JP5488086B2 - 感光性接着剤組成物、感光性エレメント、レジストパターンの製造方法及び接着体の製造方法 - Google Patents

感光性接着剤組成物、感光性エレメント、レジストパターンの製造方法及び接着体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、感光性接着剤組成物、感光性エレメント、レジストパターンの製造方法及び接着体の製造方法に関する。
感光性樹脂組成物は、回路形成用の接着剤として、あるいは配線を保護するための永久保護膜形成用として、広く用いられている。回路形成用の接着剤として用いられる感光性樹脂組成物としては、バインダーポリマー、特定の光重合性化合物及び光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物等が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、永久保護膜形成用として用いられる感光性樹脂組成物としては、特定の活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、希釈剤及び熱硬化性化合物を含有する感光性樹脂組成物等が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、熱硬化性の接着剤は、エレクトロニクス用と、例えば半導体実装材料等に広く用いられている。熱硬化性の接着剤としては、特定のポリイミド樹脂、硬化性化合物、該硬化性化合物の硬化剤、及びシランカップリング剤を含み、所定の特性を備えるフィルム状接着剤が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
従来、CCD/CMOSイメージセンサのパッケージ構造は、センサ部分を水分やほこり等の異物から守るため、セラミックやエポキシ樹脂等のリブ上に印刷法によって塗布される液状の接着剤組成物によって保護ガラスが接着されたパッケージ構造をとっており、接着剤組成物としては、上記のような感光性樹脂組成物や熱硬化性の接着剤が用いられていた。
特開2002−351070号公報 特開2003−177528号公報 特開2003−253220号公報
しかしながら、近年微細化が進むカメラモジュールに対して、現行のパッケージでは位置精度等が困難になっている。
そこで、この課題に対応すべく、パッケージのリブ及び接着剤を、フォトリソ法で一括成形する手段が提案されており、かかる手法によれば、高精細化、位置精度向上が可能となる。
なお、フォトリソ法によるリブ及び接着剤の一括成形は、例えば、以下のようにして行われる。まず、シリコン基板又はガラス基板上に、感光性接着剤組成物を用いて感光性接着剤層を形成する。次に、該感光性接着剤層を露光、現像した後、硬化した感光性接着剤層上に保護ガラス基板を密着させ、加熱・加圧により感光性接着剤層と保護ガラスとを接着する。その後、さらに熱キュア、ダイシングすることにより、中空構造を有するパッケージが得られる。
ここで用いられる感光性接着剤組成物としては、その硬化物のシリコン基板やガラス基板との高い接着強度、気密封止性、現像性、密着性、解像性の他、低吸湿率、低透湿率、低イオン不純物等の特性が求められる。また、リフロー処理などの際に感光性接着剤組成物の硬化物からアウトガスが発生すると、隣接する半導体デバイス等に影響を与えるおそれがある。そのため、感光性接着剤組成物としては、硬化物の信頼性も重要視される。さらに、工程数短縮によるコスト低減のためには、一括成型が可能で取り扱いも容易なフィルムタイプの感光性接着剤が求められている。
このような感光性接着剤組成物として、現在、従来の感光性接着剤組成物(例えば、特許文献1又は2に記載の感光性樹脂組成物)と比較して、さらに上記の特性が良好である感光性接着剤組成物が求められている。
なお、例えば、特許文献3に記載の熱硬化性の接着剤を、フォトリソ法に使用するためには、光重合性化合物や光重合開始剤をさらに含有させる必要があるが、このような感光性の添加剤を加えた熱硬化性接着剤では、現像性、密着性、解像性等の感光特性が不十分である。
そこで、本発明の目的は、感度、解像性及び密着性等の感光特性が良好であり、硬化膜の信頼性及び接着強度に優れ、且つ、硬化膜の吸湿性及び透湿性が十分に低い感光性接着剤組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの製造方法及び接着体の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、(A−1)下記一般式(1)で表される繰返し単位を有し、数平均分子量が15000〜50000であるポリベンゾオキサゾール前駆体と、(B)分子内にエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)エポキシ樹脂と、を含有する、感光性接着剤組成物を提供する。
Figure 0005488086

[式中、X及びYは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ主鎖に炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基を示し、X及びYのうち少なくとも一つは、下記一般式(2)で表される基である。]
Figure 0005488086

[式中、R及びRは、水素原子、フッ素原子、アルキル基又はフッ化アルキル基を示し、nは1〜30の整数を示し、n個のR及びn個のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、n個のR及びn個のRのうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ化アルキル基である。]
本発明の感光性接着剤組成物は、上記構成を有することにより、感度、解像性及び密着性等の感光特性が良好になる。また、本発明の感光性接着剤組成物を光硬化してなる硬化物は、信頼性及び接着強度に優れ、且つ、吸湿性及び透湿性が十分に低いという特徴を有する。そのため、本発明の感光性接着剤組成物は、基板と被接着部材とを接着するための感光性接着剤として好適に使用できる。なお、硬化物が信頼性に優れるとは、例えば恒温高湿度試験、耐熱衝撃性試験等における、硬化膜の接着強度及び透湿率が大きく低下しないことを意味する。
上記構成を有することでこのような効果が奏される理由は、必ずしも明らかではないが、一般式(1)で表される繰返し単位を有し、数平均分子量が上記範囲内であるポリベンゾオキサゾール前駆体(以下、場合により「(A−1)成分」と称する。)を含有することにより、感光性接着剤組成物の硬化物が、良好な信頼性、接着強度、低吸湿性及び低透湿性を有するものになると考えられる。特に、(A−1)成分の数平均分子量が上記範囲内であることで、透湿性を十分に低く抑えることができる。(A−1)成分の数平均分子量が15000未満であると、透湿性が著しく向上してしまう。
また、本発明の感光性接着剤組成物は、レジストパターンの形成方法で使用される現像液への溶解性が高い。そのため、本発明の感光性接着剤組成物によれば、高精細のレジストパターンを容易に形成することができる。なお、(A−1)成分の数平均分子量が50000を超えると、感光性接着剤組成物の感光特性が悪化し、高精細のレジストパターンを形成することが困難となる。
また、本発明の感光性接着剤組成物は、(A−1)成分を含有することにより、特にシリコンやガラス等と高い接着力を示す。そのため、本発明の感光性接着剤組成物は、シリコンやガラス等を基板として用いる回路部材の接着に、特に好適に使用できる。
また、本発明の感光性接着剤組成物は、(A−1)成分と上記エポキシ樹脂(以下、場合により「(D)成分」と称する。)との組合せにより、回路部材の接着時の接着強度や硬化膜の信頼性が優れたものとなっている。(D)成分と(A−1)成分との相溶性が良好であることが、このような効果が奏される一因と考えられる。
さらに、本発明の感光性接着剤組成物は、厚膜形成が可能であり、パッケージの中空構造を形成する場合に、従来必要であった複雑な工程を削減することができる。
なお、本発明においては、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体を「ポリベンゾオキサゾール前駆体」と表現しているが、これは、その繰り返し単位が脱水閉環してポリベンゾオキサゾールになり得る構造であるためにその表現を用いているに止まり、この重合体が最終的にポリベンゾオキサゾールの構造となることを意味しているわけではない。
本発明の感光性接着剤組成物は、(A−1)成分及び(B)成分の合計含有量100質量部に対して、(A−1)成分を40〜80質量部、(B)成分を20〜60質量部、(D)成分を3〜40質量部含有することが好ましい。各成分をこのような含有量で含有することで、本発明の感光性接着剤組成物は密着性及び解像性が一層良好になる。また、その硬化物は、回路部材の接着時の接着強度に一層優れるようになる。
本発明の感光性接着剤組成物は、(A−2)下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体をさらに含有することができる。
Figure 0005488086

[式中、Uは、主鎖に炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基を示す。]
本発明の感光性接着剤組成物は、一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体(以下、場合により「(A−2)成分」と称する。)をさらに含有することにより、解像度及び密着性が一層良好になる。また、当該感光性接着剤組成物を光硬化してなる硬化物は、吸湿性及び透湿性が一層低いものとなる。上記構成を有することでこのような効果が奏される理由は、必ずしも明らかではないが、(A−2)成分を含有することにより、感光性接着剤組成物の硬化物のガラス転移温度が上昇し、高温時の変形等が減少するためと考えられる。
なお、本発明においては、一般式(3)で表される繰り返し単位を有する重合体を「ポリベンゾオキサゾール前駆体」と表現しているが、これは、その繰り返し単位が脱水閉環してポリベンゾオキサゾールになり得る構造であるためにその表現を用いているに止まり、この重合体が最終的にポリベンゾオキサゾールの構造となることを意味しているわけではない。
本発明の感光性接着剤組成物が(A−2)成分を含有する場合、(A−1)成分、(A−2)成分及び(B)成分の合計含有量100質量部に対して、(A−1)成分及び(A−2)成分の合計含有量が40〜80質量部、(B)成分の含有量が20〜60質量部、(D)成分の含有量が3〜40質量部であることが好ましい。各成分をこのような含有量で含有することで、本発明の感光性接着剤組成物は密着性及び解像性が一層良好になる。また、その硬化物は、回路部材の接着時の接着強度に一層優れるようになる。
本発明の感光性接着剤組成物は、(D)成分として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は多官能エポキシ樹脂を含有することが好ましい。このような感光性接着剤組成物は、回路部材の接着時の接着強度や硬化膜の信頼性が一層優れる。
本発明の感光性接着剤組成物は、(E)シランカップリング剤をさらに含有することが好ましい。このような感光性接着剤組成物は、基板への密着性及び硬化膜の信頼性がさらに向上する。
本発明はまた、支持体と、該支持体上に形成された上記感光性接着剤組成物を含有する感光性接着剤層と、を備える、感光性エレメントを提供する。このような感光性エレメントによれば、上記感光性接着剤層を基板等の上に容易に積層させることができる。また、当該感光性エレメントを用いて形成されるレジストパターンは、良好な信頼性、低吸湿性及び低透湿性を有するものになる。
本発明はまた、上記感光性接着剤組成物を含有する感光性接着剤層を基板上に積層する積層工程と、前記感光性接着剤層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、前記感光性接着剤層の前記所定部分以外の部分を前記基板上から除去することにより、前記基板上に、前記感光性接着剤組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を含む、レジストパターンの製造方法を提供する。このようなレジストパターンの製造方法により製造されたレジストパターンは、上記感光性接着剤組成物を用いているので、信頼性、接着強度、低吸湿性及び低透湿性が良好なものとなる。
本発明はさらに、上記感光性接着剤組成物の硬化物からなるレジストパターンを介して配置された第一の被接着部材と第二の接着部材とを、熱圧着により接着する、接着体の製造方法を提供する。このような製造方法により得られる接着体は、上記感光性接着剤組成物の硬化物を用いているので、第一の被接着部材と第二の被接着部材とが強固に接着されており、耐久性及び耐湿性に優れる。
なお、上記の接着体の製造方法は、第一の被接着部材として基板を用いる、回路部材の製造方法と解釈することもできる。
本発明によれば、感度、解像性及び密着性等の感光特性が良好であり、硬化膜の信頼性及び接着強度に優れ、且つ、硬化膜の吸湿性及び透湿性が十分に低い感光性接着剤組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの製造方法及び接着体の製造方法を提供することができる。
本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。 実施例及び比較例における、ポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量と透湿率との相関を示す図である。
(感光性接着剤組成物)
以下、本発明の感光性接着剤組成物の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る感光性接着剤組成物は、一般式(1)で表される繰返し単位を有し、数平均分子量が15000〜50000であるポリベンゾオキサゾール前駆体(以下、場合により「(A−1)成分」と称する。)と、分子内にエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(以下、場合により「(B)成分」と称する。)と、光重合開始剤(以下、場合により「(C)成分」と称する。)と、エポキシ樹脂(以下、場合により「(D)成分」と称する。)と、を含有する。
Figure 0005488086
一般式(1)中、X及びYは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ主鎖に炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基を示し、X及びYのうち少なくとも一つは、一般式(2)で表される基である。
Figure 0005488086
一般式(2)中、R及びRは、水素原子、フッ素原子、アルキル基又はフッ化アルキル基を示し、nは1〜30の整数を示し、n個のR及びn個のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、n個のR及びn個のRのうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ化アルキル基である。
((A−1)成分)
(A−1)成分は、一般式(1)で表される繰返し単位を有し、数平均分子量が15000〜50000であるポリベンゾオキサゾール前駆体である。一般式(1)で表される繰返し単位は、後述するレジストパターンの製造方法や接着体の製造方法において、エポキシ樹脂((D)成分)のエポキシ基と反応して、一般式(4)で表される構造をとると考えられる。そして、このような構造を有することで、感光性樹脂組成物の硬化物が優れた信頼性、接着強度、低吸湿性及び低透湿性を有すると考えられる。
Figure 0005488086
一般式(4)中、X及びYは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ主鎖に炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基を示し、X及びYのうち少なくとも一つは、一般式(2)で表される基であり、Zは(D)成分由来の有機基を示す。
また、(D)成分が同一分子中に複数のエポキシ基を有する場合、(A−1)成分は(D)成分により架橋されることとなり、このような感光性接着剤組成物の硬化物は、一層良好な信頼性、接着強度、低吸湿性及び低透湿性を有する。
主鎖に炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチルメチレン基、イソプロピルメチレン基、ジ−n−ブチルメチレン基、ジフルオロメチレン基、エチレン基、テトラフルオロメチレン基、1−メチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−ジメチル−2−メチルエチレン基、プロピレン基、ヘキサフルオロプロピレン基、1−メチルプロピレン基、2−メチルプロピレン基、1,1−ジメチルプロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2−エチル−2−メチルプロピレン基、ブチレン基、オクタフルオロブチレン基、2−メチルブチレン基、ペンテン基、1,1,5,5−テトラメチルペンテン基、ヘキセン基、ドデカフルオロヘキセン基、ヘプテン基、オクテン基、ヘキサデカフルオロオクテン基、ノネン基、デセン基、ウンデセン基、ドデセン基、トリデセン基、テトラデセン基、ペンタデセン基、ヘキサデセン基、ヘプタデセン基、オクタデセン基、ノナデセン基、エイコセン基、ヘンエイコセン基、ドコセン基、トリコセン基、テトラコセン基、ペンタコセン基、ヘキサコセン基、ヘプタコセン基、オクタコセン基、ノナコセン基、トリアコンテン基、−ROR−(R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜30のアルキレン基を示す。)で表される基、2,2−ビス(4−フェニレン)プロパン及び2,2−ビス(4−フェニレン)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、並びに、主鎖にこれらの基を含む基、等が挙げられる。これらの基は、置換基として、ハロゲン基等を有していても良い。
一般式(2)中、R及びRは、水素原子、フッ素原子、アルキル基又はフッ化アルキル基を示し、nは1〜30の整数を示し、n個のR及びn個のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、n個のR及びn個のRの少なくとも1つはフッ素原子又はフッ化アルキル基である。ここで、フッ化アルキル基とは、1つ又は複数のフッ素原子を置換基として有するアルキル基を示す。
一般式(2)で表される基としては、本発明の効果をより良好に得られる観点から、R及びRが、それぞれ独立に、フッ素原子、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基又はパーフルオロブチル基であることが好ましく、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることがより好ましく、トリフルオロメチル基であることがより好ましい。
フッ化アルキル基としては、フッ素原子が1〜3個置換したメチル基、フッ素原子が1〜5個置換したエチル基、フッ素原子が1〜7個置換したプロピル基、フッ素原子が1〜9個置換したブチル基、フッ素原子が1〜11個置換したペンチル基等が挙げられる。これらのフッ化アルキル基は、鎖状構造、分枝状構造及び環状構造のいずれであってもよい。
一般式(2)で表される基は、nが1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましい。nが上記範囲内であると、感光性接着剤組成物の硬化物は、弾性率がより低く、且つ破断伸びがより高くなる傾向がある。
一般式(2)で表される基以外の主鎖に炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基としては、主鎖が炭素数1〜30の直鎖アルキル基である基が好ましく、主鎖が炭素数7〜30の直鎖アルキル基である基がより好ましく、主鎖が炭素数8〜20の直鎖アルキル基である基がさらに好ましい。これらの基は、置換基として、アルキル基、ハロゲン基等を有していても良い。(A−1)成分がこのような基を有すると、感光性接着剤組成物の硬化物は、弾性率がより低く、且つ破断伸びがより高くなる傾向がある。また、直鎖アルキル基の炭素数が大きいと、現像性が良好となる傾向がある。
(A−1)成分としては、例えば、X及びYがいずれも一般式(2)で表される基であってよく、X及びYのいずれか一方が一般式(2)で表される基であって他方がそれ以外の基であってもよい。
(A−1)成分としては、一般式(1)中、Xが一般式(2)で表される基であることが好ましい。このような(A−1)成分は、(C)成分であるエポキシ樹脂との反応性が高くなる。そのため、当該(A−1)成分を含有する感光性接着剤組成物の硬化物は、一般式(4)で表される繰返し単位の含有量が多くなり、結果として、信頼性及び接着強度がより向上し、且つ吸湿性及び透湿性が一層低くなる傾向がある。
Xが一般式(2)で表される基である場合、Yは、主鎖が炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造である基であることが好ましく、主鎖が炭素数7〜30の脂肪族鎖状構造である基であることがより好ましく、主鎖が炭素数8〜20の脂肪族鎖状構造である基であることがさらに好ましい。これらの基は、置換基として、アルキル基、ハロゲン基等を有していても良い。Yがこのような基であると、感光性接着剤組成物の硬化物は、弾性率がより低く、且つ破断伸びがより高くなる傾向がある。
(A−1)成分の数平均分子量は、15000〜50000であり、15000〜40000であることが好ましく、15000〜30000であることがより好ましく、15000〜25000であることがさらに好ましい。(A−1)成分の数平均分子量が上記範囲内であることで、感光性接着剤組成物が感光特性(感度、解像度、密着性)に優れたものになるとともに、感光性接着剤組成物の硬化物の吸湿率及び透湿率が向上する。また、数平均分子量が上記上限値以下である(A−1)成分は、合成が容易であり、大量生産性に優れる。
(A−1)成分の重量平均分子量は、15000〜60000であることが好ましく、20000〜50000であることがより好ましく、30000〜40000であることがさらに好ましい。(A−1)成分の重量平均分子量が上記範囲内であることで、感光性接着剤組成物の硬化物の機械強度が向上し、且つ感光性接着剤組成物の現像性がより良好になる傾向がある。一方、(A−1)成分の重量平均分子量が5000未満では感光性接着剤組成物硬化膜が脆くなる傾向があり、60000を超えると現像性が低下する傾向がある。なお、数平均分子量及び重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線を基に算出したものである。
(A−1)成分は、例えば、ジカルボン酸類とヒドロキシ基含有ジアミン類とから合成することができる。(A−1)成分の好適な合成方法としては、例えば、下記スキーム1及びスキーム2で示される合成方法が挙げられる。
Figure 0005488086
Figure 0005488086
スキーム1及びスキーム2中、Rは水素、アルキル基又はアリール基を示し、X及びYはそれぞれ一般式(1)で示されるX及びYと同様の基を示す。
スキーム1では、ジカルボン酸類(a)を出発原料として、ジハライド化合物(a’)を合成する。ジハライド化合物(a’)を合成する方法としては、例えば、ジカルボン酸類(a)にハロゲン化剤を作用させてジハライド化合物(a’)を得る方法が挙げられる。
ジカルボン酸類(a)としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、イソプロピルマロン酸、ジ−n−ブチルマロン酸、スクシン酸、テトラフルオロスクシン酸、メチルスクシン酸、2,2−ジメチルスクシン酸、2,3−ジメチルスクシン酸、ジメチルメチルスクシン酸、グルタル酸、ヘキサフルオログルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−エチル−3−メチルグルタル酸、アジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、3−メチルアジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、ピメリン酸、2,2,6,6−テトラメチルピメリン酸、スベリン酸、ドデカフルオロスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン二酸、ドコサン二酸、トリコサン二酸、テトラコサン二酸、ペンタコサン二酸、ヘキサコサン二酸、ヘプタコサン二酸、オクタコサン二酸、ノナコサン二酸、トリアコンタン二酸、ヘントリアコンタン二酸、ドトリアコンタン二酸、ジグリコール酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ハロゲン化剤としては、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が挙げられる。
ジカルボン酸類(a)とハロゲン化剤との反応は、例えば、溶媒中でジカルボン酸類(a)とハロゲン化剤とを混合して行うことができる。このとき、溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン等が好適に使用できる。また、ハロゲン化剤の使用量は、ジカルボン酸類(a)1モルに対して、1.5〜3.0モルが好ましく、1.7〜2.5モルがより好ましい。
また、ジカルボン酸類(a)とハロゲン化剤との反応は、過剰のハロゲン化剤と、ジカルボン酸類(a)とを混合して行ってもよい。このとき、ハロゲン化剤の使用量は、ジカルボン酸類(a)1モルに対して、4.0〜50モルが好ましく、5.0〜20モルがより好ましい。また、反応温度は、−10〜70℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。このような方法では、反応後に余剰のハロゲン化剤を減圧蒸留等の方法により除去することにより、ジカルボン酸類(a)を得ることができる。
スキーム2では、ジハライド化合物(a’)とヒドロキシ基含有ジアミン類(b)とを反応させて、ポリベンゾオキサゾール前駆体(d)を得る。なお、スキーム2で示される反応において、ジハライド化合物(a’)とヒドロキシ基含有ジアミン類(b)に加えて、一種又は複数の反応性化合物(c)をさらに反応に供してもよい。
ヒドロキシ基含有ジアミン類(b)としては、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ジフルオロメタン、等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
スキーム2で示される反応において、ヒドロキシ基含有ジアミン類(b)の使用量は、ジハライド化合物(a’)1モルに対して、1〜1.5モルが好ましく、1〜1.3モルがより好ましく、1〜1.15モルがさらに好ましい。ヒドロキシ基含有ジアミン類(b)の使用量が上記範囲内であることで、得られるポリベンゾオキサゾール前駆体(d)の数平均分子量を容易に15000〜50000に調整することができる。また、ポリベンゾオキサゾール前駆体(d)の重量平均分子量を容易に5000〜60000に調整することができる。
スキーム2で示される反応は、脱ハロゲン化水素剤の存在下、有機溶媒中で行うことが好ましい。脱ハロゲン化水素剤としては、通常、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が使用される。また、有機溶媒としは、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が使用できる。反応温度は、−10〜30℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
反応性化合物(c)としては、例えば、上記ジカルボン酸類(a)以外のジカルボン酸類と、ハロゲン化剤とを反応させて得られるジハライド類(c−1)が挙げられる。このようなジハライド類(c−1)としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸類から得られる、ジハライド類が挙げられる。
また、反応性化合物(c)として、上記ヒドロキシ基含有ジアミン類(b)以外のジアミン類(c−2)も用いることができる。このようなジアミン類(c−2)としては、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジシン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等のジアミン類が挙げられる。
スキーム2では、例えば、ジハライド化合物(a’)の使用量、ヒドロキシ基含有ジアミン類(b)の使用量、反応性化合物(c)の使用量、反応温度、反応時間等を適宜調整することにより、任意の数平均分子量を有するポリベンゾオキサゾール前駆体(d)を得ることができる。また、同様に、ジハライド化合物(a’)の使用量、ヒドロキシ基含有ジアミン類(b)の使用量、反応性化合物(c)の使用量、反応温度、反応時間等を適宜調整することにより、ポリベンゾオキサゾール前駆体(d)の重量平均分子量を任意に調整することができる。
((A−2)成分)
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体(以下、場合により「(A−2)成分」と称する。)を、さらに含有していてもよい。なお、一般式(1)で表される繰り返し単位と一般式(3)で表される繰り返し単位の双方を有するポリベンゾオキサゾール前駆体は、(A−1)成分としても、(A−2)成分としても用いることができる。
Figure 0005488086

[式中、Uは、主鎖に炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基を示す。]
(A−2)成分をさらに含有する感光性樹脂組成物は、解像度及び密着性が一層良好になる。また、該感光性樹脂組成物を光硬化してなる硬化物は、吸湿性及び透湿性が一層低いものとなる。
一般式(3)で表される繰返し単位は、後述するレジストパターンの製造方法や接着体の製造方法において、エポキシ樹脂((D)成分)のエポキシ基と反応して、下記一般式(5)で表される構造をとると考えられる。そして、このような構造を有することで、感光性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が向上し、高温時の変形等が減少し、それにより硬化物の吸湿性及び透湿性が一層低いものとなると考えられる。
Figure 0005488086
一般式(5)中、Uは主鎖に炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基を示し、Zは(D)成分由来の有機基を示す。
また、(D)成分が同一分子中に複数のエポキシ基を有する場合、(A−2)成分同士、又は、(A−1)成分と(A−2)成分が(D)成分により架橋されることとなり、このような感光性接着剤組成物の硬化物は、一層良好な信頼性、接着強度、低吸湿性及び低透湿性を有する。
主鎖に炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基としては、上述のものと同様の基が例示できる。また、(A−2)成分としては、Uが一般式(2)で表される基であることが好ましい。このような(A−2)成分は、(D)成分であるエポキシ樹脂との反応性が高くなる。そのため、当該(A−2)成分を含有する感光性接着剤組成物の硬化物は、一般式(5)で表される繰返し単位の含有量が多くなり、結果として、吸湿性及び透湿性が一層低くなる傾向がある。
(A−2)成分の数平均分子量は、5000〜15000であることが好ましく、6000〜14000であることがより好ましく、7000〜13000であることがさらに好ましい。(A−2)成分の数平均分子量が上記範囲内であることで、感光性接着剤組成物が感光特性(感度、解像度、密着性)に一層優れたものになるとともに、感光性接着剤組成物の硬化物の吸湿率及び透湿率が一層向上する。また、数平均分子量が上記上限値以下である(A−2)成分は、合成が容易であり、大量生産性に優れる。
(A−2)成分の重量平均分子量は、12000〜24000であることが好ましく、14000〜22000であることがより好ましく、16000〜20000であることがさらに好ましい。(A−2)成分の重量平均分子量が上記範囲内であることで、感光性接着剤組成物の硬化物の機械強度が一層向上し、且つ感光性接着剤組成物の現像性がより良好になる傾向がある。一方、(A−2)成分の重量平均分子量が上記下限値未満では感光性接着剤組成物硬化膜が脆くなる場合があり、上記上限値を超えると現像性が低下する場合がある。なお、数平均分子量及び重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線を基に算出したものである。
(A−2)成分は、例えば、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル誘導体と、ヒドロキシ基含有ジアミン類とから合成することができる。(A−2)成分の好適な合成方法としては、例えば、下記スキーム3及びスキーム4で示される合成方法が挙げられる。
Figure 0005488086
Figure 0005488086
スキーム3及びスキーム4中、Rは水素、アルキル基又はアリール基を示し、Uは一般式(3)におけるUと同様の基を示す。
スキーム3では、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル誘導体(e)を出発原料として、ジハライド化合物(e’)を合成する。ジハライド化合物(e’)を合成する方法としては、例えば、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル誘導体(e)にハロゲン化剤を作用させてジハライド化合物(e’)を得る方法が挙げられる。ハロゲン化剤としては、上述のものと同様のハロゲン化剤を用いることができる。また、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル誘導体(e)とハロゲン化剤との反応は、上述のジカルボン酸類(a)とハロゲン化剤との反応と同様にして行うことができる。
スキーム4では、ジハライド化合物(e’)とヒドロキシ基含有ジアミン類(f)とを反応させて、ポリベンゾオキサゾール前駆体(g)を得る。なお、スキーム4で示される反応において、ジハライド化合物(e’)とヒドロキシ基含有ジアミン類(f)に加えて、一種又は複数の反応性化合物(h)をさらに反応に供してもよい。
ヒドロキシ基含有ジアミン類(f)としては、上述のヒドロキシ基含有ジアミン類(b)と同様の化合物が例示できる。反応性化合物(h)としては、例えば、上述の反応性化合物(c)と同様の化合物、及び、上述のジハライド化合物(a’)と同様の化合物が挙げられる。また、スキーム4で示される反応は、上述したスキーム2で示される反応と同様の反応条件で行うことができる。
以下、(A−1)成分及び(A−2)成分を、「(A)成分」と称する場合がある。
本実施形態に係る感光性接着剤組成物における(A)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の固形分100質量部に対して、40〜80質量部であることが好ましく、50〜70質量部であることがより好ましく、55〜70質量部であることがさらに好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲内であることで、感光性接着剤組成物の密着性及び解像性が一層向上し、さらに低吸湿率、低透湿率をより高水準で達成することができる。
本実施形態に係る感光性接着剤組成物が(A−2)成分を含有する場合、(A−2)成分の含有量は、(A−1)成分の含有量100質量部に対して、20〜60質量部であることが好ましく、30〜50質量部であることがより好ましい。(A−2)成分の含有量が上記下限値より多いと、硬化膜の高温接着強度がより向上する傾向があり、上記上限値より少ないと、現像後の解像度、密着性がより向上する傾向がある。
((B)成分)
(B)成分は、分子内にエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物である。(B)成分としては、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;多価アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とを反応させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物とα,β−不飽和カルボン酸とを反応させて得られる化合物;ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマー;等が挙げられる。また、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル;EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート;等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味し、(メタ)アクリロキシ基とは、アクリロキシ基及びそれに対応するメタクリロキシ基を意味する。
上記ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−200(新中村化学工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業株式会社製、商品名)又はFA−321M(日立化成工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記多価アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とを反応させて得られる化合物としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸として(メタ)アクリル酸等を用いたものが挙げられる。具体的には、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
なお、「EO」とは「オキシエチレン基」のことをいい、「PO」とは「オキシプロピレン基」のことをいう。また、「EO変性」とは−CH−CH−O−で表される部分構造(以下、場合により「オキシエチレンユニット」と称する。)からなるブロック構造が導入されていることを意味し、「PO変性」とは−CH−CH(CH)−O−、−CH(CH)−CH−O−又は−CH−CH−CH−O−で表される部分構造(以下、場合により「オキシプロピレンユニット」と総称する。)からなるブロック構造が導入されていることを意味する。
上記グリシジル基含有化合物とα,β−不飽和カルボン酸とを反応させて得られる化合物としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸として(メタ)アクリル酸等を用いたものが挙げられる。具体的には、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が挙げられる。
上記ウレタンモノマーとしては、分子内にウレタン結合及びエチレン性不飽和基を有する化合物であれば特に制限されない。かかるウレタンモノマーは、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとジイソシアネート化合物との付加反応物及びβ位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとジヒドロキシ化合物とジイソシアネート化合物との付加反応物から選ばれる少なくとも一種の付加反応物と、ヒドロキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物と、を縮合反応させることで得ることができる。
ここで、上記ジヒドロキシ化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール、シリコーンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等の脂環式炭化水素骨格を有するジヒドロキシ化合物、等が挙げられる。また、上記β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、2−ヒドロキエチルアクリレート、2−ヒドロキエチルメタクリレート等が挙げられる。
商業的に入手可能な上記ウレタンモノマーとしては、例えば、TMCH−5(商品名、ウレタン結合と脂環式炭化水素骨格とを有する2官能アクリレート、重量平均分子量950、日立化成工業株式会社製)、ヒタロイド9082(商品名、ウレタン結合とカーボネート骨格とを有する2官能アクリレート、重量平均分子量4400、日立化成工業株式会社製)、UA−11(商品名、ウレタン結合とエチレンオキシド骨格とを有する2官能メタクリレート、重量平均分子量1100、新中村化学工業株式会社製)などが挙げられる。これらの中でも、(A)成分との相溶性の観点から、分子内にウレタン結合と脂環式炭化水素骨格とエチレン性不飽和基とを有する光重合性化合物であるTMCH−5(商品名、日立化成工業株式会社製)が好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
(B)成分は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分は、重量平均分子量が、500〜5000であることが好ましく、600〜3000であることがより好ましい。(B)成分の重量平均分子量が上記範囲内であることで、感光性接着剤組成物の硬化物からなる硬化膜が、より良好な膜物性を有し、且つ低誘電率となる。なお、ここで重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線を基に算出したものである。
感光性接着剤組成物は、(B)成分として、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましく、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンを含むことがより好ましい。(B)成分としてこのような化合物を含む感光性接着剤組成物は、密着性、解像性等のパターニング性が一層良好になる。
また、感光性接着剤組成物は、(B)成分として、低弾性な硬化膜が得られる観点から、ウレタンモノマーを含むことが好ましい。感光性接着剤組成物の硬化膜が低弾性であることで、例えば、当該硬化膜を回路部材接続用の接着剤として用いた場合に熱圧着時の圧着性に優れる等の効果が得られる。
感光性接着剤組成物において、(B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の固形分100質量部に対して、20〜60質量部であることが好ましく、30〜50質量部であることがより好ましく、30〜45質量部であることがさらに好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲内であることで、感光性接着剤組成物の密着性及び解像性が一層向上し、さらに低吸湿率、低透湿率をより高水準で達成することができる。
((C)成分)
(C)成分は、光重合開始剤である。(C)成分としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパノン−1−オン等の芳香族ケトン類;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;アルキルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、(C)成分は常法によって合成してもよく、市販のものを入手して使用してもよい。
市販の(C)成分としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1はイルガキュア−369(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパノン−1−オンはイルガキュア−907(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドはイルガキュア−819(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)等が入手可能である。
感光性接着剤組成物は、(C)成分として、アシルフォスフィノキサイド類を含有することが好ましく、下記式(6)で表されるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを含むことがより好ましい。このような(C)成分を含有することにより、感光性接着剤組成物の光感度が一層向上するとともに、当該感光性接着剤組成物を用いて形成される感光性接着剤層は、底部硬化性に一層優れる。
Figure 0005488086
感光性接着剤組成物において、(C)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であることで、感光性接着剤組成物の光感度が一層向上し、さらに当該感光性接着剤組成物によれば、高精細でレジスト形状に優れるレジストパターンを容易に形成することができる。
((D)成分)
(D)成分は、エポキシ樹脂である。(D)成分としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型又はビスフェノールF型と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂が挙げられ、チバガイギー社製GY−260、GY−255、XB−2615、ジャパンエポキシレジン社製エピコート828、エピコート1007、エピコート807、新日本理化株式会社製BEO−60E、大日本インキ化学工業社製850−S等のビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールA型、アミノ基含有、脂環変性、ポリブタジエン変性等のビスフェノール型エポキシ樹脂が好適に用いられる。
上記ノボラック型エポキシ樹脂としては、ノボラック類とエピクロルヒドリンを反応させて得られるものが挙げられる。ここでノボラック類は、例えば、フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール又はアルキルフェノール類と、ホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応して得られる。ノボラック型エポキシ樹脂としては、東都化成社製YDCN−701、YDCN−704、YDPN−638、YDPN−602、ダウ・ケミカル社製DEN−431、DEN−439、チバガイギー社製EPN−1299、大日本インキ化学工業社製N−730、N−770、N−865、N−665、N−673、VH−4150、VH−4240、日本化薬社製EOCN−120、BREN等が挙げられる。
上記多官能エポキシ樹脂としては、感光性接着剤組成物の硬化物の信頼性をさらに向上させる観点から、ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
また、その他の構造のエポキシ樹脂としては、例えば、ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(三井化学株式会社製VG−3010L等)、サリチルアルデヒド−フェノール又はクレゾール型エポキシ樹脂(日本化薬社製EPPN502H、FAE2500等)、大日本インキ化学工業社製エピクロン840、エピクロン860、エピクロン3050、ダウ・ケミカル社製DER−330、DER−337、DER−361、ダイセル化学工業社製セロキサイド2021、三菱ガス化学社製TETRAD−X,C、日本曹達社製EPB−13、EPB−27等も使用することができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され、混合物あるいはブロック共重合物を用いてもよい。
感光性接着剤組成物は、(D)成分として、基板と被接着部材との接着時の接着強度や、硬化物の信頼性をさらに向上させる観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は多官能エポキシ樹脂を含むことが好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び多官能エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と多官能エポキシ樹脂との含有割合(質量比)(ビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有量/多官能エポキシ樹脂の含有量)が、1/0〜0/1であることが好ましく、0.8/0.2〜0.2/0.8であることがより好ましい。このような含有割合であることで、上記の効果を一層有効に得ることができる。
感光性接着剤組成物において、(D)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の固形分100質量部に対して、3〜40質量部であることが好ましく、5〜35質量部であることがより好ましく、7〜30質量部であることがさらに好ましく、10〜25質量部であることが特に好ましい。(D)成分の含有量が上記範囲を外れると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、感光性接着剤組成物の硬化物が熱キュア後に脆くなる傾向があり、また、感光性接着剤組成物の現像性が低下する傾向がある。
((E)成分:シランカップリング剤)
感光性接着剤組成物は、基板との密着性及び硬化物の信頼性をさらに向上する観点から、シランカップリング剤(以下、場合により「(E)成分」と称する。)を含むことが好ましい。(E)成分としては、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、(メタ)アクロキシアルキルトリアルコキシシラン、ウレイドアルキルトリアルコキシシラン等が好ましい。
上記グリシドキシアルキルトリアルコキシシランとしては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。また、上記(メタ)アクロキシアルキルトリアルコキシシランとしては、3−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。さらに、上記ウレイドアルキルトリアルコキシシランとしては、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(トリエトキシプロピル炭酸ジアミド)等が挙げられる。これらのうち、(E)成分としては、感光性接着剤組成物の解像度及び接着強度を共に向上できる観点からは、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン及び/又は(メタ)アクロキシアルキルトリアルコキシシランを用いることが好ましく、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン及び(メタ)アクロキシアルキルトリアルコキシシランを併用して用いることがより好ましい。
また、本実施形態に係る感光性接着剤組成物の特性を損ねない程度に、上記以外のシランカップリング剤を併用させることができる。上記以外のシランカップリング剤としては、有機官能基にビニル基、アミノ基、メルカプト基等があり、加水分解基にアルコキシ基、クロル基、アセトキシ基、オキシム基、イソプロペノキシ基、アミド基等を有するものが挙げられる。工業的には、加水分解反応の制御範囲が広く、ハンドリングが容易であるアルコキシ基を加水分解基に用いる場合が多い。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
感光性樹脂組成物が(E)成分を含有する場合、(E)成分の含有量は、解像度、密着性及び接着力をいずれもより高水準で達成する観点から、(A)成分と(B)成分の固形分100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、1〜7質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。(E)成分の含有量が上記範囲を外れると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、密着性の効果が低くなったり、感光特性の安定性が低下したりする傾向がある。
感光性接着剤組成物は、必要に応じて上記以外に、ビニル化合物、光開始剤、可塑剤、染料、顔料、イメージング剤、充填剤等を配合して使用することができる。
(感光性エレメント)
次に、本実施形態に係る感光性エレメントについて説明する。本実施形態に係る感光性エレメントは、支持体と、該支持体上に形成された上記感光性接着剤組成物を用いて形成される感光性接着剤層とを備えるものである。
図1は、本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示した感光性エレメント1は、支持体10と、該支持体10上に設けられた感光性接着剤層14と、で構成される。感光性接着剤層14は、上述した本実施形態の感光性接着剤組成物を用いて形成される層である。通常の場合は、前記感光性接着剤組成物を溶剤に溶解した溶液を塗布し、乾燥して形成されるため、前記感光性接着剤層は前記感光性接着剤組成物からなる。また、本実施形態の感光性エレメント1は、感光性接着剤層14上の支持体10とは反対側の面F1を保護フィルムで被覆してもよい。
支持体10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが挙げられる。支持体10の厚みは、5〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。この厚みが5μm未満では、機械的強度が低下し、感光性接着剤層14を基板上に積層させる際などに、支持体10が破れる等の問題が発生し易くなる傾向にある。また、厚みが100μmを超えると、支持体10を介して感光性接着剤層14に活性光線を照射する場合に、解像度が低下する傾向がある。
感光性接着剤層14は、感光性接着剤組成物を溶剤又は混合溶剤に溶解して、固形分30〜70質量%程度の溶液とした後、かかる溶液を支持体10上に塗布して形成することが好ましい。ここで、溶剤としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アセトン、メタノール、トルエン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン等を使用できる。
感光性接着剤層14の厚みは、用途により異なるが、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を除去した乾燥後の厚みで、10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましい。この厚みが上記範囲を外れると工業的に塗工困難な傾向がある。
支持体10と感光性接着剤層14との2層からなる感光性エレメント1、又は、支持体10と感光性接着剤層14と保護フィルムとの3層からなる感光性エレメントが好適に使用でき、これらの感光性エレメントは、そのまま貯蔵してもよく、保護フィルムを介在させた上で巻芯にロール状に巻き取って保管してもよい。
(レジストパターンの形成方法)
次に本実施形態に係るレジストパターンの形成方法について説明する。本実施形態に係るレジストパターンの形成方法は、上記感光性接着剤組成物を用いて形成された感光性接着剤層を基板上に積層する積層工程と、感光性接着剤層の所定部分(以下、活性光線照射後の所定部分を、場合により「露光部」と称する。)に活性光線を照射する露光工程と、露光部以外の部分を基板上から除去することにより、基板上に、感光性接着剤組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程とを含むものである。なお、ここで基板としては、シリコン、ガラス等の絶縁性を有する基板が好適に使用できる。
(積層工程)
積層工程において、感光性接着剤層を基板上に積層する方法としては種々の方法を利用でき、例えば、感光性接着剤組成物を溶剤又は混合溶剤に溶解して、固形分30〜70質量%程度の溶液とした後、かかる溶液を基板上に塗布して感光性接着剤層を形成することができる。
また、上述した感光性エレメントを用いて、基板上への感光性接着剤層の積層を行ってもよい。その場合の積層方法としては、感光性エレメントが保護フィルムを備える場合には保護フィルムを除去した後、感光性接着剤層を70℃〜130℃程度に加熱しながら基板に0.1MPa〜1MPa程度の圧力で圧着する方法等が挙げられる。かかる方法は、密着性及び追従性の見地から、減圧下で行うことが好ましい。また、積層性をさらに向上させるために、圧着前に回路形成用基板の余熱処理を行うこともできる。これらの積層条件は、適宜変更することができる。
(露光工程)
感光性エレメントを用いた積層方法では、基板上に、感光性接着剤層と支持体とが順次積層される。支持体が透明性を有する場合には、露光工程において、支持体上から活性光線を照射して感光性接着剤層を露光してもよい。また、支持体の透明性が低い場合には、支持体を感光性接着剤層上から除去し、直接感光性接着剤層に活性光線を照射してもよい。
露光工程では、例えば、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を照射する。活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。
(現像工程)
現像工程では、感光性接着剤層の活性光線を照射した部分(露光部)以外の部分(以下、場合により「未露光部」と称する。)を、基板上から除去する。現像工程では、感光性接着剤層上に支持体が存在している場合には支持体を除去した後、現像液で処理することにより未露光部を除去してレジストパターンを製造することができる。
現像液としては、安全かつ安定であり、操作性が良好なものが好適に用いられる。このような現像液としては、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(1〜5質量%水溶液)等が挙げられる。また、半導体用途など軽元素を低減する必要がある場合は、水酸化テトラヒドロアンモニウム水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等が好適に用いられる。
現像の方法としては、ディップ方式、スプレー方式等があり、高圧スプレー方式が現像性、解像度向上のためには最も適している。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10mJ/cm程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
上記形成方法により得られたレジストパターンは、基材上に形成される永久レジストとして使用されると好ましく、熱圧着により任意の部材との接着剤として用いられるとより好ましい。
(回路部材の製造方法)
次に、本実施形態に係る回路部材の製造方法について説明する。本実施形態に係る回路部材の製造方法は、基板上に形成された上記感光性接着剤組成物の硬化物からなるレジストパターンを介して配置された上記基板と被接着部材とを、熱圧着により接着することを特徴とする。
ここで、レジストパターンとしては、上記レジストパターンの形成方法により形成されたレジストパターンが好ましい。また、基板としては、ここで基板としては、シリコン、ガラス等の絶縁性を有する基板が好適に使用できる。さらに、被接着部材としては、シリコン、ガラス各種、アルミ、樹脂等が挙げられる。
熱圧着(熱硬化)は、圧着温度100〜180℃、圧着圧力0.1〜1.5MPa、圧着時間0.5〜60s程度の条件で行われることが好ましい。また、熱圧着後に、接着性等を向上させる目的で、レジストパターンをさらに加熱してもよい。このときの加熱条件としては、加熱温度150〜180℃程度、加熱時間30〜90分間程度の範囲が好ましい。
上記回路部材の製造方法は、上記感光性接着剤組成物の硬化物からなるレジストパターンを使用しているため、優れた接着性及び硬化膜信頼性を有する。そのため、各種センサなどの中空パッケージ構造作製に有効に利用することができる。
このようにしてレジストパターンを備えられた基板は、その後、部品実装(例えば、はんだ付け)がなされ、そして、カメラ等の電子機器へ装着される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。
(合成例1:ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成)
攪拌機、温度計を備えた2リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン1000g、6FAPK(2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン)208.8g、m−アミノフェノール6.6gを仕込み、攪拌溶解した。続いて、温度を5℃以下に保ちながら、セバシン酸クロリド160.3g(6FAPK1モルに対する仕込み量(モル比)1.12)を90分間かけて滴下した後、60分間攪拌を続けた。得られた溶液を6リットルの水に投入し、析出物を回収し、これを、純水で3回洗浄した後、減圧してポリベンゾオキサゾール前駆体(A−3)を得た。得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(a−3)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算して得られた重量平均分子量は33360、数平均分子量は15000であった。
(合成例2〜5)
セバシン酸クロリドの仕込み量(モル比)を1.12から1.10に代えた以外は、合成例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(a−1)を得た。
また、セバシン酸クロリドの仕込み量を1.12から1.05に代えた以外は、合成例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(a−2)を得た。
また、セバシン酸クロリドの仕込み量を1.12から1.15に代えた以外は、合成例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(a−4)を得た。
また、セバシン酸クロリドの仕込み量を1.12から1.18に代えた以外は、合成例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(a−5)を得た。
得られた各ポリベンゾオキサゾール前駆体をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算して重量平均分子量と、数平均分子量を得た。得られえた値を、表1に示す。
なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定は、以下の条件でおこなった。
[GPC条件]
ポンプ:L6000 Pump(株式会社日立製作所製)、
検出器:L3300 RI Monitor(株式会社日立製作所製)、
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5(計2本)(商品名、日立化成工業株式会社製)、
溶離液:DMF/THF(質量比1/1)、
流量:1ml/min
Figure 0005488086
(実施例1〜6、比較例1〜2)
合成例1〜5で合成したポリベンゾオキサゾール前駆体と、下記に示すその他の成分を、下記表2に示した配合割合(質量部)で混合し、溶媒調整を行った。
(A−2)成分:
AT−4(商品名、一般式(3)で表わされるポリベンゾオキサゾール前駆体、重量平均分子量18000、数平均分子量10000、日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製)。
(B)成分:
FA−321M(商品名、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、日立化成工業株式会社製)、
TMCH−5(商品名、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート/1,4ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン/2−ヒドロキシエチルアクリレート)=8.15/1.95/12(mol比)、重量平均分子量950、日立化成工業株式会社製)。
(C)成分:
Irg−819(商品名、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)。
(D)成分:
850−S(商品名、ビスフェノールA型グリシジルエポキシ樹脂、DIC株式会社製)、 VG−3101L(商品名、ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、三井化学株式会社製)。
(E)成分:
A−187(商品名、エポキシ型シランカップリング剤、日本ユニカー株式会社製)、
SZ−6030(商品名、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)。
溶媒:
トルエン、メタノール。
Figure 0005488086
実施例1〜6、比較例1〜2の感光性接着剤組成物溶液をそれぞれ、50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で約10分間乾燥して感光性フィルム(感光性エレメント)を得た。感光性接着剤層の乾燥後の膜厚は、50μmであった。
シリコンウェハー(エレクトロニクス エンド マテリアルズ コーポレーション製、商品名「5インチシリコンウェハ」)上に感光性接着剤層が密着するように、上記感光性フィルムを常圧ラミネータ(大成ラミネーター株式会社製)にて60℃、0.4MPa、1.8m/minの条件でラミネートした。
[吸湿率の評価]
16cm×10cmのステンレス板(日新製鋼株式会社製、商品名「SUS304」)の重量(a)を精密天秤で小数点第4位まで測定後、基板上に感光性接着剤層が密着するように、感光性フィルムを常圧ラミネータ(大成ラミネーター株式会社製)にて60℃、0.4MPa、1.8m/minの条件でラミネートした。
上記ラミネート後のSUS基板を5Kw高圧水銀灯(株式会社オーク製作所製、HMW−201GX)で1000mJ/cmのエネルギー量にて全面露光した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを除去し、160℃で1時間加熱して熱硬化させた。熱硬化後の重量(b)を測定し、60℃、90%RHの恒温恒湿槽に168時間投入後、重量(c)を測定した。それぞれの重量を下記式(I)に当てはめて感光性接着剤層の硬化膜の吸湿率(%)を算出した。結果を表3に示す。
Figure 0005488086
[透湿率の評価]
ポリテトラフルオロエチレンシート(日東電工株式会社製、商品名「ニトフロンフィルム」)上に感光性接着剤層が密着するように、感光性フィルムを常圧ラミネータ(大成ラミネーター株式会社製)にて60℃、0.4MPa、1.8m/minの条件でラミネートした。
上記ラミネート後のポリテトラフルオロエチレンシートを5Kw高圧水銀灯(株式会社オーク製作所製、HMW−201GX)で1000mJ/cmのエネルギー量にて全面露光した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを除去し、160℃で1時間加熱して熱硬化させた。ポリテトラフルオロエチレンシート上に形成した硬化膜を、JIS Z0208のカップ法に準じて透湿率(g/m・24h)を測定した。吸湿条件は40℃、90%RHとした。結果を表3及び図2に示す。
[感光特性の評価]
上記ラミネート後の基板のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、日立(Hitachi)41段ステップタブレットスケール(ST=x/41)と日立(Hitachi)テストパターンG2ネガフィルム(解像度L/S=30/30〜200/200μm、密着性L/S=30/400〜200/400μm、抜け解像度L/S=400/30〜400/200μm)を密着させ、5Kw高圧水銀灯(株式会社オーク製作所製、HMW−201GX)で1000mJ/cmのエネルギー量にて露光を行った。
上記で露光した基板からポリエチレンテレフタレートフィルムを除去し、23℃で3.3重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を30秒間スプレーすることにより、未露光部分を完全に除去した。
感度(ST;段)は、現像後にパターンが形成されたステップタブレットの最終残存段数を読み取り、評価した。
解像度(RP−1;μm)は、テストパターン(L/S=30/30〜200/200μm)において、ライン間のスペースが完全に除去された最小ライン幅の値で示した。
密着性(AD;μm)は、テストパターン(L/S=30/400〜200/400μm)において、ラインが膨張、あるいは欠けることなく完全に残っている最小ライン幅の値で示した。
抜け解像度(RP−2;μm)は、テストパターン(L/S=400/30〜400/200μm)からライン間のスペースが完全に除去された最小スペース幅の値で示した。
解像度、密着性、抜け解像度の評価は、値が小さいほど良好である。以上を感光特性の評価とし、結果を表3に示した。
[接着力の評価]
上記ラミネート後のシリコンウェハー基板を、1000mJ/cmのエネルギー量にて全面露光した後、2mm角にダイシングし、100℃、1.0MPa、0.5sの条件で10mm角のホウケイサンガラス基板と熱圧着した。
次いで160℃、1時間で熱硬化をした後、室温(25℃)又は180℃、20秒加熱後に、引き剥がし強さの測定を行い、室温及び高温時の接着強度を算出した。なお、引き剥がし強さ(ピール強度)の測定は、ダイシェア試験機(Dage社製、商品名:BT−4000)を用いて行った。この方法によれば、接着剤の面接着強度(MPa)を測定することができる。結果を表3に示した。
Figure 0005488086
実施例1〜3に示すように数平均分子量が15000〜50000の間のポリベンゾオキサゾール前駆体を含む感光性接着剤組成物は、感度、密着性、解像性が良好であり、且つ、硬化物の接着強度及び透湿性に優れる。特に、実施例1〜3の数平均分子量が15000〜50000のポリベンゾオキサゾール前駆体を含む感光性接着剤組成物は、比較例1及び2の含まれるポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量が15000未満である感光性接着剤組成物と比較すると、透湿率をより低くすることができる。また、ポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量が15000〜50000であることの優れた効果は、図2からも明らかである。さらに、実施例4〜6に示すように(A−2)成分をさらに含む感光性接着剤組成物は、吸湿率をさらに低減できる。また、(A−2)成分を多く含む実施例5及び6では、高温時での接着強度にも優れることがわかる。
1…感光性エレメント、10…支持体、14…感光性接着剤層。

Claims (9)

  1. (A−1)下記一般式(1)で表される繰返し単位を有し、数平均分子量が15000〜50000であるポリベンゾオキサゾール前駆体と、
    (B)分子内にエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、
    (C)光重合開始剤と、
    (D)エポキシ樹脂と、
    を含有する、感光性接着剤組成物。
    Figure 0005488086

    [式中、X及びYは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ主鎖に炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基を示し、X及びYのうち少なくとも一つは、下記一般式(2)で表される基である。]
    Figure 0005488086

    [式中、R及びRは、水素原子、フッ素原子、アルキル基又はフッ化アルキル基を示し、nは1〜30の整数を示し、n個のR及びn個のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、n個のR及びn個のRのうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ化アルキル基である。]
  2. 前記(A−1)成分及び前記(B)成分の合計含有量100質量部に対して、前記(A−1)成分を40〜80質量部、前記(B)成分を20〜60質量部、前記(D)成分を3〜40質量部含有する、請求項1に記載の感光性接着剤組成物。
  3. (A−2)下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体をさらに含有する、請求項1に記載の感光性接着剤組成物。
    Figure 0005488086

    [式中、Uは、主鎖に炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基を示す。]
  4. 前記(A−1)成分、前記(A−2)成分及び前記(B)成分の合計含有量100質量部に対して、前記(A−1)成分及び前記(A−2)成分の合計含有量が40〜80質量部、前記(B)成分の含有量が20〜60質量部、前記(D)成分の含有量が3〜40質量部である、請求項3に記載の感光性接着剤組成物。
  5. 前記(D)成分として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は多官能エポキシ樹脂を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物。
  6. (E)シランカップリング剤をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物。
  7. 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物を含有する感光性接着剤層と、を備える、感光性エレメント。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物を含有する感光性接着剤層を基板上に積層する積層工程と、
    前記感光性接着剤層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、
    前記感光性接着剤層の前記所定部分以外の部分を前記基板上から除去することにより、前記基板上に、前記感光性接着剤組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、
    を含む、レジストパターンの製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物の硬化物からなるレジストパターンを介して配置された第一の被接着部材と第二の接着部材とを、熱圧着により接着する、接着体の製造方法。
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