JP2000290394A - 透明性フィルム - Google Patents
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Abstract
耐溶剤性、柔軟性にも優れたエチレン系共重合体のフィ
ルムを提供する。 【解決手段】 芳香族ビニル化合物単量体単位含量0.
5モル%以上〜5モル%未満であり、0.2mm厚さの
フィルムに成形して測定したヘイズが20%以下のエチ
レン系共重合体からなるフィルム。
Description
ル単量体単位を含有し、高い透明性を有し、かつ耐熱
性、力学物性、耐溶剤性、柔軟性にも優れたエチレン系
共重合体からなるフィルムに関する。
フィンをエチレンと共重合した直鎖状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)は、しなやかで、比較的透明性の高い
エチレン系樹脂として、フィルム用途に広く用いられて
いる。しかしながら、チーグラーナッタ触媒法で製造さ
れるLLDPEは、コモノマー分布や分子量分布が不均
一であるため、そのフィルムは力学物性、透明性、耐溶
剤性に問題を有している。他方、いわゆるシングルサイ
ト触媒(メタロセン触媒やCGCT触媒)によるLLD
PEが知られている。このLLDPEは、より均一なコ
モノマー分布と分子量分布を有し、力学物性、透明性、
耐溶剤性が改善され、フィルム用途にも広く用いられて
きている。しかし、なお高い透明性を有するフィルムを
得るためにはαオレフィン含量を増やし、ポリエチレン
結晶性を下げる必要があるが、比較的高いαオレフィン
含量では必然的に融点が低下する。また、伸び、引張弾
性率等の力学的物性や耐溶剤性も、含まれるポリエチレ
ン結晶構造に強く依存するために、比較的高いαオレフ
ィン含量域では低下する宿命がある。比較的低いαオレ
フィン含量域のLLDPEは、融点は高くなるものの透
明性が低く、柔軟さが低下する。すなわち、従来のLL
DPEから、高い耐熱性、力学物性、耐溶剤性と透明
性、柔軟性を共に満たすフィルムを得ることは困難であ
る。
触媒やCGCT触媒)を用いて得られるスチレン−エチ
レン共重合体がいくつか知られ、フィルムとして使用さ
れることが知られている。特開平3−163088号公
報、特開平7−53618号公報では、いわゆる拘束幾
何構造を有する錯体を用いて得られる、正常なスチレン
連鎖が存在しないスチレン−エチレン共重合体、いわゆ
る擬似ランダム共重合体が記載されており、フィルムと
して使用できることが記載されている。この擬似ランダ
ム共重合体中に存在するスチレン−エチレンの交互構造
のフェニル基には立体規則性はない。WO98/099
99号公報には、特定のジルコノセン錯体{rac−d
imethylsilylenebis(2−meth
yl,4−phenyl−1−indenyl)zir
coniumdichloride}を用いて得られる
スチレン−エチレン共重合体が記載されている。この共
重合体は、分子量分布が広く、大きな組成分布を有す
る。しかしながら、実施例で示されるスチレン含量が1
0モル%程度の共重合体は、ポリエチレン成分をも含
み、それ故、不透明な共重合体である。また、以上の各
触媒系を用いて得られたスチレン−エチレン共重合体か
ら得られるフィルムは、特に比較的低いスチレン含量域
において、透明性が良くない。これは、共重合体の組成
分布等の不均一性によるもの、すなわち、スチレン含量
が平均より低い、または高い成分が比較的多く存在する
ためであると考えられる。
チレン共重合用の触媒系とエチレン−スチレン共重合体
を提案してきた。特開平9−309925号公報には、
イソプロピリデン基で架橋したインデニル基を有するジ
ルコノセン錯体と助触媒から構成される重合触媒を用い
て得られる、スチレン含量1〜55モル%、スチレン−
エチレン交互構造にアイソタクティクの立体規則性を有
し、共重合体の交互度(本明細書におけるλ値)が70
以下の新規エチレン−スチレン共重合体が記載されてい
る。EP−872492号公報には架橋構造を有するベ
ンゾインデニル基を配位子として有するジルコノセン触
媒を用いた任意の組成のエチレン−スチレン共重合体の
製造方法が記載されている。以上に記したシングルサイ
ト触媒(メタロセン触媒、CGCT触媒)系を用いて得
られる共重合体のうち、スチレン含量が5モル%以上の
共重合体は、従来のLLDPEに比較し、引張弾性率が
50MPa以下と低く、高い引張弾性率を有する比較的
透明なフィルム(LLDPE等)の代替には適当ではな
い。また、耐熱性や力学的性質も、十分ではない。
欠点を克服し、高い透明性を有し、かつ耐熱性、力学物
性、耐溶剤性、柔軟性にも優れたエチレン系共重合体の
フィルムを提供することを目的とする。
うな従来のLLDPEフィルムの欠点を克服すべく鋭意
検討を進めた結果、驚くべきことに、比較的低いスチレ
ン含量のエチレン系共重合体からなるフィルムが、高い
耐熱性と、高い力学物性、透明性をともに満足すること
を見出し本発明を完成させた。本発明は、芳香族ビニル
化合物単量体単位含量0.5モル%以上〜5モル%未満
であり、0.2mm厚さのフィルムに成形して測定した
ヘイズが20%以下、好ましくは10%以下のエチレン
系共重合体からなるフィルムである。また、本発明は、
0.2mm厚さのフィルムにおいて測定した全光線透過
率が80%以上、好ましくは90%以上である上記のエ
チレン系共重合体のフィルムである。なお、上記のヘイ
ズおよび全光線透過率の0.2mm厚さのフィルムにお
ける数値の規定は、種々の厚さのフィルム、シートにつ
いて本明細書の実施例に記載した試験片作成方法ならび
に測定方法によって、所定の厚みに再成形して測定する
場合も包含される。更に、本発明は芳香族ビニル化合物
がスチレンである上記のフィルムである。
いられるエチレン系共重合体は、以下の条件を満足する
ものである。示差走査型熱量計(DSC)により−50
℃以上の温度において観察されるガラス転移点(Tg)
と芳香族ビニル化合物含量(St)の関係が式(1)を
満足する請求項1または2記載のエチレン系共重合体。 式(1) −20.0+St>Tg>−30.0+1.05St ここで、Stはモル%で表される芳香族ビニル化合物含
量を示す。本式で示される以上のガラス転移点を有する
共重合体の場合、比較的高いガラス転移点を示すため、
フィルムとした場合には、寒冷期や冷凍温度においてフ
ィルムが硬くなり過ぎてしまう。また、ガラス転移点が
本式で表される値より低いと、フィルム、特にストレッ
チ包装フィルムの場合には室温付近の使用温度におい
て、動的粘弾性測定によるtanδ値(損失正接)が低
すぎ、特にフィルムとしての感触、包装する場合の作業
性、フィルム包装品の外観に劣るという難点を与える。
上記の式の範囲にガラス転移点が存在するエチレン系共
重合体は、耐低温特性と室温付近における、塩ビ樹脂様
の独特のしなやかさを有するフィルムを与えることがで
きる。ここでいうガラス転移点とは、DSC測定で変曲
点法により選られるガラス転移点である。また、本発明
の共重合体は、−50℃以上に観測されるガラス転移点
が全て上記の条件を満たせば、−50℃以下に他の一つ
以上のガラス転移点が存在しても良い。さらに、好まし
くは本発明のフィルムに用いられるエチレン系共重合体
は、以下の条件を満足する、耐熱性、力学的性質に優れ
たものである。DSCによる融点が106℃以上130
℃以下、好ましくは108℃以上130℃以下。結晶融
解熱が60J/g以上、好ましくは70J/g以上。さ
らに、好ましくは本発明は、以下の条件を満足する、高
い透明性、力学物性を有するエチレン系共重合体であ
る。初期引張り弾性率が50MPa以上200MPa以
下、好ましくは60MPa以上200MPa以下。
磁気共鳴法(NMR法)によって詳細に決定される。以
下に、本発明のフィルムに用いられるエチレン系共重合
体の一例であるスチレンを含んだエチレン系共重合体を
例に取り説明する。しかしながら、スチレンを含んだエ
チレン系共重合体に限定されるものではない。
共重合体は、最も好ましくは共重合体構造中に含まれる
下記の一般式(1)で示されるスチレンとエチレンの交
互構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティクダ
イアッド分率mで0.75より大きい、好ましくは、
0.85より大きい、特に好ましくは0.95より大き
い共重合体である。
2以上の整数を表す。)
イソタクティクダイアッド分率mは、25ppm付近に
現れるメチレン炭素ピークのr構造に由来するピーク面
積Arと、m構造に由来するピークの面積Amから、下
記の式(i)によって求めることができる。 m=Am/(Ar+Am) 式(i) ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフト
する場合がある。例えば、重クロロホルムを溶媒とし、
TMSを基準とした場合、r構造に由来するピークは、
25.4〜25.5ppm付近に、m構造に由来するピ
ークは25.2〜25.3ppm付近に現れる。また、
重テトラクロロエタンを溶媒とし、重テトラクロロエタ
ンの3重線の中心ピーク(73.89ppm)を基準と
した場合、r構造に由来するピークは、25.2〜2
5.4ppm付近に、m構造に由来するピークは25.
1〜25.2ppm付近に現れる。なお、m構造はメソ
ダイアッド構造、r構造はラセミダイアッド構造を表
す。本発明のエチレン系共重合体に於いては、エチレン
とスチレンの交互共重合構造にr構造に帰属されるピー
クは実質的に観測されない。
チレン系共重合体は、好ましくは、以下の構造式(2)
で示すことができる芳香族ビニル化合物2個または3個
以上のヘッド−テイルの連鎖構造を有することができ
る。
を表す。
チレン系共重合体は、スチレンユニットの連鎖構造のフ
ェニル基の立体規則性がアイソタクティクであることが
好ましい。スチレンユニットの連鎖構造のフェニル基の
立体規則性がアイソタクティクとは、アイソタクティク
ダイアッド分率ms(またはメソダイアッド分率ともい
う)が0.5より大きい、好ましくは0.7以上、さら
に好ましくは0.8以上を示す構造をいう。スチレンユ
ニットの連鎖構造の立体規則性は13C−NMRによっ
て観測される43〜44ppm付近のメチレン炭素のピ
ーク位置及びピーク面積強度比、及び/または1H−N
MRによって観測される主鎖プロトンのピーク位置及び
ピーク面積強度比で決定される。また、本共重合体は、
スチレンの単独重合によって、アイソタクティクのポリ
スチレンを作ることのできるメタロセン触媒を用いて得
られる、ヘッド−テイルのスチレン連鎖構造を有するエ
チレン系共重合体と表現することもできる。
i)で与えられる共重合体の交互構造指数λが5より小
さく、0.1より大きい共重合体であることが好まし
い。 λ=A3/A2×100 式(ii) ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下
記の一般式(1’)で示されるスチレン−エチレン交互
構造に由来する3種類のピークa、b、cの面積の総和
である。また、A2はTMSを基準とした13C−NM
Rにより0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メチレ
ン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面積の総和で
ある。
2以上の整数を表す。)
2以上の整数を表す。)
チレン系共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量
が1万以上、好ましくは5万以上、特に好ましくは8万
以上でありかつ分子量分布(Mw/Mn)が6以下好ま
しくは4以下、さらに好ましくは3以下であるエチレン
系共重合体である。
と、その重量平均分子量は100万以下、好ましくは5
0万以下であることが好ましい。ここでの重量平均分子
量はGPCで標準ポリスチレンを用いて求めたポリスチ
レン換算分子量をいう。以下の説明でも同様である。
共重合体は、共重合体の均一性が高いこと、及び/また
はポリエチレン構造に由来する結晶性を維持したまま結
晶子径を制御することが可能なため、特にスチレン含量
0.5モル%以上5モル%以下の組成において高い融
点、透明性、力学物性を有すると考えられる。
体について説明したが、本発明のフィルムに用いられる
エチレン系共重合体はこれに限定されない。本発明のフ
ィルムに用いられるエチレン系共重合体に用いられる芳
香族ビニル化合物としては、スチレンおよび各種の置換
スチレン、例えばp−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、o−メチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、
m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p
−クロロスチレン、o−クロロスチレン、α−メチルス
チレン等が挙げられ、またジビニルベンゼン等の一分子
中に複数個のビニル基を有する化合物等も挙げられる。
工業的には好ましくはスチレン、p−メチルスチレン、
p−クロロスチレン、特に好ましくはスチレンが用いら
れる。本発明のフィルムに用いられるエチレン系共重合
体にはエチレン、上記の芳香族ビニル化合物の他に、共
重合成分として必要に応じて以下のオレフィン類を含む
ことが可能である。具体的には炭素数3〜20のα−オ
レフィン、すなわちプロピレン、1−ブテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンや環状
オレフィン、すなわちシクロペンテン、ノルボルネンが
挙げられるが、好ましくはプロピレン、1−ヘキセン、
1−オクテンが用いられる。以上の場合の共重合体の具
体例は、例えばエチレン−プロピレン−スチレン共重合
体、エチレン−1−ヘキセン−スチレン共重合体、エチ
レン−スチレン−1−オクテン共重合である。
ジエン類を第三成分として添加しても良く、例えばブタ
ジエン、イソプレンや1,4−ヘキサジエン、1,5−
ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンやジシクロペン
タジエン、ノルボルナジエン、4−ビニル−1シクロヘ
キセン、3−ビニル−1シクロヘキセン、2−ビニル−
1シクロヘキセン、1−ビニル−1シクロヘキセン、特
に好ましくは、各種ビニルシクロヘキセン類が用いられ
る。これら、非共役ジエン類は、好ましくは本発明に用
いられるエチレン系共重合体の基本的な物性を損なわ
ず、架橋点を導入するために用いられるため、その共重
合される量は、実用的な架橋点密度が得られる範囲で、
できるだけ少ないのが好ましい。好ましくは、0.01
〜5モル%以下、さらに好ましくは0.01〜2モル%
以下、もっとも好ましくは、0.01〜1モル%以下で
ある。本発明のフィルムは、本質的に塩素を含有しない
ので安全性が高く、廃棄物処理の際、焼却または埋め立
て処理を行っても環境に対する負荷が少ないという利点
を有する。次に、本発明のエチレン系共重合体からなる
フィルムについて説明する。
他のエチレン系樹脂フィルムの製造に採用される押出し
成形等の公知の任意の成形法で成形することができる。
本発明のエチレン系共重合体フィルムは通常3mm以下
10μm以上の厚さを有する。特にフィルムは、1mm
以下10μm以上、好ましくは200μm以下10μm
以上の厚さを有する。さらに、本発明のフィルムは、上
記のエチレン系共重合体に必要に応じて、他のポリマ
ー、エラストマー、ゴム等をブレンドして得ることや、
他のフィルムと多層化することができる。同様に、必要
に応じて、安定剤、老化防止剤、耐光性向上剤、紫外線
吸収剤、可塑剤、軟化剤、滑剤、加工助剤、着色剤、帯
電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、結晶核剤等を
添加して得ることができる。これらは単独または複数を
組み合わせて使用することができる。本発明のフィルム
は、特にストレッチ包装材料や一般包装材料、容器とし
て有用である。さらに本発明のフィルムの物性を改善す
るため、上記のエチレン系共重合体に任意のスチレン含
量や分子量の異なるオレフィン−スチレン共重合体を任
意の量添加して組成物として得ることもできる。この場
合、オレフィンはエチレンでも他のαオレフィンでも良
い。本発明のフィルムは、その透明性、高い力学物性か
ら軟質塩化ビニル樹脂製フィルムの代替としても非常に
有用である。
め、上記のエチレン系共重合体と他の樹脂との組成物を
成形して得ることができる。例えば、低密度ポリエチレ
ン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直
鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、アイソタクテ
ィクポリプロピレン(i−PP)、シンジオタクティク
ポリプロピレン(s−PP)、アタクティクポリプロピ
レン(a−PP)、アイソタクティクポリスチレン(i
−PS)、シンジオタクティクポリスチレン(s−P
S)、アタクティクポリスチレン(a−PS)、HIP
S、ABS樹脂、AS樹脂、エチレン−プロピレン共重
合体(EPM)、EPDM、SBS、SEBS、SI
S、SEPS、SBR、水添SBR、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、天然ゴム、ナイロン、ポリアミド、P
ET、PMMA等との組成物である。
なわない範囲内で必要に応じて、軟化剤、熱安定剤、帯
電防止剤、耐候剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑
剤、防曇剤等の添加物を配合して得ることが出来る。充
填剤としては、具体的には炭酸カルシウム、タルク、ク
レー、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム等が挙げられる。また、製品の硬さや流動性の
調節の為に、必要に応じて配合することが出来る軟化剤
としては、具体的にはパラフィン系、ナフテン系、アロ
マ系プロセスオイル、流動パラフィン等の鉱物油系軟化
剤、ヒマシ油、アマニ油等種々のものが使われる。これ
らの使用量は、エチレン系共重合体100重量部に対し
通常0〜150重量部が好ましい。
合体は、遷移金属化合物と助触媒から構成される重合触
媒を用い、芳香族ビニル化合物、エチレン単量体より合
成される。遷移金属化合物、助触媒としては、特開平3
−163088号公報、特開平7−53618号公報、
EP−872492号公報等に記載のものが使用でき
る。触媒として特開平3−163088号公報、特開平
7−53618号公報記載の製造方法を用いた場合、芳
香族ビニル化合物含量が2.5モル%以上の場合には、
得られる共重合体の組成分布のために透明性が低下して
しまうが、芳香族ビニル化合物含量が0.5〜2.5モ
ル%未満の場合には比較的良好な透明性の本発明共重合
体を得ることができる。最も好適に用いられる重合触媒
としては、EP−872492号公報記載の重合触媒及
び助触媒がある。具体的には、下記の一般式(3)で表
される遷移金属化合物と助触媒から構成される重合触媒
である。また、同公報に記載の製造方法によって得るこ
とができる。
ペンタフェナンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾイ
ンデニル基、非置換もしくは置換シクロペンタジエニル
基、非置換もしくは置換インデニル基、または非置換も
しくは置換フルオレニル基から選ばれる基であり、少な
くともA、Bのうちの一方は、非置換もしくは置換シク
ロペンタフェナンスリル基、または非置換もしくは置換
ベンゾインデニル基から選ばれる基である。
と結合を有し、他に置換基を有する炭素または珪素であ
って、水素あるいは炭素数1〜15の炭化水素基を有す
るメチレン基である。置換基は互いに異なっていても同
一でもよい。また、Yは環状構造を有していてもよい。
好ましくは、Yは、A、Bと結合を有し、水素または炭
素数1〜15の炭化水素基で置換された置換メチレン基
である。特に好ましくは、Yは、−CH2−、−CMe2
−、−CEt2−、−CPh2−、シクロヘキシリデン、
シクロペンチリデン基等である。ここで、Meはメチル
基、Etはエチル基、Phはフェニル基を表す。Xは、
水素、ハロゲン、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数
6〜10のアリール基、炭素数8〜12のアルキルアリ
ール基、炭素数1〜4の炭化水素置換基を有するシリル
基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または炭素数1〜
6のアルキル置換基を有するジアルキルアミド基であ
る。好ましくは塩素、臭素、メチル基、エチル基、フェ
ニル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、メトキシ
基、エトキシ基、イソプロピル基、またはジメチルアミ
ド基である。Mはジルコニウム、ハフニウム、またはチ
タンである。特に好ましくジルコニウムはである。
金属触媒成分と組み合わせて用いられている助触媒を使
用することができるが、そのような助触媒としてEP−
872492号公報記載の、アルミノキサン(またはア
ルモキサンと記す)またはほう素化合物が好適に用いら
れる。
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。下記
の説明において、BzIndは4,5−ベンゾ−1−イ
ンデニル基を表す。
−NMRで行い、機器は日本電子社製α−500及びB
RUCKER社製AC−250を用いた。重クロロホル
ム溶媒または、重1,1,2,2−テトラクロロエタン
を用いTMSを基準として、フェニル基プロトン由来の
ピーク(6.5〜7.5ppm)とアルキル基由来のプ
ロトンピーク(0.8〜3ppm)の強度比較で行っ
た。実施例中の分子量は、GPC(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー)を用いて標準ポリスチレン換算
の重量平均分子量を求めた。室温でTHFに不溶な共重
合体は、1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒とし
て、Waters社製150CV装置を用い、135℃
で測定した。DSC測定は、セイコー電子社製DSC2
00を用い、N2 気流下昇温速度10℃/minで行っ
た。試料(10mg)を一度250℃まで加熱し、数分
間保持した後に液体窒素で2℃/分以上の速度で急冷
し、次いで−100℃より10℃/分の速度で昇温し
て、ガラス転移点、融点を求めた。結晶融解熱は、60
℃以上に観測される結晶融解ピーク面積から求めた。な
お、透明性評価用の試料は加熱プレス法(温度180
℃、時間3分間、圧力50kg/cm2 G)の条件で加
圧、その後室温(23℃)まで30秒以内に急冷))に
より成形した厚さ0.2mmのフィルムを用いた。ヘイ
ズ、全光線透過率は、このシートを用い、日本電色社濁
度計NDH−2000により測定した。力学物性は、上
記加熱プレス法で得た1.0mm厚みシートを用い、J
IS2号小型(1/2)試験片形状に打ち抜き、テンシ
ロンRTM−1T型引張試験機を用い、室温、引張速度
100mm/minにて測定した。
チルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)
ジルコニウムジクロライドを用い、以下に示す条件で、
以下のように実施した。
ット付のオートクレーブを用いて重合を行った。トルエ
ン4200ml、スチレン600mlを仕込み、内温7
0℃に加熱攪拌した。窒素を約100Lバブリングして
系内をパージし、トリイソブチルアルミニウム8.4m
mol、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、PM
AO)をAl基準で8.4mmol加えた。ただちにエ
チレンを導入し、圧力1.6MPa(15Kg/cm2
G)で安定した後に、オートクレーブ上に設置した触媒
タンクから、遷移金属化合物rac−ジメチルメチレン
ビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロライドを1.0μmol、トリイソブチルアルミ
ニウム0.84mmolを溶かしたトルエン溶液約50
mlをオートクレーブに加えた。ほぼ内温80℃、内圧
1.6MPaに保持し、90分間重合を実施した。エチ
レン消費量は標準状態で約300Lであった。重合終了
後、得られた重合液を激しく攪拌した過剰のメタノール
中に少量ずつ投入し生成したポリマーを析出させた。減
圧下、80℃で重量変化が認められなくなるまで乾燥し
たところ、480gのポリマーが得られた。
ン量を400ml、用いる触媒をCGCT(拘束幾何構
造)型Ti錯体(第3級ブチルアミド)ジメチル(テト
ラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタン
ジクロライド8.4μmolに変更した以外は実施例1
と同様に重合を実施した。重合温度は70℃、内圧は
1.1MPaに維持することができた。重合時間180
分で重合を終了した。エチレン消費量が200Lであっ
た。ポリマ−収量244g。
用ジャケット付の重合缶を用いて重合を行った。脱水し
たシクロヘキサン70L、脱水したスチレン2Lを仕込
み、内温約50℃に加熱攪拌した。トリイソブチルアル
ミニウム84mmol、メチルアルモキサン(東ソーア
クゾ社製、MAO−3A)をAl基準で84mmol加
えた。ただちにエチレンを導入し、圧力1.0MPa
(9Kg/cm2G)で安定した後に、重合缶上に設置
した触媒タンクから、前記の遷移金属触媒成分の合成A
で得た触媒、racジメチルメチレンビス(4,5−ベ
ンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを8
4μmol、トリイソブチルアルミニウム2mmolを
溶かしたトルエン溶液約100mlを重合缶に加えた。
内温は重合開始後、最高66℃まで上昇した。圧力を
1.0MPaに維持しながら0.5時間重合を実施し
た。重合終了後、得られた重合液を脱気した後、以下の
ようにクラムフォーミング法で処理し、ポリマーを回収
した。重合液を激しく攪拌した分散剤(プルロニック:
商品名)を含む300Lの85℃の加熱水中に1時間か
けて投入した。その後97℃で1時間攪拌した後に、ク
ラムを含む熱水を冷水中に投入し、クラムを回収した。
クラムを50℃で風乾し、その後60℃で真空脱気する
ことで、数mm程度の大きさのクラム形状が良好なポリ
マーを得た。収量4.0kg。また、重合液の一部はそ
のまま重合缶より抜き出し、激しく攪拌した過剰のメタ
ノール中に少量ずつ投入し生成したポリマーを析出させ
た。減圧下、80℃で重量変化が認められなくなるまで
乾燥した。この方法で回収したポリマ−をプレス成形
し、ヘイズを測定した。
量を600ml、用いる触媒を、CGCT(拘束幾何構
造)型Ti錯体(第3級ブチルアミド)ジメチル(テト
ラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタン
ジクロライド;8.4μmol、重合温度を90℃に変
更した以外は実施例1と同様に重合を実施した。重合温
度は90℃、内圧は1.1MPaに維持することができ
た。重合時間70分で重合を終了した。エチレン消費量
が300Lであった。ポリマー収量420g。
分子量、分子量分布、ガラス転移点、融点、結晶融解熱
を示す。表2に得られたポリマーの物性を示す。また、
シングルサイト触媒により製造された典型的なLLDP
E(エチレン−1−オクテン共重合体)の物性を示す。
の方法で行った。ラボプラストミル(東洋精機社製)押
出機タイプ(シリンダー径20mm、L/D=21)を
用い、スクリュ−は浅溝先端ダルメージタイプ(CR=
2.9)、フィード/コンプレッション/メタリング
(フルフライト+2条ダルメージ)=7D/5D/9
D、ダイスはコートハンガータイプ(幅150mm、リ
ップ開度:0.2mmt)の条件の下、フィルム化を行
った。実施例1、2および比較例1、2を繰り返して得
た樹脂はいずれも上記の条件で問題なくフィルム化が可
能であった。また、上記の方法で作製したフィルムの目
視での透明性は、表2に示したヘイズ、全光透過性のデ
ータとよく相関していた。
は、従来の、よりスチレン含量が高いエチレン−スチレ
ン共重合体のフィルムに比べ、優れた耐熱性、力学的性
質(引張弾性率)を有するフィルムであり、また、従来
のLLDPEフィルムに比べ、高い透明性、高い耐熱
性、高い力学的性質(引率、伸び)を共に有するフィル
ムであるので、新規なエチレン系共重合体フィルムとし
て極めて有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 芳香族ビニル化合物単量体単位含量0.
5モル%以上〜5モル%未満であり、0.2mm厚さの
フィルムに成形して測定したヘイズが20%以下のエチ
レン系共重合体からなることを特徴とするフィルム。 - 【請求項2】 エチレン系共重合体の、0.2mm厚さ
のフィルムにおいて測定した全光線透過率が80%以上
であることを特徴とする請求項1記載のフィルム。 - 【請求項3】 芳香族ビニル化合物がスチレンであるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2記載のフィル
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9600399A JP2000290394A (ja) | 1999-04-02 | 1999-04-02 | 透明性フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9600399A JP2000290394A (ja) | 1999-04-02 | 1999-04-02 | 透明性フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000290394A true JP2000290394A (ja) | 2000-10-17 |
Family
ID=14152953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9600399A Pending JP2000290394A (ja) | 1999-04-02 | 1999-04-02 | 透明性フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000290394A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008272697A (ja) * | 2007-05-02 | 2008-11-13 | Mitsubishi Rayon Eng Co Ltd | 中空糸膜モジュール及びその製造方法 |
JP2008272696A (ja) * | 2007-05-02 | 2008-11-13 | Mitsubishi Rayon Eng Co Ltd | 脱気用複合中空糸膜及びその製造方法 |
-
1999
- 1999-04-02 JP JP9600399A patent/JP2000290394A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008272697A (ja) * | 2007-05-02 | 2008-11-13 | Mitsubishi Rayon Eng Co Ltd | 中空糸膜モジュール及びその製造方法 |
JP2008272696A (ja) * | 2007-05-02 | 2008-11-13 | Mitsubishi Rayon Eng Co Ltd | 脱気用複合中空糸膜及びその製造方法 |
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