JP5511445B2 - モータ及びモータの駆動制御方法 - Google Patents

モータ及びモータの駆動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は位置検出手段を備えたモータ及びモータの駆動制御方法に関する。
ステッピングモータは小型、高トルク、高寿命といった特徴を有し、開ループ制御により容易にデジタル的な位置決め動作が実現できる。このため、カメラや光ディスク装置などの情報家電、プリンタやプロジェクタ等のOA機器などに広く用いられている。
しかしモータへの負荷が多いときや高速回転を行おうとしたときに、モータが脱調してしまうという問題があった。
この問題を解決するためにステッピングモータにエンコーダを取り付け、ロータの位置にあわせて通電を切り替える、いわゆるブラシレスDCモータの動作を行わせることで脱調を防ぐ方法が従来から行なわれている。
このとき、開ループ制御によるモータ駆動方法をパルスモードとし、ブラシレスDCモータ制御によるモータ駆動方法をブラシレスモードとし、以下この呼び方を使用する。
例えば、特許文献1及び2のようなモータが公開されている。モータに内蔵された非接触式センサにより得られる信号を速度に応じて進相させ、その信号によりコイルに流す電流を切り替えることにより、電流の立ち上がり遅れをカバーし、高速回転を可能にしている。これが位置検出手段を備えたモータの基本駆動原理である。
このとき、速度に応じて進相させる電流パルスの位相のことを進角とし、非接触式センサをホール素子とし、以下この呼び方を使用する。
特許文献1のモータは、電気角で90゜位相のずれた2相信号を出力するホール素子からなる機構である。回転子のスピードに応じた信号を出力する回路で、ホール素子信号からデジタル的にある位相角度おきの進相信号をつくっておいて、その信号を選択して出力していくことで進相させている。
特許文献2のモータは、ホール素子信号の位相差タイミングをタイマにより計測し、メモリに記憶した進角量に見合う進角タイミングを、前記タイマの計測値に基づいて演算して進相信号を生成し出力することで進相させている。進角量はロータ回転の速度域に対応させてそれぞれの進角量を設定したり、ロータの正転方向と逆転方向とで進角量をそれぞれに設定して決めている。
特公平06−067259号公報 特開2002―359997号公報
前述の特許文献はいずれの場合もあらかじめ決められた進角を設定することでホール素子信号から進相信号を生成し出力させているが、より細かな速度制御を行う場合には用意しなければならない進角値が膨大な数量となってしまう。そこで、モータを駆動させるためのホール素子信号に対する遅れ駆動パルス信号の遅延量を遅延角とよび、ホール素子信号の極性変化をトリガに遅延角を用いて駆動パルス信号を生成する駆動方法がある。この遅延角を毎駆動ごとに取得し、その都度所定値分増減させて加減速制御を行うことで細かな位置決めが可能となる。
しかし、このような遅延角操作を行う際にホール素子信号がコイル励磁の影響を受けて、各励磁相それぞれにおいて実際の出力極性切り替わり点よりもずれて出力されている。つまり、無励磁状態でロータを回転させたときのホール素子からの力信号に対し、実際のホール素子からの出力信号は誤差を持って出力される。これにより、実際のロータの動きと遅延角制御とに誤差分の差異が生じ、ホール素子信号の極性変化をトリガに駆動パルス信号を生成しているため駆動パルス信号の位相ズレが発生する。その結果、駆動の速度ムラを引き起こしてしまう。以上の理由から、安定した駆動を得られないという問題がある。
本発明のモータは、周方向に多極に磁化された永久磁石を有するロータと、2つコイルを有するステータと、該2つのコイルの励磁を独立して制御する制御手段を有し、該ステータは、該2つのコイルの一方により励磁される第1のヨークと、該2つのコイルの他方により励磁される第2のヨークと、該ロータの回転に伴う該永久磁石による磁束の極性変化を検出する第1及び第2の検出手段と、を有し、該第1のヨークは、電気角360度ごとにステータ周方向の中心が位置する複数の磁極歯を有し、該第2のヨークは、該第1のヨークの各該磁極歯のステータ周方向の中心に対し電気角で同じ方向に90度の位置に周方向の中心が位置する複数の磁極歯を有し、該第1の検出手段は、該第1のヨークの該磁極歯の一つと周方向の中心が同じ位置になるように配置され、該第2の検出手段は、該第2のヨークの該磁極歯の一つと周方向の中心が同じ位置になるように配置され、該制御手段は、各該コイルの励磁を切り替えるために使用する励磁切り替え信号を生成する切り替え信号生成部と、該励磁切り替え信号に基づいて対応する該コイルを励磁する励磁部と、各該コイルに対応する該励磁切り替え信号の生成時に、該第1の検出手段が検出した第1の検出信号の直近の極性変化時を基準とする該励磁切り替え信号の遅延量である第1の遅延角、及び、該第2の検出手段が検出した第2の検出信号の直近の極性変化時を基準とする該励磁切り替え信号の遅延量である第2の遅延角、を取得する遅延角取得部と、を有し、該切り替え信号生成部は、該第1の検出信号に対して該第1の遅延角を用いて、または、該第2の検出信号に対して該第2の遅延角を用いて、該励磁切り替え信号を生成する、ことを特徴とする。
また、本発明のモータの駆動を制御する方法は、前記各コイルの励磁切り替え信号の生成時に、前記第1の検出手段の検出に基づく第1の検出信号の直近の極性変化時を基準とする該励磁切り替え信号の遅延量である第1の遅延角、及び、前記第2の検出手段の検出に基づく第2の検出信号の直近の極性変化時を基準とする該励磁切り替え信号の遅延量である第2の遅延角、を取得し、該第1の検出信号に対して該第1の遅延角を用いて、及び、該第2の検出信号に対して該第2の遅延角を用いて、励磁切り替え信号を生成し、該励磁切り替え信号に基づいて対応するコイルを励磁してモータを駆動する、ことを特徴とする。
本実施例の位置検出手段を備えたモータ駆動方法は、モータの個体差、コイル励磁の影響に係わらず、ホール素子信号出力の誤差を吸収し、かつ安定した駆動が可能となる。
本発明の実施形態に係るステッピングモータの外観図。 図1のステッピングモータを、ロータ中心軸と垂直であり、磁気センサの感磁極を通る平面で破断した断面図。 2値化センサ信号によるデジタル制御を説明するためのステッピングモータの断面図。 ブラシレス制御を実施するための装置の全体構成を示すブロック図。 実施例1の制御全体のシーケンス図。 コイル励磁によるホール素子信号のオフセットを示す波形図。 コイル励磁によるホール素子信号の誤差量の差異を示す波形図。 コイル励磁によるホール素子信号の誤差量の差異を示す波形図。 実施例1乃至3のパルスモードからブラシレスモードへの移行を表す波形図。 実施例1乃至3のホール素子選択ルーチンの制御を表すフローチャート。 実施例1,2のブラシレスモードの加速制御開始を表す波形図。 ブラシレスモードの制御破綻を表す波形図。 ブラシレスモードの加速制御を表す波形図。 実施例1のモータの加速制御を表すフローチャート。 実施例1のブラシレスモードの減速処理開始を表す波形図。 実施例1のブラシレスモードの減速制御途中を表す波形図。 実施例1のホール素子信号切替時のブラシレスモードの減速制御を表す波形図。 実施例1のモータの減速制御を表すフローチャート。 実施例2のブラシレスモードの減速制御を表す波形図。 実施例2のモータの減速制御を表すフローチャート。 実施例3の制御全体のシーケンス図。 実施例3のモータの加速制御を表すフローチャート。 実施例3のホール素子信号切替時のブラシレスモードの減速制御を表す波形図。 実施例3のモータの減速制御を表すフローチャート。 本発明の実施形態をカメラシステムに適用した構成図。
以下、本発明における実施形態を図面参照しながら詳細に説明する。
(ホール素子信号出力の極性変化に対応した遅延角で遅延角操作を行う)
(モータ構造について)
図1は、本発明におけるステッピングモータの外観斜視図である。
尚、説明のため、一部の部品を破断して示している。
図1において、ステッピングモータ1はマグネット2を有するロータ3、第1のコイル4a、第2のコイル4b、第1のヨーク5a、第2のヨーク5b、磁気センサ(磁気検出手段)6を備える。
このうち第1のコイル4a、第2のコイル4b、第1のヨーク5a、第2のヨーク5b、磁気センサ(磁気検出手段)6でステータを構成している。ロータ3は、ステータに対して回転可能に支持され、マグネット2と一体に固定されている。マグネット2は、外周が周方向に多極(n極)に磁化された円筒状の永久磁石である。マグネット2は、ロータ3の回転軸を中心とする回転方向に対し、磁力の強さが正弦波状に変化する磁束パターンを形成する。なお、本実施例の形態ではn=8極に着磁されている。
第1のコイル4a及び第2のコイル4bは、それぞれ、ロータの回転中心を軸として、ボビンに導線を多数回巻回したものである。第1のヨーク5aは、第1のコイル4aによって励磁される磁極歯を複数有している。励磁される極を切り替えることで、ロータ3に与えるトルクを変化させることができる。第2のヨーク5bは、第2のコイル4bによって励磁される磁極歯を複数有している。励磁される極を切り替えることで、ロータ3に与えるトルクを変化させることができる。
磁気センサ6は、ホール素子など、マグネット2の磁束を検出する非接触方式の磁気検出手段である。1つのセンサの中に、第1及び第2の感磁極6a及び6bを備える。第1及び第2の感磁極6a及び6bは、マグネット2の回転に伴う磁界変化(感磁極を貫通する磁束の極性変化)を検知する。磁気センサ6は、2つの出力端子を持ち、それぞれの感磁極の表面から裏面に貫通する磁束密度(ベクトル)に応じて電圧を出力する。感磁極の表面から裏面に貫通する磁束密度ベクトルの符号が正(感磁極が面しているマグネットがN極)である場合と、磁束密度ベクトルの符号が負(感磁極が面しているマグネットがS極)である場合とで、極性の異なる電圧を発生する。磁気センサ6の出力は2値化された出力とし、N極の場合High信号、S極の場合Low信号出力するものとし、これらの値を元にデジタル制御を行う。ただし、磁気センサ6がアナログ出力を行うセンサであって、磁力出力を正弦波状で行い、その信号を元にアナログ制御でモータを制御するようにしても良い。
図2は、図1のステッピングモータ1を、ロータ中心軸と垂直で、磁気センサの感磁極を含む断面図である。なお、図の簡素化のためにマグネット2、ロータ3、磁気センサ6のみの位置関係を示している。磁気センサ内の感磁極6a、6bは、一定の距離にセンサパッケージ内で離れた距離におり、モータ内に配置されたとき、ロータ中心軸を中心としてロータの回転方向において、一定の角度α離れた位置に存在する。
(ホール素子信号の位相関係について)
図3は本実施例におけるステッピングモータ1内における磁気センサ6とその2つの感磁極(第1の検出手段、第2の検出手段)6a、6b、ヨーク(第1のヨーク、第2のヨーク)5a、5b(の磁極歯)の配置を示す図である。磁気センサ6の感磁極6a、6b及びヨーク5a,5bのステータ上での位置は、それぞれのステータ周方向の中心の位置を基準にして記載すると以下のようになる。感磁極6a、6bは、ロータ3の回転方向θに22.5°離れた位置に配置される。感磁極6aから感磁極6bとは反対の方向(図3中のθ方向)に67.5°離れた位置にヨーク5bの磁極歯が存在し、ヨーク5bからさらに同じ方向(θ方向)に22.5°離れた位置にヨーク5aの磁極歯が存在する。物理的なロータ回転方向の角度22.5°はセンサ出力の1波長を360°とした電気角に直すと90°に相当する。図3には、一組のヨーク5a、5bの磁極歯のみを例として図示したが、ヨーク5a、5bの磁極歯は物理角で90°毎(電気角で360°毎)にロータ3の回転軸に対して回転対称な位置に配置され、ヨーク5a、5bの磁極歯はそれぞれ4つずつ存在する。
図3に示したマグネット2の状態、すなわち、ロータ3上のマグネット2のS極の回転方向における中心が感磁極6a及びヨーク5aの磁極歯の中心に位置する状態、をθ=0°とし、図3に示す矢印の方向回転角θを定義する。角度θは、物理角90°が、電気角は360°に相当する。
本実施例においては、ロータ3上のマグネット2が8極に磁化されている場合に対して上記のヨーク及び感磁極の配置を例示したが、本発明はこの構成に限定されることはない。電気角360度毎に第1のヨーク5aの磁極歯を配置し、第2のヨーク5bの磁極歯を第1のヨークの磁極歯に対して同じ方向に電気角で90度異なる位置に配置し、感磁極6aを第1のヨーク5aの磁極歯の一つとステータ周方向で同じ位置に配置し、感磁極6bを第2のヨークの磁極歯の一つとステータ周方向で同じ位置に配置することによっても、本発明の効果を得ることができることに留意されたい。
(ブラシレスモード構成について)
図4はブラシレス制御の全体構成を示すブロック図である。ステッピングモータ1の磁気センサ6の出力をホール素子信号検出回路7で2値化し、2値化したホール素子信号出力を演算装置11の信号計測処理部8へ送る。ここでは、ホール素子信号の極性変化毎にタイマカウント値を取得、更新していく。
信号計測処理部8は、駆動パルス信号処理部(励磁切り替え信号生成部)10から出力された駆動パルス信号の計測も行う。ここでも駆動パルス信号の極性変化毎にタイマカウント値を取得、更新する。極性の変化(立ち上がりまたは立ち下がり)で分けられたホール素子信号と駆動パルス信号のタイマカウント値から、遅延角操作部(遅延角取得部)9で遅延角を決定する。ここでいう遅延角とは、ホール素子信号の極性変化時を基準とする駆動パルス信号の遅延量のことをいう。遅延角は、時間データとして取得してもよいし、電気角に換算したデータとして取得してもよい。本実施例では、電気角データとして取得した遅延角として説明していく。
決定した遅延角をもとに駆動パルス信号処理部10から駆動パルス信号をモータドライバ12(励磁部)に送り、ステッピングモータ1の励磁切り替えを行っている。
以上を踏まえて、ホール素子信号と駆動パルス信号の関係と制御方法についての説明に入る。
(パルスモードについて)
図1のステッピングモータ1は、パルスモードで駆動を行うことができる。パルスモードでの駆動とは、通常のステッピングモータの開ループ制御と同じものであり、所定の時間間隔に従って、前記ステッピングモータ1のコイル4aとコイル4bに通電する極性を切り替える駆動方法である。すなわち、入力された駆動パルス間隔(駆動周波数)と回転方向に従って、コイル4aとコイル4bの通電を順次切り替えることで、ロータ3を所定の速度で回転させることが可能である。また、入力された駆動パルス数に従って、ロータ3を所望の角度だけ回転させることが可能である。この駆動方式が本実施例で行うパルスモードである。
(ブラシレスモードについて)
また、図1のステッピングモータ1は、ブラシレスモードで駆動を行うことができる。すなわち、入力された駆動パルス数と回転方向と、ホール素子信号と駆動パルス信号のタイマカウント値から遅延角操作部9で決定する遅延角とに従って、コイル4aとコイル4bに通電する極性を順次切り替えることで、ロータ3を所望の角度だけ回転させることが可能である。つまり、所定の基準周波数のパルス信号を基準として駆動させるパルスモードに対し、ステータに固定して設置されたホール素子が出力する信号の極性変化を基準として駆動パルス信号を生成して駆動させるモードであり、生成する駆動パルス信号はセンサ信号に対して遅れ信号となる。本実施例ではひとつのホール素子信号に対し、ひとつの駆動パルス信号を生成しているが、この形態に限られるものではない。また、遅延角操作部9で遅延角を制御することで、トルク−回転数特性を変化させることが可能である。この駆動方式が本実施例で行うブラシレスモードである。
(モータ駆動シーケンスについて)
図5は本実施例における、駆動開始から加速駆動、一定速での駆動、減速駆動、そして、駆動停止までの全体の駆動速度、駆動モードの推移、及び、ホール素子信号の切り替えを示す概略図である。パルスモードで加速駆動を開始し、所定の回転速度になったらブラシレスモードに移行する。ブラシレスモード中は、必要に応じて駆動パルス信号を生成する基準とするホール素子信号を切り替えながら、目標最高速度まで到達させる。その後、減速駆動に移行し、加速駆動と同様、必要に応じてホール素子信号を切り替えながらパルスモード切り替え点まで減速駆動を行う。そして、再びブラシレスモードからパルスモードへと変更し、入力された駆動パルス数に達したら停止させる。以上が駆動開始から停止まで全体の概略の制御フローである。
(コイル励磁補正について)
以上を踏まえて、コイル励磁の影響によるホール素子が出力する信号の誤差について説明する。図6に、コイル励磁が及ぼすホール素子の出力信号への影響を示す。図6の波形(a)は無励磁状態でのホール素子の出力信号であり、波形(b)内に細線で示すのはコイル励磁された後のホール素子の出力信号である。コイル励磁の影響を受けるとホール素子信号のアナログ出力がオフセットされる。その結果、本来の極性切り替え点(t0)が前後(t1〜t2)にずれてしまうため、実際の出力(ホール素子信号検出回路7で2値化されたデータ)は時間軸方向に誤差をもって出力されてしまう。
図7に、実際の(コイル励磁の影響を受けた)ホール素子出力と無励磁状態のホール素子出力との関係を表す。
波形H1、H2は、それぞれ、ホール素子6a,6bの信号出力(第1の検出信号、第2の検出信号)であり、波形A、Bは、モータのコイル4a,4bを励磁するために駆動パルス信号処理部10からの駆動パルス信号に基づいてモータドライバ(励磁部)12から出力される駆動信号出力である。また、波形H1、H2は、ホール素子からの出力信号を元にホール素子信号検出回路7で2値化した波形であり、破線で表したものが無励磁状態における波形を表し、実線で表したものが励磁状態、すなわち、実際に検出される波形を表している。
通電する励磁相は、例えば、A,Bの文字の右に付された、+、−、の記号でそれぞれの極性を表現すると、
(A−B+)→(A−B−)→(A+B−)→(A+B+)→(A−B+)
と順次切り替えていくが、通電する各励磁相において、無励磁状態におけるホール素子信号に対する実測されるホール素子信号の誤差は異なっている。これを表したのが図8である。コイル励磁が及ぼすホール素子信号への影響は、モータの駆動ごと、個体ごとによりばらつきがあるため、図8はモータ駆動ごとの誤差を平均化したものを示している。図7に戻ってホール素子信号H1に着目すると、立ち下がり変化であるA−B+相に励磁されているときのホール素子信号H1の極性変化の誤差量aと、立ち上がり変化であるA+B−相に励磁されているときのホール素子信号H1の極性変化の誤差量cの差異分が駆動パルス信号の生成に影響を及ぼしており、駆動パルス信号の位相ズレの原因となっている。これはホール素子信号H2の誤差量b、dでも同様である。
しかし、ステップ毎の立ち上がり変化での誤差量と立ち下がり変化での誤差量はそれぞれ一定である。該駆動パルス信号のホール素子信号に対する遅延角を、駆動パルス信号の立ち上がり時と立ち下がり時と区別して取得し、遅延角を取得した駆動パルス信号の立ち上がり及び立ち下がりの極性変化に対応した遅延角を交互に用いて駆動パルス信号を生成することで、ブラシレスモードの遅延角制御において励磁相の違いによる誤差量の差異を吸収することが出来る。
本発明においては、使用する遅延角は、コイル励磁の影響を加味した固定値として遅延角を保有しておく必要はなくコイルへの通電を切り替える毎に新たな遅延角として取得する。このため、モータの個体差によるホール素子信号の誤差のばらつきにも対応でき、モータの固体ごとに固有値を持たなくても、モータの駆動速度ムラを低減でき、安定して高精度のモータ駆動を実現することができる。
以後、駆動パルス信号及びホール素子信号の波形を参照しながら、本実施例の制御方法について説明する。モータの駆動制御において、A相駆動パルス信号、B相駆動パルス信号の制御は、独立に並行して実施される。以下の説明では、説明の簡略化のため、A相駆動パルス信号について中心に記載する。
(パルスモードからブラシレスモードへの移行について)
最初に、駆動開始後の加速時におけるパルスモードからブラシレスモードへの移行について、図9を参照しながら説明する。図9に、パルスモードからブラシレスモードへの移行時の、コイル4aの励磁切り替えに使用される駆動パルス信号A、コイル4bの励磁切り替えに使用される駆動パルス信号B、ホール素子信号H1, H2の波形を示す。
モータ1をパルスモードで駆動中、遅延角操作部9で、A相駆動パルス信号の極性変化のエッジのホール素子信号に対する遅延角を取得する。すなわち、ホール素子信号H1の立ち上がりエッジに対する遅延角(以後、立ち上がり遅延角と記す)(第1の立ち上がり遅延角)TH1と、ホール素子信号H1の立ち下がりエッジに対する遅延角(以後、立ち下がり遅延角と記す)(第1の立ち下がり遅延角)TL1、及び、ホール素子信号H2の立ち上がり遅延角(第2の立ち上がり遅延角)TH2と、ホール素子信号H2の立ち下がり遅延角(第2の立ち上がり遅延角)TL2を取得する。これらの遅延角は、通電を切り替える毎、すなわち、A相駆動パルス信号の極性が変化する毎に取得される。また、取得したホール素子信号H1を基準とした遅延角(第1の遅延角)とホール素子信号H2を基準とした遅延角(第2の遅延角)との間での大小を、通電を切り替える毎に比較する。
本実施例においては、パルスモードで駆動中に所定周期に達したらパルスモードからブラシレスモードへ移行することを例示するが、本発明はこの条件に限定されるものではない。
パルスモードからブラシレスモードへの移行直前における、ホール素子信号H1、H2に対する遅延角の大小を比較し、小さい方のホール素子信号を駆動パルス信号生成の基準信号として採用し、切り替え直前の遅延角をブラシレスモードの初期遅延角としてブラシレスモードに移行する。すなわち、モード移行直前のA相駆動パルス信号の極性変化のエッジの、ホール素子信号H1及びH2の直近の極性変化時を基準とする遅延角を比較する。図9に例示した波形では、A相駆動パルス信号の立ち上がりエッジのホール素子信号H1の立ち上がり遅延角TH1と、ホール素子信号H2の立ち下がり遅延角TL2を比較する。比較の結果、TH1<TL2であるので、遅延角の小さいTH1を採用してホール素子信号H1をA相駆動パルス信号生成の基準として採用し、ブラシレスモードに移行する。
なお、図9中に示したホール素子信号H1、H2から駆動パルス信号A、Bへの矢印は、それぞれ、ブラシレスモードでの駆動パルス信号の極性変化のタイミングを決めるために使用されるホール素子信号の立ち上がり及び立ち下がりエッジの対応を表す。駆動パルス信号の立ち上がりに対しては、駆動パルス信号の立ち上がりの遅延角を比較した際の、ホール素子信号H1の対応する立ち上がり遅延角TH1を駆動パルス信号生成に使用する。また、駆動パルス信号の立ち下がりについては、ホール素子信号H1が基準として選択されたため、ホール素子信号H1の立ち下がりと対応する立ち下がり遅延角TL1を駆動パルス信号生成に使用する。もし、図9に示した遅延角TH1とTL2の比較においてTL2の方が小さい場合には、駆動パルス信号の立ち上がりは、ホール素子信号H2の立ち下がりに対して遅延角TL2で生成され、駆動パルス信号の立ち下がりは、ホール素子信号H2の立ち上がりに対して遅延角TH2で生成されることになる。
また、ブラシレスモードへの移行時に、切り替え直前の遅延角から所定値ΔT1を減算して得られた値をブラシレスモードの初期遅延角として移行してもよい。
図10は、パルスモードからブラシレスモードへの切り替え時の、ブラシレスモードで駆動パルス信号を生成する基準とするホール素子信号の選択について上記した制御のフローチャートである。
ステップS101では、ホール素子信号H1、H2の極性変化時に対するA相駆動パルス信号の遅延角を、ホール素子信号H1、H2の立ち上がり遅延角THとホール素子信号H1、H2の立ち下がり遅延角TLに区別して取得する。
ステップS102では、取得した遅延角の大小を比較する。すなわち、A相駆動パルス信号の極性変化(図9では立ち上がりエッジ)の時点で、その駆動パルス信号の極性変化のエッジに対する直近のホール素子信号H1とH2の極性変化時(立ち上りエッジまたは立ち下りエッジ)を基準とする遅延角を比較する。図9では、ホール素子信号H1の立ち上り遅延角TH1とホール素子信号H2の立ち下り遅延角TL2を比較することになる。ホール素子信号H1を基準とした遅延角の方が小さければ、ステップS103に進み、基準とするホール素子信号をH1とする。ホール素子信号H2を基準とした遅延角の方が小さければ、ステップS104に進み、基準とするホール素子信号をH2とする。
以上のような制御を行うことで、ブラシレスモード移行時の駆動パルス信号生成の基準ホール素子信号を決定する。
(ブラシレスモード加減速方法について)
次に、モータ駆動開始後、パルスモードで駆動開始して、ブラシレスモードに移行した後の加減速について説明する。
ブラシレスモードで加速する場合、遅延角操作部9でホール素子信号の極性変化時に対する駆動パルス信号の遅延量から取得した立ち上がり遅延角及び立ち下がり遅延角から所定値ΔT1を減算した値を、それぞれ新たな遅延角とし、ホール素子信号の極性に対応した遅延角をもとに駆動パルス信号を生成していく。つまり、コイルへの通電切り替え毎に駆動パルス信号の極性の切り替えタイミングを早くしていくことで加速制御を行う。
図9の右側半分は、パルスモードからブラシレスモードへのモード移行直後の加速制御開始時のA相、B相駆動パルス信号とホール素子信号H1、H2の波形状態である。説明の簡単化のために、ここではホール素子信号H1を基準としてA相駆動信号を生成している場合を例示して説明する。
ホール素子信号H1の極性変化時に対するA相駆動パルス信号の遅延量に基づいた立ち上がり遅延角TH1及び立ち下がり遅延角TL1が取得されるたびに、取得された遅延角から所定値ΔT1を減算した遅延角TH1−ΔT1、TL1−ΔT1を求める。ホール素子信号の立ち上がりエッジに対する遅延角TH1−ΔT1をもとにA相駆動パルス信号の立ち上がりの極性変化を生成し、ホール素子信号の立ち下がりエッジに対する遅延角TL1−ΔT1をもとにA相駆動パルス信号の立ち下がりの極性変化を生成し、コイルを励磁する。遅延角操作を進めていくと、図11のようにホール素子信号H1の極性変化時に対するB相駆動パルス信号の遅延量が徐々に小さくなる。そして、やがて図12のようにホール素子信号H1の極性変化時に対する駆動パルス信号の遅延量は0となり、いずれ逆転してしまう。ホール素子信号から駆動パルス信号を生成しているため、信号関係の逆転が起きるとアルゴリズムに矛盾が生じ、加速制御ができなくなってしまう。
そこで、図13のように、遅延角TH1または遅延角TL1が下限値Tminより小さくなったら、A相駆動パルス信号生成の基準とするホール素子信号H1をホール素子信号H2に切り替える。すなわち、A相駆動パルス信号のエッジの、ホール素子信号H1の立ち上がり遅延角TH1、または、ホール素子信号H1の立ち下がり遅延角TL1、のいずれかが、所定値Tmin以下となったら、基準とするホール素子信号をH2に切り替える。
ホール素子信号の切り替え直前の、切り替え先のホール素子信号H2を基準としたA相駆動パルス信号との立ち上がり遅延角TH2及び立ち下がり遅延角TL2を、ホール素子信号の切り替え後の初期遅延角として採用する。ここで、ホール素子信号の切り替え後は、ホール素子信号の切り替え要否を判断する遅延角の比較に対応する、ホール素子信号と駆動パルス信号の極性変化のエッジの対に遅延角TH2とTL2が適用される。つまり、ホール素子信号の切り替え後においては、A相駆動パルス信号の立ち上がりは、ホール素子信号H2の立ち下がりに対して遅延角TL2で生成され、A相駆動パルス信号の立ち下がりは、ホール素子信号H2の立ち上がりに対して遅延角TH2で生成される。
このとき、ホール素子信号切り替え直前の遅延角から所定値ΔT1を減算して得られた値をホール素子信号の切り替え後の初期遅延角として移行してもよい。
ホール素子信号の切り替え前は、A−B+相とA+B−相で励磁されているときのホール素子信号の極性変化をもとに駆動パルス信号を生成していたが、ホール素子信号の切り替え後は、A+B+相とA−B−相で励磁されているときのホール素子信号の極性変化をもとに駆動パルス信号を生成することになる。このため、図8で示したように無励磁状態に対する誤差量が変わってしまうが、ステップ毎に遅延角を取得、更新するフィードバック制御を行い、かつ遅延角をホール素子信号の極性状態で分けて運用しているためホール素子切り替え前と同様に誤差量を吸収した制御が可能となっている。
ホール素子信号の切り替え後は、ホール素子信号の切り替え前と同様に、新たに取得した遅延角TH2、及び遅延角TL2に所定値ΔT1を減算していく遅延角操作を行うことで加速制御を続ける。加速制御中に遅延角TH2または遅延角TL2が下限値Tmin以下になったら、A相駆動パルス信号を生成する基準としたホール素子信号H2を、ホール素子信号H1に再び切り替える。
以上の遅延角操作とホール素子信号切り替えを繰り返し行うことで、目標とする最高速度まで安定した駆動で到達させることができる。
図14に、パルスモードで駆動を開始し、ブラシレスモードに移行して加速し、ブラシレスモードに一定速駆動する制御(モータ加速駆動1)についてのフローチャートを示す。
ステップS201においてパルスモードでの駆動を開始する。ステップS202に進み、パルスモードで駆動中に駆動パルス信号生成の基準ホール素子信号を決定する。これについては図10等を参照しながら既に説明したとおりである。
ステップS203で所定の周期に達したかどうかを判断し、達していない場合は、ステップS201に戻り、パルスモードでの駆動を継続する。
所定周期に達したらステップS203からステップS204に進み、ブラシレスモードに移行し、ステップS202で決定された基準ホール素子信号を基準として加速駆動するための遅延角操作を行う。この遅延角操作については、図11乃至13を参照しながら既に説明したとおりであり、取得した遅延角から所定値ΔT1を減算して、駆動パルス信号を生成することにより加速制御をするものである。
続いて、ステップS205に進み、駆動パルス信号の極性変化がある毎に、ホール素子信号H1及びH2の直近の極性変化時を基準とする遅延角を取得して更新する。
ステップS206において、駆動速度が最高速に達したかどうかを判断し、最高速に達した場合は、ステップS209に進む。駆動速度が最高速に達していない場合は、ステップS207に進み、ステップS205で取得した遅延角が下限値Tmin以下かどうかを判断する。
ステップS207において、遅延角が下限値Tminより大きい場合は、ステップS204に戻り、ブラシレスモードでの加速駆動を続ける。一方、ステップS207において、遅延角が下限値Tmin以下である場合は、ステップS208に進み、ホール素子信号の切り替えを行う。
そして、ステップS204に戻り、ブラシレスモードでの加速駆動を続ける。
ステップS209では、ブラシレスモードのまま、最高速での一定速度制御で所定の時間、駆動を続ける。
以上が、パルスモードでの駆動開始、加速、ブラシレスモードでの加速、目標最高速度での所定時間の駆動、についての概略の制御フローである。
(ブラシレスモードでの減速制御(所定値でホール素子切り替え)について)
次に、減速制御について説明する。
図15は、ブラシレスモードの加速制御で目標最高速度まで到達して減速制御に移行した直後の、A相及びB相駆動パルス信号とホール素子信号H1、H2の波形である。説明の簡単化のために、ここではホール素子信号H1を基準としてA相駆動パルス信号を生成している場合を例示して説明する。図15において、ホール素子信号H1からA相駆動パルス信号に向かっている矢印は、ホール素子信号H1の立ち下がり(立ち上がり)エッジを基準としてA相駆動パルス信号の立ち下がり(立ち上がり)のタイミングを決定していることを示している。
ホール素子信号の極性変化時に対する駆動パルス信号の遅延量から取得したホール素子信号の立ち上がり遅延角TH1及び立ち下り遅延角TL1に、遅延角操作部9で所定値ΔT2を加算した値を遅延角として、駆動パルス信号を生成させることで減速制御を実施する。この遅延角操作を進めていくと、図16のようにホール素子信号H1に対するA相駆動パルス信号の遅延角が徐々に大きくなっていき、やがて、加速制御時と同様にホール素子信号と駆動パルス信号の関係が逆転してしまう。
そこで、遅延角TH1または遅延角TL1が上限値Tmax以上になったら、図17に示すようにA相駆動パルス信号を生成する基準とするホール素子信号H1をホール素子信号H2に切り替える。
基準とするホール素子信号の切り替え直前の、切り替え先のホール素子信号H2を基準としたA相駆動パルス信号の立ち上がり遅延角TH2及び立ち下り遅延角TL2を、切り替え後の初期遅延角とする。ホール素子信号切り替え前後での、駆動パルス信号とホール素子信号のそれぞれ極性変化と遅延角TH2、TL2との対応は、上記の図17で説明した対応と同様であり、ホール素子切り替えで比較されたエッジと遅延角が対応する。
ホール素子信号の切り替え時には、切り替え直前の遅延角に所定値ΔT2を加算して得られた値を、ホール素子信号の切り替え後の初期遅延角として移行してもよい。
また、ホール素子信号の切り替え前は、A−B−相とA+B+相で励磁されているときのホール素子信号の極性変化をもとに駆動パルス信号を生成していたが、ホール素子信号の切り替え後は、A−B+相とA+B−相で励磁されているときのホール素子信号の極性変化をもとに駆動パルス信号を生成することになる。このため、図8で示したように無励磁状態に対する誤差量が変わってしまうが、ステップ毎に遅延角を取得、更新するフィードバック制御を行い、かつ遅延角をホール素子信号の極性状態で区別して取扱う制御をしているため、ホール素子切り替え前と同様に誤差量を吸収した制御が可能となる。
ホール素子信号の切り替え後は、ホール素子信号の切り替え前と同様に、新たに取得した遅延角TH2及び遅延角TL2に所定値ΔT2を加算していく遅延角操作を行うことで減速制御を継続する。
減速制御中に遅延角TH2または遅延角TL2が上限値Tmax以上になったら、A相駆動パルス信号を生成する基準としたホール素子信号H2を、再度、ホール素子信号H1に切り替える。
以上のような遅延角操作とホール素子信号切り替えを、パルスモードへの切り替え速度まで、繰り返して行なう。本実施例では駆動パルス信号の周期データから速度を算出し、所定速度に達したらモード切り替えを行うが、これに限られるものではない。例えば、ブラシレスモードからパルスモードへ切り替えたときの周期データを記憶し、記憶値に達したらモード切り替えてもよい。
図15乃至17を参照しながら説明した、ブラシレスモードでの駆動で目標最高速度に達した後、減速制御に移行して駆動停止するまでの制御(モータ減速駆動1)についてのフローチャートを図18に示す。
ステップS301では減速の遅延角操作を行う。この遅延角操作については、図15乃至17を参照しながら既に説明したとおりであり、取得した遅延角に所定値ΔT2を加算して、駆動パルス信号を生成することにより減速制御を行なうものである。
ステップS302に進み、遅延角を取得して更新する。ここで取得する遅延角は、ホール素子信号H1に対するA相駆動パルス信号の遅延角、及び、ホール素子信号H2に対するA相駆動パルス信号の遅延角である。
ステップS303では、所定の周期に達したかどうかを判断し、達した場合はステップS306に進み、達していない場合はステップS304に進む。
ステップS304では、ステップS302で取得した現在駆動パルス信号を生成するための基準としている遅延角Aが上限値Tmax以上かどうかを判断する。遅延角が上限値Tmax未満である場合は、ステップS301に戻る。遅延角が上限値Tmax以上である場合は、ステップS305へ進み、駆動パルス信号を生成するための基準とするホール素子信号を切り替え、ステップS301に戻り減速駆動を続ける。
ステップS306では、ブラシレスモードからパルスモードでの駆動へ移行する。パルスモードでは、与えられた所定の駆動パルス数に達したらモータを停止させる(ステップS307)。
本実施例のモータの駆動の制御方法により、モータの個体差やセンサ検出値のばらつきに影響を受けることなく、コイル励磁によるホール素子信号の出力誤差の影響も吸収できる。つまり、ホール素子信号の立ち上がり時、立ち下がり時の誤差量の差異から生まれる駆動パルス信号の位相ズレを抑えることが出来、スムーズなモード移行を実現し、安定したモータの駆動を実現することができる。
本発明の第2の実施例に係るモータの駆動方法を以下で説明する。
第2の実施例の方法を実施するための装置は、第1の実施例と同様であるので記載を省略する。また、第2の実施例のモータの制御方法において、第1の実施例の方法と異なる、ブラシレスモードでの減速制御について説明する。
以下の本実施例のブラシレスモードでの減速制御の説明は、第1の実施例における図14で示したモータ加速駆動1の制御に引き続く減速駆動である。
実施例1の減速駆動制御においては、ブラシレスモードでの減速制御におけるホール素子信号の切り替えは、駆動パルス信号を生成するための基準であるホール素子信号に対する遅延角が上限値Tmax以上になった場合に行なわれていた。これに対して、本実施例においては、駆動パルス信号を生成するための基準としていないホール素子信号に対する遅延角を監視して、ホール素子信号の切り替えを判断するものである。
図19は、本実施例におけるブラシレスモードの減速制御で、ホール素子信号切り替え時のA相及びB相駆動パルス信号とホール素子信号H1、H2の波形を示す。説明の簡単化のために、ここではホール素子信号H1を基準としてA相駆動信号を生成している場合からのホール素子信号切り替えの場合を例示して説明する。
ホール素子信号H1の極性変化時に対するA相駆動パルス信号の遅延量から取得した立ち上がり遅延角TH1及び立ち下り遅延角TL1に対し、遅延角操作部9で所定値ΔT2を加算した値を遅延角として、駆動パルス信号を生成する。同時に、ホール素子信号H1に対するA相駆動パルス信号の立ち上がり遅延角TH1または立ち下り遅延角TL1と、ホール素子信号H2に対するA相駆動パルス信号の立ち上がり遅延角TH2または立ち下り遅延角TL2のそれぞれ対応した遅延角の大小を比較する。すなわち、A相駆動パルス信号の立ち下がりエッジに対して、ホール素子信号H1及びH2の直近の極性変化時を基準とする遅延角である、遅延角TL1と遅延角TL2を比較する。また、A相駆動パルス信号の立ち上がりエッジに対して、ホール素子信号H1及びH2の直近の極性変化時を基準とする遅延角である、遅延角TH1と遅延角TH2を比較する。
このとき、
下限値Tmin<TH2<TH1 または 下限値Tmin<TL2<TL1
が満たされる場合には、A相駆動パルス信号生成の基準とするホール素子信号をH1からH2へと切り替える。ホール素子信号の切り替え直前の、切り替え先のホール素子信号H2を基準としたA相駆動パルス信号の遅延角TH2及び遅延角TL2を、切り替え後の初期遅延角とする。
このとき、移行時に切り替え直前の遅延角TH2、TL2に所定値ΔT2を加算して得られた値をホール素子信号の切り替え後の初期遅延角として移行してもよい。
ホール素子信号の切り替え前は、A−B−相とA+B+相で励磁されているときのホール素子信号の極性変化をもとに駆動パルス信号を生成していたが、ホール素子信号の切り替え後は、A−B+相とA+B−相で励磁されているときのホール素子信号の極性変化をもとに駆動パルス信号を生成することになる。このため、図8で示したように無励磁状態に対する誤差量が相互間で変わってしまうが、ステップ毎に遅延角を取得、更新するフィードバック制御を行い、かつ遅延角をホール素子信号の極性状態で区別して取扱う制御をしているためホール素子切り替え前と同様に誤差量を吸収した制御が可能となっている。
ホール素子信号切り替え後は、ホール素子信号切り替え前と同様に、新たに取得した遅延角TH2及び遅延角TL2に所定値ΔT2を加算していく遅延角操作と、ホール素子信号H2とA相駆動パルス信号の遅延角とホール素子信号H1とA相駆動パルス信号のそれぞれ対応した遅延角の大小比較を行うことで減速制御を行う。
以上の遅延角操作とホール素子信号切り替えを、B相駆動パルス信号生成の場合も同様にホール素子信号の切り替えを繰り返し行い、ブラシレスモードからパルスモードへの切り替え速度まで到達させることでブラシレスモードの減速制御を行う。
本実施例のモータ減速駆動の制御(モータ減速駆動2)のフローチャートを図20に示す。制御フローの構成は、実施例1の減速駆動制御(モータ減速駆動1)と同様であるが、実施例1のステップS304に対応するステップS404における、ホール素子信号の切り替えの判断のみが異なる。従って、本制御フロー(モータ減速駆動2)のステップS404のみについて説明し、ステップS404以外については、図18に示したモータ減速駆動1の制御フローと同じであるので説明は省略する。
図18に示したモータ減速駆動1の制御フローにおいては、ステップS304の判断において、ステップS302で取得した(駆動パルス信号の基準としているホール素子信号に対する)遅延角が上限値Tmax以上である場合にホール素子信号を切り替える制御をしていた。
これに対し、本実施例の制御フロー(モータ減速駆動2)のステップS404においては、以下の判定を行なう。ここで、ホール素子信号H1でA相駆動パルス信号を生成しているとき、ホール素子信号H2の極性変化時に対するA相駆動パルス信号の遅延角を遅延角Aとし、ホール素子信号H1の極性変化時に対するA相駆動パルス信号の遅延角を遅延角Bとする。このとき、遅延角Aが遅延角Bより小さく、かつ、遅延角Aが加速制御時でのホール素子信号切り替えの条件としていた下限値Tminより大きい場合にホール素子信号を切り替え、この条件を満たさない場合はステップS301に戻り遅延角操作を繰り返し行う。
本実施例の制御方法によっても、実施例1と同様に、モータの個体差やセンサ検出値のばらつきに影響を受けることなく、コイル励磁によるホール素子信号の出力誤差の影響も吸収できる。つまり、ホール素子信号の立ち上がり時、立ち下がり時の誤差量の差異から生まれる駆動パルス信号の位相ズレを抑えることが出来、スムーズなモード移行を実現し、安定したモータの駆動を実現することができる。
本発明の第3の実施例に係るモータの駆動方法を以下で説明する。
第3の実施例の方法を実施するための装置は、第1の実施例と同様であるので記載を省略する。
本実施例3における、モータの駆動開始から加速駆動、一定速での駆動、減速駆動、そして、駆動停止までの全体の駆動速度、駆動モードの推移、及び、ホール素子信号の切り替えの概略について図21を参照しながら説明する。尚、図21においては、ホール素子信号の切り替えについては、A相駆動パルス信号を発生させるための基準とするホール素子信号についてのみ記載したが、B相駆動パルス信号についても、並行して独立に同様の処理が行なわれる。
時刻t0からパルスモードで加速駆動を開始し、所定の回転速度になったらブラシレスモードに移行する。ブラシレスモード中は駆動パルス信号を生成する基準とするためのホール素子信号を切り替えながら、目標最高速度まで到達させる。駆動開始からここまでの制御方法は、基本的には実施例1の制御方法と同様である。すなわち、パルスモードからブラシレスモードに時刻t1で移行し、A相駆動パルス信号を発生させるための基準のホール素子信号としてH2が選択され、時刻t2において、ホール素子信号H2に対するA相駆動パルス信号の遅延角が下限値Tmin以下になったため、ホール素子信号をH2からH1に切り替える。時刻t2から、ホール素子信号H1を基準としてA相駆動パルス信号を発生させ、時刻t3において、ホール素子信号H1に対するA相駆動パルス信号の遅延角が下限値Tmin以下になったため、ホール素子信号をH1からH2に再び切り替える。時刻t3から、ホール素子信号H2を基準としてA相駆動パルス信号を発生させ、時刻t4において、目標の最高速度に到達したため、所定の時間だけブラシレスモードのまま一定速駆動をする。
ここで、実施例3の加速制御において実施例1と異なる点は、ホール素子信号を切り替えるタイミングで、ホール素子信号を切り替える理由となった遅延角を切替履歴として記憶することである。すなわち、図21の例においては、時刻t2におけるホール素子信号の切り替えCh1において、ホール素子信号H2の立ち上がり遅延角THが切替履歴(1)に記憶され、時刻t3におけるホール素子信号の切り替えCh2において、ホール素子信号H1の立ち下がり遅延角TLが切替履歴(2)に記憶される。
図22に、本実施例3のパルスモードで駆動を開始して、ブラシレスモードに移行して加速し、ブラシレスモードのまま一定速で駆動する制御(モータ加速駆動2)についてのフローチャートを示す。本実施例におけるモータの加速駆動制御は、基本的には、実施例1の加速駆動の制御と同じであるが、本実施例においては、ステップS208でホール素子信号を切り替えるときに、ホール素子信号切り替え直前の遅延角をインデックスをつけて保存してことが異なる。その他の制御フローについては、図14に示した実施例1のモータ加速駆動1と同じであるので説明は省略し、異なる部分について説明する。
本実施例においては、ステップS207の判断において、ステップS205で取得した遅延角が下限値Tmin以下である時には、ステップS208に進み、ホール素子信号を切り替える。その後、ステップS503において、駆動パルス信号を生成する基準としているホール素子信号の切り替え時の遅延角(立ち上がり遅延角TH及び立ち下がり遅延角TL)を切替履歴(n)に保存する。「n」はインデックスであり、加速駆動中のn回目のホール素子信号切り替えであることを意味する。
ステップS501は、ブラシレスモードに移行する直前に、切替履歴のインデックスnを「0」に初期化するためのステップである。また、ステップS502は、ステップS208でホール素子信号を切り替えた後に、切替履歴(n)を保存する前に、nをn+1に更新するためのステップである。
他の本実施例のモータ加速駆動2の制御フローは、実施例1のモータ加速駆動1の制御フローと同様であるので説明は省略する。このフローにより、モータ加速駆動され、最高速に達している状態において、インデックスnには、ホール素子信号の切り替え回数が保存されていることになる。
次に、本実施例3における減速駆動の概略の制御フローを図21を参照しながら説明する。
最高速で一定時間駆動した後、ブラシレスモードのままで減速を開始する。減速制御においては、実施例1及び2と同様の遅延角操作を行う。すなわち、取得した立ち上がり遅延角TH及び立ち下がり遅延角TLに、遅延角操作部9で所定値ΔT2を加算した値を遅延角として駆動パルス生成信号を生成する制御を行なう。
以下、実施例3の特徴である減速制御中のホール素子信号の切り替えについて説明する。時刻t5からt6の間は、ホール素子信号H2を基準としてA相駆動パルス信号を生成している。この間、A相駆動パルス信号を生成するための基準としていないホール素子信号H1に対するA相駆動パルス信号の遅延角である遅延角TH1及びTL1を監視し、遅延角TH1が最後に切替履歴に保存された遅延角である切替履歴(2)(TH1)より大きくなるか、または、遅延角TL1が切替履歴(2)(TL1)より大きくなったタイミングでホール素子信号をH2からH1に切り替える。時刻t6からt7の間は、ホール素子信号H1を基準としてA相駆動パルス信号を生成する。この間、A相駆動パルス信号を生成するための基準としていないホール素子信号H2に対するA相駆動パルス信号の遅延角である遅延角TH2及びTL2を監視し、遅延角TH2が最後から2番目に切替履歴に保存された遅延角である切替履歴(1)(TH2)より大きくなるか、または、遅延角TL2が切替履歴(1)(TL2)より大きくなったタイミングでホール素子信号をH1からH2に切り替える。つまり、実施例3のブラシレスモードの減速制御においては、駆動パルス信号生成の基準としていないホール素子信号と駆動パルス信号との遅延角が、記憶されている所定の遅延角以上となったら、ホール素子信号を切り替える。時刻t7の時点で、加速駆動中の2回のホール素子信号の切り替えに対応する減速駆動中の2回のホール素子信号の切り替えが実施されたので、これ以上はホール素子信号を切り替えることなく、所定の周期に達した時点(t8)でパルスモードに移行し、所定の駆動パルス数に達したら駆動を停止する。
図23に、本実施例におけるブラシレスモードの減速制御で、ホール素子信号切り替え時のA相及びB相駆動パルス信号とホール素子信号H1、H2の波形を示す。説明の簡単化のために、ここでは、ホール素子信号H2を基準としてA相駆動信号を生成している場合を例示して説明する。また、前提として、加速制御時には、図21に示したように2回のホール素子信号の切り替えがあったものとして説明を進める。
ホール素子信号H2の極性変化時に対するA相駆動パルス信号の遅延量から電気角データとして取得した立ち上がり遅延角TH2及び立ち下がり遅延角TL2に、遅延角操作部9で所定値ΔT2を加算した値を遅延角として、駆動パルス信号を生成する。この遅延角操作を進めていき、他方のホール素子信号H1の極性変化時に対するA相駆動パルス信号の遅延量から取得した立ち上がり遅延角TH1、立ち下がり遅延角TL1が、ブラシレスモードでの加速制御時に、2回目のホール素子信号の切り替え時に保存したホール素子信号の遅延角である切替履歴(2)(TH1)、または、切替履歴(2)(TL1)に対して、
切替履歴(2)(TH1)≦TH1、または。切替履歴(2)(TL1)≦TL1
となったとき、A相駆動パルス信号生成の基準とするホール素子信号をH2からH1へと切り替える。
基準とするホール素子信号の切り替え直前の、切り替え先のホール素子信号H1を基準としたA相駆動パルス信号との立ち上がり遅延角TH1、及び立ち下がり遅延角TL1を、ホール素子切り替え後の初期遅延角とする。ホール素子信号切り替え後での、駆動パルス信号とホール素子信号のそれぞれの極性変化と遅延角TH1、TL1との対応は、上記の図17で説明した対応と同様であり、ホール素子切り替えで比較されたエッジと遅延角が対応する。
このとき、移行時に切り替え直前の遅延角に対して所定値ΔT2を加算して得られた値をホール素子切り替え後の初期遅延角として移行してもよい。また、ホール素子信号の切り替え前は、A−B−相とA+B+相で励磁されているときのホール素子信号の極性変化をもとに駆動パルス信号を生成していたが、ホール素子信号の切り替え後は、A−B+相とA+B−相で励磁されているときのホール素子信号の極性変化をもとに駆動パルス信号を生成することになる。このため、図8で示したように無励磁状態に対する誤差量が変わってしまうが、ステップ毎に遅延角を取得、更新するフィードバック制御を行い、かつ遅延角をホール素子信号の極性状態で区別して取扱う制御をしているためホール素子切り替え前と同様に誤差量を吸収した制御が可能となっている。ホール素子信号切り替え前と同様に、新たに取得した遅延角TH1及び遅延角TL1に所定値ΔT2を加算していく遅延角操作を行うことで減速制御を行う。
その後、前記と同様に遅延角操作を進めていき、他方のホール素子信号H2の極性変化時に対するA相駆動パルス信号の遅延角が加速制御で保持していたブラシレスモード加速制御の1回目のホール素子信号切り替え遅延角と等しくなったとき、A相駆動パルス信号生成の基準とするホール素子信号をH1からH2へと切り替える。
加速駆動時のホール素子信号の切り替えがn回実施されていた場合には、減速処理中に所定の周期に達しなければ、同様のホール素子信号の切り替えをn回実施する。
以上の遅延角操作とホール素子信号切り替えを、B相駆動パルス信号生成の場合も同様にホール素子信号の切り替えを繰り返し行い、ブラシレスモードからパルスモードへの切り替え速度まで到達させることでブラシレスモードの減速制御を行う。
本実施例の、減速制御に移行して駆動停止するまでの制御(モータ減速駆動3)についてのフローチャートを図24に示す。
ステップS601において、加速駆動時に行なわれたホール素子信号の切り替え回数nを取得し、ステップS301に進む。ステップS301からS303までは、図18で説明した実施例2における減速駆動の制御フローと同様であるので、説明を省略する。
ステップS303において、所定の周期に達していないと判断した場合は、ステップS602に進み、切替履歴のインデックスnが0かどうかを判断し、0である場合は、ホール素子信号は切り替えないので、そのままステップS301に戻り減速駆動を続ける。ステップS602で、切替履歴のインデックスnが0でない場合はステップS603に進む。
ステップS603では、ステップS302で取得した、現在で駆動パルス信号の生成の基準とされていないホール素子信号に対する駆動パルス信号の遅延角A(立ち上げ遅延角TH)が加速駆動時のn回目のホール素子信号の切り替え時に保存された立ち上げ遅延角THより大きい場合は、または、遅延角A(立ち下げ遅延角TL)が加速駆動時のn回目のホール素子信号の切り替え時に保存された立ち下げ遅延角TLより大きい場合は、ステップS305に進み、ホール素子信号を切替える。ステップS305で、ホール素子信号を切替えた後は、ステップS604に進み、nにn−1を代入して、ステップS301に戻り、減速駆動を続ける。
ステップS603の条件を満たさない場合は、ステップS301に戻り、減速駆動を続ける。
本実施例のモータの駆動の制御方法により、モータの個体差やセンサ検出値のばらつきに影響を受けることなく、コイル励磁によるホール素子信号の出力誤差の影響も吸収できる。つまり、ホール素子信号の立ち上がり時、立ち下がり時の誤差量の差異から生まれる駆動パルス信号の位相ズレを抑えることが出来、スムーズなモード移行を実現し、安定したモータの駆動を実現することができる。
次に、前述のモータ制御装置をカメラとカメラに対し着脱可能なレンズから構成したカメラシステムに適用した構成例を記載する。
図25に、カメラ本体101及び、交換レンズ102を含むカメラシステムのブロック図を示す。
カメラ本体101内には、電気回路部103があり、電気回路部103は交換レンズ102を通ってきた光の量を測定するための測光部104、フィルム面上から、被写体までの距離を測定するための測距部105、フィルムを適当な時間露光するためのシャッター106、フィルムの巻き上げ、巻き戻しを行うための給送チャージ系107、これらのカメラ内の制御を行うカメラ本体内CPU108、交換レンズ102とのシリアル通信を行うための通信手段109を含む。さらに、カメラ本体101内には電源110も含まれる。
また、交換レンズ102内には、光軸方向に可動であるフォーカスレンズ111、光軸方向に可動であるズームレンズ112、絞り113、ズームレンズ112の位置を検出するためのズーム位置検出用ブラシ114、フォーカスレンズ111の位置を検出するためのエンコーダ115、電気回路部116を含む。電気回路部116内には、カメラ本体101との間でシリアル通信を行うための通信手段117、交換レンズ102内の制御を行うレンズ内CPU118、モータドライバ119、フォーカスレンズ111を駆動するためのレンズ駆動用モータ120、絞りの駆動制御を行うための絞り制御部121、絞りを駆動するための絞り駆動用モータ122が含まれる。
レンズ内CPU118には遅延角操作を行う制御部を内蔵しており、フォーカスレンズ111を駆動するためのレンズ駆動用モータ120のホール素子信号出力と駆動パルス信号が入力されている。遅延角操作部でホール素子信号の極性の変化で区別して演算された駆動パルス信号をモータドライバ119に送り、その駆動パルス信号でレンズ駆動用モータ120を駆動させる。
この構成を有することにより、モータの個体差、コイル励磁のホール素子への影響の個体差等が存在する場合であっても、モータの駆動速度ムラを低減でき、フォーカスレンズ111を安定して高精度に駆動させることが可能となる。
1・・・ステッピングモータ
2・・・マグネット
3・・・ロータ
4a・・・第1のコイル
4b・・・第2のコイル
5a・・・第1のヨーク
5b・・・第2のヨーク
6・・・磁気センサ
6a・・・第1の感磁極
6b・・・第2の感磁極
9・・・遅延角操作部
10・・・駆動パルス出力処理部
12・・・モータドライバ

Claims (8)

  1. 周方向に多極に磁化された永久磁石を有するロータと、2つのコイルを有するステータと、該2つのコイルの励磁を独立して制御する制御手段を有する、モータであって、
    該ステータは、該2つのコイルの一方により励磁される第1のヨークと、該2つのコイルの他方により励磁される第2のヨークと、該ロータの回転に伴う該永久磁石による磁束の極性変化を検出する第1及び第2の検出手段と、を有し、
    該第1のヨークは、電気角360度ごとにステータ周方向の中心が位置する複数の磁極歯を有し、該第2のヨークは、該第1のヨークの該磁極歯のステータ周方向の中心に対し電気角で同じ方向に90度の位置に周方向の中心が位置する複数の磁極歯を有し、
    該第1の検出手段は、該第1のヨークの該磁極歯の一つと周方向の中心が同じ位置になるように配置され、該第2の検出手段は、該第2のヨークの該磁極歯の一つと周方向の中心が同じ位置になるように配置され、
    該制御手段は、
    各該コイルの励磁を切り替えるために使用する励磁切り替え信号を生成する切り替え信号生成部と、
    該励磁切り替え信号に基づいて対応する該コイルを励磁する励磁部と、
    各該コイルに対応する該励磁切り替え信号を生成するたびに、
    該第1の検出手段が検出した第1の検出信号の直近の極性変化時を基準とする該励磁切り替え信号の遅延量である第1の遅延角、及び、
    該第2の検出手段が検出した第2の検出信号の直近の極性変化時を基準とする該励磁切り替え信号の遅延量である第2の遅延角、
    を取得する遅延角取得部と、
    を有し、
    該切り替え信号生成部は、該第1の検出信号に対して該第1の遅延角を用いて、または、該第2の検出信号に対して該第2の遅延角を用いて、該励磁切り替え信号を生成する、
    ことを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータの駆動制御方法であって、
    前記各コイルの励磁切り替え信号を生成するたびに、前記第1の検出手段の検出に基づく第1の検出信号の直近の極性変化時を基準とする該励磁切り替え信号の遅延量である第1の遅延角、及び、前記第2の検出手段の検出に基づく第2の検出信号の直近の極性変化時を基準とする該励磁切り替え信号の遅延量である第2の遅延角、を取得し、該第1の検出信号に対して該第1の遅延角を用いて、または、該第2の検出信号に対して該第2の遅延角を用いて、励磁切り替え信号を生成し、該励磁切り替え信号に基づいて対応するコイルを励磁してモータを駆動する、
    ことを特徴とするモータの駆動制御方法。
  3. 前記第1の遅延角は、前記第1の検出信号の一方の極性変化時を基準とする遅延角である第1の立ち上がり遅延角と他方の極性変化時を基準とする遅延量である第1の立ち下がり遅延角とからなり、
    前記第2の遅延角は、前記第2の検出信号の一方の極性変化時を基準とする遅延量である第2の立ち上がり遅延角と他方の極性変化時を基準とする遅延量である第2の立ち下がり遅延角とからなり、
    前記第1の検出信号を基準として前記励磁切り替え信号を生成する場合は、該第1の立ち上がり遅延角と該第1の立ち下がり遅延角を交互に用いて該励磁切り替え信号を生成し、また、前記第2の検出信号を基準として該励磁切り替え信号を生成する場合は、該第2の立ち上がり遅延角と該第2の立ち下がり遅延角を交互に用いて該励磁切り替え信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のモータの駆動制御方法。
  4. モータを加速する場合は、前記第1又は第2の遅延角から所定値ΔT1を減算した値を該第1又は第2の遅延角として励磁切り替え信号を生成させ、
    モータを減速する場合は、取得した該第1又は第2の遅延角に所定値ΔT2を加算した値を該第1又は第2の遅延角として励磁切り替え信号を生成させる、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のモータの駆動制御方法。
  5. モータの加速駆動中、前記励磁切り替え信号を生成するために使用している前記第1または第2の遅延角が所定の下限値Tmin以下である場合は、励磁切り替え信号を生成するために基準とする検出信号を、前記第1の検出信号と前記第2の検出信号との間で切り替え、
    モータの減速駆動中、前記励磁切り替え信号を生成するために使用している前記第1または第2の遅延角が所定の上限値Tmax以上である場合は、励磁切り替え信号を生成するために基準とする検出信号を、前記第1の検出信号と前記第2の検出信号との間で切り替える、
    ことを特徴とする請求項4に記載のモータの駆動制御方法。
  6. モータの加速駆動中、前記励磁切り替え信号を生成するために使用している前記第1又は第2の遅延角が所定の下限値Tmin以下である場合、前記励磁切り替え信号を生成するために基準とする検出信号を、前記第1の検出信号と前記第2の検出信号との間で切り替え、
    モータの減速駆動中、励磁切り替え信号を生成するために使用している検出信号に対する該励磁切り替え信号の遅延量である遅延角B、及び、該励磁切り替え信号を生成するための基準としていない検出信号に対する該励磁切り替え信号の遅延量である遅延角Aが、所定の下限値Tminに対して、
    下限値Tmin<遅延角A<遅延角B
    である場合は、励磁切り替え信号を生成するために基準とする検出信号を、該第1の検出信号と該第2の検出信号との間で切り替える、
    ことを特徴とする請求項4に記載のモータの駆動制御方法。
  7. モータの加速駆動中、前記励磁切り替え信号を生成するために使用している前記第1又は第2の遅延角が所定の下限値Tmin以下である場合、励磁切り替え信号を生成するために基準とする検出信号を前記第1の検出信号と前記第2の検出信号との間で切り替え、該切り替え前の、励磁切り替え信号を生成するために基準としていた検出信号の立ち上がり遅延角と立ち下がり遅延角を、加速駆動中のn回目の切り替えの履歴(切替履歴(n))として保存し、
    モータの減速駆動中、励磁切り替え信号を生成するための基準としていない検出信号に対する励磁切り替え信号の遅延量である立ち上がり遅延角または立ち下がり遅延角が、
    立ち上がり遅延角>切替履歴(n)の立ち上がり遅延角
    または、
    立ち下がり遅延角>切替履歴(n)の立ち下がり遅延角
    のいずれかを満たす場合には、励磁切り替え信号を生成するために基準とする検出信号を、該第1の検出信号と該第2の検出信号との間で切り替えるとともに、減速駆動中に検出信号を切り替えるごとにnにn−1を代入し、n=0となるかまたは所定の速度まで減速されるまで同様の検出信号の切り替えを行う、
    ことを特徴とする請求項4に記載のモータの駆動制御方法。
  8. 可動であるレンズ、該レンズを駆動する請求項1に記載のモータ、該モータの駆動を制御するCPUを有する、レンズ装置。
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