JP5507935B2 - アンテナ構造および無線通信装置およびアンテナ制御方法 - Google Patents

アンテナ構造および無線通信装置およびアンテナ制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、互いに異なる複数の周波数帯域での無線通信が可能なアンテナ構造および無線通信装置およびアンテナ制御方法に関するものである。
図11には、アンテナ構造の一例が模式的に示されている(特許文献1参照)。このアンテナ構造100は、第1アンテナエレメント101と、第2アンテナエレメント102と、第1遮断手段103と、第2遮断手段104とを備えている。
このアンテナ構造100において、第1アンテナエレメント101と第2アンテナエレメント102の一端側同士は接続されている。当該第1アンテナエレメント101と第2アンテナエレメント102との接続部Xは、整合回路105を通して、無線通信装置の無線回路(給電点)106に電気的に接続される。第1アンテナエレメント101は、所定の第1周波数帯域で共振し、この共振により、第1周波数帯域の電波の送受信が可能となっている。つまり、当該第1アンテナエレメント101は、無線回路106と導通状態であるときに、無線回路106から第1周波数帯域の電流が供給されると、その給電によって共振して第1周波数帯域の電波を無線送信する。また、第1周波数帯域の電波が到来すると、第1アンテナエレメント101が共振して電波を受信し、当該受信信号は無線回路106に伝達される。
第2アンテナエレメント102は、第1周波数帯域よりも高い所定の第2周波数帯域で共振し、この共振により、第2周波数帯域の電波の送受信が可能となっている。つまり、第2アンテナエレメント102は、第1アンテナエレメント101と共振の周波数は異なるものの、第1アンテナエレメント101と同様に動作して、第2周波数帯域の電波の送受信を行う。
第1遮断手段103は、無線回路106と第1アンテナエレメント101との間の導通を遮断する機能を備えている。第2遮断手段104は、無線回路106と第2アンテナエレメント102との間の導通を遮断する機能を備えている。これら第1遮断手段103と第2遮断手段104の各動作は、無線通信装置の制御回路(図示せず)によって次のように制御される。
すなわち、無線通信装置が第1周波数帯域での無線通信を行う場合には、制御回路によって、第2遮断手段104が導通遮断動作を行い、第1遮断手段103は導通遮断の動作を行わない。このため、第1アンテナエレメント101と無線回路106は導通状態であるから、第1アンテナエレメント101は無線通信可能な状態となる。これに対して、第2アンテナエレメント102と無線回路106は導通遮断状態であるから、第2アンテナエレメント102は無線通信できない状態となる。
また、無線通信装置が第2周波数帯域での無線通信を行う場合には、制御回路によって、第1遮断手段103が導通遮断動作を行い、第2遮断手段104は導通遮断動作を行わない。このため、第2アンテナエレメント102と無線回路106は導通状態であるから、第2アンテナエレメント102は無線通信可能な状態となる。これに対して、第1アンテナエレメント101と無線回路106は導通遮断状態であるから、第1アンテナエレメント101は無線通信できない状態となる。
上記のように、アンテナ構造100では、第1周波数帯域と第2周波数帯域の2つの周波数帯域での無線通信が可能であり、第1遮断手段103と第2遮断手段104の各動作によって、無線通信の周波数帯域が切り換わる。
特開2006−311246号公報
ところで、携帯型電話機の無線通信の周波数帯域として、例えば800MHz帯や2GHz帯等の複数の周波数帯域が設定されているが、携帯型電話機の回線数拡大等のために、さらに携帯型電話機のための周波数帯域を増やそうとする動きがある。このような動きに伴って、より多くの周波数帯域の無線通信に対応可能なアンテナが要求されるようになってきている。特許文献1には、3つの周波数帯域の無線通信に対応できるアンテナ構造も提案されている。図12に示されるように、その提案のアンテナ構造110は、図11に示すアンテナ構造100を応用したものである。つまり、アンテナ構造110は、アンテナ構造100の構成に加えて、さらに、第3アンテナエレメント111および第3遮断手段112を備えている。第3アンテナエレメント111の一端側は前記接続部Xに接続され、第1や第2のアンテナエレメント101,102と同様に、整合回路105を通して無線回路106に電気的に接続される。当該第3アンテナエレメント111は、所定の第3周波数帯域で共振し、当該第3周波数帯域の電波の送受信が可能なものである。第3遮断手段112は、第3アンテナエレメント111と無線回路106との間の導通を遮断する機能を備えている。
この提案のアンテナ構造110においては、3つの周波数帯域での無線通信が可能である。しかしながら、この提案のアンテナ構造110では、上記のように、アンテナ構造100の構成に加えて、さらに、第3アンテナエレメント111が設けられている。アンテナエレメントは、対応する周波数帯域の電波波長に応じた長さを持つものであり、遮断手段103等の回路部品に比べると、大型なものである。このため、アンテナ構造110は、アンテナ構造100に比べて、第3アンテナエレメント111を設けなければならない分、かなり大型化してしまう。
上記のように、特許文献1の構成では、無線通信が可能な周波数帯域を増加しようとすると、その増加する周波数帯域の数分、アンテナエレメントを増設しなければならず、大型化が避けられないという問題がある。携帯型電話機等の無線通信装置は小型化の傾向にあり、アンテナに対して小型化の要求があることから、アンテナ構造の大型化は好ましくない。
本発明は上記課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明の目的は、大型化することなく、無線通信に対応できる周波数帯域の増加が容易なアンテナ構造および無線通信装置およびアンテナ制御方法を提供することにある。
本発明のアンテナ構造は、
所定の第1周波数帯域で共振する第1アンテナエレメントと、
前記第1周波数帯域とは異なる所定の第2周波数帯域で共振する第2アンテナエレメントと、
前記第1アンテナエレメントにおける所定の分岐部に接続し前記第1周波数帯域および前記第2周波数帯域とは異なる所定の第3周波数帯域の電流を前記分岐部からグラウンドに導く短絡部と
を備え、さらに、
前記第1アンテナエレメントの所定の開放端と前記分岐部との間の部分領域と、前記第2アンテナエレメントとは隣接配置され、
前記第2アンテナエレメントから前記第1アンテナエレメントの前記部分領域に、前記第3周波数帯域の電流が、電磁結合によって、伝達され、当該第3周波数帯域の電流は、さらに、前記第1アンテナエレメントの前記部分領域を通って前記短絡部に通電し、当該電流通電によって前記第2アンテナエレメントおよび前記第1アンテナエレメントの前記部分領域および前記短絡部が前記第3周波数帯域で共振して一つのアンテナとして機能する。
本発明の無線通信装置は、上記アンテナ構造を備えている。
本発明のアンテナ制御方法は、
所定の第1周波数帯域で共振する第1アンテナエレメントと、前記第1周波数帯域とは異なる所定の第2周波数帯域で共振する第2アンテナエレメントと、前記第1アンテナエレメントにおける所定の分岐部に接続し前記第1周波数帯域および前記第2周波数帯域とは異なる所定の第3周波数帯域の電流を前記分岐部からグラウンドに導く短絡部とを備え、さらに、前記第2アンテナエレメントから、前記第1アンテナエレメントの所定の開放端と前記分岐部との間の部分領域に、電磁結合によって、前記第3周波数帯域の電流が伝達される構成を備えたアンテナ構造に、前記第1周波数帯域での無線通信を行わせる場合には、前記第1アンテナエレメントに、前記第1周波数帯域の電流を供給し、
前記アンテナ構造に前記第2周波数帯域での無線通信を行わせる場合には、前記第2アンテナエレメントに、前記第2周波数帯域の電流を供給し、
前記アンテナ構造に前記第3周波数帯域での無線通信を行わせる場合には、前記第3周波数帯域の電流を第2アンテナエレメントに供給し、当該電流を、当該第2アンテナエレメントから、電磁結合によって、前記第1アンテナエレメントの前記部分領域に伝達させ、さらに、前記第1アンテナエレメントの前記分岐部から前記短絡部に通電させ、前記第2アンテナエレメントおよび前記第1アンテナエレメントの前記部分領域および前記短絡部を前記第3周波数帯域で共振させて一つのアンテナとして機能させる。
本発明によれば、アンテナ構造を大型化することなく、無線通信に対応できる周波数帯域の増加が容易となる。
第1実施形態を説明するための図である。 第2実施形態のアンテナ構造を説明するための図である。 第2実施形態のアンテナ構造が組み込まれる無線通信装置の一例を表したモデル図である。 第2実施形態のアンテナ構造で用いられる共振回路の一例を説明するための図である。 第2実施形態のアンテナ構造のインピーダンス特性およびリターンロス特性を表した図である。 リターンロスと損失との関係を表したグラフである。 第2実施形態のアンテナ構造と比較するためのアンテナ構造のインピーダンス特性およびリターンロス特性を表した図である。 第3実施形態のアンテナ構造を説明するための図である。 第3実施形態のアンテナ構造に用いられるスイッチ回路の構成例を表した図である。 その他の実施形態を説明するための図である。 特許文献1に示されているアンテナ構造の一つを説明するための図である。 特許文献1に示されている別のアンテナ構造を説明するための図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1(a)には、第1実施形態のアンテナ構造が模式的に示されている。このアンテナ構造1は、第1アンテナエレメント2と、第2アンテナエレメント3と、短絡部4とを備えている。第1アンテナエレメント2は、所定の第1周波数帯域で共振するものである。第2アンテナエレメント3は、第1周波数帯域とは異なる所定の第2周波数帯域で共振するものである。短絡部4は、第1アンテナエレメント2の所定の分岐部5に接続されている。当該短絡部4は、第1周波数帯域および第2周波数帯域とは異なる所定の第3周波数帯域の電流を分岐部5からグラウンドGに導く機能を備えている。
さらに、このアンテナ構造1では、第1アンテナエレメント2の所定の開放端6と分岐部5との間の部分領域7と、第2アンテナエレメント3とは隣接配置されている。これにより、アンテナ構造1は、第2アンテナエレメント3から第1アンテナエレメント2の部分領域7に、電磁結合によって、第3周波数帯域の電流Iが伝達される構成を備えている。さらに、その第3周波数帯域の電流Iは、第1アンテナエレメント2の部分領域7から分岐部5を通って短絡部4に通電する。この電流Iの通電によって、第2アンテナエレメント3と第1アンテナエレメント2の部分領域7と短絡部4は、第3周波数帯域で共振して一つのアンテナとして機能する。
このような第1実施形態のアンテナ構造1を利用して無線通信を行う場合には、次のような制御が行われる。例えば、第1周波数帯域での無線通信を行いたい場合には、第1周波数帯域の電流を第1アンテナエレメント2に供給する。これにより、第1アンテナエレメント2が第1周波数帯域で共振し、当該共振によって、第1周波数帯域での無線通信が行われる。第2周波数帯域での無線通信を行いたい場合には、第2周波数帯域の電流を第2アンテナエレメント3に供給する。これにより、第2アンテナエレメント3が第2周波数帯域で共振し、当該共振によって、第2周波数帯域での無線通信が行われる。さらに、第3周波数帯域での無線通信を行いたい場合には、第3周波数帯域の電流Iを第2アンテナエレメント3に供給する。その第3周波数帯域の電流Iは、第2アンテナエレメント3だけでなく、電磁結合によって、第1アンテナエレメント2の部分領域7にも通電し、さらに、短絡部4にも通電する。これにより、第2アンテナエレメント3および第1アンテナエレメント2の部分領域7および短絡部4が第3周波数帯域で共振し、この共振によって第3周波数帯域での無線通信が行われる。
この第1実施形態のアンテナ構造1では、上記のように、2つのアンテナエレメント2,3のそれぞれが単独で共振動作を行って、それぞれが、互いに異なる周波数帯域での無線通信を行うことができる。さらに、それに加えて、第2アンテナエレメント3と、第1アンテナエレメント2の部分領域7と、短絡部4とが第3周波数帯域で一つのアンテナのように共振して、第3周波数帯域での無線通信を行うこともできる。このように、このアンテナ構造1においては、各アンテナエレメント2,3の単独の共振だけでなく、アンテナエレメント2,3が共に関与する共振を行わせることができるので、アンテナエレメントを増加することなく、無線通信が可能な周波数帯域を増加できる。換言すれば、この第1実施形態のアンテナ構造1は、大型化することなく、無線通信が可能な周波数帯域を増加することが容易にできるものである。
上記のようなアンテナ構造1は、図1(b)に示されるように、無線通信装置10に組み込まれる。その無線通信装置10は、アンテナ構造1を組み込むことによって、アンテナエレメントの設置スペースを大幅に拡大することなく、無線通信の周波数帯域を増加させることができる。
(第2実施形態)
以下に、第2実施形態を説明する。
図2に示されるように、この第2実施形態のアンテナ構造20は、第1アンテナエレメント21と、第2アンテナエレメント22と、短絡部23と、インピーダンス整合回路24とを備えている。この第2実施形態では、当該アンテナ構造20は、例えば図3に示されるような折り畳み式(クラムシェル型)携帯型電話機11に組み込まれ、電波の送受信を行う。
なお、ここで、図3の携帯型電話機11について簡単に説明する。携帯型電話機11は、第1筐体12と、第2筐体13と、ヒンジ部14とを備えている。第1筐体12には、液晶画面等の画面表示手段15が設けられている。第2筐体13には、数字キーや決定キーを含む操作部16が設けられている。さらに、第2筐体13には、回路基板17が内蔵されている。例えば、その回路基板17には、無線通信を行うための無線回路(給電点)や、電気的にグラウンドとして機能するグラウンドパターンや、携帯型電話機11の動作制御を行う制御回路等が形成されている。ヒンジ部14は、第1筐体12と第2筐体13を、当該ヒンジ部14を中心にして回転変位が自在な状態で連結する構成を備えている。
第2実施形態のアンテナ構造20において、第1アンテナエレメント21は、所定の第1周波数帯域(例えば800MHz帯)で共振する構成を備えている。すなわち、第1アンテナエレメント21の一端側Q21は給電端であり、他端側K21は開放端となっている。第1アンテナエレメント21の給電端Q21は、インピーダンス整合回路24を通して、携帯型電話機11の無線回路18に電気的に接続される。第1アンテナエレメント21の給電端Q21から開放端K21までの物理的な長さは、当該第1アンテナエレメント21が第1周波数帯域で共振するための予め求まる電気的な長さ(電気長)に基づいて設定されている。
この第2実施形態では、第1アンテナエレメント21には、後述する分岐アンテナエレメント31が接続されている。
第2アンテナエレメント22は、所定の第2周波数帯域で共振する構成を備えている。この第2実施形態では、第2周波数帯域は第1周波数帯域よりも高い周波数帯域であり、例えば2GHz帯である。
第2アンテナエレメント22の一端側Q22は給電端であり、他端側K22は開放端となっている。第2アンテナエレメント22の給電端Q22は、インピーダンス整合回路24を通して、携帯型電話機11の無線回路18に電気的に接続される。第2アンテナエレメント22の給電端Q22から開放端K22までの物理的な長さは、当該第2アンテナエレメント22が第2周波数帯域で共振するための予め求まる電気的な長さ(電気長)に基づいて設定されている。
この第2実施形態では、第2アンテナエレメント22の開放端K22は、第1アンテナエレメント21の開放端K21と向き合うように配置されている。
上記のような第1アンテナエレメント21と第2アンテナエレメント22と分岐アンテナエレメント31は、例えば、プラスチック樹脂29の内部に固められた状態で、携帯型電話機11のヒンジ部14の内部に配置される。
インピーダンス整合回路24は、共通インピーダンス整合回路25と、ローバンド用インピーダンス整合回路26と、ハイバンド用インピーダンス整合回路27とを備えている。このインピーダンス整合回路24は、例えば、携帯型電話機11の回路基板17に搭載されている。
共通インピーダンス整合回路25には、携帯型電話機11の無線回路18が電気的に接続されると共に、第1と第2の各アンテナエレメント21,22が、それぞれ、インピーダンス整合回路26,27を通して、電気的に共通に接続されている。当該共通インピーダンス整合回路25は、その無線回路18と、アンテナエレメント21,22側とをインピーダンス整合するための回路構成を備えている。そのインピーダンス整合のための回路構成には、様々な構成があり、ここでは、それら回路構成の何れを採用してもよく、その説明は省略する。
ローバンド用インピーダンス整合回路26は、第1アンテナエレメント21の給電端Q21と共通インピーダンス回路25を電気的に接続させるために第1アンテナエレメント専用に設けられた導通経路上に設けられている。当該ローバンド用インピーダンス整合回路26は、第1アンテナエレメント21の電気長を調整する機能を備えた回路である。すなわち、第1アンテナエレメント21は、第1周波数帯域で共振するために求められた設定の電気長を持つことが好ましいが、様々な要因からその設定の電気長を精度良く持てない場合が多い。このようなことから、この第2実施形態では、ローバンド用インピーダンス整合回路26によって、無線回路18側から見た第1アンテナエレメント21の電気長が上記設定の電気長となるように電気長の調整を行っている。ローバンド用インピーダンス整合回路26には、次のような回路構成がある。例えば、電気長を長くする方向に調整したい場合には、ローバンド用インピーダンス整合回路26として、コイルが設けられる。また、電気長を短くする方向に調整したい場合には、ローバンド用インピーダンス整合回路26として、コンデンサが設けられる。この第2実施形態では、前記第1アンテナエレメント専用の導通経路と、ローバンド用インピーダンス整合回路26とによって、第1アンテナエレメント用インピーダンス整合部が構成されている。
ハイバンド用インピーダンス整合回路27は、第2アンテナエレメント22の給電端Q22と共通インピーダンス回路25を電気的に接続させるために第2アンテナエレメント専用に設けられた導通経路上に設けられている。当該ハイバンド用インピーダンス整合回路27は、第2アンテナエレメント22の電気長を調整する機能を備えた回路である。すなわち、当該ハイバンド用インピーダンス整合回路27は、無線回路18側から見た第2アンテナエレメント22の電気長が、第2共振周波数で共振するために求められた設定の電気長となるように電気長の調整を行う回路である。前記ローバンド用インピーダンス整合回路26と同様に、例えば、電気長を長くする方向に調整したい場合には、ハイバンド用インピーダンス整合回路27として、コイルが設けられる。また、電気長を短くする方向に調整したい場合には、ハイバンド用インピーダンス整合回路27として、コンデンサが設けられる。この第2実施形態では、上記第2アンテナエレメント専用の導通経路と、ハイバンド用インピーダンス整合回路27とによって、第2アンテナエレメント用インピーダンス整合部が構成されている。
この第2実施形態では、インピーダンス整合回路26,27によって、第1と第2の各アンテナエレメント21,22の電気長をそれぞれ個別に調整できる。このように、各アンテナエレメント21,22の電気長をそれぞれ個別に調整できるようにしたので、次のような効果を得ることができる。すなわち、第1や第2のアンテナエレメント21,22の電気長を調整したい場合には、第1や第2のアンテナエレメント21,22の給電端から開放端までの物理的な長さを調整することによって、電気長を調整することが考えられる。しかしながら、様々な要因によって、電気長調整のためにアンテナエレメントの物理的な長さを変更することが難しい場合が多い。このような場合には、集中定数を利用した電気的な電気長調整を行う。第1と第2のアンテナエレメント21,22が共通の無線回路18に接続されている場合に、インピーダンス整合回路26,27が設けられていないと仮定する。この場合に、電気長調整のための集中定数を共通インピーダンス整合回路25に設けると、次のような問題が生じる。つまり、第1アンテナエレメント21が設定の電気長を持つことができるように共通インピーダンス整合回路25の前記集中定数を設定すると、その集中定数のために、第2アンテナエレメント22の電気長が設定の電気長からずれてしまう。反対に、第2アンテナエレメント22が設定の電気長を持つことができるように共通インピーダンス整合回路25の前記集中定数を設定すると、その集中定数のために、第1アンテナエレメント21の電気長が設定の電気長からずれてしまう。このように、共通インピーダンス整合回路25の前記集中定数を利用した電気長調整では、アンテナエレメント21,22のうちの一方の電気長調整のために、他方側の電気長も変動し当該電気長が設定の電気長からずれてしまうという問題が生じる。これに対し、この第2実施形態では、前述したように、アンテナエレメント21,22の電気長を個別に調整できる構成を備えたので、そのような問題の発生を回避できる。これにより、各アンテナエレメント21,22の両方に、精度良く設定の電気長を持たせることが容易となる。すなわち、第1アンテナエレメント21は、第1周波数帯域で共振するための設定の電気長を精度良く持つことができ、第2アンテナエレメント22も、第2周波数帯域で共振するための設定の電気長を精度良く持つことができる。
短絡部23は、第1アンテナエレメント21において後述のように位置が定められる分岐部33に接続し所定の第3周波数帯域の電流を分岐部33からグラウンドに導く機能を備えている。この第2実施形態では、第3周波数帯域は、第1周波数帯域よりも高く、かつ、第2周波数帯域よりも低い周波数帯域である。例えば、第3周波数帯域は、1.5GHz帯である。
この第2実施形態では、短絡部23は、分岐アンテナエレメント31と、インピーダンス整合回路32とを備えている。分岐アンテナエレメント31は、第1アンテナエレメント21の分岐部33と、インピーダンス整合回路32とを接続するためのものである。
インピーダンス整合回路32は、例えば、携帯型電話機11の回路基板17に設けられ、当該回路基板17のグラウンドパターンGに電気的に接続される。当該インピーダンス整合回路32は、この第2実施形態では、共振回路により構成されている。当該共振回路は、分岐部33からインピーダンス整合回路32側を見たときに、第1周波数帯域では開放(オープン)に見え、第3周波数帯域では短絡(ショート)に見えるように回路が構成されている。図4(a)には、その共振回路の回路構成の一例が示されている。図4(a)の共振回路32aは、コンデンサ35とコイル36の並列共振回路38に、コイル37が直列接続されている回路構成を備えている。この共振回路32aでは、並列共振回路38のコンデンサ35とコイル36は、第1周波数帯域(800MHz帯)で並列共振して開放(オープン)に見えるように回路定数が設定されている。また、コイル37は、当該コイル37と並列共振回路38が、第3周波数帯域(1.5GHz帯)で直列共振して短絡(ショート)に見えるように回路定数が設定されている。このため、共振回路32aは、図4(b)の実線Aに示されるようなインピーダンス特性を持つことができる。すなわち、図4(b)の実線Aは、共振回路32aのインピーダンスが、830MHzから2.17GHzまでの周波数変化によって、どのように変化するかをスミスチャートを利用して表したものである。当該実線Aは、点a1(830MHzに対応)から、スミスチャートの最外円に沿って伸び、点a2(1.5GHzに対応)を通り、点a3(2.17GHzに対応)に至っている。当該実線Aのインピーダンス特性に示されるように、共振回路32aは、第1周波数帯域(800MHz帯)で開放(オープン)となり、第3周波数帯域(1.5GHz帯)で短絡(ショート)となることができる。
短絡部23は、上記のようなインピーダンス整合回路32を備えているので、第1アンテナエレメント21の分岐部33を流れる電流が第3周波数帯域(1.5GHz帯)の電流I3である場合には、当該電流I3は分岐部33から短絡部23に通電する。これに対して、第1アンテナエレメント21の分岐部33を流れる電流が第1周波数帯域(800MHz)の電流である場合には、その電流にとっては短絡部23は見えないために、その電流は、短絡部23に通電しない。
この第2実施形態のアンテナ構造20では、前述の如く、第1と第2のアンテナエレメント21,22の開放端K21,K22同士が向き合って近接配置されている。これにより、第2アンテナエレメント22に供給された第3周波数帯域の電流I3は、電磁結合によって、第2アンテナエレメント22の開放端K22から第1アンテナエレメント21の開放端K21に伝達される。その第3周波数帯域の電流I3は、第1アンテナエレメント21の開放端K21から分岐部33に向けて通電し、前述したように、分岐部33から短絡部23に通電する。このような、第2アンテナエレメント22と、第1アンテナエレメント21の開放端K21から分岐部33までの部分領域と、短絡部23との第3周波数帯域の電流I3の通電によって、第3周波数帯域の共振が起こるように、分岐部33の位置が設定されている。
なお、この第2実施形態では、第1と第2のアンテナエレメント21,22の開放端K21,K22同士が向き合って配置され、当該開放端K21,K22間の電磁結合を利用して第3周波数帯域の電流I3を伝達している。開放端K21,K22はアンテナエレメント中における電界分布が最も大きい部分であることから、当該開放端K21,K22を利用して電流I3の伝達を行うことによって、損失を抑制できる。
また、この第2実施形態では、短絡部23はインピーダンス整合回路(共振回路)32を含む構成とした。このため、共振回路32を適宜設定するだけで、短絡部23への第3周波数帯域の電流I3の導通と、短絡部23における第1周波数帯域の電流の導通遮断とが達成できる。
この第2実施形態のアンテナ構造20は上記のような構成を備えているので、携帯型電話機11は、アンテナ構造20を利用して次のように無線通信を行うことができる。例えば、第1周波数帯域で無線通信を行いたい場合には、携帯型電話機11は、制御回路19によって、無線回路18からアンテナ構造20に出力する無線通信のための電流を第1周波数帯域の電流とする。これにより、その第1周波数帯域の電流は、無線回路18から共通インピーダンス整合回路25とローバンド用インピーダンス整合回路26を通って第1アンテナエレメント21の給電部Q21に至る。そして、前述したように、第1周波数帯域の電流にとっては、短絡部23は無いと等価な状態であるから、第1周波数帯域の電流は、第1アンテナエレメント21の給電部Q21から開放端K21に向けて通電する。これにより、第1アンテナエレメント21は、第1周波数帯域で共振し、当該第1周波数帯域の電波を通信する。
第2周波数帯域で無線通信を行いたい場合には、携帯型電話機11は、制御回路19によって、無線回路18からアンテナ構造20に出力される無線通信のための電流を第2周波数帯域の電流とする。この第2周波数帯域の電流は、無線回路18から共通インピーダンス整合回路25とハイバンド用インピーダンス整合回路27を通って第2アンテナエレメント22の給電部Q22に至る。そして、この第2周波数帯域の電流は、第2アンテナエレメント22の給電部Q22から開放端K22に向けて通電する。これにより、第2アンテナエレメント22は、第2周波数帯域で共振し、当該第2周波数帯域の電波を通信する。
第3周波数帯域で無線通信を行いたい場合には、携帯型電話機11は、制御回路19によって、無線回路18からアンテナ構造20に出力される無線通信のための電流を第3周波数帯域の電流I3とする。この第3周波数帯域の電流I3は、無線回路18から共通インピーダンス整合回路25とハイバンド用インピーダンス整合回路27を通って第2アンテナエレメント22の給電部Q22に至る。そして、この第3周波数帯域の電流I3は、第2アンテナエレメント22の給電部Q22から開放端K22に向けて通電した後に、前述したように、電磁結合によって、第1アンテナエレメント22の開放端K21に伝達される。そして、さらに、第3周波数帯域の電流I3は、第1アンテナエレメント21の分岐部33から短絡部23に通電する。これにより、第2アンテナエレメント22と、第1アンテナエレメント21の開放端K21から分岐部33までの部分領域と、短絡部23とが、一つのアンテナエレメントのように振る舞って、第3周波数帯域で共振し、第3周波数帯域の電波を通信する。
この第2実施形態のアンテナ構造20においては、上記したように、アンテナエレメント21,22がそれぞれ単独で共振動作するだけでなく、アンテナエレメント21,22の組み合わせによって、さらに別の共振動作をも可能にした。このため、アンテナエレメントを増加することなく、無線通信に対応可能な周波数帯域を増加させることができる。このことは、実験により確認されている。すなわち、その実験では、短絡部23が省略されている以外はアンテナ構造20と同様の構成を持つアンテナ構造(比較例)と、第2実施形態のアンテナ構造20とのそれぞれのインピーダンス特性およびリターンロス特性を調べた。
実験により得られたアンテナ構造20のインピーダンス特性は、図5(a)のスミスチャート中の実線Bで表した。また、リターンロス特性に関しては、図5(b)のグラフ中の実線Cで表した。なお、図5(a)の図中の点b1〜点b10は、それぞれ、図5(b)のグラフの横軸に示される点b1〜点b10の周波数に対応したインピーダンスを示している。
図5(b)のリターンロス特性を見ると、アンテナ構造20では、3つの共振が見られる。つまり、第1アンテナエレメント21の第1周波数帯域の共振動作に基づいた800MHz帯の共振が見られる。また、第2アンテナエレメント22の第2周波数帯域の共振動作に基づいた2GHz帯の共振も見られる。さらに、第1及び第2のアンテナエレメント21,22が共に関与した第3周波数帯域の共振動作に基づいた1.5GHz帯の共振が見られる。
ところで、携帯型電話機の無線通信のための周波数帯域として、図5(b)中に示される周波数帯域SA(800MHz帯)、周波数帯域SC(1.7GHz帯)、周波数帯域SD(2GHz帯)が設定されている。さらに、前述したように、周波数帯域SB(1.5GHz帯)をも追加しようとする動きがある。また、図6に示されるような、アンテナ構造のリターンロスと、無線通信状態に悪影響を与える損失との間の関係に基づいて、所定の良好な無線通信を得るためには、リターンロスが−5dB以下であることが好ましいとされている。
図5(b)のリターンロス特性を見ると、アンテナ構造20では、携帯型電話機のための4つの周波数帯域SA〜SDの何れにおいても、リターンロスが−5dB以下となっており、無線通信に対応可能となっている。
前記実験により得られた比較例のインピーダンス特性は、図7(a)のスミスチャート中に実線Dで表した。比較例のリターンロス特性に関しては、図7(b)のグラフ中に実線Eで表した。図7(a)、(b)の図中の点b1〜点b10は、それぞれ、図5(a)、(b)に示される点b1〜点b10と同様である。
比較例においては、図7(b)のリターンロス特性を見ると、2つの共振が見られる。つまり、比較例では、第1アンテナエレメント21の第1周波数帯域の共振動作に基づいた共振と、第2アンテナエレメント22の第2周波数帯域の共振動作に基づいた共振とが見られる。
この比較例の図7(b)のリターンロス特性と、第2実施形態のアンテナ構造20の図5(b)のリターンロス特性とを比較すると、アンテナ構造20は、比較例に比べて、共振が増加していることが分かる。さらに、これにより、アンテナ構造20は、比較例に比べて、リターンロスが−5dB以下である無線通信に対応できる周波数領域が拡大していることが分かる。このため、比較例では、周波数帯域SA,SC,SDに対応できるが周波数帯域SBに対応できないのに対し、アンテナ構造20は、周波数帯域SA〜SDの全てに対応可能である。すなわち、アンテナ構造20は、アンテナエレメントを増加することなく、無線通信に対応可能な周波数帯域を増加できることが実験により確認できた。
(第3実施形態)
以下に、第3実施形態を説明する。
この第3実施形態では、第2実施形態に示した短絡部23のインピーダンス整合回路32に代えて、短絡部23には、図8に示すように、スイッチ回路40が設けられている。それ以外の第3実施形態の構成は、第2実施形態と同様である。この第3実施形態では、第2実施形態の説明と重複する部分の説明は省略する。
スイッチ回路40は、第3周波数帯域の電流I3を短絡部23に通電させるべく導通状態(オン状態)となり、それ以外の場合には遮断状態(オフ状態)となるように、スイッチング動作が携帯型電話機11の制御回路19によって制御される。図9(a)、(b)には、スイッチ回路40の具体的な回路構成例が示されている。
図9(a)のスイッチ回路40(40a)は、ダイオードを利用したものである。すなわち、スイッチ回路40aは、pin(p-intrinsic-n)ダイオード42と、コイル43と、抵抗部44とを備えている。pinダイオード42のカソード側はグラウンドパターンGに電気的に接続され、pinダイオード42のアノード側は分岐アンテナエレメント31を通して第1アンテナエレメント21の分岐部33に電気的に接続される。さらに、pinダイオード42のアノード側には、コイル43と抵抗部44の直列接続回路の一端側が接続されている。このコイル43と抵抗部44の直列接続回路の他端側は制御回路19に接続される。
コイル43は、高周波カットのために設けられるものであり、当該コイル43によって、アンテナ側から制御回路19を見えなくし、制御回路19の影響がアンテナに及ばないようにしている。抵抗部44は、制御回路19からpinダイオード42に供給される電流値がpinダイオード42に適したものとなるように電流制限を行うものである。
このスイッチ回路40aには、制御回路19から、例えば、電圧値ゼロのロー信号と、ゼロよりも大きい所定の電圧値を持つハイ信号とのうちの何れかが加えられる。制御回路19からスイッチ回路40aにロー信号が出力されている場合には、pinダイオード42の印加電圧はほぼゼロであり、pinダイオード42はオフ状態となる。この場合には、そのオフ状態のpinダイオード42によって、第1アンテナエレメント21の分岐部33とグラウンドパターンGとの間は導通遮断状態となる。これに対して、制御回路19からスイッチ回路40aにハイ信号が出力されている場合には、pinダイオード42の印加電圧がpinダイオード42の順方向降下電圧となり、pinダイオード42はオン状態となる。この場合には、そのオン状態のpinダイオード42によって、第1アンテナエレメント21の分岐部33とグラウンドパターンGとの間は導通状態となり、分岐部33はグラウンドパターンGに短絡する。
図9(b)のスイッチ回路40(40b)は、トランジスタを利用したものである。すなわち、スイッチ回路40bは、電界効果トランジスタ(FET(Field-effect-transistor))46と、コイル47とを備えている。FET46のソース側はグラウンドパターンGに接続され、FET46のドレイン側は分岐アンテナエレメント31を通して第1アンテナエレメント21の分岐部33に電気的に接続される。FET46のゲート側にはコイル47の一端側が接続され、コイル47の他端側は制御回路19に接続される。
コイル47は、スイッチ回路40aのコイル43と同様に、高周波カットのために設けられるものであり、当該コイル47によって、アンテナ側から制御回路19を見えなくし、制御回路19の影響がアンテナに及ばないようにしている。
このスイッチ回路40bに関しても、スイッチ回路40aと同様に、制御回路19から出力される信号に基づいて、スイッチング動作が制御される。すなわち、制御回路19からスイッチ回路40bにロー信号が出力されている場合には、FET46は、ソース−ドレイン間に電流が通電しないオフ状態となる。この場合には、そのオフ状態のFET46によって、第1アンテナエレメント21の分岐部33とグラウンドパターンGとの間は導通遮断状態となる。これに対して、制御回路19からスイッチ回路40bにハイ信号が出力されている場合には、FET46は、ソース−ドレイン間に電流が通電するオン状態となる。この場合には、そのオン状態のFET46によって、第1アンテナエレメント21の分岐部33とグラウンドパターンGとの間は導通状態となり、分岐部33はグラウンドパターンGに短絡する。
この第3実施形態のアンテナ構造は、前述したようにスイッチ回路40(40a,40b)がオン状態となるように制御されることによって、第2実施形態と同様に、アンテナエレメント21,22が共に関与する第3周波数帯域での共振動作を行う。これにより、この第3実施形態においても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。つまり、2つのアンテナエレメント21,22がそれぞれ単独で共振するだけの場合に比べて、アンテナエレメントの数を増加することなく、無線通信のための周波数帯域を増加することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は第1〜第3の実施形態に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第1〜第3の各実施形態では、第1アンテナエレメント2,21には、短絡部4,23が一つ接続されていた。これに対して、例えば、図10に示されるように、第1アンテナエレメント21には、互いに異なる複数箇所に短絡部23a,23b,23cを接続してもよい。この場合には、図10の構成を含むアンテナ構造50は、第1〜第3の周波数帯域に加えて、さらに、第4周波数帯域および第5周波数帯域で共振することが可能となる。例えば、アンテナ構造50は、第1アンテナエレメント21による第1周波数帯域(例えば800MHz帯)と、第2アンテナエレメント22による第2周波数帯域(例えば2.4GHz帯)で共振する。さらに、アンテナ構造50は、第2アンテナエレメント22と、第1アンテナエレメント21の開放端K21から分岐部33bまでの部分領域と、短絡部23bとによる第3周波数帯域(例えば1.5GHz帯)で共振する。さらに、アンテナ構造50は、第2アンテナエレメント22と、第1アンテナエレメント21の開放端K21から分岐部33aまでの部分領域と、短絡部23aとによる第4周波数帯域(例えば2GHz帯)で共振する。さらに、アンテナ構造50は、第2アンテナエレメント22と、第1アンテナエレメント21の開放端K21から分岐部33cまでの部分領域と、短絡部23cとによる第5周波数帯域(例えば1.2GHz帯)で共振する。このような場合には、共振の周波数帯域間の間隔が狭くなり、これにより、インピーダンス整合回路を利用した周波数分離が難しくなる場合がある。このような場合には、短絡部23には第3実施形態に示したようなスイッチ回路40を設けることが好ましい。
さらに、第2や第3の実施形態では、第1アンテナエレメント21と第2アンテナエレメント22と分岐エレメント31は、プラスチック樹脂29の内部に固められている状態で、携帯型電話機11のヒンジ部14の内部に収容されていた。これに代えて、第1アンテナエレメント21と第2アンテナエレメント22と分岐エレメント31は、例えばセラミックス等の誘電体基体に設けられてもよい。その誘電体基体は、例えば回路基板17に実装される。さらに、第1アンテナエレメント21と第2アンテナエレメント22と分岐エレメント31は、回路基板17に直接的に設けてもよい。このように、第1アンテナエレメント21と第2アンテナエレメント22と分岐エレメント31が無線通信装置に組み込まれる態様は、第2や第3の実施形態に限定されるものではない。
さらに、第1アンテナエレメント21や第2アンテナエレメント22の形状は、図2の形状に限定されるものではなく、例えばメアンダ状等の他の形状であってもよい。
さらに、第2や第3の実施形態では、第1アンテナエレメント21と第2アンテナエレメント22は、開放端同士K21,K22が向き合って配置されていた。これに代えて、第1アンテナエレメント21および第2アンテナエレメント22の配置態様は、アンテナ間の干渉の問題や、第3周波数帯域等の電流伝達の効率や、アンテナ設置スペースの大きさ等を考慮して、他の適宜な配置態様を採り得る。
さらに、第2や第3の実施形態では、第1アンテナエレメント21と第2アンテナエレメント22は、共通の無線回路18に電気的に接続されていた。これに対して、第1アンテナエレメント21と第2アンテナエレメント22は、それぞれ、別々の無線回路に接続されていてもよい。この場合には、例えば、第1アンテナエレメント21に接続される無線回路は、所定の第1周波数帯域(例えば800MHz帯)の電流の給電源となる。また、第2アンテナエレメント22に接続される無線回路は、所定の第2周波数帯域(例えば2GHz帯)および所定の第3周波数帯域(例えば1.5GHz帯)の電流の給電源となる。それ以外の構成は、第2や第3の実施形態と同様な構成となり、このような場合にも、第2や第3の実施形態と同様の効果、つまり、アンテナエレメントを増加することなく、無線通信に対応可能な周波数帯域を増加できるという効果を得ることができる。なお、各アンテナエレメントが別々の無線回路に接続される場合には、共通インピーダンス整合回路は省略される。
さらに、第2や第3の実施形態では、アンテナ構造20が組み込まれる無線通信装置の一例として、携帯型電話機11を示したが、本発明のアンテナ構造を備えた無線通信装置は、携帯型電話機11に限定されるものではない。例えば、本発明のアンテナ構造を備えた無線通信装置のその他の例としては、折り畳み式以外の形態の携帯型電話機や、PDA(Personal-Digital-Assistant)等の携帯情報端末や、設置タイプの無線通信装置などがある。
1,20,50 アンテナ構造
2,21 第1アンテナエレメント
3,22 第2アンテナエレメント
4,23 短絡部
5,33 分岐部
32 インピーダンス整合回路
40 スイッチ回路

Claims (9)

  1. 電流が供給される給電端を通って第1周波数帯域の電流が供給されることにより前記第1周波数帯域で共振する第1アンテナエレメントと、
    電流が供給される給電端を通って前記第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域の電流が供給されることにより前記第2周波数帯域で共振する第2アンテナエレメントと、
    前記第1アンテナエレメントにおける所定の分岐部に接続し前記第1周波数帯域および前記第2周波数帯域とは異なる第3周波数帯域の電流を前記分岐部からグラウンドに導く短絡部と
    を備え、さらに、
    前記第1アンテナエレメントの電気的な開放端と前記分岐部との間の部分領域と、前記第2アンテナエレメントとは隣接配置され、
    前記第2アンテナエレメントの前記給電端に供給される前記第3周波数帯域の電流は、前記第2アンテナエレメントを通り、当該第2アンテナエレメントから電磁結合によって前記第1アンテナエレメントの前記部分領域に伝達され、さらに、前記第1アンテナエレメントの前記部分領域を通って前記短絡部に通電し、当該電流通電によって前記第2アンテナエレメントおよび前記第1アンテナエレメントの前記部分領域および前記短絡部が前記第3周波数帯域で共振して一つのアンテナとして機能するアンテナ構造。
  2. 前記短絡部は、前記第1アンテナエレメントの前記分岐部から前記短絡部側を見たときに、前記第3周波数帯域の電流に対してはショートとなり、前記第1周波数帯域の電流に対してはオープンとなるインピーダンス整合回路を含んでいる請求項1記載のアンテナ構造。
  3. 前記短絡部は、前記第1アンテナエレメントの前記分岐部と前記グラウンドとの導通と導通遮断とを切り換えるスイッチ回路を含んでいる請求項1記載のアンテナ構造。
  4. 前記第1周波数帯域と前記第2周波数帯域と前記第3周波数帯域の各電流を給電する給電源に電気的に接続する共通インピーダンス整合回路と、
    前記共通インピーダンス整合回路と前記第1アンテナエレメントとを電気的に接続すると共に、第1アンテナエレメントの電気長を調整する第1アンテナエレメント用インピーダンス整合部と、
    前記共通インピーダンス整合回路と前記第2アンテナエレメントとを電気的に接続すると共に、第2アンテナエレメントの電気長を調整する第2アンテナエレメント用インピーダンス整合部と
    を、さらに、備えている請求項1又は請求項2又は請求項3記載のアンテナ構造。
  5. 前記第2周波数帯域は、前記第1周波数帯域よりも高く、
    前記第3周波数帯域は、前記第1周波数帯域よりも高く、かつ、前記第2周端数帯域よりも低い請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載のアンテナ構造。
  6. 前記第1アンテナエレメントの前記開放端と、前記第2アンテナエレメントの所定の開放端とが向き合って配置されている請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載のアンテナ構造。
  7. 前記第1アンテナエレメントには、さらに、所定の周波数帯域の電流をグラウンドに導く短絡部が前記短絡部とは別に少なくとも1つ接続されている請求項1乃至請求項6の何れか一つに記載のアンテナ構造。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか一つに記載のアンテナ構造を備えている無線通信装置。
  9. 電流が供給される給電端を通って第1周波数帯域の電流が供給されることにより前記第1周波数帯域で共振する第1アンテナエレメントと、電流が供給される給電端を通って前記第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域の電流が供給されることにより前記第2周波数帯域で共振する第2アンテナエレメントと、前記第1アンテナエレメントにおける所定の分岐部に接続し前記第1周波数帯域および前記第2周波数帯域とは異なる第3周波数帯域の電流を前記分岐部からグラウンドに導く短絡部とを備え、さらに、前記第2アンテナエレメントから、前記第1アンテナエレメントの電気的な開放端と前記分岐部との間の部分領域に、電磁結合によって、前記第3周波数帯域の電流が伝達される構成を備えたアンテナ構造に、前記第1周波数帯域での無線通信を行わせる場合には、前記第1アンテナエレメントの前記給電端に、前記第1周波数帯域の電流を供給し、
    前記アンテナ構造に前記第2周波数帯域での無線通信を行わせる場合には、前記第2アンテナエレメントの前記給電端に、前記第2周波数帯域の電流を供給し、
    前記アンテナ構造に前記第3周波数帯域での無線通信を行わせる場合には、前記第3周波数帯域の電流を第2アンテナエレメントの前記給電端に供給することにより、前記第3周波数帯域の電流を、前記第2アンテナエレメントを通し当該第2アンテナエレメントから、電磁結合によって、前記第1アンテナエレメントの前記部分領域に伝達させ、さらに、前記第1アンテナエレメントの前記分岐部から前記短絡部に通電させ、前記第2アンテナエレメントおよび前記第1アンテナエレメントの前記部分領域および前記短絡部を前記第3周波数帯域で共振させて一つのアンテナとして機能させるアンテナ制御方法。

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