JP5469312B2 - 配光可変型放電灯点灯装置、車両用前照灯灯具 - Google Patents

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Description

本発明は、配光可変型放電灯点灯装置およびそれを搭載した車両用前照灯灯具に関するものである。
長寿命、大光束、点光源を特徴とするHIDランプ(High Intensity Discharge Lamp)は市場に広く普及してきており、例えば、車載分野においても、前照灯点灯装置への採用が拡大している。また、単に前方を照射するだけでなく、ハンドルの舵角や車速等の車両情報に応じて前照灯を点灯/消灯したり、配光を上下・左右方向へ可変する電子制御ユニット(ECU)を搭載した車両も徐々に普及し始めている。
図22に配光可変型の前照灯点灯装置の従来例を示す。この従来例は、直流電源Eを放電灯DLの点灯に必要な電力に変換する電力変換装置1と、配光可変信号入力に応じてモータ30を駆動することによって例えば放電灯DLの反射板を可動し、配光を可変する配光可変制御装置20から構成される。
電力変換装置1は、直流電源Eの電圧を放電灯DLの点灯に必要な電圧へ変換するDC−DCコンバータ2、DC−DCコンバータ2の出力電圧であるDC電圧をAC電圧(矩形波)に変換するフルブリッジインバータ3、DC−DCコンバータ2とフルブリッジインバータ3を駆動制御する制御回路(マイコン)10、および制御電源9で構成され、電力変換装置1の出力を放電灯DLに印加することで点灯させる。なお、フルブリッジインバータ3と放電灯DLの間に設けたイグナイタ回路4は、放電灯DLを始動時にブレークダウンさせるための高電圧を発生する回路である。
一方、配光可変制御装置20は、配光可変信号入力を受信する制御信号トランシーバ21、この制御信号トランシーバ21からの信号を元にモータ目標位置を駆動演算し、駆動信号を出力するモータ制御回路22、駆動信号を受けてモータ30に駆動電流を出力するモータドライバ23で構成される。なお、モータ30は配光可変制御装置20の駆動電流により、放電灯DLの配光を可変するための機構部(例えば反射板)を可動する。位置センサによるフィードバックを付加することもある。
本従来例では、電力変換装置1と配光可変制御装置20は互いに通信手段を持たないため、それぞれ独立して駆動されている。
特許文献1(特開2007−194086号公報)では、放電灯の安定点灯に必要な電力をスイッチング素子の駆動によって調整する電力変換装置、外部機器との通信手段、およびこれらの制御装置を有する放電灯点灯装置が示されている。また、放電灯点灯装置と外部機器間で通信信号が送受信されている期間中は、放電灯の状態を検出して電力変換装置の出力電力を調整するフィードバック制御を停止し、前記スイッチング素子の駆動条件を固定する手法が開示されている。これにより、制御装置の処理能力の限界による制御装置の誤動作を防止することが可能である。また、放電灯点灯装置と外部機器間で通信信号が送受信されている期間中は、放電灯に与える電力の極性反転を停止し、上記制御装置の誤動作防止とともに放電灯の立ち消えを防止する方法も開示されている。
しかしながら、スイッチング素子の駆動条件を固定してしまうと、電源環境変動、周囲温度変化、負荷特性の変動等が発生すると放電灯への電力供給量も変動してしまうため、放電が不安定になり、放電灯が立ち消えする可能性がある。
特開2007−194086号公報
図22の従来例の構成において、放電灯の点灯制御や配光可変制御を行う場合、例えば、放電灯の発光自体が不安定である光束立上げ時や、光出力を調整する調光制御時に配光可変制御装置を可動すると、十分な光出力が得られないために所望の配光特性が得られなかったり、配光可変制御装置により可動される機構部(例えば反射板)の振動によって放電灯が立ち消えする可能性があった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、制御回路のコスト上昇を抑制しながら、配光可変時の放電灯の安定点灯を可能とすることを課題とする。
請求項1の発明は、上記の課題を解決するために、図1に示すように、直流電源Eを放電灯DLの点灯に必要な所定電力に変換する電力変換部(DC−DCコンバータ2、フルブリッジインバータ3)と、この電力変換部の制御部(制御回路10)とを有する電力変換装置1と、所定の入力信号S2に応じて放電灯DLの配光を変化させる配光可変制御装置20とを有し、前記電力変換装置1と配光可変制御装置20は各々通信手段(信号S4の送受手段)を有し、電力変換装置1により放電灯DLへの出力電力を変化させる制御を実施する期間と、配光可変制御装置20により配光を可変する制御を実施する期間とを時分割し、放電灯DLへの出力電力を変化させる期間とは、放電灯DLの光束立上げ時(図4のt0〜t1)及び放電灯DLの調光制御期間(図4のt3〜t4)であることを特徴とするものである。
請求項の発明は、請求項の発明において、放電灯DLの管電圧が所定値よりも高い場合に、配光可変制御装置20により配光を可変する制御を行わないことを特徴とする(実施形態1”)。
請求項の発明は、請求項1又は2の発明において、配光可変制御装置20によって放電灯DLの配光を可変する期間には、電力変換装置1の出力を極性反転しないことを特徴とする(図10、図11)。
請求項の発明は、請求項1又は2の発明において、配光可変制御装置20によって放電灯DLの配光を可変する期間には、電力変換装置1の出力に応じて電力変換装置1の出力を極性反転させる周期が変化することを特徴とする(図12〜図14)。
請求項の発明は、請求項1〜の発明において、配光を可変する制御とは、配光可変用アクチュエータを制御することを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1〜の発明において、配光を可変する制御とは、放電灯DLとは異なる補助光源26,27を点灯させることを特徴とする(図18、図19)。
請求項の発明は、請求項の発明において、補助光源はハロゲンランプ27であり、点灯開始から安定点灯時よりも大電流が流れる所定期間Tsを配光可変制御期間とすることを特徴とする(図19、図20)。
請求項の発明は、請求項1〜の発明において、配光可変制御装置と電力変化装置が一つの電子制御ユニットで構成され、それぞれの制御用マイコン10,22が同期制御していることを特徴とする(図15)。
請求項の発明は、請求項1〜の発明において、放電灯への出力電力を変化する制御と、放電灯の配光を可変する制御とを1つのマイコン10で行うことを特徴とする(図16)。
請求項10の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の配光可変型放電灯点灯装置を搭載した車両用前照灯灯具である(図21)。
本発明によれば、配光可変制御装置と組み合わされる放電灯点灯装置において、放電が不安定となる光束立上げ時や調光制御時の放電灯点灯制御期間と、配光可変制御期間を時分割することで、放電灯への出力電力を変化させる制御を実施する期間と、配光を可変する制御を実施する期間とが時間的に重ならないように制御することができ、これにより放電灯の安定点灯を確保できると共に、制御回路の簡素化が可能となる。
(実施形態1)
図1に本発明の実施形態1の構成を示す。本実施形態は、直流電源Eを放電灯DLの点灯に必要な電力に変換する電力変換装置1と、配光可変信号入力に応じてDCモータ30を駆動することで、例えば放電灯DLの反射板を可動し、配光を可変する配光可変制御装置20から構成される車載前照灯用放電灯点灯システムの一例である。
実施形態1の電力変換装置1は、直流電源Eの電圧を放電灯DLの点灯に必要な電圧へ変換するDC−DCコンバータ2、DC−DCコンバータ2の出力電圧であるDC電圧をAC電圧(矩形波)に変換するフルブリッジインバータ3、DC−DCコンバータ2とフルブリッジインバータ3を駆動制御する制御回路(マイコン)10、および制御電源9で主に構成され、電力変換装置1の出力を放電灯DLに印加することで点灯させる。なお、フルブリッジインバータ3と放電灯DLの間に設けたイグナイタ回路4は、放電灯DLを始動時にブレークダウンさせるための高電圧を発生する回路である。
DC−DCコンバータ2には、トランスT1の1次側に蓄積されたエネルギーを2次側のダイオードD1を介してコンデンサC1に出力し、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動によって出力電力量を調整するフライバック方式を用いた例を示す。
本実施形態の電力変換装置1は放電灯DLを定電力制御によって点灯させており、その制御にマイコン10を用いている。放電灯DLのランプ電圧とランプ電流の値を抵抗R1〜R3で検出し、電圧検出回路5及び電流検出回路6を介してマイコン10に入力する。マイコン10はこれらの検出値を平均化演算部15、16により平均化し、ROM部分に有するランプ電力指令値演算部12から出力されるランプ電力指令値Psと平均化電圧値Vaによりランプ電流指令値Isを算出する。なお、ランプ電力指令値Psは、電力変換装置1の出力に放電灯DLが点灯始動から安定点灯維持に至るまでに必要とする電力が得られるよう事前に設定された値(以下「所定電力値」という)である。
更に、ランプ電流指令値Isと平均化電流値Iaとを比較演算部14により比較演算し、これらが同一の値となるように1次側電流指令値Icを出力する。1次側制御部8では、1次側電流検出回路7により検出される1次側電流検出値Idと1次側電流指令値Icとを比較することによりDC−DCコンバータ2を駆動する。以上により、定電力制御を実現している。なお、マイコン10への電源は制御電源9にて生成され、制御電源9への電源は、直流電源Eから採っている。
一方、配光可変制御装置20は、配光可変信号入力S2を受信する制御信号トランシーバ21、制御信号トランシーバ21からの信号を元にモータ目標位置を取得し、駆動信号S3を出力するモータ駆動演算用の制御回路22、この駆動信号S3を受けてDCモータ30に駆動電流を出力するモータドライバ23で構成される。なお、モータ駆動演算用の制御回路22は少なくとも1つのMPUを有している。
また、DCモータ30は配光可変制御装置20の駆動電流により、放電灯DLの配光を可変するための機構部(例えば反射板)を可動する。
上記構成において、外部から放電灯DLへの出力電力を変化させる調光信号などの電力変化指令S1が入力されると、ランプ電力指令値変更部11では、その指令値レベルに応じてランプ電力指令値Psを変更する。この時、ランプ電力指令値Psが所定電力値から変更されたことが可動判定部13によって確認されると、モータの駆動信号の出力を禁止する可動禁止指令S4がモータ駆動演算用の制御回路22に出力される。加えて、ランプ電圧、ランプ電流が急峻に変化する光束立上げ期間においても、可動禁止指令S4が出力される。
よって、可動判定部13から可動禁止指令S4が出力されている期間は、配光可変信号入力S2からいかなる信号が入力されてもモータの駆動信号S3は出力されない。
前記放電灯DLの定電力制御およびDCモータ30の駆動制御のフローを図2、図3に示す。図2のフローは電力変換装置1の制御回路10により実行され、図3のフローは配光可変制御装置20の制御回路22により実行される。
電源が投入されると、ステップF01で通信の設定や使用する変数・フラグ等の初期化を行う。
ステップF02では、直流電源Eから放電灯DLの点灯に必要な電圧が供給されているかどうかを判断する。供給されていない場合はF03〜F15のループへ移行しない。供給されている場合は、以下のF03〜F15のループへと進む。
ステップF03では、放電灯DLが点灯する前の無負荷時の制御を行う。例えば、フルブリッジインバータ3の極性反転を停止させ、DC−DCコンバータ2の出力電圧を数百Vの無負荷2次電圧に設定し、イグナイタ回路4を動作させて始動用の高圧パルス電圧を放電灯DLに印加する。
ステップF04では、放電灯DLが点灯しているかどうかを判断する。放電灯DLが点灯すると、無負荷時に比べてランプ電圧が急激に低下するので、電圧検出回路5の出力を監視することにより放電灯DLが点灯しているかどうかを判定できる。点灯していない場合はステップF03に戻る。点灯している場合は、以下の定電力制御を行うループへと進む。
例えば、85V付近が定格ランプ電圧である車載前照灯用ランプの場合、ランプ電圧が5V〜150Vの間にあるかどうかでランプが点灯しているかどうかを判断する。車載前照灯の場合、ランプ電圧は点灯始動時には30V程度まで低下し、その後、定格で85V程度まで上昇する。ランプの寿命末期等のばらつきを考慮して判定値を決定する。
《定電力制御フロー》
F05〜F15のループでは、図1のマイコン10によって放電灯DLの定電力制御を実現している。
ステップF05では、A/D変換によりランプ電圧を読込む。そのためにマイコン10は第1のA/D変換入力ポートを有しており、電圧検出回路5の出力をデジタル値に変換して取り込む。
ステップF06では、読込み値に過去値を合わせて、平均化を行なう。これにより平均化電圧値Vaを取得する。平均化の一例を挙げると、検出値を最新値から3値記憶(読込み時更新)しておき、次の最新値を読込んだとき、上記3値と足し合わせて4で割る。
ステップF07では、マイコン10内のROM部に持っているテーブルから、その時のランプ電圧Vaに適するランプ電力指令値Psを読み出す。
本発明の動作を示すフローについてはFa1〜Fa4で示す。放電が不安定となる光束立上げ時や調光制御時には可動禁止指令S4を出力することが特徴である。
ステップFa1では、読み出されたランプ電力指令値Psが、事前に設定された所定値から変更されているかどうかを判定する。変更されていない場合はステップFa2へ進む。変更されている場合はステップFa4へ進む。
ステップFa2では、放電灯DLの点灯状態が光束立上げ時かどうかを判断する。光束立上げ時でない場合はステップFa3へ進む。光束立上げ時の場合はステップFa4へ進む。
ステップFa3では、可動禁止指令S4をクリアしてステップF08へ進む。この場合、駆動信号S3の出力は許可される。
ステップFa4では、可動禁止指令S4を出力してステップF08へ進む。この場合、駆動信号S3の出力は禁止される。
ステップF8では、ランプ電力指令値Ps/平均化電圧値Vaの計算式により、ランプ電流指令値Isを演算する。
ステップF09では、A/D変換によりランプ電流を読込む。そのためにマイコン10は第2のA/D変換入力ポートを有しており、電流検出回路6の出力をデジタル値に変換して取り込む。
ステップF10では、ランプ電流読込み値に過去値を合わせて、上述のような平均化を行なうことで平均化電流値Iaを取得する。
ステップF11では、ランプ電流指令値Isと平均化電流値Iaを比較演算する。
ステップF12では、ステップF11の演算結果により、1次側電流指令値Icを変更する。
ステップF13では、前回のフルブリッジインバータ3の極性反転時から次回の極性反転時までの周期が経過しているかどうかを判定する。時間経過していない場合はステップF15へ進む。時間経過している場合はステップF14へ進む。
ステップF14では、フルブリッジインバータ3に極性反転命令を出力する。
ステップF15では、その他の制御を行う。
以上により放電灯DLの定電力制御を実現している。
《モータ駆動制御フロー》
F16〜F23のループでは、図1のモータ駆動演算用の制御回路22によってDCモータ30の駆動制御を実現している。
ステップF16では、直流電源からDCモータ30の駆動に必要な電圧が供給されているかどうか判断する。供給されていない場合、DCモータ30の駆動は行わない。供給されている場合、F17〜F22の制御を行う。
ステップF17では、放電灯DLが点灯しているかどうかを判断する。判定基準はステップF04と同じである。点灯していない場合はステップF19へ進む。点灯している場合は、F18〜F22の制御を行う。
ステップF18では、DCモータ30の駆動の目標位置を読み込み、ステップF20へ進む。
ステップF19では、DCモータ30の駆動の目標位置を初期値に設定され、DCモータ30は駆動されない。初期値とは、車載前照灯の場合、前方正面である。
ステップF20では、DCモータ30の現在位置を読み込む。
ステップF21では、DCモータ30の目標位置と現在位置を比較して、DCモータ30の駆動演算を行う。
ステップFa5では、パルス禁止指令(可動禁止指令S4)を読み込む。本例ではDCモータ30はパルス信号により駆動されるものとする。
ステップFa6では、パルス禁止指令(可動禁止指令S4)が出力されているかどうかを判断する。出力されている場合は、駆動パルス信号(駆動信号S3)を出力しない。出力されていない場合はステップF22へ進む。
ステップF22では、ステップF21で演算した結果に応じて駆動パルス信号(駆動信号S3)を出力する。
以上のフローにより、放電灯DLの調光(電力指令値変更)制御期間や光束立上げ制御期間には、可動禁止指令S4によって駆動信号S3は出力されない。放電灯DLの調光制御期間や光束立上げ制御期間以外の期間では駆動信号S3の出力を許可する。
DCモータ駆動中でも、調光制御や光束立上げ制御が必要な場合は、可動禁止指令S4を出力し、駆動信号S3の出力を停止する。これにより、配光可変制御よりも放電灯の安定点灯を優先する。
本実施形態における点灯動作のシーケンスを図4に示す。t=0で直流電源Eが投入されて、放電灯DLが点灯前の無負荷動作(t=0〜t0)から光束立上げ期間(t=t0〜t1)を経て、安定点灯電力(定格電力)に至るまでの期間であり、ランプ電圧検出値、ランプ電流検出値は共に短期間で急激に変化しており、放電灯DLの放電が非常に不安定となっている。放電灯DLが安定点灯に至るまでは、可動禁止指令S4が出力され、いかなる配光可変信号が入力されようとも、モータ30は駆動されない(駆動信号S3は出力されない)。
なお、この期間のランプ電力は所定電力値(マイコン10のROM部分に有する値)であるため、可動禁止指令S4の出力期間は、ランプ電力指令値Psに応じて設定すればよい。
t=t1において、光束立上げ期間が終了すると、可動禁止指令S4は解除され、配光可変信号入力S2に応じて、DCモータ30の駆動が可能となる。
図6に車載前照灯点灯システムにおける光束立上げ時のランプへの投入電力カーブ及び光束立上りカーブの一例を示す。実線部はコールドスタート時、破線部はホットリスタート時のカーブを示す。車載前照灯用ランプの場合、点灯開始前の消灯期間が長いコールドスタート時(実線部)の光束立上げ期間では、ランプの点灯開始から極力短い期間で光束を立上げるために、安定点灯時よりもかなり高いランプ電流(例えば定格の6倍程度)が必要で、更に安定点灯状態に至るまでには数秒〜数十秒(例えば4〜60秒)程度必要である。
一方で、点灯開始前の消灯期間が極めて短いホットリスタート時(破線部)では、それほど大きな電力を必要とせずに、ランプの光束は急峻に立上がり、短期間(数秒程度)で安定点灯状態に至る。
従って、光束立上げ期間での可動禁止指令S4の出力期間は、例えば図6に挙げたように、始動モード(点灯前消灯期間の長さ)によって変更しても良い。
図4のt=t1〜t2、t2〜t3の期間は、放電灯DLの安定点灯期間であり、DCモータ30の駆動許可期間である。これらの期間では、放電灯DLは通常の定電力制御により安定点灯を維持している(定電力制御を実施している)。
t=t1〜t2の期間では、配光可変信号入力を受け、モータ駆動演算結果より駆動信号S3が出力されると、DCモータ30は駆動されて、配光を可変する。
t=t2〜t3の期間では、駆動信号S3は出力されていないので、DCモータ30は駆動されていない。
次に、t=t3〜t4の期間は、放電灯の点灯電力が定格電力とは異なる調光状態に変更され、DCモータ30の駆動が禁止される期間である。t=t3において、調光制御によりランプ電力指令値Psが定格電力よりも低くなるように変更されると、可動禁止指令S4が出力され、いかなる配光可変信号S2が入力されようとも、DCモータ30は駆動されない(駆動信号S3は出力されない)。
t=t4において、ランプ電力変更期間が終了すると、可動禁止指令S4は解除され、配光可変信号入力S2に応じて、DCモータ30の駆動が可能となる。
なお、調光開始時や調光期間終了時にランプ電力を変更する際に、急峻な電力変化による立ち消えを防止するために、一般的には調光量に応じた傾きを持たせて電力を徐々に変化させる。
また、調光制御例としてランプ電力を定格電力より低下させる場合を示したが、ランプ電力を定格電力よりも増加させる場合にも可動禁止指令が出力されるようにしても良い。
以上のように、本実施形態では、ランプ電力の変化によって放電が不安定となる期間(調光時、光束立上げ期間)には、配光可変制御装置によるモータ駆動を停止し、配光可変制御よりも安定点灯制御を優先することで、配光可変用機構部(例えば反射板)の可動時の振動による放電灯の立ち消えを防止することが可能となる。また、放電灯の安定点灯時にのみ配光可変制御装置を可動させることで、所望の配光特性を確実に得ることが可能となる。
(実施形態1’)
ここで、図4におけるt=t3〜t4と同じ期間のみを抜粋した点灯動作のシーケンスを図5に示す。実施形態1において、例えば調光によるランプ電力変化量(調光電力量)が小さければ、調光状態で点灯が継続されても比較的安定した放電が得られる。
また、実際に放電が不安定となるのは電力が変化するt3〜t3’およびt4〜t4’の期間であり、t3’〜t4の期間ではランプ電力値は定格電力と異なるが、ランプ電力が一定となるよう制御されている(電力を変化させる制御ではない)。従って、実際にランプ電力が変化する期間を含む期間t5およびt6でのみ可動禁止指令S4を出力する制御としても良い。
図4では、調光期間中は可動禁止指令S4が継続して出されているが、図5では、可動禁止指令S4は、調光制御開始と同時に出力され、ランプ電力が確実に調光期間終了後の次回目標ランプ電力に達した後、解除される。
図5のように制御することで調光状態でも配光可変制御が可能となり、より自由度の高い配光設計が可能となる。また、調光電力量に閾値を設け、調光による電力変化量が所定値以下の場合にのみ、図5の制御を有効にすれば、調光によるランプの立消えをより確実に防止することが可能となる。
(実施形態1”)
実施形態1”は、実施形態1または1’の制御に加え、ランプの放電が不安定となる寿命末期時に配光可変制御を制限するものである。
一般的に、放電灯は長期間の点灯維持や点灯始動動作を繰り返すことで、安定点灯時のランプ電圧が徐々に上昇する。ランプ寿命末期には、ランプ種別により異なるが、車載前照灯用放電灯の場合はランプ電圧が100V程度に上昇する。一定のランプ電力で点灯する場合、ランプ電圧が上昇すると、点灯時のランプ電流が減る。このため、ランプ電圧がある程度以上の値に上昇すると、ランプ寿命の初期状態に比べて光束量が低下すると共に放電が不安定となり、立ち消えの発生頻度が増加する。
そこで、実施形態1の図1において、可動判定部13に平均化ランプ電圧値Vaを読み込ませ、平均化ランプ電圧値Vaが所定値以上になった場合、それ以降、可動禁止指令S4を出力したまま次回の放電灯交換時まで固定する。放電灯を交換すれば、平均化ランプ電圧値Vaは所定値以下になるため、可動禁止指令S4はクリアされる。
以上により、実施形態1または1’の効果に加え、ランプ寿命末期時にも放電灯の立ち消えを防止することが可能となる。
(実施形態2)
図7に本発明の実施形態2の構成を示す。実施形態2は以下に示すように放電灯DLの点灯制御および配光可変制御を実施するものである。
1)放電灯DLの光束立上げ期間中、及び調光制御によるランプ電力変更中は、配光可変制御装置によるモータ駆動(配光可変)を行わない。
2)配光可変制御装置によるモータ駆動(配光可変)中は、モータ駆動期間が終了するまで調光制御によるランプ電力の変更を行わない。モータ駆動(配光可変)中に、外部から調光制御を行う電力変化指令が入力された場合には、モータ駆動期間の終了後に、調光制御を実施する。
3)調光制御によるランプ電力変更中は、ランプ電力変更期間が終了するまで配光可変制御装置によるモータ駆動(配光可変)を行わない。調光制御中に、外部から調光制御を行う電力変化指令が入力された場合には、電力変化期間の終了後に、モータ駆動(配光可変)を実施する。
実施形態1では、放電灯DLの安定点灯確保のため、ランプ光束立上げ期間、調光制御時には、たとえモータ駆動(配光可変)中であっても、配光可変制御を禁止(または停止)するものであったが、実施形態2は、ランプ光束立上げ期間の点灯制御の優先順位はそのままに(最優先)、調光制御と配光可変制御の優先順位を同じとしたものである。
図7は回路ブロック図であり、実施形態1と異なる機能のみ説明する。
ランプの光束立上げ時および調光制御時には、ランプ電力指令値Psが変更されたことを可動判定部13に入力し、可動判定部13から出力される可動禁止指令S4によって駆動信号S3の出力を禁止する。光束立上げ期間および調光制御期間が終了すると、可動禁止指令S4を解除することによって駆動信号S3の出力を許可する(禁止指令クリア)。
DCモータ駆動(配光可変)時には、モータ駆動演算用の制御回路22から出力される駆動状況出力S5によって、駆動信号S3が出力されていることを可動判定部13に入力する。可動判定部13によって、駆動信号S3の出力期間中は、電力変化指令S1によるランプ電力指令値Psの変更を禁止する。駆動信号S3の出力期間が終了すると、可動判定部13によって電力変化指令S1によるランプ電力指令値Psの変更を許可する(禁止指令クリア)。
次に放電灯DLの定電力制御およびDCモータ30の駆動制御のフローを図8、図9に示す。図8のフローは電力変換装置1の制御回路10により実行され、図9のフローは配光可変制御装置20の制御回路22により実行される。
ステップF01〜F07、F08〜F15は実施形態1と同じである。以下、実施形態1と異なる機能のみ説明する。
《ランプ定電力制御フロー》
ステップFb1では、調光信号を読み出す。
ステップFb2では、ステップFb1で読み出された信号は関係なく、現在調光制御中であるどうかを判定する。調光制御中でなければステップFb3へ進む。調光制御中であればステップFb7へ進む。
例えば、調光信号を読み出した際に定格35Wのランプを32Wに調光せよという命令だったとする。この場合、急激にランプ電力を落とすとランプが立ち消える場合があるため、35Wより数秒間かけてランプ電力を低減していくと良い。この低減している間は調光制御中であるとして、フラグを立てておく。このフラグをステップFb2の調光制御中であるかどうかの判定に利用する。
ステップFb3では、モータ駆動信号を読み出す。
ステップFb4では、現在モータ30が駆動中かどうかを判定する。駆動中でなければステップFb5へ進む。駆動中であればステップFb6へ進む。
ステップFb5では、現在光束立上げ中か、もしくはステップFb1で読み出された結果が調光制御を必要としているかどうかを判定する。光束立上げ中もしくは調光制御が必要でなければステップFb6へ進む。光束立上げ中もしくは調光制御が必要であればステップFb7へ進む。
ステップFb6では、可動禁止指令S4による駆動信号S3出力の禁止をクリア(駆動許可)し、ステップF08へ進む。
ステップFb7では、調光信号に応じてランプ電力指令値Psを変更する(光束立上げ中の場合はこのフローは実行しない)。
ステップFb8では、可動禁止指令S4により駆動信号S3の出力を禁止し、ステップF08へ進む。
《モータ駆動制御フロー》
ステップFb9では、ステップF21で読み出された信号は関係無く、現在DCモータ30が駆動中かどうか判定する。駆動中でなければステップFb10へ進む。駆動中であればステップFb14へ進む。
ステップFb10では、パルス禁止指令(可動禁止指令S4)を読み込む。本例ではDCモータ30はパルス信号により駆動されるものとする。
ステップFb11では、パルス禁止指令(可動禁止指令S4)により駆動信号S3の出力が禁止されているかどうかを判定する。禁止されていなければステップFb12へ進む。禁止されていればステップFb13へ進む。
ステップFb12では、ステップF21で読み出された結果がモータ駆動制御を必要としているかどうかを判定する。DCモータ30の駆動制御が必要なければステップFb13へ進む。DCモータ30の駆動制御が必要ならばステップFb15へ進む。
ステップFb13では、モータ駆動中信号S5を停止する(モータ駆動中信号S5を出力しない)。
ステップFb14では、パルス禁止指令(可動禁止指令S4)により駆動信号S3の出力が禁止されているかどうかを判定する。禁止されていなければステップFb15へ進む。禁止されていればステップF17へ進む。
ステップFb15では、駆動パルス信号(駆動信号S3)を出力する。
ステップFb16では、モータ駆動中信号S5を出力する。
モータ制御フローにおいて、駆動信号S3の出力中に調光制御信号が入力された場合、進行方向の視界確保のために、駆動信号S3の出力期間終了後に、DCモータ30を初期状態(配光は前方正面)に戻してから、調光制御に移行する制御としてもよい。
以上、実施形態2の構成を採ることにより、実施形態1での効果に加え配光可変制御中に調光による電力変化指令S1が出力されても、配光可変制御用のDCモータ30を停止する必要がないため、車両運転者への幻惑、違和感を軽減することが可能である。
なお、本発明は車両照明だけではなく、可動機構を有する一般照明においても同様の効果を得ることが可能である。したがって、直流電源Eは車載用のバッテリに限定されるものではなく、図7に例示したように、商用交流電源をAC−DCコンバータ(昇圧チョッパ)により直流電圧に変換する構成としても良い。この場合、DC−DCコンバータ2は降圧チョッパの構成とすると良い。
また、配光可変信号入力手段、電力変換装置1と配光可変制御装置20の通信手段としては、アナログ方式、デジタル方式、車載LIN通信、CANやFLEXMY等の通信を用いることが考えられる。
(実施形態3)
図10に実施形態3の回路ブロック図を示す。可動判定部13の出力を受けて、極性反転停止指令部19により極性反転周波数制御部18による極性反転を停止させる点が異なる。また、実施形態3では、配光可変制御装置20の負荷としてステッピングモータ31を用いた例を挙げる。図10のステッピングモータ31は2相励磁式であるが、1−2相励磁式でもよい。
実施形態1でも述べたが、DC−DCコンバータ2の出力電圧をフルブリッジインバータ3によって極性反転したAC電圧(矩形波)を印加することで放電灯DLは点灯される。また、フルブリッジインバータ3の極性反転周波数は、放電灯DLの点灯始動から安定点灯に至るまでに、極性反転周波数制御部18に事前に設定された値である。
本実施形態では、図11に示すように、ステッピングモータ31の駆動信号S3が出力されている期間t7〜t8では、可動判定部13から極性反転停止指令S6を出力してフルブリッジインバータ3の極性反転動作を停止し、放電灯DLをDC電圧で点灯させるものである。なお、この場合のDC電圧の極性はどちらでもよい。
駆動信号S3の出力期間が終了すると、極性反転停止指令S6はクリアされ、フルブリッジインバータ3は極性反転周波数制御部18に設定された値で極性反転動作を継続する。
以上、実施形態3の構成を採ることにより、実施形態1または2の効果に加え、ステッピングモータ31が駆動している期間では、放電が不安定となる極性反転を実施しない(ランプ電流をゼロクロスさせない)ことで、とりわけランプ電流が定格電流よりも低下している場合に、より確実に放電灯の立ち消えを防止することが可能となる。
なお、DC電圧での点灯継続による電極の片減りを極力防ぐために、ステッピングモータ31の駆動信号S3が出力される期間毎にDC電圧の極性を交互に逆極性に設定することで、より長寿命を達成する放電灯点灯装置の実現が可能である。
(実施形態4)
図12に実施形態4の回路ブロック図を示す。実施形態4は実施形態3の図10とマイコン10の内部以外は同じ構成のため、マイコン10の部分のみを示す。本実施形態では、図12に示すように、ステッピングモータ31の駆動信号S3が出力されている期間は、可動判定部13から極性反転周波数変更部18aに対して極性反転周波数変更指令S7を出力してフルブリッジインバータ3の極性反転周波数を設定する極性反転周波数制御部18での周波数設定値を変更するものである。
ランプの立ち消えを防止するために、図13に示すように、ランプ電流値が比較的大きい場合はランプ電流がゼロクロスする回数を減らすように、一方、ランプ電流値が比較的小さい場合は電極温度を高温度に保持するために高い周波数で極性反転するように、ランプ電流値に応じて極性反転周波数を変化させる。
例えば、車載前照灯用ランプでは、ランプ寿命を考慮し、200Hz〜1000Hz程度の範囲内で変化させる。なお、ランプ電流が小さい場合の極性反転周波数の設定については、特願2003−332646号出願において上記効果や周波数設定範囲が開示されている。
以上により、実施形態4の構成とすることで、実施形態1または2の効果に加えて、ステッピングモータが駆動している期間ではランプ電流値に応じて極性反転周波数を変化させるため、ランプ電流値によらずランプの放電が安定するため、放電灯の立ち消えをより確実に防止することが可能となる。
また、実施形態4ではステッピングモータの駆動期間でもフルブリッジインバータを必ず極性反転させるため、実施形態3に比べると、フルブリッジインバータのスイッチング素子を駆動するハイサイドドライバの電源容量を少なくすることが可能であり、更に各極性での点灯時間(正極性側での点灯時間と負極性側での点灯時間)が等しくなるように設定し易いため、電極片減りによる放電灯の寿命低下防止が容易である。
また、図14に示すように、可動許可指令(可動禁止指令S4のクリア)で駆動パルス信号S3の出力が許可されてから実際に駆動パルス信号S3が出力されるまでに時間差t9を設けると共に、極性反転周波数制御部18での周波数設定値の変更は、可動許可指令で駆動パルス信号S3の出力が許可されるのと同時に行うことで、極性反転周波数の変更による放電灯DLの安定点灯を確実に保持してから、配光可変制御を実施することが可能となる。
(実施形態5)
図15および図16に実施形態5の構成を示す。実施形態5は、本発明における電力変換装置と配光可変制御装置の構成例を示す。図15は、配光可変制御装置と電力変換装置が一つのECU(電子制御ユニット)で構成され、配光可変制御装置と電力変換装置はそれぞれ別々のマイコン10,22で駆動制御されるものである。イグナイタ回路4はECUに含まれていても含まれていなくてもよい。
一方、図16は、図15の構成に加え、ランプ点灯制御とモータ駆動制御を1つのマイコン10で行うものである。これらの構成を採ることで、ケースの兼用化、マイコン(MPU)の集約による部品点数削減により、点灯装置の小型化やコスト低減などの効果が期待できる。
一般的に、MPUを集約すると、集約したMPUには高い処理能力が要求されるため、場合によってはコスト増加を招く恐れがあるが、本発明では、放電灯への出力電力を変化させる制御と、配光可変制御を完全に時分割するため、高い処理能力のMPUでなくても良く、したがって、MPUを集約した場合にコスト低減が期待できる。
更に、配光可変制御期間中に、定電力制御ではなく例えば1次電流指令値を完全に固定する制御を用いれば、配光可変制御期間中はフィードバック制御(ランプ電流検出、ランプ電圧検出から1次電流指令値出力までの一連の制御)が不要となり、制御が簡素化されるため、複雑な配光可変制御が必要な場合に有効である。
なお、実施形態1〜4では、電力変換装置1と配光可変制御装置20はそれぞれにマイコン(MPU)を備えた別々のECU(電子制御ユニット)であり、放電灯DLの点灯状況やモータの駆動状況を互いに通信する手段(信号S4,S5の送受手段)を有する方式であるが、実施形態5の図16においては、1つのマイコン(MPU)で配光可変制御期間と出力電力変更制御期間を時分割で制御する方式であるため、通信手段の削減が可能となり、より安価な放電灯点灯装置の実現が可能である。
また、上述の各実施形態に共通することであるが、配光可変制御装置の負荷として、これまでの実施形態で挙げた例の他、ソレノイド等のアクチュエータ、液晶シャッタによる配光可変制御を適用しても、本発明では同じ効果が得られる。
(実施形態6)
図17〜図19に実施形態6の構成を示す。実施形態6では、実施形態1〜5とは配光可変制御装置の負荷の構成が異なる構成例を示す。その他の回路ブロック図は図16の構成と同様である。
図17は、配光可変制御装置の負荷が複数のモータ31a,31bで構成された例である。モータを複数とすることで、放電灯の配光を可変する機構部(例えば反射板)の稼動可能範囲が増えるため、より複雑な配光可変制御が可能となる。例えば、車載前照灯点灯装置においては、モータが1つの場合には、配光を可変できるのは上下方向もしくは左右方向のいずれかのみであるが、モータが2つあれば上下左右方向に配光を可変することが可能となる。しかしながら、配光可変制御装置の負荷が増えると、その駆動を制御する制御回路が複雑化し、より処理能力の高いMPUが必要になる、もしくは複数のMPUが必要になるため、装置の大型化や、コスト増加を招く恐れがある。
本発明では放電灯の定電力制御と配光可変制御を時分割して行うため、配光可変制御装置の負荷が増えた場合でも、上記装置の大型化や、コスト増加等を極力抑えた上で、放電灯の安定点灯を得ることが可能である。
図18、図19は、配光可変制御装置の負荷が補助光源点灯装置25と補助光源26,27で構成された例である。本実施形態では、これまでに示した実施形態における配光可変制御用の駆動信号出力期間が補助光源点灯期間に置き換わる。補助光源としては、図18に示すLED26や、図19に示すハロゲンランプ27などが考えられるが、光源の種類、使用数などの制限は無く、必要な配光に応じて使い分ければよい。または異なる光源の組み合わせ等も考えられる。
図18、図19の構成では、補助光源の点灯/消灯によって配光可変を行うため、実施形態1〜5で示した配光可変制御装置により可動される機構部(例えば反射板)の振動に起因する放電灯DLの立ち消えは発生しない。しかしながら、例えばLEDのように補助光源にも本発明で示した電力変換装置相当の点灯制御が必要な場合は、図17の構成と同じく、制御の複雑化による装置の大型化や、コスト増加の恐れがあるため、本発明の適用による効果が期待できる。
また、補助光源にハロゲンランプ27を用いる場合、図20に示すように、点灯開始直後の突入電流により、電源電圧が低下し、放電灯DLへの出力電力が変動するため放電が不安定になる要因となる(ハロゲンランプに限らず比較的大きな電力を必要とする補助光源を用いる場合も同じ)。しかしながら、LED26もハロゲンランプ27も、安定点灯後はその点灯電力が安定するため、補助光源の点灯が安定している期間であれば、放電灯DLの光束立上げや、調光制御が可能である。したがって、実施形態1の図5で示した調光制御例と同様に、ランプ光束立上げ時や調光制御時などの配光可変制御を停止する期間(駆動信号の出力停止期間)を、補助光源の点灯開始から安定点灯に至るまでの期間(図20のハロゲンランプでは数十ms程度(Ts))に限定してもよい。
(実施形態7)
図21に実施形態7の構成を示す。本実施形態は、配光可変型放電灯点灯装置を車両100の前照灯灯具110に適用したものである。前照灯制御装置120は前照灯DLとその配光可変制御用モータ30とを時分割制御する。車両前照灯に適用する場合、配光可変用の可動部の振動だけでなく、車両走行時に路面状態に応じて車両自体が振動するため、放電灯の振動による立ち消えがより発生しやすい環境にある。従って、車両前照灯として用いる放電灯の安定点灯を維持するために、本発明を適用することで、放電灯の安定点灯を確保できると共に、制御回路の簡素化が可能となる効果がある。
本発明の実施形態1の構成を示すブロック回路図である。 本発明の実施形態1の点灯制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態1の配光可変制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態1の基本動作を示す動作説明図である。 本発明の実施形態1の他の動作を示す動作説明図である。 本発明の実施形態1の光束立上げ動作を示す動作説明図である。 本発明の実施形態2の構成を示すブロック回路図である。 本発明の実施形態2の点灯制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2の配光可変制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態3の構成を示すブロック回路図である。 本発明の実施形態3の基本動作を示す動作説明図である。 本発明の実施形態4の要部構成を示すブロック回路図である。 本発明の実施形態4の基本動作を示す動作説明図である。 本発明の実施形態4の他の動作を示す動作説明図である。 本発明の実施形態5の基本構成を示すブロック回路図である。 本発明の実施形態5の一変形例を示すブロック回路図である。 本発明の実施形態6の配光可変手段の一例を示すブロック回路図である。 本発明の実施形態6の配光可変手段の他の一例を示すブロック回路図である。 本発明の実施形態6の配光可変手段の別の一例を示すブロック回路図である。 本発明の実施形態6の補助光源の特性を示す特性図である。 本発明の実施形態7の車両用前照灯灯具の使用状況を示す説明図である。 従来例の回路図である。
符号の説明
DL 放電灯
1 電力変換装置
10 制御回路
20 配光可変制御装置
22 制御回路
30 DCモータ
S1 電力変化指令
S2 配光可変信号入力
S3 駆動信号
S4 可動禁止指令

Claims (10)

  1. 直流電源を放電灯の点灯に必要な所定電力に変換する電力変換部と、この電力変換部の制御部とを有する電力変換装置と、
    所定の入力信号に応じて放電灯の配光を変化させる配光可変制御装置とを有し、
    前記電力変換装置と配光可変制御装置は各々通信手段を有し、
    電力変換装置により放電灯への出力電力を変化させる制御を実施する期間と、配光可変制御装置により配光を可変する制御を実施する期間とを時分割し、
    放電灯への出力電力を変化させる期間とは、放電灯の光束立上げ時及び放電灯の調光制御期間であることを特徴とする配光可変型放電灯点灯装置。
  2. 放電灯の管電圧が所定値よりも高い場合に、配光可変制御装置により配光を可変する制御を行わないことを特徴とする請求項1記載の配光可変型放電灯点灯装置。
  3. 配光可変制御装置によって放電灯の配光を可変する期間には、電力変換装置の出力を極性反転しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の配光可変型放電灯点灯装置。
  4. 配光可変制御装置によって放電灯の配光を可変する期間には、電力変換装置の出力に応じて電力変換装置の出力を極性反転させる周期が変化することを特徴とする請求項1又は2に記載の配光可変型放電灯点灯装置。
  5. 配光を可変する制御とは、配光可変用アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の配光可変型放電灯点灯装置。
  6. 配光を可変する制御とは、放電灯とは異なる補助光源を点灯させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の配光可変型放電灯点灯装置。
  7. 補助光源はハロゲンランプであり、点灯開始から安定点灯時よりも大電流が流れる所定期間を配光可変制御期間とすることを特徴とする請求項記載の配光可変型放電灯点灯装置。
  8. 配光可変制御装置と電力変化装置が一つの電子制御ユニットで構成され、それぞれの制御用マイコンが同期制御していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の配光可変型放電灯点灯装置。
  9. 放電灯への出力電力を変化する制御と、放電灯の配光を可変する制御とを1つのマイコンで行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の配光可変型放電灯点灯装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の配光可変型放電灯点灯装置を搭載した車両用前照灯灯具。
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