JP5453677B2 - シリカガラスルツボ、シリコンインゴットの製造方法 - Google Patents

シリカガラスルツボ、シリコンインゴットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリカガラスルツボ及びシリコンインゴットの製造方法に関する。
シリコン単結晶は、一般に、シリカガラスルツボ内で高純度の多結晶シリコンを溶融させてシリコン融液を得て、このシリコン融液に種結晶の端部を浸けて回転させながら引き上げることによって製造する。
シリカガラスルツボは、シリカガラスからなるルツボであり、一般に、合成シリカガラス層(以下、「合成層」と称する)からなる内側層と、天然シリカガラス層(以下、「天然層」と称する)からなる外側層の二層構造になっている。合成層とは、化学合成された非晶質又は結晶質のシリカ(二酸化シリコン)を溶融させたものを固化して形成されるガラス層であり、天然層とは、α−石英を主成分とする天然鉱物を溶融させたものを固化して形成されるガラス層である。合成層は、純度が非常に高いので、内側層を合成層にすることによってシリコン融液への不純物混入を低減することができる。また、天然層は、強度が比較的高いので、外側層を天然層にすることによってルツボの強度を高くすることができる。
シリコン融液は、シリコンの融点が1410℃であるので、それ以上の温度に維持される。この温度では、シリカガラスルツボとシリコン融液とが反応して、シリカガラスルツボの壁の厚さが徐々に減少する。ルツボの壁の厚さが減少するとその強度が低下し、それによってルツボの座屈や沈み込みといった現象が発生するという問題が生じる。
このような問題を解決するために、天然層と合成層の間にガラスの結晶化を促進する層を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1)。このような層を設けると、ルツボが長時間加熱された際に、シリコン融液と接触している合成層の結晶化が促進され、ルツボの内層の全体が結晶化される。シリカの結晶は、単位厚さ当たりの強度がガラスよりも高く、かつ、シリコン融液との反応性がガラスよりも低いので、結晶化によって、ルツボ壁の単位厚さ当たりの強度を高めると共にルツボの壁厚減少を抑制することができる。
また、ルツボの外層に結晶化を促進する層を設けて、これによってルツボの外層を結晶化して、ルツボの強度向上を図る技術も知られている(例えば、特許文献2を参照)。
これらの何れの方法によっても、ルツボの強度は向上し、ルツボの座屈や沈み込みといった問題は一応は解決が可能である。
特許3798907号明細書 特開2000−247778号公報
これまで、シリカガラスルツボは、一本のシリコンインゴットの引き上げのために利用され、引き上げ後は再利用されずに廃棄されるのが一般的であった(このような引き上げを「シングル引き上げ)と称する。)。ところが、近年は、シリコンインゴットのコスト低減のために、シリコンインゴットを一本引き上げた後、ルツボが冷える前に多結晶シリコンを再充填・溶融して、二本目以降のシリコンインゴットの引き上げが行われるようになってきた。このように、一つのシリカガラスルツボで複数本のシリコンインゴットの引き上げを行うことを「マルチ引き上げ」と称する。
マルチ引き上げにおいては、特許文献1や2では想定されていなかった種々の問題が浮上してきた。第一に、一般にシリコンインゴットの引き上げは、Arガス雰囲気中で行われるが、多結晶シリコンを再充填・溶融する際に、Arガスがルツボの内面に泡として残留し、次のシリコン単結晶引上げ中に、離脱・浮遊する現象が発生した。このArガスの泡は、シリコンインゴットに混入して、シリコンインゴットの結晶性を悪化させるという問題を引き起こす。また、第二に、マルチ引き上げでは、ルツボが高温に曝される時間が長くなったり、多結晶シリコンを再充填する際にルツボに衝撃が加わったりするので、ルツボ外層に形成されたクリストバライトが剥がれてパーティクルとしてシリコン融液に混入してシリコンインゴットの結晶性を悪化させるという問題も浮上した。
これらの問題は、マルチ引き上げの採用を検討するに当たって初めて浮上したものであって、シングル引き上げでは問題にならなかったことである。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、マルチ引き上げにおいてもシリコンインゴットの結晶性の悪化を抑制することができるシリカガラスルツボを提供するものである。
本発明によれば、シリコン単結晶引き上げに用いるシリカガラスルツボであって、前記ルツボの壁が、前記ルツボの内面から外面に向かって合成層、天然層、不純物含有シリカガラス層(以下、「不純物含有層」と称する)及び天然層を有するシリカガラスルツボが提供される。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、ルツボの内層が結晶化されている場合にArガスの付着量が増大することを見出し、ルツボの内層の結晶化を抑制することによってArガスの付着の問題を抑制することができることを見出した。また、不純物含有層が合成層に直接接触している場合には合成層が結晶化されてしまうが、その間に天然層を設けることによって、合成層の結晶化を抑制できることを見出した。本発明者は、これらの知見に基づいて、ルツボの壁を内面から外面に向かって合成層、天然層、不純物含有層及び天然層を有するように構成すれば、ルツボ内面あるいは外面でのガラスの結晶化を防ぐことができ、それによってArガスの付着やパーティクルの混入という問題を防ぐことができることを見出し、本発明の完成に到った。
本発明によれば、シリカガラスルツボの内外面での結晶化を防ぐことができ、それによって、Arガスの付着やパーティクルの混入という問題を防ぐことができる。また、不純物を含有している不純物含有層は、比較的容易に結晶化される。上記の通り、結晶化した層は、単位厚さ当たりの強度がガラスよりも高いので、不純物含有層の結晶化によって座屈や沈み込みの問題も解決できる。
本発明の一実施形態のシリカガラスルツボの構造を示す断面図である。 図1中の領域Aの拡大図である。 実施例における、ルツボの評価基準を説明するための断面図である。
1.シリカガラスルツボの構成
以下、図1〜図2を用いて、本発明の一実施形態のシリカガラスルツボについて説明する。図1は、本実施形態のシリカガラスルツボの構造を示す断面図であり、図2は、図1中の領域Aの拡大図である。
本実施形態のシリカガラスルツボ1は、シリコン単結晶引き上げに用いるシリカガラスルツボ1であって、前記ルツボ1の壁3が、前記ルツボ1の内面から外面に向かって合成層3a、天然層3b、不純物含有層3c及び天然層3dを有する。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
(1)シリカガラスルツボ1
本実施形態のシリカガラスルツボ1は、シリコン単結晶の引き上げに用いられるものであり、シングル引き上げとマルチ引き上げのどちらに用いてもよいが、マルチ引き上げに用いることが好ましい。なぜなら、本実施形態のシリカガラスルツボ1は、上記の課題の項で述べたようなArガスの付着やパーティクルの混入というマルチ引き上げにおいて顕著に現れる問題を従来のルツボよりもはるかに効果的に解決するものであるからである。
(2)シリカガラスルツボの壁3
シリカガラスルツボ1の壁3は、図1に示した断面図のように、曲率が比較的大きいコーナー部32と、上面に開口した縁部を有する円筒状の側部31と、直線または曲率が比較的小さい曲線からなるすり鉢状の底部を33を有する。壁3は、ルツボ1の内面から外面に向かって合成層3a、天然層3b、不純物含有層3c及び天然層3dを有する。尚、本発明において、コーナー部とは、側部31と底部33を連接する部分で、コーナー部の曲線の接線がシリカガラスルツボの側部31と重なる点から、底部と共通接線を有する点までの部分のことを意味する。
(2−1)合成層3a
合成層3aは、ルツボ1の最も内側に配置されていて、シリコン融液と接触する層である。合成層3aは、化学合成された非晶質又は結晶質のシリカ(二酸化シリコン)を溶融させたものを固化して形成されるガラス(以下、「合成シリカガラス」と称する)からなる層であり、不純物濃度が非常に低い。従って、ルツボ1の内層を合成層3aにすることによってシリコン融液への不純物の混入を低減することができる。シリカの化学合成の方法は、特に限定されないが、四塩化珪素(SiCl)の気相酸化(乾式合成法)や、シリコンアルコキシド(Si(OR))の加水分解(ゾル・ゲル法)が挙げられる。化学合成によって得られたシリカには、結晶型の微細構造が実質的に存在していないので、構造が変化しやすい。このため、このようなシリカを溶融させたものを固化して形成される合成層は、粘度が比較的小さく、かつ結晶化されやすい。
(2−2)天然層3b
天然層3bは、合成層3aと不純物含有層3cとの間に配置される層である。天然層3bは、α−石英を主成分とする天然鉱物を溶融させたものを固化することによって形成されるガラス(以下、「天然シリカガラス」と称する)からなる層である。α−石英を溶融させると粘度は大幅に低下するが、SiO結合の繰り返しによる鎖状構造は完全には切断されず、天然シリカガラス中には結晶型の微細構造が残存しているため、天然シリカガラスは、構造が変化しにくい。このため、天然層は、粘度が比較的大きく、かつ結晶化されにくい。後述するように、不純物含有層3cは非常に結晶化されやすく、この層3cに合成層が接触していると、不純物含有層3cが結晶化された際にその影響によって、合成層も結晶化される。しかし、本実施形態では、合成層3aと不純物含有層3cとの間に、比較的結晶化されにくい天然層3bを設けているので、合成層3aの結晶化を防ぐことができ、従って、Arガスがルツボ1内面に付着することによる、シリコンインゴットの結晶性の悪化を防ぐことができる。
(2−3)不純物含有層3c
不純物含有層3cは、内側の天然層3bと外側の天然層3dとの間に配置される層である。不純物含有層3cは、不純物を含有しているガラス層である。シリコンインゴットの引き上げ時のシリコン融液の温度は、約1450℃であり、このような高温環境下では、ガラス層に不純物が含まれていると、この不純物が核となってガラスが比較的容易にシリカ結晶に変態する。シリカ結晶はガラスよりも強度が高いので、この結晶化によってルツボ1の強度が高くなり、座屈や沈み込みの問題が解消される。
不純物含有層3cを構成するガラスの種類は特に限定されず、合成シリカガラスであっても天然シリカガラスあってもよいが、結晶化による強度向上という目的を考慮すると、ガラスが結晶化しやすい合成シリカガラスが好ましい。但し、結晶化が起こるまでルツボの強度を維持するという観点からは、天然シリカガラスが好ましい。
不純物の種類は、不純物含有層3cの結晶化を促すものであれば特に限定されない。結晶化は、金属不純物が含まれている場合に特に起こりやすいので、不純物としては、金属不純物が好適であり、例えば、アルカリ金属(例:ナトリウムやカリウム)、アルカリ土類金属(マグネシウムやカルシウム)、アルミニウムである。アルミニウムを添加した場合、不純物含有層3cの粘度が高まるので、不純物はアルミニウムが好ましい。不純物の含有量は、結晶化を促すのに十分な量であれば特に限定されないが、例えば、20ppm以上である。また、不純物の含有量は、あまりにも多いと不純物が熱拡散によってルツボ1の内面にまで到達する可能性が高くなるので、500ppm以下が好ましい。
不純物含有層3cの厚さは、壁3の側部31、コーナー部32と底部33とで同一であってもよいが、底部33での厚さが側部31での厚さよりも薄いか、底部33には形成しないこと好ましい。底部33での厚さは、側部31での厚さの1/2以下が好ましく、1/4以下がさらに好ましい。シリコンインゴットの引き上げ後にルツボ1の底部32には残存するシリコン融液が液面から固化し始めるが、シリコン融液は固化する際に体積が膨張するので、固化した表面がルツボの内面側から圧迫する。また、ルツボの外周にあり、ルツボを支えるカーボンルツボは冷却中に熱収縮するので、カーボンルツボがルツボの外面側から圧迫する。そのような状況において、変形し難い不純物含有層3c層が厚いと、ルツボ1に亀裂が入り、底部が割れる。シリコン融液がまだ表面しか固化していない状況においてルツボの底部が割れると、高温のシリコン融液がルツボから流出し、周辺の冶具をすべて破損させる。
不純物含有層3cの底部33での厚さは、側部31での厚さの50%以下が好ましく、20%以下がさらに好ましい。この程度薄くすれば、上記の亀裂の問題をさらに確実に防ぐことができるからである。
不純物含有層3cの側部31およびコーナー部32での厚さは、特に限定されないが、壁3の厚さの10〜70%が好ましく、30〜50%がさらに好ましい。このような範囲であれば、ルツボ1の強度を高めることができ、かつ、天然層3b,3dの厚さを厚くすることができるので、不純物含有層3c中の不純物がルツボ1の表面に拡散することを防ぐことができるからである。
不純物含有層3cは、側部31およびコーナー部32の全体に設けてもよく、側部31及びコーナー部32の一部にのみ設けてもよい。一部に設けた場合であっても、ルツボ1の強度向上の効果を得ることができるからである。また、側部31の一部に設ける場合、側部31の上端31a(ルツボ1の開口端)を含む部位に設けることが好ましい。このような部位に不純物含有層3cを設けることによって、ルツボ1の座屈を効果的に防ぐことができるからである。
(2−4)天然層3d
天然層3dは、不純物含有層3cの外側に配置される。天然層3bと同様に、天然層3dは、結晶化されにくいので、不純物含有層3cの外側に天然層3dを配置することによって、ルツボ1の外面の結晶化を防ぐことができ、従って、ルツボ1の外面のシリカ結晶が剥離して生じるパーティクルがシリコン融液に混入することによる、シリコンインゴットの結晶性悪化を防ぐことができる。
2.シリカガラスルツボの製造方法
本実施形態のシリカガラスルツボ1は、(1)回転モールドの底面及び側面上に結晶質又は非晶質のシリカ粉を堆積させることによって、天然層3d、不純物含有層3c、天然層3b、及び合成層3a用のシリカ粉層を形成し、(2)このシリカ粉層をアーク放電によって2000〜2600℃に加熱して溶融させて固化することによってガラス化すると共に直ちに冷却することによって、製造することができる。
天然層を形成するためのシリカ粉(天然シリカ粉)は、α−石英を主成分とする天然鉱物を粉砕して粉状にすることによって製造することができる。
合成層を形成するためのシリカ粉(合成シリカ粉)は、四塩化珪素(SiCl)の気相酸化(乾式合成法)や、シリコンアルコキシド(Si(OR))の加水分解(ゾル・ゲル法)などの化学合成による手法によって製造することができる。
不純物含有層3cを形成するためのシリカ粉は、天然シリカ粉又は合成シリカ粉と不純物とを混合することによって得ることができる。一例では、シリカ粉と金属アルコキシドを混合し、600〜1100℃程度の温度で焼成することによってシリカ粉表面に不純物(この場合、金属不純物)を付着させることによって、シリカ粉に不純物を導入することができる。
シリカ粉層の溶融時には、モールド側からシリカ粉層を減圧することによって、気泡を実質的に有さない合成層3aを作製することができる。
3.シリコンインゴットの製造方法
シリコンインゴットは、(1)本実施形態のシリカガラスルツボ1内で多結晶シリコンを溶融させてシリコン融液を生成し、(2)シリコン種結晶の端部を前記シリコン融液中に浸けた状態で前記種結晶を回転させながら引き上げることによって製造することができる。シリコン単結晶の形状は、上側から円柱状のシリコン種結晶、その下に円錐状のシリコン単結晶、上部円錐底面と同じ径を持つ円柱状のシリコン単結晶(以下、直胴部と称する)、頂点が下向きである円錐状のシリコン単結晶からなる。
マルチ引き上げを行う場合には、シリカガラスルツボ1内に多結晶シリコンを再充填及び溶融させて、シリコンインゴットの再度の引き上げを行う。従来のルツボでは、この再充填・溶融の際に、ルツボの内面にArガスが付着したり、ルツボの外面に形成されたクリストバライトが剥がれてパーティクルとしてシリコン融液に混入したりすることがあり、このArガスやパーティクルがシリコンインゴットに混入することによってシリコンインゴットの結晶性を悪化させるという問題があって、マルチ引き上げにおいて結晶性の良いシリコンインゴットを得ることは困難であったが、本実施形態のシリカガラスルツボ1を用いれば、Arガスの付着やパーティクルの発生を抑制することができるので、マルチ引き上げにおいても結晶性の良いシリコンインゴットを得ることができる。
1.マルチ引き上げの際のシリコンインゴットの結晶性の評価
外径が800mmであり、壁厚が15mmであるルツボを製造した。実施例及び比較例のルツボは、表1に示す構成のガラス層を備えるように製造した。なお、表1、3、及び4中の各ガラス層は、ルツボの内面から外面に向かう順序で左から右に順に並べた。実施例1及び比較例1〜2においては、ルツボの側部と底部とでの各ガラス層の厚さを同じにした。不純物含有層は、天然シリカ粉に不純物としてAlを20ppm添加したシリカ粉を用いて形成した。

実施例1及び比較例1〜2のルツボを用いて直径300mmのシリコンインゴットを3本引き上げた。シリコンインゴットを一本引き上げるごとに、多結晶シリコン塊を再充填・溶解させた。得られた3本のシリコンインゴットの結晶性を評価した。結晶性の評価は、(シリコン単結晶の直胴部の質量)/(引上げ直前にルツボに充填されているシリコン融液の質量)の値(単結晶率)に基づいて行った。その結果を表2に示す。表2における評価基準は、以下の通りである。
◎:単結晶率が0.80以上〜0.99未満
○:単結晶率が0.70以上〜0.80未満
△:単結晶率が0.60以上〜0.70未満
×:単結晶率が0.60未満
表2を参照すると明らかなように、実施例1及び比較例1〜2の何れのルツボを用いても、1本目のシリコンインゴットの結晶性は良好であった。しかし、2〜3本目のシリコンインゴットでは、実施例1のルツボを用いた場合に得られたシリコンインゴットの結晶性は、比較例1〜2のルツボを用いた場合よりもはるかに良好であった。この結果によって、本発明のルツボを用いれば、マルチ引き上げの場合でも、結晶性の良好なシリコンインゴットを得ることができることが実証された。
2.ルツボの耐割れ性及び強度の評価
ルツボの側部と底部での不純物含有層の厚さを種々変更して、実施例2〜9のルツボを製造した。実施例2〜9のルツボは、何れも外径が800mmであり、壁厚が15mmである。
実施例2のルツボは、側部及び底部でのガラス層の構成が同じである。実施例3は底部の不純物含有層が0mmで、実施例4は底部の不純物含有層の厚みが側部・コーナー部の厚みより厚い。
実施例5〜7のルツボは、それぞれ、側部からコーナー部までの不純物含有層の厚さが壁の厚さの10%、40%、70%で、底部での不純物含有層の厚さが側部での厚さの1/2である。実施例8および9は、側部からコーナー部までの不純物含有層の厚さが壁の厚さの6.7%、80%で、底部での不純物含有層の厚さが側部での厚さの1/2である。
実施例2〜9のルツボについて、耐割れ性および強度の評価を行った。耐割れ性の評価は、使用後において、ルツボ底部の割れとルツボからのシリコン融液漏れを確認する方法で行った。強度の評価は、カーボンサセプター5の上端面を基準面として、ルツボ1の使用前と使用後に基準面からルツボ1の上端面までの距離を測定して求まる沈み込み量に基づいて行った(図3参照)。その結果を表4に、その評価基準を以下に示す。
対割れ性:
ルツボ底部の割れおよびシリコン融液の流出が無い場合:○
ルツボ底部の割れはあるが、シリコン融液の流出は無い場合:△
シリコン融液の流出がある場合:×
強度:
◎:沈み込み量が10mm未満
○:沈み込み量が10mm以上〜20mm未満
△:沈み込み量が20mm以上〜30mm未満
×:沈み込み量が30mm以上
表5を参照すると明らかなように、実施例3のルツボは、対割れ性と強度の両方において優れていることが分かった。これによって、(1)底部での不純物含有層の厚さを側部での厚さよりも薄くすることが対割れ性の点で好ましいことが分かった。
また、表6を参照すると明らかなように、実施例5〜7のルツボは、対割れ性と強度の両方において優れており、(2)側部での不純物含有層の厚さを壁の厚さの70%以下にすることが対割れ性の点で好ましいこと、(3)側部での不純物含有層の厚さを壁の厚さの30%以上にすることが強度の点で好ましいことが分かった。

Claims (5)

  1. シリコン単結晶引き上げに用いるシリカガラスルツボであって、前記ルツボの壁が、前記ルツボの内面から外面に向かって合成シリカガラス層、天然シリカガラス層、不純物含有シリカガラス層及び天然シリカガラス層を有するシリカガラスルツボ。
  2. 前記不純物含有シリカガラス層は、前記ルツボの底部での厚さが前記ルツボの側部での厚さよりも薄いか、前記ルツボの底部には形成されない請求項1に記載のルツボ。
  3. 前記不純物含有シリカガラス層は、前記ルツボの側部およびコーナー部において、前記ルツボの壁の厚さの30%〜70%の厚さである請求項1又は2に記載のルツボ。
  4. 前記不純物含有シリカガラス層は、不純物の含有量が20〜500ppmである請求項1〜3の何れか1つに記載のルツボ。
  5. 請求項1〜4の何れか1つのルツボ内で多結晶シリコンを溶融させてシリコンインゴットの引き上げを行った後、多結晶シリコンを再充填及び溶融させて、シリコンインゴットの再度の引き上げを行う工程を備えるシリコンインゴットの製造方法。
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