JP4418224B2 - 溶接スパッタの除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板連続処理ラインで先行する鋼板の終端と後行する鋼板の先端を突き合わせ溶接して形成した連続鋼板の溶接部の溶接スパッタの除去方法に係り、更に詳しくは、ノズルからの噴射水によって連続鋼板に疵を付けることなく円滑に溶接スパッタを除去する方法に関する。
ここで、鋼板連続処理ラインとは、例えば、鋼板の連続冷間圧延ラインや連続メッキライン等を指す。
通常、鋼板連続処理ラインにおいては、処理ラインを先行する鋼板の終端と後行する鋼板の先端との突き合わせ溶接を行って、連続鋼板を形成する処理が行われている。そのとき、連続鋼板の溶接部には溶接スパッタが溶着し、この溶着した溶接スパッタが鋼板連続処理ラインを通過した処理済鋼板(例えば、薄板鋼板、メッキ鋼板)の表面における疵発生の原因になる場合がある。特に、疵に関して厳格な管理が要求される容器用鋼板(薄板鋼板の一例)においては、溶接スパッタを含めて連続鋼板の表面に存在する異物を確実に除去する方法の開発が大いに求められている。
ここで、鋼板連続処理ラインにおける連続鋼板の表面から異物を除去するために、連続鋼板の幅方向に高圧温水を噴射して鋼板表面の洗浄を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。そこで、突き合わせ溶接を行う場所から下流側の位置に連続鋼板の幅方向に高圧水を噴射する複数のノズルを備えた高圧洗浄装置を配置して、溶接スパッタを除去することが試みられている。
特開平11−269678号公報
しかしながら、高圧水を噴射して溶接スパッタの除去を行う場合、溶接スパッタを除去した後の水の一部は溶接スパッタを含んだ状態で連続鋼板上に残留するため、連続鋼板上にこの残留水が存在している状態で連続鋼板の搬送が行われると、除去された溶接スパッタが再び連続鋼板の表面に付着してしまうことになる。そして、溶接スパッタが連続鋼板の表面に付着した状態で、例えば、冷間圧延が行われると、形成された薄板鋼板の表面にはこの溶接スパッタに起因する疵が発生するという問題が発生する。
そこで、溶接スパッタを除去した後の水を押し流すために、高圧水の圧力を高めて溶接スパッタの除去を行うことが行われた。
しかし、高圧水の圧力を高めると、高圧水の力で除去された溶接スパッタが連続鋼板表面に押し付けられて、溶接スパッタが付着したり圧入されたり、溶接スパッタによる引っ掻き疵が発生したりする。その結果、このような連続鋼板を、例えば、冷間圧延すると、形成された薄板鋼板の表面に疵が発生するという問題が生じていた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、鋼板連続処理ラインで形成された連続鋼板の溶接部の溶接スパッタをノズルからの噴射水によって連続鋼板に疵を付けることなく円滑に除去すると共に、連続鋼板の表面からの噴射水の排水を確実に行うことが可能な溶接スパッタの除去方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う請求項1記載の溶接スパッタの除去方法は、鋼板連続処理ラインで先行する鋼板の終端と後行する鋼板の先端を突き合わせ溶接して形成した連続鋼板の溶接部の溶接スパッタを、該連続鋼板の上方に該連続鋼板の搬送方向に対して交差して配置した管状のノズルヘッダーに設けられた複数のノズルから噴出する噴射水によって除去する溶接スパッタの除去方法において、
前記ノズルヘッダーを屈折角度が90°以上で160°以下のV字形状となし、該V字形状の屈折部を前記連続鋼板の板幅中央位置の上方で搬送方向の上流側に、該V字形状の両端部を該連続鋼鈑の上方で該搬送方向の下流側に配置し、前記各ノズルに吐出口面積が6mm2以上で20mm2以下の平面状噴出ノズルを使用し、前記ノズルヘッダーのヘッダー圧力を0.5MPa以上で1MPa以下、前記連続鋼板の表面から前記各ノズルの吐出口までの高さを50mm以上で200mm以下にし、かつ、前記平面状噴出ノズルの吐出口方向を前記連続鋼板の表面に立てた垂線に対して5°以上で20°以下の範囲で前記連続鋼板の上流側に傾け、隣り合う前記平面状噴出ノズルから噴出された前記噴射水が前記連続鋼板の表面上で重なる際の重なり代を前記連続鋼板の幅方向に5mm以上で20mm以下の範囲にして、前記噴射水を噴射することにより、前記連続鋼板の表面から離脱させた前記溶接スパッタを、該連続鋼板の表面に再び押し付けることなく、該連続鋼板の表面から除去する。
連続鋼板にノズルから噴射水を吹き付けた際に連続鋼板の表面に存在する溶接スパッタに与えられる運動エネルギーの大きさは、噴射水の圧力、噴射水の流量、及びノズルの吐出口と連続鋼板までの距離の影響を受ける。ここで、噴射水の圧力はノズルヘッダーのヘッダー圧力、噴射水の流量はヘッダー圧力及びノズルの吐出口面積、及びノズルの吐出口と連続鋼板までの距離は連続鋼鈑の表面からノズル吐出口までの高さの影響を受ける。
従って、各ノズルの吐出口面積を6mm2 以上で20mm2 以下、ノズルヘッダーのヘッダー圧力を0.5MPa以上でMPa以下、連続鋼板の表面から各ノズルの吐出口までの高さを50mm以上で200mm以下の範囲内にそれぞれ設定することで、噴射水から溶接部の溶接スパッタに対して、連続鋼板の表面から離脱するのに必要な運動エネルギーを供給することができる。
また、ノズルヘッダーを屈折角度が90°以上で160°以下のV字形状として、V字形状の屈折部を連続鋼板の板幅中央位置の上方で搬送方向の上流側に、V字形状の両端部を搬送方向の下流側に配置にすることで、ノズルヘッダーに設けられた各ノズルから噴射されて連続鋼板の表面に吹き付けられる噴射水に連続鋼板の端部に向かう速度を与えることができる。このため、連続鋼板上の溶接スパッタを除去した後の水を連続鋼板の端部に向けて流すことができ容易に排水することができる。
ここで、屈折角度が160°を超えると噴射水の連続鋼板の端部に向かう分速度が小さくなって、溶接スパッタを除去した後の水の排水性が低下する。また、屈折角度を90°未満にすると、連続鋼鈑をその幅方向に一端側から他端側までをノズルヘッダーで上方から覆うときに、V字形状の屈折部から各端部までの長さを大きくする必要が生じ、設備規模が大きくなって好ましくない。
請求項2記載の溶接スパッタの除去方法は、請求項1記載の溶接スパッタの除去方法において、前記鋼板は容器用鋼板である。
請求項記載の溶接スパッタの除去方法は、隣り合う前記平面状噴出ノズルから噴出された前記噴水が前記連続鋼板の表面上で重なる際の重なり代を前記連続鋼板の幅方向に5mm以上で20mm以下の範囲にする。
平面状噴出ノズルから噴射された噴射水は平面状噴出ノズルの噴射方向に対して両側に扇形状に広がり、両側の噴射水の圧力は中央部の噴射水の圧力より低くなって、溶接スパッタに与える運動エネルギーは低下する。このため、連続鋼板の表面上で噴射水の重なり代を連続鋼板の幅方向で5mm以上にすると、重なり代には両平面状噴出ノズルから噴射水が吹き付けられるので、溶接スパッタに与える総運動エネルギーを増加させることができ、溶接スパッタに対して連続鋼板の表面から離脱するのに必要な運動エネルギーを供給することができる。
一方、重なり代を連続鋼板の幅方向で20mmを超えるようにすると、圧力のあまり低下していない噴射水同士が重なり合うようになって、重なり代に過剰な運動エネルギーが供給される。このため、除去された溶接スパッタが噴射水の力で連続鋼板の表面に再び押し付けられて、付着したり圧入されたり、あるいは引っ掻き疵を発生させたりする頻度が高くなる。
そして、請求項1記載の溶接スパッタの除去方法において、平面状噴出ノズルの吐出口方向を連続鋼板の表面に立てた垂線に対して5°以上で20°以下の範囲で連続鋼板の上流側に傾けて設定することで、連続鋼鈑の表面からノズルの吐出口までの高さが50mm以上で200mm以下の範囲で一定の場合、平面状噴出ノズルの吐出口から噴射する噴射水が連続鋼板表面に達するまでの移動距離を一定範囲に維持することができ、噴射水から溶接部の溶接スパッタに対して連続鋼板の表面から離脱するのに必要な運動エネルギーを確実に供給することができる。
請求項1、2記載の溶接スパッタの除去方法は、各ノズルに吐出口面積が6mm2以上で20mm2以下の平面状噴出ノズルを使用し、ノズルヘッダーのヘッダー圧力を0.5MPa以上で1MPa以下、連続鋼板の表面から各ノズルの吐出口までの高さを50mm以上で200mm以下にするので、噴射水から溶接部の溶接スパッタに対して、連続鋼板の表面から離脱するのに必要な運動エネルギーを供給することができ、溶接スパッタを円滑に除去することが可能になる。
また、ノズルヘッダーを屈折角度が90°以上で160°以下のV字形状となし、V字形状の屈折部を連続鋼板の板幅中央位置の上方で搬送方向の上流側に、V字形状の両端部を搬送方向の下流側に配置するので、連続鋼板上での溶接スパッタを除去した後の水は連続鋼板の両側に向けて排水することができ、水の移動距離が短くなって連続鋼板上での水の除去を確実に行うことが可能になる。その結果、除去された溶接スパッタが引き続いて噴射される噴射水の力で連続鋼板表面に押し付けられる頻度が低減して、連続鋼板の表面への溶接スパッタの付着、圧入、及び疵の発生を抑制することが可能になる。
特に、請求項2記載の溶接スパッタの除去方法は、鋼板が容器用鋼板であるので、製缶時の割れ発生率を低減することが可能になる。
請求項記載の溶接スパッタの除去方法は、隣り合う平面状噴出ノズルから噴出された噴水が連続鋼板の表面上で重なる際の重なり代を連続鋼板の幅方向で5mm以上で20mm以下の範囲にするので、除去された溶接スパッタが引き続いて噴射される噴射水の力で連続鋼板表面に押し付けられる頻度をより低減することができ、連続鋼板の表面への溶接スパッタの付着、圧入、及び疵の発生をより抑制することが可能になる。
そして、請求項記載の溶接スパッタの除去方法は、平面状噴出ノズルの吐出口方向が連続鋼板の表面に立てた垂線に対して5°以上で20°以下の範囲で連続鋼板の上流側に傾いているので、平面状噴出ノズルの吐出口から噴射する噴射水の移動距離を一定範囲に維持して、噴射水から溶接部の溶接スパッタに対して連続鋼板の表面から離脱するのに必要な運動エネルギーを確実に供給することができ、溶接部の溶接スパッタを確実に除去することが可能になる。このため、ヘッダー圧力を高める必要がなくなり、連続鋼板に噴射水を吹き付けた際に、連続鋼板からの跳ね返り水の発生量を少なくすることが可能になる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態の溶接スパッタの除去方法を適用した高圧洗浄装置を備えた鋼板連続冷延処理ラインの説明図、図2は同高圧洗浄装置に設けられたノズルヘッダーの説明図、図3は連続鋼板とノズルヘッダーの関係を示す側断面図、図4は溶接スパッタの除去状況に及ぼすノズルヘッダー圧力と平面状噴出ノズルの吐出口方向の関係を示す説明図、図5(A)はノズルヘッダーに設けられた各平面状噴出ノズルのスプレーパターンの側面図、(B)は噴射水が連続鋼板に衝突した際のスプレーパターンの平面図、図6はノズルヘッダーに設けられた各平面状噴出ノズルのスプレーパターン間に生じる噴水の重なり代を示す説明図、図7は溶接スパッタの除去状況に及ぼすノズルヘッダー圧力と噴射水の重なり代の関係を示す説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に溶接スパッタの除去方法を適用した鋼板連続処理ラインの一例である鋼板連続冷延処理ライン10は、先行する鋼板(例えば、容器用鋼板)11の終端と、払出しリール12から払出し機13を介して供給され鋼板11に対して後行する鋼板(例えば、容器用鋼板)14の先端を突き合わせ溶接して連続鋼板15を形成する溶接機16と、溶接機16の下流側に設けられて連続鋼板15の溶接部の溶接スパッタを除去する高圧洗浄装置17と、高圧洗浄装置17の下流側に設けられて連続鋼板15を常に一定範囲の長さだけ保持されるようにしながら下流側に供給するルーパー18を有している。更に、鋼板連続冷延処理ライン10は、ルーパー18を通過した連続鋼板15の搬送方向を変えながら連続鋼板15に生じる張力を制御する連続鋼板搬送制御機19と、張力が制御された連続鋼板15を冷間圧延する圧延ロール20を複数段備えた圧延機21と、圧延されて得られた薄板鋼板22を巻き取って巻取りリール23を形成して次工程に払い出す巻取り機24を有している。
なお、払出し機13、溶接機16、ルーパー18、連続鋼板搬送制御機19、圧延機21、及び巻取り機24には、従来から使用されている機器をそのまま適用することができるので、詳細な説明は省略し、高圧洗浄装置17についてのみ詳細に説明する。
図2、図3に示すように、高圧洗浄装置17は、連続鋼板15の上方に連続鋼板15の搬送方向に対して交差するように配置された管状のノズルヘッダー25と、ノズルヘッダー25を支持する図示しない架台と、ノズルヘッダー25に、例えば、0.5〜5MPaに加圧した水を供給する能力を備えた図示しない高圧水供給ポンプを有している。ノズルヘッダー25は、平面視して中央部で屈折してV字形状となって、その屈折角度θは90°以上で160°以下の範囲に固定(例えば、120°)されており、V字形状の屈折部26は連続鋼板15の板幅中央位置の上方でその搬送方向の上流側に、V字形状の両先部27、28を搬送方向の下流側に配置する。
これによって、噴射水に連続鋼板15の端部に向かう速度を与えて連続鋼板15に吹き付けることができ、連続鋼板15上の溶接スパッタを除去した後の水を連続鋼板15の端部に向けて容易に排水することができる。
ここで、ノズルヘッダー25の側部には、吐出口面積が6〜20mm2の平面状噴出ノズル(ノズルの一例)29があり、その吐出口30を連続鋼板15の表面からの高さHを50mm以上で200mm以下にして、連続鋼板15の上流側に傾いた吐出口30の吐出方向と連続鋼板15の表面に立てた垂線との角度、すなわち吐出口方向角φを変化させて、溶接スパッタの除去状況に及ぼすノズルヘッダー圧力と平面状噴出ノズル29の吐出口方向角φの関係を調査した。その結果を図4に示す。
図4から、ノズルヘッダー圧力を一定、例えば、1MPaとした場合、吐出口方向角φは大きくなると、溶接スパッタが連続鋼板15の表面に残留することが判る。これは、吐出口方向角φを大きくすると、平面状噴出ノズル29の吐出口方向に沿って計った吐出口30と連続鋼板15の表面までの距離が長くなって、連続鋼板15の表面の溶接スパッタに噴射水から与えらる運動エネルギー量が小さくなるためと考えられる。
一方、図4から吐出口方向角φが大きくても、ノズルヘッダー圧力を大きくすると、溶接スパッタを連続鋼板15の表面から除去できることが判る。しかし、ノズルヘッダー圧力を大きくすると、連続鋼板15の表面からの跳ね返り水が多くなって高圧洗浄装置17外への水の飛散が生じ好ましくない。このため、各平面状噴出ノズル29の吐出口方向角φを5°以上で20°以下とした。
これによって、平面状噴出ノズル29の吐出口方向に沿って計った吐出口30と連続鋼板15の表面までの距離を一定範囲内に維持することができ、溶接部の溶接スパッタに対して連続鋼板15の表面から離脱するのに必要な運動エネルギーを噴射水から確実に供給することができる。
ここで、図5(A)に示すように、吐出口30から噴射された噴射水は吐出口30の幅方向で、例えば、中心角αが45°の扇形状に広がる特性を有している。このため、連続鋼板15の表面には、図5(B)に示すように、両端側で先細となった幅狭状のスプレーパターン31が形成される。そして、このスプレーパターン31から、両側の噴射水の圧力は中央部の噴射水の圧力より低くなって、溶接スパッタに与える運動エネルギーが低下していることが判る。
そこで、図6に示すように、各平面状噴出ノズル29から連続鋼板15に対して噴射水を吹き付けた際に、隣り合う平面状噴出ノズル29から噴射された噴水のスプレーパターン31が連続鋼板15の表面上で重なるようにして、両平面状噴出ノズル29から噴射水を吹き付け溶接スパッタに与える総運動エネルギーを増加させ、溶接スパッタが除去する際の状況を調査した。その結果を図7に示す。なお、図7における噴射水の重なり代とは、連続鋼板15の幅方向での重なり代W(図6参照)を指す。
図7から、ノズルヘッダー圧力が3MPa以下では、重なり代を5mm以上にすると、溶接スパッタを連続鋼板15の表面から除去できることが判る。また、重なり代が大きくなると溶接スパッタが連続鋼板15の表面に残存することが判る。これは、ノズルヘッダー圧力が低くなると、隣り合う平面状噴出ノズル29から噴射された噴水同士が干渉しあって相互に噴射水の持つ運動エネルギーを減少させるためと考えられる。
一方、ノズルヘッダー圧力が4MPa以上では、重なり代を5mm以上にすると、溶接スパッタを連続鋼板15の表面から除去できるが、重なり代が30mm以上では連続鋼板15の表面に疵が入ることが判った。これは、圧力のあまり低下していない噴射水同士が重なり合うようになって、重なり代に過剰な運動エネルギーが供給され、除去された溶接スパッタが連続鋼板15の表面に再び押し付けられて引っ掻き疵が発生したと考えられる。
従って、隣り合う平面状噴出ノズル29から噴射された噴水同士の連続鋼板15の幅方向での重なり代を5mm以上で20mm以下となるように各平面状噴出ノズル29の間隔を調整して配置することにより、重なり代が生じている連続鋼板15の表面の溶接スパッタに対して連続鋼板15の表面から離脱するのに必要な運動エネルギーを供給することができると共に、除去された溶接スパッタが連続鋼板15の表面に再び押し付けられて、付着したり圧入されたり、あるいは引っ掻き疵を発生させたりすることを防止できる。
続いて、本発明の一実施の形態に溶接スパッタの除去方法について説明する。
先ず、鋼板連続冷延処理ライン10の溶接機16の下流側に配置された高圧洗浄装置17の架台に、屈折角度が90°以上で160°以下のV字形状のノズルヘッダー25を、V字形状の屈折部26が連続鋼板15の板幅中央位置の上方で搬送方向の上流側に位置するようにして、V字形状の両先部27、28が搬送方向の下流側に位置するようにして配置する。
そして、ノズルヘッダー25に設けられた吐出口面積が6mm2以上で20mm2以下の複数の平面状噴出ノズル29の各位置を、その吐出口30から連続鋼板15の表面までの高さHが50mm以上で200mm以下になるように調整すると共に、各平面状噴出ノズル29の吐出口30の吐出方向と連続鋼板15の表面に立てた垂線との角度、すなわち吐出口方向角φが5°以上で20°以下になるように調整する。更に、隣り合う平面状噴出ノズル29から噴射された噴水のスプレーパターン31の側部同士が連続鋼板15の表面上で重なる際の重なり代Wが連続鋼板15の幅方向で5mm以上で20mm以下となるように各平面状噴出ノズル29の間隔を調整する。
次いで、鋼板連続冷延処理ライン10に連続鋼板15を通板しながら、各平面状噴出ノズル29から毎分5.2〜61リットルの水が吐出されるように高圧水供給ポンプを用いて水を供給する。その結果、ノズルヘッダー25のヘッダー圧力が0.5MPa以上で5MPa以下となり、各平面状噴出ノズル29からは圧力が0.5MPa以上で5MPa以下の噴射水が噴射されて、連続鋼板15の表面に吹き付けられる。
ここで、各平面状噴出ノズル29の吐出口面積、ノズルヘッダー25のヘッダー圧力、連続鋼板の表面から各平面状噴出ノズル29の吐出口30までの高さHをそれぞれ上記の範囲内に設定することで、連続鋼板15の表面に溶着している溶接スパッタに噴射水が吹き付けられた場合、噴射水から溶接スパッタに対して連続鋼板15の表面から離脱するのに必要な運動エネルギーを供給することができる。このため、溶接スパッタは連続鋼板15の表面から離脱する。
平面状噴出ノズル29から噴射された噴射水は平面状噴出ノズル29の吐出口30から扇形状に広がるため、連続鋼板15の表面には両端側で先細となった幅狭状のスプレーパターン31が形成される。そして、このスプレーパターン31では両側の噴射水の圧力は中央部の噴射水の圧力より低くなって、溶接スパッタに与える運動エネルギーは低下する。
しかし、連続鋼板15の表面上で噴射水の重なり代を連続鋼板15の幅方向で5mm以上にしているため、重なり代には両平面状噴出ノズル29から噴射水が吹き付けられ溶接スパッタに与える総運動エネルギーを増加させることができ、溶接スパッタに対して連続鋼板15の表面から離脱するのに必要な運動エネルギーは供給できる。更に、連続鋼板15の表面上で噴射水の重なり代を連続鋼板15の幅方向で20mm以下にしているため、除去された溶接スパッタが連続鋼板15の表面に再び押し付けられて、付着したり圧入されたり、あるいは引っ掻き疵を発生させたりすることができるような運動エネルギーは供給されない。
従って、溶接スパッタを噴射水によって連続鋼板15の表面に疵を付けることなく円滑に除去することができる。
また、V字形状のノズルヘッダー25は、V字形状の屈折部26が連続鋼板15の板幅中央位置の上方で搬送方向の上流側に、V字形状の両先部27、28が搬送方向の下流側に配置されているので、各平面状噴出ノズル29からは連続鋼板15の端部に向かう速度を有して噴射水が噴射している。
その結果、連続鋼板15上の溶接スパッタを除去した後の溶接スパッタが浮遊している水は、この分速度のため連続鋼板15の端部に向けて流れ出す。このため、連続鋼板15上からは溶接スパッタを除去した後の水が連続鋼板15の両側に向けて排水され、連続鋼板15上に溶接スパッタが浮遊している水が残留することはなく、従って、連続鋼板15の表面に一度除去された溶接スパッタが残留することもない。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の溶接スパッタの除去方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。例えば、V字形状のノズルヘッダーの屈折角度を90°以上で160°以下の範囲で固定したが、連続鋼板の幅や搬送速度に応じてこの範囲で可変としてもよい。
本発明の一実施の形態の溶接スパッタの除去方法を適用した高圧洗浄装置を備えた鋼板連続冷延処理ラインの説明図である。 同高圧洗浄装置に設けられたノズルヘッダーの説明図である。 連続鋼板とノズルヘッダーの関係を示す側断面図である。 溶接スパッタの除去状況に及ぼすノズルヘッダー圧力と平面状噴出ノズルの吐出口方向の関係を示す説明図である。 (A)はノズルヘッダーに設けられた各平面状噴出ノズルのスプレーパターンの側面図、(B)は噴射水が連続鋼板に衝突した際のスプレーパターンの平面図である。 ノズルヘッダーに設けられた各平面状噴出ノズルのスプレーパターン間に生じる噴水の重なり代を示す説明図である。 溶接スパッタの除去状況に及ぼすノズルヘッダー圧力と噴射水の重なり代の関係を示す説明図である。
符号の説明
10:鋼板連続冷延処理ライン、11:鋼板、12:払出しリール、13:払出し機、14:鋼板、15:連続鋼板、16:溶接機、17:高圧洗浄装置、18:ルーパー、19:連続鋼板搬送制御機、20:圧延ロール、21:圧延機、22:薄板鋼板、23:巻取りリール、24:巻取り機、25:ノズルヘッダー、26:屈折部、27、28:先部、29:平面状噴出ノズル、30:吐出口、31:スプレーパターン

Claims (2)

  1. 鋼板連続処理ラインで先行する鋼板の終端と後行する鋼板の先端を突き合わせ溶接して形成した連続鋼板の溶接部の溶接スパッタを、該連続鋼板の上方に該連続鋼板の搬送方向に対して交差して配置した管状のノズルヘッダーに設けられた複数のノズルから噴出する噴射水によって除去する溶接スパッタの除去方法において、
    前記ノズルヘッダーを屈折角度が90°以上で160°以下のV字形状となし、該V字形状の屈折部を前記連続鋼板の板幅中央位置の上方で搬送方向の上流側に、該V字形状の両端部を該連続鋼鈑の上方で該搬送方向の下流側に配置し、前記各ノズルに吐出口面積が6mm2以上で20mm2以下の平面状噴出ノズルを使用し、前記ノズルヘッダーのヘッダー圧力を0.5MPa以上で1MPa以下、前記連続鋼板の表面から前記各ノズルの吐出口までの高さを50mm以上で200mm以下にし、かつ、前記平面状噴出ノズルの吐出口方向を前記連続鋼板の表面に立てた垂線に対して5°以上で20°以下の範囲で前記連続鋼板の上流側に傾け、隣り合う前記平面状噴出ノズルから噴出された前記噴射水が前記連続鋼板の表面上で重なる際の重なり代を前記連続鋼板の幅方向に5mm以上で20mm以下の範囲にして、前記噴射水を噴射することにより、前記連続鋼板の表面から離脱させた前記溶接スパッタを、該連続鋼板の表面に再び押し付けることなく、該連続鋼板の表面から除去することを特徴とする溶接スパッタの除去方法。
  2. 請求項1記載の溶接スパッタの除去方法において、前記鋼板は容器用鋼板であることを特徴とする溶接スパッタの除去方法。
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