JP5480695B2 - 段ボールシート用製函機 - Google Patents
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Description
段ボールシート用製函機は、積層された段ボールシートの最下層の段ボールシートを1枚ずつフィードロールへ供給する給紙装置(キッカー式、ロータリー式)と、フィードロールにより供給された段ボールシートに印刷する印刷部と、段ボールシートの溝切加工や罫入加工を行うスロッタクリーザ部等を備えている。
このような異なる厚みの印版を使用することにより生じる印刷誤差の発生を防止するようにした段ボールシート用製函機が、特許文献1及び特許文献2に記載されている。
さらに、特許文献1の段ボールシート用製函機においては、印刷位相ずれ量を求める際、段ボールシート長に基づいているため、段ボールシート長さが異なる度に、印刷位相ずれ量を補正する必要があり、その分、複雑な制御となる。
このように構成された本発明によれば、制御部により、フィードロールの回転速度を、段ボールシートの先端がフィードロールに到達してから段ボールシートの後端がフィードロールを離れるまで搬送手段の速度と同一の速度に保持するように制御するようにしているので、従来、段ボールシートの速度と搬送手段の速度とが異なることにより生じていた段ボールシートのスリップ(位置ずれ)を確実に防止することができ、印刷精度が向上する。さらに、制御部は、搬送手段の速度を印版を含む印刷シリンダの外径の周速と一致するように制御し、さらに、段ボールシートの先端がフィードロールに到達してから段ボールシートの後端がフィードロールを離れるまで、フィードロールの回転速度を搬送手段の速度と同一の速度に保持するよう制御するので、段ボールシートの先端がフィードロールに到達した後、段ボールシートの後端がフィードロールを離れ、そして、搬送手段により搬送されて印刷シリンダに到達するまで、段ボールシートの搬送速度を一定(印版を含む印刷シリンダの外径の周速と一致する速度)にすることが出来る。従って、印刷シリンダに取り付けられる印版の厚みが変化し搬送速度を印刷シリンダの外径の周速に一致させたことにより生じる印刷位相ずれ量を、段ボールシート長さにかかわらず、フィードロールの中心位置から印刷シリンダの中心位置までの距離及び標準印版を使用する場合と標準印版と異なる厚みの印版を使用する場合とにおける搬送手段の速度差に基づいて、予め求めることができ、印刷シリンダの印刷位相ずれ量の補正を簡易に行うことができる。また、本発明によれば、給紙装置が、キッカーのバックガイドに対する相対位置を調整する調整手段を備えるので、キッカーの作動特性を変更することなく、キッカーの作動タイミングをずらすことが出来る。そして、本発明によれば、この調整手段により、キッカーのバックガイドに対する相対位置が、段ボールシートの先端のフィードロールへの到達時点におけるキッカーの速度がフィードロールの回転速度と一致するように調整されるので、調整手段によるキッカーのバックガイドに対する相対位置を調整するだけで、段ボールシートがフィードロールに到達する時点における段ボールシートのフィードロールへの供給速度を、効果的に、フィードロールの回転速度に一致させることが出来る。
このように構成された本発明においては、標準印版より薄い厚さの印版が印刷シリンダに取り付けられるとき、キッカーが、段ボールシートの後端が当接するバックガイドの位置よりも後方に位置するように調整されるので、段ボールシートがフィードロールに到達する時点で、キッカーの速度を、標準印版を使用した場合のフィードロールの回転速度よりも低い速度(標準印版より薄い厚さの印版を使用した場合のフィードロールの回転速度)となるように、キッカーの作動特性の作動タイミングをずらすことが出来る。さらに、キッカーが最大速度から減速しているときに、段ボールシートの先端がフィードロールに供給されるよう制御されるので、本発明のようにフィードロールの回転速度を標準印版を使用する場合より減速させ且つ一定速となるように制御する場合に、その制御によるフィードロールの回転速度に与える影響を抑制することが出来る。
このように構成された本発明においては、より効率的に、段ボールシートのフィードロールへの供給速度をフィードロールの回転速度に一致させることが出来る。
このように構成された本発明においては、印刷シリンダが複数個設けられた場合であっても、各印刷シリンダ毎に、それぞれの印刷シリンダの印刷位相ずれ量の補正を印刷開始前に自動的にあるいは手動操作により簡易に行うことができる。
先ず、厚みの異なる印版20を印刷シリンダ18に取り付けた場合には、印刷シリンダ18の外径が変化して、印刷シリンダ18の周速が変化する。これに対応するため、本実施形態では、搬送コンベア28の速度が印版20を含む印刷シリンダ18の外径の周速と一致するように、搬送コンベア用モータMCの駆動状態を制御する。具体的には、後述するように、標準の厚さ7mmの印版を使用したときの印刷シリンダの外径の周速が周速Vpであるとすると、搬送コンベア28による搬送速度が速度Vpとなるようにする。一方、薄い印版を使用したときの印刷シリンダの外径の周速が周速Vp×D1/D0であるとすると、搬送コンベア28による搬送速度を速度Vp×D1/D0となるようにする。このため、異なる厚みの印版20を使用しても、常に印刷シリンダ18の外周の周速(=印版周速)と段ボールシートSの搬送速度とを一致させることができるので、印刷精度を向上させることができる。
δi=(1−D1/D0)×Li
ここで、Liはフィードロールから印刷シリンダ18までの距離(=固定値)を表す。(1−D1/D0)は標準印版(厚さ7mm)使用時の搬送コンベア速度と厚みの異なる印版(厚さ3mm)使用時の搬送コンベア速度の速度差に対応した値である。
このようにして予め求めた印刷位相ずれ量δiだけ、印刷シリンダ18の位相を補正し、印刷位相ずれ量による印刷ずれを防止している。
Δ=Xγ−Xβ
ここで、Xγは、標準印版(7mm)を使用すると仮定した場合における、クランク機構の回転角度θ1がγとなるときのキッカー52の変位量である。つまり、図6の一点鎖線の変位特性を使用すると仮定し、そして、クランク機構の回転角度θ1が角度γのとき、段ボールシートSの先端は、Xγ分、進行することになり、この場合、段ボールシートの先端は、「Xγ−Xβ」の分だけフィードロール4を通り過ぎることとなる。つまり、フィードロール4の回転速度が速度Vp×D1/D0の時点で、段ボールシートSの先端をフィードロール4に到達させることが出来ない。従って、Δ=Xγ−Xβだけ、キッカー52をバックガイド40に対して相対的に後方にずらせば良いのである。
2 給紙装置
4 フィードロール
6 印刷部
10 制御装置
12,14,16 印刷ユニット
18 印刷シリンダ
20 印版
22 インキ供給ロール
24 インキ絞りロール
26 受けロール
28 搬送コンベア
36 テーブル
38 フロントゲート
40 バックガイド
42 キッカー装置
46 クランク機構
44 フライホイール
52 キッカー
66 フレーム
68 レール
70 調整機構
74、76 ハウジング
78 回転軸
78a 雄ねじ部
82 プレート部材
84 調整部材
86 孔部(雌ねじ部)
S 段ボールシート
MP 印刷シリンダ用モータ
MI インキ供給ロール用モータ
MC 搬送コンベア用モータ
MF フィードロール用モータ
MK キッカー装置用モータ
MB 調整機構用モータ
D0 標準印判(7mm)使用時の印刷シリンダの外径
D1 薄い印版(3mm)使用時の印刷シリンダの外径
V3 フィードロールの速度
V1 キッカーの速度
V2 搬送コンベアの速度
Claims (4)
- 段ボールシートに印刷する印刷部を備えた段ボールシート用製函機であって、
複数の異なる厚みの印版が取り付け可能な印刷シリンダにより段ボールシートに印刷する印刷部と、
上記印刷部において段ボールシートを搬送する搬送手段と、
この搬送手段よりも上流側に設けられ、この搬送手段に段ボールシートを1枚ずつ供給するフィードロールと、
このフィードロールよりも上流側に設けられ、段ボールシートの後端が当接するバックガイドと、回転動作をクランク機構により往復動作に変換して積層された段ボールシートの最下層の段ボールシートをキッカーにより1枚ずつ押し出して上記フィードロールに供給するキッカー装置と、上記キッカー及び上記バックガイドの段ボールシート供給方向の相対位置を互いに調整する調整手段と、を備えた給紙装置と、
上記印刷シリンダの作動、上記搬送手段の作動、上記フィードロールの作動、上記給紙装置のキッカー装置の作動を制御する制御部とを有し、
上記制御部は、第1に、上記搬送手段の速度を上記印版を含む印刷シリンダの外径の周速と一致するように制御し、第2に、フィードロールの中心位置から上記印刷シリンダの中心位置までの距離及び標準印版を使用する場合と標準印版と異なる厚みの印版を使用する場合とにおける上記搬送手段の速度差に基づいて、上記印刷部における印刷位相ずれ量を予め求め、この印刷位相ずれ量だけ上記印刷シリンダの位相を印刷開始前に補正し、第3に、上記フィードロールの回転速度を、段ボールシートの先端が上記フィードロールに到達してから段ボールシートの後端が上記フィードロールを離れるまで、上記搬送手段の速度と同一の速度に保持するように制御し、
上記給紙装置の上記キッカーの上記バックガイドに対する相対位置が、段ボールシートの先端の上記フィードロールへの到達時点における上記キッカーの速度が上記フィードロールの回転速度と一致するように、上記調整手段により調整されることを特徴とする段ボールシート用製函機。 - 標準印版より薄い厚さの印版が上記印刷シリンダに取り付けられるとき、上記給紙装置の上記キッカーは、上記調整手段により、上記バックガイドより後方に位置するように調整され、上記制御部は、上記キッカーの速度を、段ボールシートの先端が上記フィードロールに到達する前に最大速度となるように制御する請求項1記載の段ボールシート用製函機。
- 上記調整手段による上記給紙装置の上記キッカーの上記バックガイドに対する相対位置の調整は、上記制御部により、上記印刷シリンダに取り付けられる印版の厚みに応じて行われる請求項1又は請求項2記載の段ボールシート用製函機。
- 上記印刷シリンダは、複数個設けられ、上記制御部は、各印刷シリンダ毎に、フィードロールの中心位置から各印刷シリンダの中心位置までの距離及び上記搬送手段の速度に基づいて、各印刷シリンダにおける印刷位相ずれ量を予め求め、この印刷位相ずれ量だけ各印刷シリンダの位相を印刷開始前に補正するようにしている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の段ボールシート用印刷装置。
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