JP5498465B2 - 光半導体装置用ダイボンド材及びそれを用いた光半導体装置 - Google Patents

光半導体装置用ダイボンド材及びそれを用いた光半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、発光ダイオード(LED)素子などの光半導体素子をダイボンディングするために用いられる光半導体装置用ダイボンド材、並びに該光半導体装置用ダイボンド材を用いた光半導体装置に関する。
発光ダイオード(LED)素子などの光半導体素子が、表示装置の光源等に広く用いられている。光半導体素子を用いた光半導体装置の消費電力は低く、かつ寿命は長い。また、光半導体装置は、過酷な環境下でも使用され得る。従って、光半導体装置は、携帯電話用バックライト、液晶テレビ用バックライト、自動車用ランプ、照明器具及び看板などの幅広い用途で使用されている。
光半導体装置では、一般にLED素子が基板の上面に、ダイボンド材を用いて接合されている。
下記の特許文献1には、LED素子が基板上に実装された光半導体装置が開示されている。この光半導体装置では、LED素子は、基板の上面にダイボンド材を用いて接合されている。このダイボンド材は、アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンと、珪素原子に結合した水素原子を3個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンと、白金触媒と、接着性付与剤とを含む。上記アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンは、珪素原子に結合する水酸基量が50〜3000ppmであり、珪素原子に結合したアルケニル基を平均1個以上有し、かつSiO4/2単位を有するポリオルガノシロキサンを含む。
特開2009−114365号公報
特許文献1に記載のような従来のダイボンド材を用いた光半導体装置では、ダイボンド材の接着力が比較的低いことがある。このため、ダイボンド材により接着されるLED素子などの接着対象部材の剥離が生じることがある。
本発明の目的は、接着力をかなり高めることができる光半導体装置用ダイボンド材、並びに該光半導体装置用ダイボンド材を用いた光半導体装置を提供することである。
本発明の広い局面によれば、珪素原子に結合した水素原子を有する第1のシリコーン樹脂と、珪素原子に結合した水素原子を有さず、かつアルケニル基を有する第2のシリコーン樹脂と、ヒドロシリル化反応用触媒と、アルコキシ基を有するアルコキシ化合物とを含み、該アルコキシ化合物が、IUPACの周期表における原子番号が40までの4価の4族原子を有するアルコキシ化合物、IUPACの周期表における原子番号が40までの2価の12族原子を有するアルコキシ化合物、又はIUPACの周期表における原子番号が40までの3価の13族原子を有するアルコキシ化合物である、光半導体装置用ダイボンド材が提供される。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材のある特定の局面では、上記アルコキシ化合物は、チタン原子を有するアルコキシ化合物である。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材の他の特定の局面では、上記チタン原子を有するアルコキシ化合物は、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、チタニウム−イソプロポキシオクチレングリコレート、テトライソプロポキシチタン、又はテトラ−n−ブトキシチタンである。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材のさらに他の特定の局面では、フュームドシリカがさらに含まれている。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材の別の特定の局面では、上記第1のシリコーン樹脂は、アリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第1のシリコーン樹脂であり、上記第2のシリコーン樹脂は、珪素原子に結合した水素原子を有さず、かつアリール基及びアルケニル基を有する第2のシリコーン樹脂である。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材のさらに別の特定の局面では、上記第1のシリコーン樹脂が、下記式(1A)で表され、かつアリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第1のシリコーン樹脂であり、上記第2のシリコーン樹脂が、下記式(51A)で表され、かつ珪素原子に結合した水素原子を有さず、かつアリール基及びアルケニル基を有する第2のシリコーン樹脂であり、上記第1のシリコーン樹脂がジメチルシロキサン骨格を有さず、かつ上記第2のシリコーン樹脂がジメチルシロキサン骨格を有さない。
上記式(1A)中、a、b及びcは、a/(a+b+c)=0.05〜0.50、b/(a+b+c)=0〜0.20及びc/(a+b+c)=0.30〜0.90を満たし、R1〜R6は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個が水素原子を表し、アリール基及び水素原子以外のR1〜R6は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。但し、上記式(1A)中、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位は、R4及びR5の双方がメチル基ではなく、ジメチルシロキサン構造単位ではない。
上記式(51A)中、p、q及びrは、p/(p+q+r)=0.05〜0.50、q/(p+q+r)=0.05〜0.50及びr/(p+q+r)=0.05〜0.50を満たし、R51〜R56は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アリール基及びアルケニル基以外のR51〜R56は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。但し、上記式(51A)中、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位は、R54及びR55の双方がメチル基ではなく、ジメチルシロキサン構造単位ではない。
本発明に係る光半導体装置は、本発明に従って構成された光半導体装置用ダイボンド材と、接続対象部材と、上記光半導体装置用ダイボンド材を用いて上記接続対象部材に接続された光半導体素子とを備える。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材は、珪素原子に結合した水素原子を有する第1のシリコーン樹脂と、珪素原子に結合した水素原子を有さずかつアルケニル基を有する第2のシリコーン樹脂と、ヒドロシリル化反応用触媒と、アルコキシ基を有するアルコキシ化合物とを含み、該アルコキシ化合物が、IUPACの周期表における原子番号が40までの4価の4族原子を有するアルコキシ化合物、IUPACの周期表における原子番号が40までの2価の12族原子を有するアルコキシ化合物、又はIUPACの周期表における原子番号が40までの3価の13族原子を有するアルコキシ化合物であるので、接着力をかなり高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光半導体装置を示す正面断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材は、珪素原子に結合した水素原子を有する第1のシリコーン樹脂(A)と、珪素原子に結合した水素原子を有さずかつアルケニル基を有する第2のシリコーン樹脂(B)と、ヒドロシリル化反応用触媒(C)と、アルコキシ基を有するアルコキシ化合物(D)とを含む。
上記アルコキシ化合物(D)は、IUPACの周期表における原子番号が40までの4価の4族原子を有するアルコキシ化合物、IUPACの周期表における原子番号が40までの2価の12族原子を有するアルコキシ化合物、又はIUPACの周期表における原子番号が40までの3価の13族原子を有するアルコキシ化合物である。
上記(A)〜(D)成分を含む組成の採用により、特に、特定の上記アルコキシ化合物(D)を上記(A)〜(C)成分と組み合わせて用いることによって、ダイボンド材の接着力をかなり高くすることができる。このため、光半導体装置において、ダイボンド材により接着された光半導体素子などの接着対象部材の接着性を高めることができる。この結果、接着対象部材の剥離を効果的に抑制できる。
また、本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材は、酸化珪素粒子(E)を含むことが好ましく、フュームドシリカを含むことがより好ましい。酸化珪素粒子(E)又はフュームドシリカの使用により、ダイボンド材の接着力を良好に維持し、かつダイボンド材の硬化物の耐熱性及び耐光性を損なうことなく、硬化前のダイボンド材の粘度を適当な範囲に調整できる。また、フュームドシリカの使用により、ダイボンディング時の作業性がより一層良好になる。
過酷な環境で使用されたときに、光半導体装置から発せられる光の明るさの低下をより一層抑制し、さらにダイボンド材の変色をより一層抑制する観点からは、上記比(アルケニル基の数/珪素原子に結合した水素原子の数)は好ましくは1.1以上、好ましくは1.8以下である。
従来のダイボンド材を用いた光半導体装置では、光半導体素子からの発光等に起因してダイボンド材の硬化物が高温に晒されると、該硬化物にクラックが生じることがある。
これに対して、上記第1のシリコーン樹脂がアリール基を有する場合には、ダイボンド材の硬化物の耐熱クラック特性を高めることができる。特に第1,第2のシリコーン樹脂の双方がアリール基を有する場合には、ダイボンド材の硬化物の耐熱クラック特性をより一層高めることができる。ダイボンド材を用いた光半導体装置では、光半導体素子の発光時などに、ダイボンド材の硬化物が高温下に晒される。本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材の硬化物は、高温に晒されてもクラックが生じ難いので、光半導体装置の信頼性を高めることができる。ダイボンド材の硬化物の耐熱クラック特性をより一層高める観点からは、第1のシリコーン樹脂は、式(1A)又は式(1B)で表され、かつアリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第1のシリコーン樹脂であることが好ましく、更に上記第2のシリコーン樹脂は、式(51A)又は式(51B)で表され、かつ珪素原子に結合した水素原子を有さず、かつアリール基及びアルケニル基を有する第2のシリコーン樹脂であることが好ましい。
ところで、光半導体装置を得る際には、先ず、ダイボンダーと呼ばれる塗布装置を用いて、基板上にダイボンド材を塗布又は積層し、ダイボンド層を形成する。次に、ダイボンド層上に、光半導体素子を積層し、ダイボンド層を硬化させる。その後、光半導体素子の電気的な接続を行うために、ワイヤーボンディングを行う。
従来のダイボンド材では、ダイボンド材の硬化物が比較的軟らかいことなどに起因して、ワイヤーボンディングを精度よく行うことが困難なことがある。例えば、ワイヤーボンディング時に、ダイボンド材の硬化物が超音波振動を吸収することで、接合を阻害して、ワイヤーボンディング不良が生じることがある。
ワイヤーボンディング時におけるボンダビィリティーを良好にし、更に硬化物の耐熱クラック特性を高める観点からは、本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材では、上記第1のシリコーン樹脂がジメチルシロキサン骨格を有さないことが好ましく、上記第2のシリコーン樹脂がジメチルシロキサン骨格を有さないことが好ましく、更に上記第1のシリコーン樹脂がジメチルシロキサン骨格を有さず、かつ上記第2のシリコーン樹脂がジメチルシロキサン骨格を有さないことがより好ましい。すなわち、本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材に含まれている上記ヒドロシリル化反応可能なシリコーン樹脂は、ジメチルシロキサン骨格を有さないことが好ましい。また、ワイヤーボンディング時におけるボンダビィリティーを良好にし、更に硬化物の耐熱クラック特性を高める観点からは、上記第1のシリコーン樹脂は、式(1A)で表され、かつアリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第1のシリコーン樹脂であることが好ましく、更に上記第2のシリコーン樹脂は、式(51A)で表され、かつ珪素原子に結合した水素原子を有さず、かつアリール基及びアルケニル基を有する第2のシリコーン樹脂であることが好ましい。
ジメチルシロキサン骨格を有さない第1,第2のシリコーン樹脂を用いることにより、ダイボンダー等の塗布装置を用いて、本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材を基板等の塗布対象部材上に塗布し、該ダイボンド材上に光半導体素子を積層し、ダイボンド材を硬化させた後、光半導体素子の電気的な接続を行うために、ワイヤーボンディングを行ったときに、ワイヤーボンディングを精度よく行うことができる。すなわち、ワイヤーボンディング時におけるボンダビィリティーを良好にすることができる。特に、上記第1のシリコーン樹脂がジメチルシロキサン骨格を有さず、かつ上記第2のシリコーン樹脂がジメチルシロキサン骨格を有さないことは、ワイヤーボンディング時の超音波振動を吸収することなく光半導体素子に効率的に伝達し、ワイヤーボンディング時におけるボンダビィリティーを向上することに大きく寄与する。
以下、本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材に含まれている各成分の詳細を説明する。
(第1のシリコーン樹脂(A))
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材に含まれている第1のシリコーン樹脂は、珪素原子に結合した水素原子を有する。該水素原子は、珪素原子に直接結合している。ダイボンド材のガスバリア性をより一層高める観点からは、第1のシリコーン樹脂は、珪素原子に結合した水素原子と、アリール基とを有することが好ましい。該アリール基としては、無置換のフェニル基及び置換フェニル基が挙げられる。上記第1のシリコーン樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ワイヤーボンディング時におけるボンダビィリティーを良好にし、更に硬化物の耐熱クラック特性を高める観点からは、上記第1のシリコーン樹脂は、ジメチルシロキサン骨格(ジメチルシロキサン構造単位)を有さないことが好ましく、上記第1のシリコーン樹脂は、下記式(1A)で表され、かつアリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第1のシリコーン樹脂であることが好ましい。但し、下記式(1A)で表される第1のシリコーン樹脂以外のシリコーン樹脂を用いてもよい。
上記式(1A)中、a、b及びcは、a/(a+b+c)=0.05〜0.50、b/(a+b+c)=0〜0.20及びc/(a+b+c)=0.30〜0.90を満たし、R1〜R6は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個が水素原子を表し、アリール基及び水素原子以外のR1〜R6は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。但し、上記式(1A)中、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位は、R4及びR5の双方がメチル基ではなく、ジメチルシロキサン構造単位ではない。なお、上記式(1A)中、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位及び(R6SiO3/2)で表される構造単位はそれぞれ、アルコキシ基を有していてもよく、ヒドロキシ基を有していてもよい。
上記のように、上記第1のシリコーン樹脂は、ジメチルシロキサン骨格を有さないことが好ましい。従って、上記式(1A)で表される第1のシリコーン樹脂は、下記式(101)で表される構造単位を有さないことが好ましい。
ダイボンド材の硬化物の耐熱クラック特性及び耐冷熱サイクル特性の双方をより一層高める観点からは、上記式(1A)で表される第1のシリコーン樹脂は、(CHSiO3/2)で表される構造単位を有することが好ましい。この構造単位の導入により、ダイボンド材の硬化物が冷熱サイクルに晒されても、硬化物にクラックが生じ難くなる。
ダイボンド材の硬化物の耐熱クラック特性及び耐冷熱サイクル特性の双方をより一層高める観点からは、上記式(1A)で表される第1のシリコーン樹脂は、下記式(1AA)で表される第1のシリコーン樹脂であることが好ましい。
上記式(1AA)中、a、b、c1及びc2は、a/(a+b+c1+c2)=0.05〜0.50、b/(a+b+c1+c2)=0〜0.20、(c1+c2)/(a+b+c1+c2)=0.30〜0.90、c1/(a+b+c1+c2)=0.30〜0.90及びc2/(a+b+c1+c2)=0〜0.20を満たし、R1〜R6は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個が水素原子を表し、アリール基及び水素原子以外のR1〜R6は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。但し、上記式(1AA)中、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位は、R4及びR5の双方がメチル基ではなく、ジメチルシロキサン構造単位ではない。上記式(1AA)中、R6がアリール基及びアルケニル基以外である場合に、R6は、メチル基ではなく、炭素数2〜8の炭化水素基を表すことが好ましい。なお、上記式(1AA)中、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位及び(R6SiO3/2)で表される構造単位はそれぞれ、アルコキシ基を有していてもよく、ヒドロキシ基を有していてもよい。
また、上記第1のシリコーン樹脂は、下記式(1B)で表され、かつアリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第1のシリコーン樹脂であることも好ましい。この第1のシリコーン樹脂の使用により、ダイボンド材の耐熱クラック特性を高めることができる。また、下記式(1B)で表される第1のシリコーン樹脂は、ジメチルシロキサン骨格を有していてもよい。
上記式(1B)中、a、b及びcは、a/(a+b+c)=0.05〜0.50、b/(a+b+c)=0〜0.40及びc/(a+b+c)=0.30〜0.80を満たし、R1〜R6は、少なくとも1個が水素原子を表し、水素原子以外のR1〜R6は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。なお、上記式(1B)中、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位及び(R6SiO3/2)で表される構造単位はそれぞれ、アルコキシ基を有していてもよく、ヒドロキシ基を有していてもよい。
ガスバリア性にさらに一層優れたダイボンド材を得る観点からは、上記第1のシリコーン樹脂は、アリール基と、珪素原子に結合した水素原子と、アルケニル基とを有する第1のシリコーン樹脂であることが好ましい。ガスバリア性にさらに一層優れたダイボンド材を得る観点からは、上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中、R1〜R6は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個が水素原子を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アリール基、水素原子及びアルケニル基以外のR1〜R6は、炭素数1〜8の炭化水素基を表すことが好ましい。
上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)は平均組成式を示す。上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)における炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中のR1〜R6は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位における酸素原子部分、及び(R6SiO3/2)で表される構造単位における酸素原子部分はそれぞれ、シロキサン結合を形成している酸素原子部分、アルコキシ基の酸素原子部分、又はヒドロキシ基の酸素原子部分を示す。
なお、一般に、上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)の各構造単位において、アルコキシ基の含有量は少なく、更にヒドロキシ基の含有量も少ない。これは、一般に、第1のシリコーン樹脂を得るために、アルコキシシラン化合物などの有機珪素化合物を加水分解し、重縮合させると、アルコキシ基及びヒドロキシ基の多くは、シロキサン結合の部分骨格に変換されるためである。すなわち、アルコキシ基の酸素原子及びヒドロキシ基の酸素原子の多くは、シロキサン結合を形成している酸素原子に変換される。上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)の各構造単位がアルコキシ基又はヒドロキシ基を有する場合には、シロキサン結合の部分骨格に変換されなかった未反応のアルコキシ基又はヒドロキシ基がわずかに残存していることを示す。後述の式(51A)、後述の式(51AA)及び後述の式(51B)の各構造単位がアルコキシ基又はヒドロキシ基を有する場合に関しても、同様のことがいえる。
上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)における炭素数1〜8の炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソへキシル基、シクロヘキシル基、ビニル基及びアリル基等が挙げられる。
上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中にアルケニル基がある場合には、該アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基及びヘキセニル基等が挙げられる。ガスバリア性をより一層高める観点からは、第1のシリコーン樹脂におけるアルケニル基及び上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中のアルケニル基は、ビニル基又はアリル基であることが好ましく、ビニル基であることがより好ましい。
上記第1のシリコーン樹脂における下記式(X1)より求められるアリール基の含有比率は好ましくは3モル%以上、好ましくは30モル%以下である。このアリール基の含有比率が3モル%以上であると、ガスバリア性がより一層高くなる。アリール基の含有比率が30モル%以下であると、ダイボンド材の剥離が生じ難くなる。ガスバリア性を更に一層高める観点からは、アリール基の含有比率は5モル%以上であることがより好ましい。ダイボンド材の剥離をより一層生じ難くする観点からは、アリール基の含有比率は、20モル%以下であることがより好ましい。
アリール基の含有比率(モル%)=(上記第1のシリコーン樹脂の1分子あたりに含まれるアリール基の平均個数×アリール基の分子量/上記第1のシリコーン樹脂の数平均分子量)×100 ・・・式(X1)
上記第1のシリコーン樹脂が上記式(1A)、上記式(1AA)又は上記式(1B)で表される場合には、上記式(X1)中、「第1のシリコーン樹脂」は、「平均組成式が上記式(1A)、上記式(1AA)又は上記式(1B)で表される第1のシリコーン樹脂」を示す。
フェニル基を有する第1のシリコーン樹脂を用いる場合には、上記式(X1)におけるアリール基はフェニル基を示し、アリール基の含有比率はフェニル基の含有比率を示す。
上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)で表される第1のシリコーン樹脂において、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位(以下、二官能構造単位ともいう)は、下記式(1−2)で表される構造、すなわち、二官能構造単位中の珪素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシ基又はアルコキシ基を構成する構造を含んでいてもよい。
(R4R5SiXO1/2) ・・・式(1−2)
(R4R5SiO2/2)で表される構造単位は、下記式(1−b)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含み、更に下記式(1−2−b)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含んでいてもよい。すなわち、R4及びR5で表される基を有し、かつアルコキシ基又はヒドロキシ基が末端に残存している構造単位も、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位に含まれる。具体的には、アルコキシ基がシロキサン結合の部分骨格に変換された場合には、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位は、下記式(1−b)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を示す。未反応のアルコキシ基が残存している場合、又はアルコキシ基がヒドロキシ基に変換された場合には、残存アルコキシ基又はヒドロキシ基を有する(R4R5SiO2/2)で表される構造単位は、下記式(1−2−b)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を示す。なお、下記式(1−b)で表される構造単位において、末端の酸素原子は、一般に隣接する珪素原子とシロキサン結合を形成しており、隣接する構造単位と酸素原子を共有している。従って、末端の1つの酸素原子を「O1/2」とする。
上記式(1−2)及び(1−2−b)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。上記式(1−b)、(1−2)及び(1−2−b)中のR4及びR5は、上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中のR4及びR5と同様の基である。
上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)で表される第1のシリコーン樹脂において、(R6SiO3/2)で表される構造単位(以下、三官能構造単位ともいう)は、下記式(1−3)又は(1−4)で表される構造、すなわち、三官能構造単位中の珪素原子に結合した酸素原子の2つがそれぞれヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を構成する構造、又は、三官能構造単位中の珪素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を構成する構造を含んでいてもよい。
(R6SiX1/2) ・・・式(1−3)
(R6SiXO2/2) ・・・式(1−4)
(R6SiO3/2)で表される構造単位は、下記式(1−c)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含み、更に下記式(1−3−c)又は(1−4−c)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含んでいてもよい。すなわち、R6で表される基を有し、かつアルコキシ基又はヒドロキシ基が末端に残存している構造単位も、(R6SiO3/2)で表される構造単位に含まれる。
上記式(1−3)、(1−3−c)、(1−4)及び(1−4−c)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。上記式(1−c)、(1−3)、(1−3−c)、(1−4)及び(1−4−c)中のR6は、上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中のR6と同様の基である。
上記式(1−b)及び(1−c)、式(1−2)〜(1−4)、並びに式(1−2−b)、(1−3−c)及び(1−4−c)において、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基が挙げられる。
上記式(1A)中のa/(a+b+c)及び上記式(1AA)中のa/(a+b+c1+c2)は、0.05以上、0.50以下である。a/(a+b+c)及びa/(a+b+c1+c2)が上記下限以上及び上記上限以下であると、ダイボンド材の耐熱性がより一層高くなり、かつダイボンド材の剥離をより一層抑制できる。上記式(1A)中のa/(a+b+c)及び上記式(1AA)中のa/(a+b+c1+c2)は、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.40以下である。
上記式(1A)中のb/(a+b+c)及び上記式(1AA)中のb/(a+b+c1+c2)は、0以上、0.20以下である。b/(a+b+c)及びb/(a+b+c1+c2)が上記上限以下であると、ダイボンド材の高温での貯蔵弾性率が高くなる。b/(a+b+c)及びb/(a+b+c1+c2)は、0を超えていてもよく、0.01以上であってもよい。上記式(1A)及び上記式(1AA)中、(R4R5SiO2/2)の構造単位が存在していても、ダイボンド材の硬化物のボンダビィリティーを良好にし、かつ耐熱クラック特性を高めることができる。なお、bが0であり、b/(a+b+c)及びb/(a+b+c1+c2)が0である場合、上記式(1A)及び上記式(1AA)中、(R4R5SiO2/2)の構造単位は存在しない。
上記式(1A)中のc/(a+b+c)及び上記式(1AA)中の(c1+c2)/(a+b+c1+c2)は、0.30以上、0.90以下である。c/(a+b+c)及び(c1+c2)/(a+b+c1+c2)が上記下限以上であると、ダイボンド材の高温での貯蔵弾性率が高くなる。c/(a+b+c)及び(c1+c2)/(a+b+c1+c2が上記上限以下であると、ダイボンド材の耐熱性が高くなる。上記式(1A)中のc/(a+b+c)及び上記式(1AA)中の(c1+c2)/(a+b+c1+c2)は、好ましくは0.40以上、より好ましくは0.50以上、好ましくは0.80以下、より好ましくは0.75以下である。
上記式(1AA)中のc1/(a+b+c1+c2)は、0.30以上、0.90以下であり、かつc2/(a+b+c1+c2)は、0以上、0.20以下である。c1/(a+b+c1+c2)及びc2/(a+b+c1+c2)が上記下限以上及び上記上限以下であると、ダイボンド材の硬化物の耐熱クラック特性及び耐冷熱サイクル特性の双方を大きく高めることができる。上記式(1AA)中のc1/(a+b+c1+c2)は、好ましくは0.35以上、より好ましくは0.40以上、好ましくは0.80以下、より好ましくは0.75以下である。c2/(a+b+c1+c2)は、0を超えていてもよく、0.01以上であってもよい。なお、c2が0であり、c2/(a+b+c1+c2)が0である場合、上記式(1AA)中、(R6SiO3/2)の構造単位は存在しない。
上記第1のシリコーン樹脂について、テトラメチルシラン(以下、TMS)を基準に29Si−核磁気共鳴分析(以下、NMR)を行うと、置換基の種類によって若干の変動は見られるものの、上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中の(R1R2R3SiO1/2)で表される構造単位に相当するピークは+10〜−5ppm付近に現れ、上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中の(R4R5SiO2/2)で表される構造単位及び上記式(1−2)の二官能構造単位に相当する各ピークは−10〜−50ppm付近に現れ、上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中の(R6SiO3/2)、(CHSiO3/2)で表される構造単位並びに上記式(1−3)及び上記式(1−4)の三官能構造単位に相当する各ピークは−50〜−80ppm付近に現れる。
従って、29Si−NMRを測定し、それぞれのシグナルのピーク面積を比較することによって上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中の各構造単位の比率を測定できる。
但し、上記TMSを基準にした29Si−NMRの測定で上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中の構造単位の見分けがつかない場合は、29Si−NMRの測定結果だけではなく、H−NMRの測定結果を必要に応じて用いることにより、上記式(1A)、上記式(1AA)及び上記式(1B)中の各構造単位の比率を見分けることができる。
(第2のシリコーン樹脂(B))
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材に含まれている第2のシリコーン樹脂は、珪素原子に結合した水素原子を有さず、かつアルケニル基を有する。該アルケニル基は、珪素原子に直接結合している。上記アルケニル基の炭素−炭素二重結合における炭素原子が、珪素原子に結合していてもよく、上記アルケニル基の炭素−炭素二重結合における炭素原子とは異なる炭素原子が、珪素原子に結合していてもよい。ダイボンド材のガスバリア性をより一層高める観点からは、上記第2のシリコーン樹脂は、珪素原子に結合した水素原子を有さず、かつアリール基とアルケニル基とを有することが好ましい。上記アリール基としては、無置換のフェニル基及び置換フェニル基が挙げられる。上記第2のシリコーン樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ワイヤーボンディング時におけるボンダビィリティーを良好にし、更に硬化物の耐熱クラック特性を高める観点からは、上記第2のシリコーン樹脂は、ジメチルシロキサン骨格(ジメチルシロキサン構造単位)を有さないことが好ましく、上記第2のシリコーン樹脂は、下記式(51A)で表され、かつアリール基及びアルケニル基を有する第2のシリコーン樹脂であることが好ましい。但し、下記式(51A)で表される第1のシリコーン樹脂以外のシリコーン樹脂を用いてもよい。
上記式(51A)中、p、q及びrは、p/(p+q+r)=0.05〜0.50、q/(p+q+r)=0.05〜0.50及びr/(p+q+r)=0.05〜0.50を満たし、R51〜R56は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アリール基及びアルケニル基以外のR51〜R56は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。但し、上記式(51A)中、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位は、R54及びR55の双方がメチル基ではなく、ジメチルシロキサン構造単位ではない。なお、上記式(51A)中、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位及び(R56SiO3/2)で表される構造単位はそれぞれ、アルコキシ基を有していてもよく、ヒドロキシ基を有していてもよい。
上記のように、上記第2のシリコーン樹脂は、ジメチルシロキサン骨格を有さないことが好ましい。従って、上記式(51A)で表される第2のシリコーン樹脂は、下記式(101)で表される構造単位を有さないことが好ましい。
ダイボンド材の硬化物の耐熱クラック特性及び耐冷熱サイクル特性の双方をより一層高める観点からは、上記式(51A)で表される第2のシリコーン樹脂は、(CHSiO3/2)で表される構造単位を有することが好ましい。この構造単位の導入により、ダイボンド材の硬化物が冷熱サイクルに晒されても、硬化物にクラックが生じ難くなる。
ダイボンド材の硬化物の耐熱クラック特性及び耐冷熱サイクル特性の双方をより一層高める観点からは、上記式(51A)で表される第2のシリコーン樹脂は、下記式(51AA)で表される第2のシリコーン樹脂であることが好ましい。
上記式(51AA)中、p、q、r1及びr2は、p/(p+q+r1+r2)=0.05〜0.50、q/(p+q+r1+r2)=0.05〜0.50、(r1+r2)/(p+q+r1+r2)=0.05〜0.50、r1/(p+q+r1+r2)=0.05〜0.40及びr2/(p+q+r1+r2)=0〜0.50を満たし、R51〜R56は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アリール基及びアルケニル基以外のR51〜R56は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。但し、上記式(51AA)中、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位は、R54及びR55の双方がメチル基ではなく、ジメチルシロキサン構造単位ではない。上記式(51AA)中、R56がアリール基及びアルケニル基以外である場合に、R56は、メチル基ではなく、炭素数2〜8の炭化水素基を表すことが好ましい。なお、上記式(51AA)中、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位及び(R56SiO3/2)で表される構造単位はそれぞれ、アルコキシ基を有していてもよく、ヒドロキシ基を有していてもよい。
また、上記第2のシリコーン樹脂は、下記式(51B)で表され、かつアリール基及びアルケニル基を有する第2のシリコーン樹脂であることも好ましい。この第2のシリコーン樹脂の使用により、ダイボンド材の耐熱クラック特性を高めることができる。また、下記式(51B)で表される第2のシリコーン樹脂は、ジメチルシロキサン骨格を有していてもよい。
上記式(51B)中、p、q及びrは、p/(p+q+r)=0.05〜0.50、q/(p+q+r)=0〜0.40及びr/(p+q+r)=0.30〜0.80を満たし、R51〜R56は、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アルケニル基以外のR51〜R56は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。なお、上記式(51B)中、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位及び(R56SiO3/2)で表される構造単位はそれぞれ、アルコキシ基を有していてもよく、ヒドロキシ基を有していてもよい。
上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)は平均組成式を示す。上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)における炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)中のR51〜R56は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)中、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基及びヘキセニル基等が挙げられる。ガスバリア性をより一層高める観点からは、第2のシリコーン樹脂におけるアルケニル基及び上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)中のアルケニル基は、ビニル基又はアリル基であることが好ましく、ビニル基であることがより好ましい。
上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)における炭素数1〜8の炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソへキシル基、シクロヘキシル基、ビニル基及びアリル基等が挙げられる。
上記第2のシリコーン樹脂における下記式(X51)より求められるアリール基の含有比率は好ましくは3モル%以上、好ましくは30モル%以下である。このアリール基の含有比率が3モル%以上であると、ガスバリア性がより一層高くなる。アリール基の含有比率が30モル%以下であると、ダイボンド材の剥離が生じ難くなる。ガスバリア性を更に一層高める観点からは、アリール基の含有比率は5モル%以上であることがより好ましい。剥離をより一層生じ難くする観点からは、アリール基の含有比率は、20モル%以下であることがより好ましい。
アリール基の含有比率(モル%)=(第2のシリコーン樹脂の1分子あたりに含まれるアリール基の平均個数×アリール基の分子量/第2のシリコーン樹脂の数平均分子量)×100 ・・・式(X51)
上記第1のシリコーン樹脂が上記式(51A)、上記式(51AA)又は上記式(51B)で表される場合には、上記式(X51)中、「第2のシリコーン樹脂」は、「平均組成式が上記式(51A)、上記式(51AA)又は上記式(51B)で表される第2のシリコーン樹脂」を示す。
上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)で表され、フェニル基を有する第2のシリコーン樹脂を用いる場合には、上記式(X51)におけるアリール基はフェニル基を示し、アリール基の含有比率はフェニル基の含有比率を示す。
上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)で表される第2のシリコーン樹脂において、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位(以下、二官能構造単位ともいう)は、下記式(51−2)で表される構造、すなわち、二官能構造単位中の珪素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシ基又はアルコキシ基を構成する構造を含んでいてもよい。
(R54R55SiXO1/2) ・・・式(51−2)
(R54R55SiO2/2)で表される構造単位は、下記式(51−b)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含み、更に下記式(51−2−b)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含んでいてもよい。すなわち、R54及びR55で表される基を有し、かつアルコキシ基又はヒドロキシ基が末端に残存している構造単位も、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位に含まれる。
上記式(51−2)及び(51−2−b)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。上記式(51−b)、(51−2)及び(51−2−b)中のR54及びR55は、上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)中のR54及びR55と同様の基である。
上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)で表される第2のシリコーン樹脂において、(R56SiO3/2)で表される構造単位(以下、三官能構造単位ともいう)は、下記式(51−3)又は(51−4)で表される構造、すなわち、三官能構造単位中の珪素原子に結合した酸素原子の2つがそれぞれヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を構成する構造、又は、三官能構造単位中の珪素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を構成する構造を含んでいてもよい。
(R56SiX1/2) ・・・式(51−3)
(R56SiXO2/2) ・・・式(51−4)
(R56SiO3/2)で表される構造単位は、下記式(51−c)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含み、更に下記式(51−3−c)又は(51−4−c)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含んでいてもよい。すなわち、R56で表される基を有し、かつアルコキシ基又はヒドロキシ基が末端に残存している構造単位も、(R56SiO3/2)で表される構造単位に含まれる。
上記式(51−3)、(51−3−c)、(51−4)及び(51−4−c)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。上記式(51−c)、(51−3)、(51−3−c)、(51−4)及び(51−4−c)中のR56は、上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)中のR56と同様の基である。
上記式(51−b)及び(51−c)、式(51−2)〜(51−4)、並びに式(51−2−b)、(51−3−c)及び(51−4−c)において、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基が挙げられる。
上記式(51A)中のp/(p+q+r)及び上記式(51AA)中のp/(p+q+r1+r2)は、0.05以上、0.50以下である。p/(p+q+r)及びp/(p+q+r1+r2)が上記下限以上及び上限以下であると、ダイボンド材の耐熱性がより一層高くなり、かつダイボンド材の剥離をより一層抑制できる。上記式(51A)中のp/(p+q+r)及び上記式(51AA)中のp/(p+q+r1+r2)は、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.40以下である。
上記式(51A)中のq/(p+q+r)及び上記式(51AA)中のq/(p+q+r1+r2)は、0.05以上、0.50以下である。q/(p+q+r)及びq/(p+q+r1+r2)が上記上限以下であると、ダイボンド材の高温での貯蔵弾性率が高くなる。上記式(51A)中のq/(p+q+r)及び上記式(51AA)中のq/(p+q+r1+r2)は、好ましくは0.40以下、より好ましくは0.35以下である。
上記式(51A)中のr/(p+q+r)及び上記式(51AA)中の(r1+r2)/(p+q+r1+r2)は、0.05以上、0.50以下である。r/(p+q+r)及び(r1+r2)/(p+q+r1+r2)が上記下限以上であると、ダイボンド材の高温での貯蔵弾性率が高くなる。r/(p+q+r)及び(r1+r2)/(p+q+r1+r2)が上記上限以下であると、ダイボンド材の耐熱性が高くなる。
上記式(51AA)中のr1/(p+q+r1+r2)は、0.05以上、0.40以下であり、かつr2/(p+q+r1+r2)は、0以上、0.50以下である。r1/(p+q+r1+r2)及びr2/(p+q+r1+r2)が上記下限以上及び上記上限以下であると、ダイボンド材の硬化物の耐熱クラック特性及び耐冷熱サイクル特性の双方を大きく高めることができる。r2/(p+q+r1+r2)は、0を超えていてもよく、0.01以上であってもよい。なお、r2が0であり、r2/(p+q+r1+r2)が0である場合、上記式(51AA)中、(R56SiO3/2)の構造単位は存在しない。
上記式(51B)中、p/(p+q+r)は0.05以上、0.50以下である。p/(p+q+r)が上記下限以上及び上限以下であると、ダイボンド材の耐熱性がより一層高くなり、かつダイボンド材の剥離をより一層抑制できる。上記式(51B)中、p/(p+q+r)は好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.40以下である。
上記式(51B)中、q/(p+q+r)は0以上、0.40以下である。q/(p+q+r)上記上限以下であると、ダイボンド材の高温での貯蔵弾性率が高くなる。上記式(51B)中、q/(p+q+r)は好ましくは0.35以下、より好ましくは0.30以下である。なお、qが0であり、q/(p+q+r)が0である場合、上記式(51B)中、(R54R55SiO2/2)の構造単位は存在しない。
上記式(51B)中、r/(p+q+r)は0.30以上、0.80以下である。r/(p+q+r)が上記下限以上であると、ダイボンド材の高温での貯蔵弾性率が高くなる。r/(p+q+r)が上記上限以下であると、ダイボンド材の耐熱性が高くなり、かつ高温環境下でダイボンド材の硬化物の厚みが減少し難くなる。
上記第2のシリコーン樹脂について、テトラメチルシラン(以下、TMS)を基準に29Si−核磁気共鳴分析(以下、NMR)を行うと、置換基の種類によって若干の変動は見られるものの、上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)中の(R51R52R53SiO1/2)で表される構造単位に相当するピークは+10〜−5ppm付近に現れ、上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)中の(R54R55SiO2/2)で表される構造単位及び上記式(51−2)の二官能構造単位に相当する各ピークは−10〜−50ppm付近に現れ、上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)中の(R56SiO3/2)、(CHSiO2/2)で表される構造単位並びに上記式(51−3)及び上記式(51−4)の三官能構造単位に相当する各ピークは−50〜−80ppm付近に現れる。
従って、29Si−NMRを測定し、それぞれのシグナルのピーク面積を比較することによって上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)中の各構造単位の比率を測定できる。
但し、上記TMSを基準にした29Si−NMRの測定で上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)中の構造単位の見分けがつかない場合は、29Si−NMRの測定結果だけではなく、H−NMRの測定結果を必要に応じて用いることにより、上記式(51A)、上記式(51AA)及び上記式(51B)中の各構造単位の比率を見分けることができる。
上記第1のシリコーン樹脂100重量部に対して、上記第2のシリコーン樹脂の含有量は、好ましくは10重量部以上、より好ましくは30重量部以上、好ましくは400重量部以下、より好ましくは200重量部以下である。第1,第2のシリコーン樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、ダイボンド材の高温での貯蔵弾性率がより一層高くなり、かつガスバリア性により一層優れたダイボンド材を得ることができる。
(第1,第2のシリコーン樹脂の他の性質及びその合成方法)
上記第1,第2のシリコーン樹脂のアルコキシ基の含有量は、好ましくは0.5モル%以上、より好ましくは1モル%以上、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。アルコキシ基の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、ダイボンド材の密着性を高めることができる。アルコキシ基の含有量が上記下限以上であると、ダイボンド材の密着性を高めることができる。アルコキシ基の含有量が上記上限以下であると、第1,第2のシリコーン樹脂及びダイボンド材の貯蔵安定性が高くなり、ダイボンド材の耐熱性がより一層高くなる。
上記アルコキシ基の含有量は、第1,第2のシリコーン樹脂の平均組成式中に含まれる上記アルコキシ基の量を意味する。
上記第1,第2のシリコーン樹脂はシラノール基を含有しないほうが好ましい。第1,第2のシリコーン樹脂がシラノール基を含有しないと、第1,第2のシリコーン樹脂及びダイボンド材の貯蔵安定性が高くなる。上記シラノール基は、真空下での加熱により減少させることができる。シラノール基の含有量は、赤外分光法を用いて測定できる。
上記第1,第2のシリコーン樹脂の数平均分子量(Mn)は好ましくは500以上、より好ましくは800以上、更に好ましくは1000以上、好ましくは50000以下、より好ましくは15000以下である。数平均分子量が上記下限以上であると、熱硬化時に揮発成分が少なくなり、高温環境下でダイボンド材の硬化物の厚みが減少しにくくなる。数平均分子量が上記上限以下であると、粘度調節が容易である。
上記数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレンを標準物質して求めた値である。上記数平均分子量(Mn)は、Waters社製の測定装置(カラム:昭和電工社製 Shodex GPC LF−804(長さ300mm)を2本、測定温度:40℃、流速:1mL/分、溶媒:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン)を用いて測定された値を意味する。
上記第1,第2のシリコーン樹脂を合成する方法としては特に限定されず、アルコキシシラン化合物を加水分解し縮合反応させる方法、クロロシラン化合物を加水分解し縮合させる方法が挙げられる。なかでも、反応の制御の観点からアルコキシシラン化合物を加水分解する方法が好ましい。
アルコキシシラン化合物を加水分解し縮合反応させる方法としては、例えば、アルコキシシラン化合物を、水と酸性触媒又は塩基性触媒との存在下で反応させる方法が挙げられる。また、ジシロキサン化合物を加水分解して用いてもよい。
上記第1,第2のシリコーン樹脂にアリール基を導入するための有機珪素化合物としては、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチル(フェニル)ジメトキシシラン、及びフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記第1,第2のシリコーン樹脂にアルケニル基を導入するための有機珪素化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メトキシジメチルビニルシラン、ビニルジメチルエトキシシラン及び1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
上記第1のシリコーン樹脂に珪素原子に結合した水素原子を導入するための有機珪素化合物としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、及び1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
上記第1,第2のシリコーン樹脂を得るために用いることができる他の有機珪素化合物としては、例えば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、イソプロピル(メチル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(メチル)ジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン及びオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記酸性触媒としては、例えば、無機酸、有機酸、無機酸の酸無水物及びその誘導体、並びに有機酸の酸無水物及びその誘導体が挙げられる。
上記無機酸としては、例えば、塩酸、リン酸、ホウ酸及び炭酸が挙げられる。上記有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸及びオレイン酸が挙げられる。
上記塩基性触媒としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド及びアルカリ金属のシラノール化合物が挙げられる。
上記アルカリ金属の水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウムが挙げられる。上記アルカリ金属のアルコキシドとしては、例えば、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド及びセシウム−t−ブトキシドが挙げられる。
上記アルカリ金属のシラノール化合物としては、例えば、ナトリウムシラノレート化合物、カリウムシラノレート化合物及びセシウムシラノレート化合物が挙げられる。なかでも、カリウム系触媒又はセシウム系触媒が好適である。
上記第1のシリコーン樹脂と上記第2のシリコーン樹脂とのそれぞれのE型粘度計を用いて測定された25℃及び10rpmでの粘度は、好ましくは1200mPa・s以上、好ましくは6000mPa・s以下である。粘度が上記下限以上及び上記上限以下であることにより、ダイボンド材の糸曳きと滲みとの双方を抑制できる。ダイボンド材の糸曳きと滲みとの双方をより一層抑制する観点からは、上記第2のシリコーン樹脂のE型粘度計を用いて測定された25℃における10rpmでの粘度は、好ましくは1300mPa・s以上、好ましくは4000mPa・s以下である。
また、本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材のE型粘度計を用いて測定された25℃における10rpmでの粘度η1は、好ましくは8000mPa・s以上、好ましくは30000mPa・s以下である。さらに、本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材のE型粘度計を用いて測定された25℃における1rpmでの粘度η2(mPa・s)のE型粘度計を用いて測定された25℃における10rpmでの粘度η1(mPa・s)に対する比(η2/η1)は好ましくは1.5以上、好ましくは4.0以下である。本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材が特定の上記粘度を有することにより、ダイボンド材の糸曳きと滲みとの双方を顕著に抑制できる。
ダイボンド材の糸曳きと滲みとの双方をより一層抑制する観点からは、上記粘度η1は、より好ましくは12000mPa・s以上、より好ましくは25000mPa・s以下である。ダイボンド材の糸曳きと滲みとの双方をより一層抑制する観点からは、上記比(η2/η1)は、より好ましくは1.6以上、より好ましくは2.8以下である。
なお、シリコーン樹脂及び光半導体装置用ダイボンド材における上記「粘度」は、E型粘度計(TV−22型、東機産業社製)を用いて測定された値である。
(ヒドロシリル化反応用触媒(C))
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材に含まれているヒドロシリル化反応用触媒は、上記第1のシリコーン樹脂中の珪素原子に結合した水素原子と、上記第2のシリコーン樹脂中のアルケニル基とをヒドロシリル化反応させる触媒である。
上記ヒドロシリル化反応用触媒として、ヒドロシリル化反応を進行させる各種の触媒を用いることができる。上記ヒドロシリル化反応用触媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ヒドロシリル化反応用触媒としては、例えば、白金系触媒、ロジウム系触媒及びパラジウム系触媒等が挙げられる。ダイボンド材の透明性を高くすることができるため、白金系触媒が好ましい。
上記白金系触媒としては、白金粉末、塩化白金酸、白金−アルケニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体及び白金−カルボニル錯体が挙げられる。特に、白金−アルケニルシロキサン錯体又は白金−オレフィン錯体が好ましい。
上記白金−アルケニルシロキサン錯体におけるアルケニルシロキサンとしては、例えば、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、及び1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。上記白金−オレフィン錯体におけるオレフィンとしては、例えば、アリルエーテル及び1,6−ヘプタジエン等が挙げられる。
上記白金−アルケニルシロキサン錯体及び白金−オレフィン錯体の安定性を向上させることができるため、上記白金−アルケニルシロキサン錯体又は白金−オレフィン錯体に、アルケニルシロキサン、オルガノシロキサンオリゴマー、アリルエーテル又はオレフィンを添加することが好ましい。上記アルケニルシロキサンは、好ましくは1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンである。上記オルガノシロキサンオリゴマーは、好ましくはジメチルシロキサンオリゴマーである。上記オレフィンは、好ましくは1,6−ヘプタジエンである。
ダイボンド材100重量%中、上記ヒドロシリル化反応用触媒の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.02重量%以上、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.3重量%以下である。上記ヒドロシリル化反応用触媒の含有量が上記下限以上であると、ダイボンド材を十分に硬化させることが容易であり、ダイボンド材のガスバリア性をより一層高めることができる。上記ヒドロシリル化反応用触媒の含有量が上記上限以下であると、ダイボンド材がより一層変色し難くなる。
(アルコキシ化合物(D))
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材に含まれているアルコキシ化合物は、アルコキシ基を有する。上記アルコキシ化合物は、IUPACの周期表における原子番号が40までの4価の4族原子を有するアルコキシ化合物、IUPACの周期表における原子番号が40までの2価の12族原子を有するアルコキシ化合物、又はIUPACの周期表における原子番号が40までの3価の13族原子を有するアルコキシ化合物である。IUPACの周期表における原子番号が40までの4価の4族原子としては、チタン及びジルコニウムが挙げられる。IUPACの周期表における原子番号が40までの2価の12族原子としては、亜鉛が挙げられる。IUPACの周期表における原子番号が40までの3価の13族原子としては、ホウ素、アルミニウム及びガリウムが挙げられる。上記アルコキシ化合物は、アルコキシ基を有する有機化合物である。
上記アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましい。上記アルコキシ基の炭素鎖は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。上記アルコキシ基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基及び2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
ダイボンド材の接着力をより一層高める観点からは、上記アルコキシ化合物は、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムを有するアルコキシ化合物であることが好ましく、チタン又はジルコニウムを有するアルコキシ化合物であることがより好ましく、チタンを有するアルコキシ化合物であることが特に好ましい。特に、チタンを有するアルコキシ化合物の使用により、ダイボンド材の接着力がかなり高くなる。
上記チタンを有するアルコキシ化合物の具体例としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン及びチタニウム−イソプロポキシオクチレングリコレート等が挙げられる。なかでも、ダイボンド材の接着力をより一層高める観点からは、上記チタン原子を有するアルコキシ化合物は、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、チタニウム−イソプロポキシオクチレングリコレート、テトライソプロポキシチタン、又はテトラ−n−ブトキシチタンであることが好ましい。
上記ジルコニウムを有するアルコキシ化合物としては、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド及びジルコニウムテトラn−ブトキシド等が挙げられる。
上記アルミニウムを有するアルコキシ化合物としては、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリn−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリn−ブトキシアルミニウム及びアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
上記第1のシリコーン樹脂と上記第2のシリコーン樹脂との合計100重量部に対して、上記アルコキシ化合物の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上、更に好ましくは0.5重量部以上、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。上記アルコキシ化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、ダイボンド材の接着力がより一層高くなる。
(酸化珪素粒子(E))
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材は、酸化珪素粒子を含む。該酸化珪素粒子の使用により、ダイボンド材の硬化物の耐熱性及び耐光性を損なうことなく、硬化前のダイボンド材の粘度を適当な範囲に調整できる。従って、ダイボンド材の取り扱い性を高めることができる。
上記酸化珪素粒子の一次粒子径は好ましくは5nm以上、より好ましくは8nm以上、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下である。上記酸化珪素粒子の一次粒子径が上記下限以上であると、酸化珪素粒子の分散性がより一層高くなり、ダイボンド材の硬化物の透明性がより一層高くなる。上記酸化珪素粒子の一次粒子径が上記上限以下であると、25℃における粘度の上昇効果を充分に得ることができ、かつ温度上昇における粘度の低下を抑制できる。
上記酸化珪素粒子の一次粒子径は、以下のようにして測定される。光半導体装置用ダイボンド材の硬化物を透過型電子顕微鏡(日本電子社製「JEM−2100」)を用いて観察する。視野中の100個の酸化珪素粒子の一次粒子の大きさをそれぞれ測定し、測定値の平均値を一次粒子径とする。上記一次粒子径は、上記酸化珪素粒子が球形である場合には酸化珪素粒子の直径の平均値を意味し、非球形である場合には酸化珪素粒子の長径の平均値を意味する。
上記酸化珪素粒子のBET比表面積は、好ましくは30m/g以上、好ましくは400m/g以下である。上記酸化珪素粒子のBET比表面積が30m/g以上であると、ダイボンド材の25℃における粘度を好適な範囲に制御でき、温度上昇における粘度の低下を抑制できる。上記酸化珪素粒子のBET比表面積が400m/g以下であると、酸化珪素粒子の凝集が生じ難くなり、分散性を高くすることができ、更にダイボンド材の硬化物の透明性をより一層高くすることができる。
上記酸化珪素粒子としては特に限定されず、例えば、フュームドシリカ、溶融シリカ等の乾式法で製造されたシリカ、並びにコロイダルシリカ、ゾルゲルシリカ、沈殿シリカ等の湿式法で製造されたシリカ等が挙げられる。なかでも、揮発成分が少なく、かつ透明性がより一層高いダイボンド材を得る観点からは、上記酸化珪素粒子として、フュームドシリカが好適に用いられる。また、フュームドシリカの使用により、ダイボンディング時の作業性がより一層良好になる。
上記フュームドシリカとしては、例えば、Aerosil 50(比表面積:50m/g)、Aerosil 90(比表面積:90m/g)、Aerosil 130(比表面積:130m/g)、Aerosil 200(比表面積:200m/g)、Aerosil 300(比表面積:300m/g)、及びAerosil 380(比表面積:380m/g)(いずれも日本アエロジル社製)等が挙げられる。
上記酸化珪素粒子は、有機珪素化合物により表面処理されていることが好ましい。この表面処理により、酸化珪素粒子の分散性が非常に高くなり、硬化前のダイボンド材の温度上昇による粘度の低下をより一層抑制できる。
上記有機珪素化合物としては特に限定されず、例えば、アルキル基を有するシラン系化合物、ジメチルシロキサン等のシロキサン骨格を有する珪素系化合物、アミノ基を有する珪素系化合物、(メタ)アクリロイル基を有する珪素系化合物、及びエポキシ基を有する珪素系化合物等が挙げられる。上記「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを意味する。
酸化珪素粒子の分散性をさらに一層高める観点からは、表面処理に用いられる上記有機珪素化合物は、トリメチルシリル基を有する有機珪素化合物及びポリジメチルシロキサン基を有する有機珪素化合物の内の少なくとも1種であることが好ましい。上記酸化珪素粒子は、トリメチルシリル基を有する有機珪素化合物及びポリジメチルシロキサン基を有する有機珪素化合物の内の少なくとも1種により表面処理されていることが好ましい。
有機珪素化合物により表面処理する方法の一例として、トリメチルシリル基を有する有機珪素化合物を用いる場合には、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシリルクロライド及びトリメチルメトキシシラン等を用いて、酸化珪素粒子を表面処理する方法が挙げられる。ポリジメチルシロキサン基を有する有機珪素化合物を用いる場合には、ポリジメチルシロキサン基の末端にシラノール基を有する化合物及び環状シロキサン等を用いて、酸化珪素粒子を表面処理する方法が挙げられる。
上記トリメチルシリル基を有する有機珪素化合物により表面処理された酸化珪素粒子の市販品としては、RX200(比表面積:140m/g)、及びR8200(比表面積:140m/g)(いずれも日本アエロジル社製)等が挙げられる。
上記ポリジメチルシロキサン基を有する有機珪素化合物により表面処理された酸化珪素粒子の市販品としては、RY200(比表面積:120m/g)(日本アエロジル社製)等が挙げられる。
上記有機珪素化合物により酸化珪素粒子を表面処理する方法は特に限定されない。この方法としては、例えば、ミキサー中に酸化珪素粒子を添加し、攪拌しながら有機珪素化合物を添加する乾式法、酸化珪素粒子のスラリー中に有機珪素化合物を添加するスラリー法、並びに、酸化珪素粒子の乾燥後に有機珪素化合物をスプレー付与するスプレー法などの直接処理法等が挙げられる。上記乾式法で用いられるミキサーとしては、ヘンシェルミキサー及びV型ミキサー等が挙げられる。上記乾式法では、有機珪素化合物は、直接、又は、アルコール水溶液、有機溶媒溶液若しくは水溶液として添加される。
上記有機珪素化合物により表面処理されている酸化珪素粒子を得るために、光半導体装置用ダイボンド材を調製する際に、酸化珪素粒子と上記第1,第2のシリコーン樹脂等のマトリクス樹脂との混合時に、有機珪素化合物を直接添加するインテグレルブレンド法等を用いてもよい。
上記光半導体装置用ダイボンド材100重量%中、上記酸化珪素粒子の含有量は、好ましくは5重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。上記酸化珪素粒子の含有量が上記下限以上であると、ダイボンド材の硬化物の耐熱性及び耐光性を損なうことなく、硬化前のダイボンド材の粘度を適当な範囲に調整できる。上記酸化珪素粒子の含有量が上記上限以下であると、ダイボンド材の粘度をより一層適正な範囲に制御でき、かつダイボンド材の透明性をより一層高めることができる。本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材では、上記酸化珪素粒子の含有量が30重量%以下であっても、高温での貯蔵弾性率が高くなる。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材が、上記有機珪素化合物により表面処理された酸化珪素粒子を含有することにより、アリール基を有する第2のシリコーン樹脂又はアリール基を有する第1のシリコーン樹脂を含有していても、ダイボンド材の高温での粘度を十分な高さに維持できる。これにより、ダイボンド材が高温に加熱された時の粘度を適切な範囲に調整でき、ダイボンド材中の酸化珪素粒子の分散状態を良好にすることができる。このため、ダイボンド材の透明性をより一層高めることができる。
(他の成分)
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材は、接着性を付与するために、上記アルコキシシラン化合物以外のカップリング剤をさらに含んでいてもよい。
上記カップリング剤としては特に限定されず、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。該シランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。カップリング剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材は、熱伝導率が10W/m・K以上である放熱フィラーを含んでいてもよい。
上記熱伝導率が10W/m・K以上である放熱フィラーとしては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化珪素、酸化マグネシウム、マグネサイトなどの白色フィラーや、銀粒子、銅粒子、銀コート銅粒子、金粒子などの金属粒子や、ビスマス−錫、ビスマス−インジウム、インジウム−亜鉛及びインジウム−錫等により形成された半田粒子が挙げられる。熱伝導率が10W/m・K以上である放熱フィラーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材は、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、溶剤、着色剤、充填剤、消泡剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調節剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、防黴剤、レベリング剤、安定剤、カップリング剤、タレ防止剤又は蛍光体等を含有してもよい。
(光半導体装置用ダイボンド材の詳細及び用途)
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材は、ペースト状であってもよく、フィルム状であってもよい。本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材は、ペースト状であることが好ましい。
上記第1のシリコーン樹脂と、上記第2のシリコーン樹脂と、上記ヒドロシリル化反応用触媒とは、これらを1種又は2種以上含む液を別々に調製しておき、使用直前に複数の液を混合して、本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材を調製してもよい。例えば、上記第2のシリコーン樹脂及び上記ヒドロシリル化反応用触媒を含むA液と、第1のシリコーン樹脂を含むB液とを別々に調製しておき、使用直前にA液とB液を混合して、ダイボンド材を調製してもよい。この場合に、上記アルコキシ化合物、酸化珪素粒子及びカップリング剤はA液に添加してもよく、B液に添加してもよい。このように上記第2のシリコーン樹脂及び上記ヒドロシリル化反応用触媒と上記第1のシリコーン樹脂とを別々に、第1の液と第2の液との2液にすることによって保存安定性を向上させることができる。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材の製造方法としては特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、三本ロール又はビーズミル等の混合機を用いて、常温又は加温下で、上記第1のシリコーン樹脂、上記第2のシリコーン樹脂、上記ヒドロシリル化反応用触、上記アルコキシ化合物媒及び必要に応じて配合される他の成分を混合する方法等が挙げられる。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材を、基板等の接続対象部材上に配置し、又は光半導体素子の下面に配置し、ダイボンド材を介して接続対象部材と光半導体素子とを接続することにより、光半導体装置を得ることができる。
本発明に係る光半導体装置用ダイボンド材の硬化温度は特に限定されない。光半導体装置用ダイボンド材の硬化温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。硬化温度が上記下限以上であると、ダイボンド材の硬化が充分に進行する。硬化温度が上記上限以下であると、ダイボンド材及びダイボンド材により接合される部材の熱劣化が起こり難い。
硬化方式として、特に限定されないが、ステップキュア方式を用いることが好ましい。ステップキュア方式は、一旦低温で仮硬化させておき、その後に高温で硬化させる方法である。ステップキュア方式の使用により、ダイボンド材の硬化収縮を抑えることができる。
(光半導体装置)
本発明に係る光半導体装置は、光半導体装置用ダイボンド材と、接続対象部材と、上記光半導体装置用ダイボンド材を用いて上記接続対象部材に接続された光半導体素子とを備える。
本発明に係る光半導体装置としては、具体的には、例えば、発光ダイオード装置、半導体レーザー装置及びフォトカプラ等が挙げられる。このような光半導体装置は、例えば、液晶ディスプレイ等のバックライト、照明、各種センサー、プリンター及びコピー機等の光源、車両用計測器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライト並びにスイッチング素子等に好適に用いることができる。
上記光半導体素子である発光素子としては、半導体を用いた発光素子であれば特に限定されず、例えば、上記発光素子が発光ダイオードである場合、例えば、基板上にLED形式用半導体材料を積層した構造が挙げられる。この場合、半導体材料としては、例えば、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaAlN、及びSiC等が挙げられる。
上記基板の材料としては、例えば、サファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、及びGaN単結晶等が挙げられる。また、必要に応じ基板と半導体材料との間にバッファー層が形成されていてもよい。上記バッファー層の材料としては、例えば、GaN及びAlN等が挙げられる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光半導体装置を示す正面断面図である。
本実施形態の光半導体装置1は、接続対象部材であるハウジング2と、光半導体素子3とを有する。ハウジング2内にLED素子である光半導体素子3が実装されている。この光半導体素子3の周囲を、ハウジング2の光反射性を有する内面2aが取り囲んでいる。本実施形態では、光半導体により形成された発光素子として、光半導体素子3が用いられている。
ハウジング2の内面2aは、内面2aの径が開口端に向かうにつれて大きくなるように形成されている。従って、光半導体素子3から発せられた光のうち、内面2aに到達した光B1が内面2aにより反射され、光半導体素子3の前方側に進行する。
光半導体素子3は、ハウジング2に設けられたリード電極4に、ダイボンド材5を用いて接続されている。ダイボンド材5は、光半導体装置用ダイボンド材である。光半導体素子3に設けられたボンディングパッド(図示せず)とリード電極4とが、ボンディングワイヤー6により電気的に接続されている。光半導体素子3及びボンディングワイヤー6を封止するように、内面2aで囲まれた領域内には、封止剤7が充填されている。
ダイボンド材5は、光半導体素子3の底部からはみ出してその周囲を囲むように配置されてもよく、光半導体素子3の底部からはみ出さないように配置されてもよい。ダイボンド材5の厚みは、2〜50μmの範囲内であることが好ましい。
光半導体装置1では、光半導体素子3を駆動すると、破線Aで示すように光が発せられる。この場合、光半導体素子3からリード電極4の上面とは反対側すなわち上方に照射される光だけでなく、ダイボンド材5に到達した光が矢印B2で示すように反射される光もある。
なお、図1に示す構造は、本発明に係る光半導体装置の一例にすぎず、光半導体装置の実装構造等には適宜変形され得る。
以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
(第1,第2のシリコーン樹脂)
第1,第2のシリコーン樹脂を以下のようにして合成した。
(合成例1)第1のシリコーン樹脂の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン40g、エチルトリメトキシシラン185g、及びフェニルトリメトキシシラン120gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、塩酸1.2gと水83gとの溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、減圧して揮発成分を除去してポリマーを得た。得られたポリマーにヘキサン150gと酢酸エチル150gとを添加し、イオン交換水300gで10回洗浄を行い、減圧して揮発成分を除去してポリマー(A)を得た。
得られたポリマー(A)の数平均分子量(Mn)は1500であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(A)は、下記の平均組成式(A1)を有していた。
(HMeSiO1/20.20(EtSiO3/20.50(PhSiO3/20.30 …式(A1)
上記式(A1)中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Phはフェニル基を示す。
得られたポリマー(A)のフェニル基の含有比率(アリール基の含有比率)は15.6モル%であった。
なお、合成例1及び合成例2〜9で得られた各ポリマーの分子量は、10mgにテトラヒドロフラン1mLを加え、溶解するまで攪拌し、GPC測定により測定した。GPC測定では、Waters社製の測定装置(カラム:昭和電工社製 Shodex GPC LF−804(長さ300mm)×2本、測定温度:40℃、流速:1mL/min、溶媒:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン)を用いた。
(合成例2)第1のシリコーン樹脂の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン40g、メチルトリメトキシシラン165g、及びフェニルトリメトキシシラン120gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、塩酸1.2gと水83gとの溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、減圧して揮発成分を除去してポリマーを得た。得られたポリマーにヘキサン150gと酢酸エチル150gとを添加し、イオン交換水300gで10回洗浄を行い、減圧して揮発成分を除去してポリマー(B)を得た。
得られたポリマー(B)の数平均分子量(Mn)は1500であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(B)は、下記の平均組成式(B1)を有していた。
(HMeSiO1/20.20(MeSiO3/20.50(PhSiO3/20.30 …式(B1)
上記式(B1)中、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す。
得られたポリマー(B)のフェニル基の含有比率(アリール基の含有比率)は15.6モル%であった。
(合成例3)第1のシリコーン樹脂の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン40g、ビニルメチルジメトキシシラン26g、メチルトリメトキシシラン132g、及びフェニルトリメトキシシラン40gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、塩酸1.2gと水83gとの溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、減圧して揮発成分を除去してポリマーを得た。得られたポリマーにヘキサン150gと酢酸エチル150gとを添加し、イオン交換水300gで10回洗浄を行い、減圧して揮発成分を除去してポリマー(C)を得た。
得られたポリマー(C)の数平均分子量(Mn)は1300であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(C)は、下記の平均組成式(C1)を有していた。
(HMeSiO1/20.20(ViMeSiO2/20.10(MeSiO3/20.60(PhSiO3/20.10 …式(C1)
上記式(C1)中、Meはメチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を示す。
得られたポリマー(C)のフェニル基の含有比率(アリール基の含有比率)は6モル%であった。
(合成例4)第2のシリコーン樹脂の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、トリメチルメトキシシラン62g、ビニルメチルジメトキシシラン78g、及びフェニルトリメトキシシラン81gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、水酸化カリウム0.8gを水114gに溶かした溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、反応液に酢酸0.9gを加え、減圧して揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過により除去して、ポリマー(D)を得た。
得られたポリマー(D)の数平均分子量(Mn)は2000であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(D)は、下記の平均組成式(D1)を有していた。
(MeSiO1/20.30(ViMeSiO2/20.30(PhSiO3/20.40 …式(D1)
上記式(D1)中、Meはメチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を示す。
得られたポリマー(D)のフェニル基の含有比率(アリール基の含有比率)は15.6モル%であった。
(合成例5)第2のシリコーン樹脂の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、トリメチルメトキシシラン62g、ビニルメチルジメトキシシラン78g、メチルトリメトキシシラン66g及びフェニルトリメトキシシラン81gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、水酸化カリウム0.8gを水114gに溶かした溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、反応液に酢酸0.9gを加え、減圧して揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過により除去して、ポリマー(E)を得た。
得られたポリマー(E)の数平均分子量(Mn)は1800であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(E)は、下記の平均組成式(E1)を有していた。
(MeSiO1/20.30(ViMeSiO2/20.30(MeSiO3/20.20(PhSiO3/20.20 …式(E1)
上記式(E1)中、Meはメチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を示す。
得られたポリマー(E)のフェニル基の含有比率(アリール基の含有比率)は8.6モル%であった。
(合成例6)第1のシリコーン樹脂の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン40g、フェニルメチルジメトキシシラン75g、メチルトリメトキシシラン66g、及びフェニルトリメトキシシラン120gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、塩酸1.2gと水83gとの溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、減圧して揮発成分を除去してポリマーを得た。得られたポリマーにヘキサン150gと酢酸エチル150gとを添加し、イオン交換水300gで10回洗浄を行い、減圧して揮発成分を除去してポリマー(F)を得た。
得られたポリマー(F)の数平均分子量(Mn)は2500であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(F)は、下記の平均組成式(F1)を有していた。
(HMeSiO1/20.20(PhMeSiO2/20.30(MeSiO3/20.20(PhSiO3/20.30 …式(F1)
上記式(F1)中、Meはメチル基を、Phはフェニル基を示す。
得られたポリマー(F)のフェニル基の含有比率(アリール基の含有比率)は18.7モル%であった。
(合成例7)第1のシリコーン樹脂の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン40g、ジメチルジメトキシシラン48g、メチルトリメトキシシラン99g、及びフェニルトリメトキシシラン120gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、塩酸1.2gと水83gとの溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、減圧して揮発成分を除去してポリマーを得た。得られたポリマーにヘキサン150gと酢酸エチル150gとを添加し、イオン交換水300gで10回洗浄を行い、減圧して揮発成分を除去してポリマー(G)を得た。
得られたポリマー(G)の数平均分子量(Mn)は2300であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(G)は、下記の平均組成式(G1)を有していた。
(HMeSiO1/20.20(MeSiO2/20.20(MeSiO3/20.30(PhSiO3/20.30 …式(G1)
上記式(G1)中、Meはメチル基を、Phはフェニル基を示す。
得られたポリマー(G)のフェニル基の含有比率(アリール基の含有比率)は10.1モル%であった。
(合成例8)第2のシリコーン樹脂の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、トリメチルメトキシシラン41g、ビニルメチルジメトキシシラン156g、メチルトリメトキシシラン33g、及びフェニルトリメトキシシラン40gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、水酸化カリウム0.8gを水114gに溶かした溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、反応液に酢酸0.9gを加え、減圧して揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過により除去して、ポリマー(H)を得た。
得られたポリマー(H)の数平均分子量(Mn)は1800であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(H)は、下記の平均組成式(H1)を有していた。
(MeSiO1/20.20(ViMeSiO2/20.60(MeSiO3/20.10(PhSiO3/20.10 …式(H1)
上記式(H1)中、Meはメチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を示す。
得られたポリマー(H)のフェニル基の含有比率(アリール基の含有比率)は4.3モル%であった。
(合成例9)第2のシリコーン樹脂の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、トリメチルメトキシシラン41g、ジメチルジメトキシシラン24g、ビニルメチルジメトキシシラン78g、メチルトリメトキシシラン66g、及びフェニルトリメトキシシラン80gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、水酸化カリウム0.8gを水114gに溶かした溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、反応液に酢酸0.9gを加え、減圧して揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過により除去して、ポリマー(I)を得た。
得られたポリマー(I)の数平均分子量(Mn)は1900であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(I)は、下記の平均組成式(I1)を有していた。
(MeSiO1/20.20(MeSiO2/20.10(ViMeSiO2/20.30(MeSiO3/20.20(PhSiO3/20.20 …式(I1)
上記式(I1)中、Meはメチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を示す。
得られたポリマー(I)のフェニル基の含有比率(アリール基の含有比率)は8.2モル%であった。
(アルコキシ化合物)
実施例及び比較例では、下記のアルコキシ化合物を用いた。
(1)ジルコニウムテトラメトキシド(ヤマナカヒューテック社製)
(2)トリイソプロポキシアルミニウム(ヤマナカヒューテック社製)
(3)テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン(日本曹達社製)
(4)チタニウム−イソプロポキシオクチレングリコレート(日本曹達社製)
(5)テトライソプロポキシチタン(ヤマナカヒューテック社製)
(6)テトラ−n−ブトキシチタン(ヤマナカヒューテック社製)
(7)ジブチル錫ジラウレート(三共化学工業製)
(実施例1)
ポリマーA5重量部、ポリマーD5重量部、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(ヒドロシリル化反応用触媒)0.2重量部、アルコキシ化合物であるジルコニウムテトラメトキシド(ヤマナカヒューテック社製)2重量部及び酸化珪素微粒子(AEROSIL RY200、及びポリジメチルシロキサン基を有する有機ケイ素化合物により表面処理された酸化ケイ素粒子、比表面積120m/g、日本アエロジル社製)2.2重量部を混合し、脱泡を行い、光半導体装置用ダイボンド材を得た。
(実施例2〜11及び比較例1〜5)
使用した材料の種類及び配合量を、下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、光半導体装置用ダイボンド材を得た。
(評価)
(1)25℃における粘度の測定
E型粘度計(TV−22型、東機産業社製)を用いて、光半導体装置用ダイボンド材に用いたシリコーン樹脂(第1,第2のシリコーン樹脂)の25℃における10rpmでの粘度(mPa・s)を測定した。
(2)接着性(ダイシェア強度)
AgメッキしたCu基板上に、接着面積が3mm×3mmになるように光半導体装置用ダイボンド材を塗布し、3mm角のSiチップを載せて、テストサンプルを得た。
得られたテストサンプルを150℃で3時間加熱し、ダイボンド材を硬化させた。次に、ダイシェアテスター(アークテック社製「DAGE 4000」)を用いて、300μ/秒の速度で、185℃でのダイシェア強度を評価した。
[ダイシェア強度の判定基準]
○○:ダイシェア強度が1800g以上
○:ダイシェア強度が1000g以上、1800g未満
×:ダイシェア強度が1000g未満
(3)ワイヤーボンディング時におけるワイヤーボンダビリティー
ダイボンダー(キャノンマシナリー社製「BESTEM−D01R」)を用いて、銀メッキされた銅基板上に得られた光半導体装置用ダイボンド材を、厚みが5μmでダイボンド材上に積層される光半導体素子の大きさとなるように塗布し、ダイボンド層を形成した。次に、ダイボンド層上に光半導体素子を積層し、積層体を得た。
得られた積層体を150℃で3時間加熱し、ダイボンド層を硬化させた。次に、ダイボンド層上の光半導体素子上に設けられた電極パッド上にワイヤーボンディングを行った。このときのワイヤーボンダビリティーを下記の基準で判定した。
[ワイヤーボンダビリティーの判定基準]
○○:1000サンプル中ワイヤーボンドNG(不良)無し
○:1000サンプル中ワイヤーボンドNG1サンプル
△:1000サンプル中ワイヤーボンドNG2サンプル
×:1000サンプル中ワイヤーボンドNG3サンプル以上
(4)耐熱クラック特性
AgメッキしたCu基板上に、接着面積が3mm×3mmになるように光半導体装置用ダイボンド材を塗布し、3mm角のSiチップを載せた。その後、150℃で3時間加熱し、ダイボンド材を硬化させ、硬化物により上記基板と上記Siチップとが接合された接合体(テストサンプル)を得た。得られた接合体1000個をオーブン内に入れ、270℃で5分間加熱した。
加熱後の接合体1000個中、クラックが生じている接合体の数を数え、耐熱クラック特性を下記の判定基準で判定した。
[耐熱クラック特性の判定基準]
○○:1000サンプル中、硬化物にクラックが発生したサンプル(不良)無し
○:1000サンプル中、1サンプルで硬化物にクラックが発生した
△:1000サンプル中、2サンプルで硬化物にクラックが発生した
×:1000サンプル中、3サンプル以上で硬化物にクラックが発生した
(5)耐冷熱サイクル特性
AgメッキしたCu基板上に、接着面積が3mm×3mmになるように光半導体装置用ダイボンド材を塗布し、3mm角のSiチップを載せた。その後、150℃で3時間加熱し、ダイボンド材を硬化させ、硬化物により上記基板と上記Siチップとが接合された接合体(テストサンプル)を得た。得られたテストサンプル1000個を用いて、かつ液槽式熱衝撃試験機(ESPEC社製「TSB−51」)を用いて、−50℃で5分間保持した後、135℃まで昇温し、135℃で5分間保持した後−50℃まで降温する過程を1サイクルとする冷熱サイクル試験を実施した。1000サイクル後に接合体1000個中、クラックが生じている接合体の数を数え、耐冷熱サイクル特性を下記の基準で判定した。
[耐冷熱サイクル特性の判定基準]
○○:1000サンプル中、硬化物にクラックが発生したサンプル(不良)無し
○:1000サンプル中、1サンプルで硬化物にクラックが発生した
△:1000サンプル中、2サンプルで硬化物にクラックが発生した
×:1000サンプル中、3サンプル以上で硬化物にクラックが発生した
結果を下記の表1に示す。下記の表1において、上記(1)25℃における粘度の測定の結果を、成分欄に括弧書きで示した。
1…光半導体装置
2…ハウジング
2a…内面
3…光半導体素子
4…リード電極
5…ダイボンド材
6…ボンディングワイヤー
7…封止剤

Claims (7)

  1. 珪素原子に結合した水素原子を有する第1のシリコーン樹脂と、
    珪素原子に結合した水素原子を有さず、かつアルケニル基を有する第2のシリコーン樹脂と、
    ヒドロシリル化反応用触媒と、
    アルコキシ基を有するアルコキシ化合物とを含み、
    前記アルコキシ化合物が、IUPACの周期表における原子番号が40までの4価の4族原子を有するアルコキシ化合物、IUPACの周期表における原子番号が40までの2価の12族原子を有するアルコキシ化合物、又はIUPACの周期表における原子番号が40までの3価の13族原子を有するアルコキシ化合物である、光半導体装置用ダイボンド材。
  2. 前記アルコキシ化合物が、チタン原子を有するアルコキシ化合物である、請求項1に記載の光半導体装置用ダイボンド材。
  3. 前記チタン原子を有するアルコキシ化合物が、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、チタニウム−イソプロポキシオクチレングリコレート、テトライソプロポキシチタン、又はテトラ−n−ブトキシチタンである、請求項2に記載の半導体装置用ダイボンド材。
  4. フュームドシリカをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光半導体装置用ダイボンド材。
  5. 前記第1のシリコーン樹脂が、アリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第1のシリコーン樹脂であり、
    前記第2のシリコーン樹脂が、珪素原子に結合した水素原子を有さず、かつアリール基及びアルケニル基を有する第2のシリコーン樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光半導体装置用ダイボンド材。
  6. 前記第1のシリコーン樹脂が、下記式(1A)で表され、かつアリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第1のシリコーン樹脂であり、
    前記第2のシリコーン樹脂が、下記式(51A)で表され、かつ珪素原子に結合した水素原子を有さず、かつアリール基及びアルケニル基を有する第2のシリコーン樹脂であり、
    前記第1のシリコーン樹脂がジメチルシロキサン骨格を有さず、かつ前記第2のシリコーン樹脂がジメチルシロキサン骨格を有さない、請求項5に記載の光半導体装置用ダイボンド材。
    前記式(1A)中、a、b及びcは、a/(a+b+c)=0.05〜0.50、b/(a+b+c)=0〜0.20及びc/(a+b+c)=0.30〜0.90を満たし、R1〜R6は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個が水素原子を表し、アリール基及び水素原子以外のR1〜R6は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。但し、前記式(1A)中、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位は、R4及びR5の双方がメチル基ではなく、ジメチルシロキサン構造単位ではない。
    前記式(51A)中、p、q及びrは、p/(p+q+r)=0.05〜0.50、q/(p+q+r)=0.05〜0.50及びr/(p+q+r)=0.05〜0.50を満たし、R51〜R56は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アリール基及びアルケニル基以外のR51〜R56は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。但し、前記式(51A)中、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位は、R54及びR55の双方がメチル基ではなく、ジメチルシロキサン構造単位ではない。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項の光半導体装置用ダイボンド材と、
    接続対象部材と、
    前記光半導体装置用ダイボンド材を用いて前記接続対象部材に接続された光半導体素子とを備える、光半導体装置。
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