JP5477358B2 - 空気流量測定装置 - Google Patents
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Description
(特許文献1)
特許文献1の空気流量測定装置は、この空気流量測定装置の外部に設けられたトリガー回路から、エンジン停止時にヒートクリーニング開始の外部信号(指示信号)が付与されてヒートクリーニングを実施するように設けられている。
(ii)特許文献1の空気流量測定装置は、トリガー回路からの信号を入力する手段として、「トリガー回路と空気流量測定装置を接続する専用ハーネス」および「トリガー回路からの信号を入力するための専用ターミナル端子」を必要とする。
(iii)特許文献1の空気流量測定装置は、ヒートクリーニングを実施する手段として、通常動作(流量測定)とは異なるブリッジ構成を必要とする。このため、ヒートクリーニングを実施するためのコストが上昇してしまう。
特許文献2の空気流量測定装置は、この空気流量測定装置の外部に設けられたECU(エンジン・コントロール・ユニットの略)から、エンジン停止時にヒートクリーニング開始の外部信号(指示信号)が付与されてヒートクリーニングを実施するように設けられている。
(ii)特許文献2の空気流量測定装置は、特許文献1と同様、ECUからの信号を入力する手段として、「ECUと空気流量測定装置を接続する専用ハーネス」および「ECUからの信号を入力するための専用ターミナル端子」を必要とする。
(iii)特許文献2の空気流量測定装置は、流量測定用の発熱ヒータとは別に、ヒートクリーニング専用の発熱抵抗体を必要とする。このため、流量測定部位におけるセンサ構成が複雑になってしまう。
請求項1の空気流量測定装置は、この空気流量測定装置の外部から外部信号が入力された時に、発熱ヒータの温度を、空気流量測定時の温度より高める。
これにより、外部からヒートクリーニングが要求された時(例えば、汚損により流量測定値が変化した時、イグニッションスイッチのON時、減速時、イグニッションスイッチのOFF時等)に、ヒートクリーニングを実施することができる。
このように、出力端子が外部信号の入力端子を兼用するため、従来技術で用いていた「専用ハーネス」および「専用ターミナル端子」を不要にできる。
請求項2の空気流量測定装置は、電源端子、グランド端子、吸気温端子のいずれかに外
部信号が入力される。
このように、「電源端子、グランド端子、吸気温端子のいずれか」が外部信号の入力端
子を兼用するため、従来技術で用いていた「専用ハーネス」および「専用ターミナル端子
」を不要にできる。
請求項3の空気流量測定装置は、外部信号が入力されている間、発熱ヒータの温度を予め設定したヒートクリーニング温度に昇温させる。
これにより、空気流量測定装置の外部からヒートクリーニングの実施時間(以下、ヒートクリーニング時間と称す)を任意にコントロールすることができる。
請求項4の空気流量測定装置は、外部信号が入力された時、予め設定したヒートクリーニング時間に亘り、発熱ヒータの温度を予め設定したヒートクリーニング温度に昇温させる。
請求項5のヒートクリーニング時間は、0.2秒以上であり、且つ2秒以下である。
ヒートクリーニング時間を0.2秒以上に設定することで、発熱ヒータの発熱による異物除去が実施されて、異物付着による空気流量の測定精度の悪化を回避することができる。
また、ヒートクリーニング時間を2秒以下に設定することで、エンジン制御に用いられる空気流量測定の影響を抑えることができる。
請求項6の空気流量測定装置は、ヒートクリーニングを実施する際、吸気温度に基づいて発熱ヒータの温度を昇温させる。
これにより、吸気温度が高い状態でヒートクリーニングが実施されても、温度の上がり過ぎによる発熱ヒータの劣化を回避することができ、発熱ヒータの劣化に伴う空気流量の測定精度の悪化を回避することができる。
請求項7の吸気温度検出抵抗体は、発熱ヒータが設けられるセンサ基板上に設けられる。
このように、発熱ヒータが設けられるセンサ基板に吸気温度検出抵抗体を設けることで、コストを抑えることができる。
請求項8の空気流量測定装置は、加熱吸気温度検出抵抗体の検出する加熱吸気温度と、非加熱吸気温度検出抵抗体の検出する非加熱吸気温度との「検出温度差」が、予め設定された一定温度差となるように発熱ヒータを通電制御する。
これにより、流量測定時において、発熱ヒータに与えられる電流値(空気流量に応じて変化する値)によって空気流量を測定することができる。
このように、流量測定に用いるブリッジバランスの変更、つまり「電圧」を変化させることでヒートクリーニングを実施できるため、ヒートクリーニングを実施するための特別な回路を不要にでき、コストを抑えることができる。
請求項9の空気流量測定装置は、エンジンに吸気を導く吸気ダクトの内部を流れる吸気の一部が通過するバイパス通路(吸気ダクトに対する副通路)と、このバイパス通路に導かれた吸気の一部が通過するサブバイパス通路(吸気通路に対する副々通路)とを備え、サブバイパス通路を通過する吸気量を測定するものである。
空気流量測定装置1は、熱式エアフロメータ(AFM)であり、エンジンに吸引される吸気の一部を通電による発熱によって加熱する発熱ヒータ2と、少なくとも発熱ヒータ2の通電制御を行うセンサ回路3とを搭載する。
そして、センサ回路3は、空気流量測定装置1の外部に配置されるECU4から外部信号(ヒートクリーニング開始の指示信号)が入力された時に、発熱ヒータ2の温度を、空気流量測定時の温度より高めるヒートクリーニング手段5を備える。
なお、ヒートクリーニング手段5は、制御プログラムであっても良いし、シーケンス制御を実行する電気回路(コンピュータを用いないロジック回路等)で構成されるものであっても良い。
なお、以下の実施例において上記[発明を実施するための形態]と同一符号は、同一機能物を示すものである。
実施例1を図1〜図6を参照して説明する。
空気流量測定装置1は、図1に示すように、車両走行用エンジンの吸気ダクト11に搭載されるものであり、エンジンに吸い込まれる空気流量(吸気量)の測定を行う熱式エアフロメータである。
・吸気ダクト11に組付けられる通路形成部材(ハウジング)12と、
・この通路形成部材12に組付けられるセンサアッシー13と、
を備えて構成される。
通路形成部材12は、例えば樹脂材料によって形成されるものであり、エンジンに吸気を導く吸気ダクト11に組付けられる。
通路形成部材12の内部には、吸気ダクト11の内部(主通路)を流れる吸気の一部が通過するバイパス通路14およびサブバイパス通路15が形成される。
具体的に、吸気ダクト11には、内外を貫通するAFM装着穴11aが形成されており、このAFM装着穴11aの外部より通路形成部材12を吸気ダクト11内に挿入配置することで、空気流量測定装置1が吸気ダクト11に組付けられる。
なお、通路形成部材12は、吸気ダクト11にネジ等の締結部材(図示しない)を用いて着脱可能に取り付けられるものである。
なお、この実施例では、サブバイパス通路15の出口15bを独立して設ける例を開示するが、限定されるものではなく、例えば出口15bをバイパス通路14内に開口させて、サブバイパス通路15を通過した空気流を再びバイパス通路14内に戻すものであっても良い。
センサアッシー13は、図1に示すように、
・サブバイパス通路15を流れる吸気が触れる部位に配置されるセンサ部17と、
・通路形成部材12の内部に配置されるセンサ回路3と、
を備えて構成される。
・通電による発熱によってサブバイパス通路15を通過する空気を加熱する発熱ヒータ2と、
・発熱ヒータ2によって加熱された吸気の温度(加熱吸気温度)を検出する加熱吸気温度検出抵抗体21と、
・この加熱吸気温度検出抵抗体21に直列に接続されて加熱吸気温度に応じた分圧値V1を発生させる加熱側分圧抵抗体22と、
・発熱ヒータ2によって加熱されていない吸気の温度(非加熱吸気温度)を検出する非加熱吸気温度検出抵抗体23と、
・この非加熱吸気温度検出抵抗体23に直列に接続されて非加熱吸気温度に応じた分圧値V2を発生させる非加熱側分圧抵抗体24と、
が設けられている。
なお、この実施例では、センサ部17の具体例としてチップ型を採用する例を説明するが、限定されるものではなく、例えばボビン型抵抗体(単品型の抵抗体)を用いたセンサ部17であっても良い。
具体的な各ターミナル端子28の内訳を説明する。
この実施例のカプラ27の底部には、図2の左から右に向かって、
・吸気温度に応じた検出信号をECU4に出力する吸気温端子28aと、
・ECU4より電力(例えば、DC5V)の供給を受ける電源端子28bと、
・ECU4のグランドに接続されるグランド端子28cと、
・検出した空気流量に応じた検出信号をECU4に出力する出力端子28dと、
・センサ回路3の調整に用いられる回路調整用端子28eと、
が設けられている。
なお、センサアッシー13は、通路形成部材12に対して接着剤や溶着技術等により固着されるものであっても良いし、ネジ等の締結部材により着脱可能に取り付けられるものであっても良い。
センサ回路3には、加熱吸気温度検出抵抗体21の検出する加熱吸気温度と、非加熱吸気温度検出抵抗体23の検出する非加熱吸気温度との検出温度差が、予め設定された一定温度差となるように発熱ヒータ2を通電制御する温度差保持手段31が設けられている。
・加熱吸気温度検出抵抗体21と加熱側分圧抵抗体22の分圧によって得られる「加熱吸気温度に応じた分圧値V1」と、非加熱吸気温度検出抵抗体23と非加熱側分圧抵抗体24の分圧によって得られる「非加熱吸気温度に応じた分圧値V2」との電圧差に応じた出力を発生するオペアンプ(比較器)32と、
・このオペアンプ32の出力に応じた電流を発熱ヒータ2に印加するパワートランジスタ(増幅素子)33と、
を用いるものである。
なお、通常制御時(流量測定時)は、発熱ヒータ2に与えられる電流値(空気流量に応じて変化する値)によって空気流量を測定する。具体的な一例としてこの実施例のセンサ回路3は、検出した空気流量に応じたパルス幅(パルス周波数:例えば、空気流量の増加に伴いパルス周波数が高くなる)を出力端子28dに発生させるものであり、ECU4は出力端子28dに発生するパルス幅(パルス周波数)から空気流量を読み取るものである。
センサ回路3には、空気流量測定装置1の外部に設置されたECU4から外部信号(ヒートクリーニング開始の指示信号)が入力された時に、発熱ヒータ2の温度を、通常制御時(空気流量測定時)の温度より高めるヒートクリーニング手段5が設けられている。
この実施例のECU4には、エンジンの運転状態が予め設定された条件に一致すると、空気流量測定装置1に外部信号(ヒートクリーニング開始の指示信号)を出力するように設けられている。
・汚損により流量測定値が変化したとECU4が判断し、且つエンジンの空燃比制御に影響を与えない運転状態の時、
・イグニッションスイッチがONされた時(ECU4のON時)、
・エンジンのクランキング時(スタータスイッチのON時)、
・エンジンの減速時(減速による燃料カット時)、
・イグニッションスイッチがOFFされた時(ECU4のOFF時)、
である。
具体的な一例として、この実施例では、出力端子28dに外部信号が入力されるように設けられている。
センサ回路3は、通常制御時(流量測定時)、上述したように、検出した空気流量に応じたパルス信号を出力端子28dに発生させるものであり、具体的なパルス信号は、「ECU4から出力端子28dを介してセンサ回路3に与える電圧信号」を、センサ回路3に搭載されたスイッチング素子でON−OFF(グランドに対する非接地−接地)することで発生させるものである。
そして、この実施例の外部信号はECU4から与えられる電源電圧が「0V」に切り替わることである。即ち、「出力端子28dに出力信号が入力される」とは「出力端子28dの供給電圧が0Vになる」ことである。
この実施例のヒートクリーニング手段5は、発熱ヒータ2の温度を、空気流量測定時の温度より高める際、吸気温度検出抵抗体の検出する吸気温度に基づいて、発熱ヒータ2の温度を空気流量測定時の温度{通常制御時における発熱ヒータ2の温度制御:図4(b)の破線A参照}より高く設定されたヒートクリーニング温度(理解補助の一例として、例えば310℃)に昇温させるものである。
ヒートクリーニング時に発熱ヒータ2の温度を昇温させる技術を説明する。
この実施例のヒートクリーニング手段5は、加熱吸気温度検出抵抗体21を用いて検出される「加熱吸気温度に応じた分圧値V1」、あるいは非加熱吸気温度検出抵抗体23を用いて検出される「非加熱吸気温度に応じた分圧値V2」の一方の分圧値を変更することで、発熱ヒータ2の温度を、空気流量測定時の温度より高めて、ヒートクリーニングを実施するものである。
・ECU4から電源端子28bを介してセンサ回路3に供給される電源電圧(図3中、+B参照)を一定電圧にする基準電圧発生手段34(電圧レギュレータ)と、
・通常制御時(流量測定時)には加熱吸気温度に応じた分圧値V1を発生させるための電圧VEを加熱側分圧抵抗体22に与えるとともに、ヒートクリーニング時には発熱ヒータ2を通常制御時より昇温させるために(分圧値V1の変更のために)、加熱側分圧抵抗体22に与える電圧VEの変更を行う電圧調整手段35と、
・通常制御時(流量測定時)およびヒートクリーニング時の両方において、非加熱吸気温度に応じた分圧値V2を発生させるための電圧VGを非加熱側分圧抵抗体24に与える電圧供給手段36と、
が設けられている。
電圧調整手段35は、ヒートクリーニングを実施する際、
通常制御時(流量測定時)における発熱ヒータ2の温度(VE_CTL値)から、下記式(1)に示す直線1次近似式{図4(a)の一点鎖線B参照}によって求められる発熱ヒータ2の上昇温度(VE_CTL_PWup値)を引き算し、その引き算した温度(変更温度)を用いて電圧VEを可変制御する。
VE_CTL_PWup=吸気温度×ゲイン+オフセット値 ・・・(1)
次に、ヒートクリーニングの実施時間(発熱ヒータ2の温度を空気流量測定時の温度より高めるヒートクリーニング時間)を説明する。
電圧調整手段35には、ヒートクリーニングを実施する際、ヒートクリーニング時間を決定するタイマー手段(コンデンサ等)が設けられている。
ヒートクリーニング時間のさらに好ましい設定時間は、0.5秒以上で、且つ1秒以内の範囲である。
以下では、具体的な一例として、ヒートクリーニング時間が0.5秒に設定されるものとして説明するが、具体的な一例であって限定されるものではない。
次に、ヒートクリーニング手段5の制御例(作動)を、図5のフローチャートを参照して説明する。
なお、ヒートクリーニング手段5は、ロジック回路等によって組まれたもの(マイコンを用いないもの)であっても良いし、マイコンを用いて制御プログラムによって実行されるものであっても良い。
このステップS1の判断結果がNOの場合は、ヒートクリーニングを実施せず、通常制御(空気流量測定)を実施する(ステップS2)。
上記ステップS1の判断結果がYESの場合は、ヒートクリーニング時間が0(ゼロ)に設定されていないか否かの判断(図中、TIME_PWup≠0の判断)を行う(ステップS3)。
このステップS3の判断結果がNOの場合は、ヒートクリーニングを実施することなくステップS2(通常制御)へ進み、流量測定を行う。
続いて、(i)予め設定されたヒートクリーニング時間(例えば0.5秒)に亘り、(ii)発熱ヒータ2の温度(VE_CTL値)から、上記ステップS4で求めた発熱ヒータ2の上昇温度(VE_CTL_PWup値)を引き算した温度(変更温度)を用いて電圧VEを可変制御する(ステップS5)。このステップS5の実行により、ヒートクリーニング時間(例えば0.5秒)に亘って、発熱ヒータ2の温度をヒートクリーニング温度(例えば310℃)に昇温させるヒートクリーニングが実施される。
そして、このステップS5が実行されると(ヒートクリーニング時間の経過後)、ステップS2(通常制御)へ進み、流量測定を行う。
実施例1の空気流量測定装置1は、上述したように、ECU4から空気流量測定装置1に外部信号が入力された時に、ヒートクリーニングを実施して、発熱ヒータ2の温度を、空気流量測定時の温度より高める。
このように、ECU4からヒートクリーニングが要求された時(ECU4がヒートクリーニングが必要と判断した際、あるいはECU4がヒートクリーニングに適した運転状態であると判断した際)に、実施例1の空気流量測定装置1はヒートクリーニングを実施することができる。
実施例1の空気流量測定装置1は、上述したように、出力端子28dに外部信号が入力されるものであり、出力端子28dが外部信号の入力端子を兼用するものである。このため、従来技術で用いていた「専用ハーネス」および「専用ターミナル端子」を不要にできる。その結果、コネクタ26の小形化を図ることができるとともに、空気流量測定装置1のコストを抑えることができる。
この実施例の空気流量測定装置1は、上述したように、ヒートクリーニングを実施する際、吸気温度に基づいて発熱ヒータ2の温度を、略一定のヒートクリーニング温度(例えば、310℃)に昇温させる。
これにより、吸気温度が高い状態でヒートクリーニングが実施されても、温度の上がり過ぎによる発熱ヒータ2の劣化を回避することができ、発熱ヒータ2の劣化による空気流量の測定精度の悪化を回避することができる。即ち、信頼性の高い空気流量測定装置1を提供することができる。
実施例1の空気流量測定装置1は、上述したように、ECU4から外部信号が入力された時、予め設定したヒートクリーニング時間に亘り、発熱ヒータ2の温度を予め設定したヒートクリーニング温度に昇温させる。
ヒートクリーニング時間を空気流量測定装置1で設定するため、ECU4は単純な出力信号を発生するのみでヒートクリーニングを実施することができる。このため、ECU4の制御負荷を低減できる。
この実施例の空気流量測定装置1は、上述したように、好ましい形態として、ヒートクリーニング時間が、0.2秒以上で、且つ2秒以下の範囲に設定される。
ヒートクリーニング時間を0.2秒以上に設定することで、発熱ヒータ2の発熱によって効率的な異物除去が行われ、図6の実線Dに示すように、異物付着による空気流量の測定精度の悪化を回避することができる。
また、ヒートクリーニング時間を2秒以下に設定することで、エンジン制御に用いられる空気流量測定の影響(エンジン完爆後における流量計測の影響)を抑えることができるとともに、発熱ヒータ2の劣化を抑えることができる。
図6の実線Dに示すように、ヒートクリーニング時間を0.5秒以上に設定することで、発熱ヒータ2の発熱による異物除去を確実にでき、異物付着による空気流量の測定精度の悪化を確実に回避することができる。
また、ヒートクリーニング時間を1秒以下に設定することで、エンジン制御に用いられる空気流量測定の影響をより確実に抑えることができるとともに、発熱ヒータ2の劣化を抑えることができる。
このように、ヒートクリーニング時間を0.5秒に設定することで、発熱ヒータ2の発熱による異物除去率を高める効果と、エンジン制御に用いられる空気流量測定の影響をより小さく抑える効果の両立を図ることができる。
この実施例の空気流量測定装置1は、上述したように、吸気温度検出抵抗体が、発熱ヒータ2等が設けられるセンサ基板25上に設けられる。
このように、発熱ヒータ2等が設けられるセンサ基板25に吸気温度検出抵抗体を設けることで、吸気温度検出抵抗体を追加するコストを抑えることができ、空気流量測定装置1のコスト上昇を抑えることができる。
この実施例の空気流量測定装置1は、上述したように、加熱吸気温度検出抵抗体21と非加熱吸気温度検出抵抗体23で構成されるブリッジバランスを変更することで、発熱ヒータ2の温度を昇温させる。具体的には、加熱吸気温度検出抵抗体21によって検出される「加熱吸気温度に応じた分圧値V1(分圧値V1を変更するための電圧VE)」を変化させることでヒートクリーニングを実施する。
このため、ヒートクリーニングを実施するための特別回路を用いずに済み、ヒートクリーニングを実施する空気流量測定装置1のコストを抑えることができる。
実施例2を図7を参照して説明する。なお、以下の実施例では、上記実施例1と同一符号は同一機能物を示すものである。
この実施例2の空気流量測定装置1は、ヒートクリーニングの実施条件に、吸気温度検出抵抗体の検出する吸気温度を加えたものであり、
(i)ECU4から外部信号が入力され、
(ii)且つ、吸気温度検出抵抗体の検出する吸気温度が予め設定されたヒートクリーニング開始温度以下(例えば、吸気温度が20℃以下)の時に、
ヒートクリーニングを実施するものである。
この実施例2の空気流量測定装置1は、上述したように、吸気温度がヒートクリーニング開始温度以下(例えば、20℃以下)でないとヒートクリーニングを実施しない。
吸気温度が高い状態(20℃より高い温度)では、ヒートクリーニングが実施されないため、温度の上がり過ぎによる発熱ヒータ2の劣化を回避することができる。これにより、発熱ヒータ2の劣化による空気流量の測定精度の悪化を回避することができ、空気流量測定装置1の信頼性を高めることができる。
この実施例2の空気流量測定装置1は、上述したように、ヒートクリーニング開始温度が20℃以下に設定される。
図7の実線Eに示すように、吸気温度が20℃を超えるとヒートクリーニングを実施しなくても、発熱ヒータ2の通常制御(空気流量測定時の通電制御)による発熱で異物除去が行われるため、異物付着による空気流量の測定精度の悪化を回避することができる。
上記の実施例1では、ECU4から空気流量測定装置1に外部信号が入力された時、予め設定したヒートクリーニング時間に亘って、ヒートクリーニングを実施する例を示した。
これに対し、この実施例3は、ECU4から空気流量測定装置1に外部信号が入力されている間、ヒートクリーニングを実施するものである。
これにより、ECU4からヒートクリーニング時間を任意にコントロールすることができ、ECU4の要求に応じたヒートクリーニングを実施することが可能になる。
2 発熱ヒータ
3 センサ回路
4 ECU
5 ヒートクリーニング手段
11 吸気ダクト
14 バイパス通路
15 サブバイパス通路
21 加熱吸気温度検出抵抗体
23 非加熱吸気温度検出抵抗体
25 センサ基板
28a 吸気温端子
28b 電源端子
28c グランド端子
28d 出力端子
Claims (9)
- エンジンに吸引される吸気の一部を通電による発熱によって加熱する発熱ヒータ(2)と、
少なくとも前記発熱ヒータ(2)の通電制御を行うセンサ回路(3)と、
を搭載するとともに、
空気流量に応じた検出信号を外部に出力する出力端子(28d)を具備する熱式の空気流量測定装置(1)において、
前記センサ回路(3)は、当該空気流量測定装置(1)の外部から外部信号が入力された時に、前記発熱ヒータ(2)の温度を、空気流量測定時の温度より高める(昇温させる)ものであり、
前記出力端子(28d)に前記外部信号が入力されることを特徴とする空気流量測定装置。 - エンジンに吸引される吸気の一部を通電による発熱によって加熱する発熱ヒータ(2)と、
少なくとも前記発熱ヒータ(2)の通電制御を行うセンサ回路(3)と、
を搭載するとともに、
外部から電力の供給を受ける電源端子(28b)、外部のグランドに接地されるグランド端子(28c)、吸気温度に応じた検出信号を外部に出力する吸気温端子(28a)を具備する熱式の空気流量測定装置(1)において、
前記センサ回路(3)は、当該空気流量測定装置(1)の外部から外部信号が入力され
た時に、前記発熱ヒータ(2)の温度を、空気流量測定時の温度より高める(昇温させる)ものであり、
前記電源端子(28b)、前記グランド端子(28c)、前記吸気温端子(28a)のいずれかに前記外部信号が入力されることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の空気流量測定装置(1)において、
前記センサ回路(3)は、前記外部信号が入力されている間、前記発熱ヒータ(2)の
温度を予め設定したヒートクリーニング温度に昇温させることを特徴とする空気流量測定
装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の空気流量測定装置(1)において、
前記センサ回路(3)は、前記外部信号が入力された時、予め設定したヒートクリーニング時間に亘り、前記発熱ヒータ(2)の温度を予め設定したヒートクリーニング温度に昇温させることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項4に記載の空気流量測定装置(1)において、
前記ヒートクリーニング時間は、0.2秒以上であり、且つ2秒以下であることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の空気流量測定装置(1)において、
この空気流量測定装置(1)は、前記発熱ヒータ(2)によって加熱されていない吸気
の温度を検出する吸気温度検出抵抗体を備え、
前記センサ回路(3)は、前記吸気温度検出抵抗体の検出する吸気温度に基づいて、前
記発熱ヒータ(2)の温度を昇温させることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項6に記載の空気流量測定装置(1)において、
前記吸気温度検出抵抗体は、前記発熱ヒータ(2)が設けられるセンサ基板(25)に
設けられることを特徴とする空気流量測定装置。 - エンジンに吸引される吸気の一部を通電による発熱によって加熱する発熱ヒータ(2)と、
少なくとも前記発熱ヒータ(2)の通電制御を行うセンサ回路(3)と、
を搭載する熱式の空気流量測定装置(1)において、
この空気流量測定装置(1)は、前記発熱ヒータ(2)によって加熱された吸気の温度を検出する加熱吸気温度検出抵抗体(21)と、前記発熱ヒータ(2)によって加熱されていない吸気の温度を検出する非加熱吸気温度検出抵抗体(23)とを具備し、
前記センサ回路(3)は、前記加熱吸気温度検出抵抗体(21)の検出する加熱吸気温度と、前記非加熱吸気温度検出抵抗体(23)の検出する非加熱吸気温度との検出温度差が、予め設定された一定温度差となるように前記発熱ヒータ(2)を通電制御するとともに、当該空気流量測定装置(1)の外部から外部信号が入力された時に、前記発熱ヒータ(2)の温度を、空気流量測定時の温度より高める(昇温させる)ものであり、
前記センサ回路(3)は、前記加熱吸気温度検出抵抗体(21)と前記非加熱吸気温度検出抵抗体(23)で構成されるブリッジバランスを、前記加熱吸気温度検出抵抗体(21)に与える電圧(VE)、あるいは前記非加熱吸気温度検出抵抗体(23)に与える電圧(VG)の一方の電圧の変更によって変更することで、前記発熱ヒータ(2)の温度を昇温させることを特徴とする空気流量測定装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の空気流量測定装置(1)において、
この空気流量測定装置(1)は、前記エンジンに吸気を導く吸気ダクト(11)の内部を流れる吸気の一部が通過するバイパス通路(14)と、このバイパス通路(14)に導かれた吸気の一部が通過するサブバイパス通路(15)とを備え、
前記サブバイパス通路(15)を通過する吸気量を測定することを特徴とする空気流量測定装置。
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