JP5479831B2 - テープタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、テープタイプ使い捨ておむつに関する。
テープタイプ使い捨ておむつは、両側縁が脚周りに沿う括れ曲線状をなす前後方向範囲として定まる股部と、この股部の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ両側縁が前後方向に沿う直線状をなす、腹側胴周り部及び背側胴周り部と、背側胴周り部の幅方向両側部から、他方の部分と着脱自在に連結される止着テープがそれぞれ突出されているものである。股部の縦方向長さは、おむつの全長の30〜50%程度であり、背側胴周り部の縦方向長さは、おむつの全長の25〜35%程度であり、背側胴周り部の横方向長さは、おむつの全長の50〜100%程度であるのが一般的である。
他方、止着テープは、幅(縦方向長さ)の狭いものが主流であったが、テープによる締め付けを分散し、広範囲に面状にフィットすることや、強度・耐久性の向上を目的とし、縦方向長さがおむつの全長の20〜35%程度の止着パネルを備えたものが提案されており、また、背側部分と装着者の腰周りとを弾力的にフィットさせるために、止着パネルを、胴周り方向に弾性伸縮する伸縮部として構成することも提案されている(特許文献1参照)。
特開2009−72472号公報
しかし、従来の止着パネルを備えたテープタイプ使い捨ておむつにおいて、胴周り方向に弾性伸縮する止着パネルを採用した場合、止着パネルが大腿部の付根溝に沿う部分を折目として捲れ上がり、その力が連結部に作用することにより連結部が外れ(剥がれ)ることがあった。
そこで、本発明の主たる課題は、止着パネル下端部の捲れ及びそれによる連結部の外れ(剥がれ)を防止することにある。
上記課題を解決した本発明及びその作用効果は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
両側縁が脚周りに沿う括れ曲線状をなす前後方向範囲として定まる、股部と、
この股部の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ両側縁が前後方向に沿う直線状をなす、腹側胴周り部及び背側胴周り部と、
前記背側胴周り部における幅方向両側部から突出された、少なくとも下側部分が胴周り方向に弾性伸縮する伸縮部として構成された止着パネルと、
各止着パネルにおける少なくとも下側部分の先端部に設けられた、おむつの前後方向中央より前側の部分の外面と着脱自在に連結される連結部とを有する、テープタイプ使い捨ておむつにおいて;
前記股部の縦方向長さは、おむつの全長の30〜50%であり、
前記背側胴周り部の縦方向長さは、おむつの全長の25〜35%であり、
前記背側胴周り部の横方向長さは、おむつの全長の45〜70%であり、
前記止着パネルの縦方向長さは、おむつの全長の20〜35%であり、
前記止着パネルのおむつの下縁と、前記おむつの前後方向中央との離間距離は、おむつの全長の15〜28%であり、
前記止着パネルは、予め切断分離されているか又はミシン目により分離可能とされた、上段パネルと下段パネルとを有するとともに、これら上段パネル及び下段パネルの各先端部に前記連結部が設けられるとともに、少なくとも下段パネルの先端部には下端部及び上端部の両部位に前記連結部がそれぞれ設けられている、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、縦方向長さがおむつの全長の30〜50%と広く、且つ少なくとも下側部分が胴周り方向に弾性伸縮する伸縮部として構成された止着パネルを採用する場合に、止着パネルのおむつの下縁とおむつの前後方向中央との離間距離をおむつの全長の15〜28%とすることにより、止着パネルが大腿部の付根溝と重なり難くなるため、従来のように、止着パネルが大腿部の付根溝に沿う部分を折目として捲れ上がるといった現象が発生し難くなる。その結果、連結部が外れ(剥がれ)るといった事態も起こり難くなる。
また、このように、止着パネルを上下二段とし、少なくとも下段パネルの先端部には下端部及び上端部の両部位に前記連結部がそれぞれ設けられていると、下段パネルの上下方向全体がおむつ外面に連結されるため、仮に下段パネルが捲れるように力が働いたとしても、下段パネルの捲れは発生し難くなる。
<請求項2記載の発明>
前記止着パネルは、予め切断分離されているか又はミシン目により分離可能とされた、上段パネルと下段パネルとを有するとともに、これら上段パネル及び下段パネルの各先端部に前記連結部が設けられており、
前記腹側胴周り部の外面に、前記止着パネルの上段パネルの連結部を連結するためのフロントターゲットテープが設けられるとともに、前記股部のうちおむつの前後方向中央より前側の部分の外面に、前記止着パネルの下段パネルの連結部を連結するためのフロントターゲットテープが設けられている、
請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明では、止着パネルの位置がウエスト端部寄りとなるため、止着パネルの全体を従来同様に腹側胴周り部外面に連結すると、脚開口部の一体感が低下するおそれがある。これに対して、上述のように止着パネルを上下二段とし、上段パネルは従来同様に腹側胴周り部外面に連結するのに対して、下段パネルは従来と異なり、股部のうちおむつの前後方向中央より前側の部分の外面に連結すると、下段パネルが大腿部の付根に沿って延在する結果、脚開口部の一体感が増加し、しかも下段パネルの捲れは発生し難いままであるため好ましい。
以上のとおり、本発明によれば、止着パネル下端部の捲れ及びそれによる連結部の外れを防止できるようになる、等の利点がもたらされる。
テープタイプ使い捨ておむつの展開状態の内面側を示す平面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの展開状態の外面側を示す平面図である。 図1のiii−iii断面図である。 図1のiv−iv断面図である。 図1のV−V断面図である。 止着パネル部分の拡大図である。 他の止着パネル部分の拡大図である。 他の止着パネル部分の拡大図である。 従来のおむつにおける止着パネルの捲れ状態を示す斜視図である。 吸収体、脚付根部弾性伸縮部材、及び脚周り弾性伸縮部材の位置関係を示す平面図である。 止着パネルを製造する際における弾性伸縮部材の取り付けラインの例を概略的に示す平面図である。 図11のVi−Vi断面図である。 実施形態の使い捨ておむつの試作品における非伸張状態の止着パネル部の上端部の写真である。 実施形態の使い捨ておむつの試作品における伸張状態の止着パネル部の上端部の写真である。 実施形態の使い捨ておむつの試作品をダミー人形に履かせた状態を示す写真である。 従来の使い捨ておむつをダミー人形に履かせた状態を示す写真である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
図1〜図6は、本発明に係るテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、この使い捨ておむつは、不透液性バックシート1の内面と、透液性トップシート2との間に、吸収体3が介在された基本構造を有するものである。
(吸収体)
吸収体3としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。吸収体3としては、図示形態のような、下層吸収体3Bの表面側に下層吸収体3Bよりも寸法の小さい上層吸収体3Aを積層してなる2層構造のものの他、一層構造のものも採用することができる。また、必要に応じて、吸収体3はクレープ紙(図示せず)により包むことができる。また、吸収体3の形状は適宜定めることができるが、図示のような砂時計形状の他、長方形等のように、股間部の前側から後側まで延在する形状が好適である。吸収体3におけるパルプ目付けは100〜500g/m2程度、厚みは1〜15mm程度であるのが望ましい。また、高吸水性樹脂の目付けは0〜300g/m2程度であるのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が少な過ぎると、十分な吸収能を与えることができず、多過ぎるとパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、ヨレや割れ等が発生し易くなる。
(バックシート)
バックシート1は、吸収体3の周囲より外側に延在しており、吸収体3に吸収された***物の裏面側への移動を遮断するものである。バックシート1としては、ポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルムの他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。バックシート1の単位面積あたりの重量は13〜40g/m2であるのが好ましく、厚みは0.01〜0.1mmであるのが好ましい。
おむつ外面を布のような外観、・肌触りとするために、バックシート1の裏面全体は外装シート12で覆われており、両シート1,12の外周縁はおむつの外周縁まで及んでいる。外装シート12としては各種の不織布を用いることができるが、スパンボンド不織布が好適である。外装シート12は省略することもできる。
(トップシート)
トップシート2としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。透液性トップシート2に用いる不織布の繊維目付けは15〜30g/m2であるのが好ましく、厚みは0.05〜1mmであるのが好ましい。
トップシート2は、吸収体3の周囲より外側に延在しており、吸収体3側縁より外側に延在する部分がバックシート1にホットメルト接着剤等により固着されている。なお、図中の点模様は固着部分を表しているものである。
(側部バリヤーシート)
図3及び図4にも示されるように、物品内面の両側部(図示形態ではトップシート2の側縁部表面からその側方に延在するバックシート1の表面)には、側部バリヤーシート4の幅方向外側の部分4xが前後方向全体にわたり貼り付けられている。側部バリヤーシート4は、各種不織布(スパンボンド不織布が好適である)の他、バックシートに用いられるものと同様のプラスチックフィルム、又はこれらの積層シートを用いることができるが、肌への感触性の点で、撥水処理を施した不織布が好適である。側部バリヤーシート4の幅方向中央側の部分4cは、前後方向両端部では物品内面(図示形態ではトップシート2表面)にホットメルト接着剤等の手段により固着されているが、これらの間の中間部は非固定の自由部分となっており、この自由部分の先端部(展開状態における幅方向中央側の端部)には、細長状弾性伸縮部材4Gが前後方向に沿って伸張した状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性伸縮部材4Gは図示例では所定の間隔を空けて複数本設けられているが、一本でも良い。細長状弾性伸縮部材4G(他の細長状弾性伸縮部材も同様)としては、糸状、紐状、帯状等に形成された天然ゴム又は合成ゴム、具体的にはスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。この自由部分は、細長状弾性伸縮部材4Gの収縮力が作用する結果、図4に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に対して起立する側部バリヤーを構成する。この起立部分の基端4bは側部バリヤーシート4における幅方向外側の固定部分4xと内側の部分4cとの境に位置する。なお、図1中の右斜め上がりの斜線部分は側部バリヤーシート4の固着部分を示しており、左斜め上がりの斜線部分は後述する背側バリヤーシート30の固着部分を示している。
(フラップ部及び各部の寸法等)
使い捨ておむつ100の前後方向両端部では、バックシート1、外装シート12、透液性トップシート2および側部バリヤーシート4が吸収体3の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在され、吸収体3の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。一方、使い捨ておむつ100の左右両側部では、バックシート1、外装シート12、透液性トップシート2および側部バリヤーシート4が吸収体3の側縁よりも側方にそれぞれ延在され、吸収体3の存在しないサイドフラップ部が形成されている。サイドフラップ部のうち腹側部分Fのウエスト側部分及び背側部分Bのウエスト側部分にそれぞれ位置する部分は、それらの間の中間部分よりも側方に延出されており、これらの部分が、おむつの胴回り部分となるウエスト側サイドフラップ部SFとなる。
また、使い捨ておむつ100は、前後方向において、両側縁(脚開口の縁となる部分)Leが脚周りに沿う括れ曲線状をなす範囲として定まる股部Cと、この股部Cの前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ両側縁が前後方向に沿う直線状をなす、腹側胴周り部TF及び背側胴周り部TBとを有する。ここで、本発明が対象とするテープタイプ使い捨ておむつは、次の寸法関係を有するものである。
股部の縦方向長さ:おむつ全長Lの30〜50%(好適には34〜46%)
背側胴周り部TBの縦方向長さ:おむつ全長Lの25〜35%(好適には29〜33%)
背側胴周り部TBの横方向長さW:おむつ全長Lの45〜70%(好適には52〜60%)
後述の止着パネルの縦方向長さ5Y:おむつ全長Lの15〜28%(好適には20〜25%)
また、次の寸法関係を有するものが好適である。
腹側胴周り部TBの縦方向長さ:おむつ全長Lの15〜30%(特に20〜24%)
腹側胴周り部TBの横方向長さ:背側胴周り部TBの横方向長さWと同じ。
後述の止着パネルの突出部5eの長さ:おむつ全長Lの10〜30%(特に15〜24%)
(止着パネル)
背側胴回り部TBには、その側縁からそれぞれ突出する止着パネル5が取り付けられるとともに、腹側胴回り部TFの表面に幅方向に沿ってフロントターゲットテープ6が貼着されており、身体への装着に際しては、おむつ100を身体にあてがった状態で、両側の止着パネル5を腰の各側から腹側外面に回してフロントターゲットテープ6に止着する。フロントターゲットテープ6は省略することもでき、その場合には止着パネル5はおむつ外面(図示形態の場合外装シート12)に直に止着される。
止着パネル5は、背側胴回り部TBにおけるシート間にホットメルト接着剤等の手段により固定された固定部5fと、背側胴回り部TBの側縁のシート間から幅方向外側に突出する突出部5eとを有しており、この突出部5eは先端部5pと、この先端部5pよりも基端側の本体部5bとを有している。止着パネル5の先端部5pの内面側(透液性表面シート2側)における上側部分及び下側部分(少なくとも下側部分にあれば良い)には、ターゲットテープ6との連結のための連結部として、表面にフック状突起を多数有するフックテープ(メカニカルファスナー(面ファスナー)の雄材)9,9がそれぞれ取り付けられており、フロントターゲットテープ6としてフック状突起が着脱可能に掛止される表面を有するもの(メカニカルファスナー(面ファスナー)の雌材)6が取り付けられている。おむつ外面の素材自体をフロントターゲットテープ6の代わりに用いたり、フックテープ9に代えて粘着剤層を用いるとともに、フロントターゲットテープ6として粘着性に富むような表面が平滑な樹脂テープを用いたりすることができる。
特に、図示形態の止着パネル5は、その全体にわたる(つまり固定部5f、本体部5b及び先端部5pにわたる)基本シート51と、この基本シート51の先端部5pの幅方向全体にわたり固定された補強シート52とを有するとともに、基本シート51の固定部5fに該当する部分がシートを折り返して貼り合わせることにより補強されている。連結部であるフックテープ9はこの補強シート52の幅方向中間部に貼り付けられている。このように固定部5f及び先端部5pを補強することにより、固定部5f及び先端部5pにおける強度や剛性を確保し、また本体部5bにおける柔軟性や伸縮性を確保することができる。また、基本シート51の内面側には、先端部5pにおける補強シート52と基本シート51との間から固定部5fにおける折り返し部分の対向面間まで押えシート53が張り合わされており、この押えシートと基本シート51との間に、弾性伸縮部材20がホットメルト接着剤等により接着固定されている。弾性伸縮部材20としては、前述の細長状のものの他、シート状のものも用いることができる。
各シート51〜53は、一枚の素材で形成する他、複数枚の素材を貼り合わせて形成することもできる。各シート51〜53の素材は特に限定されないが不織布が好適である。不織布としては公知のものを特に限定無く用いることができる。不織布を構成する繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の製造方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。特にオレフィン系繊維を用いたスパンボンド不織布、SMS不織布が好ましい。使用する不織布の坪量は適宜定めることができるが、本体部5bにおける不織布の総坪量が20〜75g/m2、特に26〜46g/m2であり、固定部5f及び先端部5pにおける不織布の総坪量がそれぞれ35〜130g/m2、特に46〜116g/m2であると好ましい。また、基本シート51及び押えシート53に用いる不織布の各坪量は15〜25g/m2程度であるのが好ましく、補強シート52に用いる不織布の各坪量は50〜80g/m2程度であるのが好ましい。この範囲内であれば、止着パネル5の固定部5f及び先端部5pにおける強度や剛性の確保、及び本体部5bにおける柔軟性や伸縮性の確保を、バランス良く且つ効果的に達成することができる。
細長状弾性伸縮部材20は、止着パネル5の少なくとも下側部分に幅方向の伸縮力を付与できる限り、その配置は特に限定されるものではないが、図6に示す例では、固定部5fから本体部5bを横断して先端部5pまで連続している。固定部5fから本体部5bまでとすることも可能である。より詳細には、弾性伸縮部材20は、固定部5fにおける本体部5b側と反対側の端縁に対して本体部5b側に所定距離離間した位置から、本体部5bを通り先端部5pにおけるフックテープ9よりも本体部5b側の位置まで延在している。よって、固定部5fにおける本体部5b側と反対側の端部、及びフックテープ9から先端側の部分には弾性伸縮部材20は延在していない。そして、弾性伸縮部材20のうち、固定部5fに位置する部分21はその全体が非伸張状態で接着固定されており、本体部5bに位置する部分22の両端を除く略全体が幅方向に伸張した状態で接着固定されている。また、弾性伸縮部材20における先端部5pに位置する部分23もその全体が非伸張状態で接着固定されている。
このような構造を採用することによって、固定部5fが収縮しないため、固定部5fを挟持するシート(ギャザーシート4及びバックシート1)に対する密着性が確保され、接着強度が低下しないとともに、弾性伸縮部材20と固定部5fとの間における力の伝達が直接的となり、弾性伸縮部材20の伸縮作用によるおむつの形状追従性が損なわれることもない。また、弾性伸縮する部分を固定部5f近傍まで設けることができ、伸縮長さの確保も容易となる。さらに、固定部5fにおける本体部5b側と反対側の端部に弾性伸縮部材20を有しないことにより、当該端部が平坦となり、固定部5fを挟持するシートに対して良好に密着し、より接着強度に優れるようになる。また、固定部5fと同様に、弾性伸縮部材20における先端部5fに位置する部分23も非伸張状態で接着固定されており、先端部5pが収縮しないため、補強シート52と基本シート51とが良好に密着し、補強シート52の接着強度が低下することがない。また、弾性伸縮部材20の先端部が補強シート52と重なるため、フックテープ9と弾性伸縮部材20との間の力の伝達も円滑となり、弾性伸縮部材20の伸縮作用によるおむつの形状追従性も損なわれ難くなる。
細長状弾性伸縮部材20を用いる場合、止着パネル5の上下方向に所定の間隔を空けて複数本並設するのが好ましい。具体的には、弾性伸縮部材20の本数は、8〜100本程度、特に25〜50本程度が適当であり、また、その間隔は2〜25mm程度、特に3〜7mm程度とするのが好ましい。また、細長状弾性伸縮部材20の太さは300〜3000dtex程度、特に400〜1300dtex程度、さらにいうならば900〜1300dtex程度とするのが好ましく、また取り付け時の伸張率は150〜500%程度、特に200〜400%程度、さらにいうならば300〜400%程度とするのが好ましい。図7及び図8に示すように、本体部5bを横断して固定部5fと先端部5pとを往復しながら止着パネル5の上下方向に延在する波状をなすように、細長状弾性伸縮部材20を配置することもできる。具体的な波状配置としては、図7に示すように三角波状の配置を採用できる他、図8に示すように幅方向に沿う直線状部分20sと折り返し部分20rからなる波状配置を採用することもできる。後者の場合、直線状部分は固定部5f及び先端部5pにわたるように設けられているが好ましく、折り返し部分20rは円弧状等の曲線状をなしているのが好ましい。
細長状弾性伸縮部材20が図示のように配置されていると、細長状弾性伸縮部材20が少なくとも固定部5fと本体部5bとに跨るように及び本体部5bと先端部5pとに跨るように、上下方向と交差する方向に沿って延在するため、細長状弾性伸縮部材20が固定部5f及び先端部5pと本体部5bとの各境界を繋ぐ補強部材となるだけでなく、各境界に加わる力が分散するため、裂けや破れが防止される。しかも、この細長状弾性伸縮部材20を設けるだけであれば、柔軟性が損なわれることもなく、また形状が細長状であるため通気性が損なわれることもない。
細長状弾性伸縮部材20の寸法等については適宜定めれば良いが、例えば、止着パネル5の寸法に関して、高さ(上下方向長さ)hを60〜240mm、固定部5fの幅を20〜60mm、本体部5bの幅を40〜250mm、先端部5pの幅を30〜105mmとする場合、弾性伸縮部材20の太さを300〜2,500dtexとし、上下方向間隔sを2〜30mmとして、止着パネルの上下方向全体にわたり弾性伸縮部材20を設けるのが好ましい。
また、基本シート51と押えシート53との間に細長状弾性伸縮部材20を挟み、これらをホットメルト接着剤で一体的に固定する場合、接着剤の塗布パターンは適宜定めることができ、幅方向の両端部のみ(例えば先端部5p及び固定部5fのみ)でも良いが、幅方向に間欠的であるのが好ましく、中でも接着部分54及び非接着部分55の幅方向部位が上下方向に列なっているのが好ましい。図中にはこの接着剤部分が点模様(網掛け)により示されている。具体的に図示形態の場合、基本シート51及び押えシート53は、幅方向に所定の間隔を空けて形成された、止着パネルの上端から下端まで連続する縦縞状の接着部分54により接着されており、且つこの縦縞状の接着部分54により弾性伸縮部材20が基本シート51及び押えシート53の両者に接着固定され、これら接着部分54間では基本シート51及び押えシート53の両者に接着固定されていない。また、各接着部分54の幅54wは5mm以下とされており、接着部分54間の間隔(非接着部分55の幅)55wが接着部分54の幅54wよりも大きくされている。
より具体的には、接着部分54の幅54wを0.05〜10mm程度、特に0.1〜5mm程度、非接着部分55の幅55wを2〜15mm程度、特に2〜10mm程度とし、細長状弾性伸縮部材20の固定時の伸張率を150〜500%程度、特に200〜400%程度とするのが好ましい。また、止着パネル5において弾性伸縮部材20が伸張状態で固定された部分(図示形態の場合、本体部5bの部分22)の幅は50〜300mm、特に100〜200mmとするのが好ましい。
このように接着剤の塗布パターンとして十分に細く十分に間隔の空いた接着線群からなる縦縞状パターンを採用することにより、図13及び図14に示すように、止着パネル5の本体部5bでは、縦方向に連続する低剛性の非接着部分55が幅方向に間欠的に形成されるため、各非接着部分55により柔軟に折れ曲がることができるとともに、縦方向に連続する各接着部分54の幅が細いため、接着剤による硬質化が抑制される。その結果、このような接着パターンを採用した止着パネル5は、胴回りにおける身体表面の突出部分に対して柔軟にフィットすることができる。しかも、接着パターンが縦縞であると、弾性伸縮部材20並びに基本シート51及び押えシート53は幅方向に多数箇所で接着固定されるため固定強度に優れるとともに、伸縮長さを長く確保したとしても、規則的で綺麗な縦皺が形成されるため、肌触り及び見栄えが向上するとともに、伸縮も円滑となる。
止着パネル5における弾性伸縮部材20としては、通気性や柔軟性の観点から、上述のように複数本の細長状弾性伸縮部材を上下方向に所定の間隔を空けて並設するのが好ましい。しかし、細長状弾性伸縮部材20はその当接面積が小さいため、締め付けが局所的にきつくなり易い。よって、これを解決するために、接着部分54における接着剤層の厚み54tを弾性伸縮部材20の厚みよりも厚くするのは好ましい。これにより、細長状弾性伸縮部材20を用いたとしても、その締め付け力が締め付け方向と交差する方向に延在する多数の接着部分54によって、より広範囲に分散され、局所的な締め付けが緩和されるようになる。具体的に、弾性伸縮部材20の太さが900〜1300dtex(0.3〜10mm)程度である場合、接着剤の塗布厚54tは0.01〜10mm、特に0.1〜1mmとするのが好ましい。
細長状弾性伸縮部材20の固定及び他の不織布間の固定のための接着剤の総使用量は、本体部5bにおいては5〜40g/m2とするのが好ましく、先端部5pにおいては10〜60g/m2とするのが好ましく、固定部5fにおいては5〜60g/m2とするのが好ましい。また、このような接着形態を採用する場合、本体部5bでは間欠接着、固定部5f及び先端部5pでは連続接着となっているのが好ましい。
また、図示形態の止着パネル5は、上下方向中間部における幅方向外側縁から本体部5b内まで幅方向に沿うミシン目10が設けられており、このミシン目10を切り離すことにより各々が固定部、本体部、先端部及び連結部を備えた上段パネル5W及び下段パネル5Uに分離することができるものである。ミシン目10による分離線は細長状弾性伸縮部材20を横切らず且つ十分に離間するように配置するか、又は横切る場合にはミシン目10のカット部分の形成時に同時に細長状弾性伸縮部材20を切断しておくことが望ましい。ミシン目10に代えて、予め切断等により分離されていても良い。このような止着パネル5は、上段パネル5Wと下段パネル5Uとを交差させた状態で、腹側部分のフロントターゲットテープ6に着脱自在に連結することができ、この際、先端部側の部分b1よりも固定部側の部分b2の方が、弾性変形時引張応力が弱いと、上段パネル5W及び下段パネル5Uの付根部の向きが変わり易く、上段パネル5W及び下段パネル5Uの交差角度の調整が容易となる。もちろん、このような上下2段分割タイプに限られず、2段分割しないタイプ等、他の公知の止着パネルに応用することもできる。
特徴的には、止着パネル5のおむつの下縁と、おむつの前後方向中央との離間距離5Zは、おむつ全長Lの15〜28%、好ましくは20〜25%とされる。このように、縦方向長さが広く、且つ少なくとも下側部分が胴周り方向に弾性伸縮する止着パネル5を採用する場合に、止着パネル5のおむつの下縁とおむつの前後方向中央との離間距離5Zを上述範囲とすると、止着パネル5が大腿部の付根溝と重なり難くなるため、図9に示す従来例のように、止着パネル5の下端部5rが大腿部の付根溝に沿う部分を折目として捲れ上がるといった現象が発生し難くなる。その結果、連結部9が外れ(剥がれ)るといった事態も起こり難くなる。
なお、このように止着パネル5の位置がウエスト端部寄りにすると、止着パネル5の全体を従来同様に腹側胴周り部TF外面に連結した場合に、脚開口部の一体感が低下するおそれがある。そこで、図2に示すように、股部Cのうちおむつの前後方向中央より前側の部分の外面にもフロントターゲットテープ6Sを設け、上段パネル5Wは従来同様に腹側胴周り部TF外面のフロントターゲットテープ6に連結するのに対して、下段パネル5Uは、股部C外面のフロントターゲットテープ6Sに連結すると、下段パネル5Uが大腿部の付根に沿って延在する結果、脚開口部の一体感が増加し、しかも下段パネル5Uの捲れは発生し難いままであるため好ましい。
他方、止着パネル5の位置がウエスト端部寄りにしたとしても、装着者の身体は多種多様であり、またおむつがズレ落ちてくれば、止着パネル5が大腿部の付根溝上にかかるようになり、捲れを生じるおそれがある。よって、次の解決策を組み合わせて捲れ防止をより一層のものとするのが好ましい。
すなわち、第1の解決策(本発明の実施形態)は、図11に示すように下段パネルの先端部においては、下端部及び上端部の両部位に連結部9をそれぞれ設けるものである。このように構成すると、下段パネルの上下方向全体がおむつ外面に連結されるため、仮に下段パネルが捲れるように力が働いたとしても、下段パネルの捲れは発生し難くなる。
第2の解決策(参考形態)は、図6に示すように、連結部9が止着パネル5の下縁から上方に離間した部位に設けられている場合に、止着パネル5の先端部のうち連結部9より下側に補助連結部9Sを設けるものである。このように、連結部9が止着パネル5の下縁から上方に離間した部位に設けられている場合、この連結部位9より下側の部分、特に図示のように大腿部の付根に沿う斜辺を有する三角形状部分5rが捲れ易い。よって、上述のような補助連結部9Sを設けることにより、止着パネル5の捲れ易い部分5rをおむつ外面に固定することができ、止着パネル5の捲れを効果的に防止できる。この解決策は、既存のおむつの寸法設計を変更すること無く適用できる利点がある。
第3の解決策(参考形態)も、連結部9が止着パネル5の下縁から上方に離間した部位に設けられている場合を想定したものであり、図示しないが、止着パネル5の伸縮部5bのうち連結部9の下縁又はその近傍より下側に位置する部分の剛性を、その上側に位置する部分の剛性よりも高くするものである。特に、止着パネルの伸縮部のうち連結部の下縁又はその近傍より下側に位置する部分の剛性(JIS−L−1096(45度カンチレバー法)による剛軟度)は4.5mm以上であるのが好ましい。このように、捲れ易い部分5rの剛性を高くすることにより、止着パネル5の捲れを効果的に防止できる。なお、剛性に強弱を設ける方法としては、シート51,53を貼り合わせる接着剤54の塗布量を増減するといった方法の他、剛性を強くする部分に補強シートを貼り合わせるといった方法を採用することができる。
第4の解決策(参考形態)も、連結部9が止着パネル5の下縁から上方に離間した部位に設けられている場合を想定したものであり、図12に示すように、止着パネル5の伸縮部5bのうち、連結部9の下縁又はその近傍と同じ上下方向位置に、胴周り方向に沿う切れ目5xを形成するものである。このように、捲れ易い部分5rとその上側の部分との境界近傍に切れ目5xを設けると、捲れ易い部分5rが上方にズレることができ、捲れ難くなる。この解決策も、既存のおむつの寸法設計を変更すること無く適用できる利点がある。
(背側バリヤー)
図示形態の使い捨ておむつ100においては、トップシート2の後端部(図示例の場合はエンドフラップ部EF)には、おむつ内面(図示形態ではトップシート2表面)に対して起立する背側バリヤーシート30が設けられている。より詳細には、図5にも示すように、背側バリヤーシート30は、ウエスト側端部が幅方向全体にわたりトップシート2表面にホットメルト接着剤等の接合手段により接合されるとともに、股間側部分のうち両端部がトップシート2と両バリヤーシート4との間に挟まれて両シートに対してホットメルト接着剤等の接合手段により接合され(図1にはこれらの接合部分が右斜め下向きの斜線で示されている)、これら両端部の間の部分が非固定の自由部分とされ、この自由部分の先端部が内向き(トップシート2側)に折り返されて折り返し部分の対向面相互がホットメルト接着剤等の固手段により固定され、かつこの折り返し部分のシート間に細長状弾性伸縮部材31が幅方向に沿って伸張した状態でホットメルト接着剤等の固手段により固定されている。この細長状弾性伸縮部材31は図示例では所定の間隔を空けて複数本設けられているが、一本でも良い。この自由部分は、細長状弾性伸縮部材31の収縮力が作用する結果、おむつ内面(図示形態ではトップシート2表面)に対して起立する背側バリヤーを構成する。この起立部分の基端は背側バリヤーシート30におけるウエスト側端部の固定部分と内側の自由部分との境に位置する。
(背側伸縮部)
さらに、背側部分Bにおけるウエスト側部分(図示例の場合はウエスト側端部であるエンドフラップ部EF)は、幅方向中間部が幅方向に弾性伸縮する背側伸縮部40として構成されている。図示例の背側伸縮部40は幅方向中央部にのみ設けられているが、幅方向全体にわたり設けたり、幅方向両側部にのみ設けたりすることもでき、また幅方向中央線WCに関して線対称に設けられているのが好ましい。より詳細には、背側バリヤーシート30のウエスト側端部が内向き(トップシート2側)に折り返され、折り返し部分の対向面相互がホットメルト接着剤等の固手段により固定され、かつこの折り返し部分のシート間に細長状弾性伸縮部材41が幅方向に沿って伸張した状態でホットメルト接着剤等の固手段により固定されている。この細長状弾性伸縮部材41は一本でも良いが図示例のように所定の間隔を空けて複数本設けるのが好ましい。この弾性伸縮部材41の本数は、1〜10本程度、特に2〜5本程度が適当であり、図示例では3本である。また、その間隔は2〜15mm程度、特に3〜7mm程度とするのが好ましい。さらに、細長状弾性伸縮部材41の太さは500〜1500dtex程度、特に900〜1300dtex程度(天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度)とするのが好ましく、また取り付け時の伸張率は140〜200%程度、特に140〜180%程度とするのが好ましい。図示例では、背側バリヤーシート30のウエスト側端部を利用して背側伸縮部40の弾性伸縮部材41を取り付けているが、この弾性伸縮部材41をトップシート2とバックシート1との間や、バックシート1と外装シート12との間に挟んで固定することもできる。このような背側伸縮部40を有することにより、おむつ背側背側部分Bにおけるウエスト側端部が装着者の背中に弾力的に押し当てられ、おむつと装着者の背中との間に隙間が発生し難くなる。
背側伸縮部40における幅方向の弾性変形時引張応力は止着パネル5の本体部5bにおける幅方向の弾性変形時引張応力よりも弱く(例えば5%以上弱く)なるように構成されているのが好ましい。より具体的には、背側伸縮部40における弾性変形時引張応力が10kg/m以下であるのが好ましく、止着パネル5の本体部5bにおける弾性変形時引張応力が5〜25kg/mであるのが好ましい。このような弾性変形時引張応力の差は、各部に取り付けられる弾性伸縮部材20,41の太さ、本数を適宜選択することにより設定することができる。これにより、装着の際に背側伸縮部40が身体で押え付けられて伸張が不十分となっても、止着パネル5を背側伸縮部40の伸張分も含めてきつめに伸張させておくことで、装着後に背側部分40が解放されたときに、止着パネル5の強い収縮力により背側伸縮部40が伸張され、背側伸縮部40が装着者の背中に弾力的にフィットするようになる。つまり、背側伸縮部40を十分なフィット性が得られるように伸張した状態で装着できるため、おむつの背側部分Bと装着者の肌との間に隙間が発生し難くなる。なお、弾性変形時引張応力とは、幅方向の対象部分(背側伸縮部40の場合は弾性伸縮部材41が固定されている部分)を他の部分から切断して幅方向の引張試験を行うことにより測定される、幅方向の最大伸張時における伸張長さに対して15%収縮した時の引張応力を意味する。
また、上述のように止着パネル5の収縮力により背側伸縮部40を伸長させる場合、止着パネル5の伸縮部における幅方向の最大伸縮長さを、背側伸縮部40における幅方向の最大伸縮長さの2〜15倍、特に5〜7倍となるように構成し、止着パネル5の伸縮長さを背側伸縮部40よりも十分に長く確保するのが好ましい。なお、最大伸縮長さは、各部に取り付けられる弾性伸縮部材20,41の伸張率等を適宜選択することにより設定することができる。
(脚付根部弾性伸縮部材・脚周り弾性伸縮部材)
他方、使い捨ておむつの幅方向中央線WCの両側には、少なくとも股部Cの前後方向範囲にわたり前後方向に延在する複数本の脚付根部弾性伸縮部材13及び複数本の脚周り弾性伸縮部材14が、その延在方向に沿って伸張された状態で、おむつ幅方向中央線WCに関して線対称をなすようにそれぞれ取り付けられている。これらの弾性伸縮部材13,14は、図示形態では外装シート12とバックシート1との間にホットメルト接着剤を用いて固定されているが、吸収体3を支持する支持部であれば他の部分に設けることもできる。ここで、支持部とは、吸収体3がおむつから離脱しないように支持する部分であり、吸収体3以外の素材により複合的に形成されるものである。具体的に本実施形態の場合、吸収体3の裏面側に位置する部材であるバックシート1及び外装シート12と、吸収体3の表面側を覆うトップシート2、並びに吸収体3の表面側の両側部を覆う側部バリヤーシート4が、吸収体3の支持部を構成しており、その幅方向両側縁のうち前後方向中間の部分が、装着者の脚を通す脚開口の縁Leをなしている。よって、脚付根部弾性伸縮部材13及び脚周り弾性伸縮部材14は、取付位置に応じて、バックシート1と側部バリヤーシート4との間や、バックシート1とトップシート2との間、あるいはトップシート2の裏面に設けることもできる。また、脚付根部弾性伸縮部材13及び脚周り弾性伸縮部材14は、その少なくとも一方又は少なくとも一方の一部を異なるシート間に取り付けることができる。これら脚付根部弾性伸縮部材13及び脚周り弾性伸縮部材14が前後方向に沿う細長状弾性伸縮部材であり、またこれらを挟持固定する内シート及び外シートが、図示形態ではバックシート1及び外装シート12である。
各脚付根部弾性伸縮部材13は、平面的なおむつの部材を装着者の脚付根周りの複雑な形状に適合させるためのものであり、股間部から背側Bにおいては、おむつ前後方向中央線LCに対して後側に110〜90mmの範囲内であって、且つおむつ幅方向中央線WCからの離間距離が100〜110mmの範囲内に位置する第1屈曲点c1、及びおむつ前後方向中央線LCに対して後側に10mmの位置から前側に15mmの位置までの範囲内であって、且つおむつ幅方向中央線WCからの離間距離が40〜30mmの範囲内に位置する第2屈曲点c2、をこの順に通る屈曲線状をなしており、第1屈曲点c1より後側の部分から第2屈曲点c2まではおむつ幅方向中央線WCからの離間距離が減少する傾きを有し、第2屈曲点c2ではおむつ幅方向中央線WCに最も近づき、第1屈曲点c1では幅方向外側に膨出するような屈曲形状をなし、第2屈曲点c2では幅方向中央側に膨出するような屈曲形状をなしているものである。
また、各脚付根部弾性伸縮部材13は、股間部から腹側においては、おむつ前後方向中央線LCに対して前側に130〜165mmの範囲内であって、且つおむつ幅方向中央線WCからの離間距離が65〜55mmの範囲内に位置する第3屈曲点c3、おむつ前後方向中央線LCに対して前側に160〜215mmの範囲内であって、且つおむつ幅方向中央線WCからの離間距離が80〜95mmの範囲内に位置する第4屈曲点c4、及びおむつ前後方向中央線LCに対して前側に175〜245mmの範囲内であって、且つおむつ幅方向中央線WCからの離間距離が90〜120mmの範囲内に位置する第5屈曲点c5、をこの順に通る屈曲線状をなし、第2屈曲点c2から第5屈曲点c5より前側の部分まではおむつ幅方向中央線WCからの離間距離が増加する傾きを有し、第4屈曲点c4では幅方向外側に膨出するような屈曲形状をなし、第3及び第5屈曲点c5では幅方向中央側に膨出するような屈曲形状をなしているものである。脚付根部弾性伸縮部材13は、股間部から腹側において、他の配置パターンを採用することもできる。
左右各側における脚付根部弾性伸縮部材13の本数は適宜定めることができるが、1〜5本程度、特に2〜4本程度が適当であり、図示例では3本である。左右各側における脚付根部弾性伸縮部材13の本数を複数本とする場合には、その間隔は例えば1〜20mm程度、好ましくは2〜15mm程度、特に好ましくは8〜12mm程度である。また、各脚付根部弾性伸縮部材13としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができ、太さとしては300〜3000dtex程度、特に500〜1500dtex程度、天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度が好ましい。また、各脚付根部弾性伸縮部材13の固定時の伸長率は600〜1400%程度、特に150〜250%程度であるのが好ましい。
図15に示すように、このような屈曲線状の脚付根部弾性伸縮部材13を備えていると、その収縮力の作用によって、おむつが脚の付根周りの複雑な立体形状、すなわち装着者の脚の付根周りのうち股間から臀溝、大腿筋膜張筋の上部にわたる部分だけでなく、股間から内転筋群の凸部を横断して鼠蹊部までにわたり、確実にフィットするようになる。より詳細には、おむつのうち脚付根部弾性伸縮部材13の第2屈曲点c2から第1屈曲点c1までを有する部分が、装着者の股間後部から臀溝にかけて押し付けられ、第1屈曲点c1より後側の部分が装着者の臀溝から大腿筋膜張筋の上部にかけて押し付けられる。また、第2屈曲点c2から第3屈曲点c3までを有する部分が、装着者の股間全体にわたり押し付けられ、第3屈曲点c3から第5屈曲点c5までの部分が第4屈曲点c4を有する部分を頂点として内転筋群の凸部に沿うように押し付けられ、第5屈曲点c5より前側の部分が装着者の鼠蹊部に押し付けられる。そしてこのように、脚の付根周りの複雑な形状に適合した配置で弾性伸縮部材13を設けることによって、静的なフィット性はもちろんのこと、動的なフィット性も良好となり、例えば仰臥位から座位、座位から仰臥位の姿勢に変化する際における脚の付根周りの形状変化に対してもおむつの形状が追従し易くなる。その結果、おむつと脚の付根周りとの間に不要な空間が形成され難くなり、漏れが発生し難くなる。なお、比較のため、従来の使い捨ておむつの装着状態の写真を図16に示した。この従来の使い捨ておむつは、上述の脚付根部弾性伸縮部材13のような、吸収体3と重なる弾性伸縮部材を有さず、後述する脚周り弾性伸縮部材14と同様の位置に、前後方向に沿って直線状に配置された細長状弾性伸縮部材を3本有するものであり、ダミー人形に仰向きの状態で装着し、仰向き寝から座位を経て仰向き寝へ戻る姿勢変化を10回繰り返した後の状態(めくれや、隙間が発生している)を示している。
ここで、上記各屈曲点の位置は大人用使い捨ておむつを想定したものである。具体的には、全長が700〜1000mm程度、脚開口の縁Leと対応する部分の前後方向長さが300〜550mm程度、おむつ前後方向中央線LCに対して後側に110〜90mmの範囲内における幅が180〜240mm程度、おむつ前後方向中央線LCに対して後側に10mmの位置から前側に15mmの位置までの範囲内における幅が40〜100mm程度、おむつ前後方向中央線LCに対して前側に130〜165mmの範囲内における幅が90〜150mm程度、おむつ前後方向中央線LCに対して前側に160〜215mmの範囲内における幅が140〜210mm程度、且つおむつ前後方向中央線LCに対して前側に175〜245mmの範囲内における幅が160〜260mm程度の使い捨ておむつにおいて、特に好適なものである。また、図15に示すおむつのサンプルは、おむつ前後方向中央線LCに対する各屈曲点の位置が、第1屈曲点c1:後側90mm、第2屈曲点c2:前側10mm、第3屈曲点c3:前側130mm、第4屈曲点c4:前側170mm、第5屈曲点c5:前側235mmのものである。
他方、一般的な設計の使い捨ておむつに対して上述の脚付根部弾性伸縮部材13を設けた場合、おむつの両側部に、少なくとも股部Cの前後方向範囲にわたり、脚付根部弾性伸縮部材13の部位よりも幅方向外側に食み出す脚周り包囲部分LHが形成されるとともに、吸収体3の両側部のうち少なくとも脚付根部弾性伸縮部材13における第2屈曲点c2から第3屈曲点c3までの部分と前後方向において対応する部分が、脚周り包囲部分LHにおける幅方向中間部まで延在するようになる。よって、前述の脚付根部弾性伸縮部材13だけでは、それよりも外側の脚周り包囲部分LHが脚周りに押し付けられないため、当該包囲部分LHに位置する吸収体側部から***物が漏れ出るおそれがある。これを解決するために、股間部を含む部分における吸収体3の幅を狭めることも考えられるが、最も重要な部分といえる股間部における吸収量の確保が困難となるため好ましくない。
そこで、図示形態では、吸収体3は、少なくとも股部Cの前後方向範囲にわたり設け、且つその両側部のうち少なくとも脚付根部弾性伸縮部材13における第2屈曲点c2から第3屈曲点c3までの部分と前後方向において対応する部分を、脚周り包囲部分LHにおける幅方向中間部まで延在させるとともに、各脚周り包囲部分LHに、脚開口の縁Leに沿って延在する脚周り弾性伸縮部材14を、その延在方向に沿って伸張した状態で取り付けている。このように、脚付根部弾性伸縮部材13のみならず、その幅方向外側に食み出す脚周り包囲部分LHに、脚開口の縁Leに沿って延在する脚周り弾性伸縮部材14を設けると、脚周り包囲部分LHが脚周りに押し付けられ、脚周りからの漏れが発生し難くなるため好ましい。
左右各側における脚周り弾性伸縮部材14の本数は適宜定めることができるが、3〜10本程度、より好ましくは3〜8本程度、特に4〜6本程度が適当であり、図示例では5本である。左右各側における脚周り弾性伸縮部材14の本数を複数本とする場合には、その間隔は1〜20mm程度、好ましくは2〜15mm程度、特に好ましくは6〜10mm程度である。また、各脚周り弾性伸縮部材14としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができ、太さとしては500〜1500dtex程度、天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度が好ましい。また、各脚周り弾性伸縮部材14の固定時の伸長率は150〜250%程度であるのが好ましい。
また、図示形態のように、左右各側における脚周り弾性伸縮部材14の本数を複数本とする場合、そのうちの少なくとも一部の脚周り弾性伸縮部材14は、少なくとも脚付根部弾性伸縮部材13における第2屈曲点c2から第3屈曲点c3までの部分と前後方向において対応する部分が、吸収体3の側縁と脚開口の縁Leとの間を通過するように配置し、残りの脚周り弾性伸縮部材14は、少なくとも脚付根部弾性伸縮部材13における第2屈曲点c2から第3屈曲点c3までの部分と前後方向において対応する部分が、吸収体3の側部と重なる位置を通過するように配置するのが好ましい。このように、脚周り弾性伸縮部材14を適所に設け、吸収体3を有する幅方向内側部分及び吸収体を有しない幅方向外側部分の双方を脚周りに押し付ける構造とすることによって、脚周り包囲部分LH全体が均等に脚周りにフィットし、漏れ防止効果も一層となる。
(吸収体のスリット)
上述の脚付根周りに対するフィット性を更に向上させるために、図10にも示すように、吸収体3の両側部における脚付根部弾性伸縮部材13の通過部位の一部又は全部に、その脚付根部弾性伸縮部材13の通過方向に沿ってスリット3Xが形成されている。このスリット3Xは、図示例では前端が吸収体3の周縁に達して開口する線状の切欠部により形成しているが、吸収体3の周縁に達しない中抜きとして形成することもできる。また、吸収体3が図示例のように複数層の積層構造を有する場合は、図示するように全ての層3A,3Bにスリット3Xを形成すると好ましいが、一部の層(単数でも複数でも良い)にのみ形成しても良い。またスリット3Xに代えてエンボス加工による線状の圧縮部を形成しても良い。
スリット3Xの寸法等は適宜定めることができる。スリット3Xの幅は、製造容易性等の観点から10〜25mm程度とするのが望ましい。図示例のスリット3Xは、各脚付根部弾性伸縮部材13における第2屈曲点(後側屈曲点)c2から第4屈曲点(前側屈曲点)c4間の部分が通過する部位の実質全体に、その通過方向に沿って屈曲線状に形成されている。脚付根部弾性伸縮部材13の配置が異なる他の形態の使い捨ておむつにおいても、上記第2屈曲点(後側屈曲点)c2から第4屈曲点(前側屈曲点)c4間の部分と同じ前後方向範囲にスリット3Xを設けるのが好ましい。
このようなスリット3Xを設けることにより、図15に示すように、脚付根部弾性伸縮部材13の収縮力の作用によって、股間部の吸収体3を有する部分のうち脚付根部弾性伸縮部材13の通過部位が股間から大腿部内側面にかけて脚の付け根に対して押し付けられる際、吸収体3がこのスリット3Xに沿って確実に屈曲し、角部が脚の付け根に対してより適切にフィットし、股間部の吸収体3を有する部分のうち脚付根部弾性伸縮部材13の通過部位よりも幅方向外側の部分が脚の付け根から脚周りにかけてより適切にフィットし、幅方向内側の部分が脚の付け根から股間にかけてより適切にフィットするようになる。
特に、脚付根部弾性伸縮部材13はおむつ幅方向中央線WCの両側にそれぞれ複数本設けるのが好ましいが、その場合、各側の複数本の脚付根部弾性伸縮部材13のうち、少なくとも一本がスリット3Xの領域内を通過するように配置され、他の少なくとも一本がスリット3Xの領域の幅方向外側(特に吸収体3と重なる部位)を通過するように配置されていると好ましい。これによって、スリット3Xの領域内を通過する脚付け根部弾性伸縮部材13が、吸収体3の屈曲部位にしっかりとした角部を形成するとともに、当該角部を脚の付け根にしっかりと押し付けることができ、スリット3Xの領域の幅方向外側を通過する脚付け根部弾性伸縮部材13が屈曲部位よりも幅方向外側の部分を脚の付け根から脚周りにかけてしっかりと押し付けることができるようになる。
他方、複数本の脚付根部弾性伸縮部材13は前側に向うにつれて間隔が狭くなっており、複数本の脚周り弾性伸縮部材14はそれぞれ前後各側に向かうにつれて間隔が狭くなっている。また、これらの弾性伸縮部材13,14の前後各側は、ウエスト側サイドフラップ部SF(脚周り開口の縁Leよりウエスト側)にかけて設けられており、背側では止着パネル5の固定部5fと重なる位置に向かって延在し、腹側ではフロントターゲットテープ6と重なる位置に向かって延在している。
また、脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14における前後両端部と重なる部分では、脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14を挟持する隣接シート(バックシート1と外装シート12)が固着されていない非固着領域とされ、この領域内では脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14は隣接シート(バックシート1と外装シート12)に固着されていない。これは、製造時に行われる前後縁での切断により弾性伸縮部材13,14を同時に切断し、脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14の前後端部を収縮させて、隣接シート間に引き込ませ、前後縁からはみ出ないようにするためである。この結果、図13に点線で示すように、外装シート12とバックシート1との間に非固着領域からなる筒状の通路12rが形成される。この通路12rは製品前後縁に開口している。脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14の他の部分(前後方向中間部分)と重なる部分では、両シート1,12が固着され、この固着領域内では脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14は伸張状態で両シート12,1に接着固定される。
この筒状の通路12rの位置は、腹側においてはウエスト側端縁からフロントターゲットテープ6の下縁まで延在しており、この通路12rの下端開口から脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14が導入されている。この結果、ターゲットテープ6を幅広にして腹側のウエスト側サイドフラップSFの両端近傍まで延在させる、或いはより股間側まで延在させる等により、脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14がターゲットテープ6と交差する配置となっても、ターゲットテープ6に対して脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14の収縮力が作用せず、脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14の収縮力によりターゲットテープ6に皺が寄ることがない。よって、ターゲットテープ6全体にわたり十分な連結力が得られるようになる。
また、腹側部分Fにおいては、脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14は、ある程度の間隔(例えば2〜10mm程度、特に3〜10mm程度)を保ったまま通路12rの股間側端縁に至るように設けるのが好ましい。このように、左右各側の脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14が、股間部から前側に向かうにつれて間隔が狭くなるように配置されている場合、複数本の弾性伸縮部材13,14が通路12rの股間側端縁と交差する位置で幅方向にある程度の間隔を有していると、非固着領域である通路12rとその股間側の固着領域との境界に収縮力が集中し難く、フィット性及び見栄えの悪化を防止できる。
ただしこの場合、ターゲットテープ6は股間側に対しても広範囲に設けると非固着領域が過大となり、強度低下等の問題点をもたらすおそれがある。特に、矩形状の接着パターンにより非固着領域である通路12rを設けた場合は尚更である。そこで、図示のように脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14の間隔の狭まりに対応させて(つまり通路12rの側縁が隣接する弾性伸縮部材の曲線に沿うように)、通路12rの幅をターゲットテープ6の股間側端縁から腹側部分におけるウエスト側端縁に向かうにつれて縮小するのが好ましい。通常のおむつの製造ラインにおいて非固着領域の幅を連続的に変化するのは困難であるため、図示のように非固着領域を階段状に形成するのが好ましい。特に、脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14が図示形態のようなパターンをなしている場合、通路12rの幅方向外側の側縁は前後方向に沿って直線状をなすようにし、幅方向中央側の側縁のみを階段状に屈曲させるのが好ましい。
上記例では、脚付根部及び脚周り弾性伸縮部材13,14における通路12r(非固着領域)内の部分は、隣接シート(バックシート1と外装シート12)の両者に固着されていない形態であるが、内シートであるバックシート1に対してだけであれば固着されていても良い。
他方、背側における通路12rの位置は、図示形態と異なり、止着パネル5の固定部5fと重ならない部位に設けると、止着パネル5の固定部5fの固定強度が高くなるため好ましい。
本発明は、上記例のようにテープタイプ使い捨ておむつに利用できるものである。
1…不透液性バックシート、2…透液性トップシート、3…吸収体、3X…スリット、4…側部バリヤーシート、5…止着パネル、6…ターゲットテープ、7…細長状弾性伸縮部材、9…フックテープ、10…ミシン目、12…外装シート、13…脚付根部弾性伸縮部材、14…脚周り弾性伸縮部材、20…細長状弾性伸縮部材、30…背側バリヤーシート、40…背側伸縮部。

Claims (2)

  1. 両側縁が脚周りに沿う括れ曲線状をなす前後方向範囲として定まる、股部と、
    この股部の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ両側縁が前後方向に沿う直線状をなす、腹側胴周り部及び背側胴周り部と、
    前記背側胴周り部における幅方向両側部から突出された、少なくとも下側部分が胴周り方向に弾性伸縮する伸縮部として構成された止着パネルと、
    各止着パネルにおける少なくとも下側部分の先端部に設けられた、おむつの前後方向中央より前側の部分の外面と着脱自在に連結される連結部とを有する、テープタイプ使い捨ておむつにおいて;
    前記股部の縦方向長さは、おむつの全長の30〜50%であり、
    前記背側胴周り部の縦方向長さは、おむつの全長の25〜35%であり、
    前記背側胴周り部の横方向長さは、おむつの全長の45〜70%であり、
    前記止着パネルの縦方向長さは、おむつの全長の20〜35%であり、
    前記止着パネルのおむつの下縁と、前記おむつの前後方向中央との離間距離は、おむつの全長の15〜28%であり、
    前記止着パネルは、予め切断分離されているか又はミシン目により分離可能とされた、上段パネルと下段パネルとを有するとともに、これら上段パネル及び下段パネルの各先端部に前記連結部が設けられるとともに、少なくとも下段パネルの先端部には下端部及び上端部の両部位に前記連結部がそれぞれ設けられている、
    ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記止着パネルは、予め切断分離されているか又はミシン目により分離可能とされた、上段パネルと下段パネルとを有するとともに、これら上段パネル及び下段パネルの各先端部に前記連結部が設けられており、
    前記腹側胴周り部の外面に、前記止着パネルの上段パネルの連結部を連結するためのフロントターゲットテープが設けられるとともに、前記股部のうちおむつの前後方向中央より前側の部分の外面に、前記止着パネルの下段パネルの連結部を連結するためのフロントターゲットテープが設けられている、
    請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
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