JP5462455B2 - 信号処理装置、レーダ装置、及び信号処理方法 - Google Patents

信号処理装置、レーダ装置、及び信号処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、周波数変調を施したレーダ信号を送信し、前記レーダ信号の送信時と受信時の周波数差を周波数とするビート信号を生成するレーダ送受信機の信号処理装置等に関し、特に、前記レーダ信号の周波数上昇期間における前記ビート信号の第1のピーク周波数と、周波数下降期間における前記ビート信号の第2のピーク周波数とのペアを抽出し、前記第1、第2のピーク周波数に基づいて目標物体の相対距離を検出する信号処理装置等に関する。
近年、車両の走行支援手段として、移動体の相対距離、相対速度をほぼ同時に検出可能なFM−CW(Frequency Modulated-Continuous Wave)方式のレーダ装置が広く用いられる。特許文献1には、車載用レーダ装置として用いられるFM−CW方式のレーダ装置が記載されている。
車載用のFM−CW方式のレーダ装置は、三角波状の周波数変調信号に従ってミリ波長の連続波(電磁波)に周波数変調を施し、これをレーダ信号として走査対象領域に送信する。このとき、送信信号の周波数は、時間に対し直線的な上昇と下降とを反復する。この送信信号が目標物体により反射されると、その反射信号は目標物体の相対距離に応じた時間的遅延と相対速度に応じたドップラシフトの影響を受け、周波数が偏移した状態で受信される。FM−CW方式のレーダ装置は、送受信信号をミキシングして両者の周波数差に対応する周波数(ビート周波数)を有するビート信号を生成する。そして、送信信号の周波数上昇期間(アップ期間)におけるビート周波数と周波数下降期間(ダウン期間)におけるビート周波数を用いて、目標物体の相対距離、相対速度を検出する。
ここで、走査対象領域内に複数の目標物体が存在する場合、受信信号に目標物体ごとの反射信号が含まれる。よって、ビート信号には、目標物体ごとのビート周波数の信号が含まれる。FM−CW方式のレーダ装置は、各目標物体の相対距離、相対速度を検出するために、信号処理装置によりアップ期間とダウン期間のビート信号にFFT(高速フーリエ変換)処理を施して周波数スペクトルを検出する。
図1は、ビート信号の周波数スペクトルの例を示す。図1(A)は、アップ期間でのビート信号の周波数スペクトルBuと、ダウン期間でのビート信号の周波数スペクトルBdを示す。ここでは、説明の便宜のために、走査対象領域に2つの目標物体が存在する場合を想定する。すると、図示するように、アップ期間、ダウン期間のそれぞれで、2つの目標物体に対応する2つの極大値が形成される。このとき、それぞれの極大値はビート周波数α1、α2、β1、β2において形成される。以下では、極大値を形成するビート信号をピーク信号といい、極大値に対応するビート周波数をピーク周波数という。
ここで、目標物体ごとの相対速度、相対距離を算出するために、同一目標物体から得られたアップ期間のピーク周波数とダウン期間のピーク周波数のペアを抽出(ペアリング)する必要がある。FM−CW方式のレーダ装置は、同一物体からは同一レベルの反射信号が得られることから、ピーク信号のレベルが一致する(本明細書では近似する場合を含む)ピーク周波数をペアリングする。すなわち、ピーク周波数α1でのピーク信号のレベルL1と、ピーク周波数β1でのピーク信号のレベルL1が一致することから、ピーク周波数α1、β1をペアリングし、ピーク周波数α2でのピーク信号のレベルL2と、ピーク周波数β2でのピーク信号のレベルL2が一致することから、ピーク周波数α2、β2をペアリングする。
特開2006−145275号公報
ところで、反射断面積が同じ複数の目標物体が同距離に存在することにより反射信号のレベルが一致する場合や、反射断面積と相対距離ともに異なる複数の目標物体であっても反射信号が相対距離に応じて減衰した結果その信号レベルが一致する場合などには、それぞれの目標物体から得られるピーク信号のレベルが一致する。例えば、図1(B)に示すように、アップ期間のピーク周波数α1、α2と、ダウン期間のピーク周波数β1、β2のピーク信号レベルLが一致する。
すると、上記方法によると、ピーク周波数α1とβ1、ピーク周波数α2とβ2、ピーク周波数α1とβ2、そして、ピーク周波数α2とβ1という4通りのペアが成立する。すると、目標物体の相対距離、相対速度を一意に特定できないので、レーダ装置の検出結果に基づいて車両の挙動を制御する際に、誤制御につながるという問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、アップ期間とダウン期間でピーク信号のレベルが一致する場合であっても、精度良くピーク周波数のペアリングを行うことができる信号処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の側面における信号処理装置は、周波数変調を施した第1のレーダ信号と所定周波数の第2のレーダ信号とを送信する送信部と、前記第1のレーダ信号の送信時と受信時の周波数差を周波数とするビート信号を生成するビート信号生成部とを有するレーダ送受信機の信号処理装置であって、前記第1のレーダ信号の周波数上昇期間に前記ビート信号の周波数スペクトルが極大値を形成する第1のピーク周波数と、前記第1のレーダ信号の周波数下降期間に前記ビート信号の周波数スペクトルが極大値を形成する第2のピーク周波数とを検出するピーク周波数検出手段と、前記第2のレーダ信号の送信時と受信時の周波数差に基づいて目標物体の相対速度を検出する速度検出手段と、前記相対速度が導出されるような前記第1、第2のピーク周波数のペアを抽出するペアリング手段と、前記ペアごとに前記第1、第2のピーク周波数に基づいて前記目標物体の相対距離を検出する距離検出手段とを有することを特徴とする。
上記側面によれば、前記第2のレーダ信号の送信時と受信時の周波数差に基づいて目標物体の相対速度を検出する速度検出手段と、前記相対速度が導出されるような前記第1、第2のピーク周波数のペアを抽出するペアリング手段とを有するので、ピーク周波数におけるビート信号のレベルがそれぞれ一致(または近似する)ピーク周波数をペアリングする場合であっても、相対速度という追加的情報を用いることで精度良くペアリングを行うことができる。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図2は、本発明が適用されるレーダ装置の使用状況を説明する図である。FM−CW方式のレーダ装置10は、一例として、車両1の前部フロントグリル内、あるいはバンパー内に搭載され、フロントグリルやバンパー前面に形成されるレドームを透過して車両1前方の走査対象領域A1にレーダ信号(電磁波)を送信し、走査対象領域A1からの反射信号を受信する。
そして、レーダ装置10は、送受信信号からビート信号を生成して、これをマイクロコンピュータなどの信号処理装置により処理することで、走査対象領域A1内の目標物体の相対距離、相対速度、及び方位角度を検出する。目標物体は、例えば車両1の先行車両、対向車や出会い頭に出くわす他車両などである。そして、検出結果に基づいて、車両1の図示されない制御装置が、先行車両に追従走行したり、他車両との衝突を回避したりするように車両1の各種アクチュエータを制御する。
なお、図2に示す使用状況は一例であり、レーダ装置10を車両1の側面に搭載して車両1の側方を監視するために用いたり、車両1の後部に搭載して車両1の後方を監視するために用いたりすることも可能である。あるいは、レーダ装置10を車両1の前側部に搭載して車両1の前側方を監視するために用いたり、車両1の後側部に搭載して車両1の後側方を監視するために用いたりすることも可能である。
[第1の実施形態]
図3は、第1の実施形態におけるレーダ装置の構成を説明する図である。FM−CW方式レーダ装置10はレーダ送受信機30を有し、レーダ送受信機30は、ミリ波長の連続波(電磁波)に周波数変調を施したFM−CW方式のレーダ信号を送信する送信部30aを有する。また送信部30aは、周波数変調を施さない一定周波数のCW(Continuous Wave)方式のレーダ信号を送信する。そして、レーダ送受信機30は、FM−CW方式のレーダ信号とCW方式のレーダ信号のそれぞれを送信したときの送受信信号からビート信号を生成するビート信号生成部としてのミキサ22を有する。また、レーダ装置30は、レーダ送受信機30が生成するビート信号を処理する信号処理装置14を有する。
レーダ送受信機30の送信部30aは、信号処理装置14からの指示に応答して、三角波状の周波数変調信号、または一定のバイアス電圧信号を生成する周波数変調指示部16と、周波数変調指示部16が生成する信号に従ってFM−CW方式またはCW方式のレーダ信号Stを出力する電圧制御発振器(VCO)18と、レーダ信号Stを電力分配する分配器20を有し、さらに、電力分配されたレーダ信号Stの一部を走査対領域A1に向け送信する送信アンテナ11を有する。ここでは、周波数変調指示部16は、三角波の生成を中止することでバイアス電圧信号を生成するので、FM−CW方式用の周波数変調信号を生成する回路構成とCW方式用のバイアス電圧信号を生成する回路構成とを別々に設ける必要がない。よって、回路構成の小型化が可能となる。
また、レーダ送受信機30は、FM−CW方式またはCW方式のレーダ信号の反射信号を受信信号Srとして受信する受信用アンテナ12を有する。
なお、以下の説明では、説明の便宜のため1つの受信用アンテナ12で受信した受信信号Srを例とする。ただし、第1の実施形態のレーダ送受信機30は、位相モノパルス方式、メカニカルスキャン方式のいずれにも適用できる。位相モノパルス方式の場合、レーダ送受信機30は、複数の受信用アンテナを所定間隔で離間して備えるとともに、受信アンテナごとの受信信号を時分割でミキサ22に入力するスイッチ回路を備える。この場合、信号処理装置14は、受信信号のアンテナ間の位相差に基づいて、目標物体の方位角度を求める。一方、メカニカルスキャン方式の場合、レーダ送受信機30は、送信用アンテナ11と受信用アンテナ12とを備えた回動部を往復回動させる機構を備えるとともに、回動部の回動角度を検出するエンコーダを備える。この場合、信号処理装置14は、受信信号を受信したときの回動部の回動角度に基づいて、目標物体の方位角度を検出する。
ビート信号生成部としてのミキサ22は、アンテナ12が受信した受信信号Srと電力分配された送信信号Stの一部とを混合して、送信信号Stと受信信号Srの周波数差に対応するビート周波数を有するビート信号を生成する。以下では、FM−CW方式のレーダ信号を送受信して得られるビート信号をFM−CW方式のビート信号Sbfといい、CW方式のレーダ信号を送受信して得られるビート信号をCW方式のビート信号Sbcという。
ビート信号Sbf、SbcはA/D変換器24にてサンプリングされ、デジタルデータとして信号処理装置14に取り込まれる。
信号処理装置14は、デジタルデータ化されたビート信号Sbf、Sbcに対しFFT処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)などの演算処理装置を有する。この演算処理装置は、FFT手段14bに対応する。このFFT手段14bは、FM−CW方式のビート信号Sbfをアップ期間、ダウン期間ごとにFFT処理し、周波数スペクトルを検出する。また、FFT手段14bは、CW方式のビート信号SbcをFFT処理し、周波数スペクトルを検出する。
また、信号処理装置14は、FFT処理されたビート信号Sbf、Sbcを処理するマイクロコンピュータを有する。マイクロコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する各種処理プログラムや制御プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUが各種データを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)とを有する。
そして、FM−CW方式のレーダ信号とCW方式のレーダ信号の切替を周波数変調指示部16に指示する送信制御手段14a、FM−CW方式のレーダ信号のアップ期間、ダウン期間でビート信号Sbfの周波数スペクトルが極大値を形成するピーク周波数を検出するピーク周波数検出手段14c、CW方式のビート信号Sbcを用いて目標物体の相対速度を検出する速度検出手段14d、アップ期間とダウン期間のピーク周波数のペアを抽出するペアリング手段14e、前記ペアごとにピーク周波数から目標物体の相対距離を検出する距離検出手段14f、アップ期間またはダウン期間のピーク信号を用いて目標物体の方位角度を検出する方位角度検出手段14g、検出した目標物体情報を車両1の制御装置に出力する出力手段14hは、各処理手順を定めたプログラムと、これを実行するCPUにより構成される。
また、信号処理装置14には、図示されない車両1の車速センサから、車速を示す車速信号が入力される。この車速信号から、ペアリング手段14eは自車両の速度を検出する。
図4は、レーダ送受信機30の動作を説明する図である。図4(A)は、送信信号Stの時間(横軸)に対する周波数(縦軸)の変化を示す。まず、レーダ送受信機30の送信部30aは、FM−CW方式のレーダ信号を送信する期間FM−Pと、CW方式のレーダ信号を送信する期間CW−Pを交互に、例えば数十ミリ秒ごとに繰り返す。そして、期間FM−Pでは、FM−CW方式のレーダ信号は、周波数fm(例えば1KHz)の三角波に従って中心周波数f0(例えば76.5GHz)を含む周波数帯域幅ΔF(例えば100MHz)で周波数が直線的に上昇するアップ期間UPと、周波数が直線的に下降するダウン期間DNを交互に繰り返す。また、期間CW−Pでは、CW方式のレーダ信号は、一定周波数f0に保たれる。
図4(B)は、受信信号Srの時間(横軸)に対する周波数(縦軸)を示す。破線で示す受信信号Srの周波数は、実線で示す送信信号Stの周波数に対し相対距離による時間的遅延ΔTと、相対速度に応じたドップ周波数γ分の偏移を受ける。その結果、FM−CW方式の送信信号Stと受信信号Srには、アップ期間UPで周波数差α、ダウン期間DNで周波数差βが生じる。また、CW方式の送信信号Stと受信信号Srには、ドップラ周波数に対応する周波数差γが生じる。
図4(C)は、ビート信号生成部により生成されるビート信号Sbf、Sbcの時間(横軸)に対するビート周波数(縦軸)を示す。FM−CW方式のビート信号Sbfのビート周波数は、アップ期間UPで周波数α、ダウン期間DNで周波数βとなる。また、CW方式のビート信号Sbcのビート周波数は、周波数γとなる。
ここで、FM−CW方式のビート信号のビート周波数α、βと、目標物体の相対速度V、相対距離Rとの間には、次の式で示す関係が成立する。なお、次式においてCは光速である。
R=C・(α+β)/(8・ΔF・fm) …式(1)
V=C・(β−α)/(4・f0) …式(2)
また、CW方式のビート信号のビート周波数γと目標物体の相対速度Veとの間には、次の式で示す関係が成立する。なお、次式においてCは光速である。
Ve=(γ・C)/[2・(f0−γ)] …式(3)
図5は、FFT手段14Bにより検出される、ビート信号Sbf、Sbcの周波数スペクトルを示す。なお、図5では図1と同様、2つの目標物体が存在する場合を例とする。
図5(A)は、FM−CW方式のビート信号Sbfの、アップ期間での周波数スペクトルBuと、ダウン期間で周波数スペクトルBdを示す。図示するように、アップ期間では、2つの目標物体に対応する2つの極大値がピーク周波数α1、α2で形成される。また、ダウン期間では、2つの目標物体に対応する2つの極大値がピーク周波数β1、β2で形成される。
図5(B)は、CW方式のビート信号Sbcの周波数スペクトルを示す。図示するように、2つの極大値がピーク周波数γ1、γ2で形成される。
上記のような周波数スペクトルから、ピーク周波数検出手段14cは、それぞれの極大値に対応するピーク周波数α1、α2、β1、β2、γ1、及びγ2を検出する。
第1の実施形態では、同一の目標物体から得られたFM−CW方式のビート信号Sbf、CW方式のビート信号Sbcをそれぞれ用いて算出される相対速度は一致することを利用して、FM−CW方式のビート信号Sbfにおけるアップ期間のピーク周波数とダウン期間のピーク周波数をペアリングする際に、まず速度検出手段14dが、CW方式のビート信号Sbcのピーク周波数に基づいて目標物体の相対速度を検出する。そして、ペアリング手段14eが、検出した相対速度が得られるようなアップ期間とダウン期間のピーク周波数をペアリングする。そうすることで、アップ期間とダウン期間とでピーク信号のレベルが一致する場合であっても、精度良くペアリングを行うことができる。
ここで、2つの具体的なペアリング方法を説明する。
[相対速度を用いた第1のペアリング方法]
まず、第1の方法として、速度検出手段14dは、上述した式(3)を用いて、ピーク周波数γ1、γ2ごとに相対速度Ve1、Ve2を次のように求める。
Ve1=(γ1・C)/[2・(f0−γ1)]
Ve2=(γ2・C)/[2・(f0−γ2)]
そして、ペアリング手段14eは、上述した式(2)を用い、全てのアップ期間のピーク周波数α1、α2に対し全てのダウン期間のピーク周波数β1、β2を組合せ、組合せごとに相対速度を算出する。その結果、次の相対速度が算出される。
V1=C・(β1−α1)/(4・f0)
V2=C・(β2−α1)/(4・f0)
V3=C・(β1−α2)/(4・f0)
V4=C・(β2−α2)/(4・f0)
そして、ペアリング手段14eは、相対速度Ve1、Ve2と一致する相対速度を相対速度V1、V2、V3、V4から抽出する。そして、抽出された相対速度を導出するときに用いられるアップ期間のピーク周波数とダウン期間のピーク周波数のペアを確定する。
[相対速度を用いた第2のペアリング方法]
次に、第2の方法として、ペアリング手段14eは、ダウン期間のピーク周波数β1、β2を基準として上記の相対速度V1、V2が求められるようなアップ期間のピーク周波数の候補αx1、αx2、αx3、αx4を次のように求める。
αx1=β1−4・f0・Ve1/C
αx2=β1−4・f0・Ve2/C
αx3=β2−4・f0・Ve1/C
αx4=β2−4・f0・Ve2/C
そして、ペアリング手段14eは、算出されたアップ期間のピーク周波数の候補αx1、αx2、αx3、αx4と一致(もしくは近似)するアップ期間のピーク周波数α1、α2を抽出し、ダウン期間のピーク周波数β1、β2と対応付けする。このときの対応関係は、例えば、次のとおりである。
すなわち、αx1=α1かつαx4=α2、または、αx2=α1かつαx3=α2であれば、ピーク周波数α1とβ1、ピーク周波数α2とβ2をそれぞれペアリングする。あるいは、αx1=α2かつαx4=α1、または、αx2=α2かつαx3=α1であれば、ピーク周波数α2とβ1、ピーク周波数α1とβ2をそれぞれペアリングする。
なお、ダウン期間のピーク周波数β1、β2を基準として上記の相対速度V1、V2が求められるようなアップ期間のピーク周波数の候補を逆算する際に、例えば、過去に検出されたダウン期間のピーク周波数とそのときの相対距離との対応関係の履歴を参照し、それぞれに近似するダウン期間のピーク周波数β1、β2と相対速度V1、V2とを対応づけることで、ダウン期間のピーク周波数β1、β2と相対速度V1、V2の対応関係を固定する。
すなわち、ダウン期間のピーク周波数β1と相対速度V1が固定され、かつ、ダウン期間のピーク周波数β2と相対速度V2が固定される場合には、上記のアップ期間のピーク周波数の候補αx1とαx4とが算出される。よって、その場合には、アップ期間のピーク周波数の候補αx1、αx4とアップ期間のピーク周波数α1、α2とでマッチングを行う。あるいは、ダウン期間のピーク周波数β1と相対速度V2が固定され、かつ、ダウン期間のピーク周波数β2と相対速度V1が固定される場合には、上記のアップ期間のピーク周波数の候補αx2とαx3とが算出される。よって、その場合には、アップ期間のピーク周波数の候補αx2、αx3とアップ期間のピーク周波数α1、α2とでマッチングを行う。そうすることにより、上記処理を簡略化でき、スループットを向上できる。
このようにして、同一の目標物体から得られたアップ期間のピーク周波数とダウン期間のピーク周波数とがペアリングできる。そうすることで、それぞれのペアにおいて、距離検出手段14fは、上述した式(1)により目標物体の相対距離R1、R2を求めることができる。
また、アップ期間のピーク周波数はダウン期間のピーク周波数より低周波になるので、ビート信号がいわゆる直流成分のノイズに埋もれやすい。その場合には、極大値が形成されないので、ピーク周波数が検出されない。よって、上記の第2の方法のようにダウン期間のピーク周波数を基準としてアップ期間のピーク周波数の候補を算出することで、ビート信号がノイズに埋もれた場合でもアップ期間のピーク周波数を特定して検出することができる。ただし、上記の方法によれば、アップ期間のピーク周波数を基準としてダウン期間のピーク周波数を検索することももちろん可能である。
図6は、上記のペアリング処理を含む信号処理装置14の動作手順を説明するフローチャート図である。図6(A)に示す手順は、CW方式のレーダ信号が送信されるごとに実行される。まずFFT手段14Bが、ビート信号SbをFFT処理する(S2)。そして、その結果から、ピーク周波数検出手段14cは、ピーク周波数を検出する(S4)。次に、速度検出手段14dは、ピーク周波数ごとに相対速度を検出する(S6)。そして、検出した相対速度を、信号処理装置14内のRAMに格納する。
図6(B)に示す手順は、FM−CW方式のレーダ信号における1変調周期、つまり1対のアップ期間とダウン期間ごとに実行される。まず、FFT手段14Bは、ビート信号SbをFFT処理する(S12)。そして、その結果から、ピーク周波数検出手段14cは、アップ期間とダウン期間でピーク周波数を検出する(S14)。
次に、ペアリング手段14eは、ダウン期間のピーク周波数ごとに、図6(A)の手順S6で検出された相対速度になるようなアップ期間のピーク周波数を検索して、ペアリングを行う(S18)。
そして、方位角度検出手段14gは、アップ期間のピーク信号を用いて、目標物体の方位角度を検出する(S19)。このとき、位相モノパルス方式の場合には、例えば複数の受信用アンテナについてアップ期間のピーク信号の位相差を求め、位相差と信号波長、及びアンテナ間隔とを用いて目標物体の方位角度を検出する。また、メカニカルスキャン方式の構成の場合には、アップ期間のピーク信号のレベルが回動部の回動角度方向において極大値を形成するときの回動角度を、目標物体の方位角度として検出する。
そして、距離検出手段14fは、ペアリングされたアップ期間のピーク周波数とダウン期間のピーク周波数とを用いて、相対距離を検出する(S20)。
このようにして、目標物体の方位角度、相対速度、相対距離が検出されると、出力手段14hは、検出結果の出力可否を判断する。ここでは、検出結果の連続性履歴が一定回数以上接続された目標物体の情報を、出力可と判断する。また、複数の目標物体が検出された場合には、相対距離が一定以下、あるいは相対速度が一定以上といった基準に基づいて、危険度の高い目標物体を優先的に出力可と判断する。そして、出力可と判断した目標物体の情報を車両の制御装置に向けて出力する(S22)。
図7は、ペアリング処理(図6(B)の手順S18)の第1の手順例を説明するフローチャート図である。上記第1のペアリング方法に対応する。図5に示したピーク周波数を用いて説明する。
ペアリング手段14eは、全てのアップ期間のピーク周波数α1、α2に対し(S130、S138)、全てのダウン期間のピーク周波数β1、β2を組合せ(S132、S136)、組合せごとに相対速度V1、V2、V3、V4を算出する(S134)。
次に、ペアリング手段14eは、CW方式のビート信号Sbcのピーク周波数γ1、γ2を用いて算出された全ての相対速度Ve1、Ve2のうち自車両の速度より大きい相対速度について、(S140、S141のYES、S148)、手順S134で算出した相対速度V1、V2、V3、V4を照合し(S142、S143、S146)、相対速度が一致するペアを確定する(S144)。
このような手順によれば、アップ期間、ダウン期間のピーク信号のレベルが一致している場合であっても、精度良くペアリングを行うことができる。また、手順S141において自車両の速度より大きい相対速度を選別することで、車両の挙動を制御する対象としてはより危険度の高い目標物体を優先的に出力することが可能となる。よって、図6(B)の手順S22で、出力手段14hが優先度の高い目標物体情報を車両の制御装置側の出力する際に、車両の挙動を制御する対象としてより危険度の高い目標物体を優先的に出力することが可能となる。
図8は、ペアリング処理(図6(B)の手順S18)の第2の手順例を説明するフローチャート図である。上記第2のペアリング方法に対応する。図5に示したピーク周波数を用いて説明する。
ペアリング手段14eは、CW方式のビート信号Sbcのピーク周波数γ1、γ2を用いて算出された全ての相対速度V1、V2のうち、自車両の速度より大きい相対速度について、手順S32〜S40のループを実行する(S30、S31のYES、S42)。そして、手順S32〜S40のループでは、ダウン期間の全てのピーク周波数β1、β2について、算出された相対速度が求められるようなアップ期間のピーク周波数の候補αx1〜4を算出する(S34)。なお、このときダウン期間のピーク周波数β1、β2と相対速度との関係を固定するために過去の検出履歴を参照することも可能である。そして、ダウン期間のピーク周波数β1、β2と相対速度との関係を固定した場合には、アップ期間のピーク周波数の候補αx1、4またはαx2、3が算出される。
そして、ピーク周波数の候補αx1〜4(またはαx1、4、もしくはαx2、3)と一致するピーク周波数をピーク周波数α1、α2から抽出し(S36)、ダウン期間のピーク周波数と抽出したアップ期間のピーク周波数をペアリングする(S38)。
このような手順によれば、アップ期間、ダウン期間のピーク信号のレベルが一致している場合であっても、精度良くペアリングを行うことができる。その際、手順S31において自車両の速度より大きい相対速度を選別する。そうすることで、図6(B)の手順S22で、出力手段14hが優先度の高い目標物体情報を車両の制御装置側の出力する際に、車両の挙動を制御する対象としてより危険度の高い目標物体を優先的に出力することが可能となる。さらに、図8の手順は、ピーク周波数の全ての組合せについて相対速度を算出する図7の手順に比べて、信号処理装置14の全体としての処理負荷が軽減できる。よって、車両側の制御装置へ目標物体情報を出力するスループットが向上する。
なお、図7の手順S144においてCWモードのビート信号Sbcを用いて算出した相対速度と一致するペアが検出されない場合、あるいは、図8の手順S36においてダウン期間のピーク周波数のペアとなるアップ期間のピーク周波数が検出されない場合には、クロスオーバが発生している可能性がある。ここで、クロスオーバとは、目標物体の相対速度が大きくなるとアップ期間における送受信信号における周波数の大小関係が逆転し、通常であれば送信信号の周波数から受信信号の周波数を差し引いた正の値であるアップ期間のビート周波数が、負の値となることをいう。
クロスオーバが生じると、FFT手段14Bは正の値の周波数スペクトルを検出するので、負の値の周波数は符号が逆転した正の値の周波数として検出される。その結果、ピーク周波数検出手段14cは、実際のアップ期間のビート周波数(負の値)の符号が逆転したピーク周波数(正の値)を検出する。しかし、かかるアップ期間のピーク周波数は、実際の相対速度を反映していないので、上記方法によってはペアリングの対象として検出できない。
かかる場合を考慮し、ペアリング手段14eは、図9、図10に示す変形例の手順を実行する。
図9は、図7に示したペアリング手段14eによるペアリング処理手順に基づく変形例を説明するフローチャート図である。図9には、手順S140以降の手順が示される。ペアリング手段14eは、手順S143においてペアが検出されない場合には(S143aのNO)、アップ期間のピーク周波数の符号を反転させたピーク周波数を用いて相対速度V1、V2、V3、V4を再計算し、その中から再度検出を行う(S143b)。そして、相対速度が一致するペアをペアリングする(S144)。
また、図10は、図8に示したペアリング手段14eによるペアリング処理手順に基づく変形例を説明するフローチャート図である。ペアリング手段14eは、手順S36においてアップ期間のピーク周波数が検出されない場合には(S37aのNO)、アップ期間のピーク周波数の符号を反転させたピーク周波数の中から再度検出を行う(S37b)。そして、抽出したピーク周波数をペアリングする(S38)。
このような手順によれば、アップ期間とダウン期間でピーク信号のレベルが一致している場合において、さらにクロスオーバが生じたときであっても、精度良くペアリングを行うことができる。
ここで、方位角度検出について説明する。図6(B)の手順16において、方位角度検出手段14gは、アップ期間のピーク信号を用いて目標物体の方位角度を検出した。ここで、位相モノパルス方式の場合には、複数の目標物体から得られたアップ期間のビート信号が同じビート周波数を有すると、ピーク周波数において複数のピーク信号が重複する場合がある。すると、ピーク信号の位相に誤差が生じるため、ピーク信号の位相差から正確な方位角度が検出できない。そこで、上記手順でペアリングを実行した結果、1つのアップ期間のピーク周波数が複数のダウン期間のピーク周波数とペアリングされた場合には、複数のアップ期間のピーク信号が重複している可能性がある。かかる状況では、アップ期間のピーク周波数とダウン期間のピーク周波数の数が一致しない。よって、方位角度検出手段14gは、ピーク周波数の数が多い方の、(この場合にはダウン期間の)ピーク信号を用いて方位角度を検出する。
上述の手順によれば、複数の目標物体から得られたアップ期間でのピーク信号が重複した場合であっても、それぞれを正しいダウン期間のピーク周波数とペアリングさせることができる。そして、ダウン期間のピーク信号を用いて方位角度を検出することで、方位角度の検出精度の低下を防止できる。
なお、上記の変形例の手順は、図6(B)の手順S19においてアップ期間のピーク信号を用いて方位角度を検出する場合のものであるが、手順S19においてダウン期間のピーク信号を用いて方位角度を検出する場合には、アップ期間とダウン期間を反対にした手順を実行することが可能である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態のレーダ装置10では、レーダ送受信機30の送信部30aは、FM−CW方式、CW方式のレーダ信号に加え、パルス信号をレーダ信号として送信する。
図11は、第2の実施形態におけるレーダ装置の構成図である。レーダ送受信機30の送信部30aは、パルス発振器18aと、送信制御手段14aからの指示信号の出力先を周波数変調指示部16またはパルス発振器18aに切り替えるスイッチSWとを有する。
送信制御手段14aは、スイッチSWの出力先を周波数変調指示部16に切り替えることで周波数変調を指示する信号を周波数変調指示部16に入力する。このとき、レーダ送受信機30は、第1の実施形態に示した動作を実行する。一方、送信制御手段14aは、スイッチSWの出力先をパルス発振器18bに切り替えることで、パルスの発振を指示する信号をパルス発振器18bに入力する。すると、パルス発信器18bが発振したパルス信号は、送信用アンテナ11から送信される。
図12は、第2の実施形態における送信信号Stの時間(横軸)に対する周波数(縦軸)の変化を示す。図示するように、レーダ送受信機30の送信部30aは、CW方式のレーダ信号を送信する期間CW−P中に、パルス信号SPを送信する。そして、目標物体により反射されたパルス信号SPは、相対距離の往復時間分遅延して受信用アンテナ12により受信される。ここでは、2つの目標物体によりΔT1遅延して受信される場合と、ΔT2遅延して受信される場合を示す。
すると、2つの目標物体の相対距離Re1、Re2は、次の式により求めることができる。但し、Cは光速である。
Re1=ΔT1・C/2
Re2=ΔT2・C/2
第2の実施形態では、ペアリング手段14eがFM−CW方式のビート信号のピーク周波数をペアリングするときに、CW方式のビート信号を用いて検出した相対速度に加え、パルス信号により検出した相対距離を用いてペアリングを行う。
ここで、相対距離を用いてペアリングを行う方法としては、第1の実施形態で示した2つの方法を応用できる。図5に示したのピーク周波数を例にして、2つの方法について説明する。
[相対距離を用いた第1のペアリング方法]
まず第1に、アップ期間とダウン期間のピーク周波数の全ての組合せ、つまりピーク周波数α1とβ1、ピーク周波数α2とβ2、ピーク周波数α1とβ2、そして、ピーク周波数α2とβ1における相対距離を上述した式(1)により次のように算出する。
R1=C・(α1+β1)/(8・ΔF・fm)
R2=C・(α1+β2)/(8・ΔF・fm)
R3=C・(α2+β1)/(8・ΔF・fm)
R4=C・(α2+β2)/(8・ΔF・fm)
そして、上記のR1、R2、R3、R4から、パルス信号を用いて検出した相対距離Re1、Re2と一致するペアを確定する方法が可能である。
[相対距離を用いた第2のペアリング方法]
第2に、ダウン期間のピーク周波数β1、β2を基準にして、パルス信号を用いて検出した相対速度Re1、Re2が得られるようなアップ期間のピーク周波数の候補を上述した式(1)を用いて求め、候補と一致するピーク周波数をα1、α2から検出する方法が可能である。
すなわち、ダウン期間のピーク周波数β1、β2と相対速度Re1、Re2のすべての組合せについてアップ期間のピーク周波数の候補を求める場合は、次の4通りの候補が求められる。
αy1=4・Re1・ΔF・fm/C−β1
αy2=4・Re2・ΔF・fm/C−β1
αy3=4・Re1・ΔF・fm/C−β2
αy4=4・Re2・ΔF・fm/C−β2
この場合、アップ期間のピーク周波数の候補αy1〜4とアップ期間のピーク周波数α1、α2とのマッチングを行い、一致するものを抽出する。
あるいは、上述した第1の実施形態の場合と同様に、過去に検出されたダウン期間のピーク周波数と相対距離との対応関係に基づいてダウン期間のピーク周波数β1、β2と相対距離Re1、Re2との対応関係を固定した場合には、上記候補のうちαy1、α4とアップ期間のピーク周波数α1、α2とのマッチング、またはαy2、α3とアップ期間のピーク周波数α1、α2とのマッチングを行うことで、ペアリングを行うことができる。
図13は、第2の実施形態における信号処理装置14の動作手順を説明するフローチャート図である。このフローチャート図は、図6で示した第1の実施形態におけるフローチャート図と、次の点が異なる。すなわち、図13(A)において、距離検出手段14fは、目標物体の相対距離を検出する(S8)。そして、図13(B)において、ペアリング手段14eは、目標物体の相対速度に加え相対距離を用いてペアリングを行う(S18a)。
図14は、手順S18aで第1の実施形態に示した相対速度を用いたペアリングに加え、相対距離を用いたペアリングを実行する場合のフローチャート図である。ペアリング手段14eは、図7または図8で示した相対速度を用いたペアリング処理を実行し(S181)、ペアリング結果を信号処理装置14内のRAMに格納する(S182)。そして、上述した第1、第2の方法のいずれかにより、相対距離を用いたペアリング処理を行う(S183)。そして、手順S181のペアリング結果と手順S183のペアリング結果を照合し(S184)、一致した結果を出力する(S185)。
このような手順によれば、相対速度、相対距離の2つの追加的情報によりペアリングを行うことができ、より精度の高いペアリングが可能となる。
上記の手順S183では、ペアリング手段14eは、上記第1、または第2の方法に対応する手順を実行する。第1の方法の場合には、図15に示すフローチャート図の手順を実行する。すなわち、ペアリング手段14eは、全てのアップ期間のピーク周波数α1、α2に対し(S230、S238)、全てのダウン期間のピーク周波数β1、β2を組合せ(S232、S236)、組合せごとに相対距離R1、R2、R3、R4を算出する(S234)。そして、ペアリング手段14eは、パルス信号を用いて検出された全ての相対距離Re1、Re2について、(S240、S248)、相対距離R1、R2、R3、R4を照合し(S242、S243、S246)、相対距離が一致するペアを確定する(S244)。
また、第2の方法の場合には、ペアリング手段14eは、図16に示すフローチャート図の手順を実行する。すなわち、ペアリング手段14eは、パルス信号を用いて算出された全ての相対距離R1、R2について、手順S332〜S340のループを実行する(S330、S342)。そして、手順S332〜S340のループでは、ダウン期間の全てのピーク周波数β1、β2について、算出された相対距離が求められるようなアップ期間のピーク周波数の候補αy1〜4(またはαy1、4、もしくはαy2、3)を算出する(S334)。そして、ピーク周波数の候補αy1〜4(またはαy1、4、もしくはαy2、3)と一致するピーク周波数をピーク周波数α1、α2から抽出し(S336)、ダウン期間のピーク周波数と抽出したアップ期間のピーク周波数をペアリングする(S338)。
上述の手順のほかに、ペアリング手段14eは、まず相対速度によるペアリングを実行し、複数の目標物体の相対速度が近似している場合に、相対距離を基準としてペアリングを行うことが可能である。すなわち、相対速度によるペアリングが可能なときは相対速度によるペアリングを行って相対距離によるペアリングを省略し、相対速度によるペアリングが困難なときは相対距離によるペアリングを行う。そうすることで、信号処理装置14全体としての処理量を軽減するとともに、精度が良いペアリングが可能となる。
さらに、次のような場合に相対距離を用いてペアリングを行うことが可能である。例えば、目標物体が自車両と同速度で移動しているときは、相対速度が発生しない。よって、そのような場合には、FM−CWモードのビート信号Sbfにおけるピーク周波数の数より、CWモードのビート信号Sbcにおけるピーク周波数の数が少なくなる。かかる場合に、ペアリング手段14eは、相対距離を基準としてペアリングを行う。そうすることで、より確実なペアリングが可能となる。
以上の説明では、便宜上、2つの目標物体から2つのピーク周波数が検出される場合を例としたが、ピーク周波数の数は3つ以上であってもよい。従来技術ではピーク周波数の数が増加するほどペアリングが困難となるが、上述の実施形態によればピーク周波数の数が増加しても精度のよいペアリングが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、アップ期間とダウン期間でピーク信号のレベルが一致する場合であっても、精度良くピーク周波数のペアリングを行うことができる。
ビート信号の周波数スペクトルの例を示す図である。 本発明が適用されるレーダ装置の使用状況を説明する図である。 第1の実施形態におけるレーダ装置の構成を説明する図である。 レーダ送受信機30の動作を説明する図である。 FFT手段14Bにより検出される、ビート信号Sbf、Sbcの周波数スペクトルを示す図である。 ペアリング処理を含む信号処理装置14の動作手順を説明するフローチャート図である。 ペアリング処理(図6(B)の手順S18)の第1の手順例を説明するフローチャート図である。 ペアリング処理(図6(B)の手順S18)の第2の手順例を説明するフローチャート図である。 図7に示したペアリング手段14eによるペアリング処理手順に基づく変形例を説明するフローチャート図である。 図8に示したペアリング手段14eによるペアリング処理手順に基づく変形例を説明するフローチャート図である。 第2の実施形態におけるレーダ装置の構成図である。 第2の実施形態における送信信号Stの時間(横軸)に対する周波数(縦軸)の変化を示す図である。 第2の実施形態における信号処理装置14の動作手順を説明するフローチャート図である。 手順S18aで相対距離を用いたペアリングを実行する場合のフローチャート図である。 ペアリング処理(図14の手順S183)の第1の手順例を説明するフローチャート図である。 ペアリング処理(図14の手順S183)の第2の手順例を説明するフローチャート図である。
符号の説明
10:レーダ装置、14:信号処理装置、14c:ピーク周波数検出手段、14d:速度検出手段、14e:ペアリング手段、14f:距離検出手段、14g:方位角度検出手段、30:レーダ送受信機、30a:送信部

Claims (7)

  1. 周波数が上昇及び下降する周波数変調を施した第1のレーダ信号と所定周波数の第2のレーダ信号と矩形状の第3のレーダ信号とを送信する送信部と、前記第1のレーダ信号の送信時と受信時の周波数差を周波数とする第1のビート信号と前記第2のレーダ信号の送信時と受信時の周波数差を周波数とする第2のビート信号とを生成するビート信号生成部とを有するレーダ送受信機の信号処理装置であって、
    前記第1のレーダ信号の周波数上昇期間に前記ビート信号の周波数スペクトルが極大値を形成する第1のピーク周波数と、前記第1のレーダ信号の周波数下降期間に前記ビート信号の周波数スペクトルが極大値を形成する第2のピーク周波数とを検出するピーク周波数検出手段と、
    前記第2のビート信号の周波数に基づいて目標物体の相対速度を検出する速度検出手段と、
    前記相対速度が導出されるような前記第1、第2のピーク周波数のペアを抽出するペアリング手段と、
    前記ペアごとに前記第1、第2のピーク周波数に基づいて前記目標物体の相対距離を検出し、前記第3のレーダ信号の送信時と受信時の時間差である往復時間を検出し、前記往復時間に基づいて前記目標物体の相対距離を検出する距離検出手段とを有し、
    前記ペアリング手段は、
    前記第1、第2のピーク周波数のいずれか一方のピーク周波数と前記相対速度とに基づき、当該相対速度が導出される前記第1、第2のピーク周波数の他方のピーク周波数を抽出する、相対速度を用いたペアリングを行い、
    前記第1、第2のピーク周波数の全ての組み合わせ候補の中から、または前記第1、第2のピーク周波数のいずれか一方と前記第3のレーダ信号の往復時間に基づいた相対距離との全ての組み合わせ候補の中から、前記第1、第2のピーク周波数のいずれか一方のピーク周波数と前記第3のレーダ信号の往復時間に基づいた相対距離とに基づき、当該相対距離が導出される前記第1、第2のピーク周波数の他方のピーク周波数を抽出する、相対距離を用いたペアリングを行うことを特徴とする信号処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記ペアリング手段は、前記他方のピーク周波数が検出されていないときには、前記一方のピーク周波数と前記相対速度とに基づき、当該相対速度が導出されるような前記第1のビート信号の周波数を前記他方のピーク周波数として抽出することを特徴とする信号処理装置。
  3. 請求項1において、
    前記ペアリング手段は、前記第1、第2のピーク周波数のペアが抽出できないときには、当該第1のピーク周波数の符号を反転した第3のピーク周波数を導出し、前記相対速度が導出されるような前記第3のピーク周波数と前記第2のピーク周波数のペアを抽出することを特徴とする信号処理装置。
  4. 請求項1において、
    車両に搭載され、
    前記ペアリング手段は、前記車両の速度より大きい前記相対速度が導出されるような前記第1、第2のピーク周波数のペアを抽出することを特徴とする信号処理装置。
  5. 請求項1において、
    前記第1、第2のピーク周波数の数が互いに一致しないときには、ピーク周波数の数が多い方のビート信号に基づいて前記目標物体の方位角度を検出する方位角度検出手段をさらに有することを特徴とする信号処理装置。
  6. 請求項1乃至5に記載のレーダ送受信機と信号処理装置とを有するレーダ装置。
  7. 周波数が上昇及び下降する周波数変調を施した第1のレーダ信号と所定周波数の第2のレーダ信号と矩形状の第3のレーダ信号とを送信するレーダ送受信機により生成された前記第1のレーダ信号の送信時と受信時の周波数差を周波数とする第1のビート信号と前記第2のレーダ信号の送信時と受信時の周波数差を周波数とする第2のビート信号とを処理する信号処理方法であって、
    前記第1のレーダ信号の周波数上昇期間に前記ビート信号の周波数スペクトルが極大値を形成する第1のピーク周波数と、前記第1のレーダ信号の周波数下降期間に前記ビート信号の周波数スペクトルが極大値を形成する第2のピーク周波数とを検出するピーク周波数検出工程と、
    前記第2のビート信号の周波数に基づいて目標物体の相対速度を検出する速度検出工程と、
    前記相対速度が導出されるような前記第1、第2のピーク周波数のペアを抽出するペアリング工程と、
    前記ペアごとに前記第1、第2のピーク周波数に基づいて前記目標物体の相対距離を検出し、前記第3のレーダ信号の送信時と受信時の時間差である往復時間を検出して前記往復時間に基づいて前記目標物体の相対距離を検出する距離検出工程とを有し、
    前記ペアリング工程では、
    前記第1、第2のピーク周波数のいずれか一方のピーク周波数と前記相対速度とに基づき、当該相対速度が導出される前記第1、第2のピーク周波数の他方のピーク周波数を抽出する、相対速度を用いたペアリングを行い、
    前記第1、第2のピーク周波数の全ての組み合わせ候補の中から、または前記第1、第2のピーク周波数のいずれか一方と前記第3のレーダ信号の往復時間に基づいた相対距離との全ての組み合わせ候補の中から、前記第1、第2のピーク周波数のいずれか一方のピーク周波数と前記第3のレーダ信号の往復時間に基づいた相対距離とに基づき、当該相対距離が導出される前記第1、第2のピーク周波数の他方のピーク周波数を抽出する、相対距離を用いたペアリングを行うことを特徴とする信号処理方法。
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