JP5451890B2 - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スパークプラグの製造方法に関する。
ガソリンエンジンなどの内燃機関の点火に使用されるスパークプラグは、一般に、中心電極と、中心電極の外側に設けられた絶縁体と、絶縁体の外側に設けられた主体金具と、主体金具に取り付けられて中心電極との間に火花放電のための間隔を形成する接地電極(「外側電極」とも呼ばれる)とを備えている。
例えば耐火花消耗性や耐酸化消耗性を向上させるために、接地電極における火花放電部位に、白金やイリジウムといった貴金属製の電極チップを接合したスパークプラグが知られている。接地電極への電極チップの接合は、接地電極の一方の端部(基端部)が主体金具の先端部に接合された状態で、接地電極の他端部(先端部)と電極チップとを2つの溶接用電極のそれぞれの先端面で両側から挟んで加圧し、電圧を印加して溶接する抵抗溶接により行われる(例えば、特許文献1参照)。また、主体金具への接地電極の接合は、例えば、主体金具を溶接用電極で支持し、接地電極を他の溶接用電極でチャックし、2つの溶接用電極で接地用電極と主体金具とを挟んで加圧し、電圧を印加して溶接する抵抗溶接により行われる。
特開平7−22157号公報
従来、接地電極への電極チップの接合や主体金具への接地電極の接合といったスパークプラグを構成する第1の部材と第2の部材との接合のための抵抗溶接の際に、例えば各部品の寸法ばらつきや位置ばらつきのために、安定した加圧状態を形成することができず、溶接状態が不安定となって接合強度が低下する場合があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、スパークプラグの製造の際の第1の部材と第2の部材との接合のための抵抗溶接において、接合強度の低下を抑制することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。本発明の一形態は、中心電極と、主体金具と、前記主体金具の先端部に一端部が接合された接地電極と、を有するスパークプラグの製造方法であって、前記スパークプラグを構成する第1の部材と第2の部材とを接合する接合工程を備え、前記接合工程は、前記第1の部材に接触する第1の溶接用電極と、弾性変形可能な中間部分を有し前記第2の部材に接触する第2の溶接用電極とが、前記第1の部材および前記第2の部材を介して電気的に接続されることにより、前記第1の部材と前記第2の部材とを抵抗溶接して接合する工程であり、前記スパークプラグの製造方法は、さらに、前記第2の部材の位置情報から、前記抵抗溶接時の荷重を一定にするための補正値を取得する工程と、前記補正値を用いて前記抵抗溶接時の荷重を調整する工程と、を備えることを特徴とする、スパークプラグの製造方法である。その他、本発明は、以下のような形態として実現することも可能である。
[適用例1]中心電極と、主体金具と、前記主体金具の先端部に一端部が接合された接地電極と、を有するスパークプラグの製造方法であって、
前記スパークプラグを構成する第1の部材と第2の部材とを接合する接合工程を備え、
前記接合工程は、前記第1の部材に接触する第1の溶接用電極と、弾性変形可能な中間部分を有し前記第2の部材に接触する第2の溶接用電極とが、前記第1の部材および前記第2の部材を介して電気的に接続されることにより、前記第1の部材と前記第2の部材とを抵抗溶接して接合する工程であることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法では、第2の溶接用電極が対向方向に沿って弾性変形可能な中間部分を有するため、各部品の寸法ばらつきや位置ばらつきがある場合にも、第1の部材に接触する第1の溶接用電極と第2の部材に接触する第2の溶接用電極とが、第1の部材および第2の部材を介して電気的に接続された状態を安定して形成することができる。そのため、この方法では、第1の部材と第2の部材とを接合する際の溶接状態が安定し、接合強度の低下を抑制することができる。
[適用例2]適用例1に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第2の部材の位置情報から、前記抵抗溶接時の荷重を一定にするための補正値を取得する工程と、
前記補正値を用いて前記抵抗溶接時の荷重を調整する工程と、を有する、スパークプラグの製造方法。
この方法では、第2の部材の位置情報から抵抗溶接時の荷重を一定にするための補正値が取得され、補正値を用いて抵抗溶接時の荷重が調整されるため、抵抗溶接時の荷重を一定にすることができ、接合強度の低下を良好に抑制することができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第1の部材は前記接地電極であり、前記第2の部材は前記接地電極に接合されて前記中心電極との間に間隙を形成する電極チップであり、
前記接合工程は、前記接地電極における前記電極チップが接合される側とは反対側の面を第1の先端面で支持する前記第1の溶接用電極と、前記第1の先端面に対向する第2の先端面を有すると共に前記第2の先端面より後端側に前記第1の先端面と前記第2の先端面とが対向する方向である対向方向に沿って弾性変形可能な前記中間部分を有する前記第2の溶接用電極とで、前記接地電極と前記電極チップとを挟み込んだ後に、前記接地電極と前記電極チップとを抵抗溶接して接合する工程であることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法では、第2の溶接用電極が対向方向に沿って弾性変形可能な中間部分を有するため、各部品の寸法ばらつきや位置ばらつきがある場合にも、接地電極および電極チップを第1の溶接用電極と第2の溶接用電極とで挟み込んだときに、電極チップが第2の溶接用電極の第2の先端面と接地電極の表面との両方に接触し、第2の溶接用電極の第2の先端面が電極チップを接地電極の表面に押し付ける加圧状態を安定して形成することができる。そのため、この方法では、スパークプラグの製造の際の接地電極への電極チップの接合のための抵抗溶接において、接合強度の低下を抑制することができる。
[適用例4]適用例3に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記接合工程は、前記接地電極における前記電極チップが接合される側とは反対側の面を前記第1の溶接用電極の前記第1の先端面で支持した後、前記第2の溶接用電極を前記接地電極に近づくように移動させて、前記第1の溶接用電極と前記第2の溶接用電極とで前記接地電極と前記電極チップとを挟み込む工程を含むことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法では、容易にかつ確実に、安定した加圧状態を形成することができ、接合強度の低下を抑制することができる。
[適用例5]適用例3または適用例4に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記接合工程は、
所定の基準点から前記接地電極における前記電極チップが接合される側とは反対側の面までの前記対向方向に沿った第1の距離を測定する工程と、
前記所定の基準点から前記第1の溶接用電極の前記第1の先端面までの前記対向方向に沿った第2の距離を取得する工程と、
前記第1の溶接用電極を、前記対向方向に沿って前記接地電極に近づく側に、前記第2の距離と前記第1の距離との差分だけ移動させる工程と、
前記第2の溶接用電極を、前記対向方向に沿って前記接地電極に近づく側に、前記電極チップが前記第2の溶接用電極の前記第2の先端面と前記接地電極との両方に接触した接触状態となり、さらに、前記第2の溶接用電極の前記中間部分が弾性変形して前記第2の先端面が前記電極チップを前記接地電極に押し付ける加圧状態となるのに十分な所定の移動量だけ移動させる工程と、
前記加圧状態において、前記第1の溶接用電極と前記第2の溶接用電極との間に電圧を印加することにより、前記電極チップと前記接地電極とを溶接接合する工程と、を含む、スパークプラグの製造方法。
この方法では、第1の溶接用電極の第1の先端面がちょうど接地電極における電極チップが接合される側とは反対側の面の位置まで移動し、第1の先端面が接地電極を対向方向に沿って押圧することなく接地電極の上記反対側の面を支持することとなる。そのため、この方法では、抵抗溶接を行う際に、第1の溶接用電極の第1の先端面のほとんど全体が接地電極の表面と接触すると共に電極チップの表面のほとんど全体が接地電極の表面に接触する状態を形成することができ、接地電極および電極チップと溶接用電極の先端面との接触状態が安定する。そのため、この方法では、スパークプラグの製造の際の接地電極への電極チップの接合のための抵抗溶接において、溶接状態を安定させることができ、接合強度の低下を抑制することができる。
[適用例6]適用例5に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第2の溶接用電極を移動させる工程は、前記接触状態となる直前で、前記第2の溶接用電極の移動速度を減ずる工程を含む、スパークプラグの製造方法。
この方法では、製造工程に要する時間の増大を抑制しつつ、接地電極の表面に凹みができることを抑制することができ、接地電極と電極チップとの抵抗溶接の際の接触状態を安定させて、接合強度の低下を抑制することができる。
[適用例7]適用例5または適用例6に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記接合工程は、さらに、前記所定の基準点から前記第2の溶接用電極の前記第2の先端面までの前記対向方向に沿った第3の距離を測定する工程を含み、
前記第2の溶接用電極の前記中間部分は、前記第2の先端面とは反対側に隣接する支持部を有し、
前記第2の溶接用電極を移動させる工程は、前記支持部を、前記第1の距離と前記第3の距離との差分に前記加圧状態における前記中間部分の目標変形量に相当する移動量を加えた移動量だけ移動させる工程である、スパークプラグの製造方法。
この方法では、加圧状態における第2の溶接用電極の中間部分の変形量を一定にすることができ、加圧状態における圧縮力を一定にすることができる。そのため、この方法では、接地電極と電極チップとの抵抗溶接の際の圧縮力を一定にして溶接状態をさらに安定させることができ、接合強度の低下を良好に抑制することができる。なお、本適用例において、第3の距離を測定する工程は、第2の部材の位置情報から、第1の部材と第2の部材との抵抗溶接時の荷重を一定にするための補正値を取得する工程に相当する。また、上記第3の距離に基づき設定される移動量だけ第2の溶接用電極を移動させる工程は、上記補正値を用いて抵抗溶接時の荷重を(荷重が一定になるように)調整する工程に相当する。
[適用例8]適用例7に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記接合工程は、さらに、前記接地電極と前記電極チップとの前記対向方向に沿った寸法を取得する工程を含み、
前記第2の溶接用電極を移動させる工程は、前記寸法に基づき移動量を調整する工程を含む、スパークプラグの製造方法。
この方法では、種々の製品を製造する場合においても、容易に接地電極と電極チップとの抵抗溶接の際の圧縮力を一定にして溶接状態をさらに安定させることができ、接合強度の低下を良好に抑制することができる。なお、本適用例において、寸法を取得する工程は、第2の部材の位置情報から、第1の部材と第2の部材との抵抗溶接時の荷重を一定にするための補正値を取得する工程に相当する。また、上記寸法に基づき第2の溶接用電極の移動量を調整する工程は、上記補正値を用いて抵抗溶接時の荷重を(荷重が一定になるように)調整する工程に相当する。
[適用例9]適用例7または適用例8に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記接合工程は、さらに、前記溶接接合の際に、前記接地電極および前記電極チップに作用する圧縮力を監視する工程と、前記圧縮力が変化した場合に、前記第2の溶接用電極を前記対向方向に沿って前記圧縮力の変化を補償する移動量だけ移動させる工程と、を含む、スパークプラグの製造方法。
この方法では、接地電極と電極チップとの抵抗溶接の際の圧縮力を精度良く一定にして溶接状態をさらに安定させることができ、接合強度の低下を良好に抑制することができる。
[適用例10]適用例1または適用例2に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第1の部材は前記主体金具であり、前記第2の部材は前記接地電極であり、
前記接合工程は、前記主体金具における前記接地電極が接合される側とは反対側で前記主体金具を支持する前記第1の溶接用電極と、前記接地電極の側面で前記接地電極をチャックする前記第2の溶接用電極とを、前記主体金具と前記接地電極とを介して電気的に接続することにより、前記主体金具と前記接地電極とを抵抗溶接して接合する工程であることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法では、各部品の寸法ばらつきや位置ばらつきがある場合にも、第2の溶接用電極がチャックした接地電極を第1の溶接用電極に支持された主体金具に押し付ける加圧状態を安定して形成することができるため、主体金具と接地電極とを接合する抵抗溶接の際の溶接状態が安定し、接合強度の低下を抑制することができる。
[適用例11]適用例10に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記接合工程は、前記接地電極をチャックした前記第2の溶接用電極を前記第1の溶接用電極で支持された前記主体金具に近づくように移動させて、前記第1の溶接用電極と前記第2の溶接用電極とで前記主体金具と前記接地電極とを挟み込む工程を含むことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法では、容易にかつ確実に、安定した加圧状態を形成することができ、接合強度の低下を抑制することができる。
[適用例12]適用例10または適用例11に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第2の溶接用電極の前記中間部分は、前記接地電極をチャックする部分とは反対側に隣接する支持部を有し、
前記接合工程は、
所定の基準点から前記主体金具における前記接地電極が接合される面までの前記接地電極と前記主体金具とが対向する方向である対向方向に沿った第4の距離を測定する工程と、
前記所定の基準点から前記第2の溶接用電極における所定の参照位置までの前記対向方向に沿った第5の距離を取得する工程と、
前記第2の溶接用電極を、前記対向方向に沿って前記主体金具に近づく側に、前記支持部が前記第4の距離と前記第5の距離との差分に基づき設定される移動量だけ移動するように移動させる工程と、
前記第2の溶接用電極の移動後に、前記第1の溶接用電極と前記第2の溶接用電極との間に電圧を印加することにより、前記主体金具と前記接地電極とを溶接接合する工程と、を含む、スパークプラグの製造方法。
この方法では、第2の溶接用電極を、主体金具に近づく側に、支持部が第4の距離と第5の距離との差分に基づき設定される移動量だけ移動するように移動され、その後、第1の溶接用電極と第2の溶接用電極との間に電圧を印加することにより、主体金具と接地電極とが接合されるため、第2の溶接用電極が接地電極を主体金具に押し付ける加圧状態をより確実に形成することができ、接合強度の低下を抑制することができる。なお、本適用例において、第5の距離を取得する工程は、第2の部材の位置情報から、第1の部材と第2の部材との抵抗溶接時の荷重を一定にするための補正値を取得する工程に相当する。また、上記第5の距離に基づき設定される移動量だけ第2の溶接用電極を移動させる工程は、上記補正値を用いて抵抗溶接時の荷重を(荷重が一定になるように)調整する工程に相当する。
[適用例13]適用例12に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記接合工程は、前記第2の溶接用電極における前記所定の参照位置から前記第2の溶接用電極にチャックされた前記接地電極の先端面までの前記対向方向に沿った第6の距離を測定する工程を含み、
前記移動量は、前記第4の距離と前記第5の距離との差分から前記第6の距離を減じた値に基づき設定される、スパークプラグの製造方法。
この方法では、接地電極の長さの寸法ばらつきや第2の溶接用電極における接地電極のチャック位置のばらつきにかかわらず、第1の溶接用電極と第2の溶接用電極とが主体金具および接地電極を介して電気的に接続され、第2の溶接用電極が接地電極を主体金具に押し付ける状態を、より安定して形成することができ、接合強度の低下を抑制することができる。なお、本適用例において、第6の距離を取得する工程は、第2の部材の位置情報から、第1の部材と第2の部材との抵抗溶接時の荷重を一定にするための補正値を取得する工程に相当する。また、上記第6の距離に基づき設定される移動量だけ第2の溶接用電極を移動させる工程は、上記補正値を用いて抵抗溶接時の荷重を(荷重が一定になるように)調整する工程に相当する。
[適用例14]適用例13に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記移動量は、前記第2の溶接用電極にチャックされた前記接地電極が前記主体金具に接触した接触状態となり、さらに、前記第2の溶接用電極の前記中間部分が弾性変形して前記第2の溶接用電極が前記接地電極を前記主体金具に押し付ける加圧状態となるのに十分な移動量である、スパークプラグの製造方法。
この方法では、第2の溶接用電極が接地電極を主体金具に押し付ける加圧状態をより確実に形成することができ、接合強度の低下を抑制することができる。
[適用例15]適用例14に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第2の溶接用電極を移動させる工程は、前記接触状態となる直前で、前記第2の溶接用電極の移動速度を減ずる工程を含む、スパークプラグの製造方法。
この方法では、製造工程に要する時間の増大を抑制しつつ、主体金具や接地電極の表面に凹みができることを抑制することができ、主体金具と接地電極との抵抗溶接の際の接触状態を安定させて、接合強度の低下を抑制することができる。
[適用例16]適用例14または適用例15に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第2の溶接用電極を移動させる工程は、前記支持部を、前記第4の距離と前記第5の距離との差分から前記第6の距離を減じた値に前記加圧状態における前記中間部分の目標変形量に相当する移動量を加えた移動量だけ移動させる工程である、スパークプラグの製造方法。
この方法では、加圧状態における第2の溶接用電極の中間部分の変形量を一定にすることができ、加圧状態における圧縮力を一定にすることができ、主体金具と接地電極との抵抗溶接の際の圧縮力を一定にして溶接状態をさらに安定させることができ、接合強度の低下を良好に抑制することができる。
[適用例17]適用例16に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記接合工程は、さらに、前記溶接接合の際に、前記主体金具および前記接地電極に作用する圧縮力を監視する工程と、前記圧縮力が変化した場合に、前記第2の溶接用電極を前記対向方向に沿って前記圧縮力の変化を補償する移動量だけ移動させる工程と、を含む、スパークプラグの製造方法。
この方法では、主体金具と接地電極との抵抗溶接の際の圧縮力を精度良く一定にして溶接状態をさらに安定させることができ、接合強度の低下を良好に抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、スパークプラグの製造方法および製造装置、スパークプラグの接地電極への電極チップ接合方法および接合装置、等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施例におけるスパークプラグ100の構成を示す説明図である。 本実施例におけるスパークプラグ100の製造方法を示すフローチャートである。 本実施例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示すフローチャートである。 本実施例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示す説明図である。 比較例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示す説明図である。 本実施例における主体金具50への接地電極30の接合方法を示すフローチャートである。 本実施例における主体金具50への接地電極30の接合方法を示す説明図である。 第2実施例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示す説明図である。 第3実施例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示す説明図である。 第4実施例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示す説明図である。 第5実施例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.スパークプラグの構成:
A−2.スパークプラグの製造方法:
A−3.接地電極への電極チップの接合方法:
A−4.主体金具への接地電極の接合方法:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
F.変形例:
A.第1実施例:
A−1.スパークプラグの構成:
図1は、本発明の第1実施例におけるスパークプラグ100の構成を示す説明図である。図1において、スパークプラグ100の中心軸である軸線OLの右側にはスパークプラグ100の側面構成を示しており、軸線OLの左側にはスパークプラグ100の断面構成を示している。なお、以下では、図1における軸線OLに沿った上側(接地電極30が配置されている側)をスパークプラグ100の先端側と呼び、下側(端子金具40が配置されている側)を後端側と呼ぶものとする。
図1に示すように、スパークプラグ100は、絶縁碍子10と、中心電極20と、接地電極(外側電極)30と、端子金具40と、主体金具50と、を備えている。中心電極20は絶縁碍子10によって保持され、絶縁碍子10は主体金具50によって保持される。接地電極30は主体金具50の先端側に取り付けられ、端子金具40は絶縁碍子10の後端側に取り付けられている。
絶縁碍子10は、中心電極20および端子金具40を収容する軸孔12が中心に形成された筒状の絶縁体であり、例えばアルミナを始めとするセラミックス材料を焼成して形成されている。絶縁碍子10の軸方向に沿った中央付近には他の部分より外径の大きい中央胴部19が形成されている。中央胴部19よりも後端側には、端子金具40と主体金具50との間を絶縁する後端側胴部18が形成されている。中央胴部19よりも先端側には、先端側胴部17が形成され、先端側胴部17のさらに先端側には、先端側胴部17より外径が小さい脚長部13が形成されている。
主体金具50は、絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から脚長部13にわたる部位を包囲して保持する略円筒形状の金具であり、例えば低炭素鋼といった金属により形成されている。主体金具50は、略円筒形状のネジ部52を有しており、ネジ部52の側面には、スパークプラグ100をエンジンヘッドに取り付ける際にエンジンヘッドのネジ孔に螺合するネジ山が形成されている。主体金具50の先端側の端面である先端面57は、中空円形状であり、先端面57の中空部分から絶縁碍子10の脚長部13の先端が突出している。主体金具50は、また、スパークプラグ100をエンジンヘッドに取り付ける際に工具が嵌合する工具係合部51と、ネジ部52の後端側に鍔状に形成されたシール部54と、を有している。シール部54とエンジンヘッドとの間には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿される。工具係合部51は、例えば六角形断面形状である。
中心電極20は、有底筒状に形成された被覆材21の内部に、被覆材21よりも熱伝導性に優れる芯材25を埋設した略棒状形状の電極である。本実施例では、被覆材21は、ニッケルを主成分とするニッケル合金により形成されており、芯材25は、銅または銅を主成分とする合金により形成されている。中心電極20は、被覆材21の先端側が絶縁碍子10の脚長部13の軸孔12から突出した状態で絶縁碍子10の軸孔12内に収容されており、セラミック抵抗3およびシール体4を介して、絶縁碍子10の後端に設けられた端子金具40に電気的に接続されている。
接地電極30は、屈曲した略棒状形状の電極である。本実施例では、接地電極30も、中心電極20と同様に、ニッケルを主成分とするニッケル合金により形成された被覆材と、銅または銅を主成分とする合金により形成された芯材と、の二層により構成されている。接地電極30は、一方の端部である基端部32が主体金具50の先端面57に接合されており、他方の端部である先端部31が中心電極20の先端部と対向するように屈曲されている。接地電極30の先端部31における中心電極20と対向する側には、電極チップ90が接合されており、電極チップ90と中心電極20の先端との間には、火花放電のための間隔(火花ギャップ)が形成される。電極チップ90は、例えば耐火花消耗性や耐酸化消耗性を向上させるために接地電極30に設けられており、高融点の貴金属を主成分としている。例えば、電極チップ90は、イリジウム(Ir)や、Irを主成分として、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)のうち、1種類あるいは2種類以上を添加したIr合金によって形成され、Ir−5Pt合金(5質量%の白金を含有したイリジウム合金)などが多用される。
A−2.スパークプラグの製造方法:
図2は、本実施例におけるスパークプラグ100の製造方法を示すフローチャートである。スパークプラグ100の製造の際には、始めに、主体金具50の先端面57に、接地電極30の基端部32を接合する(ステップS110)。この接合は、例えば溶接により行われる。なお、接合の際には、接地電極30はまだ折り曲げられていない略直線形状の状態である。主体金具50への接地電極30の接合方法は、後に詳述する。
次に、スパークプラグ100の構成部品(接地電極30が接合された主体金具50や中心電極20等)の組み立てを実行する(ステップS120)。これらの構成部品の一般的な組み立て方法は公知であるため、ここでは詳述しない。
次に、主体金具50に接合された接地電極30の先端部31に、電極チップ90を接合する(ステップS130)。接地電極30への電極チップ90の接合方法は、後に詳述する。接地電極30への電極チップ90の接合後、接地電極30の折り曲げ加工を実行する(ステップS140)。折り曲げ加工は、略直線形状の接地電極30を、接地電極30の先端部31に接合された電極チップ90が中心電極20の先端部との間に火花ギャップを形成する位置に来るように折り曲げる処理である。以上の処理により、図1に示した本実施例のスパークプラグ100の製造が完了する。
A−3.接地電極への電極チップの接合方法:
図3は、本実施例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示すフローチャートである。また、図4は、本実施例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示す説明図である。なお、接地電極30への電極チップ90の接合において、接地電極30は本発明における第1の部材に相当し、電極チップ90は本発明における第2の部材に相当する。
接地電極30への電極チップ90の接合の際には、まず初めに、接地電極30の位置を固定する(ステップS210)。接地電極30は主体金具50に接合されているため、主体金具50を保持して固定することにより、接地電極30の位置が固定される。なお、接地電極30自体を保持して固定するとしてもよい。
ここで、接地電極30への電極チップ90の接合は、1組の溶接用電極(第1の溶接用電極WE1および第2の溶接用電極WE2)を用いた抵抗溶接により実行される(図4(a)参照)。第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2とは、第1の溶接用電極WE1の先端面(第1の先端面ES1)と第2の溶接用電極WE2の先端面(第2の先端面ES2)とが対向するように配置される。この対向する方向(すなわち、第1の先端面ES1および第2の先端面ES2に略直交する方向)を、「対向方向Df」と呼ぶものとする。第2の溶接用電極WE2は、第2の先端面ES2を有する先端部EPと、支持部BPと、先端部EPと支持部BPとの間に位置すると共に対向方向Dfに沿って弾性変形可能な中間部分MPと、を有する。第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2とは、対向方向Dfに沿って往復移動可能である。なお、以下の説明において、第2の溶接用電極WE2の移動量D2とは、第2の溶接用電極WE2の支持部BPの移動量を意味する。
本実施例では、図4(a)に示すように、対向方向Dfは鉛直方向に略平行であり、第1の溶接用電極WE1は上側に位置し、第2の溶接用電極WE2は下側に位置している。接地電極30を固定する前の初期状態では、第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1と第2の溶接用電極WE2の第2の先端面ES2との間に空間が形成され、第2の溶接用電極WE2の第2の先端面ES2上に、接地電極30に接合されるべき電極チップ90が載置されている。また、中間部分MPの対向方向Dfに沿った長さG1は所定の長さに設定されている。接地電極30の固定(図3のステップS210)は、接地電極30における電極チップ90が接合されるべき位置が、上記空間内に位置し、かつ、第2の先端面ES2上に載置された電極チップ90と対向することとなるように実行される。なお、第2の先端面ES2への電極チップ90の載置は、接地電極30の固定の後に行われてもよい。
接地電極30の固定の後、図4(a)に示すように、予め設定された基準点APから接地電極30における電極チップ90が接合される側とは反対側の面(以下、「外側面」とも呼ぶ)までの対向方向Dfに沿った第1の距離Lcを測定すると共に、基準点APから第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1までの対向方向Dfに沿った第2の距離Ldを取得する(ステップS220)。基準点APは任意の点に設定される。なお、第2の距離Ldは、製造工程の最初に測定されて所定の記憶領域に記憶された値が取得される。第2の距離Ldを、その都度測定することによって取得するとしてもよい。また、第1の距離Lcおよび第2の距離Ldの測定は、任意の公知の距離測定方法(レーザーセンサーを使用する方法や画像処理による方法)を用いて実行される。
次に、図4(b)に示すように、第1の溶接用電極WE1の移動量D1を算出し(ステップS230)、第1の溶接用電極WE1を、対向方向Dfに沿って接地電極30に近づく側に、算出された移動量D1だけ移動する(ステップS240)。ここで、第1の溶接用電極WE1の移動量D1は、第2の距離Ldと第1の距離Lcとの差分に等しいものとして算出される。すなわち、移動量D1は、以下の式(1)により算出される。
D1=Ld−Lc・・・(1)
このように第1の溶接用電極WE1の移動量D1を算出すれば、第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1が、ちょうど接地電極30の外側面の位置まで移動する。この状態では、第1の先端面ES1は、接地電極30を対向方向Dfに沿って押圧することなく、接地電極30の外側面を支持することとなる。
次に、図4(c)に示すように、第2の溶接用電極WE2を、対向方向Dfに沿って接地電極30に近づく側に、予め設定された一定の移動量D2だけ移動する(ステップS250)。第2の溶接用電極WE2の移動に伴い、電極チップ90が第2の溶接用電極WE2の第2の先端面ES2と接地電極30の表面との両方に接触した接触状態が形成され、さらに、第2の溶接用電極WE2の中間部分MPが弾性変形して第2の先端面ES2が電極チップ90を接地電極30の表面に押し付ける加圧状態が形成される。すなわち、第2の溶接用電極WE2の移動量D2は、第2の溶接用電極WE2の移動によって加圧状態が形成されるような移動量に設定されている。なお、加圧状態では、中間部分MPの対向方向Dfに沿った長さが、図4(a)に示す初期状態から比べて小さくなる。
次に、図4(c)に示す加圧状態において、第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2との間に電圧を印加して、接地電極30と電極チップ90とを抵抗溶接により接合する(ステップS260)。抵抗溶接の後に、第2の溶接用電極WE2を初期状態の位置に退避させ、その後、第1の溶接用電極WE1も初期状態の位置に退避させて、接地電極30への電極チップ90の接合が完了する(ステップS270)。
以上説明したように、本実施例における接地電極30への電極チップ90の接合の際には、接地電極30に接触する第1の溶接用電極WE1と電極チップ90に接触する第2の溶接用電極WE2とが、接地電極30および電極チップ90を介して電気的に接続されることにより、接地電極30と電極チップ90とが抵抗溶接によって接合される。ここで、第2の溶接用電極WE2は、対向方向Dfに沿って弾性変形可能な中間部分MPを有する。そのため、各部品の寸法ばらつきや位置ばらつきがある場合にも、第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2とが接地電極30および電極チップ90を介して電気的に接続された状態を安定して形成することができる。そのため、本実施例では、接地電極30と電極チップ90とを接合する抵抗溶接の際の溶接状態が安定し、接合強度の低下を抑制することができる。より具体的には、本実施例における接地電極30への電極チップ90の接合の際には、接地電極30における電極チップ90が接合される側とは反対側の面(外側面)を第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1で支持し、接地電極30および電極チップ90を第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2とで挟み込んだ状態で、接地電極30と電極チップ90とを抵抗溶接して接合する。ここで、第2の溶接用電極WE2は、対向方向Dfに沿って弾性変形可能な中間部分MPを有するため、各部品の寸法ばらつきや位置ばらつきがある場合にも、接地電極30および電極チップ90を第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2とで挟み込んだときに、電極チップ90が第2の溶接用電極WE2の第2の先端面ES2と接地電極30の表面との両方に接触し、第2の溶接用電極WE2の第2の先端面ES2が電極チップ90を接地電極30の表面に押し付ける加圧状態を安定して形成することができる。そのため、本実施例では、接地電極30と電極チップ90とを接合する抵抗溶接の際の溶接状態が安定し、接合強度の低下を抑制することができる。
また、本実施例における接地電極30への電極チップ90の接合の際には、接地電極30における外側面を第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1で支持した後、第2の溶接用電極WE2を接地電極30に近づくように移動させて、第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2とで接地電極30と電極チップ90とを挟み込むため、容易にかつ確実に、安定した加圧状態を形成することができ、接合強度の低下を抑制することができる。
また、本実施例における接地電極30への電極チップ90の接合の際には、基準点APから接地電極30における外側面までの対向方向Dfに沿った第1の距離Lcを測定すると共に、基準点APから第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1までの対向方向Dfに沿った第2の距離Ldを取得し、第1の溶接用電極WE1を、第2の距離Ldと第1の距離Lcとの差分に等しい移動量D1だけ移動させる。そのため、第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1は、ちょうど接地電極30における外側面の位置まで移動し、第1の先端面ES1が、接地電極30を対向方向Dfに沿って押圧することなく接地電極30の外側面を支持することとなる。従って、本実施例では、抵抗溶接を行う際に、第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1のほとんど全体が接地電極30の外側面と接触すると共に電極チップ90の表面のほとんど全体が接地電極30の表面に接触する状態を形成することができ、接地電極30および電極チップ90と溶接用電極WEの先端面ESとの接触状態が安定する。そのため、本実施例では、抵抗溶接の際の溶接状態が安定し、接合強度の低下を抑制することができる。
図5は、比較例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示す説明図である。図5(a)には、第1の溶接用電極WE1の移動量が大きすぎる場合を示している。第1の溶接用電極WE1の移動量が大きすぎると、第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1が接地電極30を対向方向Dfに沿って押すこととなる。この場合には、その後に第2の溶接用電極WE2が移動し、第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2とが接地電極30および電極チップ90を挟んだ加圧状態が形成された際に、第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1の一部が接地電極30の表面と接触せず、また、電極チップ90の表面の一部が接地電極30の表面に接触しないおそれがある。従って、この場合には、接地電極30および電極チップ90と溶接用電極WEの先端面ESとの接触状態が安定しないために溶接状態が安定せず、接合強度の低下を抑制することができない。また、図5(b)には、第1の溶接用電極WE1の移動量が小さすぎる場合を示している。第1の溶接用電極WE1の移動量が小さすぎると、第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1が接地電極30の外側面の位置まで達せず、第1の先端面ES1と接地電極30の表面との間に隙間が空いてしまうこととなる。この場合にも、その後に第2の溶接用電極WE2が移動し、第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2とが接地電極30および電極チップ90を挟んだ加圧状態が形成された際に、第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1の一部が接地電極30の外側面と接触せず、また、電極チップ90の表面の一部が接地電極30の表面に接触しないおそれがある。従って、この場合にも、接地電極30および電極チップ90と溶接用電極WEの先端面ESとの接触状態が安定しないために抵抗溶接の際の溶接状態が安定せず、接合強度の低下を抑制することができない。本実施例では、第2の距離Ldと第1の距離Lcとの差分に等しい移動量D1だけ第1の溶接用電極WE1を移動させるため、第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1が、ちょうど接地電極30における外側面の位置まで移動することとなり、接地電極30および電極チップ90と溶接用電極WEの先端面ESとの接触状態を良好にして接合強度の低下を抑制することができる。
A−4.主体金具への接地電極の接合方法:
図6は、本実施例における主体金具50への接地電極30の接合方法を示すフローチャートである。また、図7は、本実施例における主体金具50への接地電極30の接合方法を示す説明図である。なお、主体金具50への接地電極30の接合において、主体金具50は本発明における第1の部材に相当し、接地電極30は本発明における第2の部材に相当する。
主体金具50への接地電極30の接合は、1組の溶接用電極(第1の溶接用電極WE1xおよび第2の溶接用電極WE2x)を用いた抵抗溶接により実行される(図7(a)参照)。第1の溶接用電極WE1xは、主体金具50における接地電極30との接合面MSとは反対側で、主体金具50を支持する。また、第2の溶接用電極WE2xは、接地電極30の側面で、接地電極30における主体金具50との接合面NSとは反対側の部分をチャックする(支持する)。第1の溶接用電極WE1xと第2の溶接用電極WE2xとは、第1の溶接用電極WE1xが主体金具50を支持し第2の溶接用電極WE2xが接地電極30をチャックした状態において、主体金具50における接合面MSと接地電極30における先端面LSとが対向するように配置される。この対向する方向を、「対向方向Dfx」と呼ぶものとする。第2の溶接用電極WE2xは、接地電極30をチャックする部分を有する先端部EPxと、支持部BPxと、先端部EPxと支持部BPxとの間に位置すると共に対向方向Dfxに沿って弾性変形可能な中間部分MPxと、を有する。また、第2の溶接用電極WE2xは、対向方向Dfxに沿って往復移動可能である。なお、以下の説明において、第2の溶接用電極WE2xの移動量D2xは、第2の溶接用電極WE2xの支持部BPxの移動量を意味する。
最初に、第2の溶接用電極WE2xによって接地電極30をチャックする前の初期状態において、予め設定された基準点APxから第2の溶接用電極WE2xにおける先端面ES2xまでの対向方向Dfxに沿った距離(第5の距離)Liを、任意の公知の距離測定方法を用いた測定により取得する(ステップS304)。ここで、先端面ES2xは、第2の溶接用電極WE2xにおける第1の溶接用電極WE1xに対向する側の面である。なお、本実施例では、第5の距離Liは、製造工程の最初に測定され、その後は所定の記憶領域に記憶された値が取得されるものとしている。ただし、第5の距離Liを、その都度測定することによって取得するとしてもよい。
次に、図7(a)に示すように、主体金具50を第1の溶接用電極WE1xによって支持すると共に(ステップS310)、接地電極30を第2の溶接用電極WE2xによってチャックする(ステップS314)。この状態では、主体金具50における接合面MSと接地電極30における先端面LSとが、空間を挟んで対向する。
次に、基準点APxから主体金具50における接合面MSまでの対向方向Dfxに沿った距離(第4の距離)Ljを、任意の公知の距離測定方法を用いた測定により取得すると共に、第2の溶接用電極WE2xの先端面ES2xから接地電極30の接合面NSまでの対向方向Dfxに沿った距離(第6の距離)Tkを取得する(ステップS320)。本実施例では、第6の距離Tkとして、予め想定される値が所定の記憶領域に記憶されており、記憶された値が取得される。なお、第5の距離Liおよび第6の距離Tkは、第2の部材としての接地電極30の位置情報から取得され、接地電極30と主体金具50との抵抗溶接時の荷重を一定にするための補正値に相当する。
次に、図7(b)に示すように、第2の溶接用電極WE2xの移動量D2xを算出する(ステップS330)。第2の溶接用電極WE2xの移動量D2xは、第4の距離Ljと第5の距離Liとの差分から第6の距離Tkを減じた値に基づき設定される。具体的には、移動量D2xは、以下の式(4)のように、第4の距離Ljと第5の距離Liとの差分(lj−Li)から、第6の距離Tkを減じ、さらに加圧状態における中間部分MPxの目標変形量に相当する移動量(G1x−G2x)を加えた移動量に等しいとして算出される。ここで、加圧状態における中間部分MPxの目標変形量に相当する移動量(G1x−G2x)は、初期状態における中間部分MPxの対向方向Dfxに沿った長さG1xと加圧状態における中間部分MPxの目標長さG2xとの差分である。
D2x=Lj−Li−Tk+(G1x−G2x)・・・(4)
第2の溶接用電極WE2xの移動量D2xの算出後は、第2の溶接用電極WE2xを、対向方向Dfxに沿って接地電極30に近づく側に、算出された移動量D2xだけ移動させる(ステップS340)。第2の溶接用電極WE2xの移動に伴い、図7(b)に示すように、接地電極30の接合面NSが主体金具50の接合面MSに接触した接触状態が形成され、さらに、第2の溶接用電極WE2xの中間部分MPxが弾性変形して、第2の溶接用電極WE2xが接地電極30を主体金具50の接合面MSに押し付ける加圧状態が形成される。
次に、図7(b)に示す加圧状態において、第1の溶接用電極WE1xと第2の溶接用電極WE2xとの間に電圧を印加して、主体金具50と接地電極30とを抵抗溶接により接合する(ステップS360)。抵抗溶接の後に、第2の溶接用電極WE2xを初期状態の位置に退避させ、主体金具50への接地電極30の接合が完了する(ステップS370)。なお、第5の距離Liおよび第6の距離Tkに基づき第2の溶接用電極WE2xの移動量D2xを算出し、算出された移動量D2xだけ第2の溶接用電極WE2xを移動させることは、補正値としての第5の距離Liおよび第6の距離Tkを用いて抵抗溶接時の荷重を(荷重が一定になるように)調整することに相当する。
以上説明したように、本実施例における主体金具50への接地電極30の接合の際には、主体金具50に接触する第1の溶接用電極WE1xと接地電極30に接触する第2の溶接用電極WE2xとが、主体金具50および接地電極30を介して電気的に接続されることにより、主体金具50と接地電極30とが抵抗溶接によって接合される。ここで、第2の溶接用電極WE2xは、対向方向Dfxに沿って弾性変形可能な中間部分MPxを有する。そのため、各部品の寸法ばらつきや位置ばらつきがある場合にも、第1の溶接用電極WE1xと第2の溶接用電極WE2xとが主体金具50および接地電極30を介して電気的に接続された状態を安定して形成することができる。そのため、本実施例では、主体金具50と接地電極30とを接合する抵抗溶接の際の溶接状態が安定し、接合強度の低下を抑制することができる。より具体的には、本実施例における主体金具50への接地電極30の接合の際には、主体金具50における接地電極30が接合される側とは反対側で主体金具50を支持する第1の溶接用電極WE1xと、接地電極30の側面で接地電極30をチャックする第2の溶接用電極WE2xとを、主体金具50と接地電極30とを介して電気的に接続することにより、主体金具50と接地電極30とを抵抗溶接して接合する。第2の溶接用電極WE2xは、対向方向Dfxに沿って弾性変形可能な中間部分MPxを有するため、各部品の寸法ばらつきや位置ばらつきがある場合にも、第2の溶接用電極WE2xがチャックした接地電極30を第1の溶接用電極WE1xに支持された主体金具50に押し付ける加圧状態を安定して形成することができる。そのため、本実施例では、主体金具50と接地電極30とを接合する抵抗溶接の際の溶接状態が安定し、接合強度の低下を抑制することができる。
また、本実施例における主体金具50への接地電極30の接合の際には、接地電極30をチャックした第2の溶接用電極WE2xを第1の溶接用電極WE1xにより支持された主体金具50に近づくように移動させて、第1の溶接用電極WE1xと第2の溶接用電極WE2xとで主体金具50および接地電極30を挟み込むため、容易にかつ確実に、安定した加圧状態を形成することができ、接合強度の低下を抑制することができる。
また、本実施例における主体金具50への接地電極30の接合の際には、基準点APxから主体金具50における接合面MSまでの対向方向Gfxに沿った第4の距離Ljを測定すると共に、基準点APxから第2の溶接用電極WE2xにおける先端面ES2xまでの対向方向Dfxに沿った第5の距離Liを取得し、第2の溶接用電極WE2xを、主体金具50に近づく側に、支持部BPxが第4の距離Ljと第5の距離Liとの差分に基づき設定される移動量D2xだけ移動するように移動させる。その後、第1の溶接用電極WE1xと第2の溶接用電極WE2xとの間に電圧を印加することにより、主体金具50と接地電極30とを溶接接合する。そのため、第2の溶接用電極WE2xが接地電極30を主体金具50の接合面MSに押し付ける加圧状態をより確実に形成することができ、接合強度の低下を抑制することができる。
より具体的には、本実施例における主体金具50への接地電極30の接合の際には、第2の溶接用電極WE2xにおける先端面ES2xから第2の溶接用電極WE2xにチャックされた接地電極20の先端面LSまでの対向方向Dfxに沿った第6の距離Tkが取得され、第2の溶接用電極WE2xの移動量D2xが、第4の距離Ljと第5の距離Liとの差分から第6の距離Tkを減じた値に基づき設定される。そのため、第2の溶接用電極WE2xが接地電極30を主体金具50の接合面MSに押し付ける加圧状態をより確実に形成することができ、接合強度の低下を抑制することができる。
また、本実施例では、第2の溶接用電極WE2xの移動量D2xは、第2の溶接用電極WE2xにチャックされた接地電極30が主体金具50に接触した接触状態となり、さらに、第2の溶接用電極WE2xの中間部分MPxが弾性変形して第2の溶接用電極WE2xが接地電極30を主体金具50に押し付ける加圧状態となるのに十分な移動量に設定される。そのため、第2の溶接用電極WE2xが接地電極30を主体金具50の接合面MSに押し付ける加圧状態をより確実に形成することができ、接合強度の低下を抑制することができる。
また、本実施例では、第2の溶接用電極WE2xの移動量D2xは、第4の距離Ljと第5の距離Liとの差分から第6の距離Tkを減じた値に加圧状態における中間部分MPxの目標変形量に相当する移動量(G2x−G1x)を加えた移動量に設定される。そのため、加圧状態における第2の溶接用電極WE2xの中間部分MPxの変形量(=G1x−G2x)を一定にすることができ、加圧状態における圧縮力を一定にすることができる。従って、本実施例では、主体金具50と接地電極30との抵抗溶接の際の圧縮力を一定にして溶接状態をさらに安定させることができ、接合強度の低下を良好に抑制することができる。
B.第2実施例:
図8は、第2実施例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示す説明図である。第2実施例では、初期状態における第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2との位置関係が図4に示した第1実施例とは逆になっている。すなわち、図8(a)に示すように、第1の溶接用電極WE1が下側に位置し、第2の溶接用電極WE2が上側に位置している。
第2実施例における接地電極30への電極チップ90の接合は、第1実施例と同様に実行される。最初に、接地電極30を固定する。接地電極30の固定は、接地電極30における電極チップ90が接合されるべき位置が、第1の先端面ES1と第2の先端面ES2との間の空間内に位置し、かつ、第2の先端面ES2と対向することとなるように実行される。なお、第2実施例では、溶接接合前の電極チップ90が、接地電極30における電極チップ90が接合されるべき位置に載置される。
次に、図8(a)に示すように、基準点APから接地電極30における外側面までの対向方向Dfに沿った第1の距離Lcを測定すると共に、基準点APから第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1までの対向方向Dfに沿った第2の距離Ldを取得し、図8(b)に示すように、第1の溶接用電極WE1を、対向方向Dfに沿って接地電極30に近づく側に、第2の距離Ldと第1の距離Lcとの差分に等しい移動量D1だけ移動する。
次に、図8(c)に示すように、第2の溶接用電極WE2を、対向方向Dfに沿って接地電極30に近づく側に、予め設定された一定の移動量D2だけ移動する。これにより、電極チップ90が第2の溶接用電極WE2の第2の先端面ES2と接地電極30の表面との両方に接触した接触状態となり、さらに、第2の溶接用電極WE2の中間部分MPが弾性変形して第2の先端面ES2が電極チップ90を接地電極30の表面に押し付ける加圧状態となる。その後、加圧状態において、第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2との間に電圧を印加して、接地電極30と電極チップ90とを抵抗溶接により接合する。その後、第2の溶接用電極WE2を初期状態の位置に退避させ、その後、第1の溶接用電極WE1も初期状態の位置に退避させる。
以上説明したように、第2実施例における接地電極30への電極チップ90の接合の際には、第1実施例と同様に、接地電極30における電極チップ90が接合される側とは反対側の面(外側面)を第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1で支持し、接地電極30および電極チップ90を第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2とで挟み込んだ状態で、接地電極30と電極チップ90とを抵抗溶接して接合する。そのため、第2の溶接用電極WE2の第2の先端面ES2が電極チップ90を接地電極30の表面に押し付ける加圧状態を安定して形成することができる。従って、接地電極30と電極チップ90とを接合する抵抗溶接の際の溶接状態が安定し、接合強度の低下を抑制することができる。
また、第2実施例における接地電極30への電極チップ90の接合の際には、第1実施例と同様に、接地電極30における外側面を第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1で支持した後、第2の溶接用電極WE2を接地電極30に近づくように移動させて、第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2とで接地電極30と電極チップ90とを挟み込むため、容易にかつ確実に、安定した加圧状態を形成することができ、接合強度の低下を抑制することができる。
また、第2実施例における接地電極30への電極チップ90の接合の際には、第1実施例と同様に、基準点APから接地電極30における外側面までの対向方向Dfに沿った第1の距離Lcを測定すると共に、基準点APから第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1までの対向方向Dfに沿った第2の距離Ldを取得し、第1の溶接用電極WE1を、第2の距離Ldと第1の距離Lcとの差分に等しい移動量D1だけ移動させるため、第1の溶接用電極WE1の第1の先端面ES1がちょうど接地電極30における外側面の位置まで移動する。そのため、接地電極30および電極チップ90と溶接用電極WEの先端面ESとの接触状態が安定し、抵抗溶接の際の溶接状態が安定し、接合強度の低下を抑制することができる。
C.第3実施例:
図9は、第3実施例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示す説明図である。第3実施例における接地電極30への電極チップ90の接合は、開始から第1の溶接用電極WE1の移動までは(図9(a)および(b)参照)、第1実施例と同様に実行される。
第3実施例において、続く第2の溶接用電極WE2の移動の際の移動量D2も、第1実施例と同じである。ただし、第3実施例では、第2の溶接用電極WE2の移動の際に、電極チップ90が第2の溶接用電極WE2の第2の先端面ES2と接地電極30の表面との両方に接触した接触状態が形成される直前で、第2の溶接用電極WE2の移動速度を減ずる。具体的には、図9(c)に示すように、第2の溶接用電極WE2が移動して、第2の先端面ES2上に載置された電極チップ90の表面(上面)と接地電極30の表面との距離が微小距離Lxになったときに、第2の溶接用電極WE2の移動速度を減ずる。なお、第2の溶接用電極WE2の移動速度の変更は、第2の溶接用電極WE2を例えばサーボモータにより移動することにより実現可能である。その後は、接触状態が形成され、さらに、第2の溶接用電極WE2の中間部分MPが弾性変形して第2の先端面ES2が電極チップ90を接地電極30の表面に押し付ける加圧状態が形成されるまで、減速後の速度で第2の溶接用電極WE2を移動する。
加圧状態形成後、第1実施例と同様に、第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2との間に電圧を印加して、接地電極30と電極チップ90とを抵抗溶接により接合する。その後、第2の溶接用電極WE2を初期状態の位置に退避させ、その後、第1の溶接用電極WE1も初期状態の位置に退避させる。
以上説明したように、第3実施例における接地電極30への電極チップ90の接合の際には、電極チップ90が第2の溶接用電極WE2の第2の先端面ES2と接地電極30の表面との両方に接触した接触状態が形成される直前で、第2の溶接用電極WE2の移動速度を減ずる。そのため、接触状態が形成される際の衝撃によって接地電極30の表面に凹みができることを抑制することができる。接地電極30の表面に凹みができると、接地電極30と電極チップ90との抵抗溶接の際の接触状態が安定せず、溶接状態を安定させることが困難となる場合がある。また、第2の溶接用電極WE2の移動速度を最初から一貫して低速とすれば、接地電極30の表面に凹みができることを抑制することができるが、そのようにすれば製造工程に要する時間が増大してしまう。第3実施例では、接触状態が形成される直前で第2の溶接用電極WE2の移動速度を減ずるため、製造工程に要する時間の増大を抑制しつつ、接地電極30の表面に凹みができることを抑制することができ、接地電極30と電極チップ90との抵抗溶接の際の接触状態を安定させて、接合強度の低下を抑制することができる。
D.第4実施例:
図10は、第4実施例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示す説明図である。第4実施例における接地電極30への電極チップ90の接合は、開始から第1の溶接用電極WE1の移動までは(図10(a)および(b)参照)、第1実施例と同様に実行される。
第4実施例では、続く第2の溶接用電極WE2の移動の際に、基準点APから第2の溶接用電極WE2の第2の先端面ES2までの対向方向Dfに沿った第3の距離Leが測定され、第3の距離Leに基づき第2の溶接用電極WE2の移動量D2が算出される。具体的には、第2の溶接用電極WE2の移動量D2は、第1の距離Lcと第3の距離Leとの差分に、加圧状態における中間部分MPの目標変形量に相当する移動量を加えた移動量に等しいとして算出される。ここで、加圧状態における中間部分MPの目標変形量に相当する移動量は、初期状態における中間部分MPの対向方向Dfに沿った長さG1と加圧状態における中間部分MPの目標長さG2との差分(=G1−G2)である。すなわち、移動量D2は、以下の式(2)により算出される。なお、第3の距離Leは、第2の部材としての電極チップ90の位置情報から取得され、電極チップ90と接地電極30との抵抗溶接時の荷重を一定にするための補正値に相当する。
D2=Lc−Le+(G1−G2)・・・(2)
第2の溶接用電極WE2の移動量D2の算出後は、第2の溶接用電極WE2を算出された移動量D2だけ移動して加圧状態を形成し、第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2との間に電圧を印加して、接地電極30と電極チップ90とを抵抗溶接により接合する。その後、第2の溶接用電極WE2を初期状態の位置に退避させ、その後、第1の溶接用電極WE1も初期状態の位置に退避させる。なお、第3の距離Leに基づき第2の溶接用電極WE2の移動量D2を算出し、算出された移動量D2だけ第2の溶接用電極WE2を移動させることは、補正値としての第3の距離Leを用いて抵抗溶接時の荷重を(荷重が一定になるように)調整することに相当する。
以上説明したように、第4実施例における接地電極30への電極チップ90の接合の際には、第2の溶接用電極WE2の移動量D2が、第1の距離Lcと第3の距離Leとの差分に、加圧状態における中間部分MPの目標変形量に相当する移動量を加えた移動量に等しいとして算出され、第2の溶接用電極WE2を算出された移動量D2だけ移動して加圧状態が形成される。そのため、第4実施例では、加圧状態における第2の溶接用電極WE2の中間部分MPの変形量(=G1−G2)を一定にすることができ、加圧状態における圧縮力を一定にすることができる。従って、第4実施例では、接地電極30と電極チップ90との抵抗溶接の際の圧縮力を一定にして溶接状態をさらに安定させることができ、接合強度の低下を良好に抑制することができる。
E.第5実施例:
図11は、第5実施例における接地電極30への電極チップ90の接合方法を示す説明図である。第5実施例における接地電極30への電極チップ90の接合は、開始から第1の溶接用電極WE1の移動までは(図11(a)および(b)参照)、第1実施例と同様に実行される。
第5実施例では、続く第2の溶接用電極WE2の移動の際に、第4実施例と同様に、基準点APから第2の溶接用電極WE2の第2の先端面ES2までの対向方向Dfに沿った第3の距離Leが測定される。さらに、第5実施例では、接地電極30の対向方向Dfに沿った寸法Tgおよび電極チップ90の対向方向Dfに沿った寸法Thが取得される。これらの寸法の取得の際には、例えばユーザによる入力や記憶媒体からのデータの読み取り、測定手段による測定といった任意の寸法取得方法を採用可能である。そして、第4実施例と同様に算出された第2の溶接用電極WE2の移動量D2が、寸法Tgおよび寸法Thに基づき調整される。具体的には、第2の溶接用電極WE2の移動量D2は、第1の距離Lcと第3の距離Leとの差分に、加圧状態における中間部分MPの目標変形量に相当する移動量(=G1−G2)を加え、さらに寸法Tgおよび寸法Thの合計を差し引いた移動量に等しい。すなわち、移動量D2は、以下の式(3)により算出される。なお、第3の距離Leおよび寸法Thは、第2の部材としての電極チップ90の位置情報から取得され、電極チップ90と接地電極30との抵抗溶接時の荷重を一定にするための補正値に相当する。
D2=Lc−Le−Tg−Th+(G1−G2)・・・(3)
第2の溶接用電極WE2の移動量D2の算出後は、第2の溶接用電極WE2を算出された移動量D2だけ移動して加圧状態を形成し、第1の溶接用電極WE1と第2の溶接用電極WE2との間に電圧を印加して、接地電極30と電極チップ90とを抵抗溶接により接合する。その後、第2の溶接用電極WE2を初期状態の位置に退避させ、その後、第1の溶接用電極WE1も初期状態の位置に退避させる。なお、第3の距離Leおよび寸法Thに基づき第2の溶接用電極WE2の移動量D2を算出し、算出された移動量D2だけ第2の溶接用電極WE2を移動させることは、補正値としての第3の距離Leおよび寸法Thを用いて抵抗溶接時の荷重を(荷重が一定になるように)調整することに相当する。
以上説明したように、第5実施例における接地電極30への電極チップ90の接合の際には、第2の溶接用電極WE2の移動量D2が、第1の距離Lcと第3の距離Leとの差分に加圧状態における中間部分MPの目標変形量に相当する移動量を加えた移動量に等しいとして算出され、さらに寸法Tgおよび寸法Thの合計を差し引くように調整される。そして、第2の溶接用電極WE2を調整後の移動量D2だけ移動して加圧状態が形成される。そのため、第5実施例では、製造する製品の種類が変わって接地電極30の寸法Tgや電極チップ90の寸法Thが変わっても、初期状態における中間部分MPの長さG1を変更することなく、加圧状態における第2の溶接用電極WE2の中間部分MPの変形量(=G1−G2)を一定にすることができ、加圧状態における圧縮力を一定にすることができる。従って、第5実施例では、種々の製品を製造する場合においても、容易に接地電極30と電極チップ90との抵抗溶接の際の圧縮力を一定にして溶接状態をさらに安定させることができ、接合強度の低下を良好に抑制することができる。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記各実施例におけるスパークプラグ100およびその構成部品の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記各実施例では、接地電極30は二層構成であるとしているが、これに限られず、接地電極30は単層構成であるとしても三層以上構成であるとしてもよい。また、接地電極30や電極チップ90の材料は、上記各実施例に記載された材料に限られない。
また、上記各実施例では、接地電極30を除くスパークプラグ100の構成部品(主体金具50や中心電極20等)の製造および組み立ての後に、主体金具50に接地電極30を接合し、さらに接地電極30に電極チップ90を接合するとしているが、主体金具50に接地電極30を接合し、さらに接地電極30に電極チップ90を接合した後に、主体金具50と他の構成部品を組み立てるとしてもよい。
また、図9から図11に示した第3実施例から第5実施例では、初期状態において第1の溶接用電極WE1が上側に位置し、第2の溶接用電極WE2が下側に位置し、第2の溶接用電極WE2の第2の先端面ES2上に電極チップ90が載置されているが、第3実施例から第5実施例において、図8に示した第2実施例と同様に、初期状態において第1の溶接用電極WE1が下側に位置し、第2の溶接用電極WE2が上側に位置し、接地電極30上に電極チップ90が載置されているとしてもよい。
また、図10および図11に示した第4実施例および第5実施例において、接地電極30と電極チップ90との抵抗溶接接合の際に、接地電極30および電極チップ90に作用する圧縮力を監視し、圧縮力が変化した場合に、第2の溶接用電極WE2を対向方向Dfに沿って圧縮力の変化を補償する移動量だけ移動させるようにしてもよい。具体的には、例えば、接地電極30および電極チップ90に作用する圧縮力が低下した場合には、第2の溶接用電極WE2を対向方向Dfに沿って接地電極30に近づく方向に移動することにより低下した圧縮力を補償する(圧縮力を増加させる)ようにしてもよい。抵抗溶接の際には、接地電極30および電極チップ90が溶融して大きさが微妙に変化し、接地電極30および電極チップ90に作用する圧縮力が変化する場合がある。圧縮力を監視し、圧縮力が変化した場合に第2の溶接用電極WE2を圧縮力の変化を補償する移動量だけ移動させるようにすれば、接地電極30と電極チップ90との抵抗溶接の際の圧縮力を精度良く一定にして溶接状態をさらに安定させることができ、接合強度の低下を良好に抑制することができる。
同様に、上記実施例における主体金具50への接地電極30の接合の際に、主体金具50および接地電極30に作用する圧縮力を監視し、圧縮力が変化した場合に、第2の溶接用電極WE2xを対向方向Dfxに沿って圧縮力の変化を補償する移動量だけ移動させるようにしてもよい。具体的には、例えば、主体金具50および接地電極30に作用する圧縮力が低下した場合には、第2の溶接用電極WE2xを対向方向Dfxに沿って主体金具50に近づく方向に移動することにより低下した圧縮力を補償する(圧縮力を増加させる)ようにしてもよい。抵抗溶接の際には、主体金具50および接地電極30が溶融して大きさが微妙に変化し、主体金具50および接地電極30に作用する圧縮力が変化する場合がある。圧縮力を監視し、圧縮力が変化した場合に第2の溶接用電極WE2xを圧縮力の変化を補償する移動量だけ移動させるようにすれば、主体金具50と接地電極30との抵抗溶接の際の圧縮力を精度良く一定にして溶接状態をさらに安定させることができ、接合強度の低下を良好に抑制することができる。
また、上記実施例における主体金具50への接地電極30の接合の際には、第2の溶接用電極WE2xの移動の際に、第2の溶接用電極WE2xにチャックされた接地電極30が主体金具50に接触した接触状態が形成される直前で、第2の溶接用電極WE2xの移動速度を減ずるとしてもよい。このようにすれば、接触状態が形成される際の衝撃によって主体金具50や接地電極30の表面に凹みができることを抑制することができる。主体金具50や接地電極30の表面に凹みができると、主体金具50と接地電極30との抵抗溶接の際の接触状態が安定せず、溶接状態を安定させることが困難となる場合がある。また、第2の溶接用電極WE2xの移動速度を最初から一貫して低速とすれば、凹みができることを抑制することができるが、そのようにすれば製造工程に要する時間が増大してしまう。接触状態が形成される直前で第2の溶接用電極WE2xの移動速度を減ずれば、製造工程に要する時間の増大を抑制しつつ、主体金具50や接地電極30の表面に凹みができることを抑制することができ、主体金具50と接地電極30との抵抗溶接の際の接触状態を安定させて、接合強度の低下を抑制することができる。
また、上記実施例における主体金具50への接地電極30の接合の際には、第6の距離Tk(接地電極30が第2の溶接用電極WE2xにチャックされた状態における、第2の溶接用電極WE2xの先端面ES2xから接地電極30の接合面NSまでの対向方向Dfxに沿った距離)は、予め想定される値が所定の記憶領域に記憶されており、その記憶された値を取得して用いるとしているが、第6の距離Tkを任意の公知の距離測定方法を用いた測定により取得するとしてもより。このようにすれば、接地電極30の長さの寸法ばらつきや第2の溶接用電極WE2xにおける接地電極30のチャック位置のばらつきにかかわらず、第1の溶接用電極WE1xと第2の溶接用電極WE2xとが主体金具50および接地電極30を介して電気的に接続され、第2の溶接用電極WE2xが接地電極30を主体金具50の接合面MSに押し付ける状態を、より安定して形成することができ、接合強度の低下を抑制することができる。
また、上記実施例では、第5の距離Liは、基準点APxから第2の溶接用電極WE2xにおける先端面ES2xまでの対向方向Dfxに沿った距離であり、第6の距離Tkは、第2の溶接用電極WE2xにおける先端面ES2xから接地電極30の接合面NSまでの対向方向Dfxに沿った距離であるとしている。しかし、これに代えて、第5の距離Liは、基準点APxから第2の溶接用電極WE2xにおける所定の参照位置までの対向方向Dfxに沿った距離であり、第6の距離Tkは、第2の溶接用電極WE2xにおける当該参照位置から接地電極30の接合面NSまでの対向方向Dfxに沿った距離であるとしてもよい。
また、上述した実施形態における本発明の構成要素のうち、独立請求項に記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略、または、組み合わせが可能である。
3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
10…絶縁碍子
12…軸孔
13…脚長部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…中央胴部
20…中心電極
21…被覆材
25…芯材
30…接地電極
31…先端部
32…基端部
40…端子金具
50…主体金具
51…工具係合部
52…ネジ部
54…シール部
57…先端面
90…電極チップ
100…スパークプラグ
WE…溶接用電極
EP…先端部
BP…支持部
MP…中間部
ES…先端面

Claims (16)

  1. 中心電極と、主体金具と、前記主体金具の先端部に一端部が接合された接地電極と、を有するスパークプラグの製造方法であって、
    前記スパークプラグを構成する第1の部材と第2の部材とを接合する接合工程を備え、
    前記接合工程は、前記第1の部材に接触する第1の溶接用電極と、弾性変形可能な中間部分を有し前記第2の部材に接触する第2の溶接用電極とが、前記第1の部材および前記第2の部材を介して電気的に接続されることにより、前記第1の部材と前記第2の部材とを抵抗溶接して接合する工程であり、
    前記スパークプラグの製造方法は、さらに、
    前記第2の部材の位置情報から、前記抵抗溶接時の荷重を一定にするための補正値を取得する工程と、
    前記補正値を用いて前記抵抗溶接時の荷重を調整する工程と、を備えることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記第1の部材は前記接地電極であり、前記第2の部材は前記接地電極に接合されて前記中心電極との間に間隙を形成する電極チップであり、
    前記接合工程は、前記接地電極における前記電極チップが接合される側とは反対側の面を第1の先端面で支持する前記第1の溶接用電極と、前記第1の先端面に対向する第2の先端面を有すると共に前記第2の先端面より後端側に前記第1の先端面と前記第2の先端面とが対向する方向である対向方向に沿って弾性変形可能な前記中間部分を有する前記第2の溶接用電極とで、前記接地電極と前記電極チップとを挟み込んだ後に、前記接地電極と前記電極チップとを抵抗溶接して接合する工程であることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
  3. 請求項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記接合工程は、前記接地電極における前記電極チップが接合される側とは反対側の面を前記第1の溶接用電極の前記第1の先端面で支持した後、前記第2の溶接用電極を前記接地電極に近づくように移動させて、前記第1の溶接用電極と前記第2の溶接用電極とで前記接地電極と前記電極チップとを挟み込む工程を含むことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
  4. 請求項または請求項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記接合工程は、
    所定の基準点から前記接地電極における前記電極チップが接合される側とは反対側の面までの前記対向方向に沿った第1の距離を測定する工程と、
    前記所定の基準点から前記第1の溶接用電極の前記第1の先端面までの前記対向方向に沿った第2の距離を取得する工程と、
    前記第1の溶接用電極を、前記対向方向に沿って前記接地電極に近づく側に、前記第2の距離と前記第1の距離との差分だけ移動させる工程と、
    前記第2の溶接用電極を、前記対向方向に沿って前記接地電極に近づく側に、前記電極チップが前記第2の溶接用電極の前記第2の先端面と前記接地電極との両方に接触した接触状態となり、さらに、前記第2の溶接用電極の前記中間部分が弾性変形して前記第2の先端面が前記電極チップを前記接地電極に押し付ける加圧状態となるのに十分な所定の移動量だけ移動させる工程と、
    前記加圧状態において、前記第1の溶接用電極と前記第2の溶接用電極との間に電圧を印加することにより、前記電極チップと前記接地電極とを溶接接合する工程と、を含む、スパークプラグの製造方法。
  5. 請求項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記第2の溶接用電極を移動させる工程は、前記接触状態となる直前で、前記第2の溶接用電極の移動速度を減ずる工程を含む、スパークプラグの製造方法。
  6. 請求項または請求項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記接合工程は、さらに、前記所定の基準点から前記第2の溶接用電極の前記第2の先端面までの前記対向方向に沿った第3の距離を測定する工程を含み、
    前記第2の溶接用電極の前記中間部分は、前記第2の先端面とは反対側に隣接する支持部を有し、
    前記第2の溶接用電極を移動させる工程は、前記支持部を、前記第1の距離と前記第3の距離との差分に前記加圧状態における前記中間部分の目標変形量に相当する移動量を加えた移動量だけ移動させる工程である、スパークプラグの製造方法。
  7. 請求項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記接合工程は、さらに、前記接地電極と前記電極チップとの前記対向方向に沿った寸法を取得する工程を含み、
    前記第2の溶接用電極を移動させる工程は、前記寸法に基づき移動量を調整する工程を含む、スパークプラグの製造方法。
  8. 請求項または請求項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記接合工程は、さらに、前記溶接接合の際に、前記接地電極および前記電極チップに作用する圧縮力を監視する工程と、前記圧縮力が変化した場合に、前記第2の溶接用電極を前記対向方向に沿って前記圧縮力の変化を補償する移動量だけ移動させる工程と、を含む、スパークプラグの製造方法。
  9. 請求項1に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記第1の部材は前記主体金具であり、前記第2の部材は前記接地電極であり、
    前記接合工程は、前記主体金具における前記接地電極が接合される側とは反対側で前記主体金具を支持する前記第1の溶接用電極と、前記接地電極の側面で前記接地電極をチャックする前記第2の溶接用電極とを、前記主体金具と前記接地電極とを介して電気的に接続することにより、前記主体金具と前記接地電極とを抵抗溶接して接合する工程であることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
  10. 請求項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記接合工程は、前記接地電極をチャックした前記第2の溶接用電極を前記第1の溶接用電極で支持された前記主体金具に近づくように移動させて、前記第1の溶接用電極と前記第2の溶接用電極とで前記主体金具と前記接地電極とを挟み込む工程を含むことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
  11. 請求項または請求項10に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記第2の溶接用電極の前記中間部分は、前記接地電極をチャックする部分とは反対側に隣接する支持部を有し、
    前記接合工程は、
    所定の基準点から前記主体金具における前記接地電極が接合される面までの前記接地電極と前記主体金具とが対向する方向である対向方向に沿った第4の距離を測定する工程と、
    前記所定の基準点から前記第2の溶接用電極における所定の参照位置までの前記対向方向に沿った第5の距離を取得する工程と、
    前記第2の溶接用電極を、前記対向方向に沿って前記主体金具に近づく側に、前記支持部が前記第4の距離と前記第5の距離との差分に基づき設定される移動量だけ移動するように移動させる工程と、
    前記第2の溶接用電極の移動後に、前記第1の溶接用電極と前記第2の溶接用電極との間に電圧を印加することにより、前記主体金具と前記接地電極とを溶接接合する工程と、を含む、スパークプラグの製造方法。
  12. 請求項11に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記接合工程は、前記第2の溶接用電極における前記所定の参照位置から前記第2の溶接用電極にチャックされた前記接地電極の先端面までの前記対向方向に沿った第6の距離を測定する工程を含み、
    前記移動量は、前記第4の距離と前記第5の距離との差分から前記第6の距離を減じた値に基づき設定される、スパークプラグの製造方法。
  13. 請求項12に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記移動量は、前記第2の溶接用電極にチャックされた前記接地電極が前記主体金具に接触した接触状態となり、さらに、前記第2の溶接用電極の前記中間部分が弾性変形して前記第2の溶接用電極が前記接地電極を前記主体金具に押し付ける加圧状態となるのに十分な移動量である、スパークプラグの製造方法。
  14. 請求項13に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記第2の溶接用電極を移動させる工程は、前記接触状態となる直前で、前記第2の溶接用電極の移動速度を減ずる工程を含む、スパークプラグの製造方法。
  15. 請求項13または請求項14に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記第2の溶接用電極を移動させる工程は、前記支持部を、前記第4の距離と前記第5の距離との差分から前記第6の距離を減じた値に前記加圧状態における前記中間部分の目標変形量に相当する移動量を加えた移動量だけ移動させる工程である、スパークプラグの製造方法。
  16. 請求項15に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記接合工程は、さらに、前記溶接接合の際に、前記主体金具および前記接地電極に作用する圧縮力を監視する工程と、前記圧縮力が変化した場合に、前記第2の溶接用電極を前記対向方向に沿って前記圧縮力の変化を補償する移動量だけ移動させる工程と、を含む、スパークプラグの製造方法。
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