JP6409869B2 - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、インクジェットヘッドから記録媒体にインクを吐出し、インクの液滴の集合によって画像を形成する。インクジェット記録方法は、捺染にも利用されている。当該捺染では、インクには、通常、水性媒体と着色剤とを含有するインクが使用される。また、上記捺染では、記録媒体は、通常、布帛である。インクジェット記録方法による捺染によって布帛の表面にインクで画像を形成する場合では、当該布帛には、インクのにじみを抑制するための前処理剤による前処理が施された布帛が用いられる。前処理剤で前処理された布帛は、通常、乾かされて使用されるので、インクの水性媒体を吸収する性質を有する。
一方、商業的に有利なインクジェット記録方法の一つとして、ワンパス方式のインクジェット記録方法が知られている。ワンパス方式のインクジェット記録方法は、記録媒体の表面に、一種またはそれ以上のインクを、インクジェットヘッドの記録媒体上での一回の走査でインクジェットヘッドから吐出して、画像を形成する。
布帛のような当該吸収性を有する記録媒体に、上記のワンパス方式のインクジェット記録方法によって複数色のインクを重ねると、形成された画像には、後に吐出されたインクの色の縁取りが形成されて、当該画像に精細さを欠くことがある。
インクジェット記録方法による捺染において、当該布帛へのインクの染み込みによるにじみを抑制するための技術としては、浸透液を浸透させることが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、これらのインクジェット記録方法では、布帛は浸透液によって十分に濡らされているので、インクが布帛でより広がり、布帛の表面における画像濃度が不十分になることがあり、あるいは、画像に精細さを欠くことがある。
特開2011−179130号公報 特開2013−007126号公報 特開2012−096513号公報
本発明は、ワンパス方式のインクジェット記録方法で吸収性の記録媒体に画像を形成した場合でも精細な画像を形成することを課題とする。
本発明は、以下に示すインクジェット記録方法に関する。
[1]水性媒体と着色剤とを含有する二種以上のインクを、前記水性媒体の吸収性を有する記録媒体の表面に、インクジェットヘッドの前記記録媒体上での一回の走査で吐出して、画像を形成するワンパス方式のインクジェット記録方法であって、前記記録媒体は、布帛または不織布であり、前記インクジェット記録方法は、前記インクを前記記録媒体に吐出する前に、前記記録媒体の前記表面を加湿する工程を含む、インクジェット記録方法。
[2]相対湿度が50〜80%の空気で前記表面を加湿する、[1]に記載のインクジェット記録方法。
[3]前記インクの一種毎の吐出の前に前記表面を加湿する、[1]または[2]に記載のインクジェット記録方法。
[4]前記インクは、グリコール類を含有し、前記インクにおける前記グリコール類の含有量は、15〜60質量%である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
また、本発明は、以下に示すインクジェット記録装置に関する。
[5]記録媒体に対して相対的に一方向に移動しながらインクを吐出して、前記記録媒体に対して一度の走査で所期の画像を形成するためのインクジェットと、前記記録媒体を保持して前記インクジェットを前記記録媒体に対して相対的に一方向に移動させるための搬送機構と、を有するワンパス方式のインクジェット記録装置であって、前記記録媒体は、布帛または不織布であり、前記記録媒体の、前記インクジェットヘッドの走査方向における前方の部分の表面を加湿するための加湿装置をさらに有する、インクジェット記録装置。
[6]前記インクジェットヘッドは、複数色のインクを吐出するための複数のノズル群を有し、前記ノズル群のそれぞれは、異なる色のインクを突出し、前記加湿装置は、前記ノズル群のそれぞれに対応して複数配置され、かつ、前記ノズル群の前記走査方向における前方に配置されている、[5]に記載のインクジェット記録装置。
[7]前記加湿装置は、前記記録媒体の表面に、相対湿度が50〜80%の空気を供給するためのノズルを含む、[5]または[6]に記載のインクジェット記録装置。
本発明によれば、インクが記録媒体の表面に到達する前に、記録媒体の表面がインク液滴の着弾と同程度の湿り具合で湿らされることから、最初に記録媒体に着弾したインク液滴も、後から記録媒体に着弾したインク液滴も実質的に同じに広がる。よって、形成された画像の周囲に、後のインクの色の縁取りが生じないので、ワンパス方式のインクジェット記録方法で吸収性の記録媒体に画像を形成した場合でも精細な画像を形成することができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の構成の一例を模式的に示す図である。 図2Aは、本実施形態におけるインクジェットヘッドユニットの、平面視したときの構成を模式的に示す図であり、図2Bは、当該インクジェットヘッドユニットの、側面から見たときの構成を模式的に示す図であり、図2Cは、当該インクジェットヘッドユニットの、正面から見たときの構成を模式的に示す図である。 図3Aは、第1のインクが布帛に浸透する様子を模式的に示す図であり、図3Bは、第1のインクの吐出直前に加湿され、第1のインクが吐出された後の布帛に第2のインクがさらに吐出されたときの、第2のインクが布帛に浸透する様子を模式的に示す図であり、図3Cは、第1のインクの吐出前に加湿されずに第1のインクが吐出された後の布帛に第2のインクがさらに吐出されたときの、第2のインクが布帛に浸透する様子を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の構成の他の例を模式的に示す図である。
本発明の一実施の形態を以下に説明する。
本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、二種以上のインクを、記録媒体の表面に、インクジェットヘッドの前記記録媒体上での一回の走査で吐出して、画像を形成する、いわゆるワンパス方式のインクジェット記録方法である。
[インク]
上記インクは、水性媒体と着色剤とを含有する。上記インクは二種以上であり、これらは、通常は異なる色のインクだが、同じ色のインクであってもよい。上記インクは、二種以上であれば、重ね打ちによって所期の外観が得られる範囲において、何種類であってもよい。
上記水性媒体は、水を主成分とする液体であり、水または水溶液である。当該水性媒体の溶質の例には、塩および水溶性有機溶剤が含まれる。
上記インク中における上記水溶性有機溶剤の含有量は、インク中へ各種成分を溶解させる観点、および、インクの乾燥性の観点、から、15〜70質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。上記含有量が15質量%以上あると、インクの粘度などの液物性を整えたり、界面活性剤を溶解させる観点から好ましい。上記含有量が70質量%を超えると、インクの乾燥性が悪くなり、印字後の布帛が乾燥せず、熱処理(発色)前の印字物を重ねたり、巻き取ることができなくなることがある。
上記水溶性有機溶剤の例には、多価アルコール、アミン、一価のアルコール、多価アルコールのアルキルエーテル、2,2’−チオジエタノール、アミド、複素環化合物およびアセトニトリルが含まれる。
上記多価アルコールの例には、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールおよびグリコール類が含まれる。
上記グリコール類の例には、エチレングリコール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびブチレングリコールが含まれる。
特に、上記グリコール類の上記インク中における含有量は、前述の理由に加えて、布帛の水溶性高分子の過度な膨潤を抑制し、後から吐出されるインクを布帛内に浸透しやすくしてより高精細な画像を形成する観点から、15〜60質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。
上記アミンの例には、エタノールアミンおよび2−(ジメチルアミノ)エタノールが含まれる。
上記一価のアルコールの例には、メタノール、エタノールおよびブタノールが含まれる。
上記多価アルコールのアルキルエーテルの例には、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルが含まれる。
上記アミドの例には、N,N−ジメチルホルムアミドが含まれる。
上記複素環化合物の例には、2−ピロリドンが含まれる。
上記着色剤は、一種でもそれ以上でもよい。上記着色剤の例には、水溶性染料、分散染料、顔料、反応性染料、酸性染料および直接染料が含まれる。当該着色剤には、例えば「染色ノート 第21版」(色染社)に記載されている各種着色剤が用いられる。
上記分散染料の例には、C.I.Disperse Yellow 3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232;C.I.Disperse Orange 1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、46、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142;C.I.Disperse Red 1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328;C.I.Disperse Violet 1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77;C.I.Disperse Green 9;C.I.Disperse Brown 1、2、4、9、13、19;C.I.Disperse Blue 3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333;および、C.I.Disperse Black1、3、10、24;が含まれる。
上記顔料の例には、カーボンブラック;C.I.Pigment Yellow 1、3、12、13、14、16、17、43、55、74、81、83、109、110、128;C.I.Pigment Orange 13、16、34、43;C.I.Pigment Red 2、5、8、12、17、22、23、41、112、114、122、123、146、148、150、166、170、220、238、245、258;C.I.Pigment Violet 19、23;C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:3、15:5、29;C.I.Pigment Green 7、8;C.I.Pigment Brown 22;C.I.Pigment Black 1、7;および、C.I.Pigment White 6;が含まれる。
上記反応性染料の例には、C.I.Reactive Yellow 2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、C.I.Reactive Orange 1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107;C.I.Reactive Red 2、3、3:1、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235;C.I.Reactive Violet 1、2、4、5、6、22、23、33、36、38;C.I.Reactive Blue 2、3、4、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236;C.I.Reactive Green 8、12、15、19、21;C.I.Reactive Brown 2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46;および、C.I.Reactive Black 5、8、13、14、31、34、39;が含まれる。
上記酸性染料の例には、C.I.Acid Yellow 1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、40:1、42、44、49、59、59:1、61、65、67、72、73、79、99、104、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、219:1、220、230、232、235、241、242、246;C.I.Acid Orange 3、7、8、10、19、24、51、51S、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168;C.I.Acid Red 1、6、8、9、13、18、27、35、37、52、54、57、73、82、88、97、97:1、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415;C.I.Acid Violet 17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、C.I.Acid Blue 1、7、9、15、23、25、40、61:1、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、127:1、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、258、260、264、277:1、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350;C.I.Acid Green 9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109;C.I.Acid Brown 2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413;および、C.I.Acid Black 1、2、3、24、24:1、26、31、50、52、52:1、58、60、63、63S、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222;が含まれる。
上記直接染料の例には、C.I.Direct Yellow 8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、86、87、98、105、106、130、137、142、147、153;C.I.Direct Orange 6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118;C.I.Direct Red;2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254;C.I.Direct Violet 9、35、51、66、94、95;C.I.Direct Blue 1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291;C.I.Direct Green 26、28、59、80、85;C.I.Direct Brown 44、44:1、106、115、195、209、210、212:1、222、223;および、C.I.Direct Black 17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169;が含まれる。
上記インクにおける上記着色剤の含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.2〜13質量%であることがより好ましい。
上記顔料または上記分散染料のZ平均粒子径は300nm以下であること、あるいは、上記顔料または上記分散染料の最大粒径は900nm以下であること、が好ましい。Z平均粒子径または最大粒径が上記の範囲を超えると、微細なノズルより出射するインクジェット捺染方法において、目詰まりが発生しやすくなり、長期に安定したインクの出射ができなくなることがある。
上記Z平均粒子径または最大粒径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機、例えばマルバーン社製ゼータサイザーナノS、を用いて測定することが可能である。また、上記Z平均粒子径または最大粒径は、市販の分散剤を用いるビーズミルなどによる上記顔料または分散染料の分散処理や、上記顔料または分散染料の分級、分級品の混合、などにより調整することが可能である。
上記インクは、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記以外の他の成分をさらに含有していてもよい。たとえば、上記インクは、インクの表面張力を調整する観点や、着色剤の分散をより安定させる観点などから、界面活性剤をさらに含有していてもよい。
上記界面活性剤は、一種でもそれ以上でもよい。当該界面活性剤は、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれの界面活性剤であってもよい。
上記陽イオン性界面活性剤の例には、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩およびイミダゾリニウム塩が含まれる。
上記陰イオン性界面活性剤の例には、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩およびアルキルリン酸エステル塩が含まれる。
上記両性界面活性剤の例には、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩およびイミダゾリニウムベタインが含まれる。
上記非イオン性界面活性剤の例には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、エマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(例えば、ニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコールおよびアセチレンアルコールが含まれる。「エマルゲン」は、花王株式会社の登録商標であり、「ニューポール」は、三洋化成工業株式会社の登録商標である。
上記界面活性剤は、非イオン性界面活性剤または陰イオン性界面活性剤であることが好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、2−エチルへキシルスルホ琥珀酸ソーダ、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、フェノールの酸化エチレン付加物またはアセチレンジオールの酸化エチレン付加物であることがより好ましい。
上記インクにおける上記界面活性剤の含有量は、着色剤の分散性の向上や、インクの表面張力の調整などの観点から適宜に決めることができ、例えば0.05〜2質量%である。
また、上記インクは、インクの保存安定性の観点から、防腐剤または防黴剤を含有していてもよい。防腐剤または防黴剤の例には、芳香族ハロゲン化合物(例えば、Preventol(プレベントール) CMK)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、および、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(例えば、PROXEL(プロキセル) GXL)、が含まれる。「プレベントール」は、ランクセス社の登録商標であり、「プロキセル」は、アーチ社の登録商標である。
[記録媒体]
上記記録媒体は、上記水性媒体を吸収する性質(水性媒体の吸収性)を有する。当該吸収性とは、記録媒体に付着した水性媒体が、当該記録媒体の表面に沿う方向および当該記録媒体の厚さ方向のいずれにも広がりながら上記記録媒体に浸透する性質を言う。当該記録媒体が吸収性を示す水性媒体は、上記インク中の水性媒体と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記記録媒体は、上記吸収性を有する、捺染で使用され得る記録媒体から選ぶことが可能である。上記記録媒体は、例えば、繊維で構成されたシートまたは造形物であってよく、当該繊維の材料は、本実施形態の効果が得られる範囲において、適宜に選ばれる。上記記録媒体は、例えば、布帛または不織布である。
上記布帛は、例えば、反応染料で染色可能な繊維で構成される。このような布帛の例には、綿などのセルロース繊維、絹などの蛋白繊維、これらのいずれかの繊維とレーヨン、ポリウレタン、ポリエステルまたはアクリル樹脂との混紡布が含まれる。布帛の形態は、織物、編布および不織布のいずれであってもよい。布帛を構成する繊維の太さは、10〜100dであることが好ましい。
上記布帛は、上記インクのにじみを防止するための前処理剤を布帛の表面に含むことが、精細な画像を形成する観点から好ましい。当該前処理剤は、布帛(記録媒体)の厚さ方向における表面部のみに含まれていてもよいし、布帛の厚さ方向の全体に含まれていてもよい。当該前処理剤は、例えば、水溶性高分子化合物、アルカリ剤、およびヒドロトロピー剤を含有する。
上記水溶性高分子化合物は、水に均一に分散、溶解する高分子化合物である。水溶性高分子化合物の例には、グアーガム、ローカストビーンガムなどの天然ガム;澱粉;アルギン酸ナトリウム;ふのりなどの海草;ペクチン酸などの植物皮類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体;焙焼澱粉、アルファ澱粉、カルボキシメチル澱粉、カルボキシエチル澱粉、ヒドロキシエチル澱粉などの加工澱粉;シラツガム、ローストビーンガム系などの加工天然ガム;および、アルギン酸誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステルなどの合成糊またはエマルジョン;が含まれる。
上記水溶性高分子化合物の上記布帛に対する付与量は、布帛中にインクを滲ませずに保持させる観点から、0.2〜50質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。
上記アルカリ剤の例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属;モノ、ジ、トリエタノールアミンなどのアミン;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム)などの炭酸若しくは重炭酸アルカリ金属塩;酢酸カルシウム、酢酸バリウムなどの有機酸金属塩;アンモニアおよびアンモニウム化合物;および、トリクロロ酢酸ナトリウムなどの、スチーミングまたは乾熱下でアルカリ剤となる化合物;が含まれる。上記アルカリ剤は、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムであることがより好ましい。
上記アルカリ剤の上記布帛に対する付与量は、反応染料を含む上記インクを布帛に染着させる観点から、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。上記の観点から、上記アルカリ剤は、上記布帛にあらかじめ含有させることが好ましい。
上記ヒドロトロピー剤は、画像濃度を高める観点から使用される。上記ヒドロトロピー剤の例には、尿素;および、エチレン尿素、ジメチル尿素、チオ尿素、モノメチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素などのアルキル尿素;が含まれる。
上記前処理剤は、前述した成分以外の他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分の例には、還元防止剤、防腐剤およびキレート剤が含まれる。
上記還元防止剤の例には、m−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムが含まれる。上記防腐剤の例には、インクの防腐剤として例示した防腐剤が含まれる。上記キレート剤の例には、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロトリ酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩およびメタリン酸塩が含まれる。
前処理剤の付与量(絞り率)、および、前処理剤における上記水溶性高分子化合物の含有量は、例えば布帛の種類に応じて適宜に設定される。
上記布帛に上記前処理剤を付与する方法の例には、パッド法、コーティング法、スプレー法およびインクジェット法が含まれる。布帛に付与された前処理剤は、温風、ホットプレート、またはヒートローラーなどの公知の加熱装置を用いて、加熱、乾燥させることができる。上記前処理剤が付与された布帛の例には、特開昭62−53492号公報に記載のインク受容層を有する布帛類、および、特公平3−46589号公報に記載の還元防止剤やアルカリ剤を含有させた布帛、が含まれる。
[加湿工程]
本実施の形態におけるインクジェット記録方法は、上記インクを上記記録媒体に吐出する前に、当該記録媒体の表面を加湿する工程(加湿工程)を含む。当該加湿工程による記録媒体の加湿の程度は、インクの吐出によって記録媒体が濡れる程度の記録媒体の濡れ具合を上限として、本発明の効果が得られる範囲から適宜に決めることが可能である。たとえば、加湿工程における記録媒体の濡れは、わずかであってもよいし、あるいは、記録媒体の繊維がインクの液滴の着弾によって濡れる程度であったり、上記前処理剤中の水溶性高分子化合物がインクの液滴の着弾によって膨潤する程度であってもよい。このように、当該記録媒体の加湿の程度は、上記インクの吐出による当該表面の濡れに相当する程度までであってよく、上記加湿工程は、インクの液滴が着弾する前の記録媒体の表面を、インクの液滴が着弾した後の記録媒体の表面と実質的に同程度までに、記録媒体の表面を湿らす工程であってよい。
上記加湿工程の、上記記録媒体の厚さ方向における加湿の範囲は、本発明の効果が得られる範囲から適宜に決めることが可能であり、例えば、当該記録媒体の表面に着弾したインクの液滴のインクが到達する(浸透する)範囲を含む範囲から適宜に決めることが可能である。上記範囲は、インクの種類や記録媒体の種類および厚さなどに応じて適宜に決められる。このように、上記加湿工程は、上記記録媒体の少なくとも表面において、インクの液滴の着弾による上記水性媒体による濡れを、インクの液滴の着弾前に、発現させる。
上記加湿工程は、上記水性媒体を記録媒体の表面に供給することによって行うことが可能である。上記水性媒体は、使用するインクの水性媒体と同じであってもよいし、異なっていてもよい。上記加湿工程における水性媒体は、例えば、加湿空気などの湿度が調整されたガスや、ナノミストなどの水性媒体の微細粒子として、記録媒体の表面に供給される。中でも、加湿空気は、記録媒体の表面を均一に加湿する観点、および、容易かつ安価に生成可能である観点、から好ましい。
より具体的には、上記加湿工程に、水などの水性媒体で加湿された空気(加湿空気)を用いる場合では、当該加湿空気の相対湿度は、低すぎると、インクの液滴の着弾による記録媒体の表面の濡れの再現が不十分となることがあり、高すぎると、結露による液滴が記録媒体に供給されて記録媒体の表面を過度に濡らすことがある。このような観点から、上記加湿空気の相対湿度は、50〜80%であることが好ましく、55〜75%であることがより好ましい。
また、上記加湿空気の温度は、低すぎると加湿空気の湿度が不十分となって、インクの液滴の着弾による記録媒体の表面の濡れの再現が不十分となることがあり、高すぎると、適度に湿らされた記録媒体の表面の乾燥が促され、やはりインクの液滴の着弾による記録媒体の表面の濡れの再現が不十分となることがある。このような観点から、上記加湿空気の温度は、20〜40℃であることが好ましく、20〜30℃であることがより好ましい。
さらに、上記加湿空気の風量は、少なすぎると、インクの液滴の着弾による記録媒体の表面の濡れの再現が不十分となることがあり、多すぎると、記録媒体の表面の形状の乱れやインク着弾の乱れなどを生じることがあり、あるいは、記録媒体の過度に湿らしてインクの記録媒体内への浸透を促進し、記録媒体の表面における画像濃度が不十分になることがある。このような観点から、加湿空気の風量は、0.2〜5m/秒であることが好ましく、0.5〜3m/秒であることがより好ましい。
上記加湿工程は、全てのインクを吐出する前に一括して行ってもよいが、記録媒体の表面に着弾したインクの液滴におけるインクの広がりを、吐出する全てのインクで均等にする観点から、インクの種類毎に個別に行うことが好ましい。各種のインクの吐出毎における上記加湿工程は、例えば、各種のインクのインクジェットヘッドに対応して、上記加湿工程を行うための加湿装置を配置することによって行うことが可能である。当該装置の例には、加湿空気やナノミストを記録媒体に吹き付けるためのノズルが含まれる。
[その他の工程]
本実施の形態におけるインクジェット記録方法は、上記加湿工程で加湿された記録媒体の表面に、インクを吐出する。インクの吐出は、記録媒体の表面の湿り具合が実質的に維持されている間に行われる。たとえば、インクの吐出は、加湿工程の直後に行われる。
本実施の形態におけるインクジェット記録方法は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記加湿工程以外の他の工程をさらに含んでいてもよい。当該他の工程の例には、上記前処理剤で記録媒体を前処理する前処理工程、インクが吐出された後の記録媒体を乾燥させる予備乾燥工程、記録媒体に吐出されたインクを記録媒体中に染着させてインク本来の色相を発現させる発色工程、当該発色工程後の記録媒体を洗浄して上記前処理剤および余剰のインクを記録媒体から除去する洗浄工程、および、当該洗浄工程後の記録媒体を乾燥させる乾燥工程、が含まれる。上記他の工程は、インクジェット記録方法による捺染で公知の方法によって行うことができる。
[インクジェット記録装置]
本実施の形態のインクジェット記録方法は、例えば、公知のワンパス方式のインクジェット記録装置に、上記加湿装置を配備した装置によって行うことが可能である。図1は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成の一例を模式的に示す図である。当該インクジェット記録装置10は、図1に示されるように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応する四つのインクジェットヘッドユニット11と、記録媒体としての布帛100を連続して供給するための搬送ベルトと、を有する。図1中の矢印Xは、布帛100の搬送方向を示す。
図2Aは、インクジェットヘッドユニット11の、平面視したときの構成を模式的に示す図であり、図2Bは、インクジェットヘッドユニット11の、側面から見たときの構成を模式的に示す図であり、図2Cは、インクジェットヘッドユニット11の、正面から見たときの構成を模式的に示す図である。インクジェットヘッドユニット11は、それぞれ、図2Aから図2Cに示されるように、矢印Yで示される布帛の幅方向に沿って二列に配置された複数のインクジェットヘッド111と、加湿空気を布帛100に向けて吹き出すための吹き出し口112とを有する。インクジェットヘッド111は、いずれも、上記搬送ベルト上に固定されている。
インクジェットヘッド111は、Y方向において、互いに一部重複するように配置され、全体として隙間なく配置されている。吹き出し口112は、Y方向における中央部からY方向に沿って広がる、細長い矩形の開口を有するダクトであり、加湿装置に相当する。吹き出し口112は、X方向におけるインクジェットヘッド111よりも上流側に配置されており、Y方向において全てのインクジェットヘッド111と少なくとも重なる範囲まで広がっている。インクジェットヘッド111は、例えば、不図示のインク室、圧力室およびノズルを有し、各色のインクを収容するインクタンクと接続されている。吹き出し口112は、例えば、不図示の加湿器に接続されている。
上記搬送ベルトは、図1に示されるように、無端状の粘着性ベルト21と、粘着性ベルト21を支持するサポートロール22および搬送ロール23と、搬送ロール23と粘着性ベルト21を挟む位置に配置されたニップロール24とを有する。粘着性ベルト21は、布帛100を載せる面に粘着性を有する。搬送ロール23は、回転自在に駆動するように構成されており、サポートロール22は、回転自在に配置されている。また、ニップロール24は、搬送ロール23に対して接近、離間可能に配置されている。
上記搬送ベルトを駆動させると、布帛100は、X方向に連続して搬送される。なお、布帛100には、前処理液の塗布およびその乾燥などによる前処理が事前に施されている。
次いで、布帛100は、より上流側のインクジェットヘッドユニット11の吹き出し口112から例えば25℃70RH%の加湿空気が2m/秒で供給される。当該加湿空気の供給により、布帛100の表面は、インクの液滴が着弾したときと同程度に湿らされる。そして、布帛100の湿らされた部分にインクジェットヘッド111から第1のインクが吐出される。より下流側のインクジェットヘッド111でも同様の加湿と、第2以降のインクの吐出とが行われる。
こうして、布帛100には、インクジェットヘッドユニット11を一回通過しただけで、所期の色のインクの全てが吐出され、布帛100の表面には、所望の画像が形成される。上記のように画像が形成された布帛100は、前述した予備加熱、発色、洗浄および乾燥の各工程に供される。
[作用、効果]
上記のようなワンパス方式のインクジェット記録方法で布帛に画像を形成すると、後から吐出されたインクの色の縁取りが発生しない、精細な画像が形成される。その理由は、以下の通りと考えられる。
図3Aは、第1のインクが布帛に浸透する様子を模式的に示す図であり、図3Bは、第1のインクの吐出直前に加湿され、第1のインクが吐出された後の布帛に第2のインクがさらに吐出されたときの、第2のインクが布帛に浸透する様子を模式的に示す図であり、図3Cは、第1のインクの吐出前に加湿されずに第1のインクが吐出された後の布帛に第2のインクがさらに吐出されたときの、第2のインクが布帛に浸透する様子を模式的に示す図である。
布帛にインク(例えばシアンのインク)を吐出すると、図3Aに示されるように、インクの液滴が着弾した位置を中心に、インクは、布帛の表面に沿う方向および深さ方向のいずれにも広がりながら、布帛に浸透する。ここで、布帛が乾いていると、インクは布帛の繊維に付着している、上記前処理剤中の水溶性高分子に吸収されながら浸透する。布帛が湿っていると、インクは、既に上記水溶性高分子が膨潤している状態の布帛内を浸透するので、布帛が乾いている場合に比べて、インクは、布帛の厚さ方向にはより浸透しにくく、表面に沿う方向により広がりやすい。
シアンインクの吐出に際して、布帛が当該インクの液滴の着弾による濡れと同程度に予め湿らされていると、シアンインクは、既にインクが吐出されている布帛に広がるのと同じように広がり、布帛に浸透する。
この場合、シアンインクの次に、布帛の同じ位置にイエローインクを吐出すると、図3Bに示されるように、イエローインクは、シアンインクと同じように広がりながら布帛に浸透する。これは、シアンインクが浸透するときの布帛の部分の状態(例えば水溶性高分子の膨潤具合など)と、イエローインクが浸透するときの布帛の部分の状態が実質的に同じであるため、と考えられる。その結果、イエローインクは、布帛におけるシアンインクが浸透した部分と実質的に同じ部分に浸透し、グリーンのドットが形成される。
一方、シアンインクの吐出に際して、布帛が上記のように湿らされていない(乾いている)場合では、次に吐出されるイエローインクは、水溶性高分子が膨潤していない布帛を、当該水溶性高分子を膨潤させながら浸透したシアンインクに比べて、布帛内をより浸透しにくくなる。これは、シアンインクに比べて、イエローインクの浸透する流路は、水溶性高分子が膨潤している分だけ狭くなるため、と考えられる。その結果、イエローインクは、図3Cに示されるように、シアンインクが浸透した部分よりも、布帛の表面に沿う方向により広く、グリーンのドットの外側まで浸透する。このため、布帛の表面に形成した画像には、後から吐出したイエローの縁取りが形成される(図3C中の矢印)。
他方、シアンインクの吐出に際して、布帛が過度に湿らされている(例えば、液体を含むほどに濡れている)と、シアンインクおよびイエローインクのいずれもが、着弾位置からより広い範囲まで布帛を浸透する。インクの液滴の体積は限られていることから、布帛の表面に沿う方向や厚さ方向へインクがより浸透すると、そのインクの色相が薄まり、布帛の表面に十分に発現されなくなることがある。また、このようにインクが広がりすぎるため、布帛の表面に形成される画像における異なる色相間の境界がより不鮮明になることがある。その結果、画像の精細さがより低下することがある。
ここで、インクジェットヘッドが複数回の走査しながらインクを吐出するスキャン方式のインクジェット記録装置と比べると、当該インクジェット記録装置では、インクジェットヘッドが左右(例えば図2A中のY方向)に動き、また単位時間当たりのインクの吐出量は、一般に、ワンパス方式のインクジェット記録装置に比べて小さい。このため、スキャン方式のインクジェット記録装置による画像形成では、ワンパス方式のインクジェット記録装置による画像形成に比べてインクが乾きやすく、記録媒体上の湿度が安定化しやすい。よって、1滴目の吐出時と2滴目の吐出時の記録媒体周りの環境は、大きくは変わらず、記録媒体に着弾したインクの広がり具合に実質的に影響を及ぼさない。
また、スキャン方式のインクジェット記録装置では、通常、インターリーブ方式によって画像が形成される。このため、例えば、イエローインクが着弾した位置にシアンインクが着弾する場合と、シアンインクが着弾した位置にイエローインクが着弾する場合とが、ランダムに、そして、記録媒体(布帛)全体では同程度の割合で発生する。したがって、仮に同じ位置に着弾したイエローインクのドット径とシアンインクのドット径とが異なっていても、異なる着弾順序の部分が、記録媒体の画像が形成された部分に、ランダムに、しかしほぼ均等に存在するため、全体としては違和感の小さな画像が形成される。
これに対して、ワンパス方式のインクジェット記録装置による画像形成では、インクジェットヘッドが動かず、スキャン方式のインクジェット記録装置に比べて、一般に、単位時間当たりのインクの吐出量が多い。このため、インクジェット近傍の湿度が高くなりやすい。よって、1滴目の吐出時と2滴目の吐出時の記録媒体周りの環境が大きく異なり、記録媒体に着弾したインクの広がり具合にも差異が出てくる。
また、ワンパス方式のインクジェット記録装置ではインクジェットヘッドが固定されており、通常は、インクの吐出順序は固定されている(例えば、最初にイエローインク、次いでシアンインクなど)。このため、イエローインクのドット径とシアンインクのドット径との間にわずかな差異であっても生じると、形成された画像全体では当該差異による違和感が強調され、その結果、違和感の大きな画像が形成されてしまう。
これらは、ワンパス方式のインクジェット記録装置による画像形成に特有の課題であり、本発明によれば、ワンパス方式のインクジェット記録装置による画像形成であっても、着弾順による上記のドット径の差異が実質的に生じないため、当該特有の課題が解決される。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、水性媒体と着色剤とを含有する二種以上のインクを、上記水性媒体の吸収性を有する記録媒体の表面に、インクジェットヘッドの上記記録媒体上での一回の走査で吐出して、画像を形成するインクジェット記録方法であって、上記記録媒体は、布帛または不織布であり、上記インクジェット記録方法は、上記インクを上記記録媒体に吐出する前に、上記記録媒体の上記表面を加湿する工程を含む。このため、ワンパス方式のインクジェット記録方法で吸収性の記録媒体に画像を形成した場合でも精細な画像を形成することができる。
また、上記の加湿工程において、相対湿度が50〜80%の空気で上記表面を加湿することは、上記記録媒体の湿り具合を適切に調整する観点から、より一層効果的である。
また、上記の加湿工程において、上記インクの一種毎の吐出の前に上記表面を加湿することは、各インクの記録媒体への浸透の程度を揃え、より高精細な画像を形成する観点から、より一層効果的である。
また、上記インクジェット記録方法は、捺染に適用することができ、上記記録媒体が上記インクのにじみを防止するための前処理剤を上記表面に含むことは、高精細な画像を布帛に高い生産性で形成する観点から、より一層効果的である。
また、上記インクがグリコール類を含有し、当該インクにおける当該グリコール類の含有量が15〜60質量%であることは、布帛の水溶性高分子の過度な膨潤を抑制して後から吐出されるインクを布帛内に浸透しやすくする観点、および、その結果、より高精細な画像を形成する観点、から、より効果的であり、上記インクにおける上記グリコール類の含有量が30〜60質量%であることは、上記の観点からより一層効果的である。
また、本実施の形態に係るインクジェット記録装置は、記録媒体に対して相対的に一方向に移動しながらインクを吐出して、上記記録媒体に対して一度の走査で所期の画像を形成するためのインクジェットと、上記記録媒体を保持して上記インクジェットを上記記録媒体に対して相対的に一方向に移動させるための搬送機構と、を有するワンパス方式のインクジェット記録装置であって、上記記録媒体は、布帛または不織布であり、上記記録媒体の、上記インクジェットヘッドの走査方向における前方の部分の表面を加湿するための加湿装置をさらに有する。このため、ワンパス方式のインクジェット記録方法で吸収性の記録媒体に画像を形成した場合でも精細な画像を形成することができる。
また、上記インクジェットヘッドが複数色のインクを吐出するための複数のノズル群を有し、上記ノズル群のそれぞれが異なる色のインクを突出し、上記加湿装置が上記ノズル群のそれぞれに対応して複数配置され、かつ、上記ノズル群の上記走査方向における前方に配置されていることは、各色のインクの間で、インクが吐出される前の布帛の湿り具合を一定にして、各色のインクの広がり方を一定に揃える観点からより一層効果的である。
[変形例]
なお、前述のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドのそれぞれに加湿装置を有しているが、インクジェットヘッドユニット単位で加湿装置を有していてもよい。たとえば、上記インクジェット記録装置は、図4に示されるように、インクジェットヘッドユニット41と、個々のインクジェットヘッドユニット41の、布帛の意号方向における上流側(X方向とは反対側)に配置される吹き出し口412とを有していてもよい。インクジェットヘッドユニット41は、吹き出し口112を有さない以外はインクジェットヘッドユニット11と同じであり、吹き出し口412は、インクジェットヘッドユニット外に配置されている以外は、吹き出し口112と同じである。図4に示されるインクジェット記録装置は、図1に示されるインクジェット記録装置と同様の効果を奏し、加えて、既存の捺染用のインクジェット記録装置を本発明に適用可能に改造することがより容易であることから、好ましい。
あるいは、上記インクジェット記録装置は、複数のインクジェットヘッドに対して、その上流側に一つ配置される加湿装置を有していてもよい。さらに、前述したインクジェット記録装置における上記加湿装置は、上記吹き出し口以外、例えば、布帛にミストを供給する噴霧装置、であってもよい。
また、前述のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドに対して布帛をX方向に移動させているが、インクジェットヘッドをX方向とは反対側の方向に移動させてもよい。この場合、布帛は、固定されていてもよいし、X方向またはその反対の方向に、インクジェットヘッドの移動と同期して移動してもよい。
以下において、実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。本発明の範囲が、実施例の記載によって制限して解釈されない。
[シアンインクの調製]
(染料分散液A−1の作製)
分散剤としてDISPERBYK−190(ビックケミー社製 くし型ブロックポリマー分散剤 固形分40質量%)15質量部をイオン交換水60質量部に加え、ここへジプロピレングリコールプロピルエーテル5質量部を混合した。この溶液に分散染料であるC.I.Disperse Blue−60を20質量部添加し、プレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、染料固形分20質量%の染料分散液A−1を得た。得られた染料分散液A−1の分散粒子のZ平均粒子径を動的光散乱法粒度分布計ゼータサイザーナノS(マルバーン社製)にて測定したところ、0.15μmであった。
(シアンインクの作製)
イオン交換水27.6質量部にエチレングリコールを40質量部、グリセリンを7質量部、プロキセルGXL(防黴剤 ロンザ社製)を0.2質量部、およびKF−351A(界面活性剤 信越化学工業株式会社製)を0.2質量部加えた混合液に、染料分散液A−1を25質量部加えて撹拌した後、1μmのフィルターでろ過してシアンインク1を得た。
また、イオン交換水の添加量を57.6質量部に、エチレングリコールの添加量を10質量部に、それぞれ変更した以外は、シアンインク1の作製と同様にして、シアンインク2を得た。
[イエローインクの調製]
(染料分散液A−2の作製)
染料分散液A−1の作製において、分散染料をC.I.Disperse Yellow−114に変更した以外は同様にして、染料分散液A−2を得た。得られた染料分散液A−2の分散粒子のZ平均粒子径は0.17μmであった。
(イエローインクの作製)
シアンインクの作製において、染料分散液A−1を染料分散液A−2に変えた以外は同様にしてイエローインク1を得た。また、イオン交換水の添加量を57.6質量部に、エチレングリコールの添加量を10質量部に、それぞれ変更した以外は、イエローインク1の作製と同様にして、イエローインク2を得た。
[布帛の準備]
糸の太さ50dのポリエステルの布帛に、前処理としてカルボキシメチルセルロース水溶液に浸し、絞り、乾燥したものを用意した。
[実施例1]
市販のワンパス方式の捺染用インクジェット記録装置の各色のインクジェットヘッドの、布帛の供給方向における上流側に、加湿空気を供給する吹き出し口を、布帛の幅方向において当該インクジェットヘッドに重なるように配置し、図1に示されるような、ワンパス方式の試験機を用意した。
そして、当該試験器とともに前述のシアンインク1およびイエローインク1を用い、シアン75%、イエロー75%で幅0.5mmの細線を布帛に印字し、予備乾燥した後、175℃10分間のHTスチーム処理をした後、水洗、0.2%ハイドロサルファイト水溶液で80℃にて還元洗浄を行い、さらにその後十分に水洗、乾燥した。形成される細線の色滲みを目視および100倍の光学顕微鏡によって観察し、下記の基準により評価した。なお、「色滲み」とは、シアンおよびイエローの色間の滲みの差である。
A:目視でも光学顕微鏡による観察でも色の滲みはみられない
B:目視では滲みはほとんど視認できないが、光学顕微鏡の観察では視認できる
C:目視で滲みが視認される
また、上記と同様にして布帛に10×10cmの矩形のベタ画像を作成した。この画像と、加湿を行わない以外は上記と同様にして作成した画像(下記比較例1で作成した矩形画像)とを、表面側から目視で比較し、下記の基準により評価した。
A:加湿がないものと画像濃度に差がないと認められる
B:加湿がないものと一見は変わらないが、詳細に比較するとわずかに画像濃度が低いと認められる
C:加湿がないものよりも明らかに画像濃度が低いと認められる
[実施例2]
シアンインク1およびイエローインク1に代えてシアンインク2およびイエローインク2を用いる以外は実施例1と同様にして、布帛への画像の形成と、形成された画像の評価とを行った。
[比較例1]
インクの吐出前における布帛の加湿を行わなかった以外は、実施例1と同様にして細線および矩形画像を布帛に形成し、当該細線および画像について評価した。なお、比較例1における矩形画像が、画像濃度の官能試験における基準となる画像である。
[比較例2]
インクの吐出前における布帛の加湿に代えて、特許文献1に記載されているように、布帛に液体組成物(浸透液)を付着させた以外は、実施例1と同様にして細線および矩形画像を布帛に形成し、当該細線および画像について評価した。
[比較例3]
市販のスキャン方式の捺染用インクジェット記録装置の各色のインクジェットヘッドの、スキャン方向(布帛の供給方向を横断する方向)の先端側(すなわちインクジェットヘッドの両側)に、加湿空気を供給する吹き出し口を、当該スキャン方向において当該インクジェットヘッドに重なるように配置し、スキャン方式の比較試験機を用意した。なお、「スキャン方式」とは、布帛を搬送しながら、布帛の搬送方向を横切る方向にインクジェットヘッドを往復運動させながらインクを布帛に吐出するインクジェット記録方法を意味する。
当該比較試験機を用いた以外は、実施例1と同様にして細線および矩形画像を布帛に形成し、当該細線および画像について評価した。
[比較例4]
インクの吐出前における布帛の加湿を行わなかった以外は、比較例3と同様にして細線および矩形画像を布帛に形成し、当該細線および画像について評価した。
上記実施例1および比較例1〜4の評価結果を表1に示す。
Figure 0006409869
実施例1および2から明らかなように、インクの吐出直前の布帛を加湿空気で加湿することにより、細線の色滲みが十分に防止され、また十分な画像濃度が得られた。これは、最初のインク(シアンインク)が吐出される前に、インクの浸透と同程度の状態が加湿空気による加湿によって布帛の表面に形成され、最初のシアンインクが二つ目のイエローインクと同じように布帛内を浸透したため、ワンパス形式で重ね打ちしたいずれのインクも、布帛の実質的に同じ範囲に浸透したことによる、と考えられる。
また、実施例1では、実施例2に比べて、色滲みがより抑制されている。以上より、インク中のグリコール類の濃度が15質量%以上であることが、色滲みの抑制の観点からより効果的であることが分かる。
一方、比較例1から明らかなように、シアンインク吐出直前の加湿を行わないと、色滲みが発生した。これは、最初のシアンインクの布帛内の浸透の程度と、二つ目のイエローインクの布帛内の浸透の程度とが異なり、イエローインクが布帛の表面に沿う方向により拡散したため、と考えられる。
また、比較例2から明らかなように、浸透液による加湿を行うと、画像濃度が不十分となった。これは、布帛が過度に濡れたため、シアンインクおよびイエローインクのいずれもが布帛内を過度に浸透し、その色相が薄まってしまったため、と考えられる。
また、比較例3および4から明らかなように、スキャン方式では、最初のインクの吐出直前における布帛の加湿の有無に関わらず、色滲みが防止され、また画像濃度も十分であった。これは、スキャン方式では、最初に着弾するインクの種類を不規則に変え、かつ最初のインクの着弾部分にそれ以外のインクを次に吐出することができるため、ドット単位で色滲みが発生したとしても、この色滲みは細線中にランダムに発生するので、細線の色滲みとしては観察されないため、と考えられる。また、布帛内におけるインクの過度の浸透が発生しないため、十分な画像濃度が発現される、と考えられる。
本出願は、2014年5月8日出願の特願2014−096795号に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明は、水性媒体の吸収性を有する記録媒体であっても、生産性の高いワンパス方式で高精細な画像を形成することが可能である。よって、本発明は、より高速かつより高精細なインクジェット捺染のさらなる発展に寄与することが期待される。
10 インクジェット記録装置
11、41 インクジェットヘッドユニット
21 粘着性ベルト
22 サポートロール
23 搬送ロール
24 ニップロール
100 布帛
111 インクジェットヘッド
112、412 吹き出し口
X 布帛の搬送方向を示す矢印
Y 布帛の幅方向を示す矢印

Claims (7)

  1. 水性媒体と着色剤とを含有する二種以上のインクを、前記水性媒体の吸収性を有する記録媒体の表面に、インクジェットヘッドの前記記録媒体上での一回の走査で吐出して、画像を形成するワンパス方式のインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体は、布帛または不織布であり、
    前記インクジェット記録方法は、前記インクを前記記録媒体に吐出する前に、前記記録媒体の前記表面を加湿する工程を含む、
    インクジェット記録方法。
  2. 相対湿度が50〜80%の空気で前記表面を加湿する、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インクの一種毎の吐出の前に前記表面を加湿する、請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インクは、グリコール類を含有し、
    前記インクにおける前記グリコール類の含有量は、15〜60質量%である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 記録媒体に対して相対的に一方向に移動しながらインクを吐出して、前記記録媒体に対して一度の走査で所期の画像を形成するためのインクジェットと、前記記録媒体を保持して前記インクジェットを前記記録媒体に対して相対的に一方向に移動させるための搬送機構と、を有するワンパス方式のインクジェット記録装置であって、
    前記記録媒体は、布帛または不織布であり、
    前記記録媒体の、前記インクジェットヘッドの走査方向における前方の部分の表面を加湿するための加湿装置をさらに有する、インクジェット記録装置。
  6. 前記インクジェットヘッドは、複数色のインクを吐出するための複数のノズル群を有し、
    前記ノズル群のそれぞれは、異なる色のインクを突出し、
    前記加湿装置は、前記ノズル群のそれぞれに対応して複数配置され、かつ、前記ノズル群の前記走査方向における前方に配置されている、
    請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記加湿装置は、前記記録媒体の表面に、相対湿度が50〜80%の空気を供給するためのノズルを含む、請求項5または6に記載のインクジェット記録装置。
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