JP5506225B2 - 広告シートのリサイクル方法 - Google Patents
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Description
ウォーターカーテン状の水噴射は、例えば図1のような装置を用いてなされる。シートである布帛を洗浄する洗浄装置1は、搬入された布帛Fを搬送する搬入部10、3つの洗浄部11〜13、及び、搬出部14を備えている。搬入される布帛Fは、拡布ロール30により幅方向に拡げられて、搬送ローラ群31により洗浄装置1に搬入される。また、洗浄装置1から搬出された布帛Fは、搬送ローラ群40により次の工程に搬送される。
支持ロール11aは、周面が硬質で平滑な表面であることが好ましく、例えば、金属製で表面が滑面加工されたものが挙げられる。そして、支持ロール11aの周面には、凹凸や孔等は形成されておらず、布帛Fと密着した状態では空隙が形成されないように設定されている。布帛Fを支持ロール11aで搬送しながら連続して洗浄でき、効率よく洗浄処理を行うことができる。
噴射ノズル21aからの噴出量は、2.0〜10.0L/minが好ましい。2.0L/min未満であると、ウォーターカーテンが薄くなり十分な洗浄力を確保しにくくなり、十分な洗浄力を確保しようとすると1ノズルで形成できるカーテン幅が狭くなるため、ノズル数を増加させることになりコスト面及び装置メンテナンス性に劣る傾向にある。10.0L/minを超えると、ウォーターカーテンの重量が増し、シートに負荷がかかり破損しやすくなり、もしくは搬送が不安定になる。
また、支持表面における噴射方向の角度は85度〜95度に設定するとよい。
このように支持表面に対してほぼ直交する方向にウォーターカーテン状の噴流Wを噴射部から噴射することで、支持表面に密着した状態で支持されている布帛Fに対して全幅にわたってほぼ均一に噴射圧力が加わり、布帛Fに皺が生じることがない。また、布帛Fと支持表面との間に隙間が形成されることがないため、噴射圧力により布帛が振動することがなく、噴射された洗浄液の運動エネルギーが布帛の振動等により減殺されずに洗浄作用に寄与するようになる。また、布帛Fの洗浄処理に使用された洗浄液は、そのまま下方に落下していくため、洗浄された汚れ等が布帛F内に残留することがほとんどなく、汚れ等を確実に洗い落とすことができる。そのため、支持表面の洗浄領域Rでは、布帛Fの洗浄処理を効率よく行うことができ、連続搬送される布帛Fが通過する際に短時間で有効な洗浄処理を行うことが可能となる。
使用する非イオン活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等が挙げられ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが特に好ましい。
処理液付与後の熱処理は、150℃から190℃で5〜20分行うことが好ましい。ポリエステル布帛中に入り込んだ色材を脱落させる効果が高く、ポリエステル布帛の強度低下を引き起こす可能性が低いためである。
色柄を付与するために使用する色材としては公知の色材が用いられ、なかでも耐光性や耐水性に優れた水不溶性や水難溶性の色材が好ましく、具体的には有機顔料や無機顔料や分散染料やソルベント染料等が挙げられる。
シートとしてポリエステル布帛を使用し染色した例を説明する。
なお、ポリエステル布帛を基材として選択する場合は、引張り強度が30kgf/50mm巾以上の布帛を用いることが好ましい。耐久性が高く再利用の回数を増加させることが可能となるためである。
広告シートAの作製
ポリエステル布帛(引張強度50kgf/50mm巾)に、DKSファインガムHEL−1(第一工業製薬(株)製、エーテル化カルボキシメチルセルロース)2%、MSリキッド(明成化学工業(株)製、ニトロベンゼンスルホン酸塩、還元防止剤、有効成分30%)5%、水93%を混合した処理液を固形分換算で2g/m2になるようにディップニップ法で付与し170℃で2分間乾燥してインク受理層を形成し、下記に示す分散染料を色材として用いた水系カラーインクをインクジェット方式にて付与した。
Blueインク:C.I.Disperse Blue 73
Redインク:C.I.Disperse Red 92
Yellowインク:C.I.Disperse Yellow 114
なお、インクジェット条件は以下の通りである。
印刷装置:オンデマンド方式シリアル走査型インクジェット装置
解像度:360dpi
単位面積インク付与量:15g/m2
インクジェットによりインクを付与した後、布帛をHTスチーマーを用いて175℃で10分間湿熱処理し、トライポールTK(第一工業製薬(株)製、ノニオン界面活性剤)を2g/L、ソーダ灰2g/Lを含むソーピング浴にて、50℃で10分間処理して洗浄した。その後、サンライフE−48(日華化学(株)製、アニオン系フィックス剤)2g/Lを含むフィックス浴にて、50℃で10分間処理し、乾燥して広告シートAを得た。
製造した広告シートを建築物の外壁面に広告情報印刷面が表側になるように掲示した。
掲示後2ヵ月間の掲示期間を経て、掲示していた広告シートを取り外して回収した。
工程1 広告シートAの洗浄前処理
トライポールTK(第一工業製薬(株)製、非イオン界面活性剤)5g/L、と炭酸カリウム10g/L、DKSファインガムHEL−1(第一工業製薬(株)製、エーテル化カルボキシメチルセルロース)2g/L、ミズカシルP740(水沢化学製、シリカ)10g/Lを含むpH11.0の処理液に浸し、固形分換算で20g/m2になるようにディップニップ法で付与後、170℃で10分間、熱処理を行った。
図1のシート洗浄装置において、噴射ノズル21a、22a、23aの噴射圧5MPaにおける噴出量を6.0L/min、噴射角を30度、噴射ノズルの配列間隔を50mm、支持ロール11a、12a、13aまでの間隔をそれぞれ120mmに設定し、支持表面における噴射方向の角度を90度に設定した。計3回のウォーターカーテンによる洗浄を実施することで、シートに付着していた色材が除去され、再生シートAを得た。
シートとしてターポリンを使用した例を説明する。
広告シートBの作製
ターポリン(ポリ塩化ビニルシート、厚み0.1mm)に顔料を色材とした溶剤型インクを、インクジェット印刷機を用いて印刷し、広告シートBを得た。なお、インクジェット条件は実施の形態例1と同様にした。
製造した広告シートを建築物の外壁面に広告情報印刷面が表側になるように掲示した。
掲示後2ヵ月間の掲示期間を経て、掲示していた広告シートを取り外して回収した。
広告シートBの洗浄処理
図1のシート洗浄装置において、噴射ノズル21a、22a、23aの噴射圧5MPaにおける噴出量を6.0L/min、噴射角を30度、噴射ノズルの配列間隔を50mm、支持ロール11a、12a、13aまでの間隔をそれぞれ120mmに設定し、支持表面における噴射方向の角度を90度に設定した。
噴射圧5MPaにてウォーターカーテンを形成した後、広告シートBを洗浄装置に投入し計3回のウォーターカーテンによる洗浄を実施することで、シートに付着していた色材が除去され、再生シートBを得た。
シートとしてポリエステル布帛を使用し顔料にて着色した例を説明する。
広告シートCの作製
ポリエステル布帛(引張強度50kgf/50mm巾)にミズカシルP740(水沢化学製、シリカ)10%、パスコールJK−831N(明成化学工業製、ウレタン樹脂エマルジョン)30%、スミレーズレジン1001(住化ケムテックス、カチオン樹脂)5%、水55%を混合した処理液をナイフコーティング方式にて5g/m2付与し、140℃で1分間処理してインク受理層を形成し、顔料を色材とした水系インクを、インクジェット印刷機を用いて印刷し、広告シートCを得た。なお、インクジェット条件は実施の形態例1と同様にした。
製造した広告シートを建築物の外壁面に広告情報印刷面が表側になるように掲示した。
広告期間はその広告物件によって異なるが、今回は平均的な期間として2ヵ月間の掲示期間を経て、掲示していた広告シートを取り外して回収した。
広告シートCの洗浄処理
図1のシート洗浄装置において、噴射ノズル21a、22a、23aの噴射圧5MPaにおける噴出量を6.0L/min、噴射角を30度、噴射ノズルの配列間隔を50mm、支持ロール11a、12a、13aまでの間隔をそれぞれ120mmに設定し、支持表面における噴射方向の角度を90度に設定した。
噴射圧5MPaにてウォーターカーテンを形成した後、広告シートCを洗浄装置に投入し計3回のウォーターカーテンによる洗浄を実施することで、シートに付着していた色材が除去され、再生シートCを得た。
11 洗浄部
11a 支持ロール
21 噴射部
21a 噴射ノズル
12 洗浄部
12a 支持ロール
22 噴射部
22a 噴射ノズル
13 洗浄部
13a 支持ロール
23 噴射部
23a 噴射ノズル
F 布帛
R 洗浄領域
W 噴流
Claims (6)
- 色柄を付与された広告シートに対しウォーターカーテン状に水噴射を行うことによって色柄を広告シートから脱落させ、色柄を脱落させたシートを広告シートとして再度利用することを特徴とする広告シートのリサイクル方法。
- 色柄を付与する方法がインクジェット方式であることを特徴とする請求項1に記載の広告シートのリサイクル方法。
- 水噴射の噴出量が噴射ノズル当たり2.0〜10.0L/minであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の広告シートのリサイクル方法。
- 水噴射の噴射圧が3〜15MPaであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の広告シートのリサイクル方法。
- ウォーターカーテン状の水噴射を、広告シートの表面に対する角度が85〜95度の範囲になるよう設定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の広告シートのリサイクル方法。
- シートに色柄を付与し広告シートを製造する工程、広告シートを屋外或いは屋内で広告体として掲示する工程、掲示期間終了後に広告シートを回収する工程、回収された広告シートに対しウォーターカーテン状に水噴射を行うことによって色柄を広告シートから脱落させる工程、色柄を脱落させたシートに再度、色柄を付与し広告シートを製造する工程を順に有することを特徴とする広告シートのリサイクル方法。
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