JP5488909B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、制動状態を保持可能なピストン保持機能を有するディスクブレーキに関するものである。
自動車等の制動装置として用いられる液圧式のディスクブレーキには、例えば特許文献1に記載されているように、停車中に制動状態のピストンを保持可能なピストン保持機能を備えたものがある。特許文献1に記載されたディスクブレーキは、電動モータによりウォームギヤを介してボールランプ機構を駆動してピストンを推進することにより、ピストンの制動状態及び制動解除状態の切換を行うことができる。このとき、ウォームギヤの不可逆性により、電動モータの通電によらずピストンの制動状態を保持することができる。
特開2006−177532号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているようにウォーム減速機構を用いたピストン保持機能を有するディスクブレーキでは、ウォームギヤは、摩擦損失により伝達効率が低いため、応答性が低いという問題がある。
本発明は、応答性に優れたピストン保持機能を有するディスクブレーキを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、ディスクロータを挟んでその両側に配置される一対のブレーキパッドと、該一対のブレーキパッドの少なくとも一方を前記ディスクロータに押付けるピストンと、該ピストンが挿入されるシリンダとを有し、該シリンダへの液圧の供給によって前記ピストンを推進するキャリパ本体と、該キャリパ本体に設けられて電動モータの回転により前記ピストンを推進し、推進した該ピストンの位置を保持可能なピストン保持機構とを備えたディスクブレーキにおいて、前記ピストン保持機構は、前記電動モータによる回転を増力する減速機構と、該減速機構による回転を直線運動に変換して前記ピストンの推進方向に伸縮する回転直動変換機構と、前記減速機構の回転位置を保持する制動保持機構とを有し、前記減速機構は、前記電動モータによって回転する少なくとも第1の回転部材及び第2の回転部材を有し、前記制動保持機構は、前記第1の回転部材に設けられた係合部に係脱可能な係合部材と、該係合部材を移動可能に支持し、前記第2の回転部材の回転に伴い回転する支持部材とを有し、該支持部材は、前記第2の回転部材が前記ピストンを推進する方向に回転したとき、前記係合部材を前記係合部に係合させる方向に移動させ、前記第2の回転部材が前記ピストンを後退させる方向に回転したとき、前記係合部材を前記係合部から離間させる方向に移動させることを特徴とする。
本発明に係るディスクブレーキによれば、応答性を高めることができる。
第1実施形態に係るディスクブレーキの縦断面図である。 図1に示すディスクブレーキの駐車ブレーキ作動機構の分解斜視図である。 図2に示す駐車ブレーキ作動機構のラチェットプレート及びシャッタプレートの分解斜視図である。 図2に示す駐車ブレーキ作動機構の作動行程を示す図である。 第2実施形態に係るディスクブレーキの縦断面図である。 図5に示すディスクブレーキの駐車ブレーキ作動機構のラチェットレバーの斜視図である。 図2に示す駐車ブレーキ作動機構の作動行程を示す図である。
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、第1実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。
本実施形態に係るディスクブレーキ1は、キャリパ浮動型の液圧式ディスクブレーキであって、車輪(図示せず)とともに回転するディスクロータ2の両側に配置された一対のブレーキパッド3、4と、ディスクロータ2を跨ぐキャリパ本体5と、車両の非回転部分に固定されてブレーキパッド3、4及びキャリパ本体5を移動可能に支持するキャリアCとを備えている。
キャリパ本体5には、一方のブレーキパッド3の裏金6に対向する位置に有底のシリンダ7が形成されている。また、キャリパ本体5には、ディスクロータ2を跨いで他方のブレーキパッド4の裏金8に当接する爪部9が形成されている。シリンダ7の開口側には、有底円筒状のピストン10がピストンシール11を介して摺動可能に挿入されている。ピストン10は、その底部がブレーキパッド3の裏金6に当接、係合して回り止めされている。また、ピストン10とシリンダ7の開口部との間には、蛇腹状のダストシール11Aが取付けられている。
シリンダ7及びピストン10の内部には、液圧室7Aが形成されている。この液圧室7Aの内部には、パッド摩耗追従機構12及び回転直動変換機構であるボール−ランプ機構13が設けられている。また、キャリパ本体5の後端部には、ボール−ランプ機構13を駆動する駐車ブレーキ作動機構14が取付けられている。そして、パッド摩耗追従機構12、ボール−ランプ機構13及び駐車ブレーキ作動機構14によってピストン保持機構に相当する駐車ブレーキ機構Pを構成している。液圧室7Aには、マスタシリンダ等の液圧源(図示せず)が接続されている。
パッド摩耗追従機構12は、調整ナット15及びプッシュロッド16を備えている。調整ナット15は、ピストン10内に回転可能に支持され、ウェーブワッシャ17のバネ力によってスラストワッシャ18を介して押圧されてピストン10に摩擦係合している。調整ナット15とプッシュロッド16とは、多条ネジによって互いに螺合しており、回転−直線運動が相互に変換可能となっている。調整ナット15とプッシュロッド16とは、そのネジ部にビルトインクリアランスとよばれる隙間(バックラッシュ)が設けられており、相対回転することなく、その隙間の分だけ相互に直線移動できるようになっている。プッシュロッド16は、バネ19(後述)によってシリンダ7の底部側へ付勢され、また、その軸回りの回転が規制されている。
ボール−ランプ機構13は、互いに対向して配置された円板状の回転直動部材20及び固定部材21と、これらの間に介装された転動体である複数のボール22とを含んでいる。固定部材21は、シリンダ7の底部に当接して軸方向に対して固定され、また、ピン24によって軸回りの回転方向に対しても固定されている。回転直動部材20には、一端部から突出する軸部25が一体に形成されている。軸部25は、固定部材21及びシリンダ7の底部を貫通して、シリンダ7の外部へ延出され、シリンダ7と底部との間がシール26によってシールされている。回転直動部材20は、固定部材21に対して回転及び軸方向に移動可能に支持されている。
そして、回転直動部材20及び回転部材21の対向面に円周方向に沿って複数形成された傾斜溝20A、21A間にボール22が装填され、回転直動部材20の回転運動を傾斜溝20A、21A間のボール22の転動により、回転直動部材20の軸方向に沿った直線運動に変換するようになっている。
回転直動部材20の他端部には、スラストベアリング27を介してプッシュロッド16のフランジ状の基端部が当接している。シリンダ7の内部にカップ状のバネ受28が固定され、バネ受28とプッシュロッド16の基端部との間にバネ19(圧縮コイルバネ)が介装されている。そして、バネ19のバネ力によってプッシュロッド16及び回転直動部材20をシリンダ7の底部側へ付勢している。プッシュロッド16は、その基端部がバネ受28に係合することにより、軸回りの回転が規制されている。
キャリパ本体5の後端部(シリンダ7の底部側の端部)には、駐車ブレーキ作動機構14を収容するハウジング29が取付けられている。ハウジング29内には、電動モータ30、電動モータ30に連結された減速機構である遊星歯車機構31、遊星歯車機構31とボール−ランプ機構13との間に介装された減速機構である平歯車減速機構32、及び、平歯車減速機構32の回転位置を保持するための制動保持機構33が設けられている。これらの各機構及び電動モータ30の回転軸は、互いに平行に配置され、また、これらは、前部プレート34、後部プレート35及び中間プレート36によって支持されてサブアセンブリすることができる。
前部プレート34の上端部は、後方に折曲されて後部プレート35の上端部にボルト37及びナット38によって結合されている。前部プレート34の下部と中間プレート36の上部と後部プレート35の中間部とは、これらを貫通する軸39によって互いに結合されている。また、後部プレート35の下端部は、前方に折曲されて中間プレート36の下端部にボルト40及びナット41によって結合されている。これにより、前部、後部及び中間プレート34、35、36が一体化されている。
電動モータ30は、ハウジング29内のキャリパ本体5の外周に配置され、前部プレート34にモータホルダ43を介して取付けられている。そして、前部、後部、中間プレート34、35、36及び電動モータ30は、ハウジング29と、ハウジング29の後部を密閉する後部カバー42とで、ゴム、合成樹脂等のクッション材29A、29B、29C、29Dを介して挟持されて固定されている。前部プレート34及びモータホルダ43に挿通された電動モータ30の回転軸30Aの先端部には、遊星歯車機構31のサンギヤ44が取付けられている。電動モータ30としては、ACモータ、DCモータ、その他の公知の電動モータを用いることができる。
遊星歯車機構31は、モータ30の回転軸30Aに取付けられたサンギヤ44と、サンギヤ44に噛合う複数(図示の例では3つ)のプラネタリギヤ45と、複数のプラネタリギヤ45に噛合う第2の回転部材であるリングギヤ46と、複数のプラネタリギヤ45をシャフト47によって片持ち支持する第1の回転部材である遊星キャリア48とを備えている。
リングギヤ46は、電動モータ30を固定するモータホルダ43の円筒状のボス部43Aによって回転可能に支持され、モータホルダ43と、遊星キャリア48に取付けられた後述するワッシャ49によって軸方向に支持されている。リングギヤ46の外周部には、外歯50が形成されている。
遊星キャリア48は、プラネタリギヤ45を支持するシャフト47が圧入された環状のラチェットプレート51の中心部からシャフト47とは反対側に延びる中空の軸部が一体に形成され、軸部は外周に外歯が設けられてピニオン部52を形成している。遊星キャリア48の軸部には、メインシャフト53が圧入されている。メインシャフト53の一端部は、ピニオン部52の端部から突出し、他端部は、ラチェットプレート51の内部に突出し、その先端部にキャリアホルダ54が取付けられている。キャリアホルダ54は、大径の円筒部54Aと小径円筒状の圧入部54Bとを3つのアーム部54Cによって結合した形状であり、圧入部54Bにメインシャフト53を圧入することにより、遊星キャリア48に固定されている。そして、ワッシャ49が3つのアーム部54Cに外嵌され、円筒部54Aの端部に当接してプラネタリギヤ45を軸方向に支持している。3つのアーム部54Cは、3つのプラネタリギヤ45と干渉しないように、これらの間に配置されている。遊星キャリア48は、ピニオン部52から突出したメインシャフト53によって後部プレート35に回転可能に支持され、キャリアホルダ54の円筒部54Aによってモータホルダ43のボス部43Aに回転可能に支持されている。
平歯車減速機構32は、後部プレート35と中間プレート36との間に配置され、遊星キャリア48のピニオン部52に噛合う大径の第1平歯車55と、第1平歯車55の軸部に形成された小径の第1ピニオン部55Aに噛合う大径の第2平歯車56とを備えている。第1平歯車55は、軸39によって回転可能に支持されている。第2平歯車56は、中空の軸部56Aが中間プレート36の軸受部36Aに回転可能に挿通され、ボール−ランプ機構13の回転直動部材20の軸部25の先端部にスプライン結合されて、軸部25に対して、回転方向に固定されるとともに軸方向に沿って移動可能となっている。
制動保持機構33は、前部プレート34と中間プレート36との間に配置され、リングギヤ46の外歯50に噛合う外歯57Aを有する扇形の支持部材であるレバーホルダ57と、遊星キャリア48のラチェットプレート51の係合部であるラチェット歯51Aに係合可能な爪部58Aを有する係合部材であるラチェットレバー58と、ラチェットレバー58を付勢する弾性部材であるトーションバネ59と、ラチェットプレート51に隣接して設けられたシャッタプレート60とを備えている。
レバーホルダ57は、ピン61によって前部プレート34及び中間プレート36に回転可能に支持されている。そして、円周方向に沿って円弧状に延びる長穴57Bが形成されて、長穴57Bに、カラー39Aが外嵌された軸39を挿通することにより、その回転範囲が規制されている。ラチェットレバー58は、基端部がピン62によってレバーホルダ57に回転可能に支持されている。ピン62は、レバーホルダ57の回転軸であるピン61からオフセットして配置されている。ラチェットプレート51のラチェット歯51Aは、一側が接線方向に対して略直交する面であるのに対して他側は傾斜面となっており、ラチェットレバー58の爪部58Aが係合したとき、ラチェットプレート51の一方の回転に対しては、爪部58Aが突当たることにより、その回転を阻止し、他方の回転に対しては、爪部58Aが傾斜面に沿って移動することにより、その回転を許容するようになっている。
トーションバネ59は、コイル状に巻かれたバネ部材の両端部を接線方向に延ばし、これらの先端を折曲した形状となっている。トーションバネ59の先端のうち、一端部は中間プレート36の係止穴36Bに回動可能係止され、また、他端部はラチェットレバー58の中間部に設けられた係止穴58Bに回動可能係止されている。そして、トーションバネ59は、レバーホルダ57の回動位置に応じて、ラチェットレバー58をラチェットプレート51に接近する方向(図3(A)のX方向)又は離間する方向(図3(E)のY方向)に付勢する。すなわち、トーションバネ59は、レバーホルダ57の回動位置に応じて付勢方向が切り換わるようになっている。ラチェットレバー58の爪部58Aの側面部には、ストッパ58Dが突出されており、ストッパ58Dが中間プレート36の側面の当接部36Cに当接することにより、ラチェットレバー58の軸39へ向う方向への回転を制限するようになっている。
図4(A)に示すように、レバーホルダ57が最も反時計回り(ディスクブレーキ1の後方(後部カバー42側)から見た場合をいい、以下、同じ。)に回転した位置にあるとき、トーションバネ59は、そのバネ力により、ラチェットレバー58を爪部58Aがラチェットプレート51から離間する方向に付勢すると共に、レバーホルダ57を反時計回りの方向に付勢するようになっている。また、図4(E)に示すように、レバーホルダが最も時計回りに回転した位置にあるとき、トーションバネ59は、そのバネ力により、ラチェットレバー58を爪部58Aがラチェットプレート51に接近する方向に付勢すると共に、レバーホルダ57を時計回りの方向に付勢するようになっている。
シャッタプレート60は、外周部にラチェットプレート51のラチェット歯51Aと同様の形状のシャッタ歯60Aが形成されている。シャッタプレート60は、スリーブ63によって後部プレート35に、ラチェットプレート51と同心で回転可能に支持されている。また、シャッタプレート60は、その回転に対して適度な抵抗が付与されており、抵抗を付与する手段としては、シャッタ60とスリーブ63又は後部プレート35との間に、皿バネ、ウェーブワッシャ等を設けてもよい。図3に示すように、ラチェットプレート51とシャッタプレート60とは、互いに係合する係合凹部51B及び係合凸部60Bが設けられており、これらの係合によって相対回転が一定範囲に制限されている。
そして、図4(A)に示すように、ラチェットプレート51がシャッタプレート60に対して、最も反時計回りに回転した位置にあるとき、ラチェット歯51Aとシャッタ歯60Aの山と山、谷と谷どうしが重なり、ラチェット歯51Aにラチェットレバー58の爪部58Aが係合可能となる。また、図4(C)に示すように、ラチェットプレート51がシャッタプレート60に対して、最も時計回りに回転した位置にあるとき、シャッタ歯60Aの山がラチェット歯51Aの谷と重なり、ラチェット歯51Aにラチェットレバー58の爪部58Aが係合できなくなる。
電動モータ30には、マイクロコンピュータベースの電子制御装置である駐車ブレーキ制御ユニット64が接続されている。駐車ブレーキ制御ユニット64は、運転者による駐車ブレーキスイッチ65の操作に基づき、電動モータ30に制御電流を供給して、電動モータ30の作動を制御する。
以上のように構成したディスクブレーキ1の作動について次に説明する。
ディスクブレーキ1を液圧式のサービスブレーキとして使用する場合について説明する。
マスタシリンダ等の液圧源から液圧室7Aへ液圧を供給すると、ピストン10がピストンシール11を撓ませながら前進して、一方のブレーキパッド3をディスクロータ2に押圧し、その反力によってキャリパ本体5が移動して爪部9が他方のブレーキパッド4をディスクロータ2に押圧する。これにより、ブレーキパッド3、4がディスクロータ2の両側から押付けられて、車輪とともに回転するディスクロータ2の回転を制動する。液圧源からの液圧が解除されると、ピストン10は、ピストンシール11の弾性によって原位置まで後退して、制動が解除される。このとき、ブレーキパッド3、4の摩耗がない場合には、ピストン10は、調整ナット15とプッシュロッド16とのネジ部のビルトインクリアランス(隙間)の範囲内で進退動するので、パッド摩耗追従機構12は作動しない。
ブレーキパッド3、4が摩耗している場合には、制動時にピストン10は、調整ナット15とプッシュロッド16とネジ部の隙間の範囲を超えて前進する。このとき、ピストン10とピストンシール11との間に滑りが生じるとともに、調整ナット15とピストン10との摩擦係合が緩んでプッシュロッド16に対して調整ナット15が回転してパッド摩耗追従機構12が伸長する。これにより、パッド摩耗追従機構12は、ピストン10及び回転直動部材20(スラストベアリング27)に当接した状態を維持することができ、ブレーキパッド3、4の摩耗を補償することができる。
次にディスクブレーキ1を駐車ブレーキとして使用する場合の駐車ブレーキ機構Pの作動について、主に図4を参照して説明する。
非制動状態では、図4(A)に示すように、レバーホルダ57は、最も反時計回りの方向に回転した位置にあり、トーションバネ59のバネ力により、ラチェットレバー58は、爪部58Aがラチェットプレート51から離間するように付勢され、また、レバーホルダ57は反時計回りの方向に付勢されている。
駐車ブレーキを作動させる場合は、駐車ブレーキスイッチ65を操作して、駐車ブレーキ制御ユニット64によって制御電流を供給して電動モータ30の回転軸30Aすなわち遊星歯車機構31のサンギヤ44を時計回りの方向に回転させる。このとき、トーションバネ59のバネ力により、レバーホルダ57及びこれと噛合うリングギヤ46の回転位置が保持され、図4(B)に示すように、遊星キャリア48すなわちラチェットプレート51が時計回りの方向に回転する。これにより、遊星キャリア48のピニオン部52に噛合う平歯車減速機構32の第1平歯車55が回転し、更に、第1平歯車55のピニオン部55Aに噛合う第2平歯車56が回転し、ボール−ランプ機構13の回転直動部材20を回転させる。回転直動部材20は、この回転によりボール溝20A、21間のボール22が転動することによって前進し、パッド摩耗追従機構12を介してピストン10を推進させる。そして、ピストン10がブレーキパッド3、4をディスクロータ2に押圧して制動力を発生させる。
制動力の発生に伴い、ボール−ランプ機構13の反力が増大すると、図4(C)に示すように、リングギヤ46が反時計回りの方向に回転し、トーションバネ59のバネ力に抗してレバーホルダ57を時計回りの方向に回転させる。そして、図4(D)に示すように、レバーホルダ57が最も時計回りに回転した位置に達して、トーションバネ59のバネ力の方向が変化し、ラチェットレバー58を爪部58Aがラチェットプレート51に接近する方向に付勢する。
このとき、ラチェットプレート51の時計回りの方向の回転に対して、シャッタプレート60には回転抵抗が作用しているため、これらの間に相対回転が生じる。これにより、シャッタ歯60Aの山がラチェット歯51Aの谷と重なり、ラチェット歯51Aにラチェットレバー58の爪部58Aが係合できなくなり、その後、この状態でシャッタプレート60はラチェットプレート51と一体に回転する。したがって、ラチェットレバー58の爪部58Aは、ラチェット歯51Aに係合しないので、打音(ラチェット音)が発生せず、作動音を低減することができる。なお、ラチェット音の発生が問題とならない場合には、シャッタプレート60を省略してもよい。
所望の制動力に達した後、駐車ブレーキ制御ユニット64により、電動モータ30への制御電流を減少させると、図4(E)に示すように、制動力の発生によるディスクロータ2とブレーキパッド3、4からの反力により、ボール−ランプ機構13の回転直動部材20が逆回転し、ラチェットプレート51が反時計回りの方向に回転して、シャッタプレート60との間に相対回転が生じてラチェット歯51A及びシャッタ歯60Aの山と山、谷と谷どうしが重なり、ラチェット歯51Aにラチェットレバー58の爪部58Aが係合可能となる。これにより、トーションバネ59のバネ力により、ラチェットレバー58の爪部58Aがラチェット歯51Aに係合してラチェットプレート51の反時計回りの方向の回転を阻止し、その回転位置を保持する。このようにして、電動モータ30への制御電流を停止した後も制動状態を保持することができる。
このとき、遊星歯車機構31では、制動時の反力により、遊星キャリア48に反時計回りの方向のトルクが作用しているとき、リングギヤ46にも反時計回りの方向のトルクが作用し、また、ラチェットプレート51からラチェットレバー58に作用する力は、レバーホルダ57を時計回りの方向に付勢するトルクを生じるので、レバーホルダ57の位置は保持される。したがって、制動力の大小にかかわらず、確実に制動状態を保持することができる。
駐車ブレーキを解除する場合は、駐車ブレーキスイッチ65を操作して、駐車ブレーキ制御ユニット64により、制御電流を供給して電動モータ30の回転軸30Aすなわち遊星歯車機構31のサンギヤ44を反時計回りの方向に回転させる。このとき、ラチェットレバー58の爪部58Aの係合により、ラチェットプレート51すなわち遊星キャリア48の反時計回りの方向の回転が阻止されているので、図4(F)に示すように、リングギヤ46が時計回りの方向に回転する。これにより、図4(G)に示すように、ラチェットレバー58が時計回りの方向に回転して、爪部58Aがラチェット歯51Aから離間する。このとき、トーションバネ59のバネ力も爪部58Aをラチェットプレート51から離間させる方向に作用する。これにより、爪部58Aをラチェットプレート51から円滑に離間させることができる。そして、図4(A)に示すように、レバーホルダ57が最も反時計回りに回転した位置で保持されてリングギヤ46が固定され、ラチェットレバー58によるラチェットプレート51の保持が解除される。リングギヤ46が固定されると、遊星キャリア48が反時計回りの方向に回転して、歯車減速機構32及びボール−ランプ機構13により、ピストン10が後退して制動が解除される。
上述の駐車ブレーキの解除行程において、レバーホルダ57が反時計回りの方向に回転することにより、ラチェットレバー58の回転軸であるピン62がラチェットプレート51から離間する方向に移動するため、爪部58Aがラチェットプレート51の反径方向ではなく接線方向に移動することなり、爪部58Aとラチェット歯51Aとの間で生じる滑りが小さくなるので、摩耗が生じ難くなって耐久性に有利であるため、ディスクブレーキ1の信頼性が向上する。
なお、上記第1実施形態において、ボール−ランプ機構13のバネ19のセット荷重を大きくすること等で、遊星歯車機構31の遊星キャリア48の回転抵抗を大きくすることにより、駐車ブレーキの作動時に、遊星キャリア48が回転する前にリングギヤ46が回転するようにしてもよい。また、リングギヤ46で平歯車減速機構32を駆動し、遊星キャリア48で制動保持機構33のレバーホルダ57を駆動するようにしてもよい。回転直動変換機構として、ボール−ネジ機構等の他の機構を用いてもよく、この場合、充分な直動ストロークが得られれば、パッド摩耗追従機構12を省略してもよい。
上述したような本実施形態によれば、ラチェットプレート51とラチェットレバー58とが係合してピストン10の制動状態位置を保持するようになっているとともに、ピストン10の制動状態位置からの解除をラチェットプレート51とラチェットレバー58との係合を解除することで行えるので、ピストン10の制動状態を保持するために作動効率の良くないウォームギヤを使う必要がなく、ピストンの制動状態、制動解除状態への切換の応答性を高めることができる。
また、本実施形態によれば、ピストン10の制動状態を保持するために作動効率の良くないウォームギヤを使う必要がないので、電動モータ30への負荷を小さくすることができるため、電動モータ30の大きさを小さくすることが可能であり、ディスクブレーキ1を小型化することが可能となる。
上述したように、本実施形態によれば、ラチェットレバー58が電動モータ10の回転によってラチェットレバー58へ係合または係合解除されるようになっているため、ラッチ係合のためにソレノイド等のアクチュエータを増設する必要がなく、ディスクブレーキ1の小型化、構造の簡素化によるコストダウンや製造効率の向上を図ることが可能である。
また、本実施形態によれば、ラチェットレバー58がレバーホルダ57によって可動し、ラチェットプレート51に係合した後も、ラチェットレバー58の爪部58Aがラチェットプレート51のラチェット歯51Aに押し込まれる方向に付勢するトーションバネ59を有しているので、ラチェットレバー58とラチェットプレート51とが確実に係合するようになっており、ディスクブレーキ1の信頼性が向上する。また、駐車ブレーキ時に経過時間や環境変化に応じてピストン10の押圧力を増力させる、いわゆるリクランプ作動をする際にも、ラチェットレバー58とラチェットプレート51との係合状態を解除せずに、電動モータ30を増力方向に回転させるだけで、リクランプ作動した後のラチェットレバー58とラチェットプレート51との係合状態の継続が可能となっているので、ディスクブレーキ1の制御性に優れている。
次に、第2実施形態について図5乃至図7を参照して説明する。なお、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同じ符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図5乃至図7に示すように、本実施形態に係るディスクブレーキ70では、ピストン保持機構に相当する駐車ブレーキ機構P´の駐車ブレーキ作動機構71は、前部、後部及び中間プレート34、35、36が省略されて、電動モータ30、遊星歯車機構31、平歯車減速機構32及び制動保持機構72がハウジング73及び後部カバー74内に直接取付けられている。また、平歯車減速機構32の第2平歯車56は、ボール−ランプ機構13の回転直動部材20の軸部25にスプライン結合されると共にナット75によって固定されている。そして、第2平歯車56は、第1平歯車55のピニオン部55Aに対して軸方向に摺動することにより、回転直動部材20と共に軸方向に移動可能となっている。
また、制動保持機構72は、図7に示すように、第1の回転部材となる第1平歯車55の後部に一体的に形成された円筒状のラチェットホイール76と、ラチェットホイール76に係合する爪部77Aを有する係合部材となるラチェットレバー77と、ラチェットレバー77を支持する支持部材となるレバーホルダ78と、遊星歯車機構31のリングギヤ46に隣接してハウジング73に対して固定された固定スリーブ79と、リングギヤ46に一体的に設けられたガイドプレート80と、ラチェットレバー77にバネ力を付与する弾性部材となるトーションバネ81とを有している。このトーションバネ81は、第1実施形態のトーションバネ59と同様に、レバーホルダ78の回動位置に応じて付勢方向が切り換わるようになっている。
ラチェットホイール76は、外周部に上記第1実施形態のラチェット歯51Aと同様の形状の係合部となるラチェット歯76Aが形成され、ラチェットレバー77の爪部77Aとの係合により、第1平歯車55の時計回り(ディスクブレーキ70の後方(後部カバー74側)から見た場合をいい、以下、同じ。)の方向の回転を阻止し、反時計回りの方向の回転を許容するようになっている。
固定スリーブ79には、円弧状のスリット79Aが形成され、リングギヤ46から後方に延びるガイド部46Aをスリット79Aに挿入することにより、リングギヤ46の回転範囲を制限している。レバーホルダ78は、ピン78Aによって後部カバー74に回転可能に支持されている。レバーホルダ78には、一端部にガイドピン78Bが取付けられ、ガイドピン78Bは、リングギヤ46のガイドプレート80に形成された円弧状の長穴80Aに挿入されている。そして、レバーホルダ78は、リングギヤ46の回転に伴ってガイドピン78Bが長穴80Aに沿って移動することにより、図7(A)に示すように、リングギヤ46が最も時計回りに回転した位置にあるとき、ガイドピン78Bがリングギヤ46の外周部付近となる位置に回転し、図7(D)に示すように、リングギヤ46が最も反時計回りに回転した位置にあるとき、ガイドピン78Bがリングギヤ46の中心部付近となる位置回転するようになっている。
ラチェットレバー77は、図6にも示すように、一端部にラチェット歯76Aに係合する爪部77Aが形成され、他端部にトーションバネ81を係止するための係止穴77Bが設けられ、中間部にピン穴77Cが設けられている。そして、爪部77Aをラチェットホイール76のラチェット歯76Aに対向させ、ピン穴77Cに取付けたピン77Dをレバーホルダ78に形成された長穴78Cに挿入して、ピン77D回りに回転可能かつ長穴78Cに沿って移動可能に案内されている。ピン77Dは、ラチェットレバー77のピン穴77Cから後方にも突出して、後部カバー74に形成された案内部74Aに係合し、案内部74Aに沿って移動するようになっている。リングギヤ46のガイドプレート80には、ラチェットレバー77のピン穴77Cの反対側に形成された当接部77Eに対向してストッパ80Bが突出されており、ストッパ80Bが当接部77Eに当接することにより、爪部77Aのラチェットホイール76側への移動を制限している。
トーションバネ81の一端部が固定スリーブ79に設けられた係止穴79Bに係止され、他端部がラチェットレバー77の係止穴77Bに形成されて、ラチェットレバー77がトーションバネ81のバネ力によって所定の方向に付勢されている。
そして、図7(A)に示すように、リングギヤ46が最も時計回りに回転した位置にあるとき、ストッパ80Bが当接部77Eに当接してラチェットレバー77の爪部77Aがラチェットホイール76のラチェット歯76Aから離間し、図7(D)に示すように、リングギヤ46が最も反時計回りに回転した位置にあるとき、ストッパ80Bが当接部77Eから離間してラチェットレバー77の爪部77Aがラチェットホイール76のラチェット歯76Aに係合するようになっている。
以上のように構成したディスクブレーキ70の作動について次に説明する。
なお、本実施形態に係るディスクブレーキ70は、液圧式のサービスブレーキとして使用する場合及びパッド摩耗追従機構12、ボール−ランプ機構13、遊星歯車機構31、平歯車減速器機構32の作動は、上記第1実施形態のものと同様であるから、以下に主に図7を参照して制動保持機構72の作動についてのみ詳細に説明する。
非制動状態では、図7(A)に示すように、リングギヤ46が最も時計回りに回転した位置にあり、この位置では、ストッパ80Bが当接部77Eに当接し、また、トーションバネ81のバネ力がラチェットレバー77の爪部77Aをラチェットホイール76のラチェット歯76Aから離間させる方向に作用し、爪部77Aは、ラチェット歯76Aに係合しない。
駐車ブレーキを作動させる場合は、駐車ブレーキスイッチ65を操作して、駐車ブレーキ制御ユニット64によって制御電流を供給して電動モータ30の回転軸30Aすなわち遊星歯車機構31のサンギヤ44を時計回りの方向に回転させる。これにより、遊星キャリア48が時計回りの方向に回転し、上記第1実施形態と同様、ボール−ランプ機構13を作動させて制動力を発生させる。
このとき、リングギヤ46は、反時計回りの方向に回転し、これに伴い、図7(B)、(C)、(D)に示すように、レバーホルダ78は、ガイドピン78Bが長穴80Aに沿って移動することにより、時計回りの方向に回転する。これに伴い、ラチェットレバー77は、ピン77Dと案内部74Aとの係合により長穴78Cの図中左側へ移動する。そして、トーションバネ81のバネ力は、ラチェットレバー77にその爪部77Aをラチェットホイール76に接近させる方向に作用し、また、ストッパ80Bは、ラチェットレバー77の当接部77Eから離間する。これにより、ラチェットレバー77の爪部77Aがラチェットホイール76のラチェット歯76Aに係合する(図7(D))。
所望の制動力に達した後、駐車ブレーキ制御ユニット64により、電動モータ30への制御電流を減少させると、制動力の発生によるディスクロータ2とブレーキパッド3、4からの反力により、第1平歯車55に時計回りのトルクが生じるが、ラチェットレバー77とラチェットホイール76との係合によって第1平歯車55の時計回りの方向の回転を阻止して制動状態を保持する。このとき、ラチェットレバー77の回転軸であるピン77Dからレバーホルダ78及びそのガイドピン78Bを介してリングギヤ46のガイドプレート80の長穴80Aに作用する力により、リングギヤ46に反時計回りの方向のモーメントが生じるが、ガイド部46Aと固定スリーブ79のスリット79Aとの係合によりリングギヤ46は反時計回りの方向に回転しない。このようにして、電動モータ30への制御電流を停止した後も制動状態を保持することができる。
駐車ブレーキを解除する場合は、駐車ブレーキスイッチ65を操作して、駐車ブレーキ制御ユニット64により、制御電流を供給して電動モータ30の回転軸30Aすなわち遊星歯車機構31のサンギヤ44を反時計回りの方向に回転させる。このとき、ラチェットレバー77の爪部77Aとラチェット歯76Aと係合により、第1平歯車55すなわち遊星キャリア48の回転が阻止されているので、図7(E)に示すように、リングギヤ46が時計回りの方向に回転する。これにより、ラチェットレバー77は、爪部77Aを後退させる方向への回転が可能になり、図7(A)に示す非制動位置に復帰し、第1平歯車55の保持が解除されて、制動が解除される。
上述したような本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、上記第1、2実施形態においては、駐車ブレーキ機構P、P´を駐車ブレーキスイッチ65の操作による駐車ブレーキ時に作動させることを説明したが、駐車ブレーキ機構P、P´は駐車ブレーキ時以外、例えば、アクセルオフとなって停車状態となっているときのオートストップ時や、坂道発進でサービスブレーキの操作が解除されたときのヒルホールド時等のピストン10を制動状態の位置に保持する場面でも作動させることができる。
また、上記第1、2実施形態においては、駐車ブレーキ時にピストン10を電動モータ30で推進する電動パーキングキャリパ(EPB)として説明を行なったが、駐車ブレーキ時に所定液圧を付与してピストン10を推進した後に駐車ブレーキ機構P、P´によってピストン10の位置を制動状態に保持する液圧付加パーキングブレーキ(HPB)として使用しても良い。
上記第1、2実施形態によれば、ディスクロータを挟んでその両側に配置される一対のブレーキパッドと、該一対のブレーキパッドの少なくとも一方を前記ディスクロータに押付けるピストンと、該ピストンが挿入されるシリンダとを有し、該シリンダへの液圧の供給によって前記ピストンを推進するキャリパ本体と、該キャリパ本体に設けられて電動モータの回転により前記ピストンを推進し、推進した該ピストンの位置を保持可能なピストン保持機構とを備えたディスクブレーキにおいて、前記ピストン保持機構は、前記電動モータによる回転を増力する減速機構と、該減速機構による回転を直線運動に変換して前記ピストンの推進方向に伸縮する回転直動変換機構と、前記減速機構の回転位置を保持する制動保持機構とを有し、前記減速機構は、前記電動モータによって回転する少なくとも第1の回転部材及び第2の回転部材を有し、前記制動保持機構は、前記第1の回転部材に設けられた係合部に係脱可能な係合部材と、該係合部材を移動可能に支持し、前記第2の回転部材の回転に伴い回転する支持部材とを有し、該支持部材は、前記第2の回転部材が前記ピストンを推進する方向に回転したとき、前記係合部材を前記係合部に係合させる方向に移動させ、前記第2の回転部材が前記ピストンを後退させる方向に回転したとき、前記係合部材を前記係合部から離間させる方向に移動させることを特徴としている。
このような構成により、第2の回転部材が前記ピストンを推進する方向に回転したとき、係合部材と係合部とが係合して減速機構の回転位置を保持、ひいてはピストンの制動状態位置を保持するようになっているとともに、第2の回転部材が前記ピストンを後退させる方向に回転したとき、係合部材と係合部との係合が解除されて、ピストンの制動状態位置からの解除が行えるので、ピストンの制動状態を保持するために作動効率の良くないウォームギヤを使う必要がなく、ピストンの制動状態、制動解除状態への切換の応答性を高めることができる。
また、ピストン10の制動状態を保持するために作動効率の良くないウォームギヤを使う必要がないので、電動モータへの負荷を小さくすることができるため、電動モータの大きさを小さくすることが可能であり、ディスクブレーキを小型化することが可能となる。
さらに、係合部材が電動モータの回転によって係合部へ係合または係合解除されるようになっているため、ラッチ係合のためにソレノイド等のアクチュエータを増設する必要がなく、ディスクブレーキの小型化、構造の簡素化によるコストダウンや製造効率の向上を図ることが可能である。
上記第1実施形態によれば、前記係合部材は、前記支持部材に回転可能に支持され、前記係合部材の先端部が前記係合部に係脱することを特徴としている。
このような構成により、支持部材を介して係合部材に減速機構の回転を精度良く伝達することが可能となり、ピストン保持機構の信頼性、ひいてはディスクブレーキの信頼性が向上する。なお、係合部に係脱する係合部材の部位は、先端部に限ることなく、いずれの部位で係合部に係脱するようにしてもよい。
上記第2実施形態によれば、前記係合部材は、その回転軸が前記支持部材に移動可能に支持されていることを特徴としている。
このような構成により、支持部材を介して係合部材に減速機構の回転を精度良く伝達することが可能となり、ピストン保持機構の信頼性、ひいてはディスクブレーキの信頼性が向上する。
上記第1、2実施形態によれば、前記制動保持機構は、前記係合部材が前記係合部に係合する際、前記係合部材を前記係合部に向かって付勢する弾性部材を有していることを特徴としている。
このような構成により、前記係合部材を前記係合部に確実に係合させることができるとともに、例えば、車両をトラックや船で輸送する際に車両に振動が加わるような状況で、係合部がピストン側からの力で回動してしまうような場合でも、その係合部の回動に追従して係合状態を維持することが可能となる。また、駐車ブレーキ時に経過時間や環境変化に応じてピストンの押圧力を増力させる、いわゆるリクランプ作動をする際にも、係合部材と係合部との係合状態を解除せずに、電動モータを増力方向に回転させるだけで、リクランプ作動した後の係合部材と係合部との係合状態の継続が可能となっているので、ディスクブレーキの制御性に優れている。
なお、弾性部材は、上記実施形態のねじりばねのほか、コイルスプリングや板ばね等の金属製の部材やゴム部材等、各種の弾性を有する部材を使用することが可能となっている。
上記第1、2実施形態によれば、前記弾性部材は、前記支持部材が前記係合部材を前記係合部から離間させる位置にあるとき、前記係合部材を前記係合部から離間させる方向に付勢することを特徴としている。
このような構成により、車両の走行中に振動により、支持部材が不用意に振動して異音を発するようなことを抑制することができる。
上記第1、2実施形態によれば、前記減速機構は、遊星歯車機構を含み、前記第2の回転部材は、前記遊星歯車機構のリングギヤであることを特徴としている。なお、前記第1の回転部材は、前記遊星歯車機構の遊星キャリアとしてもよい。また、前記第1の回転部材は、前記遊星歯車機構の遊星キャリアによって駆動される歯車としてもよい。ちなみに、減速機構は、遊星歯車機構に限らず、前記電動モータの回転を入力する入力部と、この入力部からの回転出力を伝達する第1出力部と、この回転出力の反力を伝達する第2出力部とが同心上に配置されるものであれば、どのようなものでも良い。
1 ディスクブレーキ、2 ディスクロータ、3、4 ブレーキパッド、5 キャリパ本体、7 シリンダ、10 ピストン、13 ボール−ランプ機構(回転直動変換機構)、30 電動モータ、31 遊星歯車機構(減速機構)、32 平歯車減速機構(減速機構)、33 制動保持機構、46 リングギヤ(第2の回転部材)、48 遊星キャリア(第1の回転部材)、51A ラチェット歯(係合部)、57 レバーホルダ(支持部材)、58 ラチェットレバー(係合部材)、P 駐車ブレーキ機構

Claims (2)

  1. ディスクロータを挟んでその両側に配置される一対のブレーキパッドと、該一対のブレーキパッドの少なくとも一方を前記ディスクロータに押付けるピストンと、該ピストンが挿入されるシリンダとを有し、該シリンダへの液圧の供給によって前記ピストンを推進するキャリパ本体と、
    該キャリパ本体に設けられて電動モータの回転により前記ピストンを推進し、推進した該ピストンの位置を保持可能なピストン保持機構とを備えたディスクブレーキにおいて、
    前記ピストン保持機構は、前記電動モータによる回転を増力する減速機構と、該減速機構による回転を直線運動に変換して前記ピストンの推進方向に伸縮する回転直動変換機構と、前記減速機構の回転位置を保持する制動保持機構とを有し、
    前記減速機構は、前記電動モータによって回転する少なくとも第1の回転部材及び第2の回転部材を有し、
    前記制動保持機構は、前記第1の回転部材に設けられた係合部に係脱可能な係合部材と、該係合部材を移動可能に支持し、前記第2の回転部材の回転に伴い回転する支持部材とを有し、
    該支持部材は、前記第2の回転部材が前記ピストンを推進する方向に回転したとき、前記係合部材を前記係合部に係合させる方向に移動させ、前記第2の回転部材が前記ピストンを後退させる方向に回転したとき、前記係合部材を前記係合部から離間させる方向に移動させることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記係合部材は、前記支持部材に回転可能に支持され、前記係合部材の先端部が前記係合部に係脱するようになっており、その回転軸が前記支持部材に移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
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