JP2006182825A - ポリウレタン成形品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリイソシアネートと、ポリオール、触媒および架橋剤を含んでなるポリオール混合物から、ポリウレタン成形品を成形するに際し、ポリオール混合物100重量部に対して、0.05〜3.0重量部の、ヒドラジン化合物を予めポリオール混合物に添加してなる事を特徴とするポリウレタン成形品、ならびに
ポリウレタン成形品を構成する要素上にヒドラジン化合物が0.1g/m2〜10g/m2の量で塗布されていることを特徴とするポリウレタン成形品。
【選択図】 なし
Description
1つの要旨によれば、本発明は、ポリイソシアネートと、ポリオール、触媒および架橋剤を含んでなるポリオール混合物から、ポリウレタン成形品を成形するに際し、ポリオール混合物100重量部に対して、0.05〜3.0重量部のヒドラジン化合物を、予めポリオール混合物に添加してなる事を特徴とするポリウレタン成形品を提供する。
このポリウレタン成形品は、ポリイソシアネートとポリオール混合物からポリウレタン成形品を成形するに際し、ポリオール混合物100重量部に対して、0.05〜3.0重量部の、アルデヒド捕捉剤としてのヒドラジン化合物を予めポリオール混合物に添加することを特徴とするポリウレタン成形品の製造方法によって製造できる。
別の要旨によれば、本発明は、ポリウレタン成形品を構成する要素上に、アルデヒド捕捉剤としてのヒドラジン化合物が0.1g/m2〜10g/m2の量で塗布されていることを特徴とするポリウレタン成形品を提供する。
アルデヒド捕捉剤を外部添加剤として含むポリウレタン成形品は、例えば、次のようにして製造することができる。
(1)ヒドラジン化合物を0.1重量%から10重量%の濃度で水に溶かした水溶液を要素の表面に塗布する。
(2)ヒドラジン化合物を離型剤とともに型の表面に塗布した後に、ポリウレタン成形品を成形して、ポリウレタン成形品を得る。
(3)ヒドラジン化合物を表皮材の内表面および/または裏打ち材の外表面に塗布後、これらを型内に設置してポリウレタン原料を注型してポリウレタン成形品を得る。
(4)ポリウレタンスラブをスライスして得たシート状ポリウレタンフォームを補強用繊維でサンドイッチ状にはさみ、接着剤としてのポリイソシアネートを、触媒および水とともに、加熱型で、固化させ、サンドイッチ状補強ポリウレタン成形品を成形するに際し、触媒および水に、ヒドラジン化合物を触媒および水の合計100重量部に対して0.1重量部から30重量部で加える。
(5)表皮層を形成する塗料を型に塗布した後にポリウレタン成形品を成形することによって表皮層で覆われたポリウレタン成形品を得るインモールド成形するに際し、ヒドラジン化合物を1重量%から10重量%の濃度で含む塗料をインモールドコート剤として使用する。
又、ヒドラジン化合物から選ばれる少なくとも1種を、水溶液にしてポリウレタン成形品の表面に塗布、あるいは型内に塗布する離型剤に添加することにより、ポリウレタン成形品の表面に転写することにより、ポリウレタン成形品から発生するアルデヒド類を極めて効果的に捕捉出来る。一般に、成形後間もない(成形後3から7日)オープンセル構造を持つポリウレタンフォームの成形品から65℃で2時間の間に放出されるポリウレタンフォーム1g当たりのアルデヒド(ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの合計)放出量(ホルムアルデヒド換算)が0.10μg/g以下である。
その結果、触媒として使用するアミン、特に3級アミン、たとえばペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルエタノールアミン、ビスジメチルアミノエチルエーテル、あるいは架橋剤として使用するアミン、特にアルカノールアミン類、たとえばジエタノールアミンやトリエタノールアミン、あるいはポリオールの出発原料として1級アミン、たとえばエチレンジアミンを用いて製造した短鎖ポリエーテルポリオール(分子量例えば、100〜1000)、ならびにポリエステルポリオール、(分子量例えば、200〜1000)が、2ppmから100ppmを越すホルムアルデヒドあるいはアセトアルデヒドを含有していることがあることが判明した。
ただし、ポリイソシアネートからは、分析測定の下限値(1ppm)以上のアルデヒド類は検出されなかった。
結果を以下に述べる。
b)特開昭52−5872には、カゼインプラスチックの処理法として、尿素およびアンモニューム塩が提示されているが、効果のあるものが見つからなかった。
c)特公平07−025990には、フェノール樹脂結合剤のアンモニア処理が提示されているが、効果のあるものが見つからなかった。またアンモニアの残存を考えると臭い低減も考えるべき本検討にはそぐわない。
d)特開2000−80246、特開2000−80247、特開2000−344998にはポリアセタールおよび熱硬化性樹脂に対するヒドラゾ化合物が提示されている。
ただし、ヒドラゾ化合物の中にはポリオールにほとんど溶けないもの、あるいはポリオールに溶けても、アルデヒド吸収性能を示さないものが数多く見られた。
ポリウレタン樹脂への使用について明示していないヒドラジド類が効果を示すことがわかった。
f)特開2004−189824、特開2004−141222には木質材料に対するアルデヒド捕捉剤として、ヒドラジンと界面活性剤の組み合わせが提示されている。一般的な用途で使用する記載はあるが、ポリウレタン樹脂への使用については明示していない。ポリウレタン樹脂に対してヒドラジン化合物に効果が観察された。
ポリウレタン用の原料側からの対策の他に、ポリウレタン成形品への外部添加によって、アルデヒド類の放出量を低減させる対策についても検討を行った。
i)アルデヒド捕捉剤は、作業時における人体への皮膚刺激などの影響を考えると、取扱いの量が少なくできるように、微量でアルデヒド類の捕捉効果を示すものが好ましい。
ii)ホルムアルデヒドのみならずアセトアルデヒドに対しても優れた吸着効果を示すものは、低分子量鎖状ヒドラジン化合物である。低分子量鎖状ヒドラジン化合物の分子量は、例えば、32〜400、特に50〜200である。低分子量鎖状ヒドラジン化合物の例としては、水加ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、フェニルヒドラジン、2-ヒドロキシエチルヒドラジン、あるいはヒドラジン当量200以下のヒドラジドが挙げられる。より望ましいヒドラジド類は、カルボ(ジ)ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドである。
なお、ここに言うヒドラジン化合物のヒドラジン当量とは、ヒドラジン化合物の分子量をヒドラジン化合物中のヒドラジン基(すなわち、―N2H4基および―N2H3基や―N−NH2基)の数で除した値である。
使用するアルデヒド捕捉剤の溶液において、溶剤(特に、水)100重量部に対して、アルデヒド捕捉剤0.1〜10.0重量部であって良く、更に良いのは0.1〜5.0重量部である。
v)アルデヒド捕捉剤が有効に働く為には、捕捉剤はポリウレタン成形品の表面付近に比較的均一に存在していれば良く、必ずしもポリウレタンフォーム部表面に直接アルデヒド捕捉剤を塗布する必要はない。必要なアルデヒド捕捉剤としてのヒドラジン化合物がポリウレタン成形品を構成する要素の表面上に塗布される量は0.1g/m2〜10g/m2である。好ましい範囲としては0.3g/m2〜5.0g/m2である。
ポリウレタンフォーム部a)ならびに
必要に応じて存在する
ポリウレタンフォーム部の外表面上の表皮層b)、
ポリウレタンフォーム部a)と表皮層b)との間の、接着剤層c)および/または補強層d)、
ポリウレタンフォーム部a)の内表面上の裏打ち層e)
である。
外部添加において、アルデヒド捕捉剤が、ポリウレタンフォーム部a)、表皮層b)、接着剤層c)、補強層d)および裏打ち層e)の外表面および内表面からなる群から選択された少なくとも1つの表面に塗布されていれば良い。
(2)ポリウレタンの成形に際し、予め成形型の内面に塗布しておき、ポリウレタン成形品の表面(塗膜の表皮)となるインモールドコート用塗料(In−Mold−Coat剤という)にアルデヒド捕捉剤を混合する方法。
(3)ヒドラジン化合物をポリイソシアネートと反応する性質を有しているにもかかわらず、驚くべきことに、特開2001−47544にあるような、シート状に切り出された熱成形可能なポリウレタンフォーム、およびその表裏両面に重ねられた補強材および表皮材、それらどうしを互いに接着する熱硬化型接着剤を重ねて80℃から150℃の加熱金型内で接着剤を圧縮硬化させ、サンドウィッチ構造を有する自動車内装材を成形する方法においては、接着剤であるポリイソシアネート(ジフェニルメタンジイソシアネート)を補強材に塗布し、ポリウレタンフォームに水と触媒(必要に応じて、ポリオールなどを添加)を塗布し、圧縮硬化させる場合、その水と触媒の成分に対してアルデヒド捕捉剤を添加する方法でも効果があることが判明した。その理由は定かではないが、ポリイソシアネートを塗布した補強材とヒドラジン化合物を添加した水と触媒の成分を塗布したポリウレタンフォームを圧縮硬化した時にポリウレタンフォームに塗布したヒドラジン化合物がポリウレタンフォーム中から放出したアルデヒド類が捕捉するためと推測される。その場合の接着剤を圧縮硬化する条件は、加熱温度は80℃から150℃であり、好ましくは100℃から140℃であり、圧縮硬化時間は10〜100秒であり、好ましくは20〜60秒とすることが好ましい。水と触媒の成分へのヒドラジン化合物の添加量は水と触媒の合計100重量部に対して0.1重量部から30重量部で加えるのが良い。ヒドラジン化合物のポリウレタンフォームへの塗布量はポリウレタンフォームからのアルデヒド類の放出量やヒドラジン化合物の濃度によって変わるが0.1g/m2〜10g/m2の量で良い。
アルデヒド捕捉剤は、ヒドラジン化合物である。ヒドラジン化合物は、ヒドラジンまたはその誘導体であり、ヒドラジド化合物をも包含する。ヒドラジン化合物は、一般に、ヒドラジン基(例えば、―N2H4基、―N2H3基または―N−NH2基)を有する化合物である。
ヒドラジンまたはその誘導体として、例えば、アルキルヒドラジン類(例えば、メチルヒドラジン、ジメチルヒドラジン、エチルヒドラジンなどのC1−10アルキルヒドラジン)、アリールヒドラジン類(例えば、ヒドラジノベンゼン、ヒドラジノトルエンなどのC6−14アリールヒドラジン)、ヒドラジノカルボン酸類(例えば、カルバジン酸、ヒドラジノ酢酸、α−ヒドラジノプロピオン酸、α−ヒドラジノイソ酪酸、ヒドラジノ安息香酸など)、炭酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、リン酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジンあるいは結晶水を持つ水加ヒドラジン(水和ヒドラジンともいう)、ヒドラジド化合物、ヒドラゾン類などが含まれる。
アルキルヒドラジンは、例えば、ヒドラジンとヨウ化アルキルとの反応などにより生成する。アリールヒドラジンは、例えば、芳香族炭化水素のジアゾニウム塩を塩化スズと塩酸などで還元して得られる。ヒドラジノカルボン酸類は、例えば、イソニトロアミノカルボン酸をナトリウムアマルガムなどで還元して得られる。
モノヒドラジド化合物の具体例としては、例えば、一般式(1):
R−CO−NHNH2 (1)
[式中、Rは水素原子、アルキル基又は置換基を有することのあるアリール基を示す。]
で表されるモノヒドラジド化合物を挙げることができる。
モノヒドラジド化合物の具体例として、ラウリン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド等を例示できる。
H2NHN−X−NHNH2 (2)
[式中、Xは基−CO−又は基−CO−A−CO−を示す。Aはアルキレン基又はアリーレン基を示す。]
で表わされるジヒドラジド化合物を挙げることができる。
上記一般式(2)において、Aで示されるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基等の炭素数1〜12の直鎖状アルキレン基を挙げることができる。アルキレン基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば水酸基等を挙げることができる。アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基等を挙げることができる。
ポリヒドラジド化合物は、具体的には、ポリアクリル酸ヒドラジド等である。
これらのヒドラジン化合物は1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、ポリカルボン酸と低分子量の水酸基含有化合物から得られるポリエステルポリオール、カプロラクトンを開環重合して得られるラクトン系ポリエステル、ポリカーボネートポリオール、テトラヒドロフランの開環重合から得られるポリテトラメチレングリコール、ポリエーテルポリオールの水酸基をアミノ化し、あるいはポリエーテルポリオールのイソシアネートプレポリマーを加水分解して得られるポリエーテルポリアミンであって、平均活性水素当量が100〜3000のものも使用できる。
またアルデヒド類の捕捉効果(アルデヒド捕捉剤無添加からの減少率)は、30〜90%特に50〜70%が可能である。
また、成形品に限らずフリーライズド発泡によるポリウレタンフォームにおいても、成形品と同様にアルデヒド類の捕捉効果が得られこと、それによってアルデヒド類の放出量の低減が計れる。
また、アルデヒド濃度(ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド)の測定は、ポリウレタンフォームまたはポリウレタンフォームの成形品の作製3日後に実施した。
a)グリセリンにプロピレンオキシドとエチレンオキシド(プロピレンオキシドとエチレンオキシドのモル比 5:1)を付加した水酸基価28mgKOH/gのポリエーテルポリオール28部と、b)トリメチロールプロパン(TMP)にプロピレンオキシドを付加した水酸基価550mgKOH/gのポリエーテルポリオール25部、c)水酸基価290mgKOH/gのポリオール[Desmophen P293(住化バイエルウレタン(株)の輸入販売品)]25部、d)水酸基価185mgKOH/gのポリエチレングリコール8.4部、e)グリセリン6.5部、f)水4.7部、g)ジメチルエタノールアミン0.4部、h)整泡剤(ポリオキシアルキレンシリコンコポリマー)2部を混合して、ポリオール混合物(ポリオールA)1kgを得た。
このポリオールA1kgと変性ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(NCO含量:32.0%、粘度:50mPa.s/25℃)を重量比100:170で1.8kgをミキサーで混合発泡し、連通気泡率が70%で、密度が0.03g/cm3の約40cm四角のフリーライズド(蓋の無い容器中で発泡)の硬質ポリウレタンフォームを得た。ライズタイムは3分であった。
a)TMPにプロピレンオキシドを付加した水酸基価870mgKOH/gのポリエーテルポリオール45部と、b)プロピレングリコールにプロピレンオキシドとエチレンオキシド(プロピレンオキシドとエチレンオキシドのモル比6:1)を付加した水酸基価28mgKOH/gのポリエーテルポリオール34.8部と、c)エチレングリコール9部、d)水0.6部、e)相溶剤としての酸アミド(トールオイルのアミド変成物)8部、f)Kaoライザー No.3(花王〔株〕製3級アミン触媒)とToyocat TF(東ソー〔株〕3級アミン触媒)それぞれ0.9部、g)整泡剤(ポリオキシアルキレンシリコンコポリマー)1.4部を混合して、ポリオール混合物(ポリオールB)20kgを得た。
このポリオールB 20kgと低粘度ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(NCO含量:32.0%、粘度:100mPa.s)20kgをHennecke社製ポリウレタン成形機HK270のタンクに投入し、ポリオールBと低粘度ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが100:150の重量比で混ざるように設定し、RIM成形で 幅30cm 長さ60cm厚さ7mmの60℃の型に注入し、密度 0.5g/cm3の硬質ポリウレタンフォームの成形品を得た。型には予め、水エマルジョンタイプの離型剤(中京油脂社製 リムリケイJ860 30%水溶液)15g/m2塗布したものを使用した。
a)グリセリンにプロピレンオキシドとエチレンオキシド(プロピレンオキシドとエチレンオキシドのモル比 5:1)を付加した水酸基価35mgKOH/gのポリエーテルポリオール54部と、b)43%のポリマー成分(スチレンアクリルニトリル)を含む水酸基価20mgKOH/gのポリマーポリオール36部、c)水酸基価500mgKOH/gのトリエタノールアミンにプロピレンオキシドを付加したポリエーテルポリオール3.0部、d)水酸基価60mgKOH/gのエチレンジアミンにプロピレンオキシドを付加したポリエーテルポリオール4.0部、e)ジエチルトルエンジアミン0.5部、f)トリエチレンジアミンの33%ジプロピレン溶液(3級アミン触媒) 1.0部、g)水1.6部、h)整泡剤(ポリオキシアルキレンシリコンコポリマー)1部を混合して、ポリオール混合物(ポリオールC)500gを得た。
このポリオール混合物250gとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(NCO含量:31.5%、粘度:190mPa.s)90gをミキサーで混合し、幅30cm長さ55cm厚さ10mmの60℃の型に注入し、密度0.2g/cm3の半硬質ポリウレタンフォーム成形品を得た。
参考例1で成形した硬質ポリウレタンフォーム10gを、窒素シールされた1Lのテドラーバッグに入れ、65℃で2時間保存した。その後、常温(25℃)に戻した後、ホルムアルデヒド用北川式検知管(No.171SC)を使いアルデヒド濃度(ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド)を測定した。その結果、検出されたアルデヒド濃度は、2.5ppmであり、硬質ポリウレタンフォーム1g当たりのアルデヒド(ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの合計)放出量(ホルムアルデヒド換算)は0.30μg/gであった。
参考例2で成形した硬質ポリウレタンフォーム成形品40gを、窒素シールされた2Lのテドラーバッグに入れ、65℃で2時間保存した。その後、常温(25℃)に戻した後、ホルムアルデヒド用北川式検知管(No.171SC)を使いアルデヒド濃度(ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド)を測定した。その結果、検出されたアルデヒド濃度は、2.6ppmであり、ポリウレタンフォーム成形品1g当たりのアルデヒド(ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの合計)放出量(ホルムアルデヒド換算)は0.16μgと計算された。
工程1)目付100g/m2のチョップドストランドガラスマット(日本電気ガラス社製)に低粘度ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを18g/m2の量でスプレー塗布した。
工程2)参考例1と同様にして作製した硬質ポリウレタンフォームを縦33cm×横33cm×厚さ5.5mmのシート状に切り出し、その両面にジメチルエタノールアミン4%を含んだ水を15g/m2の量で両面にスプレー塗布した。
工程3)工程2で準備した硬質ポリウレタンフォームの両面に、工程1で準備したチョップドストランドガラスマットを置き、更にその両面にポリエステル製不織布(単位面積重量 50g/m2)を置いて、130℃の平板形状金型で20秒加圧(圧力:10bar)し、厚さ4mmのサンドイッチ成形品を作成した。
3日後この成形品を切り出し、10gのサンプルを窒素の入った2Lテドラーバッグ中で65℃で2時間保存し、DNPHカートリッジに補集しHPLCで分析した。
このサンドイッチ成形品1g当たり、ホルムアルデヒド0.09μgでアセトアルデヒド0.07μgという結果であった。なお、アルデヒド(ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの合計)放出量をホルムアルデヒド換算すると0.14μg/gであった。
参考例3と同様に半硬質ポリウレタンフォーム成形品を成形したものから40gを切り出し、窒素の入った2Lテドラーバッグ中で65℃2時間保存し、ホルムアルデヒド用北川式検知管 (No.171SC)を使いアルデヒド濃度(ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド)を測定した。その結果、検出されたアルデヒド濃度は2.5ppmであった。半硬質ポリウレタンフォーム成形品1g当たりのアルデヒド放出量は、0.15μgと計算された。
参考例1と同様に準備したポリオールA 1kgに対し35g(3.5%)のカルボヒドラジドを添加し、60℃で60分間攪拌した。常温に戻した後、参考例1と同様にして硬質フォームを作成した。1日経過して硬質ポリウレタンフォームが冷却すると一時収縮により大きく変形した。又、気泡(フォームセル)も参考例1と比較し明らかに粗く、製品として使用出来ない状態になった。
参考例1と同様に準備した ポリオールA 1kg に対し 15g(1.5%)のカルボジヒドラジドを添加し、60℃で60分間攪拌した。常温に戻した後、参考例1と同条件でフォームを成型し、比較例1と同条件でアルデヒド濃度(ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド)を測定した。その結果、検出されたアルデヒド濃度は、0.45ppmであり、硬質ポリウレタンフォーム1g当たりのアルデヒド(ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの合計)放出量(ホルムアルデヒド換算)は0.09μg/gであった。比較例1からの減少率は70%であった。
参考例2と同様に準備したポリオールBに対し1.0%のカルボヒドラジドを添加し、60℃で60分間攪拌した。常温に戻した後、参考例2と同様にしてフォームを成形し、比較例2と同様にホルムアルデヒド用北川式検知管 (No.171SC)を使いアルデヒド濃度(ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド)を測定した結果は0.8ppmであり、アルデヒド放出量として硬質ポリウレタンフォーム成形品1g当たり0.05μgであった。比較例2からの減少率は70%であった。
参考例3と同様に準備したポリオールCに対し1.0% の酢酸ヒドラジドを添加し、60℃で60分間攪拌した。常温に戻した後、参考例3と同様にしてフォームを成形し、窒素の入った2Lテドラーバッグ中で65℃2時間保存し、ホルムアルデヒド用北川式検知管 (No.171SC)を使いアルデヒド濃度(ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド)を測定した。結果は1.0ppmであり、半硬質ポリウレタンフォーム成形品1g当たりのアルデヒド(ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの合計)放出量(ホルムアルデヒド換算)が0.06μgであった。比較例4からの減少率は60%であった。
参考例3と同様に準備したポリオールCに対し0.2%の水加ヒドラジンを添加し、60℃で60分間攪拌した。常温に戻した後、参考例3と同様にしてフォームを成形し、窒素の入った2Lテドラーバッグ中で65℃2時間保存し、ホルムアルデヒド用北川式検知管 (No.171SC)を使いアルデヒド濃度(ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド)を測定した。結果は1.0ppmであった。半硬質ポリウレタンフォーム成形品1g当たりのアルデヒド(ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの合計)放出量(ホルムアルデヒド換算)が0.06μgに減少した。比較例4の0.15μgからの減少率は60%であった。
比較例3の工程1と工程3は全く同様に実施し、工程2で、ジメチルエタノールアミン4%を溶かした水溶液に、アルデヒド捕捉剤としてアジピン酸ジヒドラジドを1.3%溶かし15g/m2の量で硬質ポリウレタンフォームの両面にスプレー塗布した。
比較例3と同様の方法で測定したところ、このサンドイッチ成形品1g当たり、ホルムアルデヒドで0.02μgまたアセトアルデヒド0.04μgであった。比較例3から大きく減少し、減少率はホルムアルデヒドで78%、アセトアルデヒドで43%、両方のアルデヒドとしてみると61%であった。なお、アルデヒド(ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの合計)放出量をホルムアルデヒド換算すると0.05μg/gであった。
参考例2で硬質ポリウレタンフォームを成形する際、水エマルジョンタイプの離型剤(中京油脂社製 リムリケイJ860 30%水溶液)にアルデヒド捕捉剤として、カルボヒドラジドを2%溶かし、これを成形型の内部に離型剤として25g/m2塗布した。この成形品から40gを切り出し、比較例2と同様の条件でアルデヒド濃度(ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド)を測定した。その結果、検出されたアルデヒド濃度は0.8ppmであった。硬質ポリウレタンフォーム成形品1g当たりのアルデヒド(ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの合計)放出量(ホルムアルデヒド換算)は、0.05μgと比較例2から大きく減少した。減少率は69%であった。
アルデヒド捕捉剤としてカルボヒドラジドを溶解させたインモールドコート液を予め型に塗布しておき、参考例2と同様に硬質ポリウレタンフォームの成形品を成形した。
インモールドコート液配合比;
主剤(ミクニペイント製、Polydur7−52789 UL446)にカルボヒドラジドを5.0%溶解 20重量部
硬化剤(ミクニペイント製、Polydur DO8−350) 10重量部
シンナー 3重量部
このインモールドコートで被覆された成形品から40gを切り出し、比較例2と同様の条件でアルデヒド濃度(ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド)を測定した。その結果、検出されたアルデヒド濃度は0.9ppmであった。硬質ポリウレタンフォーム成形品1g当たりのアルデヒド(ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの合計)放出量(ホルムアルデヒド換算)は0.05μgとなり、比較例2からの減少率は66%であった。
Claims (14)
- ポリイソシアネートと、ポリオール、触媒および架橋剤を含んでなるポリオール混合物から、ポリウレタン成形品を成形するに際し、ポリオール混合物100重量部に対して、0.05〜3.0重量部のアルデヒド捕捉剤としてのヒドラジン化合物を、予めポリオール混合物に添加してなることを特徴とするポリウレタン成形品。
- ヒドラジン化合物のヒドラジン当量が200以下である請求項1記載のポリウレタン成形品。
- ヒドラジン化合物が、水加ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、フェニルヒドラジン、2-ヒドロキシエチルヒドラジン、カルボ(ジ)ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドからなる群から選択された少なくとも1種である請求項1記載のポリウレタン成形品。
- ポリイソシアネートと、ポリオール、触媒および架橋剤を含んでなるポリオール混合物から、ポリウレタン成形品を成形するに際し、ポリオール混合物100重量部に対して、0.05〜3.0重量部の、アルデヒド捕捉剤としてのヒドラジン化合物をポリオール混合物に添加することを特徴とするポリウレタン成形品の製造方法。
- ポリウレタン成形品を構成する要素の表面上にヒドラジン化合物が0.1g/m2〜10g/m2の量で塗布されていることを特徴とするポリウレタン成形品。
- ポリウレタン成形品を構成する要素が、
ポリウレタンフォーム部a)、ならびに
必要に応じて存在する
ポリウレタンフォーム部の外表面上の表皮層b)、
ポリウレタンフォームa)と表皮層b)との間の、接着剤層c)および/または補強層d)、
ポリウレタンフォームa)の内表面上の裏打ち層e)
であり、
ヒドラジン化合物が、ポリウレタンフォーム部a)、表皮層b)、接着剤層c)、補強層d)および裏打ち層e)の外表面および内表面からなる群から選択された少なくとも1つの表面に塗布されていることを特徴とする請求項5に記載のポリウレタン成形品。 - ヒドラジン化合物のヒドラジン当量が200以下である請求項6記載のポリウレタン成形品。
- ヒドラジン化合物が、水加ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、フェニルヒドラジン、2-ヒドロキシエチルヒドラジン、カルボ(ジ)ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドからなる群から選択された少なくとも1種である請求項6記載のポリウレタン成形品。
- 自動車用天井材である請求項5に記載のポリウレタン成形品。
- ヒドラジン化合物を0.1重量%から10重量%の濃度で水に溶かした水溶液を要素の表面に塗布する請求項5に記載のポリウレタン成形品の製造方法。
- ヒドラジン化合物を離型剤とともに型の表面に塗布した後に、ポリウレタン成形品を成形する請求項5に記載のポリウレタン成形品の製造方法。
- ヒドラジン化合物を表皮材の内表面および/または裏打ち材の外表面に塗布後、これらを型に設置してポリウレタン樹脂を注型してポリウレタン成形品を得る請求項5に記載のポリウレタン成形品の製造方法。
- ポリウレタンスラブをスライスして得たシート状ポリウレタンフォームを補強用繊維でサンドイッチ状にはさみ、接着剤としてのイソシアネートを、触媒および水とともに、加熱型で、固化させ、サンドイッチ状補強ポリウレタン成形品を成形するに際し、触媒および水に、ヒドラジン化合物を触媒および水の合計100重量部に対して0.1重量部から30重量部で加える請求項5に記載のポリウレタン成形品の製造方法。
- 表皮層を形成する塗料を型に塗布した後にポリウレタン成形品を成形することによって表皮層で覆われたポリウレタン成形品を得るインモールド成形ポリウレタンを成形するに際し、ヒドラジン化合物を1重量%から10重量%の濃度で含む塗料をインモールドコート剤として使用する請求項5に記載のポリウレタン成形品の製造方法。
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