JP5453911B2 - 可変油圧システム - Google Patents

可変油圧システム Download PDF

Info

Publication number
JP5453911B2
JP5453911B2 JP2009114939A JP2009114939A JP5453911B2 JP 5453911 B2 JP5453911 B2 JP 5453911B2 JP 2009114939 A JP2009114939 A JP 2009114939A JP 2009114939 A JP2009114939 A JP 2009114939A JP 5453911 B2 JP5453911 B2 JP 5453911B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
passage
back pressure
oil
relief
pressure chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009114939A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010261569A (ja
Inventor
克明 ▲高▼橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009114939A priority Critical patent/JP5453911B2/ja
Publication of JP2010261569A publication Critical patent/JP2010261569A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5453911B2 publication Critical patent/JP5453911B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Safety Valves (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Description

本発明は、切り替え弁によってリリーフ圧が変更されるリリーフ弁を備えた可変油圧システムに関する。
内燃機関に供給されるオイルの圧力を可変とする可変油圧システムとしては、例えば特許文献1のようにリリーフ圧を2段階に制御するリリーフ弁を備えた可変油圧システムが知られている。こうしたリリーフ弁が搭載された可変油圧システムにおいては、高い供給圧が必要とされない機関運転時、例えば機関始動時にリリーフ弁のリリーフ圧が低圧段に設定され、これによりオイルポンプの負荷が低減されて燃費の向上が実現可能となる。近年では、こうした可変油圧システムの1つとして、オイルの流通経路を切り替える切り替え弁を通じてリリーフ弁のリリーフ圧を低圧段と低圧段よりも高い高圧段との2段階に切り替える可変油圧システムが開発されるに至っている。このような可変油圧システムの一例を以下に説明する。図4(a)は、こうした可変油圧システムの概略構成をリリーフ弁の断面構造とともに示したものである。なお、図4(a)は、リリーフ圧が高圧段に選択された開弁時の状態を示したものである。
図4に示されるように、可変油圧システム50には、オイルの供給対象としての内燃機関の各部位とオイルパン51との間を連結する供給通路52の途中に、オイルを吸引して吐出する機関駆動式のポンプ53と、該ポンプ53の吸入側でオイルに含まれる比較的大きな異物を取り除くオイルストレーナ54とが設けられている。この供給通路52の途中には、ポンプ53の吐出側と吸入側とに接続されるリリーフ通路55が設けられており、そのリリーフ通路55の途中には、ポンプ53から吐出されたオイルの圧力が所定のリリーフ圧以上になるとオイルの一部をポンプ53の吸入側に逃がすリリーフ弁60が設けられている。
リリーフ弁60を構成する弁本体61には、一方向に延びる円形孔であるボア61aが、その一端がリリーフ通路55の吸入側に接続されて、またその他端が閉止部材62により閉口されるかたちに設けられている。ボア61aは、リリーフ通路55に接続された入口通路64から閉止部材62に向けてその内径が大きくなる多段状をなしており、このボア61aの底部を塞ぐ閉止部材62は、入口通路64に延びる円柱状の閉止部62aがボア61aの周面から離間するかたちをなしている。そしてこれら入口通路64、閉止部材62及びボア61aに囲まれるかたちで収容室63が構成されている。
上記ボア61aの長手方向の中央付近には、その長手方向と交差した方向に延びる出口通路65が、その一端が上記収容室63に接続されて、またその他端がリリーフ通路55の吸入側に接続されるかたちに設けられている。このボア61aの内部には、閉止部62aが嵌入される円筒形状のスリーブ66が入口通路64と閉止部材62との間で摺動可能に内装されている。このスリーブ66がボア61a内を摺動する間、閉止部62aはスリーブ66内に嵌入され続けて、スリーブ66と閉止部材62との間にこれらとボア61aとに囲まれるかたちで背圧室71が形成され続ける。
こうした構成からなる背圧室71は、背圧通路72とその接続先である切り替え弁73とを介し、ポンプ53の吐出側及びポンプ53の吸入側に接続されている。そして背圧室71の接続先が切り替え弁73によりポンプ53の吐出側に切り替えられると、ポンプ53の吐出側からのオイルが導入通路74を通じて背圧室71に供給されて背圧室71における油圧が昇圧される。これにより、スリーブ66の長手方向の一端が収容室63の入口
通路64側の端に当接する位置である低圧段制御位置へ変位する。これに対して背圧室71の接続先が切り替え弁73によりポンプ53の吸入側に切り替えられると、背圧室71のオイルの一部が排出用通路75を通じてポンプ53の吸入側へ排出されて背圧室71における油圧が降圧される。これにより、スリーブ66の長手方向の他端が収容室63の閉止部材62側の端に当接する位置である高圧段制御位置へ移動する。
上記スリーブ66の内部には、その入口通路64側から閉止部62a側に広がるかたちの多段円形孔である弁体摺動孔68が設けられ、この弁体摺動孔68の内部には、有蓋円筒状の弁体67が弁体摺動孔68の中心軸方向に摺動可能に内装されている。この弁体67と閉止部62aとの間には、弁体67を入口通路64の側へ付勢するコイルばね70が設けられている。またスリーブ66の周壁における長手方向の中央付近には、前記出口通路65と連通するリリーフ孔69が設けられている。そして入口通路64からのオイルの圧力が弁体摺動孔68を通じて弁体67に作用すると、この弁体67は、弁体摺動孔68内の油圧に基づく力とこれに抗したコイルばね70の復元力とに応じてリリーフ孔69を横切る範囲で弁体摺動孔68の軸方向に沿って変位する。
こうした構成からなるリリーフ弁60によれば、弁体67がリリーフ孔69を開通するか否か、つまりオイルがリリーフされるか否かが、上記弁体67の位置とリリーフ孔69(スリーブ66)の位置とにより規定されることとなる。言い換えれば、上記弁体67の位置を規定する油圧がリリーフ圧であるか否かに応じて、オイルがリリーフされるか否かが切り替わり、さらに上記スリーブ66の位置を規定する背圧室71の油圧の印加状態が2段階であることから、上述のリリーフ圧が2段階に切り替えられることとなる。
実開平4−105676号公報
ところで、図4(a)に示されるように、リリーフ弁60のリリーフ圧が高圧段に制御されているときに機関回転速度が著しく低下すると、すなわち背圧室71が切り替え弁73を介して排出用通路75と連通しているときに機関回転速度が著しく低下すると、機関駆動式であるポンプ53の回転速度の著しい低下に伴って供給通路52の油圧が大幅に低下するようになる。こうした過程におけるリリーフ弁60にあってはまず、弁体67がコイルばね70の付勢力によって入口通路64に向かって移動する。次いで弁体67がスリーブ66に当接し、これら弁体67とスリーブ66とが一体的に入口通路64に向かって移動し、図4(b)に示されるように、ついにはスリーブ66が低圧段制御位置まで変位する。
上述のようにしてスリーブ66が低圧段制御位置へ変位すると、導入通路74から背圧室71へオイルが供給されない状態で、背圧室71の容積が強制的に拡大されることになる。この結果、強制的な容積の拡大により発生した背圧室71内の負圧に応じて、本来ならば背圧室71内のオイルを排出する流路から背圧室71に向けてオイルが逆流することになる。つまり、切り替え弁73を挟むかたちに構成された一対の背圧通路72と排出用通路75とを通して、背圧室71に向けてオイルが逆流することになる。
このような逆流が発生しない状態で可変油圧システムが駆動する場合には、背圧通路72に対して導入通路74のみからオイルが供給され、また排出用通路75に対して背圧通路72のみからオイルが供給され、結局、いずれの通路も導入通路74からのオイルで満たされることになる。それゆえ、これら背圧通路72と排出用通路75とに挟まれた切り
替え弁73内には、導入通路74から供給されるオイル、つまりポンプやポンプの吐出側に配設されたフィルタにより清浄化されたオイルのみが流入することになる。
これに対して上述するような逆流が発生する場合には、背圧通路72及び排出用通路75から背圧室71に向けてオイルが逆流することになり、このようにして逆流するオイルが供給通路52から供給されることになる。それゆえ、これら背圧通路72と排出用通路75とに挟まれた切り替え弁73内には、供給通路52から供給されるオイル、つまりオイルストレーナ54を通過した比較的微少な異物を含むオイルが流入することになる。そして背圧室71の強制的な拡張が繰り返される度に、こうした異物を含むオイルが流入されて、切り替え弁73内やそれの背圧室71側に異物が蓄積されることになる。このようにして切り替え弁73内やそれを通して背圧室71に流入した異物は、後続するリリーフ圧の切り替え時において切り替え弁73内における流路の目詰まりや弁体の動作不良等を招き、ひいてはリリーフ弁におけるリリーフ圧の切り替え動作の信頼性を損なう要因となる虞がある。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、その目的は、背圧室の油圧の印加態様を切り替え弁によって切り替えることによりリリーフ圧が変更されるリリーフ弁を備えた可変油圧システムにおいて、リリーフ弁におけるリリーフ圧の切り替え動作の信頼性を向上させた可変油圧システムを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、背圧室における油圧とポンプの吐出側における油圧との差に応じて同背圧室の容積が拡大及び縮小する態様で変位することにより同ポンプの吐出側におけるリリーフ圧を変更する可動部材を有したリリーフ弁と、前記背圧室が連通する連通先を、オイルの供給対象と前記ポンプとを接続する吐出通路と、オイルタンクと前記ポンプとを接続する吸入通路とに切り替える切り替え弁とを備え、前記切り替え弁による前記連通先の切り替えにより前記背圧室における油圧を変更して当該油圧に応じた前記可動部材の変位により前記リリーフ弁のリリーフ圧を変更する可変油圧システムであって、前記切り替え弁と前記吸入通路とを接続する排出用通路の容積が前記背圧室の容積の最大変化量よりも大きく、前記吸入通路が前記切り替え弁よりも重力方向に位置するとともに、前記排出用通路が前記切り替え弁から重力方向に沿って前記吸入通路まで延びる通路であることを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、切り替え弁とポンプの吸入側とを接続する排出用通路の容積が背圧室の容積の最大変化量よりも大きくなるため、排出用通路内におけるオイルの容量が背圧室に吸入されるオイルの容量よりも常に大きくなる。ポンプの吐出側における油圧が背圧室における油圧よりも低い場合には、背圧室の連通先がたとえポンプの吸入側であっても、背圧室の容積が拡大するかたちに可動部材が変位し得る。このようにして背圧室の容積が強制的に拡大する場合には、背圧室の連通先であるポンプの吸入側のオイル、すなわち排出用通路内のオイルが背圧室内へ逆流することになる。上述するような構成であれば、排出用通路内のオイルが背圧室内へ逆流したとしても、背圧室内へ逆流する(吸入される)オイルの容量が排出用通路内におけるオイルの容量よりも常に小さくなるため、排出用通路の連結先である吸入通路内のオイルが切り替え弁まで到達することがない。こうすることで、吸入通路内のオイルに含まれている異物が切り替え弁に流入し難くなる。その結果、異物に起因した切り替え弁の不具合が発生しにくくなり、リリーフ弁におけるリリーフ圧の切り替え動作の信頼性を向上させることが可能になる。
さらに、吸入通路が切り替え弁よりも重力方向に位置するため、これらを接続する排出用通路に流入した異物は、吸入通路へ戻されるような力(自重)を受けることになる。つまり、排出用通路が重力方向に長くなるため、吸入通路における異物が切り替え弁へ流入し難くなり、またこうした排出用通路の形状について自由度を拡張させることが可能にもなる。
また、排出用通路がその全長にわたり重力方向へ延びるかたちに構成されるため、こうした排出用通路がオイルの流通ルートから孤立する状態には、同排出用通路に流入した異物がその自重により効果的に吸入通路側の端へ移動することになる。それゆえ、吸入通路における異物がさらに切り替え弁へ流入し難くなり、リリーフ弁におけるリリーフ圧の切り替え動作の信頼性をより一層に向上させることが可能になる。
請求項2に記載の発明は、前記排出用通路の容積が前記背圧室の最大容積よりも大きいことを要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、排出用通路内のオイルが背圧室内へ逆流したとしても、背圧室内へ逆流する(吸入される)オイルの容量が排出用通路内におけるオイルの容量
よりも確実に小さくなるため、排出用通路の連結先である吸入通路内のオイルが切り替え弁まで到達することがない。それゆえ、リリーフ圧の切り替え動作の信頼性がさらに向上されることになる。
本発明にかかる可変油圧システムの構成をリリーフ弁の断面を中心に示した概略構成図。 リリーフ弁のリリーフ圧が低圧段に選択されている場合であって、(a)閉弁状態にあるリリーフ弁の断面構造を中心にオイルの流れを示した図、(b)開弁状態にあるリリーフ弁の断面構造を中心にオイルの流れを示した図。 リリーフ弁のリリーフ圧が高圧段に選択されている場合であって、(a)閉弁状態にあるリリーフ弁の断面構造を中心にオイルの流れを示した図、(b)開弁状態にあるリリーフ弁の断面構造を中心にオイルの流れを示した図。 従来の可変油圧システムにおいてリリーフ圧が高圧段に選択されている場合であって、(a)開弁状態にあるリリーフ弁の断面構造を中心にオイルの流れを示した図、(b)スリーブが低圧段制御位置に変位する際のオイルの流れを示した図。
以下、本発明にかかる可変油圧システムを具体化した一実施形態について図1〜図3を
参照して説明する。図1は、可変油圧システムの概略構成をリリーフ弁の断面構造を中心に示した構成図であり、オイルの供給対象である機関が始動前の状態を示している。
図1に示されるように、可変油圧システム10には、オイルパン11に貯留されているオイルを内燃機関の各部位に対して供給する供給通路12が設けられている。供給通路12の途中には、オイルを吸引して吐出する機関駆動式のポンプ13が設けられている。なお以下では、このポンプ13の吸入側における供給通路12を吸入通路12aとし、ポンプ13の吐出側における供給通路12を吐出通路12bという。吸入通路12aの吸入側の端部には、オイルに含まれる比較的大きな不純物を取り除くオイルストレーナ14が設けられている。
そして内燃機関の機関運転にともなってポンプ13が駆動されると、オイルパン11に貯留されたオイルがオイルストレーナ14及び吸入通路12aを通してポンプ13により吸い上げられて、吐出通路12bから内燃機関の各部位、例えばオイルの圧力により駆動される油圧駆動式の各種装置にオイルが供給される。さらには機関出力を取り出すためのピストンに対してそのオイルが噴射されて同ピストンを冷却するピストンジェット機構及び機関の被潤滑部等にオイルが供給される。この吐出通路12bの途中には、ポンプ13の吐出側と吸入側とに接続されたリリーフ通路15が設けられており、同リリーフ通路15の途中には、ポンプ13から吐出されたオイルの圧力が所定のリリーフ圧以上になるとそのオイルの一部を逃がすリリーフ弁20が設けられている。
リリーフ弁20を構成する弁本体21の一端部(図1に示す左端部)には、同弁本体21の端面に開口を有した円形孔であるボア23が設けられている。このボア23の開口は閉止部材22によって閉口されており、これによりボア23の内部空間に相当する収容室が弁本体21内に画成されている。この収容室を構成する閉止部材22には、ボア23の径よりも小さい径からなりボア23の内部へ突出する略円柱状の弁体支持部22Aがボア23と同一軸線上に設けられている。そしてこの弁体支持部22Aの外周面とボア23の内周面との間には、これらの間の距離が略等しくなるかたちに、ボア23の内周面の全周にわたる間隙が形成されている。また弁体支持部22Aの外周面の一部には、その径方向に突出するストッパ22Bが設けられている。以下、上述したボア23の中心軸Cに沿った方向を軸方向という。
弁本体21の他端部には、上述したボア23の径よりも小さい径からなる入口開口部24がボア23と同一軸線上に設けられている。ポンプ13の吐出側に接続されたリリーフ通路15と上述した収容室とは、この入口開口部24を介して連通している。またボア23における軸方向の中央位置付近には、軸方向に幅広な出口通路25がボア23の内周面に開口するかたちに設けられている。ポンプ13の吸入側に接続されたリリーフ通路15と上述した収容室とは、この出口通路25を介して連通している。
このように構成されたボア23の内部には、軸方向に沿って延びる円筒状の可動部材であるスリーブ26が同じく軸方向に沿って摺動可能に同一軸線上に内装されている。このスリーブ26の軸方向の長さは、収容室の同じく軸方向の長さよりも短く形成されており、またスリーブ26における一端部26Bは、上述した弁体支持部22Aの外周面とボア23の内周面との間の間隙に嵌装されている。つまり弁体支持部22Aの外周面とボア23の内面との間の隙間は、上記スリーブ26の一端部26B側の端面である背圧面26Cによってその軸方向の領域が区画されている。そして、これら弁体支持部22Aの外周面、ボア23の内周面、及びスリーブ26の背圧面26Cに囲まれるかたちの背圧室35が、スリーブ26が軸方向へ変位することによってその容積が拡大及び縮小可能な態様でボア23の全周にわたる上記の隙間に画成されている。
中心軸Cを挟んで前記ストッパ22Bと対向する位置には、ボア23の内周面に開口して上記背圧室35に連通する導出入孔36が弁本体21に内設されている。この導出入孔36には、一端が切り替え弁40に接続された背圧通路41の他端が接続されている。切り替え弁40は同切り替え弁40の重力方向に上記吸入通路12aが位置するかたちで構成されており、この切り替え弁40には、上記背圧通路41の他、ポンプ13の吐出側における吐出通路12bに接続された導入通路42と、ポンプ13の吸入側に接続されて重力方向に沿って延びる通路としての排出用通路43とがそれぞれ接続されている。この排出用通路43は、拡縮可能な背圧室35の容積の最大変化量ΔVよりも大きい容積V1からなるオイルの流路を有している。そして切り替え弁40が切り替え動作を実行することによって、背圧通路41(背圧室35)の接続先が導入通路42と排出用通路43とに切り替えられる。こうした切り替え弁40の切り替え動作は、切り替え弁40に電気的に接続された電子制御装置45によって内燃機関の機関運転状態に応じて実行される。切り替え弁40は例えば三方電磁弁であって、この切り替え弁40に対して通電がなされると、背圧通路41を通じて背圧室35に連通する通路が導入通路42に選択され、背圧室35における油圧が昇圧することとなる。また切り替え弁40に対する通電が遮断されると、背圧通路41を通じて背圧室35に連通する通路が排出用通路43に選択され、背圧室35における油圧が降圧することとなる。このようにして背圧室35への油圧の印加態様が切り替えられる。
上述したスリーブ26の内部には、同スリーブ26の軸方向を貫通する多段の円形孔が、スリーブ26の他端部26Aが厚肉となるかたちに設けられており、スリーブ26の他端部26Aには、入口開口部24の径よりも小さな孔径を有する流入孔28が設けられている。こうした構成からなるスリーブ26は、入口開口部24の径と流入孔28の径との差に応じた油圧を入口開口部24からその他端部26Aの端面に受けることになる。またこの油圧と相対向するかたちに、背圧室35における油圧を背圧面26Cに受けることになる。そして、これら他端部26Aの端面に作用する力と背圧面26Cに作用する力との差に応じてスリーブ26そのものが軸方向に沿って摺動することとなる。
詳述すると、切り替え弁40の切り替え動作により背圧室35と導入通路42とが連通する場合には、背圧室35における油圧が昇圧されて、スリーブ26そのものが軸方向に沿って入口開口部24側へと変位する。こうしたスリーブ26の変位に伴って、ポンプ13の吐出側におけるオイルが切り替え弁40を通じて背圧室35に供給され、背圧室35の容積が拡大することになる。このようなスリーブ26そのものの入口開口部24側への変位は、スリーブ26の他端部26Aが入口開口部24に係止されることで規制されることとなる。以下、スリーブ26の他端部26Aと入口開口部24とが当接するスリーブ26の位置を低圧段制御位置という。
なお、背圧室35と導入通路42とが連通しているとき、排出用通路43ではオイルの流動がほとんどないためオイルが滞留している状態にある。オイルに含まれている異物は、その比重がオイルよりも大きいことから、滞留状態にあるオイル中ではその自重によって重力方向に向かって移動することになる。本実施形態の排出用通路43は重力方向沿って延びる通路であることから、こうした排出用通路43にある異物は、排出用通路43内を切り替え弁40から遠ざかる方向へと移動し、やがて排出用通路43から排出されることになる。こうすることで、排出用通路43内のオイルに含まれる異物が低減されるとともに、同排出用通路43内に異物が堆積することが抑制される。
これに対して、切り替え弁40の切り替え動作により背圧室35と排出用通路43とが連通する場合には、背圧室35における油圧が降圧されて、スリーブそのものが軸方向に沿って閉止部材22側に変位することになる。こうしたスリーブ26の変位に伴って、背圧室35内のオイルが導出入孔36へと排出され、背圧室35の容積が縮小することにな
る。このようなスリーブ26そのものの閉止部材22側への変位は、スリーブ26の背圧面26Cが閉止部材22のストッパ22Bに係止されることで規制されることとなる。以下、背圧面26Cとストッパ22Bとが当接するスリーブ26の位置を高圧段制御位置という。
なお、スリーブ26が高圧段制御位置に位置し続けるときも、排出用通路43ではオイルの流動がほとんどないためオイルが滞留している状態にある。上述したように、こうした滞留状態にあるオイルに含まれている異物は、排出用通路43内を切り替え弁40から遠ざかる方向に移動し、排出用通路43から排出されることになる。
スリーブ26の周壁において出口通路25と対向する部分には、出口通路25における軸方向の幅よりも小さい径を有するリリーフ孔29がスリーブ26の周壁を貫通するかたちに設けられている。このリリーフ孔29はスリーブ26の変位とともに軸方向に変位する通路であり、スリーブ26の全ての移動範囲において出口通路25と連通する位置に設けられている。そしてスリーブ26が低圧段制御位置に位置するときには、このリリーフ孔29がその移動範囲において弁体支持部22Aから最も遠ざかることとなり、またスリーブ26が高圧段制御位置に位置するときには、このリリーフ孔29がその移動範囲において弁体支持部22Aに最も近づくこととなる。
スリーブ26の内部には、有蓋円筒状をなしてその外周面により上記リリーフ孔29を閉鎖可能にする弁体27が軸方向に沿って摺動可能に内装されている。この弁体27は、同じくスリーブ26の内部に内装されたコイルばね30を介して弁体支持部22Aに連結されており、このコイルばね30の復元力によって流入孔28側へ付勢されている。こうした構成からなる弁体27は、流入孔28における油圧に基づいて同弁体27を閉止部材22側へ押し込む力を受け、またコイルばね30のストロークに応じた復元力に基づいて同弁体27を閉止部材22から押し出す力を受けることとなる。つまり油圧に基づく力が大きくなるほど弁体27は弁体支持部22Aに近づくこととなり、油圧に基づく力が小さくなるほど弁体27は弁体支持部22Aから遠ざかることとなる。
こうした構成からなる可変油圧システム10においては、弁体27がリリーフ孔29を開通するか否か、つまりオイルがリリーフされるか否かが、弁体27の位置とリリーフ孔29の位置とにより規定されることとなる。つまり弁体27の位置を規定する油圧がリリーフ圧であるか否かに応じて、オイルがリリーフされるか否かが切り替わり、さらにリリーフ孔29の位置を規定する背圧室35の油圧の印加状態が2段階であることから、上述のリリーフ圧が2段階に切り替えられることとなる。
詳述すると、スリーブ26が低圧段制御位置に位置する場合には、ポンプ13の吐出側における油圧が低圧段のリリーフ圧に到達するまで弁体27がリリーフ孔29を閉鎖し続けることとなる。そしてポンプ13の吐出側における油圧が低圧段のリリーフ圧に到達すると、コイルばね30のストロークが相対的に小さい状況で弁体27がリリーフ孔29を開通することとなる。一方、スリーブ26が高圧段制御位置に位置する場合には、ポンプ13の吐出側における油圧が高圧段のリリーフ圧に到達するまでは、コイルばね30からの復元力を受ける弁体27がリリーフ孔29を閉鎖し続けることとなる。つまりポンプ13の吐出側における油圧がたとえ低圧段のリリーフ圧になったとしても、コイルばね30のストロークが小さいために、弁体27によりリリーフ孔29が閉鎖されることとなる。そしてポンプ13の吐出側における油圧が高圧段のリリーフ圧に到達すると、コイルばね30のストロークが相対的に大きい状況で弁体27がリリーフ孔29を開通することとなる。
ところで、リリーフ弁20のリリーフ圧が高圧段に選択されているとき、すなわち背圧
室35と排出用通路43とが連通しているときに、機関回転速度が著しく低下した場合には、機関駆動式であるポンプ13の吐出圧が低下して吐出通路12bの油圧も低下する。こうした場合のリリーフ弁20にあっては、コイルばね30の付勢力によって弁体27が入口開口部24に向かって変位し、やがてスリーブ26が低圧段制御位置に到達するまでその変位を続けることになる。つまり、背圧室35の連通先が排出用通路43であるのにも関わらず、こうしたスリーブ26の強制的な変位によって背圧室35の容積が拡大されることになる。このとき背圧室35には、その拡大した容積の分だけオイルが導入されることになり、スリーブ26が高圧段制御位置から低圧段制御位置まで変位した場合には、その最大変化量ΔVの分のオイルが背圧室35に吸入通路12a側から導入されることになる。
ここで、導出入孔36、背圧通路41、切り替え弁40、排出用通路43、これらの容積の合計が背圧室35の最大変化量ΔVよりも小さい場合には、吸入通路12a内のオイルが切り替え弁40ばかりでなく、背圧室35にも流入することになる。こうした場合には、オイルストレーナ14を通過した微少な異物が、吸入通路12a内のオイルとともに背圧室35に流入することになる。スリーブ26が高圧段制御位置に位置しているとき、導出入孔36、背圧通路41、切り替え弁40、排出用通路43内ではオイルが滞留状態にある一方、供給通路12内のオイルはポンプ13の吐出動作によって常に流動している。そのため、上述した弁体27によるスリーブ26の変位が繰り返された場合、切り替え弁40及び背圧室35にはその度毎に吸入通路12a内のオイルに含まれる異物が新たに流入することとなり、その内部に流入する異物の量が増えることになる。その結果、背圧室35においては、例えば異物がストッパ22Bに堆積してスリーブ26が高圧段制御位置まで変位できなくなり、リリーフ弁20のリリーフ圧が不安定になる虞がある。また切り替え弁40においては、例えばオイルの流通経路の円滑な切り替えが異物によって阻害される虞がある。
これに対して、本実施形態の排出用通路43は、背圧室35の最大変化量ΔVよりも大きい容積V1を有している。こうした構成であれば、たとえ背圧室35の容積が最大変化量ΔVだけ拡大することが繰り返されても、切り替え弁40には排出用通路43内に滞留しているオイルだけが導入されることになる。これにより、切り替え弁40はもとより背圧室35にも吸入通路12a内のオイルが導入されることがなく、吸入通路12a内のオイルに含まれる異物が切り替え弁40及び背圧室35に流入し難くなる。その結果、異物に起因にした切り替え弁40及び背圧室35の不具合が発生し難くなり、リリーフ弁20のリリーフ圧の信頼性を向上させることが可能になる。
その上、排出用通路43が重力方向に沿って延びる通路であることから、排出用通路43内のオイルに含まれる異物は、オイルが滞留している間にその自重によって排出用通路43内を切り替え弁40から遠ざかる方向に移動し、やがて排出用通路43から排出されることになる。これにより、排出用通路43そのものに滞留する異物が少なくなり、こうした排出用通路43からオイルが流入する切り替え弁40及び背圧室35においては、異物の流入がより低減されることになる。
次に、可変油圧システム10におけるリリーフ弁20の作動態様について説明する。
まず、リリーフ弁20のリリーフ圧が低圧段に選択されている場合について図2を参照して説明する。図2(a)に、閉弁状態にあるリリーフ弁の断面構造を中心に可変油圧システム10の概略構成を示す。図2(b)に、開弁状態にあるリリーフ弁20の断面構造を中心に可変油圧システム10の概略構成を示す。
図2(a)に示されるように、機関運転状態に基づいて電子制御装置45によって切り替え弁40に対して通電がなされると、導入通路42と背圧通路41とが連通状態になり
、ポンプ13から吐出されたオイルの一部が、導入通路42、背圧通路41、及び導出入孔36を通じて背圧室35に供給される。背圧室35にオイルが供給されると、背圧室35における油圧が昇圧されて、スリーブ26が軸方向に沿って入口開口部24側に移動して低圧段制御位置に変位する。
このとき、オイルの流通ルートから孤立している排出用通路43ではオイルが滞留している状態にある。そのため、排出用通路43内のオイルに含まれる異物は、その自重によって切り替え弁40から遠ざかる方向へと移動し、やがて吸入通路12aへと排出されることになる。
一方、機関回転速度の上昇にともなってポンプ13から吐出されるオイルの圧力が上昇すると、弁体27を閉止部材22側へと押し込む力が大きくなり、その結果、弁体27が閉止部材22側へ変位することとなる。そして図2(b)に示されるように、ポンプ13の吐出側の油圧が低圧段のリリーフ圧になると、弁体27は、入口開口部24、流入孔28、リリーフ孔29、及び出口通路25が連通状態となる位置に変位する。これにより、ポンプ13の吐出側における過剰なオイルがリリーフ通路15を通じてポンプ13の吸入側にリリーフされ、ポンプ13から吐出されるオイルの圧力が低圧段のリリーフ圧に保持されることとなる。こうした状態にあっては、リリーフ孔29がその移動範囲の中で相対的に閉止部材22から離れていることから、コイルばね30のストロークが相対的に小さい状況でオイルがリリーフされることとなり、その結果、ポンプ13の吐出側が低圧段に制御されることとなる。
次に、リリーフ弁20のリリーフ圧が高圧段に選択されている場合について図3を参照して説明する。図3(a)に、閉弁状態にあるリリーフ弁の断面構造を中心に可変油圧システム10を示す。図3(b)に、開弁状態にあるリリーフ弁20の断面構造を中心に可変油圧システム10の概略構成を示す。
機関運転状態に基づきリリーフ弁20のリリーフ圧を低圧段から高圧段に切り替える際には、まず電子制御装置45によって切り替え弁40に対する通電が遮断される。切り替え弁40に対する通電が遮断されると、図3(a)に示されるように、背圧通路41と導入通路42とが非連通状態となり背圧室35へのオイルの供給が禁止されるとともに、背圧通路41と排出用通路43とが連通状態となる。これにより背圧室35内のオイルの圧力が降圧されて、スリーブ26は低圧段制御位置から軸方向に沿って閉止部材22側へ変位する。またスリーブ26の変位によってリリーフ孔29が弁体27よりも閉止部材22側に移動してリリーフ通路15が遮断されるとともに、こうしたスリーブ26と弁体27との相対的な変位によってスリーブ26の他端部26Aに弁体27が当接することとなる。
こうしたリリーフ通路15の遮断によってポンプ13の吐出側における油圧が昇圧されると、コイルばね30の復元力に抗して弁体27が閉止部材22側にさらに変位することとなり、これに追従するかたちでスリーブ26も閉止部材22側へとさらに変位して、やがて高圧段制御位置に位置することとなる。こうした低圧段制御位置から高圧段制御位置への変位によって背圧室35の容積が縮小されると、背圧室35及び背圧通路41内のオイルがその縮小された容積の分だけ排出用通路43を通じて吸入通路12aへと排出されることとなる。
図3(b)に示されるように、スリーブ26が高圧段制御位置に位置するとスリーブ26のリリーフ孔29は、弁本体21の出口通路25における閉止部材22側で同出口通路25と連通する。機関回転速度の上昇にともなってポンプ13から吐出されるオイルの圧力が上昇し、やがてポンプ13の吐出側における油圧が高圧段のリリーフ圧に到達すると
、弁体27は入口開口部24、流入孔28、リリーフ孔29、及び出口通路25を連通状態にする位置まで変位する。これにより、ポンプ13の吐出側における過剰なオイルがリリーフ通路15を通じてポンプ13の吸入側にリリーフされ、ポンプ13の吐出側における油圧が高圧段に保持されることとなる。つまり、切り替え弁40に対して通電が遮断されると、スリーブ26が高圧段制御位置に変位してスリーブ26のリリーフ孔29が弁本体21の出口通路25における閉止部材22側で連通した状態、すなわちコイルばね30のストロークが相対的に大きい状況でオイルがリリーフされることから、リリーフ弁20のリリーフ圧が高圧段となる。
そして、スリーブ26が高圧段制御位置に位置している間、排出用通路43においてはオイルが滞留状態にあることから、そのオイルに含まれる異物は、その自重によって切り替え弁40から遠ざかる方向へと移動し、やがては吸入通路12aへと排出されることになる。また、この状態から機関回転速度が著しく低下してポンプ13の吐出圧が低下すると、弁体27が入口開口部24側へと移動して、同弁体27がスリーブ26を低圧段制御位置まで変位させる。このとき、切り替え弁40及び背圧室35には、吸入通路12a内のオイルが導入されることがなく、たとえ上述した弁体27によるスリーブ26の変位が繰り返されたとしても、切り替え弁40及び背圧室35に対して新たな異物の流入が回避されることになる。それゆえ、異物に起因した切り替え弁40及び背圧室35の不具合が発生し難くなり、リリーフ弁20における以後のリリーフ圧の切り替え動作の信頼性を向上させることが可能になる。
以上説明したように、本実施形態における可変油圧システムによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態によれば、切り替え弁40とポンプ13の吸入側である吸入通路12aとを接続する排出用通路43の容積V1を、背圧室35の容積の最大変化量ΔVよりも大きくした。こうすることにより、背圧室35の連通先が排出用通路43である場合に背圧室35の容積が拡大したとしても、吸入通路12a内のオイルに含まれる異物が切り替え弁40及び背圧室35に混入することが回避される。それゆえ、吸入通路12a内のオイルに含まれる異物の混入を回避した分だけ切り替え弁40及び背圧室35に混入される異物の量が低減されることになる。その結果、異物に起因にした切り替え弁40及び背圧室35の不具合が発生しにくくなり、リリーフ弁20におけるリリーフ圧の切り替え動作の信頼性を向上させることが可能になる。
(2)上記実施形態によれば、排出用通路43を重力方向に沿って延びる通路とした。こうすることにより、排出用通路43内のオイルが滞留状態であるときには、排出用通路43内のオイルに含まれる異物がその自重によって重力方向へと移動することになり、やがて吸入通路12aに排出されることになる。これにより、排出用通路43内のオイルに含まれる異物が低減されるとともに、同排出用通路43内に異物が堆積することが抑制される。それゆえ、たとえ背圧室35と排出用通路43とが連通しているときに背圧室35の容積が拡大したとしても、排出用通路43内の異物そのものの堆積が抑制されているため、切り替え弁40及び背圧室35に混入する異物がより一層に低減可能になる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、切り替え弁40の重力方向に吸入通路12aが位置するかたちで構成されているが、これを変更して、例えば吸入通路12aの重力方向に切り替え弁40が位置する構成であっても、排出用通路43の一部に、切り替え弁40から吸入通路12aに向かう通路の方向が重力方向の成分を含む構成であればよい。また例えば、切り替え弁40から吸入通路12aに向かって、重力方向と交差する方向に向かって延びる排出用通路であってもよいし、途中で屈曲している排出用通路であってもよい。こうした構成であっても、上記(1)に類する効果を得ることができ、また重力方向の成分を含む通路に
おいては、オイル内の異物が自重によって切り替え弁40から遠ざかる方向へと移動することから、切り替え弁40に流入する異物を低減することが可能である。
・排出用通路の容積は、背圧室35の容積の最大変化量よりも大きいものであれば、背圧室35の最大容積よりも大きい構成であってもよい。こうした構成によれば、上記(1)、(2)と同様の効果が得られる上、吸入通路12aから背圧室35に向けて逆流するオイルの容量が排出用通路43内におけるオイルの容量よりも確実に小さくなるため、リリーフ圧の切り替え動作の信頼性がさらに向上されることになる。また排出用通路は、その容積が背圧室35の最大変化量ΔVよりも大きいならば、例えば重力方向と直交する水平方向に向かって延びる通路であってもよい。
・上記実施形態の可変油圧システム10には、オイルストレーナ14よりも小さい異物を取り除くオイルフィルタを吐出通路12bに設けてもよく、こうした構成であっても上述した効果を得ることが可能である。特に、上述したオイルフィルタをポンプ13と導入通路42への接続部との間に設けた場合には、吐出通路12bから切り替え弁40に供給されるオイルがそれから異物が取り除かれた状態であるため、上述した効果がより顕著に得られることになる。
・上記実施形態においては、弁体支持部22Aとボア23との間の間隙(ボア23の底部に設けられた段差部)にスリーブ26の下端面である背圧面26Cが嵌装されるかたちで、その間隙に背圧室35が画成されている。これを変更して、例えばコイルばねを介して弁体27が入口開口部24に連結される構成であれば、弁体支持部22Aを閉止部材22から割愛して有底円筒状のスリーブを採用することが可能にもなり、こうしたスリーブの底面と上記閉止部材との間の間隙そのものによって背圧室35が構成されてもよい。こうした構成であれば、背圧室の形状に関してその簡素化を図ることも可能である。
・上記実施形態では、可動部材が円筒状のスリーブ26として具体化されているが、これに限らず、こうした可動部材の形状は、背圧室における油圧の印加態様に応じてリリーフ圧が切り替えられるべく変位可能となる構成であれば、例えば矩形筒状をなす構成やその他の形状にも具体化することが可能である。
C…中心軸、ΔV…最大変化量、V1…容積、10…可変油圧システム、11…オイルパン、12…供給通路、12a…吸入通路、12b…吐出通路、13…ポンプ、14…オイルストレーナ、15…リリーフ通路、20…リリーフ弁、21…弁本体、22…閉止部材、22A…弁体支持部、22B…ストッパ、23…ボア、24…入口開口部、25…出口通路、26…スリーブ、26A…他端部、26B…一端部、26C…背圧面、27…弁体、28…流入孔、29…リリーフ孔、30…コイルばね、35…背圧室、36…導出入孔、40…切り替え弁、41…背圧通路、42…導入通路、43…排出用通路、45…電子制御装置、50…可変油圧システム、51…オイルパン、52…供給通路、53…ポンプ、54…オイルストレーナ、55…リリーフ通路、60…リリーフ弁、61…弁本体、61a…ボア、62…閉止部材、62a…閉止部、63…収容室、64…入口通路、65…出口通路、66…スリーブ、67…弁体、68…弁体摺動孔、69…リリーフ孔、70…コイルばね、71…背圧室、72…背圧通路、73…切り替え弁、74…導入通路、75…排出用通路。

Claims (2)

  1. 背圧室における油圧とポンプの吐出側における油圧との差に応じて同背圧室の容積が拡大及び縮小する態様で変位することにより同ポンプの吐出側におけるリリーフ圧を変更する可動部材を有したリリーフ弁と、
    前記背圧室が連通する連通先を、オイルの供給対象と前記ポンプとを接続する吐出通路と、オイルタンクと前記ポンプとを接続する吸入通路とに切り替える切り替え弁と
    を備え、
    前記切り替え弁による前記連通先の切り替えにより前記背圧室における油圧を変更して当該油圧に応じた前記可動部材の変位により前記リリーフ弁のリリーフ圧を変更する可変油圧システムであって、
    前記切り替え弁と前記吸入通路とを接続する排出用通路の容積が前記背圧室の容積の最大変化量よりも大きく、
    前記吸入通路が前記切り替え弁よりも重力方向に位置するとともに、前記排出用通路が前記切り替え弁から重力方向に沿って前記吸入通路まで延びる通路である
    ことを特徴とする可変油圧システム。
  2. 前記排出用通路の容積が前記背圧室の最大容積よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の可変油圧システム。
JP2009114939A 2009-05-11 2009-05-11 可変油圧システム Expired - Fee Related JP5453911B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009114939A JP5453911B2 (ja) 2009-05-11 2009-05-11 可変油圧システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009114939A JP5453911B2 (ja) 2009-05-11 2009-05-11 可変油圧システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010261569A JP2010261569A (ja) 2010-11-18
JP5453911B2 true JP5453911B2 (ja) 2014-03-26

Family

ID=43359817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009114939A Expired - Fee Related JP5453911B2 (ja) 2009-05-11 2009-05-11 可変油圧システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5453911B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4942833B2 (ja) * 2010-04-07 2012-05-30 アイシン精機株式会社 リリーフ圧力変更機能付きリリーフバルブ
JP5601510B2 (ja) * 2010-07-07 2014-10-08 アイシン精機株式会社 リリーフバルブ
JP5598706B2 (ja) * 2010-07-07 2014-10-01 アイシン精機株式会社 リリーフバルブ
WO2015168558A1 (en) 2014-05-02 2015-11-05 Goehler Dannie Pressure release valve for oil recovery systems
JP2019167986A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 いすゞ自動車株式会社 リリーフバルブ
DE102019132414A1 (de) * 2019-11-29 2021-06-02 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Ventil und Vorrichtung zur Regelung von Drücken eines Strömungsmittels mit dem Ventil sowie Vorrichtung zur Sicherung des Ventils in dem Getriebebauteil

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01180073U (ja) * 1988-06-13 1989-12-25
JP5070836B2 (ja) * 2006-12-26 2012-11-14 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 ソレノイド駆動装置及びソレノイドバルブ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010261569A (ja) 2010-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5453911B2 (ja) 可変油圧システム
KR101538198B1 (ko) 오일 제어 밸브 및 오일 유동 제어 방법
CN107489791B (zh) 可变容量压缩机用控制阀
JP5585817B2 (ja) リリーフバルブ
JP6082548B2 (ja) 可変容量形ポンプ
JP6004919B2 (ja) 可変容量形オイルポンプ
JP6537776B2 (ja) 流体ポンプアウトレット圧調整のためのシステム及び方法
JP4942833B2 (ja) リリーフ圧力変更機能付きリリーフバルブ
US20150107686A1 (en) Oil pump for internal combustion engine, and relief pressure control apparatus for oil pump
EP3205873A1 (en) High pressure fuel supply pump
CN107532593B (zh) 可变容量式油泵
EP2203233A1 (en) Device for filtering pressurized oil
WO2010023276A2 (en) An improved fuel pressure regulation system and an improved fuel pressure regulator for use therein
JP2013241835A (ja) 高圧燃料ポンプのリリーフ弁
JP2010236691A (ja) 可変油圧システム
JP5598706B2 (ja) リリーフバルブ
JP2010236676A (ja) 可変油圧システム
JP5428507B2 (ja) 可変油圧システム
US11867298B2 (en) System pressure valve for a hydraulic system of a motor vehicle transmission
JP2016223498A (ja) 流体制御装置
JP2010238205A (ja) 可変油圧システム
JP2012017801A (ja) リリーフバルブ
JP6511964B2 (ja) 流体制御装置
JP6974082B2 (ja) 油圧制御装置、ポンプおよび内燃機関への作動油供給システム
JPH06288489A (ja) 三方電磁弁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131223

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5453911

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees