JP2009201849A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、テープ式使い捨ておむつに関するものである。
テープ式使い捨ておむつは、背側部分の幅方向両側部から、他方の部分と着脱自在に連結されるファスニングテープがそれぞれ突出されているものである(例えば特許文献1、2参照)。ファスニングテープは、背側部分に対する固定部と、背側部分から突出する突出部とを有し、この突出部は、連結のためのフックテープや粘着剤層等の連結部が設けられた先端部と、この先端部よりも基端側の本体部とを有している。近年では、胴回りの締め付けに弾力性をもたせ、身体に対するフィット性を高めるために、ファスニングテープに糸ゴムを幅方向に沿って伸張状態で固定し、幅方向に沿う伸縮性を高めることが提案されている。
特開2005−160506号公報
特許3737725号公報
しかしながら、従来の伸縮性ファスニングテープは、収縮力が幅方向に沿ってのみ作用するため、脚の動きや胴の動きにより発生する様々な状態に対して、必ずしも適切な収縮力が発揮されず、脚周りや胴回りに隙間が発生し、漏れにつながるおそれがあった。
そこで、本発明の主たる課題は、脚の動きや胴の動きにより発生する様々な状態に対して、より優れたフィット性を発揮するテープ式使い捨ておむつを提供することにある。
そこで、本発明の主たる課題は、脚の動きや胴の動きにより発生する様々な状態に対して、より優れたフィット性を発揮するテープ式使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
腹側部分及び背側部分を有し、前記腹側部分及び前記背側部分のうち少なくとも一方の部分における幅方向両側部から、他方の部分と着脱自在に連結されるファスニングテープがそれぞれ突出されている、テープ式使い捨ておむつにおいて、
前記ファスニングテープは、前記一方の部分に固定された固定部と、この固定部から突出し、前記一方の部分に非固定の突出部とを有し、この突出部は、前記連結のための連結部が設けられた先端部と、この先端部よりも基端側の本体部とを有しており、
前記ファスニングテープの本体部は、第1の部分と、この第1の部分より股間側に位置する第2の部分とからなる単位構造がウエスト端縁側から股間側にかけて複数並設されており、
前記第1の部分には、前記先端部側から前記固定部側に向かうにつれてウエスト端縁側に近づくような固定位置に沿って、細長状弾性部材がその長手方向に沿って伸張された状態で固定されており、
前記第2の部分には、前記先端部側から前記固定部側に向かうにつれて股間側に近づくような固定位置に沿って、細長状弾性部材がその長手方向に伸張された状態で固定されている、
ことを特徴とするテープ式使い捨ておむつ。
<請求項1記載の発明>
腹側部分及び背側部分を有し、前記腹側部分及び前記背側部分のうち少なくとも一方の部分における幅方向両側部から、他方の部分と着脱自在に連結されるファスニングテープがそれぞれ突出されている、テープ式使い捨ておむつにおいて、
前記ファスニングテープは、前記一方の部分に固定された固定部と、この固定部から突出し、前記一方の部分に非固定の突出部とを有し、この突出部は、前記連結のための連結部が設けられた先端部と、この先端部よりも基端側の本体部とを有しており、
前記ファスニングテープの本体部は、第1の部分と、この第1の部分より股間側に位置する第2の部分とからなる単位構造がウエスト端縁側から股間側にかけて複数並設されており、
前記第1の部分には、前記先端部側から前記固定部側に向かうにつれてウエスト端縁側に近づくような固定位置に沿って、細長状弾性部材がその長手方向に沿って伸張された状態で固定されており、
前記第2の部分には、前記先端部側から前記固定部側に向かうにつれて股間側に近づくような固定位置に沿って、細長状弾性部材がその長手方向に伸張された状態で固定されている、
ことを特徴とするテープ式使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明では、第1の部分及び第2の部分にそれぞれ細長状弾性部材が伸張状態で固定されているため、両部分に収縮力が作用する。特徴的には、両部分における収縮力の向きが幅方向ではなく、第1の部分では先端部側から固定部側に向かうにつれてウエスト端縁側に近づくような固定位置に沿って収縮力が作用し、第2の部分では反対に、先端部側から固定部側に向かうにつれて股間側に近づくような固定位置に沿って収縮力が作用する。したがって、腹側部分及び背側部分のうちファスニングテープの固定部が固定されている方では、第1の部分は脚周りに沿う方向の収縮力を発揮し、第2の部分はウエスト端縁側端部が身体から離間する方向の力に対して抗する方向の収縮力を発揮する。一方、腹側部分及び背側部分のうちファスニングテープの先端部が連結される方では、第2の部分が脚周りに沿う方向の収縮力を発揮し、第1の部分はウエスト端縁側端部が身体から離間する方向の力に対して抗する方向の収縮力を発揮する。よって、これら異なる方向の収縮力が発揮されることにより、脚の動きや胴の動きにより発生する様々な状態に対して優れたフィット性が発揮される。例えば、装着者が座位を取ると、おむつの脚周りに沿って張力が強くなる部分や弱くなる部分が発生するが、本発明の場合、ファスニングテープにおける細長状弾性部材の収縮力の向きが、このような脚周りに沿う方向の張力変化を吸収するのに適しているため、脚周りにおけるフィット性に優れるようになる。
本発明では、第1の部分及び第2の部分にそれぞれ細長状弾性部材が伸張状態で固定されているため、両部分に収縮力が作用する。特徴的には、両部分における収縮力の向きが幅方向ではなく、第1の部分では先端部側から固定部側に向かうにつれてウエスト端縁側に近づくような固定位置に沿って収縮力が作用し、第2の部分では反対に、先端部側から固定部側に向かうにつれて股間側に近づくような固定位置に沿って収縮力が作用する。したがって、腹側部分及び背側部分のうちファスニングテープの固定部が固定されている方では、第1の部分は脚周りに沿う方向の収縮力を発揮し、第2の部分はウエスト端縁側端部が身体から離間する方向の力に対して抗する方向の収縮力を発揮する。一方、腹側部分及び背側部分のうちファスニングテープの先端部が連結される方では、第2の部分が脚周りに沿う方向の収縮力を発揮し、第1の部分はウエスト端縁側端部が身体から離間する方向の力に対して抗する方向の収縮力を発揮する。よって、これら異なる方向の収縮力が発揮されることにより、脚の動きや胴の動きにより発生する様々な状態に対して優れたフィット性が発揮される。例えば、装着者が座位を取ると、おむつの脚周りに沿って張力が強くなる部分や弱くなる部分が発生するが、本発明の場合、ファスニングテープにおける細長状弾性部材の収縮力の向きが、このような脚周りに沿う方向の張力変化を吸収するのに適しているため、脚周りにおけるフィット性に優れるようになる。
また、第1の部分及びその股間側に位置する第2の部分からなる単位構造がウエスト端縁側から股間側にかけて複数並設されている構造を採用することにより、上下方向幅(ウエスト端縁側と股間側とを結ぶ方向の幅)の広いテープにおいても、上述した本発明の作用効果を良好に発揮させることができる。
<請求項2記載の発明>
前記細長状弾性部材は、前記本体部を横断して前記固定部と前記先端部とを往復しながら前記ファスニングテープの上下方向に延在する三角波状をなすように設けられている、請求項1記載のテープ式使い捨ておむつ。
前記細長状弾性部材は、前記本体部を横断して前記固定部と前記先端部とを往復しながら前記ファスニングテープの上下方向に延在する三角波状をなすように設けられている、請求項1記載のテープ式使い捨ておむつ。
(作用効果)
細長状弾性部材が本項記載のような三角波状に配置されていると、一本の弾性部材で広範囲に本発明の伸縮性を付与することができる。
細長状弾性部材が本項記載のような三角波状に配置されていると、一本の弾性部材で広範囲に本発明の伸縮性を付与することができる。
<請求項3記載の発明>
前記ファスニングテープの股間側端縁が、前記先端部側から前記固定部側に向かうにつれて股間側に近づくように形成されている、請求項1又は2記載のテープ式使い捨ておむつ。
前記ファスニングテープの股間側端縁が、前記先端部側から前記固定部側に向かうにつれて股間側に近づくように形成されている、請求項1又は2記載のテープ式使い捨ておむつ。
(作用効果)
ファスニングテープの股間側端縁がこのような形状を有していると、おむつの脚周りに沿う力の方向がファスニングテープで急角度に変化しないため、ファスニングテープが円滑に伸縮でき、脚周りに対するフィット性も高いものとなる。
ファスニングテープの股間側端縁がこのような形状を有していると、おむつの脚周りに沿う力の方向がファスニングテープで急角度に変化しないため、ファスニングテープが円滑に伸縮でき、脚周りに対するフィット性も高いものとなる。
<請求項4記載の発明>
前記細長状弾性部材の固定が、前記細長状弾性部材の長手方向に所定の規則的間隔で間欠的になされている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープ式使い捨ておむつ。
前記細長状弾性部材の固定が、前記細長状弾性部材の長手方向に所定の規則的間隔で間欠的になされている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープ式使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、細長状弾性部材が長手方向に所定の規則的間隔で間欠的に固定されていると、弾性部材の収縮による皺が規則的となるため、伸縮性が顕著に向上するとともに見栄えも良くなる。
このように、細長状弾性部材が長手方向に所定の規則的間隔で間欠的に固定されていると、弾性部材の収縮による皺が規則的となるため、伸縮性が顕著に向上するとともに見栄えも良くなる。
以上、本発明によれば、脚の動きや胴の動きにより発生する様々な状態に対して、より優れたフィット性を発揮するようになる、等の利点がもたらされる。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
(基本的な構造について)
図1〜図10は、本発明に係るテープ式使い捨ておむつの一例を示しており、このテープ式使い捨ておむつは、外面に外装シート12が積層された不透液性バックシート1の内面と、透液性トップシート2との間に、吸収体3が介在されているものである。
(基本的な構造について)
図1〜図10は、本発明に係るテープ式使い捨ておむつの一例を示しており、このテープ式使い捨ておむつは、外面に外装シート12が積層された不透液性バックシート1の内面と、透液性トップシート2との間に、吸収体3が介在されているものである。
不透液性バックシート1としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
外装シート12は、肌触りを改善するために不透液性バックシート1の外面に張り合わされるものである。外装シート12としては各種の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
透液性トップシート2としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。
吸収体3としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。必要に応じて、吸収体3はクレープ紙(図示せず)により包むことができる。また、吸収体3の形状は適宜定めることができるが、図示のような砂時計形状の他、長方形等のように、股間部の前側から後側まで延在する形状が好適である。
不透液性バックシート1は、吸収体3の周囲より外方に延在して略砂時計形状を成している。不透液性バックシート1の側方延在部の内面にはバリヤシート4の幅方向外側の部分4xが前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体3の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。バリヤシート4の幅方向中央側の部分4cはトップシート2上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材4Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材4G及び後述する細長状弾性部材7,13,20としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
透液性トップシート2は、吸収体3より若干大きめの砂時計形状とされ、吸収体3側縁より若干外方に延在する部分がバリヤシート4と不透液性バックシート1との間に介在され不透液性バックシート1側にホットメルト接着剤等により接着されている。この接着剤部分は図3及び図4では点模様(網掛け)で示されている。バリヤシート4の素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
不透液性バックシート1の外面を不織布で覆う場合には、不透液性バックシート1に代えて、外装不織布を吸収体3の周囲より外方に延在させてバリヤシート4の側部とともに、吸収体8の存在しないサイドフラップ部SFを構成することもできる。この場合、不透液性バックシート1をサイドフラップ部SFまで延在させず、トップシート2と同様の形状とすることができる。
図3及び図4にも示されるように、両バリヤシート4,4は、幅方向外側の部分4xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート2表面およびバックシート1内面)に着脱しないように固定されるとともに、幅方向中央側の部分4cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に着脱しないように固定され、かつ前後方向の両端部間では物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に固定されていない。この非固定部分は、図4に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に対して起立可能なバリヤ部となる部分であり、その起立基端4bはバリヤシート4における幅方向外側の固定部分4xと内側の部分4cとの境に位置する。
使い捨ておむつの前後方向両端部では、不透液性バックシート1および透液性トップシート2が吸収体3の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在され、吸収体3の存在しないエンドフラップ部EFが形成され、このうち背側のエンドフラップ部EFにおいては、複数本、図示の例では3本の細長状弾性部材7,7…が幅方向に沿って配設されている。
また、背側の両サイドフラップ部SFには、それぞれファスニングテープ5,5が側方に突出するように取り付けられるとともに、使い捨ておむつの腹側表面に幅方向に沿ってフロントターゲットテープ6が貼着されており、このフロントターゲットテープ6にファスニングテープ5を止着することによって使い捨ておむつが身体に装着されるようになっている。より詳細には、ファスニングテープ5は、背側部分のサイドフラップSFに固定された固定部5fと、サイドフラップ部SFから幅方向外側に突出する突出部5eとを有しており、この突出部5eは先端部5pと、この先端部5Pよりも基端側の本体部5bとを有している。ファスニングテープ5の先端部5pの内面側(透液性表面シート2側)には、ターゲットテープ6との連結のための連結部として、表面にフック状突起を多数有するフックテープ(メカニカルファスナーの雄材)9,9がそれぞれ取り付けられており、フロントターゲットテープ6としてフック状突起が着脱可能に掛止される表面を有するもの(メカニカルファスナーの雌材)6が取り付けられている。おむつ外面の素材自体をフロントターゲットテープ6の代わりに用いたり、フックテープ9に代えて粘着剤層を用いるとともに、フロントターゲットテープ6として粘着性に富むような表面が平滑な樹脂テープを用いたりすることができる。
使い捨ておむつの幅方向両側には、腹側部分から背側部分にわたり延在するように、複数本の細長状弾性部材13がそれぞれ設けられている。この弾性部材13は、本実施形態では外装シート12とバックシート1との間に接着剤を用いて固定されているが、サイドフラップ部SFのみに設ける場合等、取付位置に応じて、バックシート1とバリヤシート4との間や、バックシート1とトップシート2との間に設けることもできる。
特に本実施形態においては、サイドフラップ部SFにおいて、脚周りに沿うように形成された括れ部分に沿って延在する複数本(図示例では5本)の外側弾性部材13と、腹側及び背側のサイドフラップ部SFに始端及び終端を有し、股間側の部分において吸収体と重なる部分まで内側に膨出延在する複数本(図示例では3本)の内側弾性部材13とが設けられている。
外側弾性部材13は、前後方向に沿って延在するように束ねられた背側端部収束部分13sと、及び前後方向に沿って延在するように束ねられた腹側端部収束部分13sと、これらの中間部としての、弾性部材13相互の間隔が空けられた非収束部分とを有している。
内側弾性部材13は、前後方向に沿って延在するように束ねられた背側端部収束部分13sと、及び前後方向に沿って延在するように束ねられた腹側端部収束部分13sと、背側及び腹側端部収束部分13s間の部分のうち背側端部収束部分13sの近傍及において、おむつ前後方向中央からファスニングテープ側へ向かうにつれて幅方向外側に位置するように向きを変えつつ斜めに延在する背側傾斜収束部分13tと、背側及び腹側端部収束部分13s間の部分のうち腹側端部収束部分13sの近傍及において、おむつ前後方向中央からファスニングテープ側へ向かうにつれて幅方向外側に位置するように向きを変えつつ斜めに延在する腹側傾斜収束部分13tと、これら背側及び腹側傾斜収束部分13t間の中間部としての、弾性部材13相互の間隔が空けられた非収束部分とを有している。
これら外側及び内側弾性部材13における背側及び腹側端部収束部分13sは、サイドフラップ部SFにおける脚周り括れ部分より上側に設けられており、特に背側端部収束部13sはファスニングテープ5の基端部と重なる位置に設けられている。また、特に背側及び腹側端部収束部分13sは前後方向に沿う直線状にするよりも、前後方向に沿わないように傾斜した直線状や、緩やかな弧状等の曲線状にするのが望ましい。
また、外側及び内側弾性部材13における背側及び腹側端部収束部13sは、単一の束として収束されており、その端部側の一部または全部が接着固定されていない。これは、製造時に行われる前後縁での切断により弾性部材13を同時に切断し、弾性部材13の前後端部を収縮させて、外装シート12とバックシート1との間に引き込ませ、前後縁からはみ出ないようにするためである。この結果、図13に点線で示すように、外装シート12とバックシート1との間に筒状の通路12rが形成される。この通路12rは製品前後縁に開口する。外側及び内側弾性部材13の他の部分は、内側弾性部材13における背側及び腹側傾斜収束部分13tを含め、伸張状態で両シート12,1に接着固定される。
かくして構成されたテープ式使い捨ておむつでは、サイドフラップ部SFにおいて、脚周り方向のみならず、胴回り方向に対しても伸縮性が発揮されるようになる。特に背側における内側弾性部材13は、ファスニングテープ5の基端部と重なる部分まで収束部分が延在され、且つ伸張状態で固定されているため、ファスニングテープ5の締め付けに対して胴回り方向の伸縮性を発揮して追従することができ、フィット性に優れたものとなる。
(特徴的な部分について)
そして特徴的には、図5に示すように、ファスニングテープ5は、その全体にわたる(つまり固定部5f、本体部5b及び先端部5pにわたる)基本不織布層51と、この基本不織布層51における固定部5f及び先端部5pにそれぞれ固定された補強不織布層52とを有する。このように先端部5pに補強不織布層52を設けることにより、先端部5pにおける強度や剛性を確保し、また本体部5bにおける柔軟性や伸縮性を確保することができる。また、図6および図7に示すように固定部5fにも補強不織布層52を設けることもできる。
そして特徴的には、図5に示すように、ファスニングテープ5は、その全体にわたる(つまり固定部5f、本体部5b及び先端部5pにわたる)基本不織布層51と、この基本不織布層51における固定部5f及び先端部5pにそれぞれ固定された補強不織布層52とを有する。このように先端部5pに補強不織布層52を設けることにより、先端部5pにおける強度や剛性を確保し、また本体部5bにおける柔軟性や伸縮性を確保することができる。また、図6および図7に示すように固定部5fにも補強不織布層52を設けることもできる。
図示例の基本不織布層51及び補強不織布層52は、複数枚の不織布NFを貼り合わせて形成されているが、一枚の不織布NFで形成することもできる。この不織布NFとしては公知のものを特に限定無く用いることができる。不織布NFを構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布NFの加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。特にオレフィン系繊維を用いたスパンボンド不織布、SMS不織布が好ましい。
使用する不織布NFの坪量は適宜定めることができるが、本体部5bにおける不織布NFの総坪量が20〜75g/m2、特に26〜46g/m2であり、固定部5f及び先端部5pにおける不織布NFの総坪量がそれぞれ35〜130g/m2、特に46〜116g/m2であると好ましい。この範囲内であれば、ファスニングテープ5の固定部5f及び先端部5pにおける強度や剛性の確保、及び本体部5bにおける柔軟性や伸縮性の確保を、バランス良く且つ効果的に達成することができる。
また、特徴的には、図8および図9に示すように、本体部5bを横断して固定部5fと先端部5pとを往復しながらファスニングテープ5の上下方向に延在する三角波状をなすように、細長状弾性部材20が伸張状態でホットメルト接着剤により固定されている。具体的には、先端部5pから固定部5fに向かう(図9における下側から上側)につれてウエスト端縁W側に近づくような固定位置に沿って、細長状弾性部材20がその長手方向に沿って直線状に伸張された状態で固定された第1の部分A1と、先端部5p側から固定部5f側に向かう(図9における下側から上側)につれて股間側(ウエスト端縁側とは反対側)に近づくような固定位置に沿って、細長状弾性部材がその長手方向に沿って直線状に伸張された状態で固定された第2の部分A2と、が交互に連なるよう細長状弾性部材20が配置されている。さらに、この細長状弾性部材20における、テープ式使い捨ておむつの前後方向中央側縁(股間側縁)に最も近い直線状部分20sは、第1の部分A1となるように形成されている。
細長状弾性部材20の寸法等については適宜定めれば良いが、例えば、ファスニングテープ5の寸法に関して、高さ(上下方向長さ)hを60〜240mm、固定部5fの幅を20〜60mm、本体部5bの幅を40〜250mm、先端部5pの幅を30〜105mmとする場合、弾性部材20の太さを300〜2,500dtexとし、弾性部材20を三角波状に配置する場合には折り返し角度θ1を1〜30度とし、また、幅方向に沿う直線状部分と折り返し部分からなる波状に配置する場合には直線状部分20sの上下方向間隔sを2〜30mmとして、ファスニングテープの上下方向全体にわたり弾性部材20を設けるのが好ましい。また、細長状弾性部材20における、テープ式使い捨ておむつの前後方向中央側(股間側)に最も近い直線状部分20sの幅方向に対する角度θ2は5〜30度とする。
細長状弾性部材20がこのような波状に配置されていると、細長状弾性部材20が少なくとも固定部5fと本体部5bとに跨るように及び本体部5bと先端部5pとに跨るように、上下方向と交差する方向に沿って延在するため、細長状弾性部材20が固定部5f及び先端部5pと本体部5bとの各境界を繋ぐ補強部材となるだけでなく、各境界に加わる力が分散するため、裂けや破れが防止される。しかも、この細長状弾性部材20を設けるだけであれば、柔軟性が損なわれることもなく、また形状が細長状であるため通気性が損なわれることもない。また、細長状弾性部材20における、テープ式使い捨ておむつの前後方向中央側(股間側)に最も近い直線状部分20sが、このように配置されていると、おむつ着用時に、細長状弾性部材における斜めになるよう固定された部分が、鼠径部または臀部の形状に沿って伸張されるやすくなるため、ファスニングテープ5近傍のフィット性が高くなる。
細長状弾性部材20は、必ずしも第1の部分A1と第2の部分A2とが連続するように配置されている必要はないが、連続していることによって不連続になっているよりも部品点数が少なく、製造が容易であるため連続していることが好ましい。
また、第1の部分A1及び第2の部分A2に配置された細長状弾性部材20は、必ずしも直線状に配置する必要はなく、曲線状に配置してもよい。要は、前述したように、第1の部分A1では、先端部5pから固定部5fに向かうにつれてウエスト端縁W側に近づくような固定位置に沿って、細長状弾性部材20がその長手方向に沿って伸張された状態で固定され、第2の部分A2では、先端部5p側から固定部5f側に向かうにつれて股間側(ウエスト端縁側とは反対側)に近づくような固定位置に沿って、細長状弾性部材がその長手方向に沿って直線状に伸張された状態で固定されていれば良い。
細長状弾性部材20の固定部位は適宜定めることができるが、基本不織布層51を形成する不織布NF間に挟んでホットメルト接着剤で固定するのが好ましい。細長状弾性部材20の接着は長手方向に所定の規則的間隔で間欠的になされているのが好ましく、特に本体部5bでは間欠接着、固定部5f及び先端部5pでは連続接着となっているのが好ましい。図中にはこの接着剤部分が点模様(網掛け)により示されている。なお、この細長状弾性部材20の固定及び他の不織布間の固定のための接着剤の総使用量は、本体部5bにおいては5〜40g/m2とするのが好ましく、先端部5pにおいては10〜60g/m2とするのが好ましく、固定部5fにおいては5〜60g/m2とするのが好ましい。
補強不織布層52の形成方法は特に限定されないが、図5に示す先端部5pのように、基本不織布層51の内面又は外面に、基本不織布層51を形成する不織布NFとは別体の不織布NFをホットメルト接着剤により接着することにより補強不織布層52を形成することができる。また、図6および図7に示すように、固定部5f及び先端部5pの少なくとも一方において、基本不織布層51を形成する不織布NFの端部を一重又は二重(Z字状)に折り返して対向面をホットメルト接着剤により接着することにより補強不織布層52を形成することもできる。固定部5fをシート間(図示例の場合にはバックシート1と外装シート12との間)に挟む場合、固定部5fにおける折り返し部分の端縁を、両シート1,12間からはみ出さずに隠すのが好ましい。
図9は、ファスニングテープのトリムレス製法への応用例を示している。トリムレス製法とはトリム(余分な廃棄部分) がゼロ(無)の製法である。本製法例では、先ず、連続帯状の複数枚の不織布NFを繰り出してホットメルト接着剤により貼り合わせるとともに、これら不織布NF間におけるCD方向両側の所定部位に細長状弾性部材20を伸張状態でホットメルト接着剤により固定する。次いで、CD方向の両端部をそれぞれ中央側に折り返してホットメルト接着剤により固定する。かくして、固定部5fの補強不織布層52となる部分を基本不織布層51と同じ不織布NFを一重に折り返して形成することができる。そして、同図(b)に示すように、CD方向中央線に関して一方側の部分及び他方側の部分において、CD方向中央線側の端部をCD方向中央線L1に関して線対称をなすようにそれぞれ二重に折り返し(換言すれば、CD方向中央部をΩ状に折り返す)、この折り返し部分における折り返し側と反対側の面(折り返し側面であっても良い)にフックテープ等の連結部9を設けることにより、図6に示すように、先端部5pの補強不織布層52を基本不織布層51の不織布NFを二重に折り返して形成することができる。また、同図(c)に示すように、連続帯状の不織布NFを別途繰り出してCD方向中央部にホットメルト接着剤により貼り付け、更にその上に(図示例と異なり反対面であっても良い)フックテープ等の連結部9を設けることにより、図5および図7に示すように、先端部5pの補強不織布層52を別体の不織布NFで形成することができる。
そして、かくして形成される連続シートStを、連結部9を交互に横切りつつ連続シートの長さ方向へ連続する波状周期曲線L2によって切断するとともに、所望のファスニングシート形状となる所定位置で、CD方向に沿って外側縁から波状周期曲線L2に至る切断線(図示略)によって切断することにより個々のファスニングテープ5を製造することができる。
他方、図8に示すファスニングテープ5では、上下方向中間部における幅方向外側縁から本体部5b内まで幅方向に沿うミシン目10が設けられており、このミシン目10を切り離すことにより上段部及び下段部に分離され、且つ上段部及び下段部の各々が固定部、本体部、先端部及び連結部を備えるようになっている。ミシン目10による分離線は細長状弾性部材20を横切らないような配置とするか、又は横切る場合にはミシン目10のカット部分の形成時に同時に細長状弾性部材20を切断しておくことが望ましい。ミシン目10に代えて、予め切断等により分離されていても良い。このようなファスニングテープ5は、上段部と下段部とを交差させた状態で、腹側部分のフロントターゲットテープ6に着脱自在に連結することができる。この際、上段部及び下段部は幅方向に対して斜めに傾斜するが、前述のように細長状弾性部材20が三角波状に配置されていると、このような傾斜方向に対しても十分な伸縮性が発揮される。もちろん、このような2段分割タイプに限らず、1段のみのタイプやミシン目10を有せずあらかじめ分離されているタイプ等、他の公知のファスニングテープに応用することもできる。
(その他の実施形態)
図11に示すように、ファスニングテープ5における股間側端縁は、先端部5pから固定部5fに向かうにつれて股間側に近づくように、幅方向に対してθ3の角度をなすように斜めに形成することもできる。ファスニングテープ5がこのように形成されていることによって、おむつの脚周りに沿う力の方向がファスニングテープで急角度に変化しないため、ファスニングテープ5が円滑に伸縮でき、脚周りに対するフィット性も高いものとなる。なお、θ3の角度は5〜30度とするのが好ましい。また、ファスニングテープ5を上記のような形状に形成した場合、細長状弾性部材20の股間側端縁に最も近い直線状部分20sは、ファスニングテープ5におけるテープ式使い捨ておむつの股間側端縁に沿うように配置することが好ましい。
図11に示すように、ファスニングテープ5における股間側端縁は、先端部5pから固定部5fに向かうにつれて股間側に近づくように、幅方向に対してθ3の角度をなすように斜めに形成することもできる。ファスニングテープ5がこのように形成されていることによって、おむつの脚周りに沿う力の方向がファスニングテープで急角度に変化しないため、ファスニングテープ5が円滑に伸縮でき、脚周りに対するフィット性も高いものとなる。なお、θ3の角度は5〜30度とするのが好ましい。また、ファスニングテープ5を上記のような形状に形成した場合、細長状弾性部材20の股間側端縁に最も近い直線状部分20sは、ファスニングテープ5におけるテープ式使い捨ておむつの股間側端縁に沿うように配置することが好ましい。
このように構成する場合、ファスニングテープ5におけるウエスト端縁側端縁が、先端部5pから固定部5fに向かうにつれてウエスト端縁側に近づくように、幅方向に対してθ3の角度をなすように斜めに形成することもできる。この場合、ファスニングテープ部5は、ミシン目10を設けずにあらかじめ分離されている。
本発明は、テープ式使い捨ておむつに利用されるものである。
1…不透液性バックシート、2…透液性トップシート、3…吸収体、4…バリヤシート、5…ファスニングテープ、6…ターゲットテープ、7…細長状弾性部材、9…フックテープ、10…ミシン目、12…外装シート、13…細長状弾性部材、20…細長状弾性部材、51…基本不織布層、52…補強不織布層、NF…不織布。
Claims (4)
- 腹側部分及び背側部分を有し、前記腹側部分及び前記背側部分のうち少なくとも一方の部分における幅方向両側部から、他方の部分と着脱自在に連結されるファスニングテープがそれぞれ突出されている、テープ式使い捨ておむつにおいて、
前記ファスニングテープは、前記一方の部分に固定された固定部と、この固定部から突出し、前記一方の部分に非固定の突出部とを有し、この突出部は、前記連結のための連結部が設けられた先端部と、この先端部よりも基端側の本体部とを有しており、
前記ファスニングテープの本体部は、第1の部分と、この第1の部分より股間側に位置する第2の部分とからなる単位構造がウエスト端縁側から股間側にかけて複数並設されており、
前記第1の部分には、前記先端部側から前記固定部側に向かうにつれてウエスト端縁側に近づくような固定位置に沿って、細長状弾性部材がその長手方向に沿って伸張された状態で固定されており、
前記第2の部分には、前記先端部側から前記固定部側に向かうにつれて股間側に近づくような固定位置に沿って、細長状弾性部材がその長手方向に伸張された状態で固定されている、
ことを特徴とするテープ式使い捨ておむつ。 - 前記細長状弾性部材は、前記本体部を横断して前記固定部と前記先端部とを往復しながら前記ファスニングテープの上下方向に延在する三角波状をなすように設けられている、請求項1記載のテープ式使い捨ておむつ。
- 前記ファスニングテープの股間側端縁が、前記先端部側から前記固定部側に向かうにつれて股間側に近づくように形成されている、請求項1又は2記載のテープ式使い捨ておむつ。
- 前記細長状弾性部材の固定が、前記細長状弾性部材の長手方向に所定の規則的間隔で間欠的になされている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープ式使い捨ておむつ。
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