JP5482665B2 - 2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンおよび2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンおよび2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、冷媒としての利用が可能な2,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびこの化合物の前駆体として有用な2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの製造方法に関する。
従来、エアコンの冷媒としては、クロロフルオロカーボン、例えば、ジクロロフルオロメタン(R12)やクロロジフルオロメタン(R22)が使用されてきたが、これらの冷媒はオゾン層破壊能や、高い地球温暖化係数(GWP)を有することから、近年、地球温暖化係数の低いテトラフルオロエタン(R134a)等を代替品として使用することが広く行われている。
しかしながら、最近では、温室効果ガス規制の高まりによって、より低いGWPを有する代替品が求められており、次世代の冷媒として2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)の使用が検討されている。
2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製法としては、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを原料としてこれを脱塩酸する方法が知られており、さらに原料である2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの製法としては、例えば、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(CH=CClCF)にフッ化水素を付加する方法(特許文献1参照)、フルオロテトラクロロプロパン、ジクロロトリフルオロプロパン等の塩素原子をフッ素化する方法(特許文献2参照)が知られている。
特許文献1による方法では、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得るためにさらに遡って、2,3−ジクロロプロペンを出発物質として4段階の反応が行われており、この2,3−ジクロロプロペンを出発物質とすれば、目的物質である2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得るためには6段階の反応が必要となる。このように特許文献1による方法では、工程数が多く製造コストが高くなるという点が問題であった。さらに、この方法では、アルカリを用いた脱塩酸の工程を必須とするため、大量の排水が発生するという問題もある。また、特許文献2による製造方法においても、原料合成に多くの工程が必要であることや、毒性の高い化学物質を使用するなどの理由から、工業スケールで行うことが困難であるという問題があった。
このように、次世代の冷媒として期待されている2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)については、種々の製造方法が提案されているが、工業的スケールで効率よく製造する方法については、いまだ知られていないのが現状である。
WO2007/079431国際公開パンフレット WO2008/040969国際公開パンフレット
本発明は、上記観点からなされたものであって、工業的に実施可能な方法で、効率的かつ経済的に、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)および2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパンと塩素とを溶媒存在下で光照射により反応させて1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパンを得る塩素化工程と、前記塩素化工程で得られる1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパンとフッ化水素とを触媒存在下で反応させて2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを得るフッ素化工程とを有することを特徴とする2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの製造方法を提供する。
また、本発明は、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパンと塩素とを溶媒存在下で光照射により反応させて1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパンを得る塩素化工程と、前記塩素化工程で得られる1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパンとフッ化水素とを触媒存在下で反応させて2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを得るフッ素化工程と、前記フッ素化工程で得られる2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを、触媒存在下で脱塩酸反応させて2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る工程と、を有することを特徴とする2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造する方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、工業的に実施可能な方法で、効率的かつ経済的に、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)および2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)を製造することが可能である。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)の製造方法について実施の形態を説明する。なお、本明細書において、ハロゲン化炭化水素については化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記すが、本明細書では必要に応じて化合物名に替えてその略称を用いることもある。
<2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)の製造方法> 本発明の2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)の製造方法は、以下に説明する塩素化工程およびフッ素化工程を有する。
(1)塩素化工程
本発明のR244bbの製造方法における塩素化工程では、以下の反応式(1)に示すとおり、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(R261ba、CHCClFCHCl)と塩素とを溶媒存在下で光照射により反応させて、1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb、CHCClFCCl)を生成させる。
[塩素化工程反応式]
CHCClFCHCl + 2Cl → CHCClFCCl + 2HCl …(1)
上記反応式(1)で示される塩素化工程の反応において出発物質として用いる1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(R261ba、CHCClFCHCl)は、公知の方法で製造可能である。具体的には、市販品としても入手可能な2,3−ジクロロプロペン(CH=CClCHCl)を原料とし、この化合物とフッ化水素を通常の条件で反応させることにより製造することができる。
上記反応式(1)で示される塩素化工程の反応においては、このようにして得られる1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(R261ba、CHCClFCHCl)と塩素とを反応させるが、この反応は溶媒存在下、光照射により行われる。
本発明のR244bbの製造方法における上記塩素化工程の反応においては、溶媒の存在により生成する固体のR241bbを溶解することができ、反応を均一系で行うことが可能となる。上記塩素化工程の反応に用いる溶媒としては、原料成分(1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(R261ba)と塩素)を溶解することが可能であり、かつ原料成分に対して不活性であって、蒸留等によって目的生成物質(1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb))との分離が容易である溶媒が、特に制限なく挙げられる。
また、このような溶媒として、具体的には、四塩化炭素、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(R113)、CF(CFCF(ただし、式中nは、3〜6の整数を表す。)で表される炭素数5〜8の直鎖パーフルオロアルキル化合物、ヘキサクロロアセトン等のパーハロ化合物を挙げることができる。これらの溶媒のうちでも、本発明においては、低コストで、目的生成物質の1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb、沸点:140℃)と十分な沸点差を有することから四塩化炭素(沸点:76.8℃)が好ましく用いられる。
上記反応式(1)で示される塩素化工程の反応に用いる溶媒の量としては、生成するR241bbを溶解できれば特に制限されないが、具体的には、原料成分(1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(R261ba)と塩素の合計量)に対して1〜1000質量%、好ましくは50〜100質量%の量が挙げられる。
上記反応式(1)で示される塩素化工程の反応において、反応を起こさせるために光照射は必須である。照射する光として、具体的には、波長200〜400nmの光を含む紫外線等が挙げられる。上記反応式(1)で示される反応において、このような光照射を行うことが可能な光源としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等を挙げることができる。
光照射の方法としては、反応時間を通じて反応液全体に均一に照射できる方法であれば特に制限されないが、例えば、少なくとも上記反応に必要な波長の光を透過し、反応液成分に不活性で、耐食性の材料で構成されたジャケットを装着した光源を反応液中に挿入し、反応液内部から反応液に対して光を照射する等の方法が挙げられる。また、光源が熱を発生する場合には、反応温度によっては上記ジャケットは冷却手段を有するジャケットであることが好ましい。
上記反応式(1)で示される塩素化工程の反応における反応温度は、反応時の圧力条件により適宜調整される。上記反応式(1)で示される反応の圧力条件については、例えば、反応時間の短縮、内容物の揮発を抑制する等の目的で加圧を必要とする場合には、1.0MPa以下の加圧条件、反応器内の内圧で常圧〜1.0MPaの反応圧条件とすることが可能であるが、工業的な実施のしやすさの点から、圧力調整を行わずに常圧で反応を行うことが好ましい。上記反応式(1)で示される反応を常圧で行う場合の反応温度は、反応率、選択率の点から−20〜60℃とすることが好ましく、0〜10℃がより好ましい。
上記反応式(1)で示される塩素化工程の反応は、バッチ式、連続流通式のどちらの方法でも可能である。なお、反応時間は各様式により一般的な方法で適宜調整することができる。反応系、すなわち1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(R261ba)と溶媒の各所定量を含む混合物、への塩素の供給は、必要に応じて塩素を窒素等の不活性ガスで希釈して、反応時に時間あたりの所定量を、断続的または連続的に反応液へ吹き込むことによって行う、または反応前に加圧状態で1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(R261ba)と溶媒の所定量混合物への仕込みによって行う等の方法で実施可能である。また、上記反応式(1)で示される塩素化工程の反応に際しては、通常の方法、装置等を用いて、撹拌の操作を加えることが好ましい。
上記反応式(1)で示される塩素化工程の反応が行われる反応器の材質としては、通常、反応式(1)で示される反応と同様の化学反応等で使用される材質、例えば、ガラス、鉄、ニッケルあるいはこれらを主成分とする合金等を挙げることができる。
なお、上記反応式(1)で示される塩素化工程の反応においては、上記に示す各反応条件を調整したとしても、原料成分の1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(R261ba)の全てが反応して転化率が100%となった段階の反応液中には、目的生成物質である1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb、CHCClFCCl、好適な条件、例えば、高圧水銀ランプ(500W)による紫外線照射下、5℃で反応を行った際の収率で約65.3%)以外に、副反応生成物として生成される、例えば、低塩素化体である1,1,2−トリクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCHCl、上記反応条件での収率で約7.2%)や1,2,3−トリクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCHCl、上記反応条件での収率で約1.4%)、あるいは目的生成物質の異性体である1,1,2,3−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCHCl、上記反応条件での収率で約12.0%)等が存在する。ここで、本明細書において用いる「収率」とは、ガスクロマトグラフィー測定結果のピーク面積から計算される収率をいう。
これらの副反応生成物のなかには、蒸留等の通常の方法により目的生成物質(R241bb)と分離可能な副反応生成物もあるが、目的生成物質(R241bb)の異性体である1,1,2,3−テトラクロロ−2−フルオロプロパンは、目的生成物質(R241bb)との沸点差が小さく、生成量が多いことから最も分離が困難な副反応生成物である。本発明の製造方法における塩素化工程の反応においては、目的生成物質(R241bb)を簡便な方法で高純度に分離精製する観点から、前記副反応生成物のひとつ1,1,2,3−テトラクロロ−2−フルオロプロパンの反応液中の含有量を下げることが好ましい。具体的な方法としては、反応系への塩素の導入を、原料成分である1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(R261ba)が100%転化した後も継続して行い、または追加して行い、反応液中に存在する目的生成物質(R241bb)の異性体である1,1,2,3−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCHCl)を1,1,1,2,3−ペンタクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCHCl)等に変換・塩素化させることで、1,1,2,3−テトラクロロ−2−フルオロプロパンの含有量が反応生成物中に収率1%未満となるまで塩素化を進行させる方法が挙げられる。
ここで、上記反応系への塩素の導入を、原料成分である1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(R261ba)が100%転化した後も継続して行うと、目的生成物質である1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb)の塩素化反応も並行して起こり、1,1,1,2,3−ペンタクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCCl)、1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCCl)等が新たに副反応生成物として生成される。しかし、目的生成物質(R241bb)の異性体、1,1,2,3−テトラクロロ−2−フルオロプロパンの塩素化反応は、目的生成物質(R241bb)の塩素化反応よりも選択的・特異的に進行するため、この目的生成物質の異性体、1,1,2,3−テトラクロロ−2−フルオロプロパンが反応生成物中に収率1%未満となるまで塩素化反応を行っても、目的生成物質(R241bb)の収率の低下は小さく問題にならない程度である。
なお、反応系における各化合物の収率(含有量)の経時変化は、分析機器、例えば、ガスクロマトグラフィーを反応装置に組み込み継続的な測定を行うことによって確認することが可能であり、またこれにより反応が制御可能となる。
本発明のR244bbの製造方法における塩素化工程においては、次いで、このようにして得られる1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb)の異性体である1,1,2,3−テトラクロロ−2−フルオロプロパンの含有量を、好ましくは収率で1%未満に、低減させた反応液から蒸留等の通常の方法により1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb)を分離精製する。
(2)フッ素化工程
本発明のR244bbの製造方法におけるフッ素化工程では、以下の反応式(2)に示すとおり、前記塩素化工程で得られる1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb、CHCClFCCl)とフッ化水素とを触媒存在下で反応させて、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb、CHCClFCF)を生成させる。
[フッ素化工程反応式]
CHCClFCCl + 3HF → CHCClFCF + 3HCl …(2)
本発明のR244bbの製造方法において上記反応式(2)で示すフッ素化工程の反応に用いる触媒としては、炭化水素化合物をフッ素化するために一般的に用いられる触媒を特に制限なく挙げることができる。このような触媒として、具体的には、アンチモン、ニオブ、タンタル、スズ、チタン、鉄、タリウム等から選ばれる金属のハロゲン化物の少なくとも1種を含むフッ素化のための触媒が好ましく、より好ましくは五塩化アンチモン(SbCl)を含むフッ素化のための触媒を挙げることができる。
また、上記反応式(2)で示すフッ素化工程の反応に用いる触媒の量は、上記金属のハロゲン化物の量として、反応原料成分(1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb))に対して、0.1〜100mol%となる量が好ましく、0.1〜10mol%となる量がより好ましい。
上記反応式(2)で示されるフッ素化工程の反応における反応温度は、反応時の圧力条件により適宜調整される。上記反応式(2)で示される反応の圧力条件については、例えば、反応時間の短縮、反応原料成分のフッ化水素を液相に存在させる等の目的で加圧を必要とする場合には、10MPa以下の加圧条件、反応器内の内圧で常圧〜10MPaの反応圧条件とすることが可能であるが、4.0MPa以下の加圧条件、反応器内の内圧で常圧〜4.0MPaの反応圧条件とすることが工業的な実施のしやすさの点から好ましい。上記反応式(2)で示される反応は、反応率、選択率の点から50〜200℃とすることが好ましく、80〜120℃がより好ましい反応温度である。
上記反応式(2)で示されるフッ素化工程の反応は、バッチ式、連続流通式のどちらでも可能である。なお、反応時間は各様式により一般的な方法で適宜調整することができる。反応系、すなわち1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb)と触媒の各所定量を含む混合物へのフッ化水素の供給は、フッ化水素の沸点(19.5℃)を考慮して、バッチ式においては通常、減圧下でフッ化水素が気化しない程度に液体窒素等で前記混合物を冷却し、減圧下で所定量のフッ化水素を導入する等の方法で行われる。また、上記反応式(2)で示されるフッ素化工程の反応に際して、副生する塩化水素(ガス)は適当な方法で、反応系外へ取り出し回収することが好ましい。なお、上記反応式(2)で示されるフッ素化工程の反応に際しては、通常の方法、装置等を用いて、撹拌の操作を加えることが好ましい。
上記反応式(2)で示されるフッ素化工程の反応が行われる反応器の材質としては、通常、反応式(2)で示される反応と同様の化学反応等で使用される材質、例えば、鉄、ニッケルあるいはこれらを主成分とする合金等を挙げることができる。
なお、上記反応式(2)で示されるフッ素化工程の反応においては、目的生成物質である2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb、CHCClFCF)は常温常圧上記例示した反応条件下で気体の状態で得られるが、たとえ反応条件を好適なものに調整したとしても、原料成分の1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb)の全てが反応して転化率が100%となった段階の反応生成ガス中には、目的生成物質である2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb、CHCClFCF、好適な条件、例えば、0.95MPa、80〜90℃で反応を行った際の収率で約47%)以外に、副反応生成物として生成される、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン(CHCClFClF、上記反応条件での収率で約11%)、3,3,3−トリフルオロ−2−クロロプロペン(CH=CClCF、上記反応条件での収率で約11%)や2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン(CHCClCF、上記反応条件での収率で約20%)等が存在する。
これらの副反応生成物は、いずれも蒸留等の通常の方法により目的生成物質(R244bb)と分離可能な副反応生成物であることから、目的生成物質2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)は、通常の蒸留等の方法で反応生成ガスから分離精製されて用いられる。
なお、上記副反応生成物、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、3,3,3−トリフルオロ−2−クロロプロペンおよび2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパンは、いずれも目的生成物質(R244bb)と分離した後に、上記説明したのと同様なフッ素化反応の条件下、これらを出発物質としたフッ素化反応を行うことによって、以下の反応式(3)、反応式(4)または反応式(5)に示すとおり、本発明の製造方法における目的生成物質である2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)へとこれら化合物を変換させることが可能である。
[副反応生成物のフッ素化反応式]
CHCClFClF + HF → CHCClFCF + HCl …(3)CH=CClCF + HF → CHCClFCF …(4)
CHCClCF + HF → CHCClFCF + HCl …(5)
したがって、例えば、連続流通式により上記反応式(2)で示されるフッ素化工程の反応を行う際に、反応器から反応生成物として回収された粗ガスを目的反応物質(R244bb)と副反応生成物に分離し、得られた副反応生成物を反応原料成分であるR241bbに混入するかたちで反応器に供給するリサイクル使用(反応)によって、R241bbからの反応生成物R244bbと合わせて副反応生成物からのR244bbを得ることが可能である。または、R241bbとは別の反応器で上記副反応生成物のみを単独で触媒存在下にフッ化水素と反応させることでR244bbを得るかたちのリサイクル使用(反応)も実行可能である。
本発明のR244bbの製造方法における、1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb)とフッ化水素とを触媒存在下で反応させて2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)を得るフッ素化工程には、このような1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(R241bb)とフッ化水素を反応させて得られる副反応生成物、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパンや3,3,3−トリフルオロ−2−クロロプロペン、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパンをさらにリサイクル使用してフッ化水素と触媒存在下で反応させて2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)を生成するフッ素化反応も含まれるものである。
次に、上記本発明の製造方法で得られる2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)を用いた本発明の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)の製造方法について実施の形態を説明する。
<2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)の製造方法>
本発明の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf、CH=CFCF)の製造方法は、上記本発明の製造方法により得られる2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb、CHCClFCF)を、触媒の存在下で、以下の反応式(6)に示すように脱塩酸反応させることによって、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得ることを特徴とする。
[R244bbの脱塩酸反応式]
CHCClFCF → CH=CFCF + HCl…(6)
本発明のR1234yfの製造方法における、上記反応式(6)の脱塩酸反応は、従来公知の触媒を用いて従来公知の方法で行うことができる。このような触媒として具体的には、活性炭、ニッケル触媒(例えばニッケルメッシュ)、またはこれらを組み合わせたもの等を挙げることができる。その他の触媒としてはパラジウム担持カーボンやパラジウム担持アルミナなどが用いられる。なお、これらの触媒は反応器に固定床や流動床といった形で充填されて用いられる。
上記反応式(6)で示される脱塩酸反応における反応温度は、反応時の圧力条件により適宜調整される。上記反応式(6)で示される反応の圧力条件については、例えば、反応時間の短縮等の目的で加圧を必要とする場合には、1.0MPa以下の加圧条件、反応器内の内圧で常圧〜1.0MPaの反応圧条件とすることが可能であるが、工業的な実施のしやすさの点から、圧力調整を行わずに常圧で反応を行うことが好ましい。上記反応式(6)で示される脱塩酸反応を常圧で行う場合の反応温度は、200〜700℃とすることが好ましく、350〜450℃がより好ましい反応温度である。
上記反応式(6)で示される脱塩酸反応は、バッチ式、連続流通式のどちらで行うことも可能であるが、製造効率の点で連続流通式が好ましい。なお、反応時間は各様式により一般的な方法で適宜調整することができる。また、上記反応式(6)で示される脱塩酸反応に際しては、通常の方法、装置等を用いて、撹拌の操作を加えることが好ましい。
上記反応式(6)で示される脱塩酸反応は通常気相で実施される。この反応に用いられる気相反応器の材質としては、通常のもの、例えば、ステンレス鋼、ニッケル合金であるハステロイ(登録商標)、インコネル(登録商標)、モネル(登録商標)やフッ素系ポリマーでライニングされた金属、ガラス等の材質を挙げることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下の実施例の記載においてガスクロマトグラフィーをGC、GCのピーク面積比から計算される純度をGC純度、GCのピーク面積から計算される収率をGC収率と記す。
また、選択率(%)は、反応原料から得られた反応生成物混合物全量に占める特定の反応生成物の質量%をいう。
[実施例1]2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(CHCClFCF(R244bb))の製造
(1)塩素化工程における原料成分、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCHCl(R261ba))の合成
内容積2Lのガラス製のオートクレーブに2,3-ジクロロプロペン(CH=CClCHCl)1017gを仕込んだ。このオートクレーブを液体窒素で冷却した後、オートクレーブ内の2,3−ジクロロプロペンに減圧下でフッ化水素459gを導入した。次いで、オートクレーブの内温を50℃から60℃に保ちながら13時間撹拌した。撹拌終了後のオートクレーブを内温が5℃になるよう冷却した後、得られた反応粗生成物を氷水中に注いだ。氷水中で反応粗生成物の有機層を水洗し、これに無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、ろ過を行い、986gの反応粗液を得た。
このようにして得られた反応粗液のGC分析を行った結果、反応粗液にはGC収率で、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCHCl(R261ba))が86.5%、1,2,2−トリクロロプロパン(CHCClCHCl)が3.9%、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン(CHCFCHCl)が5.1%含まれていることが確認された。反応粗液を減圧蒸留し、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCHCl(R261ba))を留分として回収した。留分におけるR261baのGC純度は99.4%であった。
(2)塩素化工程(1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCCl(R241bb))の合成)
コンデンサを備えた内容積100mLのガラス製高圧水銀ランプ付き反応容器(光源である高圧水銀ランプ(出力500W、200〜400nmの波長の光を有する紫外線発生光源)は石英製のジャケットを有する)に撹拌子を入れ、上記(1)で得られた1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCHCl(R261ba))留分(R261baのGC純度:99.4%)の40.5gと四塩化炭素40.1gを仕込んだ。この反応容器の液中に、塩素ガスを6g/時間で導入しつつ、内温が5℃を超えないよう冷却しながら4.5時間の光照射を実施した。なお、光照射の間、石英製ジャケット内には冷却水を循環させて光源を冷却した。反応終了後、反応粗生成物(93.3g)を回収し、水洗を行い、溶存している塩素ガスを除去し反応粗液を得た。
なお、上記反応においては、光照射反応開始から3.5時間後には、原料成分である1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(R261ba、CHCClFCHCl)の転化率は100%であり、目的生成物質(R241bb)のGC収率は65.3%であったが、その時点では、副反応生成物であり目的生成物質との分離が困難なR241bbの異性体、1,1,2,3−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCHCl)のGC収率が12.0%と高かったため、さらに光照射による塩素化反応を継続して行い、最終的に4.5時間で光照射による塩素化反応を終了させた。なお、上記反応開始から3.5時間後の時点の反応粗液には、その他の成分として、1,1,2−トリクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCHCl)がGC収率で7.2%、1,2,3−トリクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCHCl)がGC収率で1.4%含まれていた。
このようにして得られた反応粗液のGC分析を行った結果、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCHCl)の転化率は100%であった。また、反応粗液における1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCCl(R241bb))のGC収率65.3%であった。なお、反応粗液にはその他の成分として、反応時間3.5時間でGC収率が12.0%であった1,1,2,3−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCHCl)がGC収率で0.2%、1,1,2,3,3―ペンタクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCHCl)がGC収率で8.4%、1,1,1,2,3−ペンタクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCCl)がGC収率で19.3%、1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCCl)がGC収率で8.7%含まれていた。なお、反応時間3.5時間の反応粗液に存在した1,1,2−トリクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCHCl)および1,2,3−トリクロロ−2−フルオロプロパン(CHClCClFCHCl)は、反応終了後最終的に回収された反応粗液には含まれていなかった。反応粗液を減圧蒸留し、1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCCl(R241bb))を留分として回収した。留分におけるR241bbのGC純度は96%であった。
(3)フッ素化工程(2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(CHCClFCF(R244bb))の合成)
コンデンサを備えた内容積200mLのハステロイ製のオートクレーブに上記(2)で得られた1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCCl(R241bb))留分(R241bbのGC純度:96%)の18.6gと五塩化アンチモン3.47gを仕込み、液体窒素浴で冷却した。次いで、オートクレーブ内に減圧下でフッ化水素を71.7g導入した後、内温を80℃から90℃に保ち、副生する塩化水素を適時開放し内圧を0.95MPaに保ちながら5時間撹拌した。反応終了後、オートクレーブの内温を室温に戻してから、コンデンサ出口のバルブを開放して、反応生成粗ガスを取り出し、これを10%水酸化カリウム水溶液中に流通させた後、反応粗ガスとしてシリンダーに捕集した。
このようにして得られた反応粗ガスのGC分析を行った結果、1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパン(CHCClFCCl(R241bb))の転化率は100%であった。また、反応粗ガスにおける2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(CHCClFCF(R244bb))のGC収率は47.4%であり、選択率は48.3%であった。なお、反応粗ガスには、目的生成物質(R244bb)以外に目的生成物質(R244bb)へ変換可能な副反応生成物として、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン(CHCClFClF)がGC収率で11%、3,3,3−トリフルオロ−2−クロロプロペン(CH=CClCF)がGC収率で11%および、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン(CHCClCF)がGC収率で20%含まれており、これらの副反応生成物を含めると2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)の反応の選択率は79.8%と言える。
[実施例2]2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CH=CFCF(R1234yf))の製造
1/4インチ半径のインコネル(登録商標)製の気相反応容器に触媒として活性炭(2.12g)を充填した。反応容器に予備加熱器を取り付け、温度を400℃に保った。この気相反応器に、上記実施例1で得られた2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(CHCClFCF(R244bb))を含む反応粗ガスの10gを温度65℃に保ったシリンダーから、マスフローコントローラー、予備加熱器を経由して供給した。シリンダーから、マスフローコントローラーを経て予備加熱器までのラインにおける温度は、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(CHCClFCF(R244bb))が凝縮するのを防ぐため65℃に保たれた。
上記気相反応器に供給された2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)は、気相反応器を通過(通過時間:1秒)しながら反応温度400℃の条件下、活性炭触媒に接触することで脱塩酸されて、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CH=CFCF(R1234yf))となるが、このR1234yfを含む反応生成粗ガスを上記気相反応器の取出口から回収した。回収した反応生成粗ガスについてGC分析を行った結果、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(CHCClFCF(R244bb))の転化率は85%であった。また、反応生成粗ガスにおける2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CH=CFCF(R1234yf))のGC収率は63%であり、選択率は74%であった。
本発明により、工業的に実施可能な方法で、効率的かつ経済的に製造される、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(R244bb)は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)の前駆体として有用であり、また2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)は、ルームエアコンやカーエアコン等の冷媒、または含フッ素モノマーとして有効利用が可能である。
なお、2008年12月16日に出願された日本特許出願2008−319165号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (14)

  1. 1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパンと塩素とを溶媒存在下で光照射により反応させて1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパンを得る塩素化工程と、
    前記塩素化工程で得られる1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパンとフッ化水素とを触媒存在下で反応させて2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを得るフッ素化工程と、
    を有することを特徴とする2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの製造方法。
  2. 前記塩素化工程における溶媒が四塩化炭素である請求項1に記載の2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの製造方法。
  3. 前記塩素化工程における光照射の光が、200〜400nmの波長の光を含む紫外線である請求項1または2記載の2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの製造方法。
  4. 前記塩素化工程における反応温度が−20〜60℃である請求項1、2または3に記載の2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの製造方法。
  5. 前記フッ素化工程における触媒が、アンチモン、ニオブ、タンタル、スズ、チタン、鉄、およびタリウムから選ばれる金属のハロゲン化物の少なくとも1種を含むフッ素化のための触媒である請求項1〜4のいずれか1項に記載の2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの製造方法。
  6. 前記フッ素化工程における反応温度が50〜200℃である請求項1〜5のいずれか1項に記載の2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの製造方法。
  7. 1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパンと塩素とを溶媒存在下で光照射により反応させて1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパンを得る塩素化工程と、
    前記塩素化工程で得られる1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロプロパンとフッ化水素とを触媒存在下で反応させて2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを得るフッ素化工程と、
    前記フッ素化工程で得られる2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを、触媒存在下で脱塩酸反応させて2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る工程と、
    を有することを特徴とする2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造する方法。
  8. 前記脱塩酸反応において、触媒として活性炭、ニッケル触媒、またはこれらを組み合わせたものを用いる請求項7に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造する方法。
  9. 前記脱塩酸反応の反応温度が200〜700℃である請求項7または8に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造する方法。
  10. 前記塩素化工程における溶媒が四塩化炭素である請求項7〜9のいずれか1項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  11. 前記塩素化工程における光照射の光が、200〜400nmの波長の光を含む紫外線である請求項7〜10のいずれか1項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  12. 前記塩素化工程における反応温度が−20〜60℃である請求項7〜11のいずれか1項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  13. 前記フッ素化工程における触媒が、アンチモン、ニオブ、タンタル、スズ、チタン、鉄、およびタリウムから選ばれる金属のハロゲン化物の少なくとも1種を含むフッ素化のための触媒である請求項7〜12のいずれか1項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  14. 前記フッ素化工程における反応温度が50〜200℃である請求項7〜13のいずれか1項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
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