JP5508707B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品に関する。
吸収性物品の吸収体として、表面シートに対向する面側が凹凸形状となっているものが知られている。例えば特許文献1には、液体不透過性シートと高吸収体シートとを重ね合わせた複合体からなり、液体不透過性シート及び高吸収体シートは、互いに平行な細長い複数の結合部において相互に結合され、互いに隣接する結合部間において、液体不透過性シートと高吸収体シートとの間にチャンネルが形成されているシート状複合吸収体が記載されている。
また、特許文献2には、不織布層と繊維ウエブ層との積層体からなる吸収性物品の吸収体が記載されている。この積層体は、密度が高く、厚みの薄い第1ネットワーク領域と、第1ネットワーク領域に対して密度が低く、厚みの厚い第2ネットワーク領域とからなる。繊維ウエブ層側の表面は嵩高で凹凸のある面になっている。第1ネットワーク領域は、帯状であって、相互に交差するように配置されており、第2ネットワーク領域は、第1ネットワーク領域で囲まれた分断層として配置されている。
これらの吸収体を備えた吸収性物品に、例えば軟便等の高粘性液が***された場合、該高粘性液は、該吸収体における凸部間の凹部に保持される。該高粘性液は、そのままの粘性状態で凹部に保持されるので、着用者の動作によって吸収体内を流動し、吸収体内での保持性が良好ではない。また、物品に体圧等が加わった場合、該高粘性液が表面シート側へ逆戻りしやすい。
特開平7−155596号公報 特開2003−103677号公報
本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、着用者の肌に近い側に位置する表面シートと、着用者の肌から遠い側に位置する裏面シートと、両シート間に配置された吸収体とを有する吸収性物品であって、
前記吸収体が、個々に独立した多数の吸収部が、前記物品の平面方向にわたって配置されたものからなり、
前記裏面シートと前記吸収体との間に中間シートを配し、
前記吸収部を前記中間シートの上面側に固定した吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品によれば、吸収部の群の下に該吸収部と固定して配されている中間シートの働きによって、吸収部間に保持された軟便等の高粘性液中の液体成分が、物品の平面方向に拡散されるとともに該吸収部に吸収されるので、軟便がドライ化されやすい。その結果、ウエットバックが起こりづらくなるとともに、吸収体内部での軟便の保持性が向上する。また、吸収体が、個々に独立に配された多数の吸収部からなる吸収部の群から構成されているので、吸収部間に存在する空間の存在に起因して、物品のドレープ性が高くなり、物品の装着中にしわやよれが発生しづらくなる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収性物品の第1の実施形態における長手方向中央域での幅方向に沿った断面構造が模式的に示されている。なお図示していないが、幅方向中央域における長手方向に沿った断面構造も図1とほぼ同様になっている。この吸収性物品100(以降、物品ともいう。)は、着用者の肌に近い側に位置し、かつ着用者の肌に対向する表面シート101と、着用者の肌から遠い側に位置し、かつ下着に対向する裏面シート102とを有している。両シート101,102の間には、吸収体10が配置されている。必要に応じ、表面シート101上の左右両側部に一対の立体ガード(図示せず)が配置されることもある。
表面シート101及び裏面シート102としては、当該技術分野において通常用いられているものと同様のものを用いることができる。例えば表面シート101としては、例えば液透過性を有する親水性の不織布や穿孔フィルムなどを用いることができる。裏面シート102としては、例えば液不透過性のフィルムや、液難透過性の不織布などを用いることができる。液不透過性のフィルムは透湿性を有していてもよい。
吸収体10は、個々に独立した多数の吸収部30が、物品100の平面方向にわたって配置された吸収部群からなる。吸収体10と裏面シート102との間には、物品100に***された液の引き込み及び液の拡散機能を有する中間シート20が配されている。なお、平面方向にわたってとは、吸収部が吸収性物品の全面に存在していることは必要とせず、必要に応じて、部分的に吸収部が存在している領域や存在していない領域があることも含むものである。
図2には、物品100における吸収部30及び中間シート20を、該吸収部側からみた斜視図が示されている。また図3は、図2におけるIII−III線断面図である。吸収部30は、液の吸収保持が可能な部位である。液の吸収保持が可能である限り、吸収部30を構成する材料の種類に特に制限はない。吸収部30は、例えば図3に示すように、繊維材料31と高吸収性ポリマー32との混合体から構成されている。この場合、高吸収性ポリマー32は、繊維材料31間に保持されている。
吸収部30は、平面視において円形ないし、四隅が丸みを帯び、かつ四辺が外方に若干凸状の緩やかな曲線となっている矩形の形状をしている。しかしながら、吸収部30の平面視の形状はこれに限られない。例えば、吸収部30は平面視して正方形や長方形、菱形の形状であり得る。また、これらの形状を2種以上組み合わせたものであってもよい。
吸収部30は、中間シート20の平面方向にわたり規則的な散点パターンで配置されている。具体的には、吸収部30は、相互に交差するそれぞれ多列の第1の列30A及び第2の列30Bをなすように配置されている。隣り合う吸収部30間においては、中間シート20の表面(上面)が露出している。その結果、隣り合う吸収部30間には、中間シート20の露出部を含む空間40が形成されている。この空間40は、表面シート101からの液の透過、吸収体中の液の流通が可能な容積、幅及び/又は高さを有するものである。
吸収部30は、固定点33を介して中間シート20に固定されている。図3において固定点33は、太線で便宜的に示されている。固定点33は、例えば超音波エンボスやホットメルト接着剤等の接着剤によって形成されている。この場合、すべての吸収部30が中間シート20に固定されている必要はない。例えば、着用者の動作によって吸収体10が大きく変形する部分では、固定点33による固定を行うことが好ましい。また、吸収部30の上面は、表面シート101の下面と固定されていてもよく、あるいは固定されていなくてもよい。いずれの場合であっても、吸収部30の上面は、表面シート101の下面と接触している。
図4は、吸収体10を平面視したときの吸収部30と固定部33との位置関係を示すものである。同図及び図3から明らかなように、平面視において、吸収部30の輪郭線内に、固定点33の輪郭線が包含されるようになっており、そして吸収部30が固定点33上に位置している。その結果、吸収部30は、固定点33よりも平面方向の外方へ張り出した張り出し部34を有する形状となっている。張り出し部34は、中間シート20から離間しているか、又は張り出し部34の下面が中間シート20の上面と接している。いずれの場合でもあっても、張り出し部34においては、吸収部30は中間シート20に固定されていない。吸収部30がこのような張り出し部34を有していることによって、吸収体10は、中間シート20のドレープ性を減少させる原因である固定点33の総面積の増加をできるだけ小さくし、高いドレープ性を保ちつつ、吸収部30の総面積を広げて吸収性能を高くでき、ウエットバック防止性を高めることができるという利点を有するものとなる。
なお図4においては、平面視における固定部33の形状は円形である。しかしながら、固定部33の平面視の形状はこれに限られない。例えば、固定部33は平面視して正方形や長方形、菱形の形状であり得る。また、これらの形状を2種以上組み合わせたものであってもよい。更に、平面視における固定部33と吸収部30の形状の組み合わせも、図4に示す組み合わせに限られず、特に制限はない。
各吸収部30は、平面視における面積が10〜900mm2、特に50〜450mm2であることが、吸収性とドレープ性を両立させる点から好ましい。また、各吸収部30が存する位置における吸収部30及び中間シート20の厚みの和は、1〜10mm、特に1.2〜5mmであることが、吸収部30間に保持される高粘性液体の保持性を高める観点、また良好な装着感の観点、及び吸収体の剛性を低くして物品100を身体にフィットさせるという観点から好ましい。吸収部30の面積や厚みTは、後述する吸収体10の製造条件をコントロールすることで制御できる。
また、吸収部30と中間シート20とを固定するための固定点33の個々の面積は、平面視における吸収部30の面積よりも小さいことを条件として、1〜100mm2、特に5〜50mm2であることが、動作などに起因する変形によって、吸収部30が中間シート20から剥離することがないような強度を付与する観点から好ましい。また、平面視における固定点33の面積の総和が、中間シート20の面積に対して5〜95%、特に20〜70%であることが、吸収部間に保持される高粘性液体の保持性を高め、また中間シート20のドレープ性を保つという観点から好ましい。
隣り合う吸収部30間の距離D(図3参照)は、空間40の容積に影響し、ひいては空間40における液の流通性に影響する。この観点から、距離Dは0.2〜5mm、特に0.5〜3mmであることが好ましい。距離Dは、後述する吸収体10の製造条件をコントロールすることで制御できる。なお1つの吸収部30に着目したとき、その周囲に複数の他の吸収部30が位置し、当該1つの吸収部30と、当該他の吸収部30との距離Dが、当該他の吸収部30によって相違する場合には、距離Dが最も小さくなる場合の当該距離Dを隣り合う吸収部30間の距離とする。
吸収部30の構成材料としては、特に制限はないが、繊維材料、多孔質体、それらの組み合わせなどを用いることができる。繊維材料としては例えば、木材パルプ、コットン、麻などの天然繊維、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の合成樹脂からなる単繊維、これらの樹脂を2種以上含む複合繊維、アセテートやレーヨンなどの半合成繊維を用いることができる。合成樹脂からなる繊維を用いる場合、該繊維は熱によって形状変化する熱収縮繊維であって良い。例えば、熱によって繊度が太くなるが繊維長が短くなるものであったり、熱によって繊度はほとんど変化しないが、形状がコイル状に変形することで見かけの繊維の占有する長さが短くなるものであってもよい。多孔質体としては、スポンジ、不織布、高吸水性ポリマーの凝集物などを用いることができる。
吸収部30に含まれる高吸収性ポリマー32としては、自重の5倍以上の体液を吸収・保持でき、かつゲル化し得るものが好ましい。形状は特に問わず、球状、塊状、ブドウ状、粉末状又は繊維状であり得る。好ましくは大きさが1〜1000μm、より好ましくは10〜500μmの粒子状のものである。そのような高吸収性ポリマーの例としては、デンプンや架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体を挙げることができる。ポリアクリル酸塩としては、ナトリウム塩を好ましく用いることができる。また、アクリル酸にマレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はスチレンスルホン酸等のコモノマーを高吸収性ポリマーの性能を低下させない範囲で共重合させた共重合体も好ましく使用し得る。
吸収部30に高吸収性ポリマー32が含まれていることは本発明において必須ではないが、吸収部30に高吸収性ポリマー32が含まれている場合、吸収部30の重量に占める高吸収性ポリマー32の割合は、5〜95重量%が好ましい。特に、生理用ナプキンや軽失禁などの低***量の液を吸収する物品の場合では10〜30重量%が好ましく、おむつなどの高***量の液を吸収する物品の場合では50〜80重量%であることが好ましい。
吸収部30が高吸収性ポリマーを含むか含まないかを問わず、吸収体10は、中間シート20に固定された状態での、0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液の保持量が、0.1g/g以上、特に1g/g以上であることが、安定した吸収性能を発現する点から好ましい。このような保持量を実現するためには、吸収部30の構成材料として、親水性が高く毛管力の高い繊維(例えばパルプやレーヨン等)と、湿潤時でもへたらない(可塑化しない又は湿潤強度が低下しない)合成繊維と、高吸収性ポリマーとの組み合わせを用いることが有利である。
前記の保持量の測定方法は次のとおりである。測定は、25±2℃、相対湿度50%RH±5%の環境で行う。先ず、吸収部30が固定された状態の中間シート20を、長さ50mm、幅50mmの大きさに切り取り、これを評価サンプルとする。この評価サンプルの重量(M0)を測定する。次に、500mLのビーカに、400mLの0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液を入れ、評価サンプルを1時間浸漬する。1時間経過後、ビーカから評価サンプルを取り出し、45度に傾斜させたアクリル製の板の上に10分間放置して水切りを行う。そして水切り後の重量(M1)を測定する。次式から、保持量を算出し、n=5の平均値を吸収部30が固定された状態の中間シート20の塩化ナトリウム水溶液の保持量とする。
保持量(g/g)=(M1−M0)/(M0
吸収部30が固定される中間シート20としては、***された液の引き込み及び液の拡散機能を有するものが用いられる。そのような機能を有するシートとしては、例えば親水性を有する繊維を含むか若しくは親水油剤等で処理した繊維を含む不織布や、フィルム、又はスポンジ等の多孔質体等が挙げられる。これらのシートは、単層の状態で用いてもよく、あるいは複数層が積層されて1枚のシートとなっている多層構造のものでもよいが、毛管力による中間シートへの液体部分を取り込む機能を発現する観点から、不織布や多孔質体を用いることが好ましい。
中間シート20が単層構造であると多層構造であるとを問わず、中間シート20の坪量は5〜50g/m2、特に10〜30g/m2であることが好ましい。また、中間シート20としては、***された液の拡散機能を発揮するために、生理食塩水の吸収速度(D/W法)が、0.05ml/(g・s)以上が好ましく、0.05〜0.5ml/(g・s)が更に好ましく、0.05〜0.2ml/(g・s)が一層好ましい。
本実施形態の物品100では、***された液の吸収性及び引き込み性の観点から、生理食塩水の吸収速度(D/W法)が、表面シート101よりも、中間シート20及び吸収体10の方が高いことが好ましい。更に、表面シート101<中間シート20<吸収体10の関係にあることが好ましい。このような関係があることで、軟便等の高粘性液体を吸収する場合には、表面シート101を通り抜け易く、ストライクスルーが良好となり、吸収部30間又は吸収部30に液が移行し易くなる。更に、生理食塩水の吸収速度(D/W法)が表面シート101<中間シート20<吸収体10の関係にあれば、吸収部30間から中間シート20に引き込まれた液が吸収部30に移行し易くなる。低粘性液体を吸収する場合には、ストライクスルーを良好にするために、中間シート20及び表面シート101の吸水速度は高粘性液体を吸収する場合よりも低い方が好ましい。中間シート20及び吸収体10の吸収速度の序列を上述のとおりとするためには、例えば表面シート101としてエアスルー不織布を用い、中間シート20としてカレンダー処理したエアスルー不織布を用い、吸収体10として高吸収性ポリマーを含むパルプを使用すればよい。
それぞれの部材の吸収速度に関し、吸収体10の吸収速度は0.1〜5ml/(g・s)、特に0.5〜2ml/(g・s)であることが好ましい。中間シート20の好ましい吸収速度は、前述のとおりであるが、経血などの高粘性液体を吸収する場合には、好ましくは0.05〜0.5ml/(g・s)、更に好ましくは0.05〜0.2ml/(g・s)であり、尿などの低粘性液体を吸収する場合には、好ましくは0.05〜0.3ml/(g・s)、更に好ましくは0.05〜0.1ml/(g・s)である。表面シート101の吸収速度は、0.2ml/(g・s)以下、特に0.01〜0.2ml/(g・s)であることが好ましく、高粘性液体を吸収する場合には、好ましくは0.01〜0.2ml/(g・s)、更に好ましくは0.01〜0.1ml/(g・s)であり、低粘性液体を吸収する場合には、好ましくは0.1ml/(g・s)以下、更に好ましくは0.05ml/(g・s)以下である。なお、本明細書で各部材の吸収速度という場合には、特別に断りがない場合には以下の測定方法で決定される生理食塩水の吸収速度のことを言う。
生理食塩水の吸収速度(D/W法)の測定方法は次のとおりである。測定には図5(a)に示す装置を用いる。この装置は、横コック付きビュレットを備えている。ビュレットの内径は10.4mm、容積は50mLであり、目盛りが付されている。ビュレットの上端開口部にはゴム栓(シリコン栓でも可)が取り付けられて、該開口部を封止できるようになっている。ビュレットの下端には、内径6mmのビニール管の一端が接続されている。ビニール管の他端は、試料載置台の底面に接続されている。試料載置台は浅底のシャーレ状の形状のものである。試料載置台の底面は開口しており、その開口にビニール管の他端が接続されている。試料載置台の内径は53mmであり、深さは6mmである。試料載置台内にはガラスフィルター(JIS G1、直径52mmφ、厚さ4.3mm)が設置されている。ガラスフィルター上には濾紙(No.2、直径70mm)が載置される。
図5(a)に示す装置を用いた吸収速度の測定手順は次のとおりである。
(1)コックBを閉じ、コックAを開く。ビニール管内に空気が残らないように注意しながら、生理食塩水をビュレット内に注入する。注入は、試料載置台上の濾紙が十分に濡れるまで行う。
(2)コックAを閉じ、生理食塩水をビュレットの10mlの標線まで注入する。ビュレットの上端開口部をゴム栓で閉じ、更にコックAを開く。
(3)コックBを開き、コックBの管内に液が溜まらないように注意しながら、試料載置台上の濾紙の上面の位置と、コックBの中心線の位置とを合わせる。
(4)濾紙の余分な水分をふき取る。また、ビュレットの液面を20mlの標線に合わせる。
(5)試料を濾紙上に乗せる。このとき、試料載置台に置く試料は、吸収性物品中で肌側となる面が、濾紙と対向するようにする。
(6)コックBから気泡が出た時点でストップウォッチを作動させ、ビュレット内の生理食塩水の液面の経時変化を5分間測定する。液面の経時変化が、試料に吸収された生理食塩水の量に相当する。発生する気泡が少ないか、又は発生する気泡が小さいために測定しづらい場合には、試料のサイズを任意に変更してもよい。時間と吸収量の関係をグラフとすると、図5(b)のように、一次変曲点を持つ関係となる。このグラフにおいて、一次変曲点までの傾き(初期吸収速度の傾き)を試料重量で割った値を、吸収速度と定義する。
なお、吸収体10の吸収速度を測定する場合は、固定点33上の中間シート20又は後述する基盤シート21を含んだ状態で測定する。この場合、濾紙面には中間シート20及び基盤シート21は接しないし、また固定点33のサイズは比較的小さいから、中間シート20又は基盤シート21に固定された状態で吸収体10の吸収速度を測定しても測定誤差は生じない。中間シート20又は基盤シート21の吸収速度を測定する場合は、固定点33ごと吸収体10を取り除く。
図6には、本実施形態の吸収性物品100における高粘性液の吸収保持の状態が模式的に示されている。***された軟便等の高粘性液L1は、先ず液透過性の良い表面シート101と接触する。次いで高粘性液L1は、該表面シート101を透過するか又は吸収部30を通じて、吸収部30及び吸収部30間に形成された空間40内に保持される。空間内に保持された高粘性液L1中の液体成分L2は、該中間シート20の有する液の引き込み機能によって、該中間シート20内に引き込まれる。更に、中間シート20に引き込まれた液体成分L2は、固定点33を通じて中間シート20の上面側に固定された吸収部30に移行し、保持される。その結果、軟便がドライ化されやすくなり、ウエットバックが起こりづらくなる。
中間シート20へ引き込まれた高粘性液中の液体成分L2は、該中間シート20の有する拡散機能によって、該中間シート20の平面方向へ拡散する。拡散した液体成分L2は、吸収部30によって吸収され、中間シート20から吸収部30へ移行する。その結果、高粘性液L1は、吸収体10内において安定的に保持される。このような機能を発現しやすくするためには、吸収体を中間シートより毛管力の高い構造体、すなわち、親水性が高い及び/又は液引き込み空間が小さい構造体とすることが好ましい。
このように、本実施形態の吸収性物品によれば、軟便がドライ化されやすく、軟便の保持性が向上する。これに加え、吸収体10が、個々に独立に配された多数の吸収部30からなる吸収部群から構成されているので、該吸収部30間に存在する空間40の存在に起因して、物品100のドレープ性が高くなり、物品100の装着中にしわやよれが発生しづらくなる。また、中間シート20が伸縮性を有する場合には、中間シート20に吸収部が固定されていることによって、曲げなどの変形に対して形状が戻り易くなる。
図7には、吸収体10の別の形態が示されている。図7に示す実施形態の吸収体10においては、吸収部30が、中間シート20の平面方向内の一方向へ延びる帯状体になっており、その帯状体が互いに平行に多条に形成されたパターンで配置されている。本実施形態の吸収体10は、吸収部30の延びる方向が吸収性物品100の長手方向又は幅方向と一致するように吸収性物品100に組み込むことが好ましい。
次に、上述した吸収体10の好適な製造方法を図8ないし図11を参照しながら説明する。なお図8及び図11においては、理解の助けとするために、製造の各工程における部材を、斜視図及び断面図で示している。先ず図8(a)に示すように中間シート20及び繊維シート300を用意する。中間シート20としては、先に説明したものが用いられる。繊維シート300としては熱収縮性繊維を含んでおり、熱収縮性を示すものが用いられる。該熱収縮性繊維は熱捲縮性繊維であることが好ましい。繊維シート300は、更に必要に応じレーヨン、熱収縮性を有さない合成繊維、及び/又は吸水性繊維などを含んでいてもよい。繊維シート300としては、繊維ウエブを用いることができる。繊維ウエブは、シート状の形態を保つことができない程度に構成繊維どうしがゆるく交絡している繊維集合体のことである。繊維シート300を搬送するときの安定性を高めたい場合には、繊維ウエブに代えて繊維シート300として不織布を用いてもよい。不織布を用いる場合には、熱収縮性繊維が不織布の製造過程で収縮しないようにするために、超音波エンボス、バインダ、ニードルパンチなどの非加熱手段によって製造された不織布を用いることが好ましい。尤も、製造された不織布が熱収縮性を発現する限りにおいて、エアスルーなどの加熱手段によって製造された不織布を用いることもできる。
中間シート20の一面上に繊維シート300を配したら、図8(b)に示すように、両者を部分的に接合して多数の固定点33を形成し、積層体310を得る。固定点33の形成には、例えば超音波エンボスやホットメルト接着剤等の接着剤などの非加熱手段を用いることが好ましい。尤も、固定点33が形成された後の繊維シート300が熱収縮性を発現する限りにおいて、熱エンボスなどの加熱手段を用いることもできる。
次に、必要に応じ、繊維シート300上に高吸収性ポリマーを散布する(図示せず)。引き続き、図8(c)に示すように、隣り合う固定部33間において、繊維シート300の構成繊維を切断する。この場合、中間シート20は切断せず、繊維シート300の構成繊維のみを切断することが重要である。本実施形態においては、直線状に、かつ互いに平行に多条に延びる第1の切断線301と、この切断線301と交差するように直線状に、かつ互いに平行に多条に延びる第2の切断線302に沿って、繊維シート300の構成繊維のみを切断する。尤も、切断のパターンはこれに限られず、例えば図9に示すように、切断部303が直線状に、かつ互いに平行に多条に延びるように切断を行ってもよい。図9に示すパターンで繊維シート300の構成繊維を切断すると、先に説明した図7に示す吸収体10を製造することができる。なお、図9に示す直線状の切断パターンに代えて、正弦波のような形状の滑らかな波線や、山形の波線の切断パターンを採用してもよい。
積層体310のうちの繊維シート300の構成繊維を切断するためには、例えば、図10(a)に示す第1のロール401及び第2のロール402からなる切断装置400を用いればよい。第1のロール401は、その軸線に沿って延びる凹部(刃)と凸部(溝)とが回転方向に沿って交互に配置された凹凸ロール(刃溝ロール)が用いられる。凸部の先端は先鋭な切断刃になっている。第2のロール402は、表面が平滑な金属製又はゴム製のロールからなる。積層体310のうちの繊維シート300の側を第1のロール401に対向させるように該積層体310を両ロール間に通すことによって、積層体310のうちの繊維シート300の構成繊維のみが切断される。図8(c)に示すパターンの切断線301,302を形成するには、両ロール401,402間に通す積層体310の角度を異ならせて、該積層体310を両ロール401,402間に少なくとも2回通せばよい。なお、第1のロール401として図10(b)及び(c)に示すものを単独で、あるいは組み合わせて用いることで、種々のパターンで繊維シート300の切断を行うことができる。
繊維シート300の構成繊維を切断したら、次に積層体310に対して熱を付与して、繊維シート300に含まれている熱収縮性繊維を収縮させる。付与する熱の温度は、熱収縮性繊維の収縮開始温度以上で、かつ溶融温度未満とする。この熱収縮によって、図11(a)に示すように、繊維シート300を構成する繊維は、固定点33に向けて寄り集まるとともに厚み方向へ***して、環状***部304が形成される。環状***部304は、固定点33を取り囲むように該固定点33の周囲に位置する。熱収縮性繊維の収縮の程度をコントロールすることで、目的とする吸収体10における隣り合う吸収部30間の距離を所望の値とすることができる。
次に、図11(b)に示すように、積層体310における中間シート20の側から空気を吹き付ける。吹き付けられた空気は、中間シート20を通過して固定点33の周囲に存在する環状***部304の構成繊維を巻き上げる。この巻き上げによって、環状***部304の構成繊維は固定点33上に熱収縮しながら寄り集まり、該固定点33上にドーム状の***部が形成される。この***部が、目的とする吸収体10における吸収部30となる。このようにして、目的とする吸収体10が得られる。また、図11(a)に示す熱収縮と同時に、図11(b)に示すように、空気を吹き付けると、熱収縮性繊維が収縮しながら、繊維シート300の構成繊維と絡み合い、固定点33上に***部が首尾良く形成される。
なお、図11(b)に示す操作は、中間シート20が十分な通気性を有する場合に有効なものである。中間シート20が通気性を有さない場合や、通気性が極めて低い場合には、図11(b)に示す操作に代えて、繊維シート300の構成繊維又は環状***部304に対して横方向(水平方向)から空気を吹き付ける操作を行うことが好ましい。この場合、互いに直交する2方向から空気を吹き付けることで、固定点33上に単一の***部を首尾良く形成することができる。
本発明においては、別の実施形態として、図2に示す吸収部30の製造過程における中間製造物である、図11(a)に示す状態のものを吸収部として用いることも可能である。図11(a)に示す中間製造物からなる吸収部においては、同図に示すように、吸収部が、固定点を取り囲むように該固定点の周囲に存在している環状***部をなしている。
次に、本発明の第2ないし第4の実施形態について、図12ないし図16を参照しながら説明する。なお第2ないし第4の実施形態に関し、特に説明しない点については、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図12ないし図16において、図1ないし図11と同じ部材には同じ符号を付してある。
図12に示す第2の実施形態においては、表面シート101と裏面シート102との間に、多数の吸収部30からなる吸収部群から構成された吸収体10が配されている。この吸収体10と裏面シート102との間には、中間シート20が配されている。更に、吸収体10と表面シート101との間には、基盤シート21が配されている。そして、吸収部30は、基盤シート21の下面に、固定部33によって固定されている。また吸収部30は、中間シート20の上面にも固定されている。本実施形態における吸収部30と基盤シート21との固定の態様は、第1の実施形態における吸収部30と中間シート20との固定の態様と同じである。基盤シート21における、吸収部30が存在していない側は、表面シート101と接合されていてもよく、あるいは接合されていなくてもよい。
本実施形態における基盤シート21としては、吸収部30の固定が可能なシート材料が用いられる。例えば、基盤シート21として、中間シート20と同様のもの、すなわち液の引き込み及び拡散機能を有するものを用いることができる。
基盤シート21は、液透過性を有するものである。また、基盤シート21は、伸縮性を有していてもよく、あるいは有していなくてもよい。基盤シート21が伸縮性を有する場合、該基盤シート21は、平面内の少なくとも一方向に伸縮性を有する。基盤シート21が伸縮性を有する場合、該基盤シート21は、吸収体10に伸縮性を付与する部位となる。伸縮性とは、伸長させることができ、かつ伸長した状態を解除することで収縮することができる性質を言う。基盤シート21が平面内のどの方向に伸縮性を有するかは、基盤シート21の製造方法等に依存する。好ましくは、基盤シート21は、平面内のある1方向及びそれに直交する方向の2方向に伸縮性を有し、更に好ましくは平面内のあらゆる方向に伸縮性を有する。
吸収部30は、基盤シート21の下面に固定されている。基盤シート21が伸縮性を有する場合、中間シート20も伸縮性を有することが好ましい。この場合、吸収部30は、基盤シート21及び中間シート20を伸縮させても形状が変化しないように態様で、固定点33を介して基盤シート21に固定されていることが好ましい。基盤シート21を伸縮させても吸収部30の形状が変化しないようにするためには、基盤シート21が固定点33において伸縮性を発現していないことが有利である。固定点33が伸縮性を発現していないことによって、基盤シート21を伸縮させても、固定点33においては、基盤シート21は伸縮しない。その結果、固定点33を介して基盤シート21に固定されている吸収部30は、基盤シート21の伸縮の影響を受けず、基盤シート21の伸縮によって形状は変化しない。吸収部30の形状が変化しないことによって、基盤シート21が伸縮しても、吸収性能の変化が起こりづらくなる。吸収性物品100は、その着用期間にわたり安定した吸収性能を発現する。
固定点33において基盤シート21が伸縮性を発現しないようにするためには、例えば固定点33を超音波エンボスによって形成し、基盤シート21の伸縮性を失わせればよい。ホットメルト接着剤等の接着剤によって固定点33を形成することでも基盤シート21の伸縮性を失わせることができる。
基盤シート21が伸縮性を有する場合、上述のとおり、固定点33は伸縮性を発現していないことが好ましい。換言すれば、基盤シート21において伸縮性を発現する部位は、固定点33間の部位のみであることが好ましい。つまり、図13(a)に示すように、自然状態(弛緩状態)の基盤シート21をその平面方向に伸長させると、図13(b)に示すように、固定点33間の部位のみが伸長する。このとき、吸収部30の形状に変化はない。そして、図13(b)に示すように伸長状態になっている基盤シート21の伸長状態を解くと、固定点33間の部位のみが収縮し、吸収部30の形状に変化はない。基盤シート21がこのような伸縮特性を有していることによって、吸収体10は、着用者の体型への適合性及び動作追従性に優れたものとなる。なお、図13(a)及び(b)においては、簡便のため、中間シート20の伸縮状態は省略されている。
吸収部30が固定される基盤シート21としては、液透過性であることを条件として、先に述べたとおり、伸縮性を有するか又は伸縮性を有さないシート状の材料が用いられる。基盤シート21が伸縮性を有さない場合、該基盤シート21としては、通常の不織布、穿孔フィルムなどを用いることができる。基盤シート21が伸縮性を有する場合、該基盤シート21としては、伸縮性を有する液透過性のシートなどを用いることができる。そのようなシートとしては、例えば弾性樹脂を含む繊維を構成繊維として含む不織布(弾性不織布)や、弾性樹脂を含む穿孔フィルム(弾性フィルム)などを挙げることができる。弾性不織布や弾性フィルムとしては当該技術分野において公知のものを用いることができる。基盤シート21が伸縮性を有するか又は有さないかを問わず、その坪量は5〜50g/m2、特に10〜30g/m2であることが好ましい。
基盤シート21が伸縮性を有する場合、該基盤シート21の伸縮性の程度は、以下の方法で測定される伸縮率が60%以上、特に80%以上であることが、着用者の体型への適合性及び動作追従性が特に良好になる点から好ましい。伸縮率は、以下の方法で測定される。引張圧縮試験機RTC−1210A(株式会社東洋オリエンテック)を用いて、引張モードで測定する。先ず、基盤シート21を幅25mm×長さ150mmで裁断し測定片を採取する。測定片を引張圧縮試験機に装着されたエアーチャック間に初期試料長(チャック間距離)100mmでセットし、引張圧縮試験機のロードセル(定格出力5kg)に取り付けられたチャックを300mm/分の速度で上昇させて、測定片を伸長させる。測定片が初期試料長の50%、つまり50mm伸びた時点で、チャックの移動方向を逆転させ、チャックを300mm/分の速度で下降させ、初期試料長の位置まで戻す。この間の操作で、ロードセルで検出される荷重と、測定片の伸びとの関係をチャートに記録し、このチャートに基づき下記式(1)から伸縮率を求める。
伸縮率=回復伸び/最大伸び長さ(=50mm) (1)
ここで、回復伸びは、最大伸び長さ(=50mm)からチャックを下降させて、初めて荷重ゼロを記録したときの、最大伸び長さからのチャック移動距離で定義される。なお、測定片が前述の大きさに満たない場合、下記方法で測定する。
<試験片> シートのチャック間方向の長さをLmm、把持部分の長さをSmm、幅をCmmとすると、長さの比;L:C=3:5になるように、試験片(L+2S)mm×Cmmの大きさに裁断し測定片を採取する。
<試験> 引張圧縮試験機に、チャック間距離Lで試験片をセットし、100×(L/30)mm/分、測定片が初期試料長の50%伸張するまで上昇。その後チャックの移動方向を逆転させ、チャックを100×(L/30)mm/分の速度で下降させ、初期試料長の位置まで戻す。下記式(2)で計算する。
伸縮率=回復伸び/最大伸び長さ(=L/2mm) (2)
基盤シート21が伸縮性を有する場合、吸収性物品100における表面シート101及び裏面シート102も伸縮性を有することが好ましい。更に、中間シート20も伸縮性を有することが好ましい。これによって、吸収性物品100がその全体として伸縮性を有するようになる。伸縮性を有する表面シート101としては、例えば弾性樹脂を含む繊維を構成繊維として含む不織布や、弾性樹脂を含む穿孔フィルムなどを用いることができる。これらの不織布やフィルムは液透過性を有する。伸縮性を有する裏面シート102としては、弾性樹脂を含むフィルムを用いることができる。このフィルムは液不透過性又は難透過性である。また、このフィルムは透湿性を有していてもよい。伸縮性を有する中間シート20としては、例えば弾性繊維を含む繊維を構成繊維として含む不織布(弾性不織布)や、弾性樹脂を発泡などで構造中に三次元ネットワーク構造を形成させた弾性多孔質体などを用いることができる。
図14に示す第3の実施形態においては、表面シート101と裏面シート102との間に、多数の吸収部30からなる吸収体10が配されている。この吸収体10と裏面シート102との間には、中間シート20が配されている。中間シート20の上面と吸収部30の下面とは、該吸収部30に張り出し部34が形成されるような態様で、固定部33によって固定されている。更に、吸収体10と表面シート101との間には、液透過性の基盤シート21が配されている。そして、基盤シート21と表面シート101との間に、個々に独立した多数の第2吸収部30'が、物品10の平面方向にわたって配置されている。第2吸収部30'の配置のパターンは、図2に示すパターンでもよく、あるいは図7に示すパターンでもよい。第2吸収部30'の下面は、基盤シート21の上面側に、固定部33'によって固定されている。第2吸収部30'と基盤シート21との固定の態様は、吸収部30と中間シート20との固定の態様と同じである。また、第2吸収部30'の構成材料や、形状、大きさ等については、吸収部30に関する説明が適宜適用される。更に、基盤シート21に関しては、第2の実施形態に関する説明が適宜適用される。吸収部30の上面側は、基盤シート21の下面側には固定されていない。同様に、第2吸収部30'の上面側は、表面シート102の下面側には固定されていない。本実施形態によれば、この利点は、基盤シート21として、中間シート20と同様のものを用いた場合に一層顕著なものとなる。
図15に示す第4の実施形態においては、表面シート101と裏面シート102との間に、多数の吸収部30からなる吸収体10が配されている。この吸収体10と裏面シート102との間には、中間シート20が配されている。中間シート20の上面と吸収部30の下面とは、該吸収部30に張り出し部34が形成されるような態様で、固定部33によって固定されている。更に、中間シート20と表面シート101との間には、基盤シート21が配されている。つまり、基盤シート21は、多数の吸収部30と表面シート101との間に配されている。そして、基盤シート21と中間シート20との間に、個々に独立した多数の第2吸収部30’が、物品100の平面方向にわたって、かつ吸収部30と非対向状態で配置されている。つまり、吸収部30と第2吸収部30’とは互いに入れ子状態で配置されている。非対向状態とは、吸収性物品100を平面視したときに吸収部30と第2吸収部30’とが完全に同じ位置にないことを言う(以下、非対向状態というときは、これに同じである。)。したがって吸収性物品100を平面視したときに吸収部30と第2吸収部30’とが一部重なり合う状態で配置されている場合は、非対向状態に含まれる。したがって吸収部30の配置パターンが図2に示すパターンである場合、第2吸収部30’の配置パターンも同図に示すパターンとなる。同様に、吸収部30の配置パターンが図7に示すパターンである場合、第2吸収部30’の配置パターンも同図に示すパターンとなる。第2吸収部30’の上面は、基盤シート21の下面側に、固定部33'によって固定されている。第2吸収部30’と基盤シート21との固定の態様は、吸収部30と中間シート20との固定の態様と同じである。また、第2吸収部30’の構成材料や、形状、大きさ等については、吸収部30に関する説明が適宜適用される。更に、基盤シート21に関しては、第2の実施形態に関する説明が適宜適用される。吸収部30の上面側は、基盤シート21の下面側には固定されていない。同様に、第2吸収部30’の下面側は、中間シート20の上面側には固定されていない。
図15に示す実施形態においては、更に基盤シート21と表面シート101との間に、個々に独立した多数の第3吸収部30"が、物品100の平面方向にわたって配されている。つまり、基盤シート21の各面に、第2吸収部30’及び第3吸収部30"が形成されている。第3吸収部30"の下面は、基盤シート21の上面側に、固定部33"によって固定されている。基盤シート21の平面視において、第2吸収部30’の位置と第3吸収部30"の位置とは相違している。固定部33’と固定部33"との位置も相違している。第3吸収部30"と基盤シート21との固定の態様は、吸収部30と中間シート20との固定の態様と同じである。また、第3吸収部30"の構成材料や、形状、大きさ等については、吸収部30に関する説明が適宜適用される。
本実施形態によれば、液の吸収容量を増加することができるという利点がある。また、***された高粘性液が、吸収部30のみならず、第2吸収部30’及び第3吸収部30"にも吸収保持されることによって、高粘性液の封じ込めが一層確実なものとなる。
図15に示す実施形態の変形例として、図16に示す実施形態が挙げられる。図16に示す実施形態も、図15に示す実施形態と同様に、基盤シート21の各面に、第2吸収部30’及び第3吸収部30"が形成されている。ただし、本実施形態は、図15に示す実施形態と異なり、基盤シート21の平面視において、第2吸収部30’の位置と第3吸収部30"の位置とが一致している。固定部33’と固定部33"との位置も一致している。本実施形態においても、図15に示す実施形態と同様の効果が奏される。
図15及び図16に示す実施形態の第2吸収部30’の位置と第3吸収部30"の製造方法は、図8ないし図11に示す吸収部30の製造方法において、中間シート20に代えて基盤シート21を用い、かつ該基盤シート21の各面に繊維シート300を配すればよい。また、図10(a)に示す切断装置において、第2のロール402としても、第1のロール401と同様の凹凸ロールを用いればよい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば図1、図12、図14及び図15に示す実施形態においては、裏面シート102のすぐ上に、パルプの積繊体又はパルプと高吸収性ポリマーとの積繊体を配してもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
図1に示す構成の吸収性物品(生理用ナプキン)を作製した。表面シートと吸収体の間、及び中間シートとバックシートの間は、各々スパイラル塗工したホットメルト(坪量10g/m2)によりそれぞれ固定した。吸収性物品のサイズは350mm×110mmとした。
表面シートとしては、親水油剤処理を施した2.3dtexのポリプロピレン・高密度ポリエチレン(PP・HDPE)芯鞘型複合繊維からなるエアスルー不織布(坪量10g/m2)を用いた。表面シートの生理食塩水の吸収速度は0.011ml/(g・s)であった。中間シートとしては、親水油剤処理を施した2.2dtexのポリプロピレン・ポリエチレン製サイドバイサイド型複合繊維を熱処理して得られたエアスルー不織布(坪量80g/m2)を用いた。中間シートの生理食塩水の吸収速度は0.115ml/(g・s)であった。バックシートとしては、液体不透過性のポリエチレンフィルム(坪量15g/m2)を用いた。吸収体は、ポリプロピレン・ポリエチレン製サイドバイサイド型複合繊維/パルプ/吸収ポリマー混合体(坪量40/200/50g/m2)を用い、図8に示す方法で作製した。吸収体の生理食塩水の吸収速度は1.20ml/(g/s)であった。吸収体の各吸収部を、中間シートである不織布上に、超音波エンボスにより固定した。吸収部の形状は、8mm×8mmの正方形状であり、各吸収部を2mm間隔で千鳥状に配置した。得られた吸収性物品を実施例1とする。また、比較例1として、実施例1において、中間シートを用いず、各吸収部を裏面シートに直接固定した吸収性物品を作製した。更に比較例2として、実施例1において使用した吸収体に代えて、連続体であるパルプ/吸収ポリマー混合体(坪量300/300g/m2)を用いた吸収性物品を作製した。
実施例1並びに比較例1及び2の吸収性物品について、以下の方法で液戻り防止性の測定を行った。その結果を以下の表1に示す。
<測定方法>
擬似軟便のモデルである高粘性液体として、300mPa・s(25℃、振動式粘度計)の粘性液体を用い、吸収性物品の液戻り量の測定を行った。吸収性物品の表面シート側から定速(6秒)で擬似軟便10gを一括注入し、3.5kPaの加重下で5分放置した。このとき、加重をかけるための重りと吸収性物品の間にOHPフィルムを挟んでおいた。OHPフィルムに付着した液体量を測定し、この量を肌への付着量とした。また、表面シートに残存する液体量も測定した。粘性液体の成分は、ベントナイト28.0g、グリセリン14.0g、イオン交換水114.1g、エマルゲン130K0.03重量%水溶液(花王)14.2gであった。
Figure 0005508707
表1に示すとおり、実施例1の吸収性物品は比較例1に比べ、肌付着量及び表面シート残存量ともに低減する結果が得られた。また、実施例1を比較例2と比べても、肌付着量及び表面材残存量ともに低減した。これより、中間シートと、分離した吸収体との構造により、高粘性液体の吸収性能が向上することが確認された。
図1は、本発明の吸収性物品の第1の実施形態における長手方向中央域での幅方向に沿った断面構造を示す模式図である。 図2は、図1に示す吸収性物品における吸収部及び中間シートを、該吸収部側からみた斜視図である。 図3は、図2におけるIII−III線断面図である。 図4は、図2に示す吸収部を平面視したときの吸収部と固定部との位置関係を示す説明図である。 図5(a)は、生理食塩水の吸収速度(D/W法)を測定するための装置を示す図であり、図5(b)は、図5(a)に示す装置によって測定されたデータから吸収速度を求めるためのグラフである。 図6は、図1に示す吸収性物品における液の吸収保持の状態を示す模式図である。 図7は、吸収部の他の実施形態を示す斜視図であり、図2に相当する図である。 図8(a)ないし(c)は、図2に示す吸収部の製造工程を順次示す工程図である。 図9は、積層体における繊維シートの構成繊維を切断するパターンを示す図である。 図10(a)は、積層体における繊維シートの構成繊維を切断する装置を示す模式図であり、図10(b)及び(c)はそれぞれ図10(a)に示す装置における第1のロールの別の形態を示す模式図である。 図11(a)及び(b)は、図2に示す吸収部の製造工程を順次示す工程図であり、図8(c)に引き続くものである。 図12は、本発明の第2の実施形態の吸収性物品における長手方向中央域での幅方向に沿った断面構造を示す模式図(図1相当図)である。 図13(a)及び(b)は、図12に示す吸収性物品における基盤シートを伸縮させたときの吸収部の状態を示す模式図である。 図14は、本発明の第3の実施形態の吸収性物品における長手方向中央域での幅方向に沿った断面構造を示す模式図(図1相当図)である。 図15は、本発明の第4の実施形態の吸収性物品における長手方向中央域での幅方向に沿った断面構造を示す模式図(図1相当図)である。 図16は、本発明の第4の実施形態の吸収性物品における第2吸収部及び第3吸収部の別の配置状態を示す模式図である。
符号の説明
10 吸収体
20 中間シート
21 基盤シート
30 吸収部
30’ 第2吸収部
30" 第3吸収部
33 固定点
40 空間
100 吸収性物品
101 表面シート
102 裏面シート

Claims (8)

  1. 着用者の肌に近い側に位置する表面シートと、着用者の肌から遠い側に位置する裏面シートと、両シート間に配置された吸収体とを有する吸収性物品であって、
    前記吸収体が、個々に独立した多数の吸収部が、前記物品の平面方向にわたって配置されたものからなり、
    前記裏面シートと前記吸収体との間に中間シートを配し、
    前記吸収部を、固定点を介して前記中間シートの上面側に固定し、
    前記吸収部は、前記固定点よりも平面方向の外方へ張り出した張り出し部を有する形状となっており、
    前記張り出し部においては、前記吸収部は前記中間シートに固定されていない吸収性物品。
  2. 生理食塩水の吸収速度(D/W法)が、前記表面シートよりも、前記中間シート及び前記吸収体の方が高い請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 生理食塩水の吸収速度(D/W法)が、前記表面シート<前記中間シート<前記吸収体の関係にある請求項2記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収部と前記表面シートとの間に液透過性の基盤シートが配され、
    前記基盤シートと前記表面シートとの間に、個々に独立した多数の第2吸収部が、前記物品の平面方向にわたって配置されており、
    前記第2吸収部が、前記基盤シートの上面側に固定されている請求項1ないし3のいずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記中間シートと前記表面シートとの間に液透過性の基盤シートが配され、
    前記基盤シート前記中間シートとの間に、個々に独立した多数の第2吸収部が、前記物品の平面方向にわたって、かつ前記吸収部と非対向状態で配されており、
    前記第2吸収部が、前記基盤シートの下面に固定されている請求項1ないし3のいずれかに記載の吸収性物品。
  6. 前記基盤シートと前記表面シートとの間に、個々に独立した多数の第3吸収部が、前記物品の平面方向にわたって配されている請求項5記載の吸収性物品。
  7. 前記吸収部と前記表面シートとの間に液透過性の基盤シートが配され、
    前記吸収部が、前記基盤シートの下面に固定されている請求項1ないし3のいずれかに記載の吸収性物品。
  8. 前記基盤シートが伸縮性を有するものである請求項7記載の吸収性物品。
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