JP5473398B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化珪素(SiC)を用いて形成された半導体装置およびその製造方法に関し、特に、pn接合でなだれ降伏を安定して生じさせる装置構造、並びにそのpn接合を形成するためのイオン注入技術に関するものである。
近年、省エネルギーの観点からパワーデバイスの特性改善の要求が高まっており、次世代の高耐圧低損失スイッチング素子として、SiCを用いて形成したMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やpn接合ダイオード、ショットキ障壁ダイオードが有望視されている。
一般に、これらの素子は、n型領域内に選択的に形成されたp型領域を有しており、その間にはpn接合が形成される。p型領域は、アクセプタとなる元素のイオン注入と、その後の活性化熱処理によって形成される。またp型領域の終端部に、徐々にドーピング濃度を低減させた終端構造を設け、その部分での電界集中を低減する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
また、MOSFETの耐圧保持領域およびチャネル形成領域となるp型ボディ領域の形成に関して、テーパ形状のマスクを用い、注入角度の異なる2方向からのイオン注入を行うことによって所望のドーピング濃度分布を得る技術が知られている(例えば、特許文献2)。
従来、半導体素子の形成に用いられるSiC基板としては、結晶多形制御のため、表面が基準面の結晶面に対して一定の角度(オフ角)だけ傾いたものが使用されてきた。しかし、ウエハの大口径化および結晶成長技術の向上により、オフ角は従来の8°から、4°に低減される傾向にある(例えば、特許文献3)。
特表2000−516767号公報 特開2004−39744号公報 特表2008−542181号公報
通常のSi基板を用いた半導体装置(SiCデバイス)の製造では、MOSFETのボディ領域などのp型領域の形成の際には、チャネリング防止などの目的でイオン注入の角度が考慮されることがあった。しかし、p型領域の終端構造の形成に関してまでは、その考慮は成されていなかった。そのため、MOSFETやpn接合ダイオードに、降伏電圧が印加されたときになだれ降伏を安定して生じさせるという点では、充分な素子構造とは言えなかった。
特にSiC基板を用いた半導体装置では、従来は基板のオフ角が大きく(8°)、基板表面に垂直な方向からイオン注入を行ってもチャネリング等の問題は生じないので、p型領域の形成の際でもイオン注入の角度が考慮されることはなかった。つまり従来のSiCデバイスの製造では、イオン注入の角度がSiCデバイスの特性に与える影響が少なかったため、考慮する必要が無かったのである。
しかし近年のようにSiC基板のオフ角が小さくなると、イオン注入の角度がSiCデバイスの特性に少なからず影響するようになると考えられる。よってその角度を適切に制御すれば、SiCデバイスの特性向上が期待できる。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、降伏電圧が印加されたときにpn接合になだれ降伏が安定して生じる半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体装置は、炭化珪素の基板上に形成された第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層の上部に選択的に形成された第2導電型領域とを有し、前記第2導電型領域と前記ドリフト層との境界のpn接合に降伏電圧が印加されたとき当該pn接合から伸びる空乏層が前記ドリフト層を突き抜けないノンパンチスルー型の半導体素子を備える半導体装置であって、前記第2導電型領域が、端部に、中央部よりも第2導電型不純物濃度プロファイルの前記ドリフト層の深さ方向への10 15 cm −3 台での裾引きが長い部分を有しているものである。
本発明によれば、ノンパンチスルー型の半導体素子の第2導電型領域とドリフト層との境界のpn接合において、端部で傾斜接合の特性が強く現れる。よってpn接合の端部での降伏電圧が大きくなるため、pn接合の中央部で先に(低い電圧で)なだれ降伏が開始するようになる。それにより、pn接合で生じるなだれ降伏は安定したものとなる。
本発明に係る半導体装置であるMOSFETの構成を示す断面図である。 本発明に係る半導体装置のドリフト層のドーピング濃度と最大電界値および空乏層幅との関係を示すグラフである。 本発明に係るMOSFETの構成の他の一例を示す断面図である。 本発明に係るMOSFETの構成の他の一例を示す断面図である。 4H−SiCへのイオン注入における注入角度と不純物濃度分布との関係を示す図である。 実施の形態1におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態1におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態2におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態2におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態3におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態3におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態4におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態4におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態5に係る半導体装置であるダイオードの構成を示す図である。 実施の形態6におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態6におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態7におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態7におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態8におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態8におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態9におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態9におけるイオン注入工程を示す図である。 実施の形態10に係るMOSFETの構成を示す断面図である。 実施の形態10に係るダイオードの構成を示す断面図である。
<実施の形態1>
図1は、本発明に係る半導体装置であるMOSFETの構成を示す断面図である。同図中の一点鎖線の間の領域のそれぞれが、MOSFETとして機能する単位領域(MOSFET構造の最小単位)に相当する。実際には、この単位領域の構造が横方向に繰り返され、櫛型もしくは多角形構造で連続することとなる。一方、図1の両端(一点鎖線よりも外側)には、MOSFETの形成領域の外周部(終端部)を示している。
図1の如く、当該MOSFETは、n型の低抵抗SiC基板1(以下「n型基板1」)およびその上のn型ドリフト層2に形成される。n型ドリフト層2は、n型基板1上にエピタキシャル成長により形成したものであり、MOSFETの加わる電圧を保持するように機能する。ドリフト層2は、層厚が3〜150μm程度、ドーピング濃度が0.5〜15×1015/cm3程度である。kV級の耐圧を得るためには、n型ドリフト層2の層厚は5〜20μm程度、ドーピング濃度は5〜15×1015/cm3程度が望ましい。
n型ドリフト層2の上部には、p型ボディ層3(p型ボディ層3は、後述の領域3a,3b,3cから成る)が形成されており、そのp型ボディ層3内の上面近傍に、n型ソース領域4が形成される。
ボディ領域3は、層厚が0.5〜2μm程度、ドーピング濃度が3〜20×1017/cm3程度であるが、チャネルが形成されるp型ボディ層3の表面付近でドーピング濃度が低くなるようにしてもよい。表面付近のドーピング濃度を低くすると、不純物による散乱が低減され、形成されたチャネルでのキャリア移動度を高くでき、MOSFETのオン抵抗を小さくすることができる。またソース領域4は、層厚が0.3〜1μm程度、ドーピング濃度が5〜50×1018/cm3程度である。
n型ドリフト層2の上面には、n型ドリフト層2、p型ボディ層3およびn型ソース領域4の上を跨ぐように、ゲート絶縁膜7を介してゲート電極8が配設されている。ゲート絶縁膜7は、n型ドリフト層2上に成膜した厚さ10〜100nm程度の絶縁膜(シリコン酸化膜やシリコン酸化窒化膜等)をパターニングして形成される。その絶縁膜の成膜手法としては、n型ドリフト層2の上面を熱酸化や窒化する手法や、n型ドリフト層2上に所定の絶縁膜を堆積させる手法、あるいはそれらを併用する手法などがある。ゲート電極8は、ゲート絶縁膜7上に成膜した多結晶シリコン膜や金属膜をパターニングして形成される。
またゲート電極8は、層間絶縁膜9で覆われている。またゲート電極8の隣には、n型ソース領域4並びにp型ボディ層3に接続するソース電極10が配設されており、当該ソース電極10は、層間絶縁膜9に形成されたコンタクトホールを通して、層間絶縁膜9の上層の配線12に接続している。またn型基板1の下面にドレイン電極11が設けられる。図示は省略するが、ゲート電極8上の一部の領域では、層間絶縁膜9および配線12が除去されており、その部分が、ゲート電極8に配線を接続するためのパッド部となる。
本実施の形態では、p型ボディ層3の形成の際、ゲート電極8の下に位置するチャネル形成領域3bと、ソース電極10と接続するコンタクト領域3cと、それらを除いた領域3a(以下「ボディ領域3a」と称す)の3つに部位に分け(コンタクト領域3cはボディ領域3a内に重畳して形成されている)、それぞれ異なる工程のイオン注入によって形成される。n型ソース領域4は、ボディ領域3aの上部に形成される。なお、コンタクト領域3cは、ソース電極10との接続抵抗を低くするために、その上部のみ高濃度(例えば5〜50×1018/cm3程度)にドーピングされていてもよい。
またMOSFET形成領域の外周部(終端部)となるp型ボディ層3では、その最外周部にp型終端領域5が形成されている。このp型終端領域5は、p型ボディ層3と並行して形成される。以上のp型ボディ層3(ボディ領域3a、チャネル形成領域3b、コンタクト領域3c)、p型終端領域5およびn型ソース領域4の具体的は形成手法については後述する。
図1に示すように、2つのMOSFETの単位領域に跨るp型ボディ層3(図1の中央部のもの)は、その2つのMOSFETにより共有される。そのため当該p型ボディ層3では、中央にコンタクト領域3cが、その外側にボディ領域3aが、両端部にチャネル形成領域3bが、それぞれ位置することになる。
また、終端部(図1の両端)のp型ボディ層3は、終端部に隣接するMOSFETにも跨るため、当該p型ボディ層3では、中央にコンタクト領域3cが、その外側にボディ領域3aが、MOSFET側の端部にチャネル形成領域3bが、終端部側の端部にp型終端領域5が、それぞれ位置することになる。
本発明に係るMOSFETは、p型ボディ層3とn型ドリフト層2との境界のpn接合に降伏電圧が印加されたとき、当該pn接合から伸びる空乏層がn型ドリフト層2と突き抜けない(n型ドリフト層2の下面にまで達しない)ノンパンチスルー型である。
本発明者が、Konstantinov等の報告(Materials Science Forum vols. 264-268 (1998) pp. 1211-1214)による4H−SiCのインパクトイオン化の値を用いたデバイスシミュレーションにより、ドリフト層におけるドーピング濃度N[/cm3]と電界最大値Emax[V/cm]との関係を算出した結果を図2のグラフに示す。この結果から、次の式(1)の関係が得られる。
Emax=4.69・104・N0.1082 …(1)
また、空乏層幅d[μm]と、電界最大値Emaxおよびドリフト層のドーピング濃度Nとの関係は、誘電率e、電荷素量qを用いて、次の式(2)で与えられる。
d=(e・Emax)/(q・N) …(2)
式(1),(2)より、空乏層幅dはドーピング濃度Nを用いて次の式(3)で与えられる。
d=2.507・1015・N-0.8918 …(3)
よって、ドリフト層厚t[μm](p型ボディ層3の下面とn型ドリフト層2の下面との間の距離)が、次の式(4)を満たす場合、ノンパンチスルー型のデバイスとなる。
t>2.507・1015・N-0.8918 …(4)
また図1の構成では省略していたが、本発明に係るMOSFETでは、図3または図4ように、ゲート電極8の下に、n型ソース領域4、p型ボディ層3(チャネル形成領域3b)およびn型ドリフト層2に渡るチャネル層6を設けてもよい。図3は、チャネル層6を、n型ドリフト層2の表面上にエピタキシャル成長によって形成した例であり、図4は、チャネル層6を、n型ドリフト層2内の表面部にイオン注入により形成した例である。
チャネル層6の導電型はn型でもp型でもよく、n型ドリフト層2に注入したイオンの活性化熱処理により生じたn型ドリフト層2の表面荒れを改善するには図3の構成が望ましく、その表面荒れが少ないなら図4の構造としてもよい。
p型ボディ層3の形成に際しては、p型ドーパントのイオン注入を行った後、注入したイオン種を活性化させるための熱処理(活性加熱処理)を行う必要があるが、その活性化熱処理は、図4の構成をとる場合はゲート絶縁膜7の形成前に行うとよい。図3の構成をとる場合には、それをチャネル層6の形成前に行うことになるが、n型ドリフト層2へのイオン注入工程を全て終えた後に一括して行ってもよいし、それぞれのイオン注入工程ごとに行ってもよい。
図5は、イオン注入における注入角度とドーピング濃度分布との関係を示す図であり、本発明者によるプロセスシミュレーションの結果である。このシミュレーションは、4H−SiCの(0001)面へAlのイオン注入を行うという設定で行われ、イオン注入の方向を(0001)面に垂直な方向から<11−20>方向へと傾けた場合における、SiC内の深さ方向のドーピング濃度分布を算出した。ここではイオン注入の方向と(0001)面に垂直な方向とが成す角を「注入角度」と定義する。
図5を参照し、注入エネルギーが同じ条件で注入角度が4°の場合と8°の場合とを比較すると、4°の場合の方がドーピング濃度の低い領域(SiCの表面から深い領域)において、ドーピング濃度プロファイルが裾を引くことが分かる。このように、イオンの注入方向が結晶面に垂直な方向に近いほど、ドーピング濃度プロファイルがSiCの深さ方向に裾を引くようになる。
図1の構成のMOSFETでは、ゲート電極8にしきい値電圧以上の電圧が印加されると、p型ボディ層3のチャネル形成領域3bにチャネルが形成され、ソース電極10とドレイン電極11との間が導通し、両電極間に電流が流れる(オン状態)。またゲート電極8の電圧がしきい値電圧未満の場合には、チャネル形成領域3bにはチャネルが形成されず、ソース電極10とドレイン電極11との間は非導通となり電流は遮断される(オフ状態)。一方、ソース・ドレイン間に高い電圧が印加されると、ボディ領域3とドリフト層2との間のpn接合がなだれ降伏することになるが、なだれ降伏はpn接合の端部でなく、中央部で生じることが望ましい。
特に、ノンパンチスルー型のMOSFETの場合、p型ボディ層3の端部においてp型不純物の濃度プロファイルがn型ドリフト層2の深さ方向に長く裾を引くようにすれば、安定になだれ降伏を生じさせることができる。p型ボディ層3とn型ドリフト層2との間のpn接合の端部で傾斜接合の特性が強く現れ、その部分の降伏電圧が大きくなるため、pn接合の中央部で先に(低い電圧で)なだれ降伏が開始するようになるためである。
そこで本実施の形態では、p型ボディ層3およびp型終端領域5を形成するイオン注入工程において、p型ボディ層3の端部となるチャネル形成領域3bおよびp型終端領域5と、中央部となるコンタクト領域3cと、その間のボディ領域3aとに分け、それぞれをドーピング濃度プロファイルの裾引きが異なるイオン注入で形成し、それによりp型ボディ層3の端部でp型不純物の濃度プロファイルが長く裾を引くようにする。ここで、ボディ領域3aを形成するためのイオン注入を「第1のイオン注入」、チャネル形成領域3bおよびp型終端領域5を形成するイオン注入を「第2のイオン注入」、コンタクト領域3cを形成するためのイオン注入を「第3のイオン注入」と定義する。
図5から分かるように、注入されたイオンのドーピング濃度プロファイルは、その注入方向と結晶面の垂線とが成す角度が小さいほど、深さ方向に長く裾を引くようになる。よって、p型ボディ層3の中央部でp型不純物の濃度プロファイルの裾引きを長くするためには、第2のイオン注入を結晶面の垂線から小さく傾けて行い、第1、第3のイオン注入を結晶面に垂線から大きく傾けて行うとよい。これにより、ドーピング濃度プロファイルの裾引きを、チャネル形成領域3bおよびp型終端領域5で長く、ボディ領域3aおよびコンタクト領域3cで短くすることができる。但し、コンタクト領域3cは、ボディ領域3aの内部に形成されるため、pn接合部分における不純物濃度プロファイルには殆ど寄与しない。
続いて、本発明に係るMOSFETのp型ボディ層3およびp型終端領域5を形成するイオン注入工程について、具体的に説明する。
以下の説明において、4H−SiCのn型基板1は、(0001)面を基準面としており、その表面が(0001)面から<11−20>方向へと所定のオフ角だけ傾けられたものとする。また各イオン注入は、注入方向を(0001)面に垂直な方向(すなわち<0001>方向)から<11−20>方向に特定の角度だけ傾けて行われる。その注入方向は角度を用いて表現し、基準となる方向(<0001>方向またはn型ドリフト層2表面の垂線方向)から<11−20>方向に成す角を正(+)の値、その逆を負(−)の値で表すこととする(各図面では、時計回りが正の角度、反時計回りが負の角度となる)。
また先に述べたように、ボディ領域3aの内部に形成されるコンタクト領域3cは、pn接合部分の不純物濃度プロファイルには殆ど寄与せず、本発明の特徴との関連が薄いため、以下ではコンタクト領域3cおよび第3のイオン注入の図示および説明は省略する。実際のデバイス構造でも、コンタクト領域3cを設ける必要性がなければ、省略してもよい。
図6および図7は、実施の形態1に係るMOSFETの製造方法におけるイオン注入工程を示す図である。図6(a)は、p型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4のためのイオン注入工程が完了した状態を示している。同図の如く、本実施の形態で用いたn型基板1のオフ角は8°である。
本実施の形態では、次のような手順でp型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4を形成する。なお、各イオン注入工程では特定の領域のみに選択的にイオンを注入するために、n型ドリフト層2の上面にマスクが形成されるが、簡単のため、マスクの図示は省略している。
まず図6(b)の如く、ボディ領域3aを形成する第1のイオン注入を、n型ドリフト層2表面(n型基板1表面)に垂直な方向(<0001>方向に対して+8°傾いた方向)から行う。続いて図7(a)の如く、チャネル形成領域3bおよびp型終端領域5を形成する第2のイオン注入を、n型ドリフト層2表面の垂線に対して−4°傾いた方向(<0001>方向に対して+4°傾いた方向)から行う。
第1および第2のイオン注入は、それぞれ同程度の注入エネルギーおよびドーズ量で行う。また第1および第2のイオン注入は、それぞれは1回で行ってもよいし、多数回に分けて行ってもよい(説明を省略した第3のイオン注入についても同様である)。多数回に分けて行う場合、必要に応じて各回ごとに注入エネルギーおよびドーズ量を変更してもよいが、原則として注入方向は一定にする。このことは以下の各実施の形態でも同様である。
その後、図7(b)の如く、n型ソース領域4を形成するためのイオン注入を、n型ドリフト層2表面に垂直な方向(<0001>方向に対して+8°傾いた方向)から行う。但し、このイオン注入の方向(角度)は任意でよい。もちろんその注入方向を変えるとn型ソース領域4の不純物濃度プロファイルが変わるが、本発明との関連は薄く、本発明の効果には殆ど影響しない。
このようにしてp型ボディ層3を形成すると、ボディ領域3aよりも、チャネル形成領域3bおよびp型終端領域5において、p型不純物の濃度プロファイルのn型ドリフト層2の深さ方向への裾引きが長くなる。つまり、p型ボディ層3の端部でp型不純物の濃度プロファイルの裾引きが長くなる。その結果、p型ボディ層3とn型ドリフト層2との間のpn接合の端部で傾斜接合の特性が強く現れ、その部分の降伏電圧が増加するので、pn接合の中央部で先に(低い電圧で)なだれ降伏が開始されるようになる。よって、p型ボディ層3とn型ドリフト層2との間のpn接合においてなだれ降伏が安定して生じるノンパンチスルー型のMOSFETが得られる。
以上では、第1のイオン注入、第2のイオン注入、n型ソース領域4形成のためのイオン注入を、この順に行うよう説明したが、各イオン注入(説明を省略した第3のイオン注入も含む)の順番はこれに限られず、任意でよい。以下の各実施の形態でも同様である。
<実施の形態2>
図8および図9は、実施の形態2に係るMOSFETの製造方法におけるイオン注入工程を示す図である。図8(a)は、p型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4のためのイオン注入工程が完了した状態を示している。実施の形態1と同様にn型基板1のオフ角は8°である。
本実施の形態では、次のような手順でp型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4を形成する。
まず図8(b)の如く、ボディ領域3aを形成する第1のイオン注入を、n型ドリフト層2表面(n型基板1表面)に垂直な方向(<0001>方向に対して+8°傾いた方向)から行う。続いて図9(a)の如く、チャネル形成領域3bおよびp型終端領域5を形成する第2のイオン注入を、n型ドリフト層2表面の垂線に対して−12°傾いた方向(<0001>方向に対して−4°傾いた方向)から行う。
その後、図9(b)の如く、n型ソース領域4を形成するためのイオン注入を、n型ドリフト層2表面に垂直な方向(<0001>方向に対して+8°傾いた方向)から行う(このイオン注入は、それ以外の方向から行ってもよい)。
本実施の形態では、実施の形態1に対して第2のイオン注入の方向を変えているが、その<0001>方向からの傾きの大きさ(絶対値)に注目すると実施の形態1と同じである(角度の正、負が変わっただけである)。そのため本実施の形態のp型ボディ層3におけるp型不純物濃度プロファイルの裾引きの状態は、実施の形態1とほぼ同様になる。従って実施の形態1と同様に、p型ボディ層3の端部でp型不純物の濃度プロファイルの裾引きが長くなり、p型ボディ層3とn型ドリフト層2との間のpn接合においてなだれ降伏が安定して生じるノンパンチスルー型のMOSFETが得られる。
第1および第2のイオン注入において、<0001>方向に対する注入方向の角度の正、負を変えても、結果として形成されるp型ボディ層3のp型不純物濃度プロファイルの裾引きの状態は殆ど変わらない。そのため、p型不純物濃度プロファイルの裾引きの状態がほぼ同じp型ボディ層3を形成する手法は、複数存在することになる。
但し、n型ドリフト層2表面の垂線から過度に傾いたイオン注入を用いると、p型ボディ層3の形状の対象性が失われ、MOSFETの電気的特性に影響を及ぼすことが懸念される。そのため、第1および第2のイオン注入の角度は、<0001>方向に対する所望の注入角度を得ることが可能な注入方向が複数存在する場合、そのうちn型ドリフト層2表面の垂線に近いものを選定することが望ましい(同様の理由により、n型ソース領域4やコンタクト領域3c(不図示)を形成するイオン注入の方向も、n型ドリフト層2表面の垂線に近いことが好ましい)。
<実施の形態3>
図10および図11は、実施の形態3に係るMOSFETの製造方法におけるイオン注入工程を示す図である。図10(a)は、p型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4のためのイオン注入工程が完了した状態を示している。同図の如く、本実施の形態で用いたn型基板1のオフ角は4°である。
本実施の形態では、次のような手順でp型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4を形成する。
まず図10(b)の如く、ボディ領域3aを形成する第1のイオン注入を、n型ドリフト層2表面(n型基板1表面)に対し+4°傾いた方向(<0001>方向に対して+8°傾いた方向)から行う。続いて図11(a)の如く、チャネル形成領域3bおよびp型終端領域5を形成する第2のイオン注入を、n型ドリフト層2表面に垂直な方向(<0001>方向に対して+4°傾いた方向)から行う。
その後、図11(b)の如く、n型ソース領域4を形成するためのイオン注入を、n型ドリフト層2表面に垂直な方向(<0001>方向に対して+4°傾いた方向)から行う。但し、このイオン注入の方向(角度)は任意でよい。
このようにしてp型ボディ層3を形成すると、ボディ領域3aよりも、チャネル形成領域3bおよびp型終端領域5において、p型不純物の濃度プロファイルのn型ドリフト層2の深さ方向への裾引きが長くなる。つまり、p型ボディ層3の端部でp型不純物の濃度プロファイルの裾引きが長くなり、p型ボディ層3とn型ドリフト層2との間のpn接合においてなだれ降伏が安定して生じるノンパンチスルー型のMOSFETが得られる。
<実施の形態4>
図12および図13は、実施の形態4に係るMOSFETの製造方法におけるイオン注入工程を示す図である。図12(a)は、p型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4のためのイオン注入工程が完了した状態を示している。実施の形態3と同様にn型基板1のオフ角は4°である。
本実施の形態では、次のような手順でp型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4を形成する。
まず図12(b)の如く、ボディ領域3aを形成する第1のイオン注入を、n型ドリフト層2表面(n型基板1表面)に対して−12°傾いた方向(<0001>方向に対して−8°傾いた方向)から行う。続いて図13(a)の如く、チャネル形成領域3bおよびp型終端領域5を形成する第2のイオン注入を、n型ドリフト層2表面に垂直な方向(<0001>方向に対して+4°傾いた方向)から行う。
その後、図13(b)の如く、n型ソース領域4を形成するためのイオン注入を、n型ドリフト層2表面に垂直な方向(<0001>方向に対して+4°傾いた方向)から行う(このイオン注入は、それ以外の方向から行ってもよい)。
本実施の形態では、実施の形態3に対して第2のイオン注入の方向を変えているが、その<0001>方向からの傾きの大きさ(絶対値)に注目すると実施の形態3と同じである(角度の正、負が変わっただけである)。そのため本実施の形態のp型ボディ層3におけるp型不純物濃度プロファイルの裾引きの状態は、実施の形態3とほぼ同様になる。
但し、第1および第2のイオン注入の角度は、<0001>方向に対する所望の注入角度を得ることが可能な注入方向が複数存在する場合、そのうちn型ドリフト層2表面の垂線に近いものを選定することが望ましい。
<実施の形態5>
実施の形態5では、本発明をダイオード素子に適用した例を示す。図14は、実施の形態5に係る半導体装置であるダイオード素子の構成図である。
このダイオード素子の構成は、本発明に係るMOSFETの構成に対し、p型ボディ層3のチャネル形成領域3b、コンタクト領域3cおよびn型ソース領域4を省略したものである。つまり当該ダイオード素子のアノードとなるp型ボディ層3は、ボディ領域3aのみから成っている。n型ドリフト層2とp型ボディ層3との間のpn接合の中央部は、当該ダイオード素子の活性領域であり、当該pn接合の端部は、活性領域の外周部である終端領域である。pn接合の端部、すなわちp型ボディ層3の外周部にはp型終端領域5が設けられている。
チャネル形成領域3bおよびコンタクト領域3cの形成を行わないことを除けば、このダイオード素子のp型ボディ層3の製造方法は、実施の形態1〜4のMOSFETのものと同様である。
本実施の形態のダイオード素子では、アノードであるp型ボディ層3の端部(p型終端領域5)で、中央部(ボディ領域3a)よりも、p型不純物の濃度プロファイルの裾引きが長くなる。よって、p型ボディ層3とn型ドリフト層2との間のpn接合においてなだれ降伏が安定して生じるノンパンチスルー型のダイオード素子が得られる。
<実施の形態6>
図15および図16は、実施の形態6に係るMOSFETの製造方法におけるイオン注入工程を示す図である。当該MOSFETは、実施の形態1のMOSFETに対し、p型ボディ層3のチャネルが形成される領域(チャネル形成領域3bに相当)を、それ以外の領域と分けずに、ボディ領域3aの一部としている点で異なっている。
図15(a)は、p型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4のためのイオン注入工程が完了した状態を示している。同図の如く、本実施の形態のp型ボディ層3は、ボディ領域3aのみから成っており(ボディ領域3aの内部にコンタクト領域3cを設けてもよい)、チャネルが形成される領域(n型ソース領域4とn型ドリフト層2とに挟まれたp型ボディ層3の上部)は、ボディ領域3aの一部となっている。一方、MOSFETの外周部(終端部)においては、実施の形態1と同様に、ボディ領域3aの外側にp型終端領域5が設けられる。なお、本実施の形態で用いたn型基板1のオフ角は8°である。
本実施の形態では、次のような手順でp型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4を形成する。
まず図15(b)の如く、ボディ領域3aを形成する第1のイオン注入を、n型ドリフト層2表面(n型基板1表面)に垂直な方向(<0001>方向に対して+8°傾いた方向)から行う。本実施の形態では、この第1のイオン注入で、p型ボディ層3のチャネルが形成される領域にもp型ドーパントが注入される。続いて図16(a)の如く、p型終端領域5を形成する第2のイオン注入を、n型ドリフト層2表面の垂線に対して−4°傾いた方向(<0001>方向に対して+4°傾いた方向)から行う。
その後、図16(b)の如く、n型ソース領域4を形成するためのイオン注入を、n型ドリフト層2表面に垂直な方向(<0001>方向に対して+8°傾いた方向)から行う。但し、このイオン注入の方向(角度)は任意でよい。
このようにしてp型ボディ層3を形成すると、ボディ領域3aよりも、p型終端領域5でp型不純物の濃度プロファイルのn型ドリフト層2の深さ方向への裾引きが長くなる。つまり、MOSFETの形成領域の外周部に位置するp型ボディ層3の外側端部でp型不純物の濃度プロファイルの裾引きが長くなり、その部分の降伏電圧が大きくなる。その結果、MOSFETの形成領域の中央部で先に(低い電圧で)なだれ降伏が開始されるようになる。よって、p型ボディ層3とn型ドリフト層2との間のpn接合においてなだれ降伏が安定して生じるノンパンチスルー型のMOSFETが得られる。
<実施の形態7>
図17および図18は、実施の形態7に係るMOSFETの製造方法におけるイオン注入工程を示す図である。図17(a)は、p型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4のためのイオン注入工程が完了した状態を示している。本実施の形態でも、p型ボディ層3のチャネルが形成される領域は、ボディ領域3aの一部である。またn型基板1のオフ角は8°である。
本実施の形態では、次のような手順でp型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4を形成する。
まず図17(b)の如く、ボディ領域3aを形成する第1のイオン注入を、n型ドリフト層2表面(n型基板1表面)に垂直な方向(<0001>方向に対して+8°傾いた方向)から行う。続いて図18(a)の如く、p型終端領域5を形成する第2のイオン注入を、n型ドリフト層2表面の垂線に対して−12°傾いた方向(<0001>方向に対して−4°傾いた方向)から行う。
その後、図18(b)の如く、n型ソース領域4を形成するためのイオン注入を、n型ドリフト層2表面に垂直な方向(<0001>方向に対して+8°傾いた方向)から行う(このイオン注入は、それ以外の方向から行ってもよい)。
本実施の形態では、実施の形態6に対して第2のイオン注入の方向を変えているが、その<0001>方向からの傾きの大きさ(絶対値)に注目すると実施の形態6と同じである(角度の正、負が変わっただけである)。そのため本実施の形態のp型ボディ層3におけるp型不純物濃度プロファイルの裾引きの状態は、実施の形態6とほぼ同様になる。
但し、第1および第2のイオン注入の角度は、<0001>方向に対する所望の注入角度を得ることが可能な注入方向が複数存在する場合、そのうちn型ドリフト層2表面の垂線に近いものを選定することが望ましい。
<実施の形態8>
図19および図20は、実施の形態8に係るMOSFETの製造方法におけるイオン注入工程を示す図である。図19(a)は、p型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4のためのイオン注入工程が完了した状態を示している。本実施の形態でも、p型ボディ層3のチャネルが形成される領域は、ボディ領域3aの一部である。またn型基板1のオフ角は4°である。
本実施の形態では、次のような手順でp型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4を形成する。
まず図19(b)の如く、ボディ領域3aを形成する第1のイオン注入を、n型ドリフト層2表面(n型基板1表面)の垂線に対して+4°傾いた方向(<0001>方向に対して+8°傾いた方向)から行う。続いて図20(a)の如く、p型終端領域5を形成する第2のイオン注入を、n型ドリフト層2表面に垂直な方向(<0001>方向に対して+4°傾いた方向)から行う。
その後、図20(b)の如く、n型ソース領域4を形成するためのイオン注入を、n型ドリフト層2表面に垂直な方向(<0001>方向に対して+4°傾いた方向)から行う。但し、このイオン注入の方向(角度)は任意でよい。
このようにしてp型ボディ層3を形成すると、ボディ領域3aよりも、p型終端領域5でp型不純物の濃度プロファイルのn型ドリフト層2の深さ方向への裾引きが長くなる。つまり、MOSFETの形成領域の外周部に位置するp型ボディ層3の外側端部でp型不純物の濃度プロファイルの裾引きが長くなり、p型ボディ層3とn型ドリフト層2との間のpn接合においてなだれ降伏が安定して生じるノンパンチスルー型のMOSFETが得られる。
<実施の形態9>
図21および図22は、実施の形態9に係るMOSFETの製造方法におけるイオン注入工程を示す図である。図21(a)は、p型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4のためのイオン注入工程が完了した状態を示している。本実施の形態でも、p型ボディ層3のチャネルが形成される領域は、ボディ領域3aの一部である。またn型基板1のオフ角は4°である。
本実施の形態では、次のような手順でp型ボディ層3、p型終端領域5およびn型ソース領域4を形成する。
まず図21(b)の如く、ボディ領域3aを形成する第1のイオン注入を、n型ドリフト層2表面(n型基板1表面)の垂線に対して−12°傾いた方向(<0001>方向に対して−8°傾いた方向)から行う。続いて図22(a)の如く、p型終端領域5を形成する第2のイオン注入を、n型ドリフト層2表面に垂直な方向(<0001>方向に対して+4°傾いた方向)から行う。
その後、図22(b)の如く、n型ソース領域4を形成するためのイオン注入を、n型ドリフト層2表面に垂直な方向(<0001>方向に対して+4°傾いた方向)から行う(このイオン注入は、それ以外の方向から行ってもよい)。
本実施の形態では、実施の形態8に対して第2のイオン注入の方向を変えているが、その<0001>方向からの傾きの大きさ(絶対値)に注目すると実施の形態8と同じである(角度の正、負が変わっただけである)。そのため本実施の形態のp型ボディ層3におけるp型不純物濃度プロファイルの裾引きの状態は、実施の形態8とほぼ同様になる。
但し、第1および第2のイオン注入の角度は、<0001>方向に対する所望の注入角度を得ることが可能な注入方向が複数存在する場合、そのうちn型ドリフト層2表面の垂線に近いものを選定することが望ましい。
<実施の形態10>
図23および図24は、それぞれ実施の形態10に係る半導体装置の構成を示す図であり、図23はMOSFETの構造、図24はダイオード素子の構造を示している。
図23および図24に示すように、本実施の形態では、p型終端領域5の外側の部分に、p型終端領域5よりも深い第2のp型終端領域15を設ける。つまり本実施の形態では、終端構造がp型終端領域5とそれよりも深い第2の終端領域15とから成る段階的な構造となっている。それにより、p型ボディ層3とn型ドリフト層2との間のpn接合においてなだれ降伏が生じる際、終端部での電界集中を緩和することができる。第2の終端領域15は、p型ボディ層3を形成するためのイオン注入とは別の工程で、p型終端領域5よりも深くp型ドーパントをイオン注入することによって形成する。
第2の終端領域15は、上記した実施の形態1〜9のMOSFETまたはダイオード素子のいずれにも設けることができる。もちろん、各実施の形態と同様に、なだれ降伏を安定して生させるという効果も得られる。
以上の各実施の形態では、(0001)面を基準面とし、表面がその基準面から<11−20>方向へ所定のオフ角だけ傾いたn型基板1を用いたが、本発明の適用はこれに限られるものではない。他の結晶面を基準面とする基板を用いる場合でも、ドリフト層との間でpn接合を構成する不純物層の形成工程において、基準面の垂線に対する角度が大きい方向からのイオン注入で不純物層の中央部を形成し、基準面の垂線に対する角度が小さい方向からのイオン注入で不純物層の端部を形成することによって、不純物層の端部に、中央部よりも不純物濃度プロファイルの裾引きが長い部分を設けることができる。それにより、pn接合でなだれ降伏が安定して生じるノンパンチスルー型の半導体素子を得ることができる。
また基板のオフ角、並びに各イオン注入の注入方向(角度)についても、上で説明したものは一例であり、本発明の適用がそれらに限られるものではない。
なお、以上の説明では、ドリフト層2と基板1とが同じ導電型を有する構造のMOSFETについて述べたが、本発明は、ドリフト層2と基板1とが異なる導電型を有する構造のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)に対しても適用可能である。例えば、図1に示した構成に対し、n型基板1をp型の基板に置き換えればIGBTの構成となる。その場合、MOSFETのn型ソース領域4およびソース電極10は、それぞれIGBTのエミッタ領域およびエミッタ電極に対応し、MOSFETのドレイン電極11はコレクタ電極に対応することになる。
IGBTに適用する場合でも、MOSFETの場合と同様に、ドリフト層との間でpn接合を構成する不純物層の形成工程において、基準面の垂線に対する角度が大きい方向からのイオン注入で不純物層の中央部を形成し、基準面の垂線に対する角度が小さい方向からのイオン注入で不純物層の端部を形成することによって、不純物層の端部に、中央部よりも不純物濃度プロファイルの裾引きが長い部分を設けることができる。それにより、pn接合でなだれ降伏が安定して生じるノンパンチスルー型のIGBTを得ることができる。
1 n型基板、2 n型ドリフト層、3 p型ボディ層、3a ボディ領域、3b チャネル形成領域、3c コンタクト領域、4 n型ソース領域、5 p型終端領域、7 ゲート絶縁膜、8 ゲート電極、9 層間絶縁膜、10 ソース電極、11 ドレイン電極、12 配線、15 第2の終端領域。

Claims (13)

  1. 炭化珪素の基板上に形成された第1導電型のドリフト層と、
    前記ドリフト層の上部に選択的に形成された第2導電型領域とを有し、
    前記第2導電型領域と前記ドリフト層との境界のpn接合に降伏電圧が印加されたとき当該pn接合から伸びる空乏層が前記ドリフト層を突き抜けないノンパンチスルー型の半導体素子を備える半導体装置であって、
    前記第2導電型領域は、
    端部に、中央部よりも第2導電型不純物濃度プロファイルの前記ドリフト層の深さ方向への10 15 cm −3 台での裾引きが長い部分を有している
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記半導体素子はIGBTであり、
    前記第2導電型領域は、前記IGBTのボディ層であり、
    前記第2導電型領域の端部は、前記IGBTのチャネル形成領域である
    請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記半導体素子はIGBTであり、
    前記第2導電型領域は、前記IGBTのボディ層であり、
    前記第2導電型領域の端部は、前記IGBTの形成領域の外周部である終端領域である
    請求項1記載の半導体装置。
  4. 前記終端領域は、外側が深く形成された段階的な構造を有している
    請求項3記載の半導体装置。
  5. 前記半導体素子はダイオード素子であり、
    前記pn接合の中央部は、当該ダイオード素子の活性領域であり、
    前記pn接合の端部は、前記活性領域の外周部である終端領域である
    請求項1記載の半導体装置。
  6. 前記終端領域は、外側が深く形成された段階的な構造を有している
    請求項5記載の半導体装置。
  7. 基準面である結晶面から所定のオフ角だけ傾いた表面を有する炭化珪素の基板を準備する工程と、
    前記基板上に第1導電型のドリフト層を形成する工程と、
    前記ドリフト層の上部に第2導電型領域を選択的に形成するイオン注入工程とを備え、
    前記イオン注入工程は、
    前記第2導電型領域の中央部を含む領域を形成するための第1のイオン注入と、
    前記第2導電型領域の端部を形成するための第2のイオン注入とを含み、
    前記第1のイオン注入の注入方向が前記基準面の垂線と成す角、前記第2のイオン注入の注入方向が前記基準面の垂線と成す角度よりも大きくすることによって、前記第2導電型領域の端部における第2導電型不純物濃度プロファイルの前記ドリフト層の深さ方向への10 15 cm −3 台での裾引きを、前記第2導電型領域の中央部における前記裾引きよりも長くする
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 前記第2導電型領域は、IGBTのボディ層であり、
    前記第2導電型領域の端部は、前記IGBTのチャネル形成領域である
    請求項7記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第2導電型領域は、IGBTのボディ層であり、
    前記第2導電型領域の端部は、前記IGBTの形成領域の外周部である終端領域である
    請求項7記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記終端領域の外側の部分に、イオン注入によって前記終端領域より深く第2導電型の領域を形成する工程をさらに備える
    請求項9記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記ドリフト層と前記第2導電型領域とはダイオード素子を構成し、
    前記ドリフト層と前記第2導電型領域との間のpn接合の中央部は、当該ダイオード素子の活性領域であり、
    前記pn接合の端部は、前記活性領域の外周部である終端領域である
    請求項7記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記終端領域の外側の部分に、イオン注入によって前記終端領域より深く第2導電型の領域を形成する工程をさらに備える
    請求項11記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記イオン注入工程は、
    当該イオン注入工程で行う各イオン注入の注入方向を設定する工程を含み、
    前記注入方向の設定工程では、
    前記基準面の垂線に対する所望の注入角度を得ることが可能な注入方向が複数存在する場合、そのうち前記ドリフト層上面の垂線に近いものが選定される
    請求項7から請求項12のいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
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