JP5500765B2 - 脱気用複合中空糸膜及びその製造方法 - Google Patents

脱気用複合中空糸膜及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、水溶液又は有機溶剤中の溶存ガスを脱気するための複合中空糸膜及びその製造方法に関する。
液晶やプラズマディスプレーの製造工程では、供給された薬液に気泡が混入すると処理斑等の不都合が生じてしまう。特に、近年の液晶及びプラズマディスプレーの大画面化に伴い、従来のスピンコートによる脱泡が出来なくなり、気泡が混入したままの状態でリソグラフィー工程を行うことでパターン不良が生じる場合がある。
気泡が混入する原因は、窒素ガスにより薬液を吐出ノズルへ圧送する点にあると考えられる。すなわち、薬液が吐出ノズルから吐出される際に薬液に加わる圧力が大気圧に戻るので、薬液中の溶存ガスが過飽和となり、その過飽和分が気泡となるのである。そこで、薬液圧送工程において膜式脱気の手法で溶解ガス量を低減し、気泡の発生を抑制する技術が求められる。
溶剤中の溶存ガスを脱気する為に使用する中空糸膜として、例えば、特許文献1には、疎水性多孔質膜で両面を被覆したガス選択透過性均質膜よりなる3層構造の中空糸膜が開示されている。このような3層構造の中空糸膜の均質膜の素材としては、シリコン−ポリカーボネート共重合体やシリコン−ウレタン共重合体などが使用される。また特許文献2には、均質膜の素材として線状低密度ポリエチレンが例示されている。また特許文献3には、ポリ4−メチルペンテン−1からなる外表面から深さ約1μmまでを非多孔質層とした中空糸膜が開示されている。
特開平5−185067号公報 特開平11−47565号公報 特開平6−335623号公報
しかしながら、シリコン−ポリカーボネート共重合体やシリコン−ウレタン共重合体は耐溶剤性が乏しいので、使用する溶剤の種類によっては膨潤や強度の低下を招く。
また、直鎖状低密度ポリエチレンは薄膜化が難しい。さらに酸素透過係数が低いので、実用上有効な溶存ガスの透過流量を得るためには、0.3μm以下の極めて薄い膜とする必要がある。そして、このような薄い均質膜を形成すると機械的強度が低下し、さらにはピンホールが発生し易い。
また、ポリ4−メチルペンテン−1は酸化に弱い。したがって、酸化防止剤の使用量を多くする必要があり、これが溶出し、溶出した酸化防止剤とレジスト液の成分が反応して変色する場合がある。
本発明は、上述した従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すなわち本発明の目的は、脱気時に薬液の漏れが生ずることがなく、耐溶剤性や低溶出性に優れ、酸素や窒素等の気体の透過流量が大きく、かつコンパクトな装置の形成が可能な脱気用複合中空糸膜及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、気体透過能を有する均質膜と、該均質膜を支持するポリオレフィン系樹脂からなる多孔質支持層とを有する脱気用複合中空糸膜において、該均質膜が、重量平均分子量と数平均分子量の比率(Mw/Mn)が3以下であり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜2g/10min・190℃であるメタロセン系触媒で重合されたエチレンとα−オレフィンの共重合体ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする脱気用複合中空糸膜である。
さらに本発明は、上記複合中空糸膜を製造するための方法であって、支持層の多孔化のための延伸工程を有し、該延伸工程における延伸温度が、均質膜を構成するポリマーの融点(Tm)−20℃以上、(Tm+40℃)以下であり、かつ該支持層のビカット軟化点以下であることを特徴とする脱気用複合中空糸膜の製造方法である。
さらに本発明は、上記複合中空糸膜を製造するための方法であって、支持層の多孔化のための延伸工程を有し、該延伸工程における緩和温度が、均質膜を構成するポリマーの融点(Tm)℃以上、(Tm+60℃)以下であり、かつ該支持層のビカット軟化点以下であることを特徴とする脱気用複合中空糸膜の製造方法である。
本発明によれば、脱気時に薬液の漏れが生ずることがなく、耐溶剤性や低溶出性に優れ、酸素や窒素等の気体の透過流量が大きく、かつコンパクトな装置の形成が可能な脱気用複合中空糸膜及びその製造方法を提供できる。
本発明において、中空糸膜の均質膜を構成するポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は0.1〜g/10min・190℃であり、より好ましくは0.3〜2g/10min・190℃である。このMFRの各範囲の上限値は、ポリマーの流動性、支持層側に均質膜用樹脂が流出する事による均質膜の厚さの不均一化を防ぎ、脱気膜としての気体透過性能を十分維持する点で意義がある。また、下限値は、押出成型性の点で意義がある。MFRは、ASTM D1238のE条件に従い、試験温度190℃、試験荷重2.16kgfで測定した値である。
均質膜を構成するポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量と数平均分子量の比率(Mw/Mn)(多分散度)は3以下である。これにより、均質膜の成形性を維持しながら耐クレイズ強度が大きくなる。また、分子量分布が比較的狭いポリオレフィン系樹脂を用いれば、低分子量成分の割合が低くなり、高耐溶剤性、耐エンジンオイル性、耐溶剤抽出性、耐牛脂性等が向上する。
均質膜を構成するポリオレフィン系樹脂は、メタロセン触媒を使用して得た重合体である。メタロセン触媒を使用すると、他の触媒(チグラーナッター系触媒等)を使用した場合と比較して、基本的には同種のポリオレフィン系樹脂であるにも関わらず分子量分布が狭く、低分子量成分や低結晶成分が少なく、かつ低融点のポリオレフィン系樹脂が得られる。
均質膜を構成するポリオレフィン系樹脂はエチレン・α−オレフィン共重合体である。
均質膜を構成するポリオレフィン系樹脂としては、特に密度(JISK−7112=ASTM D1505により測定)が0.910g/cm3以下、0.85g/cm3以上のポリオレフィン系樹脂(特にポリエチレン類)が好ましい。密度がこの範囲内であれば、均質膜の酸素透過性をより高めることができ、また実用上適した融点又は軟化点となる。ポリエチレン類の具体例としては、上述したHDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、及びメタロセン触媒を使用して得た主としてエチレンからなる(共)重合体が挙げられる。
このようなポリエチレン類は、軟化温度が低く、分子量分布も狭いという特徴がある。密度との相関から、ポリエチレン類の融点(Tm)は40〜100℃以下が好ましい。Tmは示差走査型熱量計(DSC)で測定した値である。
本発明においては、特に、メタロセン触媒系ポリオレフィン系樹脂の中で気体透過性部材として有効なものとして、エチレン・α−オレフィン共重合体を用いる。代表的なものとしては、ダウ・ケミカル社が開発したインサイト(シングルサイト)触媒、いわゆるメタロセン触媒の一種である拘束幾何触媒を使用して得たエチレン・α−オレフィン共重合体が挙げられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン・C3〜C20α−オレフィン共重合体が好ましい。エチレン・C3〜C20α−オレフィン共重合体とは、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの少なくとも一種との共重合体である。C3〜C20α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンが挙げられる。さらに、C4〜C20α−オレフィンが好ましく、C6〜C8α−オレフィンがより好ましく、1−ヘキセン又は1−オクテンが特に好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体としては、C3〜C20α−オレフィンを約10モル%以上(特に好ましくは約20〜約40モル%)の割合で用いて共重合して得たものが好ましい。
エチレン・C8α−オレフィン共重合体の市販品としては、例えば、ダウ・ケミカル社製のアフィニティー(AFFINITY)(商標)が挙げられる。また、エチレン・C6α−オレフィン共重合体の市販品としては、例えば、プライムポリマー社製のエボリュー(商標)が挙げられる。
均質膜を構成するポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、着色剤、難燃化剤等の添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で添加できる。
中空糸膜を構成する複合膜は、均質膜と多孔質支持層との二層複合膜であってもよいし、均質膜が多孔質支持層で挟まれた三層複合膜であってもよい。
均質膜の厚さは、0.5〜10μmが好ましい。これが0.5μm以上であれば使用時の耐圧性が向上し、10μm以下であれば気体透過性が向上する。
多孔質支持層の厚さについて、二層複合膜の場合の一層の厚さ、三層複合膜の内層又は外層の一層の厚さは、10〜200μmが好ましい。これが10μm以上であれば機械的強度が向上し、200μm以下であれば中空糸膜の糸外径が細くなり、膜モジュールへ内蔵する際の膜の容積効率が向上する。本発明における多孔質支持層は、ポリオレフィン系樹脂からなる。
中空糸膜の太さは、特に限定されない。通常、その外径は100〜2000μm程度が好ましい。外径を100μm以上にすると、中空糸膜間の隙間が比較的広くなりポッティング用材料が浸入し易くなる。また2000μm以下にすると、多数本の中空糸膜を有するモジュール全体のサイズが小さくなり、これに伴いポッティング部の容積が小さくなり、その結果、ポッティング部の成形加工時の収縮による寸法精度の低下を抑制できる。
多孔質支持層の空孔率及び細孔の大きさは、特に限定されない。通常、空孔率は30〜80vol%が好ましい。空孔率を30vol%以上にすると、気体透過性が向上し、また80vol%以下にすると、耐圧性等の機械的強度が向上する。
複合中空糸膜は、例えば、多層複合紡糸工程と延伸多孔質化工程を経て製造される。その製造方法の具体例は、以下の通りである。まず、同心円状複合構造ノズル口金の最外層ノズル部及び最内層ノズル部に支持層前駆体(未延伸層)用溶融ポリマー(高密度ポリオレフィン等)を供給し、中間層ノズル部に均質膜用溶融ポリマー(ポリオレフィン系樹脂)を供給する。そして、同心円状口金から溶融ポリマーを押出してドラフトのかかった状態で冷却固化させ、未延伸中空繊維を得る。次に、この未延伸中空繊維を延伸し、中間層の均質膜を挟んだ内層と外層を多孔質化する。これにより、均質膜とこれを支持する多孔質支持層(内層及び外層)とを有する三層複合中空糸膜が得られる。
支持層の多孔化のための延伸工程において、延伸倍率は用いるポリマーの種類に応じて決定すればよい。通常、延伸倍率は、未延伸繊維の2〜5倍が好ましい。延伸倍率を2倍以上にすれば、多孔質支持層の空孔率が高くなり気体透過性が向上する。また、5倍以下にすれば、複合中空糸膜の破断伸度が向上する。
支持層の多孔化のための延伸工程において、延伸温度は、均質膜を構成するポリマーの融点(Tm)−20℃以上、(Tm+40℃)以下であり、かつ支持層のビカット軟化点以下であることが好ましい。さらに下限値については、(Tm−10℃)以上が特に好ましい。上記各範囲の上限値は、ポリオレフィン系樹脂の分子の乱れによる欠陥が生じ難くなる点で意義がある。また、支持層ポリマーが充分に多孔化することを両立する上でし、脱気膜として充分な性能を得る点で意義がある。
上記複合中空糸膜を製造するための方法であって、支持層の多孔化のための延伸工程を有し、該延伸工程における緩和温度が、均質膜を構成するポリマーの融点(Tm)℃以上、(Tm+60℃)以下であれば、ポリオレフィン系樹脂の分子の乱れによる欠陥が生じ難くなる点で意義がある。
また、熱による収縮率を抑えるための緩和倍率が0.2倍以上0.5倍以下であり、さらには0.3倍以上0.45倍以下であると、75℃×8hr後の熱収縮率を5%以下に低減できるためモジュールの成形安定性の点でより好ましい。
以上説明した複合中空糸膜を用いて、薬液の脱気を良好に実施できる。通常、複合中空糸膜を中空糸膜モジュールとして構成したものを脱気に使用する。中空糸膜モジュールは、例えば中空糸膜を数百本束ねて筒状のハウジングに挿入し、封止材を複合中空糸膜の外側多孔質の細孔に浸透させながら隣り合う中空糸膜間を封止材で充填して製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明する。なお、各物性は以下の方法より測定した。
[融点(Tm)]
融点(Tm)の測定には、セイコー電子工業製の示差走査型熱量計(DSC)を用いた。具体的には、約5mgの試料を200℃で5分間融解し、40℃まで10℃/minの速度で降温して結晶化し、その後更に10℃/minで200℃まで昇温して融解した時の融解ピーク温度及び融解終了温度により融点を求めた。
[重量平均分子量と数平均分子量の比率(Mw/Mn)]
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、以下の条件で測定した。
GPC測定装置:WATERS 150−GPC(WATERS社製)
温度:140℃
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
濃度:0.05%(インジェクション量:500マイクロリットル)
カラム:Shodex GPC AT−807/S 1本、Tosoh TSK−GEL GMH6−HT 2本
溶解条件:160℃、2.5時間
キャリブレーションカーブ:ポリスチレンの標準試料を測定し、ポリエチレン換算定数(0.48)を使用し、3次で計算。
[メルトフローレート(MFR)]
ASTM D1238のE条件に従い、190℃における2.16kg荷重での10分間にストランド状に押し出される樹脂の質量を測定することによりメルトフローレート(MFR2.16)(g/10min)を求めた。
[密度]
JIS K7112に準拠して、190℃で2.16kg荷重におけるMFR測定時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、1時間かけて室温まで徐冷したサンプルを、密度勾配管を用いて測定した。
<実施例1>
三層構造を形成可能な同心円状に配置された吐出口を有する中空糸製造用ノズルを用い、内層と外層の部分にチーグラーナッター系触媒を用いて製造された高密度ポリエチレン(商品名サンテックB161、旭化成ケミカルズ(株)製、融点130℃、MFR1.1g/10min、密度0.964g/cm3、ビカット軟化点120℃)、中間層の部分にメタロセン系触媒により製造されたエチレン−オクテン共重合体(商品名アフィニティ(Affinity)PL1880G、ダウケミカル(株)製、MFR1.0g/10min、密度0.9020g/cm3、融点99℃、Mw/Mn=2.2、オクテン含有量30%)を用いて、吐出温度180℃、巻取速度100m/minで紡糸して、未延伸中空糸を得た。未延伸中空糸の内径は230μmであり、三層が同心円状に配されていた。
この未延伸中空糸を、108℃で8時間アニール処理した。次いで、23±2℃で1.25倍延伸し、引き続き100℃の加熱炉中で総延伸量が4.4倍になるまで熱延伸を行いて内層と外層を多孔質化し、100℃の加熱炉中で0.4倍の緩和工程を設け、最終的に総延伸倍率が4倍になるように成形して複合中空糸膜を得た。この多層複合中空糸膜は、均質膜(非多孔質薄膜)が二つの多孔質層で挟まれた三層構造であった。
この複合中間糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温(23±2℃)における酸素透過速度(QO2)は0.14m/hr・Mpa、窒素透過速度(QN2)は0.0048m/hr・Mpaであり、分離係数(QO2/QN2)は2.9であった。また、均質膜に用いたポリマーの分離係数2.9が維持されているため、溶剤(イソプロプルアルコール)を通液してもリークを生じなかった。
<実施例2>
中間層の部分に、メタロセン系触媒により製造されたエチレン−オクテン共重合体(商品名アフィニティーEG8100G、ダウケミカル(株)製、MFR1.0g/10min、密度0.870g/cm3、融点55℃、Mw/Mn=2.0、オクテン含有量35%)を用い、巻取速度を90m/minに変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸して未延伸中空糸を得た。未延伸中空糸の内径は200μmであり、三層が同心円状に配されていた。
この未延伸中空糸を実施例1と同様にしてアニール処理した。次いで、23±2℃下で1.25倍延伸し、引き続き70℃の加熱炉中で4.4倍の延伸を行った上で、100℃の加熱炉中で0.4倍の緩和工程を設け、最終的に総延伸倍率が4倍になるように成形して総延伸量が4倍になるまで熱延伸を行い、複合中空糸膜を得た。この多層複合中空糸膜は、均質膜(非多孔質薄膜)が二つの多孔質層で挟まれた三層構造であった。
この複合中間糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温(23±2℃)における酸素透過速度(QO2)は0.33m/hr・Mpa、窒素透過速度(QN2)は0.11m/hr・Mpaであり、分離係数(QO2/QN2)は2.9であった。また、均質膜に用いたポリマーの分離係数2.8が維持されているため、溶剤(イソプロプルアルコール)を通液してもリークを生じなかった。
<比較例1>
中間層の部分に、実施例2とMFRの異なるメタロセン系触媒により製造されたエチレン−オクテン共重合体(商品名ENGAGE 8400、ダウケミカル(株)製、MFR30g/10min、密度0.870g/cm3、融点55℃、Mw/Mn=2.0、オクテン含有量35%)を用い、巻取速度を90m/minに変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸して未延伸中空糸を得た。未延伸中空糸は内径200μmであり、三層が同心円状に配されていた。
この未延伸中空糸を実施例1と同様にしてアニール処理した。次いで、23±2℃下で1.25倍延伸し、引き続き70℃の加熱炉中で総延伸量が4.4倍になるまで熱延伸を行いて内層と外層を多孔質化し、100℃の加熱炉中で0.4倍の緩和工程を設け、最終的に総延伸倍率が4倍になるように成形して複合中空糸膜を得た。この多層複合中空糸膜は、均質膜(非多孔質薄膜)が二つの多孔質層で挟まれた三層構造であった。
この複合中間糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温(23±2℃)における酸素透過速度(QO2)は0.90m/hr・Mpa、窒素透過速度(QN2)は0.88m/hr・Mpaであり、分離係数(QO2/QN2)は1.01であった。均質膜に用いたポリマーの分離係数3.0が維持されていないため、溶剤(イソプロプルアルコール)を通液するとリークを生じた。
<比較例2>
中間層の部分に、実施例2とMw/Mn比の異なるチーグラーナッタ触媒により製造されたポリエチレン(商品名FLEXMORE DFDB−1085NT、ダウケミカル(株)製、MFR1.0g/10min、密度0.884g/cm3、融点118℃、Mw/Mn=7)を用い、巻取速度を90m/minに変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸して未延伸中空糸を得た。未延伸中空糸は内径200μmであり、三層が同心円状に配されていた。
この未延伸中空糸を実施例1と同様にしてアニール処理した。次いで、23±2℃下で1.25倍の延伸をし、引き続き110℃の加熱炉中で総延伸量が4.4倍になるまで熱延伸を行い、100℃の加熱炉中で0.4倍の緩和工程を設け、最終的に総延伸倍率が4倍になるように成形して複合中空糸膜を得た。
の多層複合中空糸膜は、均質膜(非多孔質薄膜)が二つの多孔質層で挟まれた三層構造であった。
この複合中間糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温(23±2℃)における酸素透過速度(QO2)は0.12m/hr・Mpa、窒素透過速度(QN2)は0.048m/hr・Mpaであり、分離係数(QO2/QN2)は2.5であった。均質膜に用いたポリマーの分離係数3.2が維持されていないため、溶剤(イソプロプルアルコール)を通液するとリークを生じた。
本発明の脱気用複合中空糸膜は、例えば、半導体の製造ライン、液晶のカラーフィルター製造ライン及びインクジェットプリンタのインク製造などにおいて、水系溶液、有機溶剤、レジスト液中の溶存ガス量を低減するための脱気用途に有用である。特に、半導体の製造ラインにおけるリソグラフィーに用いるフォトレジスト液や現像液の脱気用途に非常に有用である。

Claims (5)

  1. 気体透過能を有する均質膜と、該均質膜を支持するポリオレフィン系樹脂からなる多孔質支持層とを有する脱気用複合中空糸膜において、該均質膜が、重量平均分子量と数平均分子量の比率(Mw/Mn)が3以下であり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜2g/10min・190℃であるメタロセン系触媒で重合されたエチレンとα−オレフィンの共重合体ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする脱気用複合中空糸膜。
  2. 質膜を構成するポリオレフィン系樹脂の密度が、0.850〜0.910g/cm3である請求項1記載の複合中空糸膜。
  3. 質膜を構成するポリオレフィン系樹脂の融点(Tm)が、40℃以上、100℃以下である請求項1または2記載の複合中空糸膜。
  4. 請求項1〜3の何れか一項記載の複合中空糸膜を製造するための方法であって、支持層の多孔化のための延伸工程を有し、該延伸工程における延伸温度が、均質膜を構成するポリマーの融点(Tm)−20℃以上、(Tm+40℃)以下であり、かつ該支持層のビカット軟化点以下であることを特徴とする脱気用複合中空糸膜の製造方法。
  5. 請求項1〜3の何れか一項記載の複合中空糸膜を製造するための方法であって、支持層の多孔化のための延伸工程を有し、該延伸工程における緩和温度が、均質膜を構成するポリマーの融点(Tm)℃以上、(Tm+60℃)以下であり、かつ該支持層のビカット軟化点以下であることを特徴とする脱気用複合中空糸膜の製造方法。
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