JP6356405B2 - 白色ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、炭酸カルシウム粒子を含有する白色ポリエステルフィルムに関する。
近年、パソコン、テレビ、携帯電話等の表示装置として、液晶ディスプレイが数多く用いられている。液晶ディスプレイは、背後から光を照明するバックライトユニットを備え、かかるバックライトユニットには、液晶ディスプレイの背面に備える光源(例えばCCFLやLED等)から光を照射して液晶ディスプレイを照明するバックライト方式と、液晶ディスプレイの背面に導光板を備え、かかる導光板のエッジに備える光源(例えばLED等)から光を照射し、導光板の前面に光を取り出して液晶ディスプレイを照明するエッジライト方式とがある(例えば特許文献1)。かかるエッジライト方式においては、バックライト方式より薄型にできるという利点がある。そしてこれらバックライトユニットには、背面に逃げた光を反射して再度利用するために、反射板が用いられている。
さらに近年、コスト削減を目的として、照明光源個数の減少やバックライトユニットに使用される輝度向上フィルムの排除等が進められており、反射板にはより高い反射特性、輝度特性が望まれている。ここで反射板には、薄さと高反射性の観点から、延伸によりポリエステルフィルム内部に微細なボイドを含有させ、該ボイドで光を散乱させることにより白色化された、白色ポリエステルフィルムが主に用いられている。
また、バックライト形状によっては、反射板を折り曲げ加工して使用するケースがあり、しばしばミシン目を入れて折り曲げ加工を行うが、高反射性を付与する為に延伸し、結晶配向させ、ボイド率を増やしていくと、ミシン目からフィルムが割け易くなる傾向にあり、加工性が著しく低下する問題がある。このような場合は、結晶配向の程度を小さくして割け難くなる方向であるが、そうすると反射率が低下してしまう。
特開昭63−62104号公報
本発明は、高い反射率を有しながら、優れた折り曲げ加工性を有する白色ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を採用するものである。
1.ポリエステル樹脂からなり炭酸カルシウム粒子を含有する白色ポリエステルフィルムであって、
上記炭酸カルシウム粒子は、上記フィルム中の含有量が31〜50質量%であり、50%体積粒径D50が0.4〜1.0μmであり、
上記白色ポリエステルフィルムは、下記測定方法により求められる結晶配向度が0.8未満である、白色ポリエステルフィルム。
[結晶配向度の測定方法]
広角X線回折θ-2θスキャン(反射法)により、ブラッグ角25°〜27°の間の最も大きな回折ピークについてピーク位置を検出し、該角度に光学系を固定して、広角X線回折極点測定により、結晶面の法線ベクトルのフィルム厚み方向における方向余弦の積分平均値である<cos φz>を求め、次式より結晶配向度を求めた。
f=2/3<cos φz>−1/2
2.上記炭酸カルシウム粒子は、90%体積粒径D90、50%体積粒径D50、10%体積粒径D10としたときに(D90−D10)/D50が2.0未満である、上記1に記載の白色ポリエステルフィルム。
3.白色ポリエステルフィルムの密度が1.00g/cm以下である、上記1または2に記載の白色ポリエステルフィルム。
4.上記1に記載の白色ポリエステルフィルムを製造するに際して、
上記ポリエステル樹脂と上記炭酸カルシウム粒子とを含有する未延伸フィルムを製造する工程、および
該未延伸フィルムを、上記ポリエステル樹脂のガラス転移点Tg+5℃以上で予熱して延伸する工程、
を少なくとも有する、白色ポリエステルフィルムの製造方法。
本発明によれば、高い反射率を有しながら、優れた折り曲げ加工性を有する白色ポリエステルフィルムを提供することができる。
本発明の白色ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂からなり炭酸カルシウム粒子を含有するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ポリエステル樹脂]
本発明におけるポリエステル樹脂のポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルを用いる。ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、および、これらのエステル形成性誘導体に由来する成分を挙げることができる。ジオール成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、および、これらのエステル形成性誘導体に由来する成分を挙げることができる。これらのポリエステルの中で、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明におけるポリエステルは、好ましくは共重合ポリエステル、特に好ましくは共重合ポリエチレンテレフタレートである。共重合成分の割合は、全ジカルボン酸成分100モル%に対して、好ましくは4〜15モル%、さらに好ましくは5〜14モル%、さらに好ましくは3〜14モル%、特に好ましくは6〜13モル%である。これによって、製膜性と熱寸法安定性とに優れる。共重合成分の割合が4モル%未満であると、製膜性に劣る傾向にある。他方、15モル%を超えると、熱寸法安定性に劣る傾向にある。
共重合ポリエチレンテレフレートである場合、共重合成分としては、例えば、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分を挙げることができる。イソフタル酸成分および2,6−ナフタレンジカルボン酸成分を用い、合計の共重合量を4〜15モル%とした共重合ポリエチレンテレフタレートは、上記観点において特に好ましいポリエステルである。
[炭酸カルシウム粒子]
本発明における炭酸カルシウム粒子は、50%体積粒径D50が0.4〜1.0μmである。また、白色ポリエステルフィルム中の含有量は、31〜50質量%である。このようなD50および含有量の態様とすることで、ボイド数をより多くすることができ、高い反射率が得られる。D50が小さすぎると粒子が凝集しやすくなり、結果ボイド数が低減して反射率が低くなる。他方、大きすぎると、含有量を高くすることが困難となり、結果としてボイド数が低減して反射率が低くなる。含有量は、少なすぎるとボイド数が低減して反射率が低くなる。他方、多すぎると延伸し難くなり、ボイドが形成され難くなり、反射率が低くなる。かかる観点から、D50は、好ましくは0.5〜0.9μm、より好ましくは0.6〜0.8μmである。また、含有量は、好ましくは33〜47質量%であり、より好ましくは35〜45質量%である。
本発明においては、炭酸カルシウム粒子は、その10%体積粒径D10、50%体積粒径D50、90%体積粒径D90としたときに、(D90−D10)/D50が2.0未満であることが好ましい。上記D50の範囲と合わせてかかる比率を満足することによって、反射率をより高くすることができる。例えば、D50が大きすぎたり(D90−D10)/D50が大きすぎたりすると、効率的にボイドを形成し難くなる傾向にあり、ボイド数が低減する傾向にあり、反射率が低くなる傾向にある。かかる観点から、(D90−D10)/D50は、好ましくは1.5未満、より好ましくは1.3未満である。理想的には低ければ低い方が好ましいが、現実的には上記比率が0.8未満となる粒子の形成は難しく、よって下限は0.8が好ましい。
上記のようなD50を満足させるために、本発明においては炭酸カルシウム粒子として、合成炭酸カルシウムからなる粒子(合成炭酸カルシウム粒子)を採用することが特に好ましい。炭酸カルシウム粒子としては、天然炭酸カルシウムからなる粒子(天然炭酸カルシウム粒子)と合成炭酸カルシウム粒子とがあり、通常は天然炭酸カルシウム粒子が用いられる。しかしながら、天然炭酸カルシウムでは上記のようなD50を満足させることが困難であり、本発明の課題を達成することが困難となる。また、合成炭酸カルシウム粒子を採用することにより、本発明が規定する結晶配向度を達成し易くなる傾向にある。これは、合成炭酸カルシウム粒子を用いると、ポリエステルの結晶化度が小さくなる傾向にあるためと考えられる。かかる傾向は、例えばDSC測定において、結晶化ピーク温度が高くなる傾向により確認することができる。さらに、合成炭酸カルシウム粒子の採用は、上記(D90−D10)/D50を達成し易くする。
炭酸カルシウム粒子をポリエステル樹脂に含有させる方法としては、従来公知の各種の方法を用いることができる。その代表的な方法として、下記のような方法が挙げられる。
(ア)ポリエステル樹脂の合成時のエステル化の段階もしくはエステル交換反応終了後に添加する方法。
(イ)得られたポリエステル樹脂に添加し、溶融混練する方法。
(ウ)上記(ア)または(イ)の方法においてポリエステル樹脂に炭酸カルシウム粒子を多量添加したマスターペレットを製造し、これと希釈ポリマーとしてのポリエステル樹脂とを混練してポリエステル樹脂に所定量の炭酸カルシウム粒子を含有させる方法。
(エ)上記(ウ)のマスターペレットをそのまま使用する方法。
(表面処理)
本発明における炭酸カルシウム粒子は、表面処理剤により表面処理が施されていることが好ましい。それにより、炭酸カルシウム粒子表面のCa活性を失活させ、ガスマークの発生をより抑制することができる。かかる表面処理剤としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、あるいはこれらの誘導体などのリン化合物、および、ステアリン酸などの脂肪酸、シランカップリング剤等が挙げられる。本発明においては、中でもリン化合物による表面処理が好ましく、かかるリン化合物としては、具体的には、リン酸、亜リン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸モノあるいはジメチルエステル、亜リン酸トリメチルエステル、メチルホスホン酸、メチルスルホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステルなどが好ましく挙げられる。中でもリン酸、亜リン酸およびそれらのエステル成形誘導体が好ましい。本発明においては、リン酸トリメチルで表面処理されていることが最も好ましい。これらリン化合物は、単独で用いることができ、また2種以上を併用してもよい。
炭酸カルシウム粒子の表面処理方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用することができる。例えばリン化合物によって表面処理を施す場合は、リン化合物と炭酸カルシウム粒子とを物理的に混合する方法(物理的混合方法)を採用することが好ましい。かかる物理的混合方法としては特に限定されるものではなく、例えばロール転動ミル、高速回転式粉砕機、ボールミル、ジェトミルなどの各種の粉砕機を使用して、炭酸カルシウムを粉砕しながらリン化合物で表面処理する方法、あるいは容器自身が回転する容器回転型混合機、固定容器内に回転翼を有したり、あるいは気流を吹き込む容器固定型混合機等を使用して表面処理する方法を挙げることができる。具体的にはナウタミキサー、リボンミキサー、ヘンシェルミキサー等の混合機が好ましい。
またその際の処理条件は特に限定されるものではなく、炭酸カルシウム粒子のポリエステルに対する分散性、ポリエステルの高温滞留時の異物発生、発泡の観点から、処理温度は30℃以上が好ましく、さらには50℃以上、特には90℃以上が好ましい。処理時間は5時間以内とすることが好ましく、さらには3時間以内、特には2時間以内が好ましい。また、リン化合物は炭酸カルシウム粒子と同時に混合してもよく、また予め炭酸カルシウム粒子を仕込んだ後にリン化合物を添加してもよい。その際に、リン化合物は滴下させても、噴霧させてもよく、さらには水あるいはアルコール等に溶解もしくは分散させたものであってもよい。
また、本発明においては、炭酸カルシウム粒子の表面処理剤をポリエステルに添加、配合して、次いでそこに炭酸カルシウム粒子を添加して、炭酸カルシウムの表面処理を行なうこともできる。例えば、ポリエステルの製造、すなわち重合反応が完了するまでの任意の段階で、あるいは重合反応完了後から溶融混練を行なうまでの段階で、表面処理剤を添加することができる。
上記表面処理工程における表面処理剤の添加量は、炭酸カルシウム粒子表面のCa活性が十分に失活される量であればよいが、例えば炭酸カルシウム粒子の質量に対してリン元素の量が0.1質量%以上となる量である。他方、添加しすぎるとフィルム中にリン化合物が多量に残存してしまい、環境の観点から好ましくなく、また押出機内などにおいて炭酸カルシウム粒子同士が凝集してしまうのを抑制することができるという観点から、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。
[白色ポリエステルフィルム]
本発明の白色ポリエステルフィルムは、上述したポリエステル樹脂からなり、上述した炭酸カルシウム粒子を、白色ポリエステルフィルムの質量を基準として31〜50質量%含有する。ここでポリエステル樹脂の量としては、炭酸カルシウム粒子を所定量添加し、また、後述する他の添加剤を任意量添加し、その余がポリエステル樹脂である態様とすればよい。
(添加剤)
本発明の白色ポリエステルフィルムには、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、他のボイド形成剤、例えば硫酸バリウム、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機粒子、アクリル樹脂粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子のような有機粒子、あるいは、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン(環状のものを含む)、エチレン−プロピレンターポリマー、オレフィン系アイオノマーのような非相溶樹脂(白色ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは非相溶な樹脂)を含有することができる。また、これらの他の樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等の他の添加剤を本発明の目的が阻害されない範囲内で、必要に応じて配合してもよい。
蛍光増白剤を用いる場合、白色ポリエステルフィルムに対する濃度として、好ましくは0.05〜0.5質量%、さらに好ましくは0.01〜0.3質量%の範囲で配合するとよく、波長350nm付近の光の反射率を向上することができ、輝度をより高くできる。含有量が少なすぎるとかかる効果が奏され難くなり、他方、高すぎるとフィルムが着色してしまう。
蛍光増白剤としては、例えばOB−1(イーストマン社製)、Uvitex−MD(チバガイギー社製)、JP−Conc(日本化学工業所製)を用いることができる。
(積層白色ポリエステルフィルム)
本発明の白色ポリエステルフィルムは、さらに他の層を有して積層白色ポリエステルフィルムとすることができる。かかる他の層としては、延伸性を向上するための支持層や、表面にビーズを具備するためのビーズ層が挙げられる。支持層とビーズ層とを形成してもよい。また、支持層とビーズ層の機能を両方具備する層であることもできる。
支持層を積層する場合、白色ポリエステルフィルムからなる層をA層、支持層をB層とすると、その積層構成はABの2層構成、ABAやBABの3層構成、ABABの4層構成や、同様の5層以上の多層構成が挙げられる。なかでもBABの3層構成が、反射率と延伸性との両立の観点から好ましい。なお、ここで支持層とは、上述したようなポリエステル樹脂から主になり、ボイドを少なくしたまたは無くした層が好ましく、かかる支持層のボイド形成剤(例えば炭酸カルシウム粒子等の無機粒子)の添加量は、A層の添加量より少なく、好ましくは支持層の粒子添加量(質量%)/A層の粒子添加量(質量%)が50%以下、より好ましくは25%以下である。支持層におけるボイド形成剤の添加量は、支持層の質量を基準として、好ましくは25質量%以下であり、より好ましくは12.5質量%以下である。このような好ましい態様を具備した支持層を有することによって、より優れた折り曲げ性が得られるため好ましい。
また、表面にビーズ層を設けることによって、例えば導光板に接して用いるに際して導光板とのギャップを一定に確保することができる。また、光の拡散効果や集光効果を利用して反射率や輝度を向上することができる。かかるビーズ層は、白色ポリエステルフィルムの片面もしくは両面に有することができる。その際、白色ポリエステルフィルムとビーズ層との間に支持層を有していてもよい。例えば積層構成としては、ビーズ層をC層として、AC、ABC、BAC、BABC等が挙げられる。ビーズ層としては、アクリル、ナイロン、ポリエステル等の樹脂粒子を、アクリルやポリエステルのバインダーで保持したものが好ましい。
また、本発明の白色ポリエステルフィルムは、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等の上述した他の添加剤を含有する塗布層を、少なくとも片面に有することもできる。
[結晶配向度]
本発明の白色ポリエステルフィルムは、広角X線回折測定で得られるブラッグ角25°〜27°の回折ピークに相当する結晶面法線の、フィルム面法線に対する一致度(以下、結晶配向度と称することがある。)が0.8未満であることが必要である。
本発明で規定するブラッグ角25°〜27°の回折ピークに相当する結晶面は、本発明におけるポリエステル樹脂を構成するポリエチレンテレフタレート成分の結晶構造における、積層したベンゼン環同士の間隔に相当する。すなわち、該結晶面(ポリエチレンテレフタレート成分の結晶格子における(100)面、ブラッグ角=約26°)は、ポリエステル分子鎖中のベンゼン環にほぼ平行である。
かかる結晶配向度は、具体的にはポリエステル分子鎖中のベンゼン環の結晶面の法線と、フィルム面に垂直な方向(フィルム面法線、z軸とする)との一致度を数値化したものである。この結晶面の法線の、フィルム面法線(z軸方向)に対する一致度が0.8未満であるということは、ポリエステルフィルムにおける分子鎖中のベンゼン環がフィルム面に平行に位置している結晶成分が少ないということを意味する(以下、このような分子配向状態を「面配向度が低い」などと表現することがある)。
該結晶配向度は、広角X線回折測定により、観察したい結晶面に対するブラッグ角に固定したサンプルを全球にわたり回転させてX線回折ポールフィギュアを測定し、得られた結晶配向方向の全球中の挙動から、評価したいフィルムの軸(本発明においてはフィルム面法線(z方向))に対する一致度を算出して求められる。算出される結晶配向度は、−0.5〜1の値をとり、結晶配向度が1に近いほど測定結晶面の法線ベクトルと評価している方向とが平行なものが多く分布し、結晶配向度が−0.5に近いほど測定結晶面の法線ベクトルと評価している方向とが直行しているものが多く分布する。
ベンゼン環は剛直な分子構造を持つため、面配向度が高いと、もろくなりやすく、ボイドを多く含む白色ポリエステルフィルムは、折り曲げ加工性が弱くなる傾向がある。
該結晶配向度の好ましい範囲は0.5以上0.8未満、より好ましくは0.50以上0.70以下である。結晶配向度が低すぎると反射率が劣る。
かかる結晶配向度のフィルムを得る為には、フィルムの製造方法を後述するような製造方法とすればよい。
[製造方法]
以下、本発明の白色ポリエステルフィルムを製造する方法の一例を説明する。以下の例では、白色ポリエステルフィルムとしてのA層と、支持層としてのB層とを有する積層白色ポリエステルフィルムの場合について記載するが、A層のみからなる単層フィルムも同様にして得られる。
ダイから溶融した樹脂組成物をフィードブロックを用いた同時多層押出し法により、積層未延伸シートを製造する。すなわち、A層を形成するための樹脂組成物Aの溶融物とB層を形成するための樹脂組成物Bの溶融物を、フィードブロックを用いて例えばB層/A層/B層となるように積層し、ダイに展開して押出しを実施する。この時、フィードブロックで積層されたポリマーは積層された形態を維持している。また、マルチマニホルールドダイでも同様の積層が可能である。
ダイより押出された未延伸シートは、キャスティングドラムで冷却固化され、未延伸フィルムとなる。この未延伸状フィルムを縦延伸する前に予熱ロールにより予熱する。その際、予熱ロールの温度は、上記樹脂組成物を構成するポリエステルのガラス転移点Tg+5℃以上にすることが、本発明においては肝要である。そうすることで本発明が規定する結晶配向度を達成することができる。かかる予熱ロール温度は、好ましくはTg+10℃以上であり、また、好ましくはTg+50℃以下である。次いで、ロール加熱、赤外線加熱等で加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。延伸温度は、原料としての上記樹脂組成物を構成するポリエステル(好ましくはA層のポリエステル)のガラス転移点(Tg)以上の温度、更にはTg〜Tg+70℃の範囲とするのが好ましい。延伸倍率は、用途の要求特性にもよるが、製膜機械軸方向(以下、縦方向または長手方向またはMDという場合がある。)、および、縦方向と直交する方向(以下、横方向または幅方向またはTDという場合がある。)ともに、好ましくは2.5〜4.0倍、さらに好ましくは2.8〜3.9倍である。延伸倍率が低すぎると、ボイドが形成され難い傾向にあり、反射率が低下する傾向にある。また、フィルムの厚み斑が悪くなる傾向にある。他方、延伸倍率が高すぎると製膜中に破断が発生し易くなる傾向にある。
縦延伸後のフィルムは、続いて、横延伸、熱固定、好ましくは熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、これら処理はフィルムを走行させながら行う。横延伸の処理はポリエステル(好ましくはA層のポリエステル)のガラス転移点(Tg)より高い温度から始める。そしてTgより(5〜70)℃高い温度まで昇温しながら行う。横延伸過程での昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよいが、通常逐次的に昇温する。例えばテンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、ゾーン毎に所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。横延伸の倍率は、用途の要求特性にもよるが、好ましくは2.5〜4.5倍、より好ましくは2.8〜4.3倍、さらに好ましくは3.0〜4.1倍、特に好ましくは3.5〜4.0倍である。延伸倍率が低すぎると、ボイドが形成され難い傾向にあり、反射率が低下する傾向にある。また、フィルムの厚み斑が悪くなる傾向にある。他方、延伸倍率が高すぎると製膜中に破断が発生し易くなる傾向にある。
横延伸後のフィルムは、両端を把持したまま(Tm−10)〜(Tm−100)℃で定幅または10%以下の幅減少下で熱処理して熱収縮率を低下させるのがよい。ここでTmは、原料としての上記樹脂組成物を構成するポリエステル(好ましくはA層のポリエステル)の融点である。これより高い温度であるとフィルムの平面性が悪くなり、厚み斑が大きくなり好ましくない。また、熱処理温度が(Tm−80)℃より低いと熱収縮率が大きくなることがある。また、熱固定後、フィルム温度を常温に戻す過程で(Tm−10)〜(Tm−100)℃以下の領域の熱収縮量を調整するために、把持しているフィルムの両端を切り落し、フィルム縦方向の引き取り速度を調整し、縦方向に弛緩させることができる。弛緩させる手段としてはテンター出側のロール群の速度を調整する。弛緩させる割合として、テンターのフィルムライン速度に対してロール群の速度ダウンを行い、好ましくは0.1〜1.5%の速度ダウンすなわち弛緩(以降この値を弛緩率という)を実施する。より好ましくは0.2〜1.2%の弛緩率、さらに好ましくは0.3〜1.0%の弛緩率を実施し縦方向の熱収縮率を調整する。また、フィルム横方向は両端を切り落すまでの過程で幅減少させて、所望の熱収縮率を得ることもできる。
かくして本発明の白色ポリエステルフィルムを得ることができる。
[フィルム物性]
(熱収縮率)
本発明の白色ポリエステルフィルムの85℃30分間の熱収縮率は、MDおよびTDの直交する2方向ともに好ましくは0.7%以下、より好ましくは0.6%以下、特に好ましくは0.5%以下である。かかる範囲であると耐熱性に優れ、反射フィルムとして好ましい。
(厚み)
本発明の白色ポリエステルフィルムの厚みは、好ましくは25〜250μm、より好ましくは30〜220μm、さらに好ましくは40〜200μmである。薄すぎると反射率を高くすることが困難となる傾向にあり、他方、厚すぎる場合は、これ以上厚くしても反射率の上昇が望めず、生産性の観点から好ましくない。
他に支持層を有する場合、支持層(1層)の厚みは、好ましくは2〜30μm、より好ましくは3〜25μm、さらに好ましくは5〜20μmである。支持層が薄すぎると延伸性の向上効果を高くすることができない。他方、厚すぎると、反射率の向上効果が低くなる傾向にある。またこの際、白色ポリエステルフィルムからなる層をA層、支持層をB層としたときに、A層の厚みの合計とB層の厚みの合計との比率は、A層/(A層+B層)として85%〜98%が好ましく、87%〜97%がより好ましく、さらに好ましくは89%〜95%である。これにより反射率の向上効果と延伸性の向上効果とを両方高くできる。また、このような好ましい態様を具備した支持層を有することによって、より優れた折り曲げ性が得られるため好ましい。
(反射率)
本発明の白色ポリエステルフィルムは、その少なくとも一方の表面における反射率が、波長550nmの反射率で97.5%以上であることが好ましく、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは98.5%以上である。反射率が低すぎると十分な画面の輝度を得ることができない。
(密度)
本発明の白色ポリエステルフィルムは、密度が1.00g/cm以下であることが好ましい。このような態様とすることで、より望ましいボイド量であることになる。すなわち、ボイド量を多くすると密度は低くなる傾向にあるためである。そのような観点から、より好ましい密度は、0.95g/cm以下であり、さらに好ましくは0.90g/cm以下である。他方、密度が低すぎると、すなわちボイドが多すぎることとなり、延伸性の観点からは好ましくなく、0.70g/cm以上が好ましい。
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)フィルム厚み
フィルムサンプルをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製K−402B)にて、10点厚みを測定し、平均値をフィルムの厚みとした。
(2)各層の厚み
サンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。そして、包埋されたサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を50nm厚の薄膜切片にした後、透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kvにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定し、10箇所の平均厚みを求めた。
(3)反射率
分光光度計(島津製作所製UV−3101)に積分球を取り付け、BaSO白板の入射角8°における波長550nmの反射率を100%としたときの、得られた白色ポリエステルフィルムについての入射角8°における波長550nmの反射率を測定した。このとき、入射光に対してフィルムのMDを垂直に設置して得られた反射率をフィルムの任意の5箇所について実施し、その平均値をフィルムの反射率とした。
(4)延伸性
実施例に記載のとおり、縦方向2.9倍、横方向3.9倍に延伸して製膜し、安定に製膜できるか観察し、下記基準で評価した。
○:1時間以上安定に製膜できる
△:10分間以上1時間未満の間に切断が生ずる。
×:10分間以内に切断が発生し、安定な製膜ができない。
(5)熱収縮率
85℃に設定されたオーブン中でフィルムを無緊張状態で30分間保持し、加熱処理前後の標点間距離を測定し、下記式により熱収縮率(85℃熱収縮率)を算出した。
熱収縮率%=((L0−L)/L0)×100
L0:熱処理前の標点間距離
L :熱処理後の標点間距離
(6)ガラス転移点(Tg)、融点(Tm)
示差走査熱量測定装置(TA Instruments 2100 DSC)を用い、昇温速度20℃/分で測定して求めた。
(7)炭酸カルシウム粒子等粒子のD50、D10、D90
島津製作所製レーザー散乱式粒度分布測定装置SALD−7000を用いて測定した。測定前のエチレングリコールへの分散は、粒子粉体を5質量%スラリー濃度相当になるよう計量して、ミキサー(たとえばNational MXV253型料理用ミキサー)で10分間攪拌し、常温まで冷却したのち、フローセル方式供給装置に供給した。そして、該供給装置中で、脱泡のために30秒間超音波処理(超音波処理の強度は超音波処理装置のつまみを、MAX値を示す位置から60%の位置)してから測定に供した。粒度分布測定結果より50%体積粒径(D50)を求め、これを平均粒径とした。また、同様にして10%体積粒径(D10)および90%体積粒径(D90)を求め、(D90−D10)/D50を算出した。
(8)密度
フィルム、または、積層フィルムである場合は白色ポリエステルフィルム層を剥離し、5cm×5cmに切り出したサンプルを準備した。かかるサンプルについて上記(1)と同様の方法で、面内で25点厚みを測定し、その算術平均値を厚みとして、白色ポリエステルフィルム層の体積を求めた。また、同じサンプルについて精密天秤を用いて白色ポリエステルフィルム層の質量を測定した。得られた質量と体積から密度を算出した。かかる測定をn=5で実施し、その平均値を白色ポリエステルフィルム層の密度(g/cm)とした。
(9)結晶配向度
X線回折装置(理学電機製ROTAFLEX RINT2500HL)および極点試料台(理学電機製多目的試料台)を用いた広角X線回折極点測定により、フィルムサンプルについて、評価する結晶面の法線ベクトルのフィルム厚み方向における方向余弦の積分平均値である<cosφz>を求め、次式より結晶配向度(100)を求めた。
f=2/3<cosφz>−1/2
評価すべき結晶面は、以下の方法で求めた。得られたフィルムについて、X線回折装置を用いた広角X線回折θ-2θスキャン(反射法)(X線源CuKα、発散スリット1/2°、散乱スリット1/2°、受光スリット0.15mm、スキャンスピード1.000°/分)により回折強度の2θ依存性を測定し、ブラッグ角25°〜27°の間の最も大きな回折ピークについて、Pseudo Voightピークモデルを用いた多重ピーク分離法により、結晶面由来のピークと、アモルファス由来のハロー、バックグラウンドを分離した上で、ピーク位置を検出し、上述の極点測定においては該角度に光学系を固定して測定した。なお、本発明の実施例における結晶面は多くはポリエチレンテレフタレートの結晶格子における(100)面に由来するものと考えられ、ブラッグ角は約26°である。
(10)折り曲げ試験
フィルムサンプルをMD方向×TD方向=100mm×50mmにカットし、OLFA ROTARY CUTTERミシン目刃(ミシン目のカット部:2.5mm、ミシン目未カット部:1mm)を用い、ミシン目を隔てたサンプルが50mm×50mmになるようにTD方向に沿ってミシン目ラインを入れる。その後、TD方向にひかれたミシン目ラインを起点にMD方向に180°折り曲げた後、元の0°まで曲げを戻すことを1往復とし、5往復行った(MD方向の折り曲げ評価)。その際、1往復毎にミシン目ラインの未カット部の目視観察を行い、下記の基準で評価した。
◎:5往復で破断しない
○:5往復で一部破断
△:2〜4往復で一部破断
×:1往復で破断
次に、MD方向×TD方向=50mm×100mmのフィルムサンプルを準備し、ミシン目を隔てたサンプルが50mm×50mmになるようにMD方向に沿ってミシン目ラインを入れ、TD方向同様の折り曲げ試験(TD方向の折り評価)を行った。評価は各方向につき4回、計8回行い、◎、○、△、×の最も多い結果を採用した。
[実施例1]
(ポリエステル樹脂Aの製造)
テレフタル酸ジメチル89質量部およびイソフタル酸ジメチル11質量部(得られるポリエステルの全酸成分100モル%に対して11モル%となる。IA11−PETとする。)とエチレングリコール70質量部の混合物に、テトラ−n−ブチルチタネート(Ti元素として0.0025質量部)を加圧反応が可能なSUS製容器に仕込み、0.07MPaの加圧を行い140℃〜240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後常圧に戻し、リン酸トリメチル0.0087質量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。
その後、重合触媒として酸化ゲルマニウム0.021質量部を加え、混合物を重合容器に移し、情報にて高真空のもと重縮合反応を行い、最終内温が290℃まで昇温し反応を終了させ、極限粘度0.71dl/g、融点225℃のポリエステル樹脂Aのペレットを得た。
(ポリエステル樹脂組成物A)
表1に記載の構成であるカルサイト型合成炭酸カルシウム粒子と、ポリエステル樹脂として上記ポリエステル樹脂Aとを、タンデム型二軸混練押出機に、定量性を持つスクリューフィーダーより連続供給し、第1段目二軸混練機において樹脂温度230℃で混練処理した。次いで、これを溶融状態のまま第2段目単軸混練押出機に供給し、ストランド状に押出し、これをカッティングして、リン酸トリメチルで表面処理された合成炭酸カルシウム55質量%有するポリエステル樹脂組成物のペレットを得た。
(二軸延伸フィルム)
上記で得られたポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂組成物Aとを、表1に示す炭酸カルシウム粒子濃度になるように配合し、A層を形成するための原料およびB層を形成するための原料を得て、それぞれ270℃に加熱された2台の押出機に供給し、A層ポリマー、B層ポリマーをA層とB層がB層/A層/B層の層構成となるような3層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを、表2に記載の温度で予熱し、表2に記載の温度にて加熱し長手方向(MD)に2.9倍に延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き、120℃に加熱された雰囲気中で長手方向に直交する方向(TD)に3.9倍に延伸した。その後テンター内で温度200℃で30秒間の熱固定を行い、150℃にて幅入率2%で横弛緩を行い、次いで130℃にてフィルムの両端を切出し弛緩率0.5%で縦弛緩し、室温まで冷やして二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの物性は表2の通りであった。
[実施例2]
表1に記載の構成の合成炭酸カルシウム粒子(リン酸トリメチルで表面処理されたもの)を用い、A層およびB層の構成および製膜条件を表1および表2に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。
[実施例3]
イソフタル酸ジメチルの添加量を調整して、ポリエステルの全酸成分100モル%に対するイソフタル酸成分の共重合量を4モル%としたポリエステル樹脂(IA4−PET)を用い、A層およびB層の構成および製膜条件を表1および表2に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。
[実施例4、5]
ポリエステル樹脂の組成を表1に記載した通りとし、A層およびB層の構成および製膜条件を表1および表2に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。
なお表中、「NDC11−PET」は、2,6−ナフタレンジカルボキシレート(NDC)成分を11モル%共重合させたPET(ポリエチレンテレフタレート)、「CHDM11−PET」は、シクロヘキサジメタノール(CHDM)成分を11モル%共重合させたPETである。ここで共重合量は、ポリエステルの全酸成分100モル%に対する量である。
[比較例1、2]
炭酸カルシウム粒子として、表1に記載の構成の天然炭酸カルシウム粒子(リン酸トリメチルで表面処理されたもの)を用い、A層およびB層の構成および製膜条件を表1および表2に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。
[比較例3、4]
炭酸カルシウム粒子として、表1に記載の構成の合成炭酸カルシウム粒子(リン酸トリメチルで表面処理されたもの)を用い、A層およびB層の構成および製膜条件を表1および表2に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。
なお、比較例4は、延伸性が低く、サンプルを得ることが困難であった。
Figure 0006356405
Figure 0006356405
本発明の白色ポリエステルフィルムは、液晶表示装置や照明などのバックライトユニットの反射フィルムとして好適に用いられる。

Claims (4)

  1. ポリエステル樹脂からなり炭酸カルシウム粒子を含有する白色ポリエステルフィルムであって、
    上記炭酸カルシウム粒子は、上記フィルム中の含有量が31〜50質量%であり、50%体積粒径D50が0.4〜1.0μmであり、
    上記白色ポリエステルフィルムは、下記測定方法により求められる結晶配向度が0.8未満である、白色ポリエステルフィルム。
    [結晶配向度の測定方法]
    広角X線回折θ-2θスキャン(反射法)により、ブラッグ角25°〜27°の間の最も大きな回折ピークについてピーク位置を検出し、該角度に光学系を固定して、広角X線回折極点測定により、結晶面の法線ベクトルのフィルム厚み方向における方向余弦の積分平均値である<cos φz>を求め、次式より結晶配向度を求めた。
    f=2/3<cos φz>−1/2
  2. 上記炭酸カルシウム粒子は、90%体積粒径D90、50%体積粒径D50、10%体積粒径D10としたときに(D90−D10)/D50が2.0未満である、請求項1に記載の白色ポリエステルフィルム。
  3. 白色ポリエステルフィルムの密度が1.00g/cm以下である、請求項1または2に記載の白色ポリエステルフィルム。
  4. 請求項1に記載の白色ポリエステルフィルムを製造するに際して、
    上記ポリエステル樹脂と上記炭酸カルシウム粒子とを含有する未延伸フィルムを製造する工程、および
    該未延伸フィルムを、上記ポリエステル樹脂のガラス転移点Tg+5℃以上で予熱して延伸する工程、
    を少なくとも有する、白色ポリエステルフィルムの製造方法。
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