収部どうしの距離(隙間s、r)は特に限定されないが、着用時に生じる一般的な伸長力(例えば100cN/25mm)により0〜30mmに接近することが好ましく、0〜10mmに接近することがより好ましい。さらに、0〜5mmに接近していることがさらに好ましい。
以下、第1実施形態の使い捨ておむつ100について図1を参照して更に詳しく説明する。なお、図1においては使い捨ておむつ100の長手方向中央部分の表面シート1を切欠している。
おむつ100は、全体として股下部に相当する長手方向中央部が括れた砂時計状の形状となっている。表面シート1及び裏面シート7はそれぞれ、吸収体10の左右両側縁及び前後両端部から外方に延出している。表面シート1は、その幅方向Sの寸法が、裏面シート7の幅方向の寸法より小さくなっている。おむつ100は、展開型のおむつであり、長手方向Lの一方の端部においては、その両側縁部に一対のファスニングテープFTが取り付けられている。また、他方の端部においては、裏面シート7上にランディングテープLTが取り付けられている。
おむつ100は、吸収体10の幅方向側縁部の上方に立ち上がることができる立体ギャザーを備えている。即ち、おむつ1における長手方向Lの両側それぞれには、弾性部材6を有する立体ギャザー形成用のシート材(サイドシート)60が配されて、立体ギャザーが形成されている。 また、おむつ100における長手方向Lの両側には、レッグギャザー形成用の左右一対の一本又は複数本(第1実施形態においては2本)のレッグ弾性部材8,8が配されて、レッグギャザーが形成されている。レッグギャザー形成用のレッグ弾性部材8は、吸収体10の長手方向両側縁それぞれの外方に延出するレッグフラップにおいて、伸長状態で略直線状に配設されている。
立体ギャザー形成用のシート材60は、その一側縁に、前記ギャザー弾性部材6が一本又は複数本(第1実施形態では3本)、伸長状態で固定されている。シート材60は、吸収体10の左右両側縁よりも幅方向Sの外方の位置において、おむつ100の長手方向Lに沿って表面シート1に接合されており、その接合部61が、立体ギャザーの立ち上がり基端部61となっている。シート材60は、立ち上がり基端部61からおむつ1〇〇の幅方向Sの外方に延出し、その延出部において裏面シート7と接合されている。シート材60は、おむつ長手方向Lの前後端部において、表面シート1上に接合されている。
立体ギャザー形成用のシート材60としては、液不透過性又は撥水性で且つ透湿性のものが好ましく用いられる。シート材60としては、例えば、液不透過性又は撥水性の多孔性樹脂フィルム、液不透過性又は撥水性の不織布、あるいは該多孔性樹脂フィルムと該不織布との積層体等が挙げられる。該不織布としては、例えば、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、SMMS不織布等が挙げられる。シート材60の坪量は、好ましくは5〜30g/m2、更に好ましくは10〜20g/m2である。
表面シート1としては、この種のおむつにおいて従来用いられている各種のものを用いることができ、尿などの液体を透過させることができるものであれば制限はなく、例えば、合成繊維又は天然繊維からなる織布や不織布、多孔性シート等が挙げられる。表面シート1の一例として、芯成分にポリプロピレンやポリエステル、鞘成分にポリエチレンを用いた、芯鞘構造型(サイドバイサイド型含む)複合繊維をカーディングによりウエブ化した後、エアスルー法によって不織布(この後所定箇所に開孔処理を施しても良い)としたものが挙げられる。また、透液性の高さの点(ドライ感)から、低密度ポリエチレン等のポリオレフィンからなる開孔シートも好ましく用いることができる。
裏面シート7としては、この種のおむつにおいて従来用いられている各種のものを用いることができ、液不透過性又は撥水性で且つ透湿性のものが好ましく用いられる。裏面シート4としては、例えば、上述した立体ギャザー形成用のシート材60として使用可能なものを用いることができる。また、裏面シート7の幅を吸収体の幅と同程度にして該吸収体の非肌当接面側に配置し、更に、該裏面シート7の非肌当接面側に、不織布や不織布とフィルムとの積層体等を、おむつの外形を構成するシートとして設けてもよい。
尚、非肌当接面は、おむつ装着時に着衣側(装着者の肌側とは反対側)に向けられる面である。また、以下、肌当接面という語句を使用することがあるが、肌当接面は、おむつ装着時に装着者の肌側に向けられる面である。
第1実施形態のおむつ100は、通常の展開型のおむつと同様に使用できる。このおむつ100は、分断された小吸収部3の作用により、高吸収量と高吸収速度とを両立し、基盤シートに伸縮性のシートを用いることにより、複雑に起伏する肌面に合わせて変形し、隙間なく面で当接する人体適合性と、着用者の身体の動きに合わせて変形し、その肌面と面で当接した状態を維持する動作追随性とを持ち合わせている。
表面シート1は、液透過性であり肌への当りのソフトな材料からなることが好ましい。例えばコットン等の天然繊維を材料とする不織布や、各種合成繊維に親水化処理を施したものを材料とする不織布を用いることができる。裏面シートは液不透過性のシート材からなることが好ましい。裏面シート7は必要に応じて水蒸気の透過性のものであってもよい。具体的に十分な水蒸気透過性を得るために、炭酸カルシウム等のフィラーからなる微粉を分散させたポリエチレン等の合成樹脂製のフィルムを延伸し、微細な孔をあけた多孔質フィルムを用いることが好ましい。サイドシート8としては、不織布、フィルムシート、紙等が挙げられる。防漏性の観点からは、サイドシート8を液不透過性又は難透過性である疎水性不織布、防漏性のフィルムシート等により形成することが好ましい。上記シートは一枚でもよいし、さらに機能性のシート等と組み合わせて2枚以上のものとしてもよい。
本発明の吸収性物品は、上記の実施形態に制限されるものではなく、この種の吸収性物品、例えば使い捨ておむつ、失禁パッド、失禁ライナ等に本発明を適応することができる。また、経血に限らずその他、尿、オリモノ、軟便等に対しても効果的である。また、表面シート1、小吸収部3、裏面シート7及びサイドシート8の他にも用途や機能に合わせ適宜部材を組み込んでもよい。なお、上記実施形態の生理用ナプキンの表面シート1、小吸収部3及び裏面シート7の材料、製法における条件や、製品の寸法諸言は特に限定されず、通常の生理用ナプキン等において用いられている各種材料を用いることができる。
1 表面シート
2 基盤シート
3 小吸収部
6 ギャザー弾性部材
7 裏面シート
8 レッグ弾性部材
FT ファスニングテープ
LT ランディングテープ
10 吸収体
100 生理用ナプキン

Claims (5)

  1. 肌当接面側の表面シートと、非肌当接面側の裏面シートと、両シートの間に介在された吸収体とを有し、前記吸収体は、平面視において分断された複数の小吸収部により構成された吸収性物品であって、
    前記複数の小吸収部はその非肌当接面側に位置する基盤シート上に配設されており、前記基盤シートは該複数の小吸収部間をつなぐ液連絡部を有し、該液連絡部は、前記基盤シートおいてそれ以外の部分より液吸収性が高く、液体吸収性ポリマーを含有する吸収性物品。
  2. 前記液連絡部は吸収性物品の長手方向に延びており、幅方向にみて離間した小吸収部間を跨ぐように配置された請求項に記載の吸収性物品。
  3. 前記基盤シートの液連絡部の単位面積当たりの吸収容量は前記小吸収部の単位面積当たりの吸収容量より低い請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記基盤シートにおける液連絡部の総面積(At)について、前記小吸収部と重なる部分の総面積(Ar)が、その間で重ならない部分の総面積(As)より小さい請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収体が、製品幅方向中央よりに位置する中央小吸収部と幅方向外用に位置する側部小吸収部を有し、前記基盤シートの液連絡部と前記中央小吸収部とが重なっている部分の面積(Ac)が、前記基盤シートの液連絡部と前記側部吸収部で重なっている部分部の面積(Al)より小さい請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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