JP5495838B2 - 電解効果型トランジスタ - Google Patents

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Description

本発明は、電界効果型トランジスタに係り、特に、分極電荷埋め込みチャネル構造の電界効果型トランジスタに関する。
窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor(FET)、GaN系FET、ヘテロ構造電界効果トランジスタ(Heterostructure Field Effect Transistor: HFET)を含む)は、次世代の高温、高出力、高耐圧の高周波トランジスタとして非常に有望であり、実用化に向けて現在盛んに研究が行われている。
上記したFETのうちGaN系のHFETは、通常、極性面上(すなわちc軸方向)に形成されるため、ヘテロ界面に大きな分極電荷が存在する。このため、キャリア供給のためのドーピングを施さなくても、伝導に寄与するキャリア(チャネル電子(2次元電子))がチャネルに誘起される。
このため、GaN系のHFETは、大電流が得られやすいという有利な面があるため、一般的に、いわゆるデプレション型のデバイス動作に向いている。また、これと相反するエンハンスメント型のデバイス動作も可能ではあることが報告されているものの、エンハンスメント型のデバイス動作には不向きであり、高い正のしきい値電圧を得ることが困難であることが、非特許文献1に記載されている。
なお、デプレション型のデバイスとは、しきい値電圧が負の値であって、ノーマリーオン型とも呼ばれるデバイスである。デプレション型のデバイス動作とは、ゲートに電圧を印加しない状態、すなわちゲート電圧ゼロの場合であってもドレイン電圧の印加によってドレイン電流が流れ、ゲートに負の電圧を印加することによってドレイン電流がゼロになる(すなわちピンチオフする)デバイス動作をいう。
一方、エンハンスメント型のデバイスとは、しきい値電圧が正の値であって、ノーマリーオフ型とも呼ばれるデバイスである。エンハンスメント型のデバイス動作とは、ゲートに電圧を印加しない状態、すなわちゲート電圧ゼロの場合にはドレイン電圧の印加によってもドレイン電流が流れず、ゲートに正の電圧を印加することによってドレイン電流が流れるデバイス動作をいう。
以下、このようなGaN系のエンハンスメント型の電界効果トランジスタ(以下、簡単のため、GaN系エンハンスメント型FETと記す)のデバイス動作について、より詳細に説明する。
図6は、従来のGaN系エンハンスメント型FETを説明するための図である。図示したGaN系エンハンスメント型FETでは、極性面である+c面((0001)面)上に、障壁層半導体605、チャネル層半導体606による障壁層半導体/チャネル層半導体へテロ構造が形成されている。
障壁層半導体/チャネル層半導体へテロ構造上には、ソース電極601、ゲート電極602、ドレイン電極603が形成されている。GaN系エンハンスメント型FETにあっては、ゲート電極602の下方に存在する障壁層半導体605の層の厚さ(以降、「層厚」と記す)が一般に小さいことが特徴となっている。
図6に示した構造では、高いゲート耐圧を得るために、ゲート電極602と障壁層半導体605の間に絶縁膜が挿入された、いわゆる絶縁ゲート(あるいはMIS(MIS:Metal-Insulator-Semiconductor))構造が用いられている。また、図6に示した構造では、低いソース抵抗を得るために、ソース電極601、ゲート電極602間、及びゲート電極602、ドレイン電極603間の障壁層半導体605の層厚が、ゲート電極602の下方に存在する障壁層半導体605の層厚に比べて大きい、いわゆるリセスゲート構造が用いられている。
図7は、図6に示したGaN系エンハンスメント型FETの、ゲート電極602の下方に存在する障壁層半導体605(以下、チャネルと記す)の層構造のポテンシャル(以下、チャネル・ポテンシャルと記す)の形状を模式的に示したものである。
図6に示した障壁層半導体/チャネル層半導体へテロ界面には正の分極電荷が存在するため、半導体基板にキャリア供給のためのドーピングが施されていなくても、2次元電子がチャネルのヘテロ界面近傍に誘起される。図7には、誘起された2次元電子がチャネル電子となっている様子が示されている。
GaN系エンハンスメント型FETのチャネル構造は、その特徴として、障壁層半導体605の層厚が薄く設計されている。このため、障壁層半導体の層厚がより大きいデプレション型FETに比べて2次元電子濃度が低くなる。その結果、GaN系エンハンスメント型FETでは、しきい値電圧が正の方向に移動することにより、エンハンスメント型のデバイス動作が擬似的に実現される。
M. Asif Khan, Q. Chen, C. J. Sun, J. W. Yang, and M. Blasingame, Enhancement and depletion mode GaN/AlGaN heterostructure fieldeffect transistors. Appl. Phys. Stat. Lett. 68(4), 514 (1996).
しかしながら、電力応用においては、デプレション型のデバイス動作と同時に、エンハンスメント型のデバイス動作の実現が必須である。そこで、通常の極性面上(すなわちc軸方向)に形成するエンハンスメント型のデバイスにおいて高い正のしきい値が実現可能なFETを開発することが強く望まれていた。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであって、チャネル構造を変更することなく、チャネルのしきい値電圧がより高いエンハンスメント型の電界効果型トランジスタを提供することを目的とする。
以上述べた課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の電界効果トランジスタは、複数層の窒化物半導体を有する電界効果トランジスタにおいて、前記複数層の窒化物半導体のうち、電界効果トランジスタにおける電気伝導に寄与するキャリアが走行するチャネル層半導体(例えば図4に示したチャネル層半導体102)と、前記チャネル層半導体よりも下層にあって、当該チャネル層半導体よりもバンドギャップの大きい窒化物半導体からなる下方障壁層半導体(例えば図4に示した下方障壁層半導体104)と、前記チャネル層半導体と前記下方障壁層半導体との間にあって、バンドギャップが前記下方障壁層半導体のバンドギャップより大きい薄高障壁層半導体(例えば図4に示した薄高障壁層半導体103)と、を含む層構造を有し、前記薄層高障壁層半導体のバンドギャップ及び厚さが、前記チャネル層半導体のバンド端と前記下方障壁層半導体のバンド端の位置が略一致するよう設定されていることを特徴とする。
このような発明によれば、見かけ上、従来構造のチャネル層半導体中に負の分極電荷を埋め込んだものと同等の状況が実現でき、その結果、チャネル層半導体のポテンシャルが高くなり、高い正のしきい値が実現される。
また、チャネル層半導体のポテンシャルを高くし、しかも下方障壁層半導体と薄高障壁層半導体とのへテロ界面近傍に副次的チャネルが発生することを防ぐことができる。
また、請求項に記載の電界効果型トランジスタは、請求項において、前記チャネル層半導体と前記薄層高障壁半導体との界面に発生する分極電荷と、前記薄層高障壁半導体と前記下方障壁層半導体との界面に発生する分極電荷とによって、前記薄高障壁層半導体内部に形成される電界と、前記薄高障壁層半導体の厚さとの積によって与えられる前記薄高障壁層半導体の両端でのバンド端位置の差が、前記チャネル層半導体と前記下方障壁層半導体とのバンド端位置の差に略等しいことを特徴とする。
このような発明によれば、薄高障壁層半導体内部に形成される電界と薄高障壁層半導体の厚さとの積により、チャネル層半導体のポテンシャルを高くし、しかも下方障壁層半導体と薄高障壁層半導体とのへテロ界面近傍に副次的チャネルが発生することを防ぐことができる。
請求項に記載の電界効果型トランジスタは、請求項1または2において、GaN系電界効果型トランジスタ、またはヘテロ構造電界効果トランジスタ(Heterostructure Field Effect Transistor:HFET)であることを特徴とする。
このような発明によれば、GaN系電界効果型トランジスタ、ヘテロ構造電界効果トランジスタに本発明の電界効果型トランジスタを適用することができる。
請求項に記載の電界効果型トランジスタは、請求項1、2または3において、前記薄高障壁層半導体の厚さが、0.5nm以上、5nm以下であることを特徴とする。
このような発明によれば、チャネル層半導体のポテンシャルを高くし、しかも下方障壁層半導体と薄高障壁層半導体とのへテロ界面近傍に副次的チャネルが発生することを防ぐ薄高障壁層半導体の厚さを最適化することができる。
本発明は、チャネル構造を変更することなく、チャネルのしきい値電圧がより高いエンハンスメント型の電界効果型トランジスタを提供することができる。
本発明の実施形態1、実施形態2の電界効果型トランジスタのチャネル構造を説明するための模式図である。 図1に示した電界効果型トランジスタのチャネル・ポテンシャルの形状を模式的に示した図である。 高障壁層半導体を設けることなく、チャネル層半導体の直下に下方障壁層半導体を設けた場合のチャネル・ポテンシャルの形状を模式的に示した図である。 本発明の実施形態1の電界効果型トランジスタを説明するための図である。 本発明の実施形態2の電界効果型トランジスタを説明するための図である。 従来のGaN系エンハンスメント型FETを説明するための図である。 図6に示したGaN系エンハンスメント型FETのチャネル・ポテンシャルの形状を模式的に示したものである。
以下、本発明の電界効果型トランジスタの実施形態1、実施形態2を説明する。なお、実施形態1、実施形態2でいう電界効果型トランジスタ(Field Effect Transistor(FET)は、GaN系FET、ヘテロ構造電界効果トランジスタ(Heterostructure Field Effect Transistor: HFET)を含むものとする。
(理論)
本明細書では、実施形態1、実施形態2の具体的な構成に先立って、実施形態1、実施形態2の電界効果型トランジスタが作用、効果を奏する理論について説明する。
図1は、本発明の実施形態1、実施形態2の電界効果型トランジスタのチャネル構造を説明するための模式図である。実施形態1、実施形態2の電界効果型トランジスタのチャネル構造は、分極電荷埋め込みチャネル構造である。図示したチャネルは、ゲート電極下に存在する障壁層半導体101、障壁層半導体101と共に障壁層半導体/チャネル層半導体へテロ構造を形成するチャネル層半導体102を有している。
さらに、実施形態1、実施形態2の電界効果型トランジスタは、チャネル層半導体102よりも下層に、チャネル層半導体102よりもバンドギャップの大きい窒化物半導体からなる下方障壁層半導体104を有している。チャネル層半導体102と下方障壁層半導体104との間には、バンドギャップが下方障壁層半導体104のバンドギャップより大きい、薄高障壁層半導体(図中にバンド端整合半導体層とも記す)103が挿入されている。薄高障壁層半導体103は、0.5nm以上、5nm以下の厚さを有するものとする。
このような実施形態1、実施形態2の電界効果型トランジスタは、チャネル層半導体/薄高障壁層半導体/下方障壁層半導体の層構造を有するものであればよく、チャネル層半導体102上の障壁層半導体101の有無に限定されるものではない。なお、障壁層半導体101がある場合、実施形態1、実施形態2の電界効果型トランジスタはHFETとなる。障壁層半導体101がない場合、実施形態1、実施形態2の電界効果型トランジスタはFETとなる。
図2は、図1に示した電界効果型トランジスタのチャネル・ポテンシャルの形状を模式的に示した図である。図1に示したチャネル層半導体/薄高障壁層半導体の界面に発生する分極電荷と、薄高障壁層半導体/下方障壁層半導体の界面に発生する分極電荷は、薄高障壁層半導体103の内部に形成される電界と、薄高障壁層半導体103の厚さ(以降、層厚と記す)との積によって与えられる。
高障壁層半導体103の両端において、バンド端(伝導帯端)位置(バンド端のエネルギー的なレベル)の差は、チャネル層半導体102と下方障壁層半導体104とのバンド端位置の差に等しくなるように設計されている。この結果、薄高障壁層半導体103の両端において、チャネル層半導体102のバンド端と下方障壁層半導体104のバンド端の位置が一致する。図2には、この状態が模式的に示されている。
高障壁層半導体103の両端に生じる正味の分極電荷は負となり、この負電荷によって、チャネル層半導体102のポテンシャルの位置がより高くなる。この結果、2次元電子がより強固に空乏化し、FET動作において高い正のしきい値が実現可能となる。具体的な設計条件は後述するものとする。
次に、図2に示した、薄高障壁層半導体103の両端でチャネル層半導体のバンド端と下方障壁層半導体のバンド端の位置が一致することの意味について説明する。
図3は、薄高障壁層半導体103を設けることなく、チャネル層半導体102の直下に下方障壁層半導体104を設けた場合のチャネル・ポテンシャルの形状を模式的に示した図である。チャネル層半導体102の直上に障壁半導体101が存在するHFETの場合、いわゆるダブル・ヘテロ構造チャネルのチャネル・ポテンシャルの形状に等しい形状のチャネル・ポテンシャルが発生する。
図3において、チャネル層半導体/下方障壁層半導体界面に生じる負の分極電荷は、図2に示した薄高障壁層半導体の正味の負電荷と等量である。そのため、図3においても、チャネル層半導体102のポテンシャルを図2に示した場合と同様に高くすることになる。しかし、図3に示した例では、ヘテロ界面におけるバンド端不連続によって、チャネル層半導体102のポテンシャルは図2におけるチャネル層半導体102のポテンシャルに比べて低くなっている。したがって、図3に示した例は、FET動作におけるしきい値電圧が、図2に示した場合に比べて低くなる。
また、図3に示した場合と反対に、図2に示した薄高障壁層半導体103が、チャネル層半導体102のポテンシャルをさらに高くするために、薄高障壁層半導体103の両端において、チャネル層半導体102のバンド端の位置が、下方障壁層半導体104のバンド端の位置よりも高くなるように設計することが考えられる。しかし、このような場合には、下方障壁層半導体104側の薄高障壁層半導体/下方障壁層半導体へテロ界面近傍に2次元電子が生じ、これが副次的チャネルとして作用するという不具合が生じる。
以上のことから、図2に示したように、薄高障壁層半導体103の両端において、チャネル層半導体102のバンド端の位置と下方障壁層半導体104のバンド端の位置が一致するように設計することにより、上記した副次的チャネルが生じる不具合を回避しながらチャネル層半導体102のポテンシャルを最大限に高めることが可能となる。すなわち、実施形態1、実施形態2の電界効果型トランジスタでは、チャネル層半導体中に負の分極電荷を埋め込んだ構造と見かけ上同等の状況を実現することが可能となる。その結果、チャネル層半導体のポテンシャルが高くなり、デバイス動作において高いしきい値電圧を実現することができる。
(実施形態1)
次に、以上の理論に基づいて構成された、実施形態1の電界効果型トランジスタを説明する。
図4は、本発明の実施形態1の電界効果型トランジスタを説明するための図である。図4中、図1に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を一部略すものとする。
実施形態1の電界効果型トランジスタは、下方障壁層半導体104、薄高障壁層半導体103、チャネル層半導体102、障壁層半導体101を順に積層して構成されている。障壁層半導体101上にはソース電極401、ゲート電極402、ドレイン電極403が形成されている。ソース電極401、ゲート電極402、ドレイン電極403はいずれも金属電極である。また、実施形態1の電界効果トランジスタは、リセスゲート構造を有していて、ゲート電極402下の障壁層半導体101に凹部101aが形成されている。凹部101a内にはゲート絶縁膜404が形成されている。
下方障壁層半導体104は、チャネル層半導体102よりもバンドギャップの大きい窒化物半導体からなる。薄高障壁層半導体103は、下方障壁層半導体104よりも大きいバンドギャップを有し、その層厚は0.5nm以上、5nm以下とする。
高障壁層半導体103のバンドギャップ及び層厚は、チャネル層半導体102のバンド端の位置と下方障壁層半導体104のバンド端の位置が一致するように設計されている。すなわち、チャネル層半導体/薄高障壁層半導体の界面に発生する分極電荷及び薄高障壁層半導体/下方障壁層半導体の界面に発生する分極電荷によって薄高障壁層半導体103内部に形成される電界と、薄高障壁層半導体103の層厚との積によって与えられる薄高障壁層半導体の両端でのバンド端位置の差が、チャネル層半導体102と下方障壁層半導体104とのバンド端位置の差に等しくなるように設計されている。
このことから、実施形態1では、薄高障壁層半導体103を図中にバンド端整合半導体層とも記す。
実施形態1の障壁層半導体101にはAlX1Ga1−X1N(0<X1≦1)、チャネル層半導体102にはGaN、下方障壁層半導体104にはAlX2Ga1−X2N(0<X2≦1)、薄高障壁層半導体103には層厚0.5nm以上、5nm以下のAlX3Ga1−X3N(0<X2<X3<1)が用いられている。
障壁層半導体101の層厚は任意である。下方障壁層半導体104の層厚は任意であるが、バッファ層であるため、一般的に100nm以上であり、多くの場合、1〜3μm程度の厚膜である。薄高障壁層半導体103の層厚は、挿入層として有意であるために0.5nm以上の層厚が必要である。一方、薄高障壁層半導体103の層厚が5nmを超えると、下方障壁層半導体104における薄高障壁層半導体103との界面近傍に2次元電子が生じ得る。このため、薄高障壁層半導体103の層厚の上限は5nmとする。
図4に示した電界効果型トランジスタにおいて、チャネル層半導体102及び下方障壁層半導体104のバンド端の位置の差(バンド端不連続)ΔEは、次式で与えられる。
ΔE=0.75×(6.2−3.4)×X2=2.1×X2 [eV] …式(1)
なお、上記した式において、GaNのバンドギャップは3.4[eV]、AlNのバンドギャップは6.2[eV]。バンド端不連続はバンドギャップ差の0.75倍とする。
また、薄高障壁層半導体103の両端に生じる分極電荷によって薄高障壁層半導体103内部に電界が形成される。形成された電界により、薄高障壁層半導体103の両端に生じるポテンシャルの差ΔEは式(2)で与えられる。式(2)は、系の分極効果の詳細が考慮された最終結果である。式中のdは、薄高障壁層半導体103の層厚を示す。
ΔE=1.02×(X3−X2)×d [eV] …式(2)
したがって、薄高障壁層半導体103のAlX3Ga1−X3N(0<X2<X3<1)のAl組成X3(0<X2<X3<1)と層厚dnm(0.5nm≦d≦5nm)との間に要求される条件は、次の式(3)で与えられる。なお、式(3)は、ΔE=ΔEの条件の下導き出されたものである。
2.1×X2[eV]=1.02×(X3−X2)×d[eV] …式(3)
式(3)により、実施形態1における薄高障壁層半導体103の設計条件は、以下の式(4)、(5)のように表される。
0<X2<X3<1 …式(4)
0.5nm≦d≦5nm) …式(5)
ただし、式(3)の両辺の値の差異が、0.05[eV]以下である場合、実施形態1では物理的に等式が成り立つとみなすことができる。このため、このような場合にも実施形態1の設計条件を満たすものとする。
また、薄高障壁層半導体103は、その挿入位置に係らず電界効果型トランジスタに負電荷を与えることが可能である。このため、薄高障壁層半導体103の挿入位置は任意とする。
実施形態1では、以上説明した設計条件に基づいて、図4に示した電界効果型トランジスタを以下のように構成した。すなわち、実施形態1の電界効果型トランジスタには、障壁層半導体101としてAl0.3Ga0.7Nが使用されている。Al0.3Ga0.7Nの層厚は、ゲート電極402下で2nm、ゲート電極402下以外では20nmである。チャネル層半導体102には層厚40nmのGaN、下方障壁層半導体104には層厚1.5μmのAl0.2Ga0.8Nが用いられている。薄高障壁層半導体103は、層厚2nmのAl0.3Ga0.7Nである。
このような障壁層半導体101、チャネル層半導体102、薄高障壁層半導体103、下方障壁層半導体104は、c面サファイア基板、SiC基板あるいはSi基板上に、有機金属気相成長法(MOVPE: Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)等の結晶成長法によって成長される。このようなプロセスにより、20nmAl0.3Ga0.7N/40nmGaN/2nmAl0.3Ga0.7N/1.5μmAl0.2Ga0.8N構造が形成される。
20nmAl0.3Ga0.7N/40nmGaN/2nmAl0.3Ga0.7N/1.5μmAl0.2Ga0.8N構造を、ドライエッチング法等の周知のプロセス技術によってエッチングすることにより、図4に示したリセスゲート構造が形成される。形成されたリセスゲート構造の凹部101aには、ゲート絶縁膜404として30nmのAl膜が形成される。実施形態1では、以上の工程により、+8Vの高いしきい値電圧を有するエンハンスメント型の電界効果型トランジスタが実現された。
また、実施形態1は、このような構成に限定されるものではない。すなわち、実施形態1は、薄高障壁層半導体103のバンドギャップ及び層厚が、チャネル層半導体102のバンド端の位置と下方障壁層半導体104のバンド端の位置が一致するように設計されていればよい。
したがって、実施形態1は、図4に示したように、障壁層半導体101としてAlX1Ga1−X1N(0<X1≦1)、チャネル層半導体102としてGaN、下方障壁層半導体104としてAlX2Ga1−X2N(0<X2≦1)、薄高障壁層半導体として層厚0.5nm以上、5nm以下のAlX3Ga1−X3N(0<X2<X3<1)を用いるものに限定されるものではなく、他の窒化物半導体を用いるものであってもよい。他の窒化物としては、例えば、AlGaN、nGaN、nN、InAlN、nAlGaN、lNを含むいかなる窒化物半導体であってもよい。
また、実施形態1は、ゲート電極402下以外の構造について図4に示した構造と異なるものであってもよい。例えば、ゲート電極402下以外の領域は、例えば、再成長GaNによって形成されているような場合であっても、ゲート電極402の下方の窒化物半導体チャネル構造が以上説明した特徴を有する限り本発明に含まれる。また、窒化物層半導体の一部あるいは全部に、窒化物層半導体のポテンシャルを高めるために、Mg等のドーパントがドーピングされている場合であっても、ゲート電極402下方の窒化物半導体チャネル構造が以上説明した特徴を有する限り本発明の効果を有する。したがって、このような構成も本発明に含まれることは言うまでもない。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
図5は、本発明の実施形態2の電界効果型トランジスタを説明するための図である。なお、図5において、図1に示した構成と同様の構成については同様の符号を付して示し、説明の一部を略す。
実施形態2の電界効果型トランジスタは、ゲート電極402下の障壁層半導体101が全て除去されている点で実施形態1の電界効果型トランジスタと相違する。実施形態2の電界効果型トランジスタは、ゲート電極402下の障壁層半導体101が完全に除去されているため、一般的にはチャネル電子の移動度が低下するという不利な点を有する。しかし、チャネル層半導体102のポテンシャルがより高くなる結果、より高いしきい値が得られる効果を奏する。
本発明の発明者らは、AlGaN障壁層が完全に除去された実施形態2の電界効果型トランジスタを製造した。この結果、実施形態1の電界効果型トランジスタよりも利得が20%低下するものの、+10Vという、実施形態1の電界効果型トランジスタより高いしきい値電圧を有する電界効果型トランジスタを得ることができた。
本発明は、高温、高出力、高耐圧の高周波化合物半導体電界効果トランジスタに適用することができる。
101、605 障壁層半導体
101a 凹部
102、606 チャネル層半導体
103 薄高障壁層半導体
104 下方障壁層半導体
401、601 ソース電極
402、602 ゲート電極
403、603 ドレイン電極
404 ゲート絶縁膜

Claims (4)

  1. 複数層の窒化物半導体を有する電界効果トランジスタにおいて、
    前記複数層の窒化物半導体のうち、電界効果トランジスタにおける電気伝導に寄与するキャリアが走行するチャネル層半導体と、
    前記チャネル層半導体よりも下層にあって、当該チャネル層半導体よりもバンドギャップの大きい窒化物半導体からなる下方障壁層半導体と、
    前記チャネル層半導体と前記下方障壁層半導体との間にあって、バンドギャップが前記下方障壁層半導体のバンドギャップより大きい薄高障壁層半導体と、
    を含む層構造を有し、
    前記薄層高障壁層半導体のバンドギャップ及び厚さが、前記チャネル層半導体のバンド端と前記下方障壁層半導体のバンド端の位置が略一致するよう設定されている
    ことを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  2. 前記チャネル層半導体と前記薄層高障壁半導体との界面に発生する分極電荷と、前記薄層高障壁半導体と前記下方障壁層半導体との界面に発生する分極電荷とによって、前記薄高障壁層半導体内部に形成される電界と、前記薄高障壁層半導体の厚さとの積によって与えられる前記薄高障壁層半導体の両端でのバンド端位置の差が、前記チャネル層半導体と前記下方障壁層半導体とのバンド端位置の差に略等しいことを特徴とする請求項に記載の電界効果型トランジスタ。
  3. GaN系電界効果型トランジスタ、またはヘテロ構造電界効果トランジスタ(Heterostructure Field Effect Transistor:HFET)であることを特徴とする請求項1または2に記載の電界効果型トランジスタ。
  4. 前記薄高障壁層半導体の厚さが、0.5nm以上、5nm以下であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の電界効果型トランジスタ。
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