JP5510118B2 - 化成処理性に優れた高張力鋼板の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、化成処理性に優れた高Si含有高張力鋼板の製造に際して、焼鈍後にSi含有酸化物層を効率よく除去して、化成処理性に優れた高張力鋼板を得るための製造方法および装置に関するものである。
近年、地球環境の保全という観点から自動車の燃費改善が求められている。また、衝突時における乗員保護の観点から自動車の安全性向上も要求されている。このため、自動車の車体には軽量化と高強度化が必要とされ、最近では、自動車部品の薄肉化と高強度化が積極的に行われている。
一方、自動車部品の多くは鋼板をプレス成形して製造されることから、鋼板には高いプレス成形性、特に高い強度と高い延性、すなわち優れた強度-延性バランスが強く求められる。高い延性を有する高強度冷延鋼板には、強化元素としてSiが多量に含有される場合が多く、焼鈍時にSiの酸化物が鋼板表面に形成される。
そのため、こうしたSi含有量の多い高強度冷延鋼板は、次工程にて化成処理を行ったとしても、均一かつ微細に化成結晶を形成させることができず、部分的に欠損した表面状態となる。この様な化成処理不良の鋼板表面では電着塗装等の塗装を施したとしても、密着性の良好な塗膜が得られないばかりでなく、塗装後の耐食性が劣化することとなる。
これまで、この様な課題を解決すべく様々な技術が提案されており、例えば、特許文献1には、焼鈍炉出側に配置した液体噴射装置から、気体を加圧溶解した液体を吹付けることにより、鋼帯表面に生成した濃化物を除去する方法が開示されている。また、特許文献2〜5には、炉内雰囲気の酸素分圧を特定条件として焼鈍した後、特定速度で冷却を行い、表面を特定厚さの研削を行った後、酸洗して酸化膜を除去する方法が開示されている。
特開2002−275545号公報 特開2003−226920号公報 特開平5−317949号公報 特開平7−70724号公報 特開平7−252624号公報
しかしながら、0.5質量%以上ものSiを含有する高張力鋼板に焼鈍を施すと、非常に強固で、かつ厚肉なSi含有酸化物層が鋼板表面に形成されるだけでなく、鋼板表面の粗度形態に対応して不均一に分布している。
そのため、連続焼鈍出側において表面研削を行う際は、強固でかつ厚肉なSi含有酸化物層を除去するために重研削が必要となる。研削後の鋼板表面は非常に活性が高い新生面となるので、研削時に供給されるクーラントと相まって、重研削後の鋼板表面は非常に錆びやすくなる。
このような鋼板表面が錆びた状態で次工程の酸洗工程を通しても、表層の鉄酸化物によって酸洗効率が阻害され、均一に表層酸化物を除去することが困難であった。
また、Si添加に伴う固溶強化により変形抵抗が増大し、冷間圧延における圧延荷重が増加するので、鋼板の形状が乱れやすくなる。圧延時の鋼板の形状を制御するための代表的な方法としては、ロールベンディングやロールシフトなどがあるが、これらの形状制御アクチュエータによる形状制御能力には限界があるため、比較的表面の急峻度の高い状態の鋼板が連続焼鈍ラインに搬送される。
こういった形状不良が残存した鋼板を連続焼鈍した場合、連続焼鈍後にも同様の形状不良が残存している。このため、特許文献1〜5に記載の従来の方法では均一に表層酸化物を除去することが困難であった。
そこで、本発明では、焼鈍時に鋼板表面に形成されたSi含有酸化物層を効率よく除去して、化成処理性に優れた高張力鋼板の製造方法、その製造する方法を実施するために使用する製造装置を提供することを目的とする。
発明者は、焼鈍時に鋼板表面に形成されたSi含有酸化物層を効率よく除去して、化成処理性に優れた高張力鋼板を製造する方法について検討を重ね、以下の知見を得た。
重研削後に露出する鋼板新生面上にクーラントが付着していると錆の発生が進行していくが、研削後の経過時間と酸洗での除去効率の関係について種々検討した結果、研削後酸洗設備までの時間が所定以内の経過時間であれば酸洗での除去効率に影響しないことを見出した。すなわち、研削後表面に生じる錆を防止するため、研削クーラントを除去する乾燥工程を設けると共に、表面研削後の鋼板が酸洗処理に到達するまでの時間を60秒以内とする。
また、高Si含有鋼のように冷間圧延後に形状不良が大きい(表面の急峻度が大きい)鋼板に対して、連続焼鈍時に形成されるSi含有酸化物層を効率的に除去する方法について検討した結果、連続焼鈍の前工程(例えば、冷間タンデム圧延の最終圧延スタンド出側)において、鋼板形状計を設置して焼鈍前の鋼板表面の形状(急峻度)を測定し、形状計にて測定された鋼板表面の急峻度に応じて、焼鈍後の鋼板表面を研削する条件を調整することにより、Si含有酸化物層を効率的に除去することができることがわかった。具体的な研削条件としては、例えば、研削体(回転研削体)の回転数、圧下量及び供給されるクーラント流量を調整することで研削量を調整する。
形状計での鋼板表面の形状測定は鋼板長手方向の全長に亘っているため、冷間圧延における加速・減速時の非定常部においても適切な表面研削条件を付与することが出来るのでコイル全長にわたって均一に表層酸化物を除去することができる。
本発明では、機械的研削のあとに化学的研削を組合せて行なう。つまり、機械的研削の後に、化学的研削として酸洗を行うことで、研削により剥離強度が低下した残存酸化物層を効率よく除去でき、部分的に酸化物層が残存しない全面にわたって均一な研削表面が得られる。
本発明は、上記した知見に基づきなされたもので以下のような特徴を有する。
第一の発明は、質量%で、Siを0.5%以上含有する高張力鋼板を連続焼鈍後に、表面研削処理と酸洗処理を行うにあたり、前記表面研削処理時には、連続焼鈍前の高張力鋼板の急峻度に応じて、研削体の回転数、圧下量及び研削体に供給されるクーラント流量のいずれか1つまたは2つ以上を調整し、さらに前記表面研削処理後の鋼板が酸洗設備に到達するまでの時間を60秒以内とすることを特徴とする化成処理性に優れた高張力鋼板の製造方法である。
第二の発明は、前記表面研削処理は、少なくとも上下一対の回転研削体にて行うことを特徴とする第一の発明に記載の化成処理性に優れた高張力鋼板の製造方法である。
第三の発明は、研削及び酸洗による鋼板質量の減少量をFe換算で4.0g/m以上とすることを特徴とする第一または第二の発明に記載の化成処理性に優れた高張力鋼板の製造方法である。
第四の発明は、第一乃至第三の発明のいずれかに記載の製造方法に用いる鋼板の製造装置であって、連続焼鈍設備を有し、連続焼鈍設備の上流側に鋼板表面の急峻度を測定する形状測定手段を有し、前記連続焼鈍設備の下流側には、前記形状測定手段により測定した急峻度に基づいて鋼板表面を研削する際に、研削体の回転数、圧下量及び供給されるクーラント流量のいずれか1つまたは2つ以上を調整できる表面研削手段、さらにその下流側に酸洗設備を設けていることを特徴とする鋼板の製造装置である。
本発明によれば、高Si含有鋼板であっても焼鈍で生ずる表層酸化物を完全に除去し、鋼板表面の全面に亘って良好な化成被膜を形成させることができるため、高張力鋼板において強度と加工性だけでなく塗装後耐食性の向上も図れる。
本発明に係る高張力鋼板の製造方法が適用される鋼板の製造装置の一例を示す概略構成図である。 本発明における実施形態の一例を説明するための図である。 本発明における実施形態の一例を説明するための図である。 本発明における実施形態の一例を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例を説明する。
本発明の高張力鋼板の製造方法においては、Siを0.5質量%以上含有する鋼板を用いる。鋼板組成については、Si量が0.5質量%未満では焼鈍時に鋼板表層に濃化するSi量が僅かであり、特別な前処理を施さなくても充分な化成処理性が確保されるので、Si量を0.5質量%以上とする。Si量の上限は特に規定しないが、鋼中Si量が3質量%を超えると鋼板の加工性が劣化する傾向があるため、Si量は3質量%以下が望ましい。他の成分については、C、Mn、P、S、Sol.Al、Cr、Mo、Ti、Nb等が適量添加された鋼板においても本発明の趣旨が損なわれることはない。
図1は、本発明に係る高張力鋼板の製造方法が適用される鋼板の製造装置の一例を示す概略構成図である。図1に示す鋼板の製造装置は、タンデム圧延機2にて冷間圧延された鋼板1を連続焼鈍するものであり、連続焼鈍設備4の出側に回転研削体5及び水切り装置7及び酸洗設備8が配置されている。そして、調質圧延機9を通ってコイラー10で巻き取られる構成となっている。
図1においてタンデム圧延機2は4段式のスタンドとして表記されているが、本発明は4段式の場合に限定するものではなく、6段式或いはクラスタ型の圧延スタンドでもよい。また、タンデム圧延機2の圧延スタンド数も図1では5スタンドとして図示されているがこれに限定されない。
本発明に係る高張力鋼板の製造方法が適用される表面研削設備は連続焼鈍設備と連続した設備である必要は無い。例えば、連続焼鈍した鋼帯を独立した表面研削ラインに適用することも可能である。
連続焼鈍時に生成する表層酸化膜に対し、表層酸化膜除去の第一段階として、回転研削体5による機械的研削を行う。研削手段は特に限定せず、研磨布紙、ワイヤブラシ、砥粒入ナイロンブラシ、弾性砥石ロール等の何れを用いてもよいが、JIS−R6001規格の砥粒番号は♯60〜♯400、より好ましくは♯80〜♯240であることが望ましい。また、研削体の回転数は600〜1500rpmが好ましい。
上記機械的研削では、前工程であるタンデム圧延機2の出側に設けられた形状計3にて計測された鋼板急峻度に応じて、図示しないコントローラーからの指令11によって研削手段(例えば、回転研削体5)の回転数、圧下量及び供給クーラント流量のいずれか1つまたは2つ以上が調整される。研削手段(例えばブラシ等の回転研削体)の圧下量は1〜4mmが好ましい。ここで、圧下量とは回転研削体が鋼板表面と接触する位置を基準位置とし、この基準位置と実際の設置位置との間の、鋼板板厚方向への距離のことである。
また、クーラント流量は、流量密度(単位面積・単位時間当たりのクーラント流量)で1000〜5000L/min/mが好ましい。
ここで、急峻度に応じた研削条件は、予め次のようにして求めておく。すなわち、形状計3にて計測された鋼板急峻度に対して所定の研削量を確保できる研削条件を、材料(材質や板厚、板幅の寸法)毎に整理した実験データや操業データなどから求めておく。
図2〜図4は、Si量が0.5質量%以上の鋼板について、焼鈍出側にて表面研削及び酸洗を行った操業データより、急峻度とFe換算で4.0g/m以上、15.0g/m以下を得るために必要な研削条件との関係を整理した結果である。
コントローラーでは例えば、図2〜図4に示すグラフに基づき、上記鋼板急峻度に応じた研削手段の研削条件を算出して、研削条件を調整する。なお、ここで、上記実施形態においては、鋼板急峻度に対して一次比例した量だけ研削条件を変化させているが、これに限定されない。例えば階段状や2次以上の曲線にて鋼板急峻度と研削条件とを対応付けておいてもよい。
ここで、鋼板急峻度(%)とは、鋼板長手方向の一定区間(一定の長さ)Lにおける鋼板波高さをδとした場合に、δ/L×100で表される。鋼板波高さは一定区間Lで切り出した鋼板を水平な定盤上に置いたときの鋼板の反り高さである。
鋼板急峻度の測定方法については特に限定しないが、ロードセルや圧電素子等により計測した板幅方向の荷重分布を板形状として算出する接触式形状計や電磁吸引式といった非接触式形状計を用いることにより測定することができる。
クーラントヘッダー6から回転研削体5に供給されるクーラント流量を調整することで回転研削体5及び鋼板1との接触面積が調整されると共に、研削を促進させると考えられる脱落した砥粒や研削粉の滞留時間が変化し、研削量が調整できる。研削体の回転数や圧下量の調整も研削体及び鋼板との接触面積が変化する点で同様である。
なお、上記機械的研削では、形状計3にて計測された鋼板急峻度に応じて研削手段が調整されると説明したが、連続焼鈍設備4内に形状計3が設置されている場合は、連続焼鈍設備4内での鋼板急峻度をコントローラーへの指令値に適用しても良い。
このように、形状計3により鋼板急峻度を測定して研削条件を設定することが、研削工程の前段階にて行うことができれば良いので、研削工程の前(例えば、連続焼鈍設備4の出側で回転研削体5の前)に形状計3を設置してもよい。
機械的研削後は、水切り装置7にて鋼板表面に付着した研削クーラントを除去する。水切り手段は特に限定せず、リンガーロール、乾燥ドライヤー等の何れを用いても良い。
本発明では、機械的研削に次いで酸洗設備8に通すことにより、機械的研削によりSi含有酸化物が除去されて露出した母材と残存するSi含有酸化物層との境界に酸が浸透し、残存するSi含有酸化物層が剥離除去される。前記酸洗設備8に用いる酸洗液は、濃度が5体積%以上の塩酸または硫酸が好ましく、また酸洗は5秒間以上、より好ましくは8秒間以上行うことが好ましい。
表面研削後の鋼板1が酸洗設備8に到達するまでの時間は60秒以内とする。
60秒を超えると、鋼板表面に発生した錆が成長し、その後の酸洗での除去効率が低下するからである。
回転研削体5による機械的研削及び酸洗設備8による化学的研削による鋼板質量の減少量の合計がFe換算で4.0g/m未満では、Si含有酸化物層が全面に亘って均一に除去されず、化成結晶が欠損した表面状態となる可能性があるため、鋼板質量の減少量の合計はFe換算で4.0g/m以上とするのが好ましい。鋼板質量の減少量の合計の上限は特に規定しないが、鋼板質量の減少量が15.0g/mを超えると材料歩留が悪化する上、作業能率も悪くなる傾向があるため、鋼板質量の減少量の合計は15.0g/m以下であることが望ましい。
ここで、鋼板質量の減少量は、次のようにして求めた。つまり、同一鋼種、同一製造条件のコイルを2つ準備し、前者のコイルでは研削・酸洗・調質圧延を行い、後者のコイルでは調質圧延のみを行い研削なしで酸洗なしのものを製造した。両方のコイル中、鋼板長手方向のT部(TOP)、M部(MIDDLE)、B部(BOTTOM)から、研削なしで酸洗なしの鋼板(後者コイル)、研削・酸洗した鋼板(前者コイル)を一定面積だけ切り出して鋼板質量を測定し、それを切り出した面積で除して両者の差を算出することにより、研削および酸洗による鋼板質量の減少量を求めた。
図1の本実施の形態では、二対の回転研削体5を示したが、本発明では、これに限定されるものではなく、要求される製品の外観品質や性能を得ることができるのであれば回転研削体5は1対のみ配置してもよいし、設備の設置スペースを確保できれば回転研削体5は3対以上設置するようにしてもよい。
以上示した鋼板の製造方法を用いることにより、高Si含有鋼板であっても焼鈍で生ずる表層酸化物を完全に除去し、鋼板表面の全面に亘って良好な化成被膜を形成させることが可能となる。また、化成処理性に優れた高張力鋼板の製造方法に用いる製造装置としては、連続焼鈍設備を有し、連続焼鈍設備の上流側に鋼板表面の急峻度を測定する形状測定手段を有し、前記連続焼鈍設備の下流側には、前記形状測定手段により測定した急峻度に基づいて鋼板表面を研削する条件を調整できる表面研削手段、さらにその下流側に酸洗設備を設けていることを特徴とする鋼板の製造装置であればよいので、図1の構成に限定されることはない。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
図1に示す鋼板の製造装置にて、板厚1.2mmで板幅950mmの鋼中Si濃度0.4〜1.5質量%の高張力鋼板を連続焼鈍した後、機械的研削と化学的研削を組み合わせて表層酸化物層の除去を行い、調質圧延を実施した。その際、用いた鋼板の組成、研削条件、及び得られた鋼板の化成処理評価結果を表1に示す。
なお、連続焼鈍時のラインスピードは90mpmであり、連続焼鈍前の鋼板急峻度は、タンデム圧延機出側に設置された接触式形状計により測定した結果、0.8〜1.6%であった。
ここで、機械的研削では、JIS−R6001規格の砥粒番号♯80の砥粒入ブラシを用い、回転方向はアップカット(鋼板搬送方向とは逆の回転)とした。乾燥工程はブラシ研削の後、リンガーロールにて行った。化学的研削となる酸洗条件は、酸として60℃、濃度10体積%の硫酸を使用し、酸洗時間はラインスピードから換算して10秒であった。
また、鋼板の化成処理性については、調質圧延後の鋼板についてコイル長手方向(T:先端部、M:中間部、B:尾端部)からサンプルを採取して以下の方法により評価した。
化成処理では表2に示す条件にて、脱脂、水洗、表面調整工程を経た後、市販の化成処理薬剤(日本パーカライジング株式会社製パルボンドPB−L3020)を用いて化成処理を行った。
高張力鋼板の化成処理を行った後、その表面を走査型電子顕微鏡にて倍率500倍で5視野観察し、面積率95%以上の均一な化成結晶が5視野全てにおいて生成しているものを○とし、面積率5%超えの隙間が1視野認められた場合は△、2視野以上認められた場合は×として評価した。
本発明例では、前工程である冷間タンデムにおける圧延機出側にて計測された鋼板急峻度に応じて、コントローラーからの指令によって回転研削体の回転数、ブラシ圧下量及びクーラント流量が調整され、図2〜4に応じて制御された。
例えば、No.2においてブラシ圧下量は、図3に基づき、回転研削体を通過する長手鋼板位置に対応する急峻度が0.8%の場合に2.9mmに設定し、急峻度が1.2%のときに3.1mmに変更するように調整した。
鋼板質量の減少量は、次のようにして求めた。つまり、同一鋼種、同一製造条件のコイルを2つ準備し、前者のコイルでは研削・酸洗・調質圧延を行い、後者のコイルでは調質圧延のみを行い研削なしで酸洗なしのものを製造した。両方のコイル中、鋼板長手方向のT部(TOP)、M部(MIDDLE)、B部(BOTTOM)から、研削なしで酸洗なしの鋼板(後者コイル)、研削・酸洗した鋼板(前者コイル)を一定面積だけ切り出して鋼板質量を測定し、それを切り出した面積で除して両者の差を算出することにより、研削および酸洗による鋼板質量の減少量を求めた。表1中の減少量は、T部、M部、B部における測定値の平均値を示している。
Figure 0005510118
Figure 0005510118
表1に示すように、No.2〜4は本発明例であり、No.1は参考例及びNo.5〜7は比較例である。
No.1は鋼中Si量が低いため、研削条件によらず良好な化成処理性が得られている。No.5の鋼板質量の減少量は発明の範囲内であるが、鋼板急峻度が不安定であるコイル先尾端部の圧延非定常部では満足な研削が行われず、一部Si含有酸化物が観察された。このため、化成処理においても部分的に結晶が欠損し化成処理不良となった。No.6は、鋼板の急峻度に応じて機械的研削の条件を調整していないため、コイル長手方向の全体に亘って、化成不良となった。No.7は、機械的研削から酸洗までの到達時間が本発明を満足しておらず、酸洗効率の低下から化成不良となった。
これに対し、本発明例であるNo.2〜4のいずれも全面に亘って良好な化成被膜が得られ、かつ塗装密着性のよい強度・加工性に優れた高張力鋼板が得られることが判る。
1 鋼板
2 タンデム圧延機
3 形状計
4 連続焼鈍設備(連続焼鈍炉)
5 回転研削体
6 ク−ラントヘッダ
7 水切り装置
8 酸洗設備(酸洗装置)
9 調質圧延機
10 コイラー
11 鋼板形状情報

Claims (4)

  1. 質量%で、Siを0.5%以上含有する高張力鋼板を連続焼鈍後に、表面研削処理と酸洗処理を行うにあたり、前記表面研削処理時には、連続焼鈍前の高張力鋼板の急峻度に応じて、研削体の回転数、圧下量及び研削体に供給されるクーラント流量のいずれか1つまたは2つ以上を調整し、さらに前記表面研削処理後の鋼板が酸洗設備に到達するまでの時間を60秒以内とすることを特徴とする化成処理性に優れた高張力鋼板の製造方法。
  2. 前記表面研削処理は、少なくとも上下一対の回転研削体にて行うことを特徴とする請求項1に記載の化成処理性に優れた高張力鋼板の製造方法。
  3. 研削及び酸洗による鋼板質量の減少量をFe換算で4.0g/m以上とすることを特徴とする請求項1または2に記載の化成処理性に優れた高張力鋼板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法に用いる鋼板の製造装置であって、連続焼鈍設備を有し、連続焼鈍設備の上流側に鋼板表面の急峻度を測定する形状測定手段を有し、前記連続焼鈍設備の下流側には、前記形状測定手段により測定した急峻度に基づいて鋼板表面を研削する際に、研削体の回転数、圧下量及び供給されるクーラント流量のいずれか1つまたは2つ以上を調整できる表面研削手段、さらにその下流側に酸洗設備を設けていることを特徴とする鋼板の製造装置。
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