JP5477534B2 - 水溶性製紙用表面サイズ剤 - Google Patents

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本発明は水溶性製紙用表面サイズ剤に関する。
製紙用表面サイズ剤は、紙に塗工することで、サイズ効果(紙の液体吸収性をコントロールし、インクの滲みなどを抑える)を付与することができる薬品であり、紙のステキヒトサイズ度や筆記適性などのサイズ効果を向上させることができる。このような表面サイズ剤としては、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸エステルモノマー等の疎水性モノマーと(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーを主成分とする共重合体の中和塩として含有する表面サイズ剤が知られている。これらは共重合体にサイズ効果を発現させる疎水性の与えるとともに、カルボキシル基などのアニオン性基およびその中和塩の形成により可溶化するようにコントロールされているものである(特許文献1、特許文献2)。
こうした製紙用表面サイズ剤は、エマルジョン型(分散液型)と水溶性(水溶液型)に大別できる。一般的に、前者は疎水性モノマーの比率を比較的高く設計することができるためサイズ効果に優れるが、ロッドメタリングサイズプレスやゲートロール方式のような、強い剪断力下で表面サイズ剤の塗工を行う方式においては、糟が多量に発生しやすいという問題があり、今後のさらなる高速塗工の要求に対して不利な面がある。後者は、機械的安定性は優れるが、均一な水溶性を付与し、製品を安定化させるために親水性モノマーをより多く使用する必要があり、サイズ効果や印字濃度やフェザリングなどのインクジェット適性において満足できるものを得ることが困難である。また、塗工液として澱粉などの水溶性高分子と混合されると、これらとの相互作用により増粘しやすく塗工性においても十分なものが得られないという問題がある。
特開昭56−63098号公報 特開昭50−6804号公報
本発明は、表面サイズ剤ポリマー成分におけるスチレン含有量を高め、高いサイズ効果やインクジェット適性を有し、しかも澱粉などと混合しても過度に増粘することなく適度な粘度の塗工液を得ることができ、紙への付着性、塗工紙の乾燥性に優れるなど塗工性にも優れ、特に高速塗工に適した水溶性の製紙用表面サイズ剤を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく検討を行った結果、水溶性製紙用表面サイズ剤のポリマー成分を、スチレン系モノマーとアクリル酸を特定モル比率で含む特定分子量の共重合体とし、さらに、共重合体中のカルボキシル基等のアニオン性基の全部または一部をアルカリ金属塩とアンモニウム塩が特定比率で共存する中和塩の形態で含有させれば、前記の課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
構成モノマーとして少なくともスチレン系モノマー65〜80重量%、アクリル酸35〜20重量%を含む共重合体を含有する水溶性製紙用表面サイズ剤であって、共重合体の重量平均分子量が10,000〜50,000であり、共重合体中のカルボキシル基の全部または一部がアルカリ金属とアンモニアで中和され、その中和塩のモル比率が
アルカリ金属塩:アンモニウム塩=35〜70%:65〜30%である水溶性製紙用表面サイズ剤;共重合体に含まれるアニオン性基の70〜110モル%が中和され塩を形成している前記の水溶性製紙用表面サイズ剤;共重合体の構成モノマーとして、さらに架橋性モノマーを0.001〜3重量%含む前記の水溶性製紙用表面サイズ剤;架橋性モノマーがビス(メタ)アクリルアミド類、ジ(メタ)アクリル酸エステル類およびジビニルベンゼン類からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記の製紙用表面サイズ剤;固形分濃度20重量%、25℃におけるブルックフィールド粘度が10〜1000mPa・sである前記の製紙用表面サイズ剤、に関する。
本発明の製紙用表面サイズ剤は、水溶液性でありながら、高いサイズ効果やインクジェット適性を有するものであり、また、澱粉などと混合して塗工液を調製しても過度に増粘することがない。よって、操業中の塗工液の粘度を適度に保つことができ、塗工紙の乾燥性も向上し、高速塗工に適したものとなる。
本発明の製紙用表面サイズ剤に用いる共重合体は、構成モノマーとして少なくともスチレン系モノマー65〜80重量%、アクリル酸35〜20重量%を含むものである。共重合体の必須構成成分をかかるものに限定し、かつそれらの構成重量比率を特定することにより、高い疎水性を有しつつ、しかも、澱粉、カルボキシメチルセルロース、アクリルアミド系ポリマー、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子と混合して塗工液として使用した場合においても、これらと相互作用して過剰に増粘してしまうことがなく、高いサイズ効果やインクジェット適性と塗工性(水溶液安定性、粘度(紙への付着性)、乾燥性)と両立をさせることができる。
なお、本発明の共重合体を構成するスチレン系モノマーとしては、特に限定されず公知のものを用いることができ、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これらのうち、分子量を制御しやすくなるためスチレンが好ましい。
また、上記共重合体のモノマー組成を満たす限りにおいて、必要により前記共重合体を構成するモノマー成分と共重合可能なその他のモノマーを併用することができる。その他のモノマー成分としては、疎水性ビニルモノマー、アニオン性ビニルモノマー、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、炭素数6〜22のα−オレフィン、ビニルピロリドンなどが挙げられる。
疎水性ビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸(アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。以下、同様である。)と1価の各種アルコールとのエステルであり、1分子中に(メタ)アクリル酸由来の重合性二重結合を1つ有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。具体的には、エステルの置換基としては、炭素数が1〜18程度の直鎖状、分岐鎖状あるいは環状のアルキル基を例示でき、たとえば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル(n−プロピル、iso−プロピル)、(メタ)アクリル酸ブチル(n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル)、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル(n−ヘキシル、シクロヘキシル)、アクリル酸2−エチルヘキシル等、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル基等が挙げられる。
アニオン性ビニルモノマーとしては、メタクリル酸などのアクリル酸以外の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、ムコン酸等の不飽和ジカルボン酸およびジカルボン酸の無水物、ジカルボン酸と各1価アルコールとを反応させて得られる半エステル;ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−メチル−プロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有不飽和モノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸基含有不飽和モノマーなどが挙げられる。
その他のモノマー成分の共重合体中における構成比率としては、通常20重量%未満、好ましくは10重量%未満で使用することが好ましい。共重合体に占める割合が20重量%を超えると、必須モノマー成分であるスチレン系モノマーとアクリル酸が少なくなり、目的とする表面サイズ剤に適した共重合体の特性が確保しにくくなる。
さらに、共重合体の構成モノマー成分として架橋性モノマーを使用することもできる。架橋性モノマーとしては、分子内に複数のラジカル重合性官能基を有するものや、分子中のメチル基またはメチレン基の水素が引き抜かれることを利用して、共重合体に多くの分岐構造を導入させるものであれば、特に制限なく使用できる。
分子内に複数のラジカル重合性官能基を有するものとしては、2〜4官能性の架橋性モノマーが挙げられる。
2官能性の架橋性モノマーとしては、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミドなどビス(メタ)アクリルアミド類、エチレングリコールジ(メタ)アクリルエステル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリルエステル、等のジ(メタ)アクリルエステル類、アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル等のジビニルエステル類、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンおよびこれらの誘導体などの芳香族ジビニル化合物類、ジアリルジメチルアンモニウム、ジアリルフタレート、ジアリルクロレンデート、等が挙げられる。
3官能性のモノマーとしては、1,3,5トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルアミン、トリアリルトリメリテート、N,N−ジアリルアクリルアミド等が挙げられる。
4官能性モノマーとしては、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラアリルピロメリテート、N,N,N’,N’−テトラアリル−1,4ジアミノブタン、テトラアリルアミン塩、テトラアリルオキシエタン等が挙げられる。
また、分子中のメチル基またはメチレン基の水素が引き抜かれることを利用するものとしては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸およびこれらの炭素数1〜4のアルキルエステル等も架橋性モノマーとして使用することができる。
これらの架橋性モノマーは、一種を単独でまた二種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、製造時の反応制御が容易で、共重合体中に均一かつ十分な架橋構造を安定して形成させることができることから、ビス(メタ)アクリルアミド類とジ(メタ)アクリルエステル類およびジビニルベンゼン類が好ましい。架橋剤の使用量としては、全構成モノマー成分中0.001〜3重量%程度、好ましくは0.01〜1重量%程度である。架橋剤の使用量が0.001を下回ると架橋構造の形成による高分子量化の程度が不十分となりやすく、3重量%を上回るとゲル状となる傾向がある。
本発明の共重合体の製造方法は、特に限定されず、水溶液重合、懸濁重合などの各種公知の重合方法を採用することができる。
例えば、溶液重合法によって製造する場合には、適当な加熱装置と攪拌機を備えた反応容器に、スチレン系モノマー、アクリル酸および必要によりその他のモノマー成分や架橋性モノマーを所定量仕込み、ついで当該容器に水、有機溶剤を仕込みこれらのモノマー成分を溶解させる。次いで、重合開始剤を添加して混合し、窒素気流中で反応系内を、80〜130℃程度に昇温し、還流下で4時間程度重合反応をし、有機溶剤を留去することにより行うことができる。
溶液重合に使用する有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコールなどのアルコール類等を使用することができる。重合開始剤としては、特に制限されないが、例えば2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,4−メチルバレロニトリルなどのアゾ化合物、また過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどの有機過酸化物、また、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、または、これらと亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤のいずれも採用することができる。重合開始剤の使用量としては、重合速度や、得られる共重合体の分子量などを考慮して適宜決定すればよいが、通常は、共重合体を構成する各モノマー全量に対して、0.1〜10重量%程度が好適である。
こうして得られる共重合体は、重量平均分子量が、ゲルパーメーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算値で10,000〜50,000程度である。重量平均分子量が10,000を下回ると十分なサイズ効果を得ることができず、50,000を超えると水溶液への溶解が困難となり、安定な水溶液型の表面サイズ剤とすることができない。また、共重合体中に存在するアクリル酸由来のカルボキシル基などのアニオン性基の含有量を示す酸価(mgKOH/g)は140〜340程度とすることが好ましい。酸価をかかる範囲とすることにより、優れたサイズ効果やインクジェット適性を備えるとともに水溶性化が容易なものとなる。同様の観点からが、酸価は、158〜315程度がより好ましい。
本発明の製紙用水性表面サイズ剤に使用する共重合体は、水に可溶化するために共重合体中のカルボキシル基の全部または一部が中和塩を形成するものである。中和の際の中和率としては、共重合体に含まれるアニオン性基の70〜110モル%が中和され塩を形成していることが好ましい。中和率が、70モル%を下回ると、共重合体の可溶化が困難となり、中和率が110モル%を超えると得られる共重合体塩中に存在する後述の金属塩の含有量が過剰となりサイズ効果を低下させるため好ましくない。
さらに、中和剤としては、アルカリ金属とアンモニアを併用し、得られる共重合体中和塩におけるアルカリ金属塩とアンモニウム塩のモル比率が、アルカリ金属塩:アンモニウム塩=35〜70モル%:65〜30モル%となることを必要とする。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などを挙げることができ、アンモニウム塩としては、アンモニアのほか、炭酸アンモニウム塩などを挙げることができる。アルカリ金属塩の比率が、前記範囲を下回ると、共重合体の可溶化が困難となり、安定な水溶性表面サイズ剤を得ることができない。また、アンモニウム塩は、表面サイズ剤が紙に塗工され乾燥されることにより揮散し、疎水性を向上させるがアルカリ金属塩はそのまま紙中に水溶性塩として残存するものであるため、アルカリ金属塩の比率が70モル%を上回ると、十分なサイズ効果やインクジェット適性が得ることができない。
なお、アンモニウム塩全体に対して10モル%程度を超えない範囲内であれば、アンモニウム塩の一部をモノメチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリメチルアミン塩などの脂肪族アミン、シクロヘキシルアミン等の脂環族アミン、アニリン等の芳香族アミンなどの炭素数として1〜12の揮発性アミンに代えてもよい。
また、中和塩の形成は、得られた共重合体に対して、中和剤を添加して中和処理を行ってもよいが、あらかじめ、重合前のモノマー成分を塩の形で使用する方法で行ってもよい。
こうして得られた共重合体は、固形分濃度が通常15〜30重量%、固形分濃度が20重量%における粘度(B型粘度計:25℃)が通常10〜1000mPa・s、pHが通常8.0〜10.0となるように調整され、製紙用表面サイズ剤として使用される。
また、本発明の製紙用表面サイズ剤は、単独で塗工に供することもできるが、澱粉、カルボキシメチルセルロース、アクリルアミド系ポリマー、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、消泡剤、防滑剤、防腐剤、防錆剤、増粘剤、pH調整剤、酸化防止剤、増膜助剤、顔料、染料と混合して塗工液として使用することもできる。
また、本発明の製紙用表面サイズ剤は、上記各種の原紙に対して従来公知の塗布方法、例えば含浸法、サイズプレス法、カレンダー法、スプレー法、ゲートロールコーターなどを用いて塗工される。特に、本願発明の製紙用表面サイズ剤はゲートロール塗工などの高速塗工方式において適したものである。なお、その塗布量は通常は0.001〜5g/m2(固形分)程度、好ましくは0.005〜1g/m2である。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明を限定するものではない。なお、以下「部」、「%」はそれぞれ重量部、重量%を示す。
(実施例1)
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えたフラスコにイソプロピルアルコール 85部、イオン交換水 43部、スチレン 116.9部(全モノマー成分中65%)、80%アクリル酸 78.7部(全モノマー成分中35%)の混合液を窒素気流下に攪拌しながら、70℃まで昇温し、t-ブチルパーオキシ-2エチルヘキサノエート(商品名「パーブチルO」日本油脂株式会社製)を7.3部仕込んだ。更に80〜90℃まで昇温させ、4時間保温し、重量平均分子量40,000、酸価276の共重合体を得、ついで、イオン交換水200部、ハイドロキノンを0.045部および48%水酸化カリウム水溶液 51.0部(共重合体中のアニオン性基に対して50モル%相当)仕込み中和し、イソプロピルアルコールを留去する。その後、25%アンモニア水を29.7(共重合体中のアニオン性基に対して50モル%相当)添加し共重合体を溶解し不揮発分濃度が20%となるように調整し、これを水溶性の製紙用表面サイズ剤とした。得られた水溶性の製紙用表面サイズ剤の特性値を表1に示す。
(実施例2)
触媒t-ブチルパーオキシ-2エチルヘキサノエートを2、2‘-アゾビス-イソブチロニトリルに変更し、その使用量を9.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして製造した。
(実施例3、5〜9)
共重合体のモノマー組成、中和塩のモル比率と中和率(中和剤の種類と使用量)を表1のものに変更した以外は、実施例1と同様にして製造した。
(実施例4)
触媒t-ブチルパーオキシ-2エチルヘキサノエートの添加量を3.7部に変更した以外は、実施例3と同様にして製造した。
(比較例1〜10)
共重合体のモノマー組成、中和塩のモル比率と中和率(中和剤の種類と使用量)を表1のものに変更した以外は、実施例1と同様にして製造した。得られた水溶性の製紙用表面サイズ剤の特性値を表2に示す。
なお、比較例1、比較例4、比較例6、比較例8および比較例9は共重合体が溶解せず、製紙用表面サイズ剤を調製することができなかた。
以下に、各実施例および比較例によって得られた水溶性製紙用表面サイズ剤の特性値の測定方法について説明する。
(重量平均分子量)
実施例1〜9、比較例1〜10で得られた表面サイズ剤をゲルパーメーションクロマトグラフィー(HLC8120GPC、使用カラムTSKgel SuperHM−Nを2本使用、展開溶媒 THF)にて重量平均分子量をポリスチレン換算値として測定した。
(粘度)
225mlのマヨネーズ瓶に製品を入れ、25℃でB型粘度計を使用して、測定した。
上記により得られた各水溶性表面サイズ剤の澱粉液粘度を測定するとともに、各水溶性表面サイズ剤を用いて塗工液を調製し、これを未塗工紙に塗工して、そのサイズ効果とインクジェット適性を評価し、また別途、澱粉液粘度について評価した。
(塗工性評価(澱粉液粘度))
酸化澱粉(王子コーンスターチ社製商品名「王子エースA」)を糊化し、水溶性表面サイズ剤を混合して、それぞれ固形分換算で酸化澱粉15%濃度、水溶性表面サイズ剤1%濃度の塗工液とし、50℃における粘度を測定した。なお、澱粉15%の粘度は62mPa・sである。結果を表3に示す。
(表面サイズ剤の性能試験)
サイズ剤、15%濃度で糊化した酸化澱粉(商品名「王子エースA」、王子コーンスターチ株式会社製)、無機塩類として塩化ナトリウムとをそれぞれ0.4:5.0:1.0(重量比)の割合で混合して塗工液を調製した。次に、未塗工の中性上質原紙(坪量65g/m、ステキヒトサイズ度5秒)を用意し、塗工液をバーコーターで片面に吸液量12g/m塗工し、105℃の回転式ドラムドライヤーに1分間通して乾燥し、塗工紙を作成して、以下の性能試験に供した。結果を表3に示す。
(ステキヒトサイズ度)
前記サイズ処理をした塗工紙を、JIS P−8122に準拠して、ステキヒトサイズ度(秒)を測定した。数値が大きいほど良好なサイズ度を表す。結果を表3に示す。
(インクジェット適性評価(印字濃度試験))
インクジェット適性の評価は前記サイズ処理をした各印刷用紙に、キャノン(株)製インクジェットプリンターPIXUS iP4200を用いてモノクロでベタ印刷した。次いで、反射濃度計(商品名「グレタグD186」、グレタグマクベス株)製)を用いて得られた印刷部位の濃度測定を行った。数値が大きいほど印字濃度が高いことを示す。結果を表3に示す。
(インクジェット適性評価(フェザリング試験))
フェザリングの評価は、前記サイズ処理をした塗工紙に、キャノン(株)製インクジェットプリンターPIXUS iP4200を用いてモノクロで直交する線幅一定の直線及び文字を印字し、目視にて直線及び文字の外縁のにじみを目視評価することで行った。フェザリングの全くないものを6とし、インクがにじんでしまって文字の判別がつかないものを1とした。結果を表3に示す。
なお、比較例1、比較例4、比較例8および9は共重合体が溶解しなかった。
Figure 0005477534
(表中の各記号)
ST:スチレン
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
BA:ブチルアクリレート
MBAA:メチレンビスアクリルアミド
Figure 0005477534
(表中の各記号)
ST:スチレン
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
BA:ブチルアクリレート
MBAA:メチレンビスアクリルアミド
−:共重合体が溶解せず、測定することができなかった。
Figure 0005477534

Claims (5)

  1. 構成モノマーとして少なくともスチレン系モノマー65〜80重量%、アクリル酸35〜20重量%を含む共重合体を含有する水溶性製紙用表面サイズ剤であって、共重合体の重量平均分子量が10,000〜50,000であり、共重合体中のカルボキシル基の全部または一部がアルカリ金属とアンモニアで中和され、その中和塩のモル比率がアルカリ金属塩:アンモニウム塩=35〜70%:65〜30%である水溶性製紙用表面サイズ剤。
  2. 共重合体に含まれるアニオン性基の70〜110モル%が中和され塩を形成している請求項1に記載の水溶性製紙用表面サイズ剤。
  3. 共重合体の構成モノマーとして、さらに架橋性モノマーを0.001〜3重量%含む請求項1または2記載の水溶性製紙用表面サイズ剤。
  4. 架橋性モノマーがビス(メタ)アクリルアミド類、ジ(メタ)アクリル酸エステル類および芳香族ジビニル化合物類からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の製紙用表面サイズ剤。
  5. 固形分濃度20重量%、25℃におけるブルックフィールド粘度が10〜1000mPa・sである請求項1〜4のいずれかに記載の製紙用表面サイズ剤。
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