JP5455296B2 - 白色ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
本発明の白色ポリエステルフィルムは、ポリオレフィン5〜40重量部およびポリエステル60〜95重量部からなり、好ましくはポリオレフィン5〜30重量部およびポリエステル70〜95重量部からなる。ポリオレフィンが5重量部未満であると、得られる白色ポリエステルフィルムの光線反射率や白色度が十分でなく、40重量部を超えるとポリオレフィンの分散が不良となり、白色ポリエステルフィルムを得ることが困難になる。
本発明において、ポリオレフィンはポリエステルと非相溶であり、ポリエステル中で微細な粒状として分散している。このようなポリエステル組成物をシート化し、延伸することでポリエステル中に分散したポリオレフィンとポリエステルとの間に界面剥離が生じてボイドが発生する。ボイドはその界面で光を反射するので、白色のフィルムが得られる。
本発明において、ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートを挙げることができる。ポリエステルは、これらの共重合体であってもよい。これらポリエステルの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートがフィルムとしての特性が良好で好ましく、さらにポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。ポリエチレンテレフタレートは共重合してもかまわないが、ポリエステル構成単位の85モル%以上がエチレンテレフタレート単位であることが好ましい。エチレンテレフタレート単位が85モル%未満である場合、白色フィルムの機械特性が不十分になりやすい。
上記のポリエステルとポリオレフィンの組成物には、ポリオレフィンの分散性を改善するために、ポリアルキレングリコールを添加することが好ましい。ポリアルキレングリコールとしては、例えばポリエチレングリコールを用いることができる。ポリオレフィンの良好な分散性を得るために、ポリアルキレングリコールの配合量は、ポリエステルとポリオレフィンの組成物100重量部に対して、例えば0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。
なお、ポリエステルには必要に応じて、酸化防止剤、粒子などの滑剤、顔料、染料、熱安定剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等、各種添加してもかまわない。
本発明の白色ポリエステルフィルムは、以下に定義される巻き癖指数45mm以下を達成することができる。巻き癖指数が45mmを超えると、フィルムを裁断し、所定の形状に折り曲げる等の加工工程でのハンドリング性が劣り、反射板を組み込んだバックライトユニットの生産性が劣ることになる。巻き癖指数のより好ましい範囲は30mm以下である。巻き癖指数の定義、測定方法は実施例に後述する。
また、本発明の白色ポリエステルフィルムは、光線反射率が95%以上、さらには97%以上を達成することができる。
本発明の白色ポリエステルフィルムは単層でもよいが、光学特性と機械特性を両立するために、他の層と積層してもしくは本発明のフィルム同士を積層して、積層構造とすることが好ましい。積層構造は、例えばA/Bの2層積層でもA/B/Aの3層積層でもよく、さらに多層であってもかわない。A/BまたはA/B/Aの積層フィルムとする場合、A層には無機粒子を1〜25重量%含有するポリエステル組成物を用いることが好ましい。無機粒子としては、例えば酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素を用いることができる。このような無機粒子含有ポリエステル組成物は、無機粒子とポリエステルとを2軸混練押出機で溶融混練したり、ポリエステル重合中に粒子を添加することで得ることができる。
本発明における重量平均分子量45000〜65000のポリエステルは、通常の溶融重合で得られたポリマーに、例えば、さらに固相重合を施したポリマーを用いることにより得ることができる。固相重合に供給するポリエステルのチップには、予め固相重縮合を行なう温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行なってもよい。このような予備乾燥(結晶化)は、例えば100〜180℃、好ましくは120〜160℃の温度に、例えば30分〜4時間加熱して行なうことができる。また、ポリエステルのチップを水蒸気または水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で、例えば100〜180℃の温度に30秒間以上加熱して行なうこともできる。
(1)フィルム厚み
フィルムサンプルをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて、10点厚みを測定し、平均値をフィルムの厚みとした。
サンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。そして、包埋されたサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を50nm厚の薄膜切片にした後、透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kvにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定し、平均厚みを求めた。
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO4白板を100%とした時の反射率を波長400〜700nmにわたって測定した。得られたチャートより2nm間隔で反射率を読み取り、上記の範囲内で平均値を求めた。
白色ポリエステルフィルム1mgにHFIP:クロロホルム(1:1)0.5mlを加えて溶解(一晩)させ、測定直前にクロロホルムを9.5mlを加えて、メンブレンフィルター0.45μmでろ過しGPC分析を行った。測定機器、条件は以下の通りである。
GPC:HLC−8020 東ソー製
検出器:UV−8010 東ソー製
カラム:TSK−gelGMHHR・M×2 東ソー製
移動相:HPLC用クロロホルム
流速:1.0ml/min
カラム温度:40℃
検出器:UV(254nm)
注入量:200μl
較正曲線用試料:ポリスチレン(Polymer Laboratories製EasiCal“PS−1”)
白色ポリエステルフィルムを10mm幅×150mm長さの短冊状に切り出し、直径1インチの紙管に巻き付け、常温、相対湿度55%にて24時間保管した後解放し、上に凹になるように平板に置いた際に観察される浮き上りを測定した。紙管への巻きつけは、片層を内面側にして巻くもの3本、反対側にして巻くもの3本として合計6サンプルについて測定し、浮き上りの大きい方から3サンプルの平均をとった。その平均値をmmで表した数値をフィルムの巻き癖指数とした。
オルトクロロフェノール溶媒に加熱溶解させ25℃で測定した。
縦方向2.9〜3.4倍、横方向3.5〜3.7倍に延伸して製膜し、安定に製膜できるか観察した。下記基準で評価した。
○:1時間以上安定に製膜できる
△:10分間以上1時間未満の間に切断が生ずる。
×:10分間以内に切断が発生し、安定な製膜ができない。
HORIBA製LA−750パーティクルサイズアナライザー(Particle Size Analyzer)を用いて測定した。50マスパーセントに相当する粒子径を読み取り、この値を平均粒子径とした。なお、各粒子の粒子断面が円形でない場合には、粒子の長径と短径との平均をその粒子の粒子径とした。
エステル交換反応容器にジメチルテレフタレートを100重量部、エチレングリコールを61重量部、酢酸マグネシウム四水塩を0.06重量部仕込み、150℃に加熱して溶融し撹拌した。反応容器内温度をゆっくりと235℃まで昇温しながら反応を進め、生成するメタノールを反応容器外へ留出させた。メタノールの留出が終了したらトリメチルリン酸を0.02重量部添加した。トリメチルリン酸を添加した後、反応物を重合装置に移行した。ついで重合装置内の温度を235℃から290℃まで90分かけて昇温し、同時に装置内の圧力を大気圧から100Paまで90分かけて減圧した。重合装置内容物の撹拌トルクが所定の値に達したら装置内を窒素ガスで大気圧に戻して重合を終了した。重合装置下部のバルブを開いて重合装置内部を窒素ガスで加圧し、重合の完了したポリエチレンテレフタレートをストランド状にして水中に吐出した。ストランドはカッターによってチップ化した。このようにして固有粘度が0.65dl/gであるポリエチレンテレフタレートのポリマーを得た。これをPET−Aと称する。
参考例1で得られたポリマー(PET−A)を150〜160℃で3時間予備乾燥した後、210℃、100トール、窒素ガス雰囲気下で2時間固相重合を行った。固相重合後の固有粘度は0.70dl/gであった。これをPET−Bと称する。
参考例1で得られたポリマー(PET−A)を150〜160℃で3時間予備乾燥した後、210℃、100トール、窒素ガス雰囲気下で15時間固相重合を行った。固相重合後の固有粘度は1.00dl/gであった。これをPET−Cと称する。
参考例2で得られたPET−Bを95重量部、ポリ−4−メチルペンテン−1(メルトフローレート25g/10分)5重量部をブレンドし、2軸混練機に供給して280℃で溶融した。これに、分散剤として分子量4000のポリエチレングリコールを1重量部添加し溶融混練した。溶融混練したポリエステル組成物はストランド状にして水中に吐出し、カッターによってチップ化した。これをPET−Dと称する。
ポリ−4−メチルペンテン−1(メルトフローレート25g/10分)の添加量を表1に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様にして白色ポリエステルフィルムを得た。
得られた白色ポリエステルフィルムの層構成および物性は表1の通りであった。
参考例3で得られたPET−Cを95重量部、ポリ−4−メチルペンテン−1(メルトフローレート25g/10分)5重量部をブレンドし、2軸混練機に供給して280℃で溶融した。これに、分散剤として分子量4000のポリエチレングリコールを1重量部割合で添加し溶融混練した。溶融混練したポリエステル組成物はストランド状にして水中に吐出し、カッターによってチップ化した。これをPET−Fと称する。
ポリ−4−メチルペンテン−1(メルトフローレート25g/10分)の添加量を表1に示すとおりに変更した以外は実施例4と同様にして白色ポリエステルフィルムを得た。得られた白色ポリエステルフィルムの層構成および物性は表1の通りであった。
参考例1で得られたPET−Aを95重量部、ポリ−4−メチルペンテン−1(メルトフローレート25g/10分)5重量部をブレンドし、2軸混練機に供給して280℃で溶融した。これに、分散剤として分子量4000のポリエチレングリコールを1重量部添加し溶融混練した。溶融混練したポリエステル組成物はストランド状にして水中に吐出し、カッターによってチップ化した。これをPET−Hと称する。
ポリ−4−メチルペンテン−1(メルトフローレート25g/10分)の添加量を表1に示すとおりに変更した以外は比較例5と同様にして白色ポリエステルフィルムを得た。
得られた白色ポリエステルフィルムの層構成および物性は表1の通りであった。
Claims (3)
- ポリオレフィン(ただし、エチレン15モル%と、ビシクロアルケン及びトリシクロアルケンからなる群から選ばれた少なくとも1種の環状オレフィン85モル%とからなる環状オレフィン共重合樹脂を除く)5〜40重量部およびポリエステル60〜95重量部からなり、ポリエステルの重量平均分子量が45000〜65000である層と、無機粒子含有ポリエステル組成物から形成されてなる層との積層フィルムであり、光線反射率が95%以上であり反射板として用いられることを特徴とする、白色ポリエステルフィルム。
- 巻き癖指数が45mm以下である、請求項1記載の白色ポリエステルフィルム。
- 厚みが50〜350μmである、請求項1または2に記載の白色ポリエステルフィルム。
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