JP5511280B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、転写ベルトを用いた二次転写部で中間転写ベルトから記録材へトナー像を転写する画像形成装置、詳しくは転写ベルトに対する薄記録材の分離性を高める構造に関する。
転写ベルトに担持させた記録材にトナー像を転写させる画像形成装置が実用化されている(特許文献1、特許文献2)。
特許文献1には、転写ベルトに担持させた記録材に感光ドラムからトナー像を転写して重ね合わせる記録材搬送ベルト方式の画像形成装置が示される。
特許文献2には、転写ベルトを用いた二次転写部で中間転写ベルトから記録材へトナー像を転写する画像形成装置が実用化されている。ここでは、転写ベルトと中間転写ベルトとを当接させて中間転写ベルトの回転方向に連続した当接部を形成している。そして、転写ベルトと中間転写ベルトとを加圧して記録材のニップを開始させる第1の加圧機構(ローラ対)の下流側に、トナー像を転写させるために転写電圧が印加される第2の加圧機構(電極対)が配置されている。
これらの先行技術では、転写ベルトに記録材を吸着させることで、薄記録材、布といった剛性の低い記録材に対しても、しわや変形を形成することなく安定して転写部を通過させることができる。そして、トナー像の転写後、記録材を転写ベルトに吸着させた状態で中間転写ベルトから強制的に分離できるため、中間転写ベルトに記録材が連れ回ってジャムを引き起すことを回避できる。
特開2004−133419号公報 特開2008−139722号公報
特許文献2に示される画像形成装置は、転写ベルトを用いて効率的に中間転写ベルトから記録材を分離できるが、その後、転写ベルトから記録材を分離する必要がある。転写ベルトから記録材を分離できない場合、記録材が転写ベルトに連れ回ってジャムを引き起すからである。
一般的には、分離部の支持ローラ径を小さくする等、転写ベルト機構を記録材の分離に最適化できるので、転写ベルトから記録材を分離することは、中間転写ベルトから分離するほどには困難ではない。
しかし、極端に薄くて剛性が低い薄紙や静電気を帯び易い樹脂フィルムの場合、転写ベルトから記録材を分離することは容易ではなくなり、記録材のジャムが発生する可能性が高くなる。
そこで、転写ベルトからの分離部に分離爪やコロナ除電器を配置することが提案されているが、接触や除電を通じて、記録材にしわや変形が発生したり、未定着のトナー画像が乱れたりする可能性がある。
本発明は、剛性が低い薄紙や静電気を帯び易い樹脂フィルムでも、記録材の表面やトナー画像を損なうことなく、転写ベルトから記録材を容易に分離できる画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、トナー像を担持する中間転写ベルトと、記録材を担持する転写ベルトとを備え、前記中間転写ベルトと前記転写ベルトとが前記中間転写ベルトの回転方向に沿って当接面を形成するものである。そして、前記中間転写ベルトと前記転写ベルトとを介して互いのニップ領域が重なるように前記中間転写ベルトの内側と前記転写ベルトの内側にそれぞれ配置され、前記当接面の前記回転方向上流側部分で互いの間を加圧するとともに電界を印加可能な第1の加圧電極対と、前記中間転写ベルトと前記転写ベルトとを介して互いのニップ領域が重なるように前記中間転写ベルトの内側と前記転写ベルトの内側にそれぞれ配置され、前記当接面の前記回転方向下流側部分で互いの間を加圧するとともに電界を印加可能な第2の加圧電極対と、を備え、記録材の剛性が所定の剛性より低い場合には、前記第1の加圧電極対に前記中間転写ベルトから記録材へトナーが転写する方向の電界を印加するとともに前記第2の加圧電極対のそれぞれを接地電位に設定する第1の転写モードを実行し、記録材の剛性が所定の剛性以上の場合には、前記第2の加圧電極対に前記中間転写ベルトから記録材へトナーが転写する方向の電界を印加するとともに前記第1の加圧電極対のそれぞれを接地電位に設定する第2の転写モードを実行する実行部を有する。
本発明の画像形成装置では、第1の転写モードを実行することで、連続した当接部の上流側でトナー像を中間転写ベルトから転写した際に注入されて残留した余分な電荷を、連続した当接部の下流側で電気的に相殺できる。中間転写ベルトと転写ベルトとで記録材を挟み込んだ状態で、中間転写ベルトと転写ベルトを介して記録材の両面を外側で電気的に接続して同電位に誘導する。
このため、記録材には、トナーを引き付けるために必要とする以上の電荷が過剰には残留しなくなり、記録材と転写ベルトの分離を妨げる電気的な吸着力が減る。従って、剛性が低い薄紙や静電気を帯び易い樹脂フィルムでも、記録材の表面やトナー画像を損なうことなく、転写ベルトから記録材を容易に分離できる。
画像形成装置の構成の説明図である。 上流側転写部へ進入する前のトナー像の周りの電荷状態の説明図である。 上流側転写部へ進入した直後のトナー像の周りの電荷状態の説明図である。 トナー像の転写に伴う電荷移動の説明図である。 トナー像の転写に伴う中間転写ベルトとトナー像の静電吸着力の変化の説明図である。 分離爪の効果の説明図である。 分離用コロナ除電器の効果の説明図である。 下流転写部における除電の説明図である。 実施例3における画像形成装置の構成の説明図である。 第1の転写モードと第2の転写モードの説明図である。 実施例3の制御のフローチャートである。 実施例4における当接部の構成の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、トナー像の二次転写後に中間転写ベルトと転写ベルトとの間で記録材が除電される限りにおいて、実施形態の構成の一部又は全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、中間転写ベルトから転写ベルトに担持された記録材へトナー像を転写する画像形成装置であれば、タンデム型/1ドラム型の区別無く実施できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1、2に示される画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<実施例1>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト6に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部PY、PM、PC、PKを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部PYでは、感光ドラム1Yにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト6に一次転写される。画像形成部PMでは、感光ドラム1Mにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト6のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部PC、PKでは、それぞれ感光ドラム1C、1Kにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて同様に中間転写ベルト6に順次重ねて一次転写される。
中間転写ベルト6に一次転写された四色のトナー像は、二次転写部である上流転写部N1へ搬送されて、転写ベルト24に担持された記録材Pへ一括二次転写される。四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置13で加熱加圧を受けて、表面にトナー像を定着された後に、機体外部へ排出される。
記録材カセット14からスタート信号に基づいて引き出された記録材Pは、分離ローラ15で1枚ずつに分離して、レジストローラ8へ送り出される。レジストローラ8は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、中間転写ベルト6のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを転写ベルト24へ送り込む。
レジストローラ8で搬送された記録材Pは、転写ベルト24と吸着バイアスが印加された吸着ローラ28とに狭持されることで転写ベルト24に吸着される。中間転写ベルト6上のトナー像の先端部が上流転写部N1に到達するタイミングと同期するように、レジストローラ8で記録材Pの搬送を制御して記録材Pを送っていく。
ベルトクリーニング装置12は、中間転写ベルト6にクリーニングブレードを摺擦させて、記録材Pへの転写を逃れて当接部T2を通過して中間転写ベルト6に残った転写残トナーを回収する。
定着装置13は、定着ローラ13aと加圧ローラ13bとを圧接しながら回転させるヒートローラ定着装置である。定着ローラ13aの内部には、ハロゲンランプヒータ13cが配設され、ハロゲンランプヒータ13cへの印加電圧を制御することにより、定着ローラ13aの表面を所定の定着温度に維持する温調制御を行っている。記録材Pは、定着ローラ13aと加圧ローラ13bの圧接部に導入されて挟持搬送される過程で、記録材P上の各色トナー像のトナーが溶融混色してフルカラー画像を定着される。
画像形成部PY、PM、PC、PKは、現像装置4Y、4M、4C、4Kで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、実質的に同一に構成される。以下では、画像形成部PYについて説明し、他の画像形成部PM、PC、PKについては、説明中の構成部材に付した符号の末尾のYをM、C、Kに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部PYは、感光ドラム1Yの周囲に、コロナ帯電器2Y、露光装置3Y、現像装置4Y、一次転写ローラ5Y、クリーニング装置11Yを配置している。感光ドラム1Yは、アルミニウムシリンダの円筒状の外周面に負極性の帯電極性を持つ感光層を形成しており、250〜300mm/secのプロセススピードで矢印R1方向に回転する。コロナ帯電器2Yは、コロナ放電に伴う荷電粒子を感光ドラム1Yに照射して、感光ドラム1Yの表面を一様な負極性の暗部電位VDに帯電させる。
露光装置(レーザビームスキャナ)3Yは、イエローの分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査する。暗部電位VDに帯電した感光ドラム1Yの表面電位が露光を受けて明部電位VLに電位低下することで、感光ドラム1Yに画像の静電像が書き込まれる。露光装置3Yは、不図示のイメージスキャナ、コンピュータ等の外部機器から入力される画像情報に対応してON−OFF変調したレーザ光を出力して、感光ドラム1上の帯電処理面を走査露光する。この走査露光により感光ドラム1面上に目的の画像情報に応じた静電潜像が形成される。
現像装置4Yは、イエローのトナー(非磁性)とキャリア(磁性)を含む二成分現像剤を帯電させて現像スリーブに担持させる。負極性の直流電圧Vdcに交流電圧を重畳した振動電圧を現像スリーブに印加することで、相対的に正極性になった感光ドラム1Yの明部電位VLの部分へトナーが移転して静電像が反転現像される。
一次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト6に対して所定の押圧力で圧接し、中間転写ベルト6の回転に従動して回転する。一次転写ローラ5Yは、正極性の直流電圧V1を印加されることで、感光ドラム1Yに担持されたトナー像を中間転写ベルト6へ一次転写する。
クリーニング装置11Yは、感光ドラム1Yにクリーニングブレードを摺擦させて、中間転写ベルト6への転写を逃れて感光ドラム1Yに残った転写残トナーを回収する。
<連続した当接部>
中間転写ベルト6は、テンションローラ22、駆動ローラ20、及び対向ローラ21、23に掛け渡して支持され、駆動ローラ20に駆動されて、250〜300mm/secのプロセススピードで矢印R2方向に回転する。中間転写ベルト6は、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂又は各種ゴム等に帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させて体積抵抗率を1×10〜1×1014[Ω・cm]に調整している。中間転写ベルト6は、回転方向の長さが1148mm、回転方向に直角な幅方向の長さが360mm、厚みが0.07〜0.1[mm]である。
転写ベルト24(記録材担持体)は、張架ローラ25、駆動ローラ26、及びテンションローラ27に張架され、駆動ローラ26に駆動されて矢印R3方向へ250〜300mm/secで回転する。駆動ローラ26は、転写ベルト24を鋭角的に折り返して、記録材Pを曲率分離する湾曲面を形成する分離ローラを兼ねている。
転写ベルト24は、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂又は各種ゴム等に帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させて体積抵抗率を1×10〜1×1014[Ω・cm]に調整している。転写ベルト24は、回転方向の長さが352mm、回転方向に直角な幅方向の長さが376mm、厚みが0.07〜0.1[mm]である。
吸着ローラ28は、転写ベルト24の内側に配置された内ローラ28aと外側に配置された外ローラ28bの一対で構成される。転写ベルト24に供給された記録材Pが吸着ローラ28によって狭持搬送される際に、内ローラ28bに、吸着バイアス電源30により−15〜−30μAで定電流制御された吸着バイアスを印加する。これにより、記録材Pが転写ベルト24に静電吸着する。
内ローラ28bは、吸着バイアス電源30に接続された芯金の外周にイオン導電系ソリッドゴム(NBRゴム)の弾性層を被せた外径φ18mmのゴムローラである。抵抗値は、常温常湿環境[N/N:23℃、50%RH]にて50Vを印加して測定したところ、1×10〜1×10[Ω]であった。
外ローラ28aは、直径φ8mmの芯金の外周に毛長5mmの導電性ナイロン繊維を植毛した外径18mmのファーブラシローラであって、転写ベルト24に対して1.5〜2mm侵入している。抵抗値は、常温常湿環境[N/N:23℃、50%RH]にて100Vを印加して測定したところ、1×10〜1×10Ωであった。
トナー像を担持する中間転写ベルト6と記録材Pを担持する転写ベルト24とが当接して中間転写ベルト6の回転方向に連続した長さLの当接部T2(転写ニップ領域)を形成する。対向ローラ21と二次転写ローラ9と高圧電源41は、第1の加圧電極対を構成しており、連続した当接部T2の上流側部分である上流転写部N1を加圧するとともに、上流側の高圧電源41によって転写電圧を印加可能である。対向ローラ23と二次転写ローラ10は、第2の加圧電極対を構成しており、連続した当接部T2の下流側部分である下流転写部N2を加圧する。また、下流側の高圧電源42によって下流転写部N2に転写電圧を印加可能である。二次転写ローラ9は、第1の転写ローラに対応し、二次転写ローラ10は、第2の転写ローラに対応している。
電源手段の一例である高圧電源41、42は、転写ベルト24の内側面を押圧する二次転写ローラ9、10に対して、それぞれ可変の転写電圧を出力可能であり、それぞれ接地電位への接続も可能である。対向ローラ21、23は接地電位に接続されている。
二次転写ローラ9、10は、いずれも芯金の外周面にイオン導電系発泡ゴム(NBRゴム)の弾性層を被せて外径が24mmに構成され、表面粗さRz=6.0〜12.0(μm)である。抵抗値は、常温常湿環境[N/N:23℃、50%RH]にて2kVを印加して測定したところ、1×10〜1×10Ωであった。
画像形成装置100には、第1の転写モード(薄紙モード)が設定されている。第1の転写モードでは、高圧電源41が第1の加圧電極対(9)に転写電圧を印加するとともに、高圧電源42が第2の加圧電極対(10、23)を接地電位に接続する。高圧電源41は、第1の転写モードでは、上流側の二次転写ローラ9に+30〜+40μAの電流を流して、中間転写ベルト6上のトナー像を記録材Pに転写させる。このとき、高圧電源42は、下流側の二次転写ローラ10を対向ローラ23と同様に接地電位に落とすことによって、転写ベルト24の電荷を除去する。
画像形成装置100には、第2の転写モード(厚紙モード)も設定可能である。第2の転写モードでは、上流側の二次転写ローラ9は接地電位に落とされて、上流転写部N1の上流側で中間転写ベルト6と記録材Pとの間に大きな電界が形成されないように電界を規制している。このとき、高圧電源42は、下流側の二次転写ローラ10に+30〜+40μAの電流を流して、中間転写ベルト6上のトナー像を記録材Pに転写させる。
その後、トナー像が転写された記録材Pは、連続した当接部T2を抜けて中間転写ベルト6から分離され、駆動ローラ26へ搬送されて、駆動ローラ26に沿った湾曲面で転写ベルト24から曲率分離される。このとき、駆動ローラ26の位置で分離爪29も利用して転写ベルト24から記録材Pを分離して、定着装置13に送り込む。
<記録材と転写ベルトの静電吸着>
図2は上流側転写部へ進入する前のトナー像の周りの電荷状態の説明図である。図3は上流側転写部へ進入した直後のトナー像の周りの電荷状態の説明図である。図4はトナー像の転写に伴う電荷移動の説明図である。図5はトナー像の転写に伴う中間転写ベルトとトナー像の静電吸着力の変化の説明図である。図6は分離爪の効果の説明図である。図7は分離用コロナ除電器の効果の説明図である。
図2の(a)に示すように、記録材Pに転写する前の中間転写ベルト6上には、負に帯電されたトナー像が載っている。破線部分を拡大して図2の(b)に示す。図2の(b)に示すように、中間転写ベルト6上には、トナー像を模式的に表したマイナス電荷が3個存在する。これに対して、トナー像を中間転写ベルト6に引き付ける力を発生する電荷として、中間転写ベルト6には、トナー3個分のプラスの注入電荷と、トナー像が持つ電荷によって、中間転写ベルト表面に形成されたトナー3個分の鏡映電荷が存在している。トナー3個分のプラスの注入電荷は、一次転写部でトナー像を感光ドラム1Yから中間転写ベルト6に転写するために供給された電荷であって、トナー像のマイナス電荷量と同じ量となっている。
なお、ここで出てきた鏡映電荷の量はあくまで模式的に説明するためのものであり、実際の機械においてトナー像の電荷に対する鏡映電荷量の比は違ったものになっている場合がある。
図3の(a)に示すように、その後、中間転写ベルト6上のトナー像および記録材Pが上流転写部N1へ搬送されてニップされる。破線部分を拡大して図3の(b)に示す。図3の(b)に示すように、上流転写部N1にて、二次転写ローラ9にトナー像を記録材Pへ転写させるバイアスを印加すると、転写ベルト24を通して、記録材Pには、トナーと逆極性の正の注入電荷が供給される。このとき、対向ローラ21は接地電位に落とされているため、上流側二次転写ローラ9で供給されたのと同じ量のマイナスの注入電荷が中間転写ベルト6へ供給されるといった電荷の流れが対向ローラ21に形成される。
図4の(a)に示すように、中間転写ベルト6上のトナー像は、一次転写部で供給された注入電荷と鏡映電荷との両方によって中間転写ベルト6上に吸着されている。このため、図4の(b)に示すように、中間転写ベルト6に吸着されたトナー像は、一次転写部で供給された注入電荷と鏡映電荷の両方を相殺されて始めて中間転写ベルト6から離れて記録材P側へ転写する。
最初、図4の(a)で示される転写前の状態では、トナー像を模式的に示したマイナス電荷が3つ存在する。そして、これらのトナーにはそれぞれ、注入電荷と鏡映電荷が働いている。この状態で、上流側の二次転写ローラ9によって、トナー2個分のプラス電荷を供給すると、対向ローラ21からは、同じ量のトナー2個分のマイナスの電荷が供給される。この2個分のマイナス電荷によって、トナー像を中間転写ベルト6上に吸着していたプラスの注入と鏡映電荷が静電的にキャンセルされてなくなり、図8の(b)に示すように、トナー1個が中間転写ベルト6から記録材Pへ転写される。
このように、二次転写ローラ9からプラスの注入電荷が記録材Pに供給されることで、中間転写ベルト6上に影響を及ぼす電荷量が変わるため、中間転写ベルト6上の鏡映電荷量が変化する現象が生じる。
図5の(a)に示すように、記録材P側にプラスの注入電荷が供給されていないときには、中間転写ベルト6の表面に影響を及ぼす電荷量がQ1である。トナー像を中間転写ベルト6上から記録材P側へ転写するために、記録材P側にプラスの注入電荷が供給されているとき、図5の(b)に示すように、中間転写ベルト6の表面に影響を及ぼす電荷量がQ2に減少する。記録材P側にプラスの注入電荷が供給されている状態では、記録材P側からトナーの電荷量をキャンセルするような電荷が存在するため、中間転写ベルト6表面に影響を及ぼす電荷量Q2は、当初のQ1に比べて小さくなる。
図3の(b)に示すように、中間転写ベルト6上のトナー像を記録材P側へ全て転写させた時点では、トナー像を記録材Pへ担持させて中間転写ベルト6へ再び戻らないように転写に必要とする以上の注入電荷が記録材Pに供給されている。中間転写ベルト6上には、トナー像を模式的に示したマイナス電荷3つに対して、記録材P上にはトナー6個分のプラスの注入電荷が存在している。
なお、トナー像のマイナス電荷に対して、過剰に供給された正の注入電荷とバランスをとるような形で、中間転写ベルト6の表面上には、対向ローラ21から供給されたマイナス注入電荷がトナー3個分存在している。
このように、記録材Pへプラスの電荷量が過剰に供給された状態では、記録材Pと転写ベルト24との間の静電吸着力が必要以上に増えた状態になっている。このため、連続した当接部T2を通過した後の駆動ローラ26における記録材Pの転写ベルト24からの曲率分離が不利になっている。
図6の(a)に示すように、記録材Pの剛性が高ければ、転写ベルト24に静電吸着された記録材Pが転写ベルト24の駆動ローラ26の湾曲面で先端が曲率分離するので、記録材Pを分離爪29に引っ掛ける形で分離を補助できる。しかし、図6の(b)に示すように、記録材Pの剛性が極端に低いと、駆動ローラ26の湾曲面で先端の曲率分離が起きないため、記録材Pが転写ベルト24に貼り付いたままとなり、分離爪29によって分離を補助できない。例えば、坪量が40g/m以下の薄紙の場合、記録材Pの剛性が極端に低くなって、分離爪29を設けても転写ベルト24からの分離が困難になる。
このため、転写ベルト24からの分離性を考えると、図3の(b)に示される過剰な電荷を記録材Pから除去して、記録材Pと転写ベルト24との静電吸着力を下げてやることが望ましい。
そこで、図7の(a)に示すように、未定着トナーが載せられている記録材Pの表面の上に分離用コロナ除電器35(又は除電針等の分離補助手段)を設けることが提案された。分離用コロナ除電器35から荷電粒子を照射して、転写ベルト24に吸着された状態で当接部T2を通過した記録材Pから電荷を除去することにより、転写ベルト24に対する記録材Pの静電吸着力を低減する。転写ベルト24と記録材Pの静電吸着力を低減させることで、剛性が低い記録材Pでも、駆動ローラ26の湾曲面で記録材Pの先端が曲率分離される。先端さえ曲率分離すれば、分離爪29による再吸着防止効果が期待できるため、転写ベルト24から記録材Pの分離を確実に行うことが可能になる。
しかし、分離用コロナ除電器35(又は除電針)のような放電によって電荷を除去する分離補助手段は、その放電によって未定着のトナー像が乱れて画像不良を発生する可能性がある。放電によってトナーや転写ベルト24の電荷が局所的に失われると、その部分だけトナー像が転写ベルト24に担持されなくなり、転写ベルト24上で飛び散る等、トナー再配置が起こってしまう。トナー像の表面との間に空隙がある状態で分離用コロナ除電器35が除電を行うと、放電現象によってトナー像を担持している電荷、もしくはトナー自身の電荷のランダムな消失が発生して、トナー像が乱れて出力画像の画質が損なわれてしまう。この現象は、転写ベルト24で薄紙を搬送する上での大きな課題となっていた。
このため、実施例1では、記録材Pの表面と中間転写ベルト6がまだ当接している下流転写部N2で接触式のゆるやかな除電を行う形をとっている。すなわち、第1の転写モードでは、上流側の二次転写ローラ9に転写バイアスを印加し、下流側の二次転写ローラ10で記録材Pを中間転写ベルト6に当接させた状態で除電する。これにより、トナー像を乱すことなく駆動ローラ26での分離性を高めることができる。
<転写ベルトと記録材の除電>
図8は下流転写部における除電の説明図である。図8の(a)に示すように、第2の加圧電極対(10、23)は、連続した当接部T2の下流側部分を加圧するとともに記録材Pを挟持した反対面を通じて中間転写ベルト6と転写ベルト24とを電気的に接続可能である。
下流転写部N2では、転写ベルト24と記録材Pとの間に過剰な静電吸着力を発生させている過剰な電荷が転写ベルト24と記録材Pの両方を通じて除電される。下流転写部N2では、下流側の二次転写ローラ10及び対向ローラ23が接地電位に接続されている。これによって、二次転写ローラ10及び対向ローラ23を通じて転写ベルト24及び中間転写ベルト6の過剰な電荷が除去されている。転写ベルト24及び中間転写ベルト6の過剰な電荷が除去されることで、ニップされた記録材Pにコンデンサ的に蓄積した過剰な電荷が転写ベルト24及び中間転写ベルト6を通じて効率的に除去されていく。
ここで、対向ローラ23を通じて中間転写ベルト6からマイナス電荷が除去されていく。しかし、除去される電荷は、概ね上流側の二次転写ローラ9で転写電圧を印加したときに対向ローラ21から供給されたマイナスの注入電荷に限られ、トナー像を記録材Pから中間転写ベルト6へ引き戻して再転写させるほどの強制的な電荷移動は発生しない。トナー像のマイナス電荷と、対向ローラ21から供給されたマイナスの注入電荷とを比較すると、トナー自身の重さのため、トナー像のマイナス電荷は、マイナスの注入電荷に比べて移動度が非常に小さいからである。
言い換えれば、記録材Pのプラス電荷は、移動度の小さいトナー像のマイナス電荷と引き合って除電を逃れるため、トナー像は記録材Pに担持されたままとなる。そして、二次転写ローラ10及び対向ローラ23を通じて除去されるのは、転写ベルト24、記録材P、及び中間転写ベルト6に残っていた電荷のうち、必要な電荷を除いた過剰部分の電荷にほぼ収まる。対向ローラ23方向へ動くマイナス電荷は、誘起マイナス電荷のものに限られ、トナー像は、記録材Pに担持されたままとなる。このため、トナー像の転写状態に影響を及ぼすことなく、転写ベルト24に対する記録材Pの過剰部分の静電吸着力を除去できる。
図8の(b)に示すように、除電された状態の下流転写部N2には、記録材P上にトナー像を模式的に示してマイナス電荷が3個、中間転写ベルト6中には弱くなったトナー1個分に相当する鏡映電荷が存在する。そして、記録材P中には、トナー像を引き付け、さらに鏡映電荷によってトナーを中間転写ベルト6上へ持って行かれないためのプラスの注入電荷として、トナー4個分のプラス電荷が存在する。そして、記録材Pと転写ベルト24との間の静電気吸着力は、トナー像4個分のプラスとマイナスによって生じる最小限のものとなっており、図3の(b)に示す上流転写部N1における静電吸着力よりも小さくなる。
実施例1の第1転写モードによれば、上流側の二次転写ローラ9により転写電圧を印加して、記録材Pにトナー像を転写した後も、記録材Pが、中間転写ベルト6と転写ベルト24とによってニップされ続ける。この状態で、下流側の二次転写ローラ10及び対向ローラ23を短絡させて接地電位に接続することによって、記録材Pと転写ベルト24とが除電される。記録材Pのトナー像がニップされた状態で除電するため、放電現象によるトナー画像の乱れを起こすことなく、記録材Pと転写ベルト24との間の過剰な電荷を除去できる。これによって、記録材Pと転写ベルト24との間の静電付着力を下げて転写ベルト24に対する記録材Pの分離性を向上させることと、除電しつつ搬送する過程での画像不良発生の防止を両立できる。
<実施例2>
実施例2では、実施例1の制御にプロセススピードの制御を付加している。プロセススピードを低下させることで、連続した当接部T2を通じた記録材Pの除電効果が高まるが、画像形成装置100の生産性は低下する。このため、実施例2では、記録材Pの坪量が所定の判断基準よりも低い場合にプロセススピードを低下させている。
図1に示す画像形成装置100において、記録材Pの過剰な電荷を十分に除去するためには、記録材Pを静電的に吸着している転写ベルト24の電荷を十分に除去する必要がある。転写ベルト24の物質の誘電率をεとし、体積低効率をρとすると、転写ベルト24の放電の時定数τは、次式で示される。
τb=ε × ρ ・・・式(1)
ここで、転写ベルトの誘電率をεb(F/m)ととし、転写ベルトの体積抵抗率をρb(Ωm)とする。また、転写ベルト24に対する二次転写ローラ9の接触位置(N1)から二次転写ローラ10の接触位置(N2)までの距離をL(mm)とし、転写ベルト24の回転速度(=記録材Pの搬送速度=プロセススピード)をV(mm/s)とする。このとき、転写ベルト24の電荷を十分に除去するためには、距離LをプロセススピードVで通過する時間τが、(1)式の放電の時定数τbより大きいことが望ましい。
εb × ρb ≦ L / V ・・・式(2)
画像形成装置(100)で使用している転写ベルト24は、体積抵抗率が1×10〜1010ΩCm、比誘電率が10〜100であり、上流転写部N1と下流転写部N2の間の距離Lは40mmである。なお、体積低効率及び比誘電率は、ソーラトロン社製のインピーダンスアナライザを用いて測定した。
そして、画像形成装置(100)のプロセススピードは250〜300mm/secであり、一番速いプロセススピード300mm/secを考えても、式(2)の関係を満たしている。このため、記録材Pが上流転写部N1から下流転写部N2へ移動する間に、転写ベルト24の過剰な電荷を除去可能である。
ところで、式(2)では、上流転写部N1と下流転写部N2との間の記録材Pの除電を転写ベルト24基準で考えた。しかし、一般的に、記録材Pは、体積抵抗率が転写ベルト24より高くて転写ベルト24より除電しにくい。このため、記録材Pの除電をより効果的に行うためには、上流転写部N1と下流転写部N2との間の距離LをプロセススピードVで通過する時間τが、記録材Pの時定数τpより大きいことが望ましい。
すなわち、記録材Pの誘電率をεp(F/m)、記録材Pの体積抵抗率をρp(Ωm)とするとき、記録材Pの放電の時定数を考えると、以下の関係式を満たすことが望ましい。
εp × ρp ≦ L / V ・・・式(3)
上記(2)、(3)式は、プロセススピードVに依存するため、実施例2の制御では、薄紙プリント時には、プロセススピードVを落とすことを行っている。すなわち、記録材Pの坪量が52g/m以上のときは、プロセススピードVを300mm/secとするが、坪量が52g/m以上のときは、プロセススピードVを100mm/secまで低下させる。
これによって、一般的な記録材Pの比誘電率は3であるが、体積抵抗率が1.2×1012Ωcmと高めの記録材Pまで、除電を十分に行うことが可能になる。
実施例2の制御によれば、上流転写部N1から下流転写部N2までの間に、転写ベルト24に与えられた過剰な電荷を十分に除去できるので、転写ベルト24に対する記録材Pの分離性を向上させることができる。また、上流転写部N1から下流転写部N2までの間に、記録材Pに与えられた過剰な電荷を十分に除去できるので、転写ベルト24に対する記録材Pの分離性をさらに向上させることができる。
また、図1に示すように、二次転写ローラ9、10はいずれも外径が24mmであり、距離Lは40mmであるから、二次転写ローラ9、10の対向距離Gは16mmである。二次転写ローラ9に印加される転写電圧は2〜4kV程度であり、最大電圧Vgは4kVである。そして、二次転写ローラ9、10にある電圧をかけたとき、リーク現象が起こらない電極間の対向距離G(mm)は、経験的に、印加電圧(kV)×3以上となっている。
このため、次式の関係が満たされて、リーク現象を防ぐために必要な電位差×3mm以上離れていれば、二次転写ローラ9、10の間で放電によるリークが生じることはない。距離Lが40mm程度あれば、転写電圧は、数kV程度であり、放電の影響が出る距離以上離れているため、二次転写ローラ9、10の対向距離Gで放電が生じて電源ノイズを発生することがない。
Vg × 3 ≦ G ・・・式(4)
実施例2でも、連続した当接部T2の下流転写部N2において中間転写ベルト6と転写ベルト24とで記録材Pをニップした状態で、転写ベルト24と記録材Pの過剰な電荷を除去する。このため、トナー像を放電により乱すことなく、転写ベルト24に対する記録材Pの分離性を向上させることが可能となっている。
<実施例3>
図9は実施例3における画像形成装置の構成の説明図である。図10は第1の転写モードと第2の転写モードの説明図である。図11は実施例3の制御のフローチャートである。実施例1では画像形成装置に第1の転写モードが設定されていた。これに対して、実施例2では、画像形成装置が記録材の剛性に関する情報(坪量)を検出する。そして、所定の判断基準よりも剛性が低い記録材に対しては第1の転写モードを適用するが、所定の判断基準よりも剛性が高い記録材に対しては第2の転写モードを適用する。実施例2における画像形成装置の構成は、基本的に実施例1と同一であるため、図9中、実施例1と共通する構成には図1と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図9に示すように、制御手段(101)は、取得手段(102)の出力に基づいて電源手段(41、42)を制御する。画像形成装置100Aには、操作パネル102が取り付けられており、ユーザーが印刷する記録材Pの坪量を指定するようになっている。制御部101は、操作パネル102を通じてユーザーが指定した記録材Pの坪量によって、第1の転写モードと第2の転写モードとを切り替えて実行する。
図10の(a)に示すように、制御部101は、記録材Pの坪量が52g/m未満の場合、第1の転写モード(薄紙モード)を実行する。第1の転写モードでは、高圧電源41が第1の加圧手段(9)に転写電圧を印加するとともに、高圧電源42が第2の加圧手段(10、23)を接地電位に接続する。高圧電源41は、上流側の二次転写ローラ9に+30〜+40μAの電流を流して、中間転写ベルト6上のトナー像を記録材Pに転写させる。高圧電源42は、下流側の二次転写ローラ10を対向ローラ23と同様に接地電位に落とすことによって、転写ベルト24の電荷を除去する。
<厚紙モード>
上流転写部N1の上流では、記録材Pと中間転写ベルト6との間に空隙が存在する状態で強い電界がかけられたときに放電による画像不良が問題になる場合がある。この放電による画像不良は厚みの大きい(坪量が大きい)記録材Pほど発生し易い。これは、記録材Pの厚みが大きいほど、記録材Pが持つ厚み方向のインピーダンスが高くなって転写に必要な電流を上流転写部N1に流すために大きな転写電圧が印加されるからである。その結果、上流転写部N1上流の空隙で中間転写ベルト6と記録材Pとの間の電界が大きくなり、放電が発生し易くなる。
この放電を受けると、トナー像の帯電極性(ここでは負極性)が反転してしまう。帯電極性が反転した状態で上流転写部N1を通過させ、正常な帯電極性と反対極性の転写電圧を転写ローラ9に印加すると、極性が反転した部分のトナーが記録材Pに転写されず、その痕跡が異常画像となる。特に、中間転写ベルト6上の単位面積あたりのトナー量が少ない、つまり、画像濃度が薄いほど、その箇所のトナー電荷量が少ないので、極性が反転し易く、異常画像として顕在化し易くなっていた。
また、癖のついた厚紙(特に搬送方向に上カールした厚紙)は、吸着ローラ28でニップして転写ベルト24に吸着させても一部が転写ベルト24から浮き上がった状態となる。上流転写部N1の直前で転写ベルト24と中間転写ベルト6の間に挟み込んでも、記録材Pの湾曲を中間転写ベルト6と転写ベルト24のテンションで抑えることができない場合がある。その結果、中間転写ベルト6に記録材Pが沿わない状態のときがあり、上流転写部N1の上流でトナー像と記録材Pの間で放電が発生し、放電で被爆した箇所のトナー像の極性が反転する場合があった。
この状態で上流転写部N1を通過させて正常なトナーの帯電極性と反対極性の転写電圧を転写ローラ9に印加しても、やはり、極性反転した部分のトナーが記録材Pに転写されず、その痕跡が画像不良を引き起していた。
そこで、実施例3では、図10の(b)に示すように、制御部101は、記録材Pの坪量が52g/m2以上の場合、第2の転写モード(厚紙モード)を実行する。第2の転写モードでは、高圧電源41、42は、第1の加圧電極対(9、21)を接地電位に接続するとともに第2の加圧電極対(10、23)に転写電圧を印加する。上流側の二次転写ローラ9が接地電位に落とされて、上流転写部N1の上流側で中間転写ベルト6と記録材Pとの間に大きな電界が形成されないように電界を規制している。高圧電源42は、下流側の二次転写ローラ10に+30〜+40μAの電流を流して、中間転写ベルト6上のトナー像を記録材Pに転写させる。
その後、トナー像が転写された記録材Pは、連続した当接部T2を抜けて中間転写ベルト6から分離され、駆動ローラ26へ搬送され、駆動ローラ26に沿った湾曲面で転写ベルト24から曲率分離される。このとき、駆動ローラ26の位置で分離爪29も利用して転写ベルト24から記録材Pを分離して、定着装置13に送り込む。
図9を参照して図11に示すように、制御部101は、二次転写ローラ9、10のどちらに、中間転写ベルト6上のトナー像を転写するための転写電圧を印加するかを分岐ポイント(S15)において切り替える。
画像形成の開始が指令されると、制御部101は、画像情報を取得し(S11)、ユーザーが選択した紙種を判別する(S12)。画像情報は、画像形成ジョブデータとして外部の端末から送信される場合と、不図示の原稿読み取り部で読み取って作成する場合とがある。紙種は、画像形成ジョブデータに添付されている場合と操作パネル102を通じて設定されている場合とがある。
制御部101は、画像形成部PY、PM、PC、PKを制御して各色トナー像を作成し(S13)、中間転写ベルト6へ一次転写して多色トナー像を形成する(S14)。
制御部101は、第1の転写モード(薄紙モード)と第2の転写モード(厚紙モード)とを選択して実行可能である。普通紙に対しては第1の転写モード(薄紙モード)を実行可能である。記録材Pの坪量が52g/m未満のとき(S15のYes)、転写ベルト24に対する記録材の分離性を高めるため、実施例1で説明した第1の転写モード(S15〜S19)を実行する。しかし、記録材Pの坪量が52g/m以上のとき、第2の転写モード(S21〜S23)を実行する。
記録材Pの坪量が52g/mより大きい場合、記録材Pの剛性が大きいため転写ベルト24からの分離性は問題にならない。それよりも、記録材Pにトナー像を転写する際の転写電圧が大きくなるため、上流転写部N1の上流で記録材Pと中間転写ベルト6間で放電が起き易くなる。記録材Pに転写する前のトナー像が放電に晒されると、トナー像の一部で帯電電荷が反転することで、画像抜けという転写不良が発生して出力画像の品質が低下する。
そこで、記録材Pの剛性が大きい場合は、図10の(b)に示すように、二次転写ローラ9及び対向ローラ21を接地電位に落とす。そして、記録材Pと中間転写ベルト6の空隙の電界を弱くした状態で記録材Pをニップ開始させ、中間転写ベルト6上のトナー像を記録材Pに接触させる。
そして、上流側転写部N1で中間転写ベルト6上のトナー像を記録材Pに重ね合わせた後に、下流転写部N2で転写電圧を印加することで、中間転写ベルト6から記録材Pへトナー像を転写する。これにより、厚紙プリント時に課題となる、連続した当接部T2の上流側での画像問題を防ぐことが可能になっている。剛性が十分にあり、転写ベルト24からの分離が容易な厚い記録材Pに関しては、上流側の二次転写ローラ9及び対向ローラ21によって除電された中間転写ベルト6と転写ベルト24との間にニップされた状態で記録材Pが搬送される。その後、下流側の二次転写ローラ10及び対向ローラ21によってトナー像を記録材Pに転写する。このため、厚い記録材Pにトナー像を転写するときに問題になる上流転写部N1上流での画像不良を防ぐことが可能になる。
近年は、画像形成装置の用途拡大に伴って、薄紙、薄布、樹脂フィルム、厚紙等、幅広い剛性の記録材Pへの対応が求められている。しかし、剛性の低い薄紙は二次転写工程までに、記録材の先端のカール条件やガイドとの摺擦により記録材の先端が変形・遅れたりなどして、安定して記録材Pに転写できない場合がある。このため、特許文献1のような公知の記録材搬送体(転写ベルト)に記録材Pを静電的に吸着させて転写部を通過させる技術を用いて対応している。しかし、薄紙では、実施例1で説明したように転写ベルトに対する記録材の分離性の問題があり、厚紙では実施例3で説明したように転写前の放電による画像不良の問題がある。これに対して、実施例3の制御によれば、超薄紙から超厚紙までの幅広い記録材Pにおいて、搬送性と画質を安定させる画像形成装置を提供できる。
<実施例4>
図12は実施例4における当接部の構成の説明図である。実施例4は実施例1の当接部T2のごく一部の構成の変形例である。従って、図12中、実施例1と共通する構成には図1と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図12の(a)に示すように、実施例1における下流転写部N2の二次転写ローラ10は除電電極10Bに置き換えてもよい。除電電極10Bは、外観形状でばね性を持たせた金属部材である。なお、転写ブレードとして従来使用されている導電性のゴムブレードを利用してもよい。
図12の(b)に示すように、実施例1における上流転写部N1は、中間転写ベルト6の内側面を押圧する対向ローラ21を抵抗性の弾性層を持たせた抵抗性ローラで構成してもよい。対向ローラ21に高圧電源41Bから負極性の転写電圧を印加することにより、接地電位に接続された二次転写電極9Bとの間に転写電界が形成される。二次転写電極9Bは、外観形状でばね性を持たせた金属部材である。なお、転写ブレードとして従来使用されている導電性のゴムブレードを利用してもよい。
1Y、1M、1C、1K 感光ドラム
2Y、2M、2C、2K コロナ帯電器
3Y、3M、3C、3K 露光装置
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K 一次転写ローラ
6 中間転写ベルト、8 レジストローラ、9、10 二次転写ローラ
20 駆動ローラ、21、23 対向ローラ、22 テンションローラ
24 転写ベルト、25 張架ローラ、26 駆動ローラ(分離ローラ)
27 テンションローラ、28 吸着ローラ、29 分離爪
30 吸着バイアス電源、41、42 高圧電源
P 記録材、N1 上流転写部、N2 下流転写部、T2 連続した当接部

Claims (4)

  1. トナー像を担持する中間転写ベルトと、記録材を担持する転写ベルトとを備え、前記中間転写ベルトと前記転写ベルトとが前記中間転写ベルトの回転方向に沿って当接面を形成する画像形成装置であって、
    前記中間転写ベルトと前記転写ベルトとを介して互いのニップ領域が重なるように前記中間転写ベルトの内側と前記転写ベルトの内側にそれぞれ配置され、前記当接面の前記回転方向上流側部分で互いの間を加圧するとともに電界を印加可能な第1の加圧電極対と、
    前記中間転写ベルトと前記転写ベルトとを介して互いのニップ領域が重なるように前記中間転写ベルトの内側と前記転写ベルトの内側にそれぞれ配置され、前記当接面の前記回転方向下流側部分で互いの間を加圧するとともに電界を印加可能な第2の加圧電極対と、を備え、
    記録材の剛性が所定の剛性より低い場合には、前記第1の加圧電極対に前記中間転写ベルトから記録材へトナーが転写する方向の電界を印加するとともに前記第2の加圧電極対のそれぞれを接地電位に設定する第1の転写モードを実行し、記録材の剛性が所定の剛性以上の場合には、前記第2の加圧電極対に前記中間転写ベルトから記録材へトナーが転写する方向の電界を印加するとともに前記第1の加圧電極対のそれぞれを接地電位に設定する第2の転写モードを実行する実行部を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1の加圧電極対は、前記転写ベルトの内側面を押圧して前記中間転写ベルトに当接させる第1の転写ローラと、前記中間転写ベルトの内側面を押圧して前記転写ベルトに当接させる第1の対向ローラと、から構成され、
    前記第2の加圧電極対は、前記転写ベルトの内側面を押圧して前記中間転写ベルトに当接させる第2の転写ローラと、前記中間転写ベルトの内側面を押圧して前記転写ベルトに当接させる第2の対向ローラと、から構成され、
    前記転写ベルトの誘電率をεb(F/m)とし、前記転写ベルトの体積抵抗率をρb(Ωm)とし、前記転写ベルトの回転速度をV(mm/s)とし、前記転写ベルトの回転方向に沿った前記第1の転写ローラとの接触位置から前記第2の転写ローラとの接触位置までの距離をL(mm)とするとき、
    εb × ρb ≦ L / V
    であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. 記録材の誘電率をεp(F/m)とし、記録材の体積抵抗率をρp(Ωm)とし、記録材の搬送速度をV(mm/s)とし、前記転写ベルトの回転方向に沿った前記第1の転写ローラとの接触位置から前記第2の転写ローラとの接触位置までの距離をL(mm)とするとき、
    εp × ρp ≦ L / V
    であることを特徴とする請求項又はに記載の画像形成装置。
  4. 前記転写ベルトの内側面に沿って前記第1の転写ローラと前記第2の転写ローラが配置されて前記第1の転写ローラと前記第2の転写ローラの対向面間の距離をG(mm)とし、前記第2の転写モードで前記第2の加圧電極対に印加される最大電位差をVg(kV)とするとき、
    Vg × 3 ≦ G
    であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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