JP5506399B2 - 低voc革 - Google Patents

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Description

本発明はVOC(揮発性有機化合物)の揮発量が少ない天然皮革(以下低VOC革とも言う。以下、革、皮革及び天然皮革は同義語である)に関するものである。
シート、ハンドル、シフトノブ、インストルメントパネルなど自動車内装用部品には天然皮革が用いられている。
天然の皮から天然皮革を製造する工程は、なめし前の予備処理、なめし剤を用いるなめし工程を経て、なめし剤を用いる再なめし工程、染料を用いる染色工程及び加脂剤を用いる加脂工程、乾燥工程、塗膜の形成工程から構成されている。この一連の工程では、なめし工程までの処理を行い、引続いて再なめし工程以降の工程を行うことができるし、再なめし工程以降の工程を他の場所に移動して行うこともできる。
なめし工程では、皮なめし剤としてはクロム化合物を用いる方法が用いられてきたが、グルタルアルデヒドなどのクロム化合物以外のなめし剤を用いる方法に転換が進められている。
再なめし工程ではクロム化合物による再なめしのほか、植物なめし剤、合成なめし剤及びグルタルアルデヒドなどを用いる再なめしが行なわれている。
染料にはスルホン酸基やカルボン酸基を有する酸性染料、スルホン酸基をもつ直接染料、窒素塩基を有する塩基性染料、反応染料、硫化染料など各種の染料が用いられる。
加脂剤にはアニオン性加脂剤、カチオン性加脂剤、両性加脂剤、ノニオン性加脂剤、脂肪酸石鹸などが用いられる。
加脂工程及びそれに続く乾燥工程を経た革に塗料を塗布し、塗膜形成が行われる。塗膜形成には、ポリウレタン樹脂などの合成樹脂などが用いられる。
前記の工程を得て、製造された天然皮革は自動車内装用部品などの表皮材として用いられる。耐磨耗性を有するもの、手触りがよいものなど特徴のある天然皮革を得ることができる。当然に厳しい管理条件のもとで開発されてきたものであるが、得られた自動車内装用部品を用いた自動車内の環境を測定してみると、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどのVOC(揮発性有機化合物)が測定され、自動車内の空気中に含まれることが分かった。
日本自動車工業会では自動車内のVOC濃度を厚生労働省の指針値に適合させる取組みを行っており、各自動車会社及び天然皮革の製造会社はこのような結果を踏まえて、自動車内の濃度を指針値に適合するために全力を挙げて取り組んでいる。
現状では、前記VOCの発生原因又は発生機構は必ずしも明確ではなく、自動車内のホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの存在量を極力低い状態にし、目標値以下にするにしても、具体的な処理手段は明らかでなく、早急に効果的な解決が望まれている。
自動車内の動物由来の原皮から製造された天然皮革は、自動車が窓を閉めた状態で直射日光下におかれた場合に、通常の居住空間に比べて極めて高くなることが知られている。その際に材料中の揮発成分が高温下で揮発した後、ガラス表面で冷却されて再凝縮し、ウインドウガラスに付着した再凝縮物により面内がくもる現象が発生する。運転者の視界を遮り、運転の安全性を損なう結果となる。この現象はフォギングと呼ばれる。この現象は、揮発成分が高温下(100から120℃)で揮発することにより発生するものであり、本発明で問題にしている、格別加熱状態でないにもかかわらず車内環境下に発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどによる問題とは相違する。
自動車内で発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドの発生を低減させる方法とし
ては、以下の方法がある。革なめし工程で用いるなめし剤がホルムアルデヒドの発生原因の一つとされ、これを防止するためにヒドロキシアルキルホスフィン化合物などのホルムアルデヒドが発生しないなめし剤の開発が行われている(特許文献1 特表平6−502886号公報、特許文献2 特開2005−272725号公報、特許文献3 特開2006−8723号公報)。
現状では合成なめし剤としてフェノールスルホン酸とホルムアルデヒドからなるなめし剤を用いることは最も適切な方法であるとされている(特許文献4 特開2000−119700号公報)。前記の新しく開発されたなめし剤を用いてなめし及び再なめしを行う方法は、従来行われてきたなめし、再なめしの結果により得られる結果と比較して、有効であるという段階に達していないと考えられるから、この方法は十分な解決策にはなりえない。又、この方法は現在問題とされている残存するアセトアルデヒドが天然皮革から発生することを防止することには触れられておらず、現状ではこの方法によっては根本的な解決をすることを期待できない。
加工対象の皮にホルマリンフリーなめしを行う第1の工程と、前記第1の工程の後に前記皮に回転ドラム内で油なめしを行うとともに、前記ドラム内の温度を上げながら前記回転ドラム内で酸化を促す第2の工程で行う方法(特許文献5 特開2005−272725号公報)がある。この場合には、グルタルアルデヒドによるホルマリンフリーなめしを行うものであり、現在問題となっている方法はグルタルアルデヒドを用いる方法ではないから、この方法により、今、問題とされているホルムアルデヒドやアセトアルデヒドの処理を行うことは困難である。
現状において、皮のなめし操作などの一連の天然皮革を製造することによって得られる天然皮革中から発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドの発生を低減・防止することについてすぐに役立つ有効な手段はなく、早急にその解決策が求められている。
天然皮革の製造以外の分野でホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを除去する方法について見てみると、以下の通りである。
(1)化学反応中にホルムアルデヒドやアセトアルデヒドの副生を伴う製造工程では、副生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを全量系外に取り出して除去することにより、生成物中に含まれるホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを皆無にするというより、むしろ、これらの発生量を一定量に抑制したり、又は、最終的に分離されたホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを反応系に戻すことにより、絶えず一定量に保持するなどの手段がとられる。
(イ) プロピレンオキサイド中に副生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドの除去ではリサイクルして戻すなどの手段がとられ、場合によっては水と共に系外に取り出す(特許文献6 特開2007−84527号公報)。
(ロ) エチレン酢酸ビニルエマルジョンの製法では、反応系中に無機系還元剤を添加しておくことによりアセトアルデヒドなどのアルデヒド類の発生を回避する(特許文献6
特開2003−277411号公報)。
製造方法の系中で副生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを対象にして、反応を継続するものであり、天然皮革内部に発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを外に漏れ出さないようにする手段を述べておらず、この方法では解決できない。
(2)製品中に含まれる、又は分解して発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドが高分子化合物中から空気中に散逸する場合には、その製品を製造する当初の段階で、製品中にホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを閉じ込めるための添加剤を予め添加しておいて、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドが発生又は分解して発生することを防止する。具体的には、自動車内装材として用いられるプラスチック成形材であるポリウレタンフオーム成形品、スラッシュ成形用樹脂粉末、ポリアセタール樹脂組成成形品の中に、成形品を製造する段階で、製品の内部及び外部を問わず、全部にカルボヒドラジド又は酢酸ヒド
ラジドのいずれか、アジピン酸ジヒドラジド、芳香族カルボン酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸ヒドラジドなどを添加しておくものなどがある(引用文献7:特開2006−182825号公報、特許文献8 特開2006−188669号公報、特許文献9 特開2006−321880号公報、特許文献10 特開2006−321929号公報、特許文献11 特開2005−325225号公報、特許文献12 特開6−080619号公報)。
高分子化合物に含まれる、又は分解して発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドが高分子化合物中から空気中に散逸することに対処する手段として、高分子化合物全体の内部や細部にわたり、予め添加剤を添加しておくものである。この方法は、高分子化合物より得られる成形体に対して初めて適用できる手段であり、天然の皮を処理剤で処理して内部に処理剤を蓄積している天然皮革内部から、皮革内部の組織やその処理剤から、遊離発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドに対処する方法を示唆するものではない。
(3)ホルムアルデヒドなどが空気中に存在し、これが不都合である場合には、ホルムアルデヒドを吸着処理できる物質を固定しておいて、ホルムアルデヒドを吸着物質により吸着処理し、空気中に存在しないようにするものとしては、以下のものがある。
(イ)シリカゲル及びアルミナ粒子にヒドラジド化合物を担持させておいて、空気浄化を行うもの(特許文献13 特開2007−167495号公報)
(ロ)室内に分散するホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等の臭気成分を効率良く除去し、室内から少なくともホルムアルデヒド等のアルデヒド類の臭いを消すために、カーペット本体又は繊維原料に、アルデヒド類を吸着する吸着剤(アジピン酸ジヒドラジドをゲル状で固定)を具備させる(特許文献14 特開平11−46965号公報)。
(ハ)シート本体の少なくとも一表面側に、発泡性ゴム体からなる滑止部を設け、アルデヒド類を吸着する吸着剤としてアジピン酸ジヒドラジド化合物を存在させる(特許文献15 特許第3053373号明細書)。
(ニ)ホルムアルデヒド捕捉剤を含有、含浸または塗布した基材の裏面に粘着加工を施す(特許文献16 特開平10−102782号公報)。ホルムアルデヒドのみを対象とする。
(ホ)アルデヒド類、フェノール類に対する消臭繊維であり、分子内にヒドラジン基を2ケ以上有するヒドラジド化合物が多官能性モノマーとの架橋体を形成して繊維表面に固着させ、アジピン酸ジヒドラジド化合物などのヒドラジド化合物量を繊維に対し0.1〜10重量%付着させる(特許文献17 特開平9−78452号公報)。
この方法の処理対象物は、空気中に浮遊して存在するホルムアルデヒドを吸着除去しようとするものであり、内部で発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを封じ込めるという手段や方法を意味しない。
(ヘ)革中に含まれるホルムアルデヒドに関し、水中に溶出したホルムアルデヒドの除去方法が検討され、亜硫酸水素ナトリウム、尿素及びアンモニア水による処理が検討された。又、皮粉をクロムなめし剤で処理し、アルデヒド系クロム吸尽促進で処理した皮粉を水洗処理してホルムアルデヒドの濃度変化の測定を行った。又、ホルムアルデヒドなめし豚革(FA革)を亜硫酸水素ナトリウム溶液及びアンモニア水で処理した際の溶出ホルムアルデヒド量を測定した。セーム革を亜硫酸水素ナトリウム溶液,亜硫酸水素アンモニウム溶液、尿素溶液、アンモニア水で処理した場合のホルムアルデヒド除去率の計算を行った。クロムなめし剤、アニオン性樹脂なめし剤及びカチオン性樹脂なめし剤で処理した天然皮革の溶出ホルムアルデヒド量の測定を行っている(天然皮革化学Vol.34、No.4、p177)。これは溶出したホルムアルデヒドの除去に、亜硫酸水素ナトリウム水溶液などを用いるものであり、ホルムアルデヒドを革中に閉じ込めることによる固定化することによるホルムアルデヒドの発生を防止することを述べるものではない。
処理しようとする対象物内部に存在するホルムアルデヒドを内部に閉じ込めるのではなく、むしろ内部に閉じ込めることを諦めて積極的に水溶媒により外部に取り出して、その
ホルムアルデヒドを捕らえられるものである。分析化学などの処理で行われる処理を述べるものであり、発生することを防ぐ防御手段となるものでもない。
尿素による処理、二硫化ナトリウムなどについても記載されているが、この場合についてもホルムアルデヒドを革中に固定化することを述べるものではない。
(ト)本出願人は前記フォギングを防止する対策として、そのフォギングの発生の原因をウシ原皮に由来する脂質と、製造工程で使用する薬剤(加脂剤)に由来する脂質によるとし、この一部は高温下で揮発した後ガラス表面で冷却されて再凝集し、ガラス曇りの原因となることを見出して、「(1)柔軟剤の使用によりフォギングや悪臭の原因物質である加脂剤の使用を避け、(2)合成タンニンの使用によりフォギングや悪臭の原因物質である植物タンニンの使用を避け、(3)酸化防止剤により脂質等の酸化分解に起因する揮発物質や悪臭の生成が抑制され、(4) 加熱処理によりあらかじめ収縮され、さらに(5)裏面に樹脂が塗布されて揮発物質の放出が遮断されることにより、使用環境が厳しい部位であっても、熱収縮を抑えるとともに揮発物質を減らしてフォギングを抑制し、更に、酸化による悪臭の発生を抑制することができる。」とする発明である(特許文献19 特開2007−070487号公報)。フォギングは高温下による揮発物質によるものであり、高温下にすることなく天然皮革より発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドとは相違するものであり、天然皮革より発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドの抑制・防止を意図するものとはなりえないものである。
特表平6−502886号公報 特開2005−272725号公報 特開2006−8723号公報 特開2000−119700号公報 特開2005−272725号公報 特開2007−84527号公報 特開2003−277411号公報 特開2006−182825号公報 特開2006−188669号公報 特開2006−321880号公報 特開2006−321929号公報 特開2005−325225号公報 特開6−080619号公報 特開2007−167495号公報 特開平11−46965号公報 特許第3053373号明細書 特開平10−102782号公報 特開平9−78452号公報 特開2007−070487号公報 天然皮革化学Vol.34、No.4、p177
本発明が解決しようとする課題は、なめし、再なめし及び染色に続く加脂工程を経た天然皮革、次に塗膜を形成して得られる天然皮革に関し、天然皮革内部の組織、及び組織に取り込まれている物質が分解するなどして、遊離するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが天然皮革から離れて外部にでてくることを抑制又は防止する天然皮革、及びその天然皮革を製造するために天然皮革製造の加脂工程において添加される、天然皮革を加脂すると共に、なめし剤・加脂剤など皮革製造工程で皮革中に取り込まれた薬剤から遊離するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが皮革から出てくることを抑制又は防止する天然皮革処理剤を提供することである。
本発明者らは前記課題について取組み、以下のことを検討する必要があることが分かった。
A (1)なめし工程を経て、合成なめし剤などを用いる再なめし工程、染料を用いる染色工程及び加脂剤を用いる加脂工程は、同一ドラムを用いて各処理が連続して行われる。
前記各工程では、処理しようとする天然皮革と処理剤であるなめし剤、染料及び加脂剤と天然皮革との化学反応であり、なめし剤や加脂剤が天然皮革と接触する際に不具合を起し、一部が分解されて、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが処理工程中で発生し、放出され、同時に処理工程中又は革中に蓄積され、これらが天然皮革から放出され、これが検出されているのではないかということが考えられる。
化学反応処理中にホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが発生しないようにする対策としては、上記した化学反応に際して処理工程中において発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生量を低くし、一定の範囲以下に抑えることにより、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生量を必然的に少なくすることができる。そこで、本発明のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが発生する原因は、処理工程中で、処理剤が天然皮革と接触する際に不具合を起し、処理剤の一部が分解されてその結果によるものかどうかについて調べてみることとした。
(2)天然皮革中に取り込まれ、処理剤が天然皮革と結合した状態となった後に、何らかの作用又は原因で処理剤の一部が分解してホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが放出された結果、これらが天然皮革から発生することも考えられる。
この場合には、天然皮革製造工程に送り込まれる処理剤と、天然皮革中で分解、発生することによるホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを取り込んで固定する固定剤又は捕集剤を一緒に送り込んでおくことにより、天然皮革製造工程で添加される処理剤が分解し、遊離するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを取り込んで、天然皮革内に閉じ込める結果、天然皮革中からホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生を防止することが可能となると考えられる。
天然皮革を薬剤により処理する工程では天然皮革に対して処理剤と、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド固定剤若しくは捕集剤を同時に供給して天然皮革中に同時に取込ませ、処理剤が分解した場合であっても分解生成物を固定剤若しくは捕集剤により天然皮革中に閉じ込めようとする考え方は、天然皮革製造工程のみならず、一般の製造工程においても、知られていない。
B 本発明者らは前記Aの(1)及び(2)について実験により確認し、(2)の場合が有効であることを確認し、本発明を完成させた。内容は以下の通りである。
(1) 合成なめし剤を用いる再なめし工程、染料を用いる染色工程及び加脂剤を用いる加脂工程において各工程中に、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが存在することが確認できるか、どうかということについて
実稼動しているドラム装置中の気体及び液体中に、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド含まれているかどうかを確認してみたところ、いずれも確認できなかった。
すなわち、処理剤であるなめし剤、染料及び加脂剤が皮や革と接触する際に不具合を起し、一部が分解されて、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが処理工程中で発生し、放出されて、処理工程中又は革中に蓄積され、これがホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生の原因になるのではないことがわかった。
したがって、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが発生する原因は、天然皮革中に取り込まれているなめし剤及び加脂剤が天然皮革と結合した状態となった後に、その一部が何らかの原因で分解され、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドとして放出されて、天然皮革から発生すると考えられる。
ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが天然皮革から発生している結果から検討すると、このように解釈せざるをえないこととなる。
結論として、天然皮革中に取り込まれている処理剤が天然皮革と結合した状態となった
後に、何らかの原因で処理剤の一部が分解され、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが分解、放出されて、天然皮革から発生するということとなる。
(2)次に、天然皮革を、なめし剤、再なめし剤及び染料からなる処理剤により処理し、次の加脂工程では、天然皮革の加脂剤(これらは天然皮革を加脂剤により処理し、加脂剤を天然皮革中に染込ませるものである。)及び天然皮革中で発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める捕集剤又は固定剤を含む天然皮革処理剤により、天然皮革処理を行った。
この捕集剤又は固定剤には、ヒドラジド化合物、又は亜硫酸水素ナトリウム及びヒドラジド化合物を用いた。その結果、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生が抑えられている一方、この捕集剤又は固定剤を添加しない加脂剤により加脂処理された天然皮革からはホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生が抑制されていない。
以上のことから、天然皮革から遊離するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを捕らえて、天然皮革中に封じ込めるため捕集剤又は固定剤を含む天然皮革処理剤により、天然皮革中で分解、遊離するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込めることができることを確認できた。
加脂工程において、加脂剤と共に固定剤若しくは捕集剤の共存下に加脂処理することとした理由は以下による。
加脂剤とホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを捕らえて、天然皮革中に封じ込めるため捕集剤又は固定剤を含む処理剤の存在下に天然皮革の加脂操作を行うと、加脂工程以前の処理剤とともに、加脂工程での加脂剤が、天然皮革中で分解し、遊離するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込めることができるからであり、加脂工程以降では、天然皮革中に取り込まれる処理剤はないことによる。
なお、加脂工程を過ぎた天然皮革は、乾燥工程を経て裏のり剤を塗布した後、ポリウレタンなどによる樹脂により天然皮革に塗膜の形成を行う。ポリウレタンによる塗膜を形成することにより、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドの発生をもたらすことは考えられない。
(3)かくして、再なめし工程、染色工程及び加脂工程と続く革の製造工程の加脂工程で加脂剤とホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを捕らえて、天然皮革中に封じ込める捕集剤又は固定剤の作用を果たす、ヒドラジド化合物、又は亜硫酸水素ナトリウム及びヒドラジド化合物の共存下に加脂処理して得られる天然皮革は、ヒドラジド化合物、又は亜硫酸水素ナトリウム及びヒドラジド化合物などの作用によりホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを天然皮革内部に、閉じ込めることにより、これらの発生を抑制、防止することができる。上記の操作では、加脂工程で加脂剤とは別に、ヒドラジド化合物、又は亜硫酸水素ナトリウム及びヒドラジド化合物の共存下に処理すること述べている。この場合に加脂剤を添加した後に、加脂剤とは別に亜硫酸水素ナトリウム、ヒドラジド化合物、又は亜硫酸水素ナトリウム及びヒドラジド化合物を添加しても同様の結果が得られる。又、加脂剤を添加し、その後に、水洗を行い、付着している加脂剤を取り除いた後に、ヒドラジド化合物、又は亜硫酸水素ナトリウム及びヒドラジド化合物を添加しても同様な結果が得られる。
(4)このようにして得られた革の全体に塗膜を形成することにより得られる天然皮革、及びこれを用いた自動車内装用部品は、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド発生は抑制されたものとなる。
本発明によれば、なめし、再なめし及び染色に続く加脂工程、乾燥工程を経た天然皮革、又、更にこの天然皮革に、乾燥工程を経たあとで塗膜を形成して得られる天然皮革に関し、天然皮革内の組織や天然皮革に取り込まれている処理剤が分解するなどして、遊離するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが天然皮革から離れて外部にでてくることを抑制又は防止する天然皮革を得ることができる。その天然皮革を製造するために天然皮革製造中の加脂工程において添加される天然皮革処理剤が、天然皮革を加脂すると同時に天然
皮革内で遊離して出てくるホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを抑制又は防止して、天然皮革中で発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める天然皮革処理剤を得ることができる。
図1はなめし工程を中心にした工程を示す図である。 図2は合成タンニン、染色、加脂工程、乾燥工程を中心にした工程を示す図である。 図3は塗装工程を中心にした工程を示す図である。
天然皮革の製造工程である、なめしのための予備処理、なめし工程、再なめし工程及び染色工程に続く加脂工程で処理剤により処理された天然皮革、次に乾燥工程を経て塗膜を形成して得られる天然皮革に関して、天然皮革の組織、天然皮革内部に取り込まれている処理剤が分解することにより、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが天然皮革から離れて天然皮革の外部から出てくることが観察される。ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生は天然皮革を使用する人にとって、健康上好ましいことでではない。
本発明は、天然皮革をなめすための予備処理工程、なめし工程、再なめし工程及び染色工程において、なめし剤、再なめし剤及び染料からなる処理剤により処理を行い、次の加脂工程で、加脂剤及び天然皮革中で発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める捕集剤又は固定剤を含む天然皮革処理剤により天然皮革を処理することにより得られる天然皮革である。
天然皮革中で発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める捕集剤又は固定剤が、天然皮革に取り込まれている物質が分解するなどして、遊離するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが天然皮革から離れて外部にでてくることを抑制又は防止して、天然皮革中で発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める作用を行う。
また、本発明は、天然皮革を得るための加脂工程で用いる天然皮革の加脂剤及び天然皮革中で発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める捕集剤又は固定剤を含む天然皮革処理剤である。
本発明には、処理剤による天然皮革の一連の処理工程が関係しており、処理工程の最終段階である、加脂工程に固有の特徴点がある。
以下に天然皮革を製造する一連の処理工程の説明を行い、加脂工程の説明の箇所で、前記の特徴点について詳細に説明を行う。
天然皮革を製造する一連の処理工程の説明を行う。
天然皮革を製造する一連の処理工程は、なめしのための予備処理及びなめしを中心とする工程(第1図)、再なめし・染色・加脂工程及び乾燥工程を中心とする工程(第2図)及び裏のり塗布・塗装工程を中心にした工程に分かれる(第3図)。
なめしのための予備処理及びなめし工程は、原皮水洗・水漬け工程から始め、トリミング工程にいたる工程に含まれる工程である(図1)。
原皮水洗・水漬け工程では、低温貯蔵されて鮮度保持・腐敗防止された原皮が石灰ドラムに移され、塩漬け原皮を水戻しして生皮の状態に戻し、塩・不純物を除去し、石灰漬けのためのpH調整を行う。
フレッシング・トリミング工程では、フレッシングマシン、トリミングマシンに移され、脂肪等の余分な裏ニベを機械的に除去し、塩や不純物も除去され、縁周りを整形する。石灰漬け工程では、石灰ドラムに移され、皮表面の毛を溶解すると共に垢をとり、皮の内部に石灰を浸透させて繊維をほぐす。
生バンドスプリット工程では、バンドマシンに移され、用途に応じた厚さに皮を漉くと共に、皮を銀層と床に分割する。
脱灰・酵解・ピックル工程は以下の通りである。
前記石灰の脱灰、酵素による酵解分解、ピックル作業を行う。
なめし工程では、なめし剤を処理剤として供給し、得られた皮をなめし剤でなめして革を製造する。
脱水工程では革を水絞り機に移し、脱水を行う。次に、傷・穴・面積等の表面状態に応じた等級分けを実施する選別を行う。
シェービング工程では、シェービングマシンに革を移し、用途に応じた厚さに削る。トリミング工程では、トリミング台で不要なボロ切れ目等を切り、後工程での破れを防止して作業性能を高める。
前記なめし工程は酸性条件下に、革を、なめし剤と水の存在下に処理するものである。なめし剤は皮のコラーゲン物質に架橋を起こさせて、皮に耐熱性、微生物や化学物質に対する抵抗性を与え、柔軟性を付与する操作である。
なめし剤には、3価のクロム錯体、例えばCr(SOとして表現されるヘキサアコ結晶硫酸を用いるクロム化合物、グルタルアルデヒドなどのアルデヒド化合物などが用いられている。これらはいずれも従来から知られているものであり、市販のものを購入して使用すればよい。
クロム錯体については以下の通り。
ChromitanB、ChromitanMS、ChromitanFM、BaychromaCH、BaychromaCL,BlancorolRN、BlancorolRCなど。
皮なめし工程ではCrを裸皮に対して2乃至2.5%相当する濃度のクロム塩が供給されるが、このうちの70乃至80%が皮中に固定されずにすぎず、20乃至30%は溢流中に放出されるという。
クロム以外のなめし剤としては、グルタルアルデヒドが用いられる。グルタルアルデヒドについては、以下の通りである。グルタルアルデヒドは公知物資であり、市販のグルタルアルデヒドを購入して使用する場合には、レルガンGT−50、レルガンGTW、ユーカーなめし剤GA−25、ユーカーなめし剤GA−50などを用いることができる。
グルタルアルデヒドの使用量は革重量を基準にして、1乃至10重量%程度である(特開平08−232000号公報)。
いずれもなめし剤は天然皮革成分と化学的に結合する。
そのほか、合成なめし剤(合成なめし剤については、再なめし工程のところで説明する。)、植物タンニン(ミモサME、ミモサFE、ケブラッチョなど)を用いることができる。いずれも従来から知られているものであり市販のものを購入して使用すればよい。
再なめし工程・染色工程・加脂工程は一つのドラム内で処理が行なわれる(図2)。
各工程の終了後には十分に水洗操作が行われ、前の工程の結果が後の工程に影響を及ぼすことがないようにされている。
再なめし工程では、再なめし剤として、合成なめし剤、植物なめし剤などが用いられる。場合によっては、前記なめし剤であるクロムやグルタルアルデヒドなど添加して使用することもある。
再なめしに際し中和されているかどうかを予め確認して行う。天然皮革の断面にpH指示薬を滴下し、その変色を観察して行う。おおよその目安として甲革タイプで表面層はpH5から6、内部層は3から4程度とされている。
(1) 合成なめし剤としては、以下のなめし剤が用いられる。
芳香族スルホン酸(主としてナフタレン及びフェノールのスルホン酸)のホルムアルデ
ヒド縮合物、アミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物などについては、以下の通りである。
(イ)フェノールのスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物としては以下のものが知られている。
(a)フェノールスルホン酸およびビスヒドロキシフェニルスルホンを、1:3のモル比で、水溶液中において6〜9のpHで、ホルムアルデヒド2モルと100〜120℃で縮合させ、硫酸でpHを3.5に調節し、フタル酸で酸価(AN)を120に調節し、乾燥させる。
(b)フェノールスルホン酸(65%溶液)ナトリウム塩を、ビスヒドロキシフェニルスルホン(55%懸濁液)と、2.5:1のモル比で混合する。ホルムアルデヒド(30%溶液)2.5当量を高温の混合物に添加し、112〜115℃で3時間縮合させる。粗縮合物を、アジピン酸で酸価100に調節し、乾燥させる。
フェノールスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物の分子量分布は、有機溶剤で展開するゲルクロマトグラフィーにより測定すると,Mw400〜4000に分布しており、中心はMw3000前後である。
これらは以下の市販品を購入して使用することができる。
フェノールスルフォン酸ホルムアルデヒド重縮合物としては、Basyntan DLX-N、MLB、SL、SW Liquid、Tamol NNOL(BASF社製)、Tanigan WLF(LANXESS社製)などを挙げることができる。
(ロ)ナフタレンのスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物
(a)ナフタレンをHSO1.4当量で、145℃で2時間スルホン化させる。このようにして得られたナフタレンスルホン酸の混合物1000g、ビスヒドロキシフェニルスルホン800gおよび37%ホルムアルデヒド溶液250mlを100〜120℃で3時間縮合させる。得られた生成物をpH3.5に調節し、水酸化ナトリウム溶液およびフタル酸でANを80とし、噴霧乾燥させる。
以下によっても製造可能である。
(b)ナフタレンをHSO1.4モルで、145℃で3時間スルホン化させ、ホルムアルデヒド0.66モルと3時間縮合させ、冷却し、pHを3.5に調節し、水酸化ナトリウム溶液およびグルタル酸でANを50とし、噴霧乾燥させる。
これらの分子量分布は、有機溶剤で展開するゲルクロマトグラフィーにより測定するとMw200〜2000程度であり、中心はMw1300であるとされる。
いずれも市販品を購入して使用することができる。
ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの重縮合物としては、Basyntan FC、Tamol NA(BASF社製)、Ukatan GM(Schill+Seilacher社製)、Tanigan BN(LANXESS社製)、Irgatan LV(TLF社製)、BELLCOTAN A、PT、PS(日本精化株式会社製)を挙げることができる。
(ハ) フェノールスルホン酸、尿素及びホルムアルデヒドの縮合物
フェノール1モルおよび硫酸0.5モル、ウレア1モルおよびホルムアルデヒド0.9モルを、100〜110℃での強酸性反応下に処理し、得られた縮合物を、水酸化ナトリウム溶液0.2モルで緩衝させる。このようにして得られた中間生成物を、さらにフェノール0.8モルおよびホルムアルデヒド1.2モルと縮合させ、冷却し、pHを3.5に調節し、水酸化ナトリウム溶液、ギ酸およびフタル酸でANを80とし、噴霧乾燥させる。
購入して使用する場合には、Basyntan(登録商標)DLX)を購入して使用することができる。
(2)樹脂なめし剤を用いる場合
尿素、ジシアンジアミド、メラミンなどのアミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物を主成分とするものである。
メラミンホルムアルデヒド縮合物と尿素ホルムアルデヒド゛縮合物の混合物としてはRelugan D、又はDLF、S(BASF社製)などを使用できる。
ポリアクリル酸系の樹脂なめし剤としては、ReluganSE,RE,RV(BASF社製)、LuburitanGX(Rohm and Haas社製)などを購入して使用することができる。
再なめし工程で、使用される合成なめし剤などのなめし剤は、使用された革の重量に対して有利に50〜200%の重量を含んだ水溶液の状態で使用される。
この処理条件はpH3.0〜8.0、有利に3.5〜6.5の範囲内で使用される。再なめし処理時間は、有利に1.5〜24時間、殊に2〜8時間で実施される。
染色工程では、染料による染色が行なわれる。
染色工程では染色しようとする色に応じて染料が用いられる。
染料は通常の室温程度の温度下にホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの発生の原因となることは考えられないが、染料を示すと以下の通りである。
上記の処理方法を経て得られた革は、アニオン系水性染料を用いて染色される。ここで、アニオン系水性染料は、水性媒体、染料等の成分により構成される。水性媒体とは、水及び水とアルコール等の水溶性溶媒との混合物を意味する。また、染料としては、革の加色に使用することができるものをいずれも使用することができるが、例えば、酸性染料、反応染料等が挙げられる。
酸性染料としては、C.I.Acid Black 1,C.I.Acid Black 26,C.I.Acid Black 52,C.I.Acid Green 9,C.I.Acid Green 25,C.I.Acid Brown 2,C.I.Acid Brown 13,C.I.Acid Violet 43,C.I.Acid Violet 49,C.I.Acid Orange 7,C.I.Acid Orange 56,C.I.Acid Orange 67,C.I.Acid Blue 40,C.I.Acid Blue 45,C.I.Acid Blue 74,C.I.Acid Blue 92,C.I.Acid Blue 113,C.I.Acid Blue 127,C.I.Acid Blue 185,C.I.Acid Red 18,C.I.Acid Red 27,C.I.Acid Red 52,C.I.Acid Red 82,C.I.AcidRed 87,C.I.Acid Red 114,C.I.Acid Red 186,C.I.Acid
Red 266,C.I.Acid Yellow 1,C.I.Acid Yellow 7,C.I.Acid Yellow 23,C.I.Acid Yellow 110等が挙げられる。
反応染料としては、C.I.Acid Black 5,C.I.Acid Brown 1,C.I.Acid Violet 2,C.I.Acid
Orange 1,C.I.Acid Orange 2,C.I.Acid Blue 4,C.I.Acid Blue 19,C.I.Acid Red 6,C.I.Acid Red 17,C.I.Acid Yellow 3,C.I.Acid Yellow 17などが挙げられる。上記染料は組み合わせて使用してもよい。また、加色前に、水性媒体中に染料を溶解及び/又は分散させて所望の色を呈するように調整される。なお、加色の効果を阻害しない範囲内で、顔料等の着色料を添加してもよい。
染色の際の処方は、甲革用表面染色にあたっては厚さ1.4mm程度のクロムなめし成牛革に対する染色は以下の通りである。
再なめし後、シェービング革(シェービング工程・トリミング工程を経た革)の湿重量を100%として、400%(以下同様に、シェービング革の湿重量を基準とする)の水で水洗し、染色の際には、250%の水(50℃)、0.5%の均染剤、2.5%表面染色性染料(1:20)の水溶液中で処理する。1/2工程を20分回転,残り1/2工程を30回転処理する。定着操作は1%蟻酸(1:10)で、2/3工程を10分間回転、1/3を10分間回転操作する。
加脂工程は再なめし後の染色工程の次に行われる処理であり、革製品に要求される柔軟性を付与するために行われ、加脂剤と呼ばれる油剤で処理するものである。これらの中には、界面活性性を有するものが少なくない。その結果、天然皮革内部にも浸透しやすいものとなっている。
染色工程を経て加脂工程で処理する革は水に濡れた状態にあり、繊維束内、繊維間隔に存在する水のために繊維の柔軟性が保持されているが、乾燥すると繊維同志が膠着して繊
維及び組織が硬化する。乾燥前に予め繊維間に膠着を阻害する物質となる油剤により処理することが効果的である。又、革繊維の保護(撥水性、防水性)のような機能、感触、膨らみを付与する。このために加脂工程があり、加脂剤が用いられる。
加脂工程の条件は、染色工程が終了した革に対して、同じドラム内で、加脂剤及び天然皮革中で発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤を含む天然皮革処理剤の存在下に、温度50〜60℃の条件下に処理が行なわれる。
加脂工程に供給される、本発明の天然皮革処理剤は、以下の成分からなる組成物である。
シェービング革湿重量を100%として、加脂剤は1から8重量%、天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤0.5〜3(ヒドラジド化合物の場合)又は0.6から6.0重量%(亜硫酸水素ナトリウム及びヒドラジド化合物の両方を含む場合)、及び水50〜200%である。
加脂剤は、革に加脂剤を浸透させることにより、乾燥時に革を構成する繊維同士が膠着して硬化することを防ぎ、かつ乾燥後の繊維間の滑りを向上させ、革に柔軟性を付与する効果がある。加脂剤は、この成分と水からなる組成物である。
天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤は、加脂剤と共に天然皮革中に取り込まれ、天然皮革に取り込まれている物質が分解するなどして、遊離するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが天然皮革から離れて外部にでてくることを抑制又は防止して、天然皮革中で発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドが外部に漏れ出さないように天然皮革中に封じ込める。 水は、加脂剤及び天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤を溶解させ、天然皮革中に浸透しやすい状態とする媒体となる。
具体的に用いられる物質は、ヒドラジド化合物、又は、亜硫酸水素ナトリウム及びヒドラジド化合物が用いられる。ヒドラジド化合物では3重量%を超える場合には析出が起こり、加脂に支障が生ずるので適当でない。通常、ヒドラジド化合物の含有量が2重量%位の場合がホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの含有量が少ない結果をもたらしている。
本発明では、加脂工程のドラム中に、天然皮革の加脂剤及び天然皮革中で発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤を含む天然皮革処理剤を送り込んだ状態として、天然皮革の処理を行う。
天然皮革処理剤は、以下の通りである。
(1)天然皮革処理剤は、加脂剤並びに天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤を含む。
(イ)前記(1)の天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤がヒドラジド化合物である場合、
(a)前記(ロ)のヒドラジド化合物がアジピン酸ジヒドラジドである場合、
(ロ)前記(1)の天然皮革中で発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤が亜硫酸水素ナトリウム及びヒドラジド化合物である場合、
(a)前記(ロ)のヒドラジド化合物がアジピン酸ジヒドラジドである場合である。
加脂剤と天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤は、加脂工程のドラム中に混合した状態で供給してもよいし、加脂剤及び天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤を個別に供給してもよい。
加脂剤には以下のものが含まれる。これらのうちから選ばれて用いられる。
(1)アニオン性加脂剤は以下の通りである。
(イ)硫酸化油
硫酸化油は天然の不飽和油脂に硫酸を加え、硫酸エステル化したものである。水酸基や二重結合の一部分が硫酸化されている。
硫酸化脂肪酸エステル:Lipoderm Liquor PU(BASF社製)、
合成スルホン化脂質:SYNCUROL KV(MUNZING社製)、
スルホン化エステルと炭化水素の混合物:SYNCUROL 79(MUNZING社製)、スルホン化エステル:SYNCUROL SE(MUNZING社製)
合成スルホン化エステル:SYNCUROL PF、MAX(MUNZING社製)などがある。
(ロ)スルホン化油
スルホン化油は不飽和基を有する合成油天然油を無水硫酸、発煙硫酸、クロルホン酸などで処理し、分子中の二重結合をスルホン化して中和したものである。
スルホン化油としては、例えば、SKオイルHF(サンプラス社製)、ペラストールES(Zschimmer & Schwarzchemische Fabriken 社製)などが挙げられる。
なお、SKオイルHFは、耐黄変性のある合成スルホン化油であり、未反応の生油50重量%、その硫酸エステル25重量%と加水分解生成物25重量%の混合物である。
このほか、ターコンFA−200(泰光油脂化学工業社製)、ペルグラソールSF(Zschimmer & Schwarzchemische Fabriken 社製)等が挙げられる。なお、ターコンFA200は、脂肪酸モノグリセライド、天然油のスルホン化油、これらの酸化生成物等の混合物である。
(ハ)亜硫酸化油
亜硫酸化油は不飽和度の高い天然油や合成油を原料として亜硫酸塩をスルホン化剤として得られるスルホン酸塩である。
亜硫酸化魚油、天然油、乳化剤の混合物:Lipsol EB(MUNZING社製)、亜硫酸化魚油:OPTIMALIN UPNC(MUNZING社製)、植物油、亜硫酸化動物油の水溶性エマルジョン:Lipoderm Liquor A1(BASF社製)、
(ニ) 脂肪酸石鹸
脂肪酸石鹸は天然の油脂をアルカリ水溶液でケン化すると得られる石鹸である。加脂剤にはアンモニウム塩やカリウム塩も使用される。中性から酸性側で脂肪酸が遊離するため、界面活性成分と中性油の効果がある。
変性脂肪酸:Lipoderm Liquor LA(BASF社製)
(ホ)リン酸化油
卵黄、大豆レシチンなどのリン脂質が用いられてきた。最近では、リン酸化油は高級アルコール又はポリオキシエチレンある切るエーテルのリン酸エステル塩が多く用いられている。
合成油とレシチン油の混合物のエマルジョン:Lipsol LQ(Schill+Seilacher社製)
燐酸エステル油:Lipoderm Liquor PU(BASF社製)
硫酸化植物油、脂肪アルコール燐酸エステル塩及び炭化水素の配合品:リッカーKIM(那木商会)、
(へ)多極性加脂剤はアニオン性、非イオン性及び少量のカチオン性加脂剤の混合物である
(ト)そのほかのアニオン性加脂剤
モノ又はジアルキルコハク酸、アルキルマロン酸、アルキル鎖両末端のカルボン酸塩など錯活性基を有するもの、長鎖アルキル基を有するポリアクリル酸誘導体などがある。
上記加脂剤の他に以下の界面活性剤が併用される。
(2)カチオン性加脂剤
カチオン性加脂剤には、4級アンモニウム塩、脂肪族アミン、脂肪族ポリアミン縮合物が用いられる。
(3)両性加脂剤
両性加脂剤には同一分子内にアニオンとカチオンの両性を有する加脂剤でレシチンが古くから使用されている。
(4)ノニオン性加脂剤
ノニオン加脂剤は単独で使用されることは少なく、アニオン性及びカチオン性加脂剤と併用される。
天然油と非イオン性界面活性剤の水溶:Lipoderm Liquor IC(BASF社製)、ワックス、天然油及び界面活性剤の混合水溶液:Lipoderm Liquor SC(BASF社製)、非イオン界面活性剤、亜硫酸化油、ナトリウム塩の水溶液:Lipoderm Liquor WF(BASF社製)、天然油、合成油、合成乳化剤の混合物:Lipsol MSG(MUNZING社製) 中性油、具体的には、(イ)動物油、(ロ)海産動物油、(ハ)植物油、(ニ)鉱物油、(ホ)合成油などを挙げることができる。
実際に使用した加脂剤の算出は以下の通りである。
加脂剤に関し、実際に天然皮革中に残存していると見られる加脂剤量(実測)は、用いた加脂剤の量から加脂工程中で残った残液中に含まれる加脂剤の量(実測)及び天然皮革を水洗浄したときに洗い流された加脂剤の量を差し引いたもの(実測)である。
最初に用いた加脂剤量は、シェービング革湿重量100に対して加脂剤1から8(重量比、以下記載がない場合は、重量比を表す。)、
加脂工程中で残った残液中に含まれる加脂剤の量は、0.2から1.6、天然皮革を水洗浄したときに洗い流された加脂剤の量0.1から0.8、したがって、実際に天然皮革中に残存していると見られる加脂剤量は、0.7から5.6となる。
また、天然皮革中に残存していると見られる天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤の量(実測)は、実際に供給した天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤量(実測)から、加脂工程中で残った残液中に含まれる天然皮革加脂工程添加用処理剤の量(実測)及び天然皮革を水洗浄したときに洗い流された天然皮革中に残存していると見られる天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤の量(実測)を差し引いた量(実測)である。
最初に添加した、天然皮革中に残存していると見られる天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤の量(実測)は、0.5〜3、残液中に含まれる天然皮革中の、天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤の量(実測)は、0.1〜0.6、天然皮革を水洗浄したときに洗い流されたと見られる、天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤の量(実測)は、0.05〜0.3、実際に天然皮革中に残存していると見られる、天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤の量は、0.35〜2.1である。
加脂工程が終了した天然皮革は、適宜十分に水洗を行い、清浄にした後、60〜80℃の範囲に加熱する。このようにして、残余の亜硫酸水素ナトリウム及びヒドラジド化合物を除去することができる。
上記ヒドラジド化合物としては、特に限定されず、分子中に1個のヒドラジド基を有するモノヒドラジド化合物、分子中に2個のヒドラジド基を有するジヒドラジド化合物、分子中に3個以上のヒドラジド基を有するポリヒドラジド化合物等を挙げることができる。
モノヒドラジド化合物の具体例としては、例えば、
下記一般式(1)
Figure 0005506399
( 式中、Rは水素原子、アルキル基又は置換基を有することのあるアリール基を示す)で示されるモノヒドラジド化合物を挙げることができる。
上記一般式(1)において、Rで示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基等の炭素数1〜12の直鎖状アルキル基を挙げることができる。アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等を挙げることができ、これらの中でもフェニル基が好ましい。また、アリール基の置換基としては、例えば、水酸基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基等を挙げることができる。
上記一般式(1)のヒドラジド化合物としては、より具体的には、ラウリル酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド等を例示できる。
ジヒドラジド化合物の具体例としては、例えば、
下記一般式(2)
Figure 0005506399
( 式中、Xは基−CO−又は基−CO−A−CO−を示す。Aはアルキレン基又はアリーレン基を示す。)で表されるジヒドラジド化合物を挙げることができる。
上記一般式(2)において、Aで示されるアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基等の炭素数1〜12の直鎖状アルキレン基を挙げることができる。アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基等を挙げることができ、これらの中でもフェニレン基、ナフチレン基等が好ましい。アリーレン基の置換基としては、上記アリール基の置換基と同様のものを挙げることができる。
上記一般式(2)のジヒドラジド化合物は、具体的には例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン−2酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレルタル酸ジヒドラジド、ダイマー酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド等の2塩基酸ジヒドラジド等が挙げられる。
更に、特公平2−4607号公報に記載の各種2塩基酸ジヒドラジド化合物、2,4−ジヒドラジドー6−メチルアミニ−sym−トリアジン等もジヒドラジドとして用いることができる。
いずれも公知物質であり、市販品を購入して使用できる。
製品名としては大塚化学株式会社製ケムキャッチを挙げることができる。
加脂工程を得た革は以下のように処理される。
加脂工程の後、水絞り(セッター)、柄干し乾燥、味取り(水分調製)を行う。バイブレーション工程では、革をバイブレーションマシンに移し、足先・縁周り等の硬さを取り、空打ちのしわを取り、面積を大きくする。空打ち工程では、革を空打ちドラムに移し、乾燥後の革の繊維をほぐす。その後、乾燥・バフ・バイブレーション工程では、革をフィンバックマシンに移して空打ち後の革をトグルで止めて革を伸ばして乾燥させ(ネット張乾燥)、革を平らにする。革をバイブレーションマシンに移して繊維をほぐし、足先縁周り等の硬さを取り、空打ちのしわを取り、面積を大きくする。そして、生産品の中間検査を行い、等級、紋、風合い、色調、厚度等の項目を検査する。
以上の工程を経て得られる天然皮革は、なめし剤、再なめし剤及び染色剤並びに加脂剤及び天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤を天然皮革中に取り込んでいる天然皮革を得ることができる。
天然皮革の製品とするためには、天然皮革表面に以下による塗膜を形成する。
塗装工程は、加脂工程を終了し、加熱処理をほどこした天然皮革表面に塗料による塗膜を形成する工程である。
天然皮革基材表面に、顔料を含有した水性塗装剤をコートしてなるベースコート層と、そのコート層上に水性塗装剤をコートしてなるカラーコート層と、さらに、そのコート層上に、トップコート層とを形成する。
(1)ベースコート層
ベースコート層は、塗膜層の最下層にあたり、皮革の表面にある凹凸を平らにし、安定して上部に層を形成する準備のための層である。この層を形成するにあたっては、樹脂、顔料、助剤、触感剤及レべリング剤及び水からなる組成物を皮革の表面に塗布する。樹脂には、二液性ポリウレタン樹脂が用いられる。顔料には色付けしたい色の顔料を用いる。助剤には界面活性剤、増粘剤、調整剤、マット剤などが含まれる。塗布方法には水溶液を含んだ状態で、はけ塗り、スプレー、カーテン塗装、ロール塗装が適宜選択して使用される。塗布量は70から150g/m、塗布後に温風を表面にあてて水分を蒸発させる。膜厚は20〜50μmである。
次いで、型押しを行なう。型押しは、革表面に高圧プレスにより凹凸を出す加工で、革にさまざまな模様(シボ)をつけるものである。次に、空打ち工程そしてステーキング工程により、皮革繊維をほぐし風合いを調整する。
(2)カラーコート層
ベースコート表面上にカラーコートを形成する。カラーコート層は、塗装幕の中間層にあたり、皮革を着色するための顔料及び染料を存在させるための層であって、皮革から見てベースコートの上部に設けられている。この層を形成するにあたっても、樹脂、顔料、助剤、架橋剤、触感剤及び水からなる組成物を皮革の表面に塗布する。樹脂には、二液性ポリウレタン樹脂が用いられる。顔料には色付けしたい色の顔料を用いる。助剤には界面活性剤(レベリング剤等)、増粘剤、調整剤などが含まれる。塗布方法には水溶液を含んだ状態で、はけ塗り、スプレー、カーテン塗装、ロール塗装が適宜選択して使用される。塗布量は20〜70g/m、塗布後に温風を表面にあてて水分を蒸発させる。膜厚は5〜25μmである。
(3) トップコート層
カラーコート表面上にトップコートを形成する。トップコート層は、塗装膜の最上層にあたり、耐摩耗性などの耐久性や、良好な外観(色、つや)、触感を付与するものである。トップコート層の形成には、樹脂、架橋剤、つや消し剤、顔料、触感剤を含む水性の組成物を用いる。樹脂としては、二液性ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などが用いられる。塗布方法には水溶液を含んだ状態で、はけ塗り、スプレー、カーテン塗装、ロール塗装が適宜選択して使用される。塗布量は20〜70g/m、塗布後に温風を表面にあてて水分を蒸発させる。膜厚は5〜25μmである。
以上の工程を経て得られる天然皮革は、なめし剤、再なめし剤及び染色剤並びに加脂剤及び天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤を天然皮革中に取り込んでいる天然皮革であり、天然皮革の表面には三層からなる塗膜を形成した天然皮革である。
従来から天然皮革表面に施した三層からなる塗膜によっては、天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの抑制や防止に役立たないことが知られている。この工程を経た天然皮革に対して、天然皮革中から発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドについての検査をおこなう。その結果により、本発明の加脂工程までの処理を行った天然皮革が、天然皮革内部に取り込まれ、又は内部に取り込まれている物質が分解するなどして、遊離するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが天然皮革から離れて外部にでてくることを抑制又は防止する天然皮革として完成されているかについて評価を行なう。
以上の工程を経て製造される天然皮革については、以下の試験法により、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生が測定されるかどうかを確認する。
ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの分析方法はテドラーバッグ法による。
テドラーバッグ法は、革を1DS(10cm×10cm)サイズに裁断し、テドラーバッグに入れて窒素を封入する。これを加熱して、革からアルデヒド類を揮発させる。このまま、バッグ内気体をポンプにより吸引し、アルデヒド類を吸着させる専用のジニトロフェニルヒドラジド(DNPH)カートリッジに吸着させる。
吸着物をアセトニトリルで溶出させ、この溶液を高速液体クロマトグラフで測定する。
現在、加脂剤に亜硫酸水素ナトリウムを含む天然皮革用処理剤では、ホルムアルデヒドについては、0.709μg/DS、アセトアルデヒド2.379μg/DS、加脂剤、亜硫酸水素ナトリウム及びヒドラジド化合物を含む天然皮革用処理剤では、ホルムアルデヒドは、0.230μg/DS、アセトアルデヒドは0.232μg/DSまで達成している。
(1)なめし剤として天然皮革中に残存したなめし剤
(イ)ナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物を使用したなめし剤として天然皮革中に残存したなめし剤の量(天然皮革重量100に対して2)
(ロ)クロムなめし剤として天然皮革中に残存したなめし剤の量(天然皮革重量100に対して3(酸化クロムとして))
(ハ)樹脂なめし剤として天然皮革中に残存したなめし剤の量(天然皮革乾燥重量100に対して3)
(2)染料
染料(カーボンブラックを含む)
染料として天然皮革中に残存したカーボンブラックの量(天然皮革重量100に対して2)
加脂工程で用いられる天然皮革処理剤は、加脂剤及び天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める捕集剤又は固定剤を含む。
天然皮革の加脂工程に用いる天然皮革処理剤について
天然皮革処理剤の条件
処理温度:50〜60℃
pH :5
クロムなめし革(ウェットブルー)の湿重量100に対して用いた加脂剤及びホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める捕集剤又は固定剤は以下の通り。
(1)加脂剤
使用した加脂剤 脂肪酸石鹸
使用した加脂剤の量 4.0(重量比)
(2)天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める捕集剤又は固定剤
亜硫酸水素ナトリウム 1 (重量比)
アジピン酸ジヒドラジド 0.5 (重量比)
(3) 水 150 (重量比)
使用した天然皮革処理剤と革の割合(重量比)
革: 100に対して、
天然皮革処理剤 4 (重量比)
実際に天然皮革に残存したと見られる加脂剤量 2.8(重量比)
実際に天然皮革に残存したと見られる亜硫酸水素ナトリウム量0.7(重量比)、アジピン酸ジヒドラジドの量0.3(重量比)
前記の条件下に得られた天然皮革の全体にスプレーにより、ベースコート層、カラーコート層及びトップコート層を二液性脂肪族ポリウレタンによる塗膜を形成した。
分析結果
得られた処理した革についてテトラーバッグ法により、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生量を分析した結果は以下通りである。
皮革から発生するホルムアルデヒド濃度(μg/DS) 0.277
皮革から発生するアセトアルデヒド濃度(μg/DS) 0.604
実施例1とは以下の条件のみが相違し他の条件は同じである。
(2)天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤
亜硫酸水素ナトリウム 1
アジピン酸ジヒドラジド 1
分析結果
得られた処理した革についてテトラーバッグ法により、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生量を分析した結果は以下通りである。
皮革から発生するホルムアルデヒド濃度(μg/DS) 0.247
皮革から発生するアセトアルデヒド濃度(μg/DS) 0.343
実施例1とは以下の条件のみが相違し他の条件は同じである。
(2) 天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤
亜硫酸水素ナトリウム 1(重量比)
アジピン酸ジヒドラジド 2(重量比)
分析結果
得られた処理した革についてテトラーバッグ法により、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生量を分析した結果は以下通りである。
皮革から発生するホルムアルデヒド濃度(μg/DS) 0.230
皮革から発生するアセトアルデヒド濃度(μg/DS) 0.232
比較例1
実施例1とは以下の条件のみが相違し他の条件は同じである。
(2) 天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤
亜硫酸水素ナトリウム 1(重量比)
アジピン酸ジヒドラジド 0
分析結果
得られた処理した革についてテトラーバッグ法により、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生量を分析した結果は以下通りである。
皮革から発生するホルムアルデヒド濃度(μg/DS) 0.709
皮革から発生するアセトアルデヒド濃度(μg/DS) 2.479

比較例2(ブランクテスト)
(2)天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤
亜硫酸水素ナトリウム 0
アジピン酸ジヒドラジド 0
分析結果
得られた処理した革についてテトラーバッグ法により、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生量を分析した結果は以下通りである。
皮革から発生するホルムアルデヒド濃度(μg/DS) 2.669
皮革から発生するアセトアルデヒド濃度(μg/DS) 1.706
以上の結果を整理して表1に示す。
Figure 0005506399
比較例1では、ホルムアルデヒドの発生を抑制することができることがわかる。
実施例1では、ジヒドラジドを用いることによりホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生を抑制することがでることがわかる。
実施例2及び3の結果より、ジヒドラジドの添加量を増加させることにより、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの発生をより強く抑制することができることがわかる。
加脂剤としてリン酸化油を用いて、その他は前記実施例1〜3の場合と同様の処理を行い、同様の結果を得た。
(1)加脂剤
使用した加脂剤 リン酸化油
使用した加脂剤の量 4.0(重量比)
加脂剤としてノニオン性加脂剤を用いて、その他は前記実施例1〜3の場合と同様の処理を行い、同様の結果を得た。
(1)加脂剤
使用した加脂剤 ノニオン性加脂剤
使用した加脂剤の量 4.0(重量比)
加脂剤として植物油を用いて、その他は前記実施例1〜3の場合と同様の処理を行い、同様の結果を得た。
(1)加脂剤
使用した加脂剤 植物油
使用した加脂剤の量 4.0(重量比)
加脂剤として亜硫酸化油を用いて、その他は前記実施例1〜3の場合と同様の処理を行い、同様の結果を得た。
(1)加脂剤
使用した加脂剤 亜硫酸化油
使用した加脂剤の量 4.0(重量比)
加脂剤として硫酸化油を用いて、その他は前記実施例1〜3の場合と同様の処理を行い、同様の結果を得た。
(1)加脂剤
使用した加脂剤 硫酸化油
使用した加脂剤の量 4.0(重量比)
本発明ではカーシート及び自動車内装部品に用いる天然皮革として述べている。本発明のホルムアルデヒドやアセトアルデヒドの発生を防止するための天然皮革は、一般に使用される製品に使用される天然皮革に対しても、利用可能であり、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドの発生を防止するための天然皮革として使用することができる。

Claims (14)

  1. 天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤としてヒドラジド化合物を含むことを特徴とする天然皮革製造の加脂工程に用いる天然皮革処理剤。
  2. 天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤としてヒドラジド化合物及び亜硫酸水素ナトリウムを含むことを特徴とする天然皮革製造の加脂工程に用いる天然皮革処理剤。
  3. 前記ヒドラジド化合物がアジピン酸ジヒドラジドであることを特徴とする請求項1記載の天然皮革製造の加脂工程に用いる天然皮革処理剤。
  4. 前記ヒドラジド化合物がアジピン酸ジヒドラジドであることを特徴とする請求項2記載の天然皮革製造の加脂工程に用いる天然皮革処理剤。
  5. なめし剤、再なめし剤、染色剤及び加脂剤により処理された天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤としてヒドラジド化合物を天然皮革中に取り込んでいることを特徴とする天然皮革。
  6. なめし剤、再なめし剤、染色剤及び加脂剤により処理された天然皮革中で発生するホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを天然皮革中に封じ込める処理剤としてヒドラジド化合物及び亜硫酸水素ナトリウムを天然皮革中に取り込んでいることを特徴とする天然皮革。
  7. 前記ヒドラジド化合物がアジピン酸ジヒドラジドであることを特徴とする請求項5記載の天然皮革。
  8. 前記ヒドラジド化合物がアジピン酸ジヒドラジドであることを特徴とする請求項6記載の天然皮革。
  9. 請求項5記載の天然皮革の表面には塗膜が形成されていることを特徴とする天然皮革。
  10. 請求項9記載の天然皮革により被覆されていることを特徴とする自動車用内装用部品。
  11. 請求項6記載の天然皮革の表面には塗膜が形成されていることを特徴とする天然皮革
  12. 請求項11記載の天然皮革により被覆されていることを特徴とする自動車用内装部品
  13. 請求項11記載の天然皮革により被覆されていることを特徴とする自動車用シート。
  14. 請求項9記載の天然皮革により被覆されていることを特徴とする自動車用シート。
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