JP5508900B2 - 電子レンジ用調理袋 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に食材を投入して、調味液等とともに電子レンジで加熱調理するための電子レンジ用調理袋に関する。
従来、パウチ等の包装袋に入れた食品をレトルト釜で加熱、加圧殺菌した、いわゆるレトルト食品が広く流通し、使用されている。レトルト食品は包装袋によって密封されているため、そのまま電子レンジで加熱しようとすると、食品から発生する水蒸気によって包装袋が膨張し、破裂するおそれがある。
電子レンジで加熱調理する用途の調理袋を用いた商品としては、調味液を入れてレトルト殺菌したパウチ食材を開封して、指定の食材を入れて袋のチャックで再封して、レンジでの加熱、加圧時にチャック部から蒸気を逃がす構造の商品が上市されている。
これらの包装体は自立性はなく、チャック部から蒸気を逃がす構造のため、液体特に水や低粘度の調味液を大量に入れて調理することが不可能であった。
また、あらかじめメーカーが指定した調味液を充填した商品なので、当然限定された料理しか使用出来ず、広範囲な料理用として使用出来るものではなかった。
この問題を解決するために、包装袋の一方の端部寄りの内部に、上述の水蒸気を逃がすための耐熱性不織布を二つ折りに折り込んで取付けた包装袋が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この包装袋を使用したレトルト食品を電子レンジで加熱するときには、不織布が取り付けられている端部側を切り取って、不織布側の端部を開放し、その後食品を包装袋ごと電子レンジに入れて加熱する。
しかしながら、特許文献1に提案されている包装袋は、開放した端部が不織布等で覆われているので、タレや調味液等が充填されたレトルト食品の包装袋を一度開封して食材を加えた後、電子レンジでタレ等と食材とを一緒に加熱するということはできない。
開口部に開閉自在の公知のジッパー等を設ければ、食材を投入して再度包装袋を密封することは可能になるが、ジッパーを閉じた開口部は通気性に乏しく、電子レンジで加熱する際には、上述の破裂の危険性が問題となる。
このために、通常の保存や輸送時には密閉されているが、電子レンジでの加熱によって内部の水蒸気圧が上昇したときに通蒸して破裂する危険性を回避する圧力弁としての機構を包装容器の一部に設けた構造が種々提案されている。
特許文献2には、四辺中の三辺をシールした袋体の開放された一辺に、シール加工した際に圧力弁を形成する圧力弁要素を印刷形成したことを特徴とする食品の調理用袋体が提案されており、特許文献3には上記圧力弁を剥離剤の塗布によって形成することが提案されている。
しかしながら、特許文献2と特許文献3に記載の調理用袋体では、電子レンジでの加熱によって内部の水蒸気圧が上昇したときに通蒸した部分から内容物が外部に漏れる危険性を除去することは困難であった。
そのために、スタンディングパウチの形態で通蒸部とチャック機構の位置と形状を工夫して上部にチャック機構を設け、チャック機構に近接した位置の両側のシール部分に内圧によって剥離する弁機構を設けた構成としたことにより繰り返しの再使用を可能とした包装容器が特許文献4と特許文献5において提案されている。通常のパウチにおいてもその
一面に折り返しによる食材投入部を設けた包装容器が特許文献6において提案されている。
その他に、電子レンジでの加熱の際に内部で発生する水蒸気を特定の位置からゆるやかに逃がす(通蒸)方法としてはたとえば以下に示すような様々な構造が提案されている。
特許文献7では、ヒートシール幅を一部において他より狭く形成して成る電子レンジ用包装体が提案されている。ヒートシール層が離れてヒートシール幅が他よりも狭く、シール強度が弱い部分から内圧(水蒸気)が抜ける。
特許文献8では、ヒートシール部分の一部をパンチングしてパンチング孔を設け、孔の部分のシール強度を低下させて、加熱時に発生する内圧により、このパンチング孔の部分を剥離させて内圧を外に逃すように構成した電子レンジ加熱用包装袋が提案されている。
さらに、特許文献9では、ヒートシールにより重ね合わされた部分の片側にのみパンチング孔を設け、このパンチング孔によって形成されたヒートシール幅の減少により発生するシール強度の低下を利用してパンチング孔の部分を剥離させて内圧を外に逃すように構成して成る電子レンジ加熱用包装袋が提案されている。
また、特許文献10では、袋の上辺開口部の内側に線状のファスナーを備えてサイドシールあるいはボトムシール部分に蒸気抜きのための未シール部を設けた解凍用袋が提案されている。
特許文献11では、袋体フィルムに第1スリットを設け、このスリットが設けられている部位の袋体フィルムの内面又は外面に第2スリットを設けた合成樹脂フィルムを重ねて、袋体の内圧を速やかに排出するよう大きな開口面積の通気口が内圧によって具現するようにした合成樹脂製袋が提案されている。
特許文献12では、適度の加熱蒸し調理効果が得られ、繰り返し使用が可能な袋体として両側縁部、底部に設けられる溶着シール部分に未溶着部が存在する電子レンジ加熱用袋体が提案されている。
特許文献13では、積層材の所定の箇所に、通気性を有する透過孔を設け透過孔を含む部分に、不織布のような通気性基材を重ね合わせて積層してなる包装用材料が提案されている。
特許文献14では、電子レンジによる加熱調理時に、内容物から発生する蒸気を排出するための、シール部に介在された易剥離用薄膜を有する蒸気排出手段を備えた電子レンジ用包装袋が提案されている。
しかしながら、上記の方法によっても、一度開封して水や低粘度の液体と食材等を充填した後、電子レンジでの加熱によって内部の水蒸気圧が上昇したときに通蒸した部分から内容物が外部に漏れる危険性を簡単に除去することは困難であった。
特開平8−80978号公報 特開平8−228697号公報 特開平9−40030号公報 特開平11−189278号公報 特許第3802205号公報 特開2009−166853号公報 実登2525918号公報 実登3048391号公報 実登3048825号公報 実開昭63−3969号公報 特開平10−338276号公報 特開平11−178713号公報 特開平10−218250号公報 特開2001−270569号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、一度開封して水や低粘度の液体と食材等を充填した後、安全に電子レンジで加熱することができる電子レンジ用調理袋を提供することを目的とする。
本発明の請求項1の発明は、表裏のフィルムを積層し両側部に熱接着により形成したヒートシール部と、一方に開口部を有する袋であって、前記開口部側に再封性を有するチャックを設け、少なくとも一方のフィルムの前記チャックから中央寄りにスリットを形成するとともに、該スリットの下面を覆うイージーピールテープを積層し、前記袋の側部から延びる前記スリットを含む領域の少なくとも一部を熱接着によりヒートシール部を形成し、かつ前記スリットから中央寄りのヒートシール幅を部分的に狭くし通蒸部を形成したことを特徴とする電子レンジ用調理袋である。
本発明の請求項2の発明は、前記包装体の両側端縁部のヒートシール幅を部分的に狭くし通蒸部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用調理袋である。
本発明の請求項3の発明は、前記スリットが側端部から所定の長さに形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の電子レンジ用調理袋である。
本発明の請求項4の発明は、前記スリットが不連続に形成されてなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子レンジ用調理袋である。
本発明の請求項5の発明は、前記イージーピールテープは、少なくともベース層とイージーピール層を積層してなり、フィルム内面との熱接着時にはイージーピール層面と熱接着してなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子レンジ用調理袋である。
本発明の請求項6の発明は、側部のヒートシール部分と、スリットに重なるイージーピール層上に形成されるヒートシール部分に、それぞれヒートシール幅が最も狭くなる箇所を設け通蒸部としたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子レンジ用調理袋である。
本発明の請求項7の発明は、側部のヒートシール部分からスリットに重なるイージーピール層上に形成されるヒートシール部を凹み形状としたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子レンジ用調理袋である。
本発明の請求項8の発明は、前記チャックの開口強度より、前記通蒸部の開口強度が小さいことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電子レンジ用調理袋である。
本発明の請求項9の発明は、前記通蒸部を少なくとも2箇所以上形成してなることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電子レンジ用調理袋である。
本発明の請求項1の電子レンジ用調理袋によれば、空の袋にチャックによる再封機能と、チャック以外からの蒸気抜き機能を付与するためのスリット加工とイージーピールテープ貼加工と変形シールを施したことによって水や低粘度の液体を充填しても電子レンジで安全に調理を行うことが可能になる。
すなわち、電子レンジでの加熱時に容器内部に生じる水蒸気の蒸気圧を利用して、容器の破裂を起こすことなく水蒸気を容器外部に放出し、かつ通蒸部を容器上方に形成することによって水蒸気放出位置を押し上げて内容食材の漏出をも防止するという構造を備えていることによって、一度開封して水や低粘度の液体と食材等を充填した後、安全に電子レンジで加熱することができる電子レンジ用調理袋とすることが出来る。
本発明の請求項2の電子レンジ用調理袋によれば、前記包装体の両側端縁部のヒートシール幅を部分的に狭くし通蒸部を形成したことによって、加熱時の内圧の上昇による蒸気の逃げ口(通蒸部)が袋両端に形成されて、袋の中央部から蒸気が漏れることと、内容物の漏出を回避することが可能になる。のみならず、スリット近辺からの通蒸に加えて端縁部からの通蒸機構を設けることによってこれらの問題の回避をより確実にすることが出来る。
本発明の請求項3の電子レンジ用調理袋によれば、前記スリットが側端部から所定の長さに形成されてなることによって、通蒸に必要なスリット上のヒートシール部に対応する箇所のみに設けて不要な箇所には設けないでスリット部の機械的強度の不足を最低限にとどめることが出来る。
本発明の請求項4の電子レンジ用調理袋によれば、前記スリットが不連続に形成されてなることによって、連続スリットの場合に起こり得るスリット部の機械的強度の低下を防止することが出来る。
本発明の請求項5の電子レンジ用調理袋によれば、前記イージーピールテープは、少なくともベース層とイージーピール層を積層してなり、フィルム内面との熱接着時にはイージーピール層面と熱接着してなることによって、加熱時の内圧の上昇による通蒸部の形成がイージーピールテープのイージーピール層側から優先的に起こり、安定して通蒸部を形成することが出来る。
本発明の請求項6の電子レンジ用調理袋によれば、側部のヒートシール部分と、スリットに重なるイージーピール層上に形成されるヒートシール部分に、それぞれヒートシール幅が最も狭くなる箇所を設け通蒸部としたことによって、通蒸部がサイドシール部の設定された高さの位置に形成されやすくなりまた、スリット位置に到達することも容易になる。
本発明の請求項7の電子レンジ用調理袋によれば、側部のヒートシール部分からスリットに重なるイージーピール層上に形成されるヒートシール部を凹み形状としたことによって、電子レンジ加熱時の容器内部の圧力増加による通蒸部の剥離を所定の位置で敏感に開始して通蒸部以外での蒸気孔の発生を防止できる。これによって、予期しない部分での内容物の漏洩や蒸気の噴出をなくして、安全に電子レンジ加熱による調理をすることがより確実に出来るようになる。
本発明の請求項8の電子レンジ用調理袋によれば、前記チャックの開口強度より、前記通蒸部の開口強度が小さいことによって、電子レンジ加熱時の容器内部の圧力増加による通蒸部の剥離が起こる前にチャック部が開口して内容物が漏洩したりや蒸気が噴出したり
することを防止できる。
本発明の請求項9の電子レンジ用調理袋によれば、前記通蒸部を少なくとも2箇所以上形成してなることによって、1箇所の通蒸部に万一異常があった場合でも他方の通蒸部からの通蒸によって、予期しない部分での内容物の漏洩や蒸気の噴出をなくして、安全に電子レンジ加熱による調理をすることがより確実に出来るようになる。
本発明の電子レンジ用調理袋の正面概略図。 本発明の電子レンジ用調理袋の断面模式図(図1のX−X’断面)。 本発明の電子レンジ用調理袋の通蒸部平面拡大図。 本発明の電子レンジ用調理袋のスリット・イージーピールテープ部分の断面模式図。 本発明の電子レンジ用調理袋の通蒸部部分平面図。 本発明の電子レンジ用調理袋の通蒸機構を示す通蒸部平面説明図。 本発明の電子レンジ用調理袋の通蒸過程を示す通蒸部の断面説明図(図6のY−Y’断面)。(1)は加熱開始時(2)は加熱進行時。 本発明の電子レンジ用調理袋の通蒸過程を示す通蒸部の断面説明図(図6のZ−Z’断面)。(1)は加熱開始時(2)は加熱進行時。 本発明の電子レンジ用調理袋を構成する本体包装材の一例を示す断面模式図。 本発明の電子レンジ用調理袋に使用するイージーピールテープの構成の一例を示す断面模式図。 本発明の電子レンジ用調理袋を構成する中間層の一例を示す断面模式図。 本発明の電子レンジ用調理袋の形状例。(A)スタンディングパウチ(B)サイドガゼットパウチ(C)平置きパウチ。
以下、本発明の電子レンジ用調理袋の一実施形態について、図1から図12の図面を参照して説明する。以下では主に電子レンジ用調理袋がスタンディングパウチである場合を例にとって説明するが、本発明の電子レンジ用調理袋の形状はスタンディングパウチ形状のほかにもチャックや通蒸部の構造は共通で自立構造が異なるサイドガゼットパウチやさらにパウチの側面Z字構造の包装体でも適用できる。
また、内容物に液体を大量に使用しない場合であれば三方シールや四方シール等の平置パウチでも適用が可能である。本発明の電子レンジ用調理袋として適用が可能ないくつかの形状例を図12に示した。
図1は本発明の電子レンジ用調理袋の一例の正面概略図であり、電子レンジ用調理袋(1)は、本体包装材A(2)を用いた前面部と、本体包装材A(2)に接合された本体包装材B(3)を用いた背面部及び本体包装材の底部に挟み込まれて接合された底シール材(4)とから構成されている。
図2は図1のX−X’線における断面略図であり、本発明の電子レンジ用調理袋の特徴的な部分を強調して示した図である。
図1及び図2に示すように、本発明の電子レンジ用調理袋(1)は、前面部の本体包装材A(2)及び背面部の本体包装材B(3)と底テープ材(4)を挟み込んだボトムシール部からなる自立性パウチであって、開口上部に再封性のあるチャックを装着し、かつチャック(5)の下部に本体包装材A(2)に施されたスリットを備え、そのスリット(6)部分にイージーピールテープ(7)を熱溶着させてから、底テープ材(4)を下部に挿入してボトムシールを行い、シール幅を部分的に狭くした変形シールバーを用いてサイドシール部分を熱溶着して製袋した電子レンジ用調理袋である。
調理袋の寸法に関しては格別の限定はないが、家庭用の電子レンジに容易に装入出来ることと、調理する食材の量が多人数分は必要ない場合がほとんどと考えられることから、通常は幅160mm〜220mm程度の大きさが好んで用いられる。
イージーピールテープ(7)としてはたとえば図4に断面を示したようなベース層(7a)とイージーピール層(7b)とから構成される厚み40μm〜60μm程度の多層のフィルムを使用し、スリット加工した領域近辺の本体包装材A(2)の内面(シーラント面)側と熱溶着する際は、前記イージーピール層面と熱溶着する。
イージーピールテープの幅は、通蒸前にスリットから内容物の漏れることのないようにシールを安定して行うことの出来る幅であれば良く、10mm〜20mm程度の幅が好ましい。
本発明の電子レンジ用調理袋の構造と機能をより詳細に説明するために、図3には通蒸部の平面拡大図を、図4にはスリットとイージーピールテープ部分の断面模式図を、図5には通蒸部部分平面図を示した。
図6は調理袋の通蒸機構の各要素の配置例を示す通蒸部平面説明図である。
図7と図8には本発明の電子レンジ用調理袋の通蒸過程を示す通蒸部の断面説明図を示した。いずれも(1)は加熱開始時の状態を(2)は加熱進行時の状態を模式的に示している。
図3は図1の通蒸部(8)近辺の前面から見た拡大図であり、電子レンジでの加熱時の内圧の増大による剥離応力の向かう方向を白抜き矢印(P1)と(P2)で模式的に示した図である。
図4に断面を示したように、イージーピールテープ(7)は紙面手前の本体包装材Aの背面シーラントにイージーピール層を接して熱溶着されており、ヒートシール部(9)の領域に於いてはさらに本体包装材Bの前面シーラントにベース層を接して熱溶着されている。
イージーピールテープ(7)と重ならないヒートシール部(9)の領域においては、紙面手前の本体包装材Aの背面シーラントと本体包装材Bの背面シーラントが熱溶着されている。
本体包装材Aに設けられたスリット(6)に重なる領域とその下方には変形シールバーを用いた本体包装材Aと本体包装材Bを熱溶着する変形ヒートシールが施されており、サイドシール部が側端方向に凹んで幅が狭くなった部分(P1の位置)とスリット(6)の方向に凹んで幅が狭くなった部分(P2の位置)に剥離応力が向かうように設定されている。
図4にはヒートシール部(9)以外の領域におけるスリット(6)近辺の断面を示した。
調理袋のこの部分ではスリット(6)が設けられた本体包装材A(2)の領域にイージーピールテープ(7)がイージーピール層を接して熱溶着されており、袋裏面の本体包装材B(3)はイージーピールテープ(7)とは熱溶着されていない。
本体包装材A(2)とイージーピールテープ(7)とはスリット(6)の位置に重なる位置でイージーピールテープ(7)の幅に近い幅Leにわたってヒートシールされている。
本体包装材Aは基材(2a)とシーラント(2b)からなりイージーピールテープ(7)はベース層(7a)とイージーピール層(7b)からなる積層体である。
図4では本体包装材A(2)とイージーピールテープ(7)が熱溶着されており、袋裏面の本体包装材B(3)は熱溶着されていない領域の断面を示したが、ヒートシール部(9)が重なる領域では本体包装材A(2)と本体包装材B(3)はそれぞれの対向するシーラント層(2b)(3b)が熱溶着されており、同時にイージーピールテープ(7)のベース面と本体包装材Bのシーラント(3b)も熱溶着されている。
この場合のそれぞれの層間の接着の強さは、通常本体包装材のシーラント層同士がもっとも強くイージーピールテープのベース層(7a)と本体包装材のシーラント層(3b)の間がそれに続き、イージーピールテープのイージーピール層(7b)と本体包装材のシーラント層(2b)の間がもっとも弱くなるように設計されている。
本発明の電子レンジ用調理袋の通蒸部近辺の構造を詳細に説明するために通蒸部近辺の一例を図5に示した。図5に示したように表裏の本体包装材のサイドシール部分(9)は通蒸部(8)近辺で内部応力を集中させるために特定の部分でRを有する凹み形状の輪郭で幅が狭くなる。
図3で示したような外方向への応力集中効果を得るためには、シール部分の凹みの曲率半径(R)は4.5mmから14mm程度が適当である。この場合、スリット(6)下部のシール幅(L2)は狭くなった箇所で1mmから3mm、側端部からのシール幅(L3)は狭くなった箇所で2mmから4mmとすることによってこの箇所での通蒸を誘導するのに効果的なシール形状とすることが出来る。
電子レンジ用調理袋を、このようなシール形状とすることによって、電子レンジでの加熱時に内圧によりイージーピールテープと本体包装材A内面の接着部分が最も狭い部分で剥離しスリットまで達するかサイドシール端部にまで達すると開孔して通蒸する。スリット(6)の側端部からの長さは対向する側端部までの連続スリットであっても良いが、通蒸に必要な最低限の長さがあればよい。この長さは袋の寸法や内容物の量等により適切に決めればよいが、長すぎると不要な開口を生じるだけでなく袋自体の強度の低下を招来することも考慮して決められる。
この場合イージーピールテープ幅(L7)は10mmから20mm、サイドシール幅(L4)は7mmから10mm、チャックから側端部通蒸位置までの距離(H1)は15mmから40mm、チャックからスリットまでの距離(H2)は10mmから35mmの範囲が適当である。また、通蒸部近辺における側端部からのシール長さ(L1)は長すぎるとチャック開封時の開口が小さくなり食材のスムースな出し入れが困難になるので、たとえば、15mmから30mmの範囲が適当である。
本発明の電子レンジ用調理袋の通蒸部の通蒸機構についてより詳細に説明する。図6は電子レンジ用調理袋の通蒸機構を示す通蒸部の平面説明図であり、図6のY−Y’断面の説明図が図7、図6のZ−Z’断面の説明図が図8である。それぞれの図において(1)は加熱開始時の状態を示し(2)は加熱進行時の状態を示している。
図6の平面図は調理用袋の通蒸部近辺の概略を示しており、Y−Y’線の部分がスリットから通蒸する予定の幅方向位置の垂直断面を図7に、Z−Z’線の部分が側端部から通蒸する予定の垂直方向位置の水平断面を図8に示した位置である。
ヒートシール強度は、本体包装材A(2)のシーラント層(2b)と本体包装材B(3)のシーラント層(3b)同士がもっとも強く、イージーピールテープ(7)のベース層(7a)と本体包装材B(3)のシーラント層(3b)の間がそれに続き、イージーピールテープ(7)のイージーピール層(7b)と本体包装材A(2)のシーラント層(2b)の間がもっとも弱くなっているので、図6のシール形状で加熱時に内圧によりイージーピールテープ(7)と本体包装材A内面のシーラント(2b)が剥離し最も幅の狭い部分でスリット(6)まで達するかサイドシール(9)端部にまで達すると開孔して通蒸が開始する。この場合、チャック(5)の開口強度はイージーピールテープ(7)のイージーピール層(7b)と本体包装材A(2)のシーラント層(2b)の間よりも大きくなっているので上記通蒸部からの通蒸が開始する前に開いてしまうことはない。
図7には通蒸部のスリットを含む垂直断面の構成を示してある。
層構成は前面側から順にスリット(6)を設けた本体包装材A(2)、イージーピールテープ(7)、本体包装材B(3)の順序であり、本体包装材Aは外面が基材(2a)内面がシーラント層(2b)、イージーピールテープ(7)は外面がイージーピール層(7b)内面がベース層(7a、)本体包装材Bは外面が基材(3a)内面がシーラント層(3b)となっている。
図7の(1)には調理袋の電子レンジによる加熱前(開始時)の状態を示してあり、本体包装材A(2)のスリット(6)を含む内面のシーラント(2b)とイージーピールテープ(7)のイージーピール層(7b)を重ねて連続的に軽シールを行い、その後に本体包装材Aのシーラント(2b)面と本体包装材Bのシーラント(3b)面を合わせてサイドシールを行うことによって作成される。
この調理袋に開口上部のチャック(5)から食材を充填した後にチャックを再封し電子レンジ加熱を行う。電子レンジによる加熱が進行して内圧が上昇し、シール凹み部に集中した時にイージーピール層(7b)面と本体包装袋A内面(2b)のシール後退が始まり、最も狭い部分が1mmから3mmシール後退することによって本体包装材A(2)のスリットとつながり蒸気の放出(通蒸)が開始される。図ではP2の矢印で上端部方向への内圧応力を象徴的に示した。
図8には側端部の通蒸部の水平断面の構成を示してある。
層構成は前面側(図の下側)から順に本体包装材A(2)、イージーピールテープ(7)、本体包装材B(3)の順序であり、本体包装材Aは前面が基材(2a)内面がシーラント層(2b)、イージーピールテープ(7)は前面がイージーピール層(7b)内面がベース層(7a、)本体包装材Bは内面がシーラント層(3b)外面が基材(3a)となっている。
図8の(1)には調理袋の電子レンジによる加熱前(開始時)の状態を示してあり、本体包装材A(2)の内面のシーラント(2b)とイージーピールテープ(7)のイージーピール層(7b)を重ねて連続的に軽シールを行い、その後に本体包装材Aのシーラント(2b)面と本体包装材Bのシーラント(3b)面を合わせてサイドシールを行うことによって作成される。
この時に、サイドシールによって本体包装材B(3)内面のシーラント(3b)面とイージーピールテープ(7)のイージーピール層(7b)も強固にシールされる。
この調理袋に開口上部のチャック(5)から食材を充填した後にチャック(5)を再封し電子レンジ加熱を行う。電子レンジによる加熱が進行して内圧が上昇し、シール凹み部に集中した時には上記のようにイージーピール層(7b)面と本体包装袋A内面(2b)のシール後退が始まり、最も狭い部分のシール後退によって本体包装材A(2)のスリットとつながり蒸気の放出(通蒸)が開始される。
さらに調理袋の両端に内圧がかかった場合にはサイドシールの本体包装材A内面とイージーピール面との間でシール後退が始まり、2mmから4mmシール後退することで袋端
面が部分的に開口しここからも通蒸が開始される。図では側端部方向への内圧応力をP1の矢印で示した。
本発明の電子レンジ用調理袋には電子レンジ調理中の加熱・加圧で袋がチャックから開封することのないように、袋のチャックの下部に蒸気を外部に逃がすための上記のような通蒸機構が設けられている。
通常、PP用チャックは外側から開封するのに必要な力(開口強度)は10〜12N/50mm程度であり、内面部からの開口強度は55〜70N/50mm程度である。したがって、チャックの開口以下の力で開口するための通蒸機構を設ける際には50N/50mm以下の力で剥離する構造が必要になる。
たとえば、本発明の電子レンジ用調理袋に本体包装材相当のフィルムとしてポリプロピレンフィルム(東レフィルム:ZK93)とイージーピールテープとしてPP系イージーピール材(東レフィルム:9500S3)を用い本体包装材とイージーピール材のイージーピール面を温度150℃〜180℃、時間1秒、圧力1kg/cmの条件で熱接着し、電子レンジ加熱によってイージーピール材の表面温度が80℃以上になった場合、剥離するために必要なピール強度は40N〜50N/50mmとなり、チャックが開口する前に通蒸部から蒸気が抜けることになる。
通蒸箇所は図面で詳細に説明したように、袋のチャックより下側15mmから40mmの部分の両端及びチャックより下側10mmから15mmの位置の本体包装材にチャックと平行に設けたスリット加工部分で、内部の水蒸気は両端では2mmから4mm幅、スリット加工位置からは1mmから3mm幅の最小シール幅部分で剥離して形成される蒸気孔から排出される。
通蒸性を確実にするために左右各2箇所の通蒸部分のシールバーはR形状に外側に凹まし、加熱・加圧によって通蒸部分に剥離方向の圧力がかかりやすい形状にしている。
また、この場合の曲率半径Rはたとえば、4.5mmから14mmの凹み形状にヒートがシールすることにより、シール部が急に大きく剥離開口して内容物が飛び出すようなことがなく、シール形状に沿って少しづつ通蒸部分が開口して広がる。
通蒸部は両端2箇所、スリット左右2箇所に設けているので、内容物等によって通蒸部分が1〜2箇所詰まっても通蒸機能を失うことはない。
この調理袋を用いた電子レンジでの加熱は自立させた形で行い、通蒸部分はチャックの下部に位置しているので通蒸部分から内容物等が漏れることはない。
これによって通蒸部から食材等の内容物が漏洩噴出することなしに過剰な水蒸気の圧力を放散させて容器の破裂を防止して安全に加熱を行うことが出来る。
本発明の電子レンジ用調理袋の前面部に用いる本体包装材A(2)は、ヒートシール性を有するシート状の可撓性フィルム(以下「本体フィルム」)によって形成されている。背面部に用いる本体包装材B(3)も同様にヒートシール性を有するシート状の可撓性フィルムによって形成されている。さらには底テープ材(4)も同様にヒートシール性を有するシート状の可撓性フィルムによって形成されている。
通常、本体フィルムは、調理用袋としての耐熱性や内容物保護性を備えた基材とヒートシール性の優れたシーラントとを含む二層以上の積層フィルムを使用する。
図9は本発明の電子レンジ用調理袋を構成する本体フィルム(11)の一例を示す断面模式図である。この場合は容器外側から、内側面に印刷層(14)を施した本体フィルム基材(12)と最内側に本体フィルムシーラント(13)が積層されており、その中間に
中間層(16)が両面に接着剤層(15)を介してラミネートされている。
印刷層(14)と中間層(16)は必要に応じて設けられる層であり、中間層の具体例については後述する。
本発明の電子レンジ用容器において本体フィルム(11)を構成する本体フィルム基材(12)の材質としては、必要な耐熱性を有し、一般に電子レンジで加熱される食品用包装材料として使用されているものならば、特に限定はされない。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの延伸又は無延伸樹脂フィルム、ナイロン6/メタキシリレンジアミンナイロン6共押出しフィルム、ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体共押出しフィルムなどのいずれかが使用できる。
またはこれらの2つ以上のフィルムを積層した複合フィルムであっても構わない。
また、本体フィルム基材(12)の厚さは、加工性を考慮すると、10〜50μmの範囲内であることが好ましく、10〜30μmの範囲内がより好ましい。
この本体フィルム基材(12)には、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができ、必要に応じて適宜添加される。
さらに、本体フィルム基材(12)の表面にコロナ放電処理、アンカーコート処理等の表面改質を行い、後述するシーラント層等との接着性や印刷適性を向上させることも可能である。
また、必要に応じて本体フィルム基材(12)の表面または裏面に印刷層(14)を形成することができる。
印刷層(14)は、本体フィルム基材(12)の表裏どちらでも形成可能であるが、一般的なプラスチックフィルム袋への印刷の場合と同様に、インキの耐摩擦性、耐候性などを考慮して、基材の容器内面となる面にグラビア印刷方式などで設けることが好ましい。
本発明の電子レンジ用調理袋において、本体フィルムを構成する最内層の本体フィルムシーラント(13)には、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの樹脂、またはこれらの樹脂を成膜化したフィルムを使用することができる。
また、本体フィルムシーラント(13)の層の厚さは、シール強度、物性面、加工性、を考慮すると、20〜100μmの範囲内であることが好ましく、30〜70μmの範囲内がより好ましい。
本体フィルム(11)の最外層の本体フィルム基材(12)と、最内層の本体フィルムシーラント(13)とを積層する方法は、例えば、ドライラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法、及び該エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法などの公知の方法が使用出来る。
前記ドライラミネーション方法に使用する接着剤は、一般的に、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他などのラミネート用接着剤を使用することができる。
本発明の電子レンジ用調理袋の本体フィルム(11)においては、本体フィルム基材(12)と本体フィルムシーラント(13)だけでは電子レンジ用調理袋としての機能を十分に果たすことができない場合には、本体フィルム基材(12)と本体フィルムシーラント(13)との間に中間層(16)を設けることが出来る。
前記の機能としては、例えば、ガスバリア性、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性などが挙げられ、電子レンジ用調理袋の包装容器として要求されるこれらの機能を中間層を設けることで達成するものである。
本発明の電子レンジ用調理袋は基本的には電子レンジでの調理時に安全に取り扱える機能を達成するものであるが、収納する内容物によって、特に酸素ガス、水蒸気、光などに対する耐性や長期常温流通などが求められる場合には、チャックだけでの密封性を補強する構造と同時に本体フィルムの前記中間層または基材にも、ガスバリア層などの機能を備えた材料を設ける必要が生じることがある。
図11には、本発明の電子レンジ用調理袋を構成する中間層の一例を示す断面模式図を示した。ここでは中間層基材(20)にプライマー層(21)を介して無機酸化物の蒸着薄膜層(22)が設けられており、さらにその表面にはガスバリア性被膜層(23)が設けられている。
上記の目的でのガスバリア層としては、ガスバリア性の樹脂を用いたガスバリアフィルムや樹脂フィルムに図11に例示したような、別のガスバリア層を設けたガスバリアフィルムが用いられる。
例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(EVOH)、ポリビニルアルコールフィルム(PVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)ケン化物などのフィルム、或いはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)などのフィルムにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルム、無機酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウムなど)の蒸着薄膜層を設けたフィルムやまたこれらフィルムの1種乃至それ以上を組み合わせた積層フィルムを使用することができる。
これらの中でも、電子レンジで加熱ができ、廃棄処分が容易な無機酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウムなど)の蒸着薄膜層を設けたガスバリアフィルムが好ましい。これらのガスバリア層は中間層ではなく基材上に設けても構わない。
図1及び図2に示した、本発明の電子レンジ用調理袋(1)の開口上部の内面に設けられたチャック(5)は開口して内容物の出し入れを行い、封止して電子レンジによる加熱を行うために設けられたものであり、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂の成形品を用いた互いに係合する係合突起が取り付けられて形成されている。
通常、容器の内面(シーラント面)にヒートシール方式で取り付けることから、容器のシーラント(13)としてポリプロピレン樹脂を用いた場合、チャック(5)にもポリプロピレン樹脂製のものを用いることが好ましい。チャック(5)の容器への取り付けは、専用の取り付け装置を製袋機に組み込むことにより製袋とインラインで取り付けることが可能である。
チャックの開口強度の測定方法は通常チャックの内容物側の末端より5mmの位置のフランジ部を引張り試験機に固定してチャックの内容物側からの開口強度を測定したのち再封止し、続けてチャックの開口側からの開口強度を測定する。。
図10に本発明の電子レンジ用容器に使用する簡単なイージーピールテープの構成の一例を示す断面模式図を挙げた。
イージーピールテープ(7)は、電子レンジ用調理袋(1)を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により易剥離性を示すテープであり、電子レンジ用調理袋内面のシーラント(13)に対して接着性を示すベース層(17)と電子レンジ用調理袋を加熱して発生する水蒸気等の気体による内圧により易剥離性を示すイージーピール層(18)との2層からなる場合が代表的である。イージーピールテープ(7)の厚みは40μmから60μmの範囲が好ましい。
イージーピール層とは一般的にはJIS Z0238に記載の測定方法でヒートシールしたフィルムの剥離強度が6N/15mm以下であるプラスチック層のことであるが、かかる易剥離プラスチック層を形成する材料としては、ポリブテン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン/ポリプロピレン混合物、及びこれらの樹脂を含む樹脂の混合物など、通常易剥離プラスチックとして使用される樹脂組成物ならば特に制限はない。
上記のベース層(17)として用いる、シーラント(13)に対して接着性を示す接着性樹脂層としては、本体フィルムの内面シーラント(13)を構成する熱融着可能な接着性熱可塑性樹脂をそのまま使用することができるが、CPPと称されるプロピレン系重合体(コポリマーやターポリマー)や、LLDPEまたはLLDと称される直鎖状低密度ポリエチレンからなる層が好適に用いられる。そしてその厚みは、20〜150μmとすることが多い。
上記の易剥離性を示すイージーピール層(18)としては、例えば、ブロックポリプロピレン系コポリマー、ランダムポリプロピレン系コポリマー、エチレン/酢酸ビニル等のエチレン系共重合体などが好適に用いられる。エチレン系共重合体としては、特にエチレン成分含有量が85〜98重量%の共重合体が望ましい。
ここで、ブロックポリプロピレン系コポリマーの代表例はポリプロピレン−ポリエチレンブロックコポリマー、ランダムポリプロピレン系コポリマーの代表例はプロピレン−エチレンランダムコポリマーである。
上記のベース層(17)とイージーピール層(18)の積層方法は、特に限定されない。例えば、ドライラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法、及び共押出などの周知の方法が挙げられる。
以下に本発明の電子レンジ用調理袋の一実施形態を実施例により説明する。
<実施例1>
(材質構成)
基材として、二軸延伸ナイロンフィルム15μm厚み(出光ユニテック:TB1010)の片面に、シーラントとしてポリプロピレンフィルム80μm厚み(東レ:ZK93)をドライラミネートにて貼り合せて本体フィルム及び底テープフィルムを作成した。ドライラミネート用の接着剤としては大日本インキ化学工業製:LX703VLを用いて塗布量4g/mで行った。
イージーピールテープとしてPP系イージーピール材50μm(東レフィルム:9500S)の20mm幅を、チャックとしてPP系のチャック(出光ユニテック:MFP306)を準備した。
(調理袋の製造)
(1)200mm高さ250mmの所定の寸法幅の本体フィルムの前面部材と背面部材シーラント面の所定の位置にチャックを挿入して熱圧着する。
(2)本体フィルムの前面部材シーラント面のチャックから下方30mmの位置にチャックと平行に連続的にスリット加工を行う。
(3)さらに20mm幅のイージーピールテープを本体フィルム前面部材シーラント面の内面のスリット加工部分に装入しイージーピールテープのイージーピール面と前面本体フィルムのシーラント面を合わせて120℃±20℃で熱接着を行う。
(4)所定の寸法の本体フィルムの前面部材と背面部材をシーラント面を合わせてそのボトム部分に底テープ(35mm幅)を挿入しパンチ加工を施した後、ボトムシールを上下から行う。
(5)変形サイドシールバーで本体フィルムの前面部材と背面部材をシーラント面を合わせて両サイドの熱接着を行う。
シールバーの幅は15mmとして調理袋のサイド部を左右各7.5mmの幅で熱接着し、通蒸部分のみ変形パターンに加工されているシールバーを用いる。
調理袋両端の通蒸部分は熱接着部分の幅が2mmから4mmと狭くなっており、外側にR4.5mmの凹みを設けた形状で、スリット加工部分の通蒸部分は熱接着部分の幅が1mmから3mmと狭くなっており長さ25mmで、外側にR10mmの凹みを設けた形状である。
(調理袋の物性)
作成した調理袋の本体包装材同士の熱接着部分の接着強度は100N〜117N/50mm、チャックの内面からの開口強度は60〜70N/50mm、通蒸部分のイージーピール面の開口強度は80℃で40〜50N/50mmであった。
このようにして作成した電子レンジ用調理袋に、チャックから肉じゃが4人分の食材及び調味料からなる内容物を充填した後にチャックを嵌合して封止して、内容物が密封された電子レンジ用調理袋とした。
内容物の食材としては、薄切り豚肉200g、ジャガイモ4個、しらたき100g、にんじん1本、玉ねぎ1個に合わせ調味料(だし3カップ、しょうゆ大さじ4、酒大さじ4、砂糖大さじ2、みりん大さじ1)を用いた。
まず、調理袋のチャックを開けて食材を投入し、チャックを嵌合して封止してから電子レンジに自立した状態で装入し500Wで10分間加熱した。その後一度電子レンジから調理袋を取り出し、チャックを開けて合わせ調味料を加えて軽く全体を混ぜてから電子レンジに戻し、500Wで10分間加熱後、30分冷ましてから内容物を調理袋から取り出して試食したところ加熱ムラがなく均一に調理されていた。
この時、食材を入れて電子レンジで加熱を始めてから5分から8分で自立した調理袋の上部から蒸気が噴出する(通蒸)ことが確認された。合わせ調味料を加えてからの加熱中は通蒸部分からの蒸気の噴出は続いたが、内容物の通蒸部分からの漏れ等は認められなかった。
このように、蒸気孔の形成された通蒸部が自立性袋の自立させた上部にあるために内容物が蒸気孔から漏洩噴出することなく加熱調理が安全に完了した。
本発明の電子レンジ用調理袋は、料理レシピに準じて食材、調味料等を入れ、チャックで再封し電子レンジ加熱を行うことで適度の加圧調理を行った後、内圧の急激な上昇による破袋の防止と、内容物がチャックが開いて飛び出さないようにチャック下及びサイド部分から蒸気が抜ける構造の電子レンジ用調理袋である。
たとえば、カレー、シチュー調理袋、米飯、混ぜご飯炊飯袋、おでん調理袋、肉じゃが調理袋、ナベ料理用袋等の広い範囲の料理の電子レンジを用いた調理に利用できる。
本発明の電子レンジ用調理袋は、単に食品をあたためるのみならず、好みの食材を調味料等と一緒に封入して電子レンジで加熱調理することが出来るので鍋を汚さずに調理することが可能であり洗剤や洗浄のための水の節約が出来る。
近年「内食回帰」や「巣ごもり」と呼ばれる生活習慣のブームが続き、健康に配慮した和食や個食の小容量化の増大の傾向が著しい。電子レンジをはじめとする調理家電も広く普及し、レンジの普及率は97%を超えている。
このような状況に対応して、本発明の電子レンジ用調理袋は、手軽に、小容量で、手間と時間のかかる和食を簡単にレンジで加熱加圧することが出来、使用後の袋は冷えてから廃棄することで、後片付けの手間を省くことが出来る。
また、内容物は食品だけでなく、水分を含む様々な材料の電子レンジでの加熱が必要な場合にもこの袋が適用出来る。
1…電子レンジ用調理袋
2…本体包装材A
2a…本体包装材A基材
2b…本体包装材Aシーラント
3…本体包装材B
3a…本体包装材B基材
3b…本体包装材Bシーラント
4…底テープ材
5…チャック
6…スリット
7…イージーピールテープ
7a…ベース層
7b…イージーピール層
8…通蒸部
9…ヒートシール部
9E…イージーピールテープのヒートシール部幅
10…噴出水蒸気
11…本体フィルム
12…本体フィルム基材
13…本体フィルムシーラント
14…印刷層
15…接着剤層
16…中間層
17…ベース層
18…イージーピール層
20…中間層基材
21…プライマー層
22…無機酸化物の蒸着薄膜層
23…ガスバリア性被膜層
H1…チャックから側端部通蒸位置までの距離
H2…チャックからスリットまでの距離
L1…側端部からのシール長さ
L2…スリット下部のシール幅
L3…側端部からのシール幅
L4…サイドシール幅
L7…イージーピールテープ幅
P1…側端部方向内圧応力
P2…上端部方向内圧応力
Le…本体包装材Aとイージーピールテープのシール幅

Claims (9)

  1. 表裏のフィルムを積層し両側部に熱接着により形成したヒートシール部と、一方に開口部を有する袋であって、前記開口部側に再封性を有するチャックを設け、少なくとも一方のフィルムの前記チャックから中央寄りにスリットを形成するとともに、該スリットの下面を覆うイージーピールテープを積層し、前記袋の側部から延びる前記スリットを含む領域の少なくとも一部を熱接着によりヒートシール部を形成し、かつ前記スリットから中央寄りのヒートシール幅を部分的に狭くし通蒸部を形成したことを特徴とする電子レンジ用調理袋。
  2. 前記包装体の両側端縁部のヒートシール幅を部分的に狭くし通蒸部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用調理袋。
  3. 前記スリットが側端部から所定の長さに形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の電子レンジ用調理袋。
  4. 前記スリットが不連続に形成されてなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子レンジ用調理袋。
  5. 前記イージーピールテープは、少なくともベース層とイージーピール層を積層してなり、フィルム内面との熱接着時にはイージーピール層面と熱接着してなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子レンジ用調理袋。
  6. 側部のヒートシール部分と、スリットに重なるイージーピール層上に形成されるヒートシール部分に、それぞれヒートシール幅が最も狭くなる箇所を設け通蒸部としたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子レンジ用調理袋。
  7. 側部のヒートシール部分からスリットに重なるイージーピール層上に形成されるヒートシール部を凹み形状としたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子レンジ用調理袋。
  8. 前記チャックの開口強度より、前記通蒸部の開口強度が小さいことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電子レンジ用調理袋。
  9. 前記通蒸部を少なくとも2箇所以上形成してなることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電子レンジ用調理袋。
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