JP5470215B2 - タイヤ内部温度測定用タイヤおよびその測定方法 - Google Patents

タイヤ内部温度測定用タイヤおよびその測定方法 Download PDF

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Description

この発明は、一対のビード部と一対のサイドウォール部と一対のショルダー部とトレッド部とを具え、タイヤ径方向に延在するように埋設された熱電対を具えるタイヤ内部温度測定用タイヤに関するものである。より詳細には、熱電対の形状を、タイヤ側面から透視して渦巻状とすることにより、所望の位置でのタイヤ内部の温度測定が可能であり、かつ、タイヤへの荷重負荷による曲げ変形に対する耐久性の優れた、タイヤ内部温度測定用タイヤ及びタイヤ内部温度測定方法に関するものである。
従来、走行中のタイヤ内部の温度を測定する方法としては、例えばベルト部の温度を測定したい場合には、加硫後のタイヤの溝底に穴を開けてベルト上に熱電対の端子を埋め込み、該熱電対の他方側の端子をトレッド部の溝内に固定しながら、ショルダー部からサイドウォール部へ引き出す方法が行われている。しかしながらこの方法は、熱電対の端子をベルト上に埋め込む作業には多大な手間を要すると共に、測定したい位置に熱電対の端子を位置付けることが困難である。また、熱電対をトレッド溝内に固定するためのテープや接着剤が走行中に剥がれてしまい、熱電対が路面や車両のフェンダーに当たって破断する等の不具合が生じていた。
これに対し特許文献1には、補強層のトレッド部からショルダー部までの所望の位置において温度測定が可能となるように、加硫前のタイヤ成形過程中(グリーンタイヤ成形時)の段階で、あらかじめ、熱電対の温度測定部をラジアル配列のカーカスプライコード間に配置することが提案されている。
特開2003−306015号公報
このように特許文献1の構成では、所望の位置におけるタイヤの内部温度を測定することができるが、一方で、熱電対がラジアルプライコードと平行で、タイヤ荷重転動時のタイヤ荷重直下位置にて、タイヤが屈曲する方向と平行なタイヤ径方向に配設されるため、タイヤに荷重負荷を掛けた際に、ビード部側まで延在させた熱電対、特に荷重直下で大きく屈曲(曲げ)変形するショルダー部に位置する熱電対部分が、早期に破断してしまう傾向があった。
従ってこの発明の目的は、所望の位置でのタイヤ内部の温度測定が可能であり、かつ、耐久性の優れた、タイヤ内部温度測定用タイヤ及びタイヤ内部温度測定方法を提供することにある。
発明者らが鋭意研究を重ねた結果、上記熱電対の破断の原因は、熱電対の構造が金属の単線もしくは単線を撚った撚線であるため、タイヤの繰り返しの曲げ変形に弱い点に在ることが分かった。
従って、上記目的を達成するため発明者らは、熱電対の延在方向を、荷重直下位置にてタイヤが屈曲する方向に対して大きくずらすことにより、タイヤが変形した際の熱電対の歪みを低減させることができ、ひいては熱電対の耐久性を向上し得るとの着想を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)一対のビード部と一対のサイドウォール部と一対のショルダー部とトレッド部とを具え、タイヤ径方向に延在するように埋設された熱電対を具える空気入りタイヤであって、
前記熱電対は、トレッド側に配置された測温側の第1端子と、ビード部側にタイヤ外面から引き出された第2端子とを有し、前記熱電対の延在形状が、タイヤ側面から熱電対を透視して、前記第2端子から前記第1端子に向かって渦巻状であることを特徴とするタイヤ内部温度測定用タイヤ。
(2)前記熱電対の延在方向は、少なくともショルダー部にて、タイヤ周方向に対し10°〜45°の角度であることを特徴とする上記(1)に記載のタイヤ内部温度測定用タイヤ。
(3)前記熱電対の第2端子がタイヤ外面から引き出される位置は、リムフランジ頂点位置からタイヤ径方向外側に0〜20mmの領域内にあることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のタイヤ内部温度測定用タイヤ。
(4)所定の空気圧及び負荷荷重を適用したタイヤの荷重直下位置にある前記第1端子からの前記熱電対の立ち上がり角度が、タイヤ側面から熱電対を透視して、路面上のタイヤの進行方向に対して鈍角であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のタイヤ内部温度測定用タイヤ。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタイヤ内部温度測定用タイヤを使用して、走行中のタイヤ内部温度を測定するタイヤ内部温度測定方法。
この発明によれば、所望の位置でのタイヤ内部の温度測定が可能であるとともに、熱電対の延在方向が荷重直下位置にてタイヤが屈曲する方向に対して大きくずれるように、熱電対の形状をタイヤ側面から透視して渦巻状とすることにより、耐久性の優れたイヤ内部温度測定用タイヤの提供が可能となる。また、これを用いたタイヤ内部温度測定方法の提供が可能となる。
この発明に従うタイヤ内部温度測定用タイヤの幅方向断面図であって、熱電対については、説明の便宜上、一のタイヤ幅方向断面にまとめて示している。 図1のタイヤ内部において、熱電対の配置を示した部分展開図である。 図1のタイヤの熱電対をタイヤ側面から透視した図であって、(a)は、タイヤの荷重直下位置にある第1端子からの熱電対の立ち上がり角度が、路面上のタイヤの進行方向に対して鈍角である場合の図であり、(b)は、第1端子が接地領域に入ろうとしている場合の図を示している。 図1のタイヤの熱電対が、タイヤ進行方向に対して図3(a)とは逆の位置関係にあり、タイヤの荷重直下位置にある第1端子からの熱電対の立ち上がり角度が、路面上のタイヤの進行方向に対して鋭角である場合の熱電対をタイヤ側面から透視した図である。 実施例の結果をプロットした図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、この発明に従うタイヤ内部温度測定用タイヤ(以下、「発明タイヤ」という。)の、タイヤ幅方向の断面を示している。
この実施形態の発明タイヤは、図1に示されるように、タイヤの踏面を形成するトレッド部1と、このトレッド部1のタイヤ幅方向両端にショルダー部2、2を介して連なる一対のサイドウォール部3、3と、これら一対のサイドウォール部3、3のタイヤ径方向内側に位置し、ホイールリムに装着される一対のビード部4、4と、さらに、これら一対のビード部4、4にそれぞれ埋設したビードコア5、5に係止され、これらビード部4、4、サイドウォール部3、3、ショルダー部2、2及びトレッド部1に亘ってトロイド状に延びるカーカス6と、カーカス6のクラウン部のタイヤ径方向外側に配置したベルト層7を有する、慣例に従ったタイヤ構造を有するラジアルタイヤである。
ベルト層7は、タイヤ周方向に対して並列に傾斜して並列配置された複数本のベルトコードで形成されたベルトプライを少なくとも2枚、図1では2枚のベルトプライ7a、7bを積層することで構成され、これらのベルトプライ7a、7b同士は、ベルトコードがタイヤ赤道面を挟んで互いに交差するようにして、タイヤ径方向に積層されている。
さらに、ベルト層7のタイヤ径方向外側には、キャップ層8が積層され、ベルト層7及びキャップ層8のタイヤ幅方向端部を覆うようにして、レイヤー層9が積層されている。そして、ベルト層7及びトレッドの間(図1ではキャップ層8上)には、熱電対10が埋設されている。熱電対10は、トレッド部1側の、温度を測定したい位置に配置される第1端子10aと、第1端子10aから延長されてビード部4側へ引き出される第2端子10bとを有する。
次に示す図2は、タイヤ内部(トレッドゴムを剥がしてキャップ層8、レイヤー層9、ベルト層7とカーカス層6のコード配置関係を示した図)において、上記熱電対10が埋設されたキャップ層8を、より詳細に示した部分展開図である。図2中、Cはタイヤ赤道面を示し、両矢印方向A(図2で示す上下方向)がタイヤ周方向を、両矢印方向B(図2で示す左右方向)がタイヤ幅方向を示している。
熱電対10の一端である温度測定側の第1端子10aは、タイヤの、負荷転動時における内部温度を測定したい位置に配置され、固定されている。図2に示す例では、トレッド部1側の点Pにおける内部温度が測定可能となるように、第1端子10aを、キャップ層8上の点Pに固定している。
ここで、タイヤは、図1で示したように、タイヤのトレッド部踏面がタイヤ幅方向断面で見てクラウン形状に形成されることから、タイヤ形状に沿うように配置される熱電対10に対しても、曲げが生じることになる。つまり、トレッド部1側からビード部4側へ配置された熱電対10は、タイヤ径方向内側が圧縮され径方向外側が引き伸ばされるため、熱電対10全体に歪みが生じ、この歪みによって、熱電対10の破断が生じてしまう場合がある。
なお、熱電対は金属の単線若しくは単線を撚った撚線であり、熱電対の外径をD(mm)、熱電対の配設(延在)形状の曲率半径をR(mm)とすると、タイヤ形状に沿って曲げられた熱電対の歪み最大値εmaxは、
[式1]
εmax=D/2R
で表すことができる。従って、熱電対の破断の発生を抑制するためには、熱電対の歪み最大値εmaxを小さくすることが効果的であり、これは、熱電対の配設形状の曲率半径Rの値を小さくすることで実現可能である。
そこで、この発明タイヤにあっては、熱電対10の温度測定部である第1端子10aをトレッド部1側に固定した後、熱電対10のもう一方の端子である第2端子10bをビード部4側に配置して熱電対10を延在するに際し、熱電対10とタイヤ周方向(矢印方向A)とで形成される角度αが鋭角になるように、熱電対10を配置している。すなわち、図2で示すように、温度測定位置となる点Pで固定した第1端子10aからタイヤ幅方向外側に向かってビード部4側の第2端子10bまで延在する熱電対10が、どの領域においても、タイヤ荷重直下時にタイヤが屈曲する方向に対して大きくずれるように、熱電対10を配置している。
図3及び図4は、上記の構成を他の視点から示したものであり、具体的には、図2で説明した通りタイヤ周方向に対して鋭角を形成するように延在させた熱電対10を、タイヤ側面から透視した場合の図を示している。この図から明らかなように、タイヤ側面から熱電対を透視して見た場合、この発明タイヤの熱電対10は、第1端子10aから第2端子10bに向かって渦巻状を描くように延在している。なお、図3及び図4では、説明の簡単のために、第1端子10aと第2端子10bがタイヤ周方向において略同じ位置となる程度に、熱電対10を長くタイヤ上で一周させているが、必ずしもこのような形状を描く必要はない。すなわち、熱電対10とタイヤ周方向とで形成される角度αが比較的小さいときには上記形状となるが、角度αが比較的大きいときには、第1端子10aから第2端子10bまで延在する熱電対10が短くなるため、タイヤ上を一周するような形状とはならない。従って、本発明で言う渦巻状とは、両者の場合を含む意である。
このように、タイヤ側面から熱電対を透視した場合に熱電対10が渦巻状となるように配置すれば、式1の熱電対の配設形状の曲率半径Rを大きくして、熱電対の歪みを低減させることができる。その結果、熱電対の破断発生を効果的に抑制することが可能となる。
なお、図2〜図4に示す例では、第1端子10aから第2端子10bに向かって延在する熱電対10のタイヤ周方向に対する角度が、2つの異なる角度である場合を示しているが、熱電対10は、タイヤ周方向に対する角度が徐々に異なるように(例えば漸増又は漸減する等)延在させてもよい。
熱電対の破断の発生を効果的に抑制するためには、少なくともショルダー部2において、熱電対10を、タイヤ周方向に対して10〜45°の角度(図2に示す角度αが10〜45°)で配置することがより好ましい。
ここで、本発明で言う「ショルダー部2」とは、タイヤ荷重時にタイヤ変形が最も大きくなる部分の端部から、タイヤ最大幅方向位置WPまでの領域のことを言う。より具体的には、この実施形態のようにラジアルタイヤの場合には、本発明で言う「ショルダー部2」とは、キャップ層、レイヤー層、ベルト層のうち最も外側に位置する層の端部、図1に示す例では、熱電対10を埋設したレイヤー層9のレイヤー端LEから、タイヤ最大幅方向位置WPまでの領域のことを言うものとする。タイヤ最大幅方向位置WPとは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格、例えばアメリカ合衆国ではThe Tire and Rim Association Inc.の"Year Book"、欧州ではThe European Tyre and Rim Technical Organisationの"Standard Manual"、日本では日本自動車協会の"JATMA Year Book"に記載の規格の適用サイズにおける標準リムにタイヤを組み付け、かかる規格の適用サイズにおける単輪の所定の荷重及び所定の荷重に対応する空気圧を適用した状態において、タイヤ幅方向最外点となる位置(図1で示す点WP、WP)のことである。
上述までは図1で示す通りラジアルタイヤの場合に基づき説明したが、この発明タイヤは、ラジアルタイヤ、バイアスタイヤのいずれでも良い。
なお、バイアスタイヤの場合、本発明で言う「ショルダー部2」とは、タイヤ変形が最も大きくなる、接地端からタイヤ最大幅方向位置WPまでの領域のことを言うものとする。
さらに、本発明は、通常の使用条件下でのラジアルタイヤ、バイアスタイヤの内部温度を測定するだけでなく、ランフラットタイヤのランフラット走行時における、補強ゴムの温度測定にも適用可能である。
上記の通り、タイヤは、図1で示したように、タイヤのトレッド部踏面がタイヤ幅方向断面で見てクラウン形状に形成されており、タイヤ負荷転動時には、コーナリング時の遠心力やリムからの荷重負荷によってタイヤが大きく撓み、クラウン形状のタイヤが平坦な路面に対して強制的に押し付けられて真っ直ぐになり、反対に、路面から離れる際には元の形状に戻るというように、タイヤの変形が繰り返し行われる。そして、かかるタイヤの変形は、最も撓みが大きいショルダー部において顕著である。従って、タイヤの形状に沿って配置される熱電対は、特に大きな変形が生じるショルダー部において最も破断し易い。すなわち、ラジアルタイヤの場合には、層の剛性が高く、これよりもタイヤ幅方向外側の部分の撓み変形が最も大きいため、キャップ層、レイヤー層、ベルト層のうち最も外側に位置する層の端部からタイヤ最大幅方向位置WPまでの領域において、バイアスタイヤの場合には、最も撓み変形が大きい、接地端からタイヤ最大幅方向位置WPまでの領域において、それぞれ、最も破断し易い。
従って、第1端子10aから第2端子10bに向かって延在する熱電対10の中でも、熱電対10が最も撓み変形が大きく破断し易いショルダー部2における、式1の熱電対の配設形状の曲率半径Rを大きくすることで、熱電対の破断発生をより効果的に抑制することが可能となる。
この際、熱電対10のタイヤ周方向に対する延在角度αを比較的小さくした領域においては、熱電対の配設形状の曲率半径Rが大きくなり、熱電対の破断に対する耐久性を効果的に向上させることができる。しかし、熱電対のタイヤ周方向に対する延在角度αを10°未満としてしまうと、ビード部側まで延在するための熱電対の全長が長くなり過ぎてしまい、作業効率が却って悪化する場合がある。また、拡張前の円筒形のカーカスに対して熱電対を貼り付けた場合に、グリーンタイヤを成形する際に必要な拡張を妨げてしまう可能性がある。従って、熱電対のタイヤ周方向に対する角度αは10°以上とすることが好ましい。
一方、熱電対のタイヤ周方向に対する延在角度αを比較的大きくした領域においては、熱電対の長さ寸法が短くなるので、熱電対の埋め込みの作業効率を向上させることができる。しかし、熱電対のタイヤ周方向に対する延在角度αを45°より大きくしてしまうと、熱電対の配設形状の曲率半径Rが小さくなり、熱電対の破断が生じ易くなってしまう。従って、熱電対のタイヤ周方向に対する角度αを45°以下とすることで、熱電対の破断発生を抑制しつつ、良好な埋め込みの作業効率も確保することができる。
なお、熱電対10は、少なくともショルダー部2において周方向に対して10〜45°の角度で配置すればよく、他のタイヤ部位では、より大きな角度で配置するようにしてもよい。他のタイヤ部位では周方向に対して比較的大きな角度で配置することにより、熱電対の全長を短くして、作業効率を上げることができるからである。
また、ショルダー部2においても、熱電対10の延在角度αは一定である必要はなく、領域毎に最適な延在角度を適宜選択して、上記のような効果を発揮させることができる。
さらに、第1端子10aからビード部4に向かって延長する熱電対10の他方端である第2端子10bは、リムフランジ頂点位置Tからタイヤ径方向外側に0〜20mmの領域内において、タイヤ外面へ引き出されることが好ましい。
第2端子10bを、リムフランジ頂点位置Tからタイヤ径方向外側に20mmよりも大きい領域においてタイヤ外面へ引き出した場合、タイヤ負荷転動時に熱電対が路面や車両フェンダーに当たって、熱電対が破断してしまうおそれがあるからである。
また、所定の空気圧及び負荷荷重を適用したタイヤの荷重直下位置にある第1端子10aから第2端子10bに向かう熱電対10の立ち上がり角度(延在方向)が、タイヤ側面から熱電対10を透視した場合に、図3(a)で示すように、タイヤの進行方向に対して鈍角となることがより好ましい。
ここで、本発明で言う「タイヤの進行方向」とは、車両を前進駆動させた場合に、タイヤの軸心Qが進む方向のことを言う。従って、図3(a)に示す例では、第1端子10aを頂点として、第1端子10aから紙面右側の路面と、第1端子10aから紙面左斜上に延びる熱電対10の立ち上がり線とがなす角度βが鈍角となる場合を言う。
このように、タイヤ側面から熱電対10を透視して、タイヤの荷重直下に在る第1端子10aから延在する熱電対10とタイヤ進行方向の路面とがなす角度βが鈍角であるようにした場合(換言すれば、部分展開図においては、タイヤの回転方向と熱電対10とがなす角度が鋭角となるようにした場合)、タイヤの回転により熱電対10が接地領域に入る際の、路面に対する入射角が図3(b)で示すように小さくなるので、熱電対10にかかる負荷が低減される。従って、図4に示すように角度βが鋭角となるようにした場合よりも、さらに効果的に、熱電対の破断発生を抑制することができる。
なお、本発明は、通常の使用条件下でのラジアルタイヤ、バイアスタイヤの内部温度を測定するだけでなく、ランフラットタイヤのランフラット走行時における、補強ゴムの温度測定にも適用可能である。
また、上述した実施形態では温度測定手段として熱電対を用いたが、熱電対に限らず、例えば、金属導線を有するセンサ等を用いてもよい。
次に、発明の効果を確かめるために、この発明の範囲に含まれるタイヤ内部温度測定用タイヤ(実施例タイヤ1〜8)と、従来技術に従うタイヤ内部温度測定用タイヤ(比較例タイヤ)を用意し、それぞれのタイヤをドラム試験機によって負荷転動させた。実施例タイヤ及び比較例タイヤにおいて、熱電対は、ベルト層直上に第1端子を配置してタイヤ径方向外側に延在させ、リムフランジ頂点からタイヤ径方向外側に10mmの位置で第2端子を引き出した。
熱電対により測定された温度データは、タイヤ回転軸に取り付けたスリップリングの回転側端子に熱電対の第2端子を接続し、スリップリングの固定端子とデータロガー間を補償導線で接続することにより得た。
試験に用いたタイヤサイズは225/65R17であり、熱電対はφ0.1mmの導線(銅、コンスタンタン)を7本撚ったT型である。また、試験は耐久性評価の促進試験であり、ドラム試験条件は、リム幅:6.5インチ(165.1mm)、タイヤ内圧240kPa、荷重負荷850kgf(8335.6525N)、速度200km/hとした。
下記表1に結果を示す。なお、タイヤ進行方向と熱電対のなす角度とは、熱電対が荷重直下に来た状態をタイヤ側面から透視した場合の角度のことである。
Figure 0005470215
表1の結果から、実施例タイヤのように、熱電対のタイヤ周方向に対する角度が垂直ではなく(タイヤ側面から熱電対を透視した際に、熱電対の形状が渦巻状である)、タイヤ周方向と並行に近付くにつれ、比較例タイヤに対し、タイヤ内部温度測定用タイヤの耐久性が優れていることが分かった。
また、表1をプロットした図5から明らかなように、熱電対のタイヤ周方向に対する角度が45°の状態から、熱電対の延在方向をタイヤ周方向に近付くようにずらして10°となる状態のときに、測定時間がより顕著に長くなることが分かった。
さらに、熱電対が荷重直下に来た状態をタイヤ側面から熱電対について透視した場合に、タイヤ進行方向と熱電対のなす角度が鈍角である場合の方が、同角度で鋭角である場合よりも、耐久性が優れることも分かった。そして、測定可能時間3.0分以上を良とした場合、タイヤ進行方向と熱電対のなす角度が鈍角である場合には、タイヤ周方向に対する角度が10〜45°である場合に、タイヤ進行方向と熱電対のなす角度が鋭角である場合には、タイヤ周方向に対する角度が10〜30°である場合に、それぞれ良となることが分かった。
この発明によれば、所望の位置でのタイヤ内部の温度測定が可能であるとともに、熱電対の配設形状の曲率半径が大きくなるように、熱電対の形状をタイヤ側面から透視して渦巻状とすることにより、耐久性の優れたタイヤ内部温度測定用タイヤを提供することが可能となった。
1 トレッド部
2 ショルダー部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
7a、7b ベルトプライ
8 キャップ層
9 レイヤー層
10 熱電対
10a 熱電対の第1端子
10b 熱電対の第2端子
T リムフランジ頂点位置
LE レイヤー端
WP タイヤ最大幅方向位置

Claims (5)

  1. 一対のビード部と一対のサイドウォール部と一対のショルダー部とトレッド部とを具え、タイヤ径方向に延在するように埋設された熱電対を具える空気入りタイヤであって、
    前記熱電対は、トレッド側に配置された測温側の第1端子と、ビード部側にタイヤ外面から引き出された第2端子とを有し、前記熱電対の延在形状が、タイヤ側面から熱電対を透視して、前記第2端子から前記第1端子に向かって渦巻状であることを特徴とするタイヤ内部温度測定用タイヤ。
  2. 前記熱電対の延在方向は、少なくともショルダー部にて、タイヤ周方向に対し10°〜45°の角度であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ内部温度測定用タイヤ。
  3. 前記熱電対の第2端子がタイヤ外面から引き出される位置は、リムフランジ頂点位置からタイヤ径方向外側に0〜20mmの領域内にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ内部温度測定用タイヤ。
  4. 所定の空気圧及び負荷荷重を適用したタイヤの荷重直下位置にある前記第1端子からの前記熱電対の立ち上がり角度が、タイヤ側面から熱電対を透視して、路面上のタイヤの進行方向に対して鈍角であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ内部温度測定用タイヤ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のタイヤ内部温度測定用タイヤを使用して、走行中のタイヤ内部温度を測定するタイヤ内部温度測定方法。
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